『誰もが知ってる ウルトラの戦士』(アニメオープニングの歌詞から)
曖昧さ回避
概要
1979~1980年に放送された、ウルトラシリーズ初のアニメーション作品。アニトラマンの始祖的存在である。
放送時期は『ウルトラマンレオ』と『ウルトラマン80』の間になり、『80』と合わせて「第三期ウルトラシリーズ」と呼称されることもある。
そもそもなぜアニメとして作られたのかと言うと、当時『宇宙戦艦ヤマト』などによるアニメブーム真っ最中であった事や、当時から円谷プロを苦しめていた予算の都合などが背景にある。
当時の円谷プロにアニメの製作ノウハウはなかったため、製作は日本サンライズ(現:サンライズ)が手がけた。
本作のウルトラマン達はU40(ユー・フォーティー)という星の出身で、一部の設定を除きM78星雲やL77星とは無関係とされている。
設定・技術
アニメ作品であるために後のシリーズでは客演等がしにくく、根っからのウルトラファン以外の知名度は低いものの、終盤の展開で「主人公がウルトラマンであるために、肝心な時にいない」という暗黙の了解に踏み込み、「アニメならではの最終回」へと結実させたスタッフの手腕など、見事な点が多い。
実写であの最終回と同じことをやっても、視聴者に強い印象を残せなかっただろう。アニメーションという媒体だったからこそなしえたと思われる。
また、それ以外にも他媒体では(CGのない当時は主に予算や画面の見せ方の都合で)やり辛かった「怪獣たちの大挙しての襲来」や、「着ぐるみではできない怪獣デザインや戦闘シチュエーション」等といった“アニメならでは”の手法も試みられている。
ここでは明記しないがスタッフ陣は当時としても非常に豪華であったりする(仕上げにはあのシャフトも携わっている)。
さらに、ウルトラシリーズでエンディングテーマを採用した最初の作品でもあったりする。
また主人公のヒカリ超一郎とウルトラマンジョーニアスは、それまでのウルトラシリーズにない関係である。ヒカリは(セブンやメビウスのように)宇宙人が地球人に変身した擬態ではなく、初代ウルトラマンのように、地球人と一体化した訳でもない。ジョーニアスはヒカリの体に間借り(?)しているだけであり、精神は完全に別という表現をされている(平成シリーズで言えばコスモスやマックス・ゼロやエックス、そしてジョーニアスの後輩も属するトライスクワッドの面々が一番近い方法を取っている)。そのために、変身前のヒカリがジョーニアスと心の中で会話をするという場面が数多く描写された。また、ジョーニアス自身にも人間態が別に存在している。
あらすじ
科学警備隊のヒカリ超一郎隊員は、宇宙基地から地球に向かう途中、U40から来たウルトラマンジョーニアスと遭遇する。彼は地球に怪獣や超自然現象による危機が迫っており、それを救うために派遣されたと語り、ヒカリの体に(半ば強引に)同居することになる。以後、ヒカリはいざという時はビームフラッシャーを使ってジョーニアスに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。
中盤からはU40も舞台のひとつとなり、他のウルトラマンも登場するスペースオペラ的な展開となる。
登場人物
科学警備隊
チーム名や衣装はウルトラ警備隊を意識したものとなっている。
- ヒカリ超一郎(富山敬)20歳
- 本作の主人公。宇宙ステーションから科学警備隊に転属する途中でジョーニアスと遭遇。地球防衛のために彼を受け入れ、共に闘うことを決意する。
- ジョーニアスに変身している間は居なくなるので、周囲から非難されたり疑惑の目で見られることに苦悩する。だが最後には秘密を隠したままで戦う意義を見出した。
- アキヤマ徹男(森川公也)41歳
- 科学警備隊の初代隊長。冷静沈着を旨とする。
- ゴンドウ大助(柴田秀勝)
- 科学警備隊の2代目隊長。アキヤマと逆に体育会系で豪快な性格。ジョーニアスの存在に感謝する一方、彼に依存していることに苦悩する。ヒカリとジョーニアスの関係に薄々気がつくが、そのために判断を過ち大賢者を死なせてしまう。その後は自らと隊員達に喝を入れ直した。
- トベ博明(二瓶正也)24歳
- スーパーマードックの設計者で数々の研究や新兵器の開発を行なう。行動的でもあり、アキヤマ退任からゴンドウ赴任の間まで隊長代行を勤めた。
- 声の二瓶正也は初代ウルトラマンのイデ隊員役で有名。
- マルメ敬(兼本新吾)25歳
- 怪力の持ち主で射撃の名手。ヒカリが「肝心な時にいなくなる」ことからヒカリ=ジョーニアスと確信。終盤での危機に際し、ヒカリ本人に対してそれをほのめかす発言をしたが、彼の願い空しく大賢者は殺されてしまう。
- 星川ムツミ(島本須美)18歳
- 科学警備隊の紅一点。女性という理由だけで特別扱いされるのを嫌う。実際男性隊員に引けをとらない実力を持つ。ゴンドウとほぼ同時にヒカリ=ジョーニアスではないかと疑念を抱いたが、口に出して相談する前にゴンドウから「(それは)言うな!」と制止された。
U40
U40に住むウルトラ人は普段は人間と変わらない姿でギリシャ神話風の衣装を着ている。全員がウルトラマインドの力を使ってウルトラマンに変身できるが、巨大化能力を持つのは大賢者に選ばれた8人だけである。ジョーニアスはその8人の中でも最強の戦士と言われる。
- ジョーニアス(伊武雅之。後の伊武雅刀)
- U40から地球に派遣された戦士。地球ではヒカリ隊員と一体化しているが精神は完全に別。ヒカリがビームフラッシャーを額にあてると変身。胸にある五角形はスターシンボルと呼ばれ、青から黄色、赤へと変色して残り時間を示す。地球での活動時間は4分。必殺技はプラニウム光線。
- 最終回でヒカリと分離し、人間の姿を見せて別れた。ヒカリに「もう会えないのか」とたずねられると、「地球にまた危機が訪れたら再訪する。その時はヒカリの様な若く勇敢な青年の体を借りるだろう(それは視聴者の誰かかもしれない)」と話す。
- アミア(滝沢久美子)
- ジョーニアスの妹。選ばれし戦士でないため巨大化は出来ないが、1回だけ盗んだビームフラッシャーで巨大化し、地球に飛来している。ヒカリ隊員に想いをよせている。
- なぜか彼女一人だけが松本零士美女にそっくりである。
- エレク(池田勝)とロト(宮村義人)
- 選ばれしウルトラ戦士で2人ともジョーニアス同様に巨大化できる。
- ウルトラ5大戦士
- ジョーニアス、ロト、エレクら同様に巨大化出来る能力を持つウルトラ戦士。
- 大賢者(宮内幸平)
- U40の指導者にして長老。第49話でヘラー軍団に捕まり殺害される。彼の死によってゴンドウ達科学警備隊のメンバーは、己の力不足とジョーニアスの存在に甘えていたことを恥じ、奮起する。
ヘラー軍団
元はU40のウルトラ族だったが、変身能力を捨てるのと引き替えにウルトラマインドの力で不老不死となり、U40から離脱した一団。
元ウルトラ族以外にも多数の怪獣や宇宙人を従えている。
- ヘラー(大木民夫)
- 軍団の指導者。ウルトラマインドの力で全宇宙の征服を目論む。かつて大賢者にU40を追放された。宇宙艦隊を組織してU40を制圧。次の目標をウルトリアが隠された地球に定める。科学警備隊がウルトリアでU40に迫った時はわざと潜入させて撃墜した。
- ロイガー(大友龍三郎)
- ヘラーの右腕。地球攻略を命じられ派遣された。
科学警備隊メカニック
- スーパーマードック
- トベ隊員が設計した巨大軍用機。宇宙や海中でも活動可能。バーディー、ベータミーの母機でもある。第37話で大破。
- バーディー
- 単座戦闘機。同型機にスペースバーディーがある。
- ベータミー
- 複座小型機。偵察や攻撃用で垂直離着陸可能。同型機にスペースベータミー。
- パッセージャー
- シューターASS
- 専用の特殊車両。6輪タイヤ。
- ウルトリア
放送リスト
話数 | サブタイトル | 登場怪獣 |
---|---|---|
1 | 新しいヒーローの誕生!! | 冷凍怪獣シーグラ(4体) |
2 | 光るペンダントの秘密 | 竜巻き怪獣スパイラル |
3 | 草笛が夕日に流れる時… | 分裂怪獣ワニゴドン 分裂怪獣ペロ |
4 | 謎の赤い雲を追え!! | 雲怪獣レッドスモーギ |
5 | パッセージャー号地底突破!! | 地底怪獣タフギラン 地底怪獣タフギラス 地底子怪獣タフギラオ、タフギラコ |
6 | 燃える深海への挑戦 | 溶岩怪獣ファイヤバドン |
7 | 攻撃指令!目標はピグ!! | 電子怪獣コンビューゴン 宇宙怪獣 |
8 | ヒカリ隊員の秘密が盗まれた!? | 宇宙忍者バルタン星人 モンスター怪獣ミコノス |
9 | 目覚めた古代生物の恐怖 | 頭脳怪獣ドルフィーゴ |
10 | 見えたぞ!まぼろしの怪獣が… | テレポート怪獣ザローム |
11 | 科学警備隊へのチャレンジ!! | 機械怪獣ヘクトール 液体生命体(液体怪獣) |
12 | 怪獣とピグだけの不思議な会話 | 同居怪獣オプト(チョウ・ジン・サン) |
13 | よみがえった湖の悲しい伝説 | 音波怪獣ガラドラス |
14 | 悪魔の星が来た!! | 宇宙怪獣ザイクロン 火焔怪獣ゲロン 火山怪獣ガドン、悪魔の星(謎の天体) |
15 | 君がウルトラマンだ | いん石獣ゴグラン(成虫、幼虫) |
16 | 生きていた幻の鳥 | 幼鳥モア 古代怪鳥キングモア |
17 | ベータミーが消えた!! | こん虫獣バダン 地底子怪獣タフギラオ、タフギラコ |
18 | 謎のモンスター島 | 岩礁怪獣アイランダ×2匹(同一個体とする資料もある) |
19 | これがウルトラの星だ!!第1部 | は虫怪獣ゲラド は虫怪獣ジャニュール は虫怪獣ベドラン 精神寄生体 |
20 | これがウルトラの星だ!!第2部 | 凶悪星人バデル族 |
21 | これがウルトラの星だ!!第3部 | 凶悪星人バデル族 暗黒怪獣バゴン は虫怪獣ジャニュール三世 |
22 | 南海の怪しい空間 | 異次元怪獣ザーモス |
23 | 超音速の対決 | 高速怪獣ザンバ |
24 | ふたりのムツミ隊員 | 宇宙剣竜ドラゴドス アルファケンタウリ第5惑星人 超進化宇宙人アルファケンタウリ第1惑星人 |
25 | 悪魔の花園 | 毒花怪獣デスバラン |
26 | 地球最大の危機!! | 凶暴怪獣ギバルーガ |
27 | 怪獣島浮上!! | 宇宙悪魔バラドン星人 どくろ怪獣レッドキング 凶暴怪獣アーストロン 爆弾怪獣ゴーストロン プラスチック怪獣ゴキネズラ 赤色火炎怪獣バニラ 青色発泡怪獣アボラス |
28 | 新キャップが来た!! | 合体怪獣ダバラン、象怪獣ファンダス、翼竜怪獣クワァイラス |
29 | 悪魔のUFO大襲来 | 侵略星人ジャダン 双頭怪獣ジャゴン |
30 | 動き出した巨大化石 | 骨怪獣スケルドン |
31 | ウルトラの女戦士 | 宇宙星獣ガルバドス |
32 | 宇宙からの物体X | ロボット怪獣メガザウラ 暗黒星人バビラー |
33 | GO!!マグマの決死圏 | 集結怪獣ガミバ |
34 | 盗まれた怪獣収容星(前編) | 宇宙海賊インベド人 宇宙怪獣デスパワー 宇宙怪獣ゴードリアン 宇宙怪獣プラズーン 宇宙怪獣ジナリオ 宇宙怪獣アグジョン 宇宙怪獣ズーマ 宇宙怪獣グロテング 宇宙怪獣グロル |
35 | 盗まれた怪獣収容星(後編) | 宇宙海賊インベド人 宇宙怪獣プラズーン 宇宙怪獣アグジョン 宇宙怪獣ジナリオ 宇宙怪獣グロテング 宇宙怪獣プトゴリア 宇宙怪獣イドヅノス |
36 | 宇宙から来た雪女 | 白鳥座82番星人ノア 氷結怪獣ダランチュラス |
37 | ウルトラの星U40の危機!ウルトリアの謎 | ヘラー ロイガー ヘラー軍兵士 カプセル怪獣グモンス |
38 | ウルトラ大戦争!!巨大戦艦ウルトリア出撃 | ヘラー軍兵士 カプセル怪獣グモンス |
39 | ねらわれた巨大戦闘艦ウルトリア | ヘラー軍兵士 巨大怪猫ヘルキャット |
40 | 怪獣を連れた少年 | ペット怪獣オロラーン 改造オロラーン 平和宇宙人オペルニクス星人フェデリコ |
41 | 激突!!ウルトラマン対ウルトラマン | 回転怪獣ギロス 宇宙兵士ギロ星人 にせウルトラマンジョーニアス |
42 | ウルトラマン生けどり作戦 | 宇宙ハンターハタリ |
43 | 怪獣になったモンキ!? | 電送怪獣ネオドストニー ドストニー1号(A) ドストニー2号(B) モンキ・ドストニー |
44 | ウルトリアが二つに割れた!? | 円盤怪獣スペーダー 隕石円盤サイエンダー 宇宙魔軍サイエン星人 カプセル怪獣カペラドン×10 |
45 | 爆弾を抱いたピグ | 積雲怪獣ゴルディング アンドロイド201部隊 |
46 | よみがえれムツミ | メカ怪獣ゲドン |
47 | ウルトラの星へ!!第1部 女戦士の情報 | ヘラー軍団 |
48 | ウルトラの星へ!!第2部 前線基地壊滅 | 合成獣ヘラ・ウマーヤ |
49 | ウルトラの星へ!!第3部 U(ウルトラ)艦隊大激戦 | ヘラーのペットパンサー |
50 | ウルトラの星へ!!完結編 平和への勝利 | 処刑怪獣マクダター |
劇場版
アメリカにて2本の英語吹替再編集劇場版が公開された。
この作品の劇半は日本のウルトラマン物語や特撮版アンドロメロスでも使われている。
- The Adventures of Ultraman
1982年公開
- UltramanⅡ The Further Adventures of Ultraman
1983年公開
評価
再放送などの機会が乏しく、書籍等でも実写でないことによりスルーされがちなため知名度が向上せず、後述のように“ネタ”にされがちな異色作だが、実はシリーズ平均視聴率は前後の『レオ』と『80』を上回っており、まずまずの成功を収めていると言える(純粋な視聴率は平成三部作よりも高かったが、時代背景や放映形態、時間帯が大きく異なるので単純には比較できない)。
先述の通り、実写では不可能な表現・演出を積極的に取り入れたり、ストーリーを壮大なスペースオペラに発展させたりと、アニメであることを駆使した実験的な要素が非常に多く、近年は再評価の声が高まっている。また、ジョーニアスを始めとしたU40戦士の独特なデザイン・設定に惹きつけられるファンも少なくない。
一方で、放映当時から「アニメではなく実写でウルトラマンが観たかった」という声も少なくなかったとの証言もあり、新要素も相まって(少なくとも今よりは)賛否が分かれていた作品とも言える。実際、非常にクオリティの高い回もあるものの当時としても全体を通しての作画の出来はあまり安定しておらず、なおさら特撮がいいという風潮を生んでいた可能性は否めない。
1982年に発売されたウルトラマンBGM集のLP盤には本作に関するコラムが掲載されており、その中で「作品を作る上での三本柱とも言うべき、作画・演出・製作条件のどれをとっても満足のいく出来ではなく、その評価は非常に低いと言わねばならない(若干要約)」と辛辣に批評されている。
尤も本作を駄作としているワケではなく、最終回四部作については肯定的に評価しており、最後には「従来のウルトラ世界とは別のものを作ろうとした意欲にファンの方がついていけなかったというのは残念な事だ」とも述べられている。
後に『ウルトラマンティガ』などの意欲作が人気を博したことを考えると、本作は早すぎた傑作だったのかもしれない。
ちなみに当該批評を執筆した人物は、後に『ウルトラマンG』や平成ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズに関わることになる、当時高校一年生だった脚本家の會川昇氏である。
いずれにせよ『80』など後続のシリーズ製作・復活の機運を作った作品として位置づけられる。
ネタ
円谷プロのサイトでは四月馬鹿などに登場するが、それ以外の公式の場の出番は少ない。出ても自分の立場の微妙さを嘆いていたこともあった。
主題歌の「誰もが知っている」の下りも、知名度の低さと絡めて一部のファンからはちょいちょいネタにされている。
4分間戦えることを長所にしている…らしい。
しかしながら可愛い実妹がいる時点で「実質勝ち組なのでは?」とも囁かれている。
『ウルトラマン列伝』ではダークネスファイブ&ベリアル陛下が100話に登場したベリュドラの構成怪獣を紹介した時こみゅかる怪獣の1つとして(陛下曰くレア物)としてレッドスモーギを紹介した。なお、この時(半ばネタとはいえ)「ウルトラマンと怪獣がいるアニメの世界」と言われた(ただし銀河伝説ではゼアスと同じく出演していない。出身がM78星雲ではないからだろうか?)。
その後、新ウルトラマン列伝第49話で再び取り上げられることが決定。この回の内容は当時やっていた大怪獣ラッシュのメインキャラの1人バルタンバトラー・バレルからバルタン星人が話題に上がる中、ダークネスファイブの1人氷結のグロッケンが前述の陛下がジョーニアスの事を知りこのことについて勉強したら偶然アニメ版バルタン星人がジョーニアスと戦ったことを知りこのことを一同に話した。
とはいえ第105話や『ウルトラマンオーブ』放送直前スペシャルでは、冒頭の歴代ウルトラ戦士に入っていたり(前者はゾフィー以外は全員短編を含めてTVシリーズで主役になったことがあるウルトラマン)、極悪のヴィラニアスに作画の素晴らしさを賞賛されたり、最終回ではゼロから「とっておきの戦士」と紹介されたり…と列伝系列の番組ではわりと優遇されている節もあり、円谷プロにとってもある種強い思い入れがあるのかもしれない。
そして……
放送開始40周年となる2019年。『ザ☆ウルトラマン』を取り巻く環境が突如大きく動くこととなった。
まず、この年に放送開始されるシリーズ『ウルトラマンタイガ』に、40年ぶりの登場かつ実写シリーズ初出としては初となるU40出身のウルトラ戦士・ウルトラマンタイタスが登場することが発表された。アニメという媒体も露出に恵まれないハードルとなっていたため凄まじいサプライズであり、情報公開時はタイタス本人や『タイガ』に並び本作も大きな話題となった(ファンからは『タイガ』へのジョーニアス達の登場を望む声も出てきている。
それに伴いたいが公開直前に放送されたウルトラマンニュージェネレーションクロニクルの最終回においてタイタスがU40のことを説明するため、19話~21話の紹介を行った。
タイタスは放送前から驚愕の出自とデザインが注目を集めていたが、実際に活躍が始まるとワイルドかつ洗練されたバトルスタイル、落ち着いた性格の好漢である一方でお茶目な言動が多いキャラクター性から真面目な意味でもネタ的な意味でもさらに人気を得ていった。加えて彼はU40の戦士であることを誇りに思っており、ボイスドラマにおいてその知名度の低さをネタにされた際には怒る、その過去にも『ザ☆ウルトラマン』と密接に関わった設定が存在するなど、本作の宣伝に大きく貢献しているウルトラマンとなっている。
またタイタスの登場にちなんでか、同年の5月23日より、円谷プロYouTube公式チャンネルにて本作の無料公式配信が開始されることが決定(毎週木曜日18:00に1話ずつ更新、これまでの配信と同様、各話1週間の期間限定なので注意)。『タイガ』に加え、これまであまりフィーチャーされてこなかった本作が再注目されるきっかけとなった。また、同YouTube公式チャンネルで行われたボイスドラマにも5~7話にはタイタスが主人公の過去話がありヘラー軍団などの関連性も書かれており、17~19話にはアニメ完結後の後日談も書かれており科学警備隊の関係人物の設定、更に戦った相手がソーキン・モンスターだったため、同じくアニメ版ウルトラマンだったウルトラマンUSAのようにアニメ版ウルトラマンと双方リンクさせた展開が楽しめる
近年は『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』を始め、『SSSS.GRIDMAN』『ULTRAMAN』がそれぞれ放送・配信された事で、円谷プロ原作のアニメ作品に大変大きな注目が集まっており、そうしたアニメ作品の原典とも言える本作を配信する上では、これ以上にないうってつけのタイミングであったと言える。
なお、Twitterでは『ザ☆ウルトラマン』というタイトルがハッシュタグとして使えないためか、ウルトラマンジョーニアスのほかに主題歌の歌詞である『#誰もが知ってるウルトラの戦士』がハッシュタグとして使用されている。
2020年4月2日からは40周年を迎える『ウルトラマン80』の配信と交代する影響で、金曜日からの配信となる。
余談
『機動戦士ガンダム』と放送が同時期(両作とも1979年4月放送開始)で、サンライズは本作と並行して『ガンダム』やその他アニメの製作を行っていた。
当時の『ガンダム』は視聴率低迷に苦しみ、当初全52話の予定が43話を持って打ち切りとなる。その際、お手隙になった富野由悠季氏をはじめとするガンダムスタッフが引き抜かれ、終盤に差し掛かっていた本作の製作に参加した。サンライズが並行製作体制を採っていた故に可能だった裏技と言える。
『ガンダム』の打ち切りによって困窮していたスタッフ陣は、本作での仕事が決まって安堵したとか。
因みに1979年当時、サンライズは自社作品として『機動戦士ガンダム』『科学冒険隊タンサー5』(何と唯一のアニメ特撮併用作品!)、東映本社の下請けで『未来ロボダルタニアス』『サイボーグ009』、そして円谷プロの本作とテレビアニメだけでも5本も掛け持っていた(すでに劇場版『クラッシャージョウ』も製作が始まっていた)。
現在ではベテラン声優の島本須美氏は、今作のヒロインである星川ムツミ隊員役で本格的に声優デビューを果たした(ゲスト出演も含めると『ゼンダマン』の方が先。なお、デビューが決まったのは本作の方が先で、『ゼンダマン』への出演も本作の演出家からの要望)。同時に、この作品が初めてのヒロイン役であり初めてのレギュラー出演でもあった。
また、島本氏は同年に公開された『ルパン三世 カリオストロの城』にも出演した事で有名だが、本作の37話には、ヘラー軍団の襲撃を受け逃げ惑う群衆の中にルパン三世そっくりのモブが登場しており、制作スタッフの遊び心が窺える。
タツノコプロ出身の鳥海永行氏がチーフディレクターを務めていたこともあってか、結構な割合でタイムボカンシリーズのBGMが流用されている他、富山氏や滝口氏のようなタツノコと関わりの深い声優も出演している。
『ヤマト』に端を発したアニメブーム時に制作されたためか、一部キャラクターのデザインや中盤以降の作風など『ヤマト』のそれを意識したかのような要素も見受けられる。
アメリカでは第14話のみが放送され、冒頭に黒柳徹子氏による解説が挟まれていた。
関連動画
オープニング映像
番宣CM
番宣映像
当時のアフレコ現場が映っており、富山敬氏が視聴者に向かって挨拶をしている。
関連イラスト
関連タグ
ウルトラマンUSA - 同じくアニメでのウルトラシリーズ作品。こちらは劇場公開作品である。
SSSS.GRIDMAN - 2018年に放送されたテレビアニメ。『電光超人グリッドマン』のアニメ作品。当初は「ウルトラマンのアニメ」として円谷プロに企画を打診したものの却下され、「『アンドロメロス』か『グリッドマン』なら」と逆提案を受け、監督にとって思い入れがあった『グリッドマン』が選ばれた。
※あくまでイメージです。
ウルトラマンタイガ - 本作の世界観を引き継ぐ描写が盛り込まれた、最初の実写テレビシリーズ。