プロフィール
生年月日 | 2003年4月8日 |
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欧字表記 | T M Precure |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牝 |
毛色 | 鹿毛 |
父 | パラダイスクリーク |
母 | フェアリード |
母の父 | ステートリードン |
生産 | タニグチ牧場(北海道新冠町) |
主戦騎手 | 熊沢重文、酒井学、荻野琢真など |
通算戦績 | 37戦4勝 |
主要勝鞍 | 阪神ジュベナイルフィリーズ(2005)、日経新春杯(2009) |
獲得賞金 | 2億474万円 |
馬名の由来は『ふたりはプリキュア』で、名付け親は馬主の娘である。
冠名の「テイエム」は、馬主竹園正継(Takezono Masatsugu)氏のイニシャルで、同氏の所有馬ではテイエムオペラオー・テイエムオーシャンなどが有名。
父パラダイスクリークはアメリカ合衆国の競走馬で、現役時にはG1を4勝。馬主はニシノフラワーやセイウンスカイで知られる西山正行氏であり、引退後に日本に輸入されて種牡馬となった。
母フェアリードは、後に障害競走で重賞3勝のテイエムハリアー(2006年生、父ニューイングランド)、京都ジャンプステークス勝ち馬マイネルフィエスタ(2010年生、父シンボリクリスエス)と、プリキュア含め3頭の重賞馬を産んだ名牝である。
しかし、2003年にテイエムプリキュアを産んだ時点で、そんな情報はわかりようもない。どうにも地味感のぬぐえない血統から競走馬セリ市でも人気がなく、「血統抜きでこの馬は走る」と直感した竹園氏はこの馬を250万円で購入できた(競走馬の取引額としてはたいへん安い)。
経歴
2005年(2歳)
栗東・五十嵐忠厩舎からデビュー。
2005年9月3日の新馬戦で初出走初勝利。同レースにはドリームパスポートも出走していた(6番人気3着)。
2連勝で迎えた12月4日阪神ジュベナイルフィリーズでは8番人気(22.6倍)であったが、中団で脚を溜めると最終直線で豪快な差し切り勝ち。
表彰台には名付け親である馬主の娘も乗り、アナウンサーが「子供に大人気のキャラクター」と名前の由来を紹介した。
翌日のスポーツ新聞がカオスなことになった。映画の宣伝まで載った。
なお、2着は9番人気のシークレットコードであり、馬連19,200円の万馬券。早くも万馬券メイカーの片鱗を見せつけていた。
この活躍により、2005年度JRA賞最優秀2歳牝馬受賞。
2006~2008年(3~5歳)
2006年はクラシックレースに出走するが人気に応えられず、オークス後は脚部不安で休養。
2007年に復帰後は先行して直線伸びず、後方追走してそのままと精彩を欠いた。
2008年日経新春杯では先行し途中から先頭に立って3着に入り、2年1ヶ月ぶりに馬券に絡む。
これ以降、ほとんどのレースで先行策を取るが、アルゼンチン共和国杯4着以外はいいところがなかった。
2009年日経新春杯
「先頭はテイエムプリキュアだ!さあ、ラストランを飾れるか!」
「一人旅だ!一人旅だ!テイエムプリキュアだ!」
「苦しかった3年間、報われました!ハッピーエンドです、テイエムプリキュア!」
2009年、前年好走した日経新春杯を最後に引退と発表される。
レースでは、最軽量ハンデ(49kg)を利してスタートから先頭に立って逃げを打つ。プリキュアが一人旅を続ける中……他の馬は牽制し合って仕掛けることができない。京都競馬場は第3コーナーに上り坂があり、そこを越えれば下り、第4コーナーから最終直線にかけて勢いをつけ、そのまま逃げ粘りが狙える。しかしそのタイミングでも誰もプリキュアを捕まえにいけない。
まんまと逃げ切ったプリキュアは、阪神ジュベナイルフィリーズ以来3年ぶりの勝利を挙げた。日経新春杯の6歳での勝利は、現在も牝馬の最高齢勝利記録。
このレースのプリキュアは11番人気である。単勝3,440円、馬連は15,190円の万馬券。
プリキュアを応援し続けたファンが最後に報われハッピーエンド……と思われたのだが、この結果を受けて陣営は引退を撤回。現役続行するが阪神大賞典、天皇賞、京都大賞典とふたたび大敗続きに戻ってしまう。
2009年エリザベス女王杯
「これが競馬の怖いところ!
クィーンスプマンテとテイエムプリキュアの1着2着!」
度重なる大敗で、エリザベス女王杯では再び12番人気まで人気が下降。レースでは逃げたクィーンスプマンテを2番手で追走、2頭が馬群を引き離して大逃げのままレースが進むと、日経新春杯同様に後方集団が牽制し合いの結果仕掛けるタイミングを逸してしまう。プリキュアは最後クィーンスプマンテには突き放されたものの、ブエナビスタの猛追をクビ差でしのぎ切り2着に入る。馬単の払戻金250,910円はG1レース史上2位の高配当となった(2021年時点では歴代3位)。
引退
有馬記念のファン投票では23位、レースでは14番人気、先行したが3コーナーで失速し14着に終わった。
7歳となった2010年も現役を続行するが、4戦して全て二桁着順で、エリザベス女王杯を最後に引退。通算競走成績は36戦4勝。
引退後
引退後は繁殖牝馬(ママキュア)となり、2012年に第1仔(牡馬)を出産、「テイエムキュアオウ」と名付けられる。2014年8月にデビュー、2015年3月初勝利。
第2仔はテイエムプリオネ(冠名+母名より+クリオネより)と命名され2015年9月デビュー。
生年月日 | 名前 | 父 | 性別 | 競走成績 |
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2012年3月20日 | テイエムキュアオウ | ディープスカイ | 牡 | 25戦2勝 |
2013年3月28日 | テイエムプリオネ | ディープスカイ | 牝 | 10戦0勝 |
2014年4月11日 | テイエムカクテル | キングズベスト | 牡 | 2戦0勝 |
2015年5月7日 | テイエムリベンジ | ヤマニンセラフィム | 牡 | 出走なし |
2016年4月30日 | テイエムプレミア | テイエムオペラオー | 牝 | 3戦0勝 |
2017年5月4日 | テイエムプリジャン | ジャングルポケット | 牡 | 22戦3勝 |
2018年4月22日 | テイエムユニバース | ネオユニヴァース | 牝 | 2戦0勝 |
2019年5月16日 | テイエムヒットマン | アドマイヤムーン | 牡 | 2戦0勝 |
2020年5月12日 | テイエムインパクト | リアルインパクト | 牡 | 4戦0勝 |
2022年5月1日 | キボウノチカラ | イスラボニータ | 牝 | 未出走 |
鶴瓶の家族に乾杯2018年6月4日放送回(撮影5月9日)に登場。生まれ故郷である新冠のタニグチ牧場で当歳馬とともに元気な姿を見せた。
2022年に繁殖牝馬を引退し功労馬となった。
一方ラストクロップは2023年7月のセレクションセールで、アカイイトやヨカヨカ、ゴライコウ、オオバンブルマイなどのオーナーである岡浩二氏が落札。
そして10月末に馬名登録された。その名は「キボウノチカラ」。
母親からくるあまりにも由来が分かりすぎる(かつ時期的にタイムリー)な馬名ゆえに、感激する人もいたりする。
プリキュアと馬
以下はアニメ「プリキュア」シリーズと馬との関わりについて記述する。
キュアアクアに変身する水無月かれんは「チャーリー」という馬を所有している。
『5』第34話では、ミルクを看病するかれんにナイトメアの幹部・ハデーニャが襲い掛かる。
馬をコワイナーにしてアクアを追い詰めるハデーニャだが、そこにチャーリーが駆けつけ、激しい騎馬戦を展開する。
実はこのエピソードが作られるきっかけになったのは、上北ふたごが漫画版でかれんの乗馬シーンを描いた事による。上北は元々乗馬の趣味があり、後に乗馬を題材にした読み切り作品『ラブホース』を描いている。そのためお嬢様であるかれんに乗馬させた、というものだが、これをプロデューサーの鷲尾天とシリーズ構成の成田良美が気に入り、アニメの方にフィードバックされた物である。
第39話では、プリキュアとバッドエンド王国の3幹部が「シンデレラ」の物語に入り込む。
その中で、日野あかねと緑川なお(NISSANコンビ)はねずみを経て馬の役になった。
あかねは「何でウチらが馬やねん!」と少々不満だった。
詳細は「ケモNISSAN」の記事を参照
余談だが、2017〜2018年デビューの競走馬として、名前そのままのキュアサニーとキュアビューティがいる。共に馬主は競走馬育成場吉澤ステーブルを率いてゴールドシップやタニノギムレットを排出した事で知られる吉澤克己氏。どのような経緯でこの名前を採用したのか気になるところである。
因みにキュアサニーは5戦、キュアビューティは3戦出馬しているが、いずれも未勝利である上に全て2桁着順である。
何かと前述のかれんとのシンクロ度合いが話題となる海藤みなみだが、第2話では乗馬を得意としている事が判明。漫画版では乗馬レッスンも描かれている。
しかし、それ以上に重要なのがヒロイントリオの変身後の名前であった。
- キュアフローラ:東京競馬場で施行される重賞競走(G2)「フローラステークス」
- キュアマーメイド:阪神競馬場で施行される重賞競走(G3)「マーメイドステークス」
- キュアトゥインクル:大井競馬場で3月下旬~12月上旬の間開催されるナイター競馬の総称「トゥインクルレース」
…と、馬そのもの以上に競馬との関わりが深い三人が揃ってしまったのである。
では、新たに加わったキュアスカーレットはどうなのか、と言えばスカーレットインクという競走馬が実在する。とはいえ1戦未勝利のまま繁殖牝馬になったのだが、この馬から生まれたスカーレットリボンとスカーレットブーケが重賞勝利を挙げ、さらにスカーレットブーケからダイワスカーレットやダイワメジャー、さらには第7仔スカーレットローズの孫にはヴァーミリアンと、GI馬が続々生まれており、名牝の系統に上げられるようになった。そんな競馬的なこじつけも可能となっている。
またプリキュアではないが、カナタ王子の愛馬としてウィッシュがおり、なんと空を飛ぶことが出来る。
そんなことを言っていたら、2024年11月にそのまんまの名前のキュアフローラがデビュー。プリンセスあるいは女王の座を掴む事はできるのか。
馬に関係すると言えば魔法界に住むペガサスぐらいしかないが、放送終了後の2020年に浦和競馬でキュアップラパパという馬名の競走馬がデビュー。馬主氏曰く由来は「娘の好きなプリキュアの魔法より」とのこと。
この作品の追加戦士であるキュアパルフェのモチーフがペガサスになっている。このため、ブーツの下部デザインが馬の蹄のようになっており、馬の耳と尻尾を身に着けている。
大井競馬場で行われているナイター『トゥインクルレース』とトゥインクル繋がりになる。大井競馬場とのコラボイラストの投稿が予想される。
又、2019年3月21日に、大井競馬場でスター☆トゥインクルプリキュアのキャラクターショーが行われた。
一方同じ年にはなんとシャイニールミナスという牝馬がデビューしていたりする。
第8話は馬がフィーチャーされた回となっており、犬飼いろは達2年1組の担任・馬場園清が初登場し、馬術部の顧問をしている事と好きな言葉が「人間万事塞翁が馬」である事が語られた。また転校生の猫屋敷まゆが彼の名前を黒板で見て、自己紹介であるミスをやらかした。
なお、いろは達が通う私立湾岸第二中学校には厩舎があり、当然馬もいる。さらにこの回に登場したガルガルは馬(ポニー)であり、ガルガルと追いかけっこをするキュアワンダフルとキュアフレンディの姿は「ウマ娘みたい」という感想が聞かれた。
関連イラスト
pixivでは擬人化されているイラストも散見される。
ちなみに擬人化と言えば、一部ファンの間ではウマ娘化が熱望されている馬でもある(アニメが元ネタ繋がりで言えばジャスタウェイも)。ただ、同じ馬主のテイエムオペラオーは大丈夫だった物の、こっちは名前の元ネタが元ネタだけに元ネタの権利元が許諾しない、実装が難しいのではとも言われてもいる。
もしもアニメが東映アニメーション制作ならば可能性はあったのかもしれないが。
関連動画
関連タグ
みどりのマキバオー:競馬そのものを題材とした漫画の中でも知名度の高い作品。『プリキュア』とも被る出演者多数。
ウマ娘プリティーダービー:競馬を題材にしたゲーム作品。出演声優の何名かはプリキュアにもなっている。→ウマ娘プリキュアダービー
アニメ由来の珍名馬かつ名馬の後輩
・ジャスタウェイ(競走馬):ジャスタウェイ(銀魂)が由来
・オニャンコポン(競走馬):オニャンコポン(進撃の巨人)が由来