ウマ娘プリティーダービー(アニメ)
うまむすめぷりてぃーだーびー
概要・曖昧さ回避
メディアミックス作品『ウマ娘 プリティーダービー』を構成するアニメーション作品の1つ。
- 2018年・2021年・2023年にTV放送された、チームスピカの面々の活躍を描く、P.A.WORKS(1期)・スタジオKAI(2・3期)制作のアニメーション作品、及びその関連作品群⇒本項で解説
- 2023年に公式YouTubeチャンネル「ぱかチューブっ!」にて配信された、ナリタトップロード達クラシック3強の戦いを描く、CygamesPictures制作のスピンオフアニメーション作品⇒ROAD TO THE TOP
- 2024年に公開されたジャングルポケットを主人公としたCygamesPictures制作の劇場アニメーション作品⇒新時代の扉
- 2020年にTV放送された、同名の4コマ漫画を原作とする5分枠のショートアニメーション作品⇒うまよん
- 2022年から23年にかけて「ぱかチューブっ!」にて配信された、ウマ娘の日常を描く3分間のショートアニメーション作品⇒うまゆる
- 2025年にTV放送予定の、オグリキャップを主人公としたCygamesPictures制作のアニメーション作品及びその原作漫画⇒ウマ娘シンデレラグレイ
Season1
2018年4月から6月まで、TOKYO MX、BS11、関西テレビ、サガテレビ、AT-Xにて放送。初回は1時間枠で放送された。制作はP.A.WORKS。
その後、ビワハヤヒデ・ナリタタイシン・ウイニングチケットにスポットを当てたOVA『BNWの誓い』も制作された。
史実における98年~99年の中央競馬を下敷きとして、北海道から転入してきたスペシャルウィークを主人公に、そして彼女が憧れるサイレンススズカをもう一人の主人公とし、彼女たちが所属するチームスピカやスペの同世代の面々がトゥインクル・シリーズを駆け抜ける様子を描く。
アニメ版キャスト
※細江はJRA初の女性騎手の一人(1996年~2003年)で、現在は競馬解説者。武はJRAの現役騎手。
サブタイトル
R | サブタイトル | モチーフとなったレース |
---|---|---|
1 | 夢のゲートっ! | '98バレンタインステークス |
2 | いきなりのデビュー戦! | '97年11月29日新馬戦 |
3 | 初めての大一番 | '98弥生賞 / '98皐月賞 |
4 | 特訓ですっ! | '98NHKマイルカップ |
5 | ライバルとのダービー | '98東京優駿 |
6 | 天高く、ウマ娘燃ゆる秋 | '98宝塚記念 / '88有馬記念 / '98毎日王冠 |
7 | 約束 | '98菊花賞 / '98天皇賞(秋) |
8 | あなたの為に | '98ジャパンカップ / '99宝塚記念 |
9 | スピカの夢 | '99凱旋門賞 |
10 | 何度負けても | '99京都大賞典 / '99天皇賞(秋) |
11 | おかえりなさい! | '99キャピタルステークス |
12 | 夢の舞台 | '99ジャパンカップ |
EX | 響け、ファンファーレ! | '99有馬記念 |
サイドストーリー
毎週金曜日に配信される公式ラジオ番組『ぱかラジ!』で配信された、各話に付随する約10分間のボイスドラマ。アニメ出演組の描写を補完する内容が多い。
R | サブタイトル | あらすじ |
---|---|---|
1 | 走りたいように | サイレンススズカがスピカへ移籍するまでの経緯が語られる |
2 | 目指せ!デビュー | ウオッカとダイワスカーレットがトレーナーにアピールする |
3 | ふたつの星 | トウカイテイオーがスピカへ加入するまでの経緯が語られる |
4 | わたしのレース! | ハルウララの高知でのデビュー戦が描かれる |
5 | ダービーに出るということ | 日本ダービーに臨む面々をキングヘイローが偵察しようとする |
6 | これからも | なし崩しに加入したスピカでの今後に迷うメジロマックイーン。マチカネフクキタルが占う彼女の未来は… |
7 | メッセージ | 入院したスズカを見舞うウマ娘たちの話 |
8 | 未来 | 有馬記念('98年)に臨むグラスワンダーにマルゼンスキーがアドバイスをする |
9 | サプライズ | スペとグラスのため、ヒシアマゾンとフジキセキの寮長コンビが奮闘する |
10 | ライバルたち | 闘志を持て余すエルコンドルパサーとテイエムオペラオーの、青春の一頁 |
11 | もう一度、一緒に | スズカ復帰に逸るメジロライアン、ウイニングチケットに釘を刺すナイスネイチャの胸中とは… |
12 | 遠い場所で | 来日したブロワイエの、束の間の骨休め。仏語が飛び交う異色の回 |
EXTRA | まだ見ぬ夢 | WDTへの出走が決まったオグリキャップ。難しい顔のタマモクロスをイナリワンが問い詰めると… |
余談
- ほとんどのウマ娘の名前は実際のJRAの競走馬からとられたが、地方競馬からハルウララ(高知競馬所属)が、地方からJRAに移籍した馬ではオグリキャップ(岐阜県・笠松競馬出身)とイナリワン(東京・大井競馬出身)がいる。
- 放送を請け負っているテレビ局のうち、BS11は土曜と日曜のお昼はJRAの中継を放送している(ただし午後3時台は土曜はBSテレ東、日曜はBSフジが放映権を得ているためその絡みで放送なし)。また、製作局のカンテレは日曜午後3時台にJRAの競馬中継である「KEIBA BEