🛡概要
盾とは、剣や槍などによる斬撃、打撃武器による打撃、及び弓矢・投石器の射撃などから身を守るための防具のことである。
携行し易い小型の物から、携行使用を全く考えていない大型の所謂「置き楯」まで幅広く存在する。
また、一般的には単純防御やパリィの様な相手の攻撃をかわし隙を作る用途にしか用いられない限定描写が多いが、特にこの手の盾を活用していた欧州では「シールドバッシュ」と呼ばれる盾での殴打術が研究されて用いられていた。
また各組織のシンボルであり負傷者を運ぶ担架としても用いられたため、中世ヨーロッパの騎士達には必須の代物であった。
甲冑姿の騎士は兜で頭部前面を覆ってしまうため、何者か判別できない。これを認識するために盾に描いた文様が、西洋における紋章の起源である。
個人が携帯する持ち盾は鎧の発達により小型形骸化し、銃器が発達してくると置き楯も完全に無用の長物になった。ただし現在でもジュラルミンやポリカーボネートで作られた所謂ライオットシールドなどが盾の系譜として生き残っている。
フィクションにおける盾
なぜか「盾だけ」を武器にしている人がフィクションでは少なからず存在する。
前述のように、シールドバッシュという運用は存在しているものの、本質的には「防具」なのだが…。
その運用法も「盾の面で殴りつける」「飛び道具を反射する」のはまだいい方で、「尖った盾で敵に斬りつける」「鎖付きの盾をヨーヨーのようにして敵を切り裂く」「盾から炎やビームなどが出る」「表面に棘のついた盾でカウンターを狙う」など、盾の存在意義を根本から問うものが多い。
特に顔のついている盾は口や目から何かしらの魔法を出す可能性が高く、鏡でてきた盾は魔法を反射することがほとんど。
ドラクエを始めRPGでは一般的に「防御力の上がる装備品」として用いられるが、現実的には盾というのは「敵の攻撃が直撃しないよう身代わりに用いるもの」なので、どちらかというとFFのように「回避率の上がる装備品」と見るのが正しい。
元祖RPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ではそもそもダメージを軽減させるルールが存在しなかったため、鎧も盾も全て攻撃回避の能力(AC、アーマークラス)が向上する装備品だった。上昇するのがダメージ軽減か回避能力かという取捨選択は、初期RPGにおけるシステム単純化の方法の一つだったのだろう。
もっとも、「盾で回避率が上がる」というのは(プレイヤー自身の経験的にも、ゲーム内で敵の攻撃がミスるのが増える的な意味での体感も(体感で分かる程だとバランスブレイカーになりかねない))わかりづらいので現在でも多くのRPGで「防具」として使用されているが。
前述のFFでは、作品によって盾によって攻撃を回避した場合、ちゃんと回避時に盾を構える演出が入る。ドラクエシリーズでも、盾スキルが導入された以降は、盾ガードに成功すれば完全にダメージを回避出来るようになった。
盾使いのキャラクター
前述の通り攻撃武器と組み合わせて使うべき物である為、膨大な創作物の中でも「盾をメイン武装」にしているキャラクターは極めて少ない(大抵は剣のサブである事が殆ど)。
防御に特化したスタイルや、説得力を持たせる設定、盾の持つ機能を最大限に活かしている戦闘など、クリエイターにとっては無理の無い描写をする力量が必須となる上級者向けの装備とも言えるだろう。
固有キャラ
- アテナ、大アイアス(ギリシア神話)
- キャプテン・アメリカ(MARVELシリーズ)
- マシュ・キリエライト / シールダー(Fate/Grand Order)
- クルス(冒険王ビィト)
- ザマゼンタ(ポケモン剣盾)
- シールドナー・シェルダン(ロックマンX6)
- シルバーマン(キン肉マン)
- グリーン・グランデ(アクセル・ワールド)
- ティオ(金色のガッシュ!!)
- ライン(ゼノブレイド)
- トラ/ハナJS(ゼノブレイド2)
- 二葉さな(マギアレコード)
- シールドボーダー、ガードベント(仮面ライダー龍騎)
- 仮面ライダーダブルサイクロンメタル(仮面ライダーW)
- 仮面ライダーオーズブラカワニコンボ(仮面ライダーOOO)
- スプリガン(仮面ライダーウィザード)
- 仮面ライダー斬月メロンアームズ(仮面ライダー鎧武)
- アバレマックス(爆竜戦隊アバレンジャー)
- フタガワラ(侍戦隊シンケンジャー)
- シールドン(海賊戦隊ゴーカイジャー)
- タテロイド(特命戦隊ゴーバスターズ)
- キョウリュウブルー(獣電戦隊キョウリュウジャー)
- シールドシェルガ(魔進戦隊キラメイジャー)
- ドルーシ(王様ランキング)
- グルンベルド(ベルセルク)
- グーフィー、ヴィクセン(キングダムハーツ)
- ドラゴン紫龍、アルゴル、ヤン、エアネド(聖闘士星矢)
- 盾座のユアン(セインティア翔)
- 魚沼宇水(るろうに剣心)
- 岩谷尚文(盾の勇者の成り上がり)
- 土居球子(乃木若葉は勇者である)
- 加賀城雀(楠芽吹は勇者である)
- メイプル(痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。)
- ウォーリアオブライト(ディシディアファイナルファンタジー)
- 鉄壁のパール(ONEPIECE)
- 九重透流(アブソリュート・デュオ)
- シールド(カードキャプターさくら)
- シールドライガー(ZOIDS)
- ポン(伝説のスタフィー)
- 相沢歩(CIRCLET_PRINCESS)
- 反松長官(ギャグマンガ日和)
- ゲベル(アクマイザー3)
- 主人公(アルゴスの戦士)
- キサラ(TOARISE)(テイルズオブアライズ)
固有メカニック
※シールドを持つ機体が多い主人公機やライバル機などは記事が肥大化しかねないためこの機体と言えば「盾」となるような盾が象徴、印象的な機体のみ記載とします。
汎用モンスター
- ビッグ・シールド・ガードナー(遊戯王)
- ギルガルド、メガヤミラミ(ポケットモンスター)
- コイン、コインドーザー(スーパードンキーコング3)
- エッガーウィングス、シールドン、メラーガガード、ブリザガード(星のカービィ)
- シールドこぞう/シールドオーガ/スケアフレイル/シールドヒッポ(ドラゴンクエスト)
- スナイパージョー、タテパッカン、シールドアタッカー(ロックマン)
- カーズ(ロックマンエグゼ)
- 足軽どん(風来のシレン)
その他
ゲーム『タクティクスオウガ』では操作可能なほぼ全てのキャラが盾による攻撃が可能(武器防具を装備できない大型モンスターを除く)。
武器に比べて与えるダメージは低いが、相手を1マス分押し出す「ノックバック」を発生させ、ステージによっては復帰不可能な高さの段差に落として無力化する事も可能。攻撃側の装備の重量が大きいほどノックバックの確率が上がる。
機動戦士ガンダムから始まるリアルロボットアニメでは多くのロボット兵器が盾を保持しているため、例外は多いもののスーパーロボット大戦ではシールド防御がリアルロボットの象徴のようになっている。
名前に盾が入るキャラ
「楯」表記の者も含む。
- 江ノ島盾子(ダンガンロンパ)
- 車守盾一郎(SERVAMP)
- 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
- 楯雁人(闇のイージス)
- 盾神キョウヤ(メタルファイトベイブレード)
- 楯剣人(未来ロボダルタニアス)
- 楯彰吾、楯大二郎、楯ユリカ(バトルホーク)
- 盾・シルドミリア(ポケットモンスターSPECIAL)
- 楯祐一(舞-HiME)
その他
日本競馬においては、天皇賞を優勝すると副賞として楯が贈られることから、天皇賞の通称として、「盾」という言葉が用いられている。
天皇賞(春)は「春の盾」、天皇賞(秋)は「秋の盾」と呼ばれる。