概要
独語での正式名称はBundesrepublik Deutschland。
英語ではFederal Republic of Germany。
英語ではGermany、中国語では德國、フランス語ではAllemagne、ポルトガル語ではAlemanha、トルコ語ではAlmanyaと言語によって呼び方が大きく変わる。
人口は約8,300万人で、GDPは欧州で最大規模の経済大国。
首都はベルリンであるが、最高司法機関はカールスルーエに置かれている。
主要都市として、
などがある。
現在は中東やアフリカなどからの移民も増えているが、国民の大半は民族としてのゲルマン系ドイツ人。
宗教はキリスト教プロテスタントとカトリック派がそれぞれ約30%を占める。
地理
北はデンマーク、
と国境を接する。
大きく分けると北部は比較的やせ地が多い平原で、それが徐々に標高が高くなっていく中部、アルプス山脈のふもとの南部と移り変わっていく。
国土全体は低地や平地が多く、海に面する北部よりも山岳地帯の南部の方が寒冷とされる。
最高峰は「ツークシュピッツェ」(Zugspitze)というアルプス上の山で、標高は2,962m。
領域は1990年のドイツ再統一によって、ドイツ民主共和国(東ドイツ)を構成していた15県および東ベルリンが編入されて現在の16州となった。
略史
紀元前~中世前期
紀元前、ライン川の東からエルベ川にいたる森林地帯にゲルマン民族と呼ばれる人々が居住した。
多くの部族に分れていた彼らはたびたび西方ガリアへの侵入を繰り返し、ついにローマ帝国と対峙する事になったが交易などの交流も続いた。
やがてローマ帝国の弱体化に伴い、多くのゲルマン人が傭兵などとして西方へ移住。
4世紀には、さらに東方からの民族移動がきっかけとなって後に「民族大移動」と呼ばれる大移住が行われた。
ゲルマニアには多くの部族が小国を築き、やがてカール大帝がこれらの諸国をフランク王国へ統合。
これが9世紀に分裂し、中世の東フランク王国を経て後の神聖ローマ帝国が形成される。
中世後期
神聖ローマ帝国の皇帝は、肩書きとしてはローマ教皇に認められたキリスト教世界最高位の世俗君主とされていた。
しかし建国から長くはドイツ諸国の君主達によって選出される存在であり、帝国は地方分権が非常に強い連立国家であった。
それゆえ歴代皇帝は諸侯の力を削ごうと努力したが、神聖ローマという名目とローマ教皇との対立などからイタリアへの介入が長く続いた時代もあってドイツの統一化が進まなかった。
ようやくオーストリアのハプスブルク家が皇帝の世襲化に成功するが、プロテスタント勢力の勃興を発端とする宗教戦争、さらに周辺国に巻き込まれた30年戦争を機に皇帝の権力が一気に下がり諸侯が乱立しているのとそう変わらない状態となってしまう。
近世~現代
こうした乱立状態の中から、後にドイツ人地域の覇権を巡って争うことになるオーストリア帝国とプロイセン王国が台頭。
プロイセンは北東部を中心に、オーストリアは南東部を中心にまとまりを見せながら対立を深めていく。
ナポレオンの侵略を受けて神聖ローマ帝国が瓦解した後には、民族主義を掲げてのドイツ統一運動が始まった。
1871年、オーストリアとフランスに続けて勝利したプロイセンがドイツを統一し、ドイツ帝国が建設される。
この頃のドイツは重工業の一大発展を遂げ列強の一つとみなされるも、当時の欧州の中では植民地獲得に出遅れて後に周辺諸国との軋轢を生むきっかけとなる。
第一次世界大戦に敗れ帝政は廃止。
民主制のワイマール共和国体制となるも、戦勝国側による戦後処理に著しい不備があった上に世界恐慌をきっかけとする大不況の中で民主制は機能不全に陥る。
モータリゼーションや再軍備政策などによって深刻な経済状況をある程度立て直すものの、強大な恐怖政治を行使し、ドイツの生存圏の東方拡大を掲げイデオロギーとしての第三帝国を宣言。
ポーランドやチェコを侵略し、米英仏ソと対立して第二次世界大戦を引き起こすも敗戦。
戦後は冷戦体制下で、上記4カ国軍による占領によって国土は西ドイツと東ドイツに分断された。
ベルリンの西側占領地域である西ベルリンは東ドイツの領内に取り残され、ソ連の圧力などもあって東ドイツが建設した壁に囲まれる。
その後ソ連の弱体化と東側諸国の民主化運動が進み、そして1989年にベルリンの壁が崩壊。
翌年にドイツ連邦共和国として再統一を果たした。
経済と科学
G7と欧州連合の一角を成すの大国であり、世界屈指の工業製品輸出国。
政治・科学・哲学・芸術など様々な分野で高い実績を築き、多くの諸外国の企業や個人が留学するなどして規範としている。
科学技術で優れた目は大きく、自動車ではガソリン四輪車やディーゼルエンジンを発明。
ダイムラー、ポルシェ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなどのメーカーやブランドは世界的に有名で人気も高く、主要産業として経済を支えている。
大戦中には液体燃料ロケットの技術開発も進んでおり、現在は航空宇宙工業や軍備装備工業も盛ん。
なおIntelとAMDの最先端プロセッサのパターン焼着装置は世界で3社しか製造できず、そのひとつがドイツのカール・ツァイス社である(残り2社は日本のニコンとキヤノン)。
近代以降医療産業も発達しており、メルクやバイエルといった世界的な製薬メーカーがある。
社会
警察国家的であった東ドイツを除けば戦後は比較的安定していた時期が長く、欧州では治安も良く落ち着いている国とされる。
ただし2010年代以降は、増加した移民や宗教的対立に関連する事件やテロが相次ぐようになっている。
1960年代に一度ベビーブームが起きているが、その世代はベビーブームを起こしておらず、出生率は1980年代初頭から現在の日本とほぼ同水準であった。このため労働力不足から移民を受け入れ続けた結果、現役世代の23%が移民となっており、移民なしでは国が維持できないところまで来ている。2020年現在、高齢者1人を2.6人の現役世代で支えている(上述のように移民なしだと2人)。
また官民共に環境問題対策が早くから進んでいる。
スポーツ
テニス、アイスホッケー、バレーボール、ハンドボール、モータースポーツ、スキーなどのウインタースポーツが盛んであるが、中でもサッカーは世界屈指の強豪国であり、西ドイツ時代も含めてワールドカップで数回の優勝を誇る。
料理
地理的に長く食材に恵まれて来なかったのでレパートリーが比較的少ないとされるが、味付けは素朴で案外日本人の口にも合うものが多いともされる。
現代以降は世界各国の料理も入り込んでおり、それらとの融合も含めて新たなジャンルの料理も増えて来ている。
飲料ではビールやワインの生産が世界的に有名で、お茶よりコーヒーがよく消費される。
・代表例
その他
アニメファンの間では「よく空気の読める国」として話題に挙がる事がある国である。
子供向けのアニメが海外進出されるにあたり、基本的には主題歌は現地語に吹き替えたものが利用される。しかし、元が日本語で歌うことを前提とした曲である為、無理やり現地語に置き換えた結果、原曲のイメージを損なったり、ひどい時には現地オリジナルのOP(やたら番組名を連呼するアレ)に差し替えられたりする(尤も、大人の事情でこうなってしまう事が多いだけの話なので、原作を蔑ろにしているわけでは決してない)。
しかし、ドイツの場合は高確率で原曲の吹き替えVer.かつ(翻訳した時の意味は原語と異なりながらも)原曲のテイストをリスペクトしたものが多い為にアニメファンからは喜んで迎られるという訳である。特にデジモンシリーズのガチっぷりは某笑顔動画では有名であり、主題歌やED、挿入歌はおろか、劇中ではまず流れないようなキャラソンまで網羅しているほどである。
ドイツ関連のキャラクター
アニメ
- ボルガ博士(チャージマン研!)
- シュバルツ・ブルーダー(機動武闘伝Gガンダム)
- アイン・ダルトン(鉄血のオルフェンズ)
- 惣流・アスカ・ラングレー(新世紀エヴァンゲリオン)
- ガイロス帝国、ゼネバス帝国(ゾイド)
- ヴィルヘルミーナ(ハイスクール・フリート)
- ミハエル(爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP)
- ミリアム・ヒルデガルド・V・グロピウス(アサルトリリィ)
- アガーテ・アーリア(メルヘン・メドヘン)
- ラウラ・ボーデヴィッヒ(インフィニット・ストラトス)
漫画
- 004/アルベルト・ハインリヒ(サイボーグ009)
- ブロッケン・ブロッケンJr.(キン肉マン)
- シュトロハイム(ジョジョの奇妙な冒険)
- ヨハン・リーベルト(MONSTER)
- クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ(エロイカより愛をこめて)
- 少佐(HELLSING)
- ルートヴィッヒ・ギルベルト・バイルシュミット・神聖ローマ・ゲルマンさん(Axis Powers ヘタリア)
- 鈴木アーデルハイト(家庭教師ヒットマンREBORN!)
ゲーム
- レニ・ミルヒシュトラーセ(サクラ大戦シリーズ)
- ヒューゴー(ストリートファイター)
- ヴォルフガング・クラウザー(餓狼伝説)
- ハイン(KOF)
- ドライゼ(千銃士)
- ティア・グランツ(テイルズオブジアビス)
- 鉄血(アズールレーン)
- ドイツ艦娘(艦隊これくしょん)
- アルバ・メイラ、ソワレ・メイラ(KOFMI)
- 黒のセイバー(Fateシリーズ)
- ブロッケンボーグ(イナズマイレブン)
- シルビア・リヒター(オルタナティブガールズ)