注意!
本項目ではゲーム『ポケットモンスターソード・シールド』の非公式二次創作物について解説しています。
またこの記事には公式のものでないカップリング要素や失恋要素など、好き嫌いが分かれる内容が含まれています。
それでも良いという方だけ記事をスクロールして下さい。
概要と注意
発祥はふたば☆ちゃんねる。元々目立つ事を好まない文化圏を出自に持つ二次創作であり、この二次創作を不用意に話題に出す事は、話す相手はもちろん最初に発信した方々にも迷惑をかける行為であるため、くれぐれも厳禁である。
『ポケモン剣盾』の女主人公・ユウリが闇堕ちした未来で、彼女をラスボスに据えた『剣盾』の続編妄想……というネットミームの舞台装置として発展したのがこの「ムゲン団」の設定である。
所謂“闇ユウリ”系統のタグであるが、既存(?)の別タグとは特に関係は無い(あちらはどちらかというとエスニックジョークとしての側面が強い)。
元々は女の子主人公で『剣盾』を遊んだプレイヤーの一部が、物語の筋書きのままに「同じ夢を目指したライバルであるホップの " チャンピオンになる " 夢を絶って」しまい、漠然とチャンピオンの座に就いてしまった自身とは対照的に、研究者という新たな志を胸に歩き始めたホップに「置いていかれてしまった」とメンタルに多大なダメージを負った事が発端。
そもそもの理由は、剣盾に限らず「ポケモンの主人公はゲーム主人公である以上サブキャラと比べバックボーンが説明されないため『チャンピオンを目指す切実な動機が見えない』(一応剣盾に関してはリザードンポーズのモーションがあるなどダンデのファンであろうことが間接的に示唆されてはいるが、それだけでは明らかに動機としては不十分である)」「対して、ホップやマリィ、ビートなどのライバルがチャンピオンを目指す動機が重い」「ムゲンダイナを巡るストーリーの本筋もダンデの因縁であるなど、主人公のストーリー上の役割が非常に薄い」「その割に(子供でも簡単にクリアできるゲームバランス想定のため)普通にプレイしていればダンデ以外には圧勝できる」などの要素によって、主人公に「ただ漫然とポケモン勝負をしているだけなのに最強なので勝ってしまう」という属性が付いてしまったのが原因(もちろん、これは全年齢向けのゲームであることを考えるとある程度仕方ないことではある。一部では前作のストーリー進行の難易度がこれまでと比べて極端に高かったことの反省なのではないかと言う見方もある)。
女の子主人公でこの体験をした結果、ホップとの関係がライバル兼カップリングとして結び付けられ、「幼馴染のホップと一緒に旅をしていただけだったのに、強すぎるが故に幼馴染の夢をぶち壊してしまう形となり、強い罪悪感を抱くようになった」こと、加えて、ダンデが設定・ストーリー両面において最強無敗のチャンピオンの名に恥じない偉大なトレーナーであったことから「バトルで勝利しただけの自分は本当にチャンピオンに相応しい存在なのか」という葛藤が加わった結果、「ホップに失恋し、ダンデとはまた違った形の孤高のチャンピオンとなったユウリ」という創作設定が生じた。
この一連の流れが『ポケモン赤緑』に登場する四天王キクコの追体験のようだと書き込まれた事で(なんでキクコばあさんが流れ弾食らってんだ)、「過去のホップに執着するユウリ」という闇が爆誕する。
こうしてユウリは、表向きは凄腕チャンピオンのまま、「何かしらの目的」の為に「ムゲン団」という組織を率いる事となる……というのが、このミームの基盤となる。
ちなみに、『剣盾』本編の発売日は2019年11月15日だが、こういった内容の書き込みは発売の一週間後には既に存在していたことが確認されている。
1ヶ月も経ってないのに想像力あり過ぎだろ。
その後も同じような傷を負った者たちの書き込みが相次ぎ、二次設定の二次設定が作れる程には煮詰まり一時は収まったのだが、2020年4月24日からゴールデンウィーク中頃にかけて再び注目されるという事態が起きた(恐らく、緊急事態宣言とそれに伴う外出自粛要請により暇を持て余した一部の者が過去ログを漁るまたは某アニメ・マンガまとめサイトの過去スレのまとめ記事を読むなどしたものと推測されるが真相は不明)。
設定
掲示板上の書き込みの積み重ねによる産物であり、
・ユウリを中心とした登場人物たちの若干どころじゃないキャラ崩壊
・二次設定間の解釈違い
・ログの消滅により二次設定の初出・出典が不明
などなどの要因から、下記の設定・解釈は記事筆者達の把握している一部に過ぎない。
複数の解釈が存在する設定については、可能な限り列挙する。
ムゲン団
概要で先述した闇堕ちユウリが率いる組織。設立経緯については、
「ユウリが設立した」
「マクロコスモスを再編した」
「かつてのエール団をヒントに マリィが設立した "ユウリの応援団" が母体」など。
表向きにはエネルギー事業と各種慈善事業に携わっているが、その最終目標は多くの場合、ムゲンダイナのダイマックスエネルギーを利用した過去改変である(過去改変については時間遡行能力を持つセレビィやディアルガの力を利用するパターンもある)。
「無限団」以外にも「夢幻団」 「夢幻done(=終わったユメマボロシ)」等色々な呼ばれかたをされるが、概ね「無限」と「夢幻」のダブルミーニングであることは共通している。
「夢幻」だからと言ってラティ兄妹は関係ない。
団員構成
組織の設立と発展の経緯、そしてゲーム(の妄想)としてのシナリオ誘導の観点から、ムゲン団員は複数のグループに分けられる。
ムゲン団の二次設定においては最も自由度の高い部分であり、この妄想が爆発的な熱量を帯びた要因の一つ。
「表」の団員
ムゲン団が掲げる表向きの理念である「無限の未来」に同調する団員。
ローズが運営するフロント企業の社員などが中心であり、新主人公と敵対する事もほぼない。
が、それはそれとしてバトルは仕掛けてくる。ポケモンだからね。仕方ないね。
因みに食堂では美味しいカレーが食べられるらしい。
「裏」の団員
ムゲン団の裏の目的である「夢幻の過去」を追い求める団員。
宝くじや株を買って一儲けするといった俗な目的や、美味しいもの食べ放題など軽い理由で過去をやり直したい者から、失った家族やポケモンを助ける為にという激重な理由まで様々(ラブラブカップルやふしぎ姉妹とのシングルバトル等あまりにも闇が深い)。
一方で、似たような心の傷を抱える者達が集まった結果、真っ当で善良な団員が多い傾向。
また基本的に「来るもの拒まず、去るもの追わず」のスタンスをとっており、ムゲン団で新しい仲間や絆を得て再起・脱退する者もいる。
過激派&悪の組織残党
ムゲン団の「裏」と「来る者拒まず、去る者追わず」のスタンスを利用して悪事を働こうとする連中であり、ロケット団など過去作に登場した悪の組織の残党が合流していたりする。中には、ムゲン団の名を騙っているだけで、実際には何の関係もない不良集団もいたりする。
既存のシリーズでいうところの“したっぱ”に相当するポジションで、ストーリー的にはいわばミスリード要員であり、途中この面々を相手どった新主人公が、正体を明かされてないユウリやムゲン団幹部(および独自にムゲン団を調査している人物ら)と共闘する展開を挟み、「トップによる綱紀粛正」を「黒幕の打倒」と誤認させるシナリオが少なからず共有されている。
しかし実際はこの後、ムゲン団の真の姿が明かされる運びである。
幹部・創設メンバー
ムゲン団総帥の正体と彼女の目的を知った上で協力する者達。
いわばムゲン団の裏側の更に深み、「真のムゲン団」と称しうるメンバー。
ほぼ例外なくユウリ並かそれ以上に重い過去・後悔を抱える面々であり、更に重いパターンでは「自分たちや団員は組織という居場所を得て多少救われたが、ただ一人それが重荷となっている総帥のためだけに動く」という者も。しかしそれがかえって総帥を更に追い詰めてしまうという最悪の皮肉を招いていたり……
……ここまで来ると分かるが、つまるところムゲン団という設定は善意で舗装された地獄への道をユウリに走らせるための舞台装置である。
そして団員たちもユウリ自身もそれを理解していながら止まる事ができない。
未来を見失い、立ち止まる事もできなくなった者達(妄想)を解放する事(妄想)が『剣盾2』(妄想)の物語である。
いくつもの思想や目的が折り重なった組織の構造は、傍から見ると理念や行動に矛盾が多く、また団員たちも自己矛盾を抱え込んで苦悩する者が少なくない。
まさに「矛」と「盾」ならぬ「ソード」と「シールド」である。どうしてこんなところで噛み合うんですか……
「1000年先の 未来が 救われるなら
すこし 過去をいじるくらい 必要な犠牲だと思いませんか
それが ひとりの女の子の ささやかな想いを叶えるため というなら なおさらです
キミに それを止める 資格と覚悟があるというなら かかってきなさい」
出所後もバリバリ社会の最前線で働くムゲン団幹部その1。
無限の未来を追い求める「表の面」を取り仕切り、カリスマと個人能力頼みのユウリに代わる実務面のトップ。
その目的は前作(というか原作)から一貫して「ガラルの未来を守る」事。
常に全力でベストを尽くしてきたローズ自身はムゲン団の裏側(過去改変の大義)に興味など持っていないが、ムゲンダイナの自発的な協力を得られる唯一のトレーナーであるユウリとの利害関係のため、彼女に協力する事となる。
ただし利害ばかりだけではなく、ユウリに「ムゲンダイナのエネルギーに関してもっと使い道がある」と悪気無く言ってしまった事で彼女に重圧を背負わせてしまった責任感・罪悪感も抱いている等、人情味のあるところも。
彼の存在から、ムゲン団は「再編されたマクロコスモス」と設定される事も多い。
「私が 過去に戻るとしたら ムゲン団なんて 作らない
落ち込んでる あの子を 街に 連れ出してあげるんだ」
スパイクタウンのジムリーダーにしてムゲン団幹部その2(場合によっては創設メンバーの一人)。
ローズマリーの花言葉のネタがムゲン団のあり方に合致し過ぎると話題になった。
自分自身の後悔に加えて団員たちの重い過去までも抱えて追い詰められる総帥ユウリを助けようとしながらも、上手い手を打てずに日数を重ねてしまう。
特に「ムゲン団の母体はマリィの立ち上げた " ユウリの応援団 " 」という設定を採用すれば、ムゲン団の存在そのものがマリィの変えたい過去・後悔となる。
そんな彼女の目的はどこまでも「ユウリを助ける・救う」事。
後述するユウリの最終目的候補の数々を思うと、あまりにも惨いすれ違いである。
結局のところ、彼女自身も既に「自分にはユウリを止める力も資格もない」と諦め気味に悟っており、ムゲン団に挑む新主人公を試す、或いは鍛えるかのように立ちふさがり、最終的にユウリとの決着と救いを託す、という立場になることが多い(人によっては、この後故郷の仲間を引き連れて最終決戦時に新主人公の応援に駆け付けるという展開にする場合もある)。
ムゲンタワー
「悪の組織に相応しいアジト欲しい」
「ちょうどイギリスにビッグ・ベンという時計塔があるじゃろ?」
ガラルのモチーフとムゲン団のパーソナリティが謎のシンクロを起こしたムゲン団本拠地。
表向きには「無限の未来に向けて時を刻む時計塔」として、ガラル地方の観光名所になっている。
一応シュートシティのホテル・ロンドロゼにも時計塔らしき建物は見受けられるが、単なる背景としての扱いで、プレイヤーは足を運ぶことはできない上ストーリーには絡まない(一応、主人公一行はこのホテルに宿泊してはいたようだが)。シュートシティ自体が『剣盾』で最後に訪れる街であることから、ここが改修されてムゲンタワーになるという設定になることもある(チャンピオン業と総帥兼任するにしてもマクロコスモスとして活動するにしても立地条件良すぎるし……)。
内部は異様なまでにあちこちが時計まみれであり、妄想『剣盾2』における「最終決戦の場」という共通認識がなされている場所。
「決戦の場は時計塔の頂上、一番大きい文字盤の裏の広場」
「文字盤は透けていて、プレイヤー視点では時計の針は反対に回るように見える」
「戦闘BGMとは別にチクタクという環境音が混じっていて、ムゲンダイナが出ていると音が速まり、倒すと止まる」
「イベントでBGMのオルゴールアレンジが流れる」
「最終戦で総帥が主人公に敗北すると同時に、その野望が潰えたことを象徴するかのように倒壊する」
といった演出が提案されている。
そしてここに待ち受けるものこそ……
ユウリ
「おそいよ……」
ムゲン団が暗躍する妄想『剣盾2』世界線におけるラスボスにして真の主役。
メタ的にはプレイヤーキャラとしてチャンピオンになってしまったばかりに性癖の歪んだ者達に人生を歪まされた最大の犠牲者とも言えるだろう。
・『剣盾』本編終了後から無敗の凄腕チャンピオン
・ガラル地方のファッションリーダーで、ムゲン団の制服をデザインしているのも彼女。これは着せ替え用のコーデが男主人公と比べて女主人公の方がバリエーションが多く充実しており、お洒落を楽しめるという原作におけるゲーム事情を反映したもの。
・パートナーとなったムゲンダイナのエネルギーの影響で、不老あるいは老化が著しく遅れており、ホップをはじめとする同期のトレーナーたちが相応に年齢を重ねている物語の時間軸においてもかつての少女の姿のまま。この時点で既に人間とはかけ離れた存在になっていると言っていい。
一応、ガラルの人々の中にも「いくつになっても年を取っているように見えない」という不審の念を抱く者はいるようで、ムゲンダイナとの関連を疑う声もあるらしい。
・素性不明であったムゲン団総帥の正体。そもそも表の顔がチャンピオンであるという事情もあり、総帥の正体がユウリであることを知っているのは組織のごく一握りの幹部のみで、それ以外の構成員は総帥がいることは知っているが、姿を見たことはおろかその正体までも一切知らされていない(過激派の連中が平気でユウリに勝負を仕掛けてくるのも相手が総帥であることに気付いていないためである)。女性団員の中には、総帥が若い女性であることまでは知っているという者もいるが、その場合も人づてに聞いた話で、正体や素性に関する情報は一切与えられていないとされることが多い。
・時間逆行からの過去改変によって「何か」をしようとしている
・ホップの夢を奪い、共に過ごす道が分かたれてしまったと「思い込んだ」ことが活動のきっかけ(基本的には一方的に勝手に身を引いており、自身の想いを伝えてもいない)
・その立場から表には出さないが、メンタルの不安定さとは裏腹に、バトルだけは絶対的に強い。
・そもそもあまりに強すぎて彼女の内面に近づける人がほとんど居ない。
・『バトルの強さ』以外で自身のチャンピオンとしての資質・資格を見出せておらず、自尊心や自己肯定感が極端に低い。(ひいては、そんな自分を無邪気に讃えるファンをどこか冷めた目で見てすらいる)
などが主な共通設定。
これら以外の設定についてはかなり解釈が分かれており、特に過去改変までしようとする最終目的については意外にも統一されていない。いないが……
・過去をやり直してホップと結ばれたい
という拗らせた恋煩い程度のものならまだしも、
・過去改変を阻止しようとしたホップに自分を倒して欲しい
・過去改変をしようとしても「改変する事によって失われるモノ」に躊躇してしまう
・過去改変の結果、自分と入れ替わることには成功するが、結局僅かな違和感からホップには見抜かれて拒絶されてしまい、計画が破綻してしまう
・全ての元凶である過去の自分自身を、チャンピオンとなる前に抹殺する
・自分の願望はとっくに諦めているが、自分よりも重い後悔を抱えてムゲン団に縋り付いた団員の為に過去改変を断行する
・実は既に度重なる無数の別の世界線の観測・過去改変によってこれらの状況を俯瞰的に理解していて、自分の望む世界が存在しないことに絶望している、或いはそれでもなお存在するかもしれない『無限の夢幻』に縋っている
……目的を達成しても彼女は救われない、そもそも彼女自身救われるつもりもないという陰鬱なストーリー案が極めて多い。
総じて言える事は「こうなったのは自分のせいだ」という自罰的な考えに基づいて行動していることだろうか。
その悲惨で陰鬱な薄幸ぶりが相まって
「髪を搔き乱して発狂しながらムゲンダイナを呼び出しそう」
「世界一ムゲンダイナが似合う女」
「ホップ博士の話を聞くと発狂して退行しそう」「発作で幸せな夫婦生活の幻覚見てそう」
「負けヒロイン」「勝者なのに敗者」「無敗の敗北者」
「強さ以外の全てを失った少女」「自分の夢すら打ち砕く無慈悲な強さ」
「champion,time is over(チャンピオン、時間切れだ)」
など散々な言われようとなっている。彼女をこんな泥沼に突き落としたのは誰だ。
なお「ムゲン団総帥・闇堕ちユウリ」のCVは主に叫び声が似合いそう的な意味で悠木碧という認識が多い(もしかして:ジナコ=カリギリor闇アイリス)。
ちなみに悠木氏はイーブイ、アイリス、そして『剣盾』のアニメーション作品『薄明の翼』にてジョンを演じる等、ポケモン作品とは縁が深い声優である。
なお、ポケモンマスターズに於いてのCVは幸村恵里である。
ムゲンダイナ
「ムゲンダイナァァァァァァァァァァァッ!!!」
本設定の中心的存在。ムゲンダイナにとってユウリは最初にパートナーになって愛情を与えてくれた人物という事もあり、彼女を決して裏切らず付き合ってくれるという忠犬っぷり。
ムゲン団総帥ユウリの手持ちポケモンについて広く共有されている設定は
「ムゲンダイナが最後までついている」「ザシアン or ザマゼンタは離反する」
くらいのものだが、最後まで残っている旅パがムゲンダイナのみ、という解釈も存在する。
その場合はユウリの方も、最後の手持ちにまで愛想をつかされたら本当に独りぼっちとなる恐怖もあって、依存気味に設定されることがある。結末も、形は違えどユウリと運命を共にするという流れになることが多い。
「ムゲンダイナはユウリを悲しませまいと持ちこたえた!」
なお、ムゲンタワーでのユウリとの最終決戦は、ムゲンダイマックスしたムゲンダイナを相手に主人公と仲間たちが共闘してバトルを挑むという展開にされることが多い。
同時に、これは塔の頂で異形の姿になったムゲンダイナを相手取るという、かつての冒険の再現ともなっており、「過去に戻りたい」というユウリの願いを一時的かつ間接的にではあるが実現しているという皮肉にもなっている。
え、新主人公でも使いたい?ポケモンには交換というシステムがあるじゃろ?
彼女が欲しがるポケモンが何かって?さあねえ……
それでも使いたいという人のために、特定の条件を満たすと発生するゲットイベントも考案されている(後述)。
ウールー
ムゲン団総帥ユウリが「ムゲンダイナを倒された後に繰り出す最後の1匹」とされることが多いポケモン(大抵ふきとばし効果で無理矢理引きずり出せない特別扱いにされていることが多い)。
レベルは3、持ち物はかわらずのいし。
ムゲン団総帥としてもチャンピオンとしても、およそ相応しくないウールーに彼女が拘る理由は、始まりへの感傷か、それとも……
出されるタイミングでは前述した時計のチクタク音が絶対に消えているため、さっきまで動いていた時間がこのウールーで止まってしまったかの様な錯覚を覚えさせられる。
レベルを見ればわかるように、これまでバトルに出されたことはなく、主人公一行とのバトルが生まれて初めてのバトルになるとされることが多い。
「ウールーは 生まれて はじめてのバトルに はりきっている!」
レベル的には楽勝できる(というか小技でも確一にできる)相手ではあるが、環境音やBGMが一切流れず、さらにはラスボスの最後の手持ちが低レベルの序盤ノーマルであるというこちらの意表を突く展開、さらには上記のこちらの胸を抉るようなダイアログと相俟って、倒すのに躊躇してしまうこと間違いなしである(それでもこの子を倒さないとストーリーは進められないのだが)。
主人公サイド
新主人公
いかなる苦難にも挫けず、悩みや葛藤も乗り越えて前を向いて進み続ける存在とされる。
というか、そうでもないと彼女は救えない。
「雰囲気がホップに似ていて、そこからユウリが主人公に興味を持つ」
「序盤に訪れた時計塔(ムゲンタワー)を背景に記念写真」
「暴走する末端ムゲン団員を止めるためにユウリらと共闘する」
「憧れのチャンピオンであるユウリ=ムゲン団総帥という事実にショックを受ける(負けイベントあり)」
「おもいでのカレー」
「実はホップの実子」
「ユウリの望む形で過去が改変された場合、彼(彼女)の存在そのものが否定・抹消されてしまう」
「その上でトレーナーとしてのユウリへの憧れと敬意を(裏切られた後でも!)失わないが故に、
彼・彼女だけは 『夢幻の過去』を乗り越えた先の『無限の未来』と『現在』を信じ、ムゲン団とユウリに立ち向かう確かな資格がある」
といったストーリーやイベントが構築されることが多い。
ちなみに名前は『ホープ』にされる事が多め(父親であるホップの捩りと『希望』を意味する“hope”のダブルミーニングだと思われる)。
性別も、ホップと似た雰囲気であることを強調するためか、ホップと瓜二つの容姿をした男の子とされることが多い。ある一点を除いて……。
ホップ
「まあ 俺は アニキやアイツみたいな
チャンピオンには なれなかったんだけどな!」
ムゲン団世界線における博士枠。
ある意味全ての元凶その1。もっとも、彼は彼で様々な悩みや葛藤を乗り越えて自分の道を見つけたのだから、文句を言われる筋合いなどないはずなのだが……。
かつて兄であるダンデがそうしてくれたように、新主人公に御三家の1匹を渡してくれる。
ユウリの方ではホップの夢を断ってしまったと悔やんでいるのとは裏腹に、ホップ自身は新たに研究者として前向きで充実した日々を送っており、過去に戻りたいというモチベーションが無い、ひいては、内面に矛盾を殆ど抱えていない、或いは真っ直ぐ受け止めている数少ない人物。
ユウリのことを友人として大切に思っているが、その心境には殆ど気付いていないとされることが多い。
基本的にソニアと共に研究に明け暮れていることが多く、物語の表にはあまり姿を見せないが、例外として最終決戦の際には(ここでようやくユウリの自分への思いやその企てに気付いたために)ユウリを説得するためにザシアンorザマゼンタを引き連れて駆け付けるという形にされることも。
ソニア
博士枠その2。ある意味全ての元凶その2。
前作(原作)主人公のユウリにとっては、『剣盾』の大団円において研究者を志すホップを自身の助手に招いた(=結果的に自分との仲を引き裂いた)憎き相手である一方、ジムチャレンジの際に色々とお世話になった恩人でもあることから、ユウリから向けられる感情が凄まじく拗れているとされる受難の人。
かつてのソニアとダンデの関係がホップとユウリのそれに近しいものであったことを踏まえて、ユウリの本心や目的の核心に勘付いている(ひいては、ホップを研究者の道に誘ってユウリと歩む道を分けてしまったことに引け目を感じている)ことが多い。
それとは反対に、擦れてしまったユウリに「ホップをダンデの代わりにしている」とダンデとの過去を引き合いに出され、ドロッドロの舌戦に発展するケースも……。
新主人公がホップの子供の場合、母親は彼女である場合が多い。そりゃ拗れるわ。
ビート
ジムチャレンジのガイド兼先輩トレーナー枠。アラベスクタウンのジムリーダー。
己の孤独や過去と向き合って乗り越えた経験から、ムゲン団の真の目的とは相容れない。
良くも悪くも、彼自身ユウリに敗れたことが転機となったことから、最強無敗のチャンピオンである彼女を超えうるトレーナーとして新主人公に期待をかけている。
彼がどの程度ユウリの目的に気付いているかについては解釈が分かれるが、やり方や立ち位置は違えど「昔のユウリに戻って欲しい」という点で、ある程度マリィとは行動や目的が一致している。同時に、その望みは(言葉のあやとはいえ)彼自身が否定するムゲン団の真の目的そのもの、夢幻の過去への回帰という矛盾も抱えている。
ちなみに、ジムチャレンジャーにバトル中クイズを出す慣習はかつての師匠から踏襲している(これ自体はムゲン団に関わりなく他の二次創作においても見られる設定である)。
巷ではジムミッションよりもクイズの方が難しいとも言われているらしい。
また、ピンクに拘りを見せているところまでもちゃっかり受け継いでいる。
「もんだい! チャンピオンの年齢はいくつ?
12歳
▶42歳
不正解! 女性の年齢を 大声で言うもんじゃ ないですよ!
ピンクが 足りません!」
ザシアン & ザマゼンタ
闇に堕ちたユウリから離反した、『剣盾』パッケージを飾る伝説ポケモン(本設定において大抵は成長したホップと新主人公の手持ち)。
離反した理由は「道を踏み外したユウリに失望して見限った」「ユウリを助ける為にホップ一家を頼ろうとした」などあるが、何にせよ最凶の忠犬と化したムゲンダイナにとっては(遠い昔にひと悶着あったこともあってか)「主人を見捨てた裏切り者」として凄まじい憎悪と敵意の対象となっている設定は概ね共通している。
彼らの扱いについても、相討ちで命を奪われたり、癒えない傷を負わされたり、「女の子一人救えない以上自分達の伝説はもう終わった」と自分自身を見限っていたり……
ただし「ムゲン団」ミームが「剣盾の続編(=これはゲームである)」という事を踏まえれば、新主人公の手持ちとなるのが着地点となるのかもしれない。
ヨクバリス
「ぼん よう おぼえとき
ねがいっちゅうんは かなえたら かならずしも しあわせになるもんや ないっちゅうことを
ぼん おまえが おとなに なったとき
そういうことが わからん おとなに なることを いのっとる」
なぜか関西弁で喋る。一人称はおっちゃん。これ自体はムゲン団とは全く関係なく生まれたミーム。
昔ユウリの手持ちの1匹だったらしく、それが明かされる前の序盤から色々と主人公と2からのプレイヤーに対して総帥の過去にまつわるヒントとなるような思い出話を語ってくれる。
本人(本ポケモン?)は影を感じさせつつもコミカルなキャラクターで、中盤から重くなりがちなストーリーの清涼剤として働いてくれる……という役割を妄想の中でよく果たしている。
一方で、とある理由で作中では既に死亡しており、回想のみで登場するというケースもある。
結末
ムゲン団という組織そのものについてはある程度設定が固まっているものの、物語の結末に関しては「新主人公が勝利し、ユウリの野望を打ち砕く」ということ以外特に定まっていない。
故に、ユウリが最終的にどのような結末を迎えるかについてはファンによって解釈が分かれている。
死亡若しくは消息不明となる結末
激闘の末にムゲンタワーの倒壊に巻き込まれてユウリが死亡若しくは消息不明になるというもの。
パートナーであったムゲンダイナはユウリと運命を共にするという流れになることが多いが、中にはユウリから自分の目的を遂げるために利用してしまったことを謝罪された後、解放されて生き延びるというパターンになることもある。
この場合、展開によっては
- ムゲンタワー崩落後、まどろみの森奥地で一人たたずんでいる「ポケモントレーナーのユウリ(剣盾時間軸の、つまり過去のユウリ)」に勝利すると消滅し、後に残されたモンスターボールに触れることでムゲンダイナをゲットできる。
- メインストーリークリア後、崩落して瓦礫の山と化したムゲンタワーに赴くと、とある隠しエリア(進入するには何らかの条件を満たす必要あり)で解放されたムゲンダイナが佇んでおり、話しかけるとバトルに突入し、勝利するとゲットできる。
というゲットイベントが用意されていたりもする。
生存する結末
アジトと運命を共にしようとするも、主人公たちに助けられ、過去に向き合い、もう一度やり直そうと決意を新たにするというもの。
場合によってはシュートシティひいてはガラルを混乱に陥れた責任を取らされる形で逮捕され、チャンピオンとしての地位もはく奪されることになる。とはいえ、彼女は元よりチャンピオンになることもその地位に縋りつくことも望んでいなかったことに加え、長年の呪縛からようやく解放されることにもなるので、これもある意味ではハッピーエンドと言える…のかもしれない。
この場合、ムゲンダイナは救出後にユウリから主人公に直接手渡されて託されるという展開にされることが多い。
なお、助けられたはいいものの、長年の計画を打ち砕かれたことで心の拠り所を失い、絶望して廃人になるというバッドエンド的なものになることもある。
余談
この二次創作の良し悪しや好き嫌いは別にしても、成り行きで冒険について行っただけなのに結果的に主人公が友人の夢を掠め取る形になってしまったとも受け取れる本作のストーリー展開については、大なり小なり罪悪感を感じた人も多かったようで、実際、SNS上やプレイした感想を綴った個人のブログ等でも「ホップが可哀そう」という意見は散見される。中には、「こんな形でチャンピオンになったって嬉しくない」という極端な意見もある(何気に前作と違ってラストバトル以外でも彼に勝利しなければストーリーが進行しないのもそういう声を強めているのかもしれない)。
上記の通り、主人公はプレイヤーに感情移入できる余地を残すべく敢えて「黙して語らず」という形を取っているが、今回ばかりは如何せん周囲のキャラクターの掘り下げがこれまで以上にしっかりしていた分、かえってそれが裏目に出てしまったといえる。
主人公に、チャンピオンになることにもう少し積極的な姿勢が窺える描写があればプレイヤーの結末への受け止め方もまた違ったものになっていたかもしれない。
また、ホップ自体がそもそもライバルである以前にあまりにも出来すぎた人物として描かれたのも一因である。
というのも、ホップは劇中で自分の実力のなさを悔んだり悩んだりする描写は数あれど、主人公が自分を差し置いてチャンピオンになったことに対する恨みつらみは一切述べていない。これもまたプレイヤーに申し訳のなさや罪悪感のようなものを抱かせてしまった原因になっていることは間違いないだろう。
せめて一度だけでも主人公に悔しさを思いっきりぶちまけるような発言をしてくれていた方が、かえってプレイヤーの気持ちも楽になっていたかもしれない。
まあ、裏を返せば、それだけホップというキャラクターに多くの人が魅力を感じたということでもあるのだが……。
DLCでは
拡張DLCエキスパンションパス「鎧の孤島」では、メインストーリークリア後にホップが鎧島を訪れ、あるアイテムを探すために一緒に島内を散策するイベントが発生する。
また、「冠の雪原」PVにおいて、ダンデ・キバナコンビと相対するユウリ・ホップコンビが写し出されるという演出も。
そしてこのDLC、ホップが髪に付いた蜜を舐めたり、「オレが 一番 ユウリを わかってる! 任せてくれよ!」と発言したりと、ホプユウ民がやたらざわつくイベントがある。
これらのことから、傷ついていた人も多少なりとも救われたと思われる。
他媒体では…
- TVアニメ『ポケットモンスター』では剣盾主人公(マサル・ユウリ)は登場せず、ムゲンダイナの件はサトシとゴウが挑む形となっており、また遺跡破壊はビートは関わっておらず、ホップは事件後から暫く経っての登場であった。しかも、手持ちもウールーのみである。
- 『ポケットモンスターSPECIAL』ではマサルとユウリをモデルにした主人公は登場してるが、どちらもホップとは幼なじみではなく、15章の最終話ではセミファイナルトーナメントを勝ち抜いて勝負したのはホップとマリィである。
そして次回作では…
当然ながら(上記の設定での)『剣盾2』が現実に発売される訳もなく、2022年2月に次回作『ポケモンSV』が発表された。
しかしながら、同年11月に『SV』が発売されるとそのストーリーでは…
- 敵組織の首領格が正体不明の人物
- 組織のしたっぱがよりにもよって首領その人にダル絡みする(上記のように正体が不明であるため)
- 首領自身が素性を隠して主人公に協力する(最終的に正体と目的を主人公に明かして対決することになる)
- ラスボスとの最終戦において、こちらの手持ちが相手の攻撃に耐えるイベントが発生する
- ストーリークリア後にラスボスの手持ちであった伝説ポケモンと再戦・捕獲が可能
等々、ムゲン団で多くのプレイヤーが創作した内容と酷似した展開があり、またしてもファンをざわつかせた。
加えて、同作ではスマホロトムに新たにカメラモードが追加されており、好きな場所で(ある程度選択肢は決められているものの)自キャラにポーズを取らせて記念写真を撮ることが可能となった。ムゲン団のストーリーの中では「主人公がランドマークをバックに記念写真を撮る」という内容があったが、それも本作で現実のものとなってしまったわけである(さすがに時計塔はないが)。
また、敵組織の首領に関しても、物語終盤のあるやり取りの中で、ローズの血縁者である可能性が示唆されている(明言はされていない)。
主人公がライバルに誘われる形でチャンピオンを目指すという点も前作と変わらないが、チャンピオンが資格制度になっており複数名の乱立が許される状態になっていること、そもそもライバル自身が既にチャンピオンの資格を持っていること等、「本当にチャンピオンになりたかったライバルの夢を奪ってしまったのではないか」という前作で一部見られた批判の声を受けての改善とも取れる要素が見受けられる。
ライバル自身もホップと比べると結構クセの強い性格の人物として描写されており、ホップの時程プレイヤーから肩入れされるような状況にはなっていない。
因みに…。「SVの主人公はチャンピオンを目指したり、スパイス集めをしたり、敵組織を倒すといった行動を取ったのはあくまでも友達に誘われたから(頼まれたから)であり、自分の意志で動いた訳ではなく、更に友達は自分にとっての宝を見つけたのに主人公にとっての宝は見つかっていない状態である為、闇堕ちして第2の剣盾主人公が生まれるのではないか?」という懸念の声が一部挙がっている。
そして、DLCの前編では、悪意があっての行動ではなかったとはいえ、主人公がライバルが欲していたものを結果として奪う形になってしまい、ライバルのメンタルに甚大な爪痕を残すという事案がとうとう発生してしまうことになる。
しかも、DLC後編ではその人物から「お前は俺にはないものをみんな持っているから羨ましい。でも、俺には何もない(意訳)」と嫉妬と羨望がない交ぜになった発言までされるため、割と心を抉られたプレイヤーも多かったのではないだろうか。
関連タグ
ポケットモンスター ポケモン ポケモン剣盾 悪の組織(ポケモン)
メツブレイド - 本タグと同じくプレイヤーの妄想によるIF展開(さすがにここまでドロドロした展開ではない)。
ヘイト創作 - そう捉えられても文句が言えない。
マルチバース・オブ・マッドネス - こちらも並行世界への干渉を題材としたエピソードで、同作の黒幕が凶行に走った経緯が、この創作においてユウリが置かれている状況と似ている。
ホビウタ - 似て異なる二次制作繋がり
ポケットにファンタジー - 初代アニポケエンディングテーマの1つ。大人になりたい子供と子供の頃を懐かしむ大人の、本来は切なくも明るい歌なのだが……
もう一度 子供に戻ってみたい
もう一度 子供に戻ってみたいの
一日だけでも なれないかな?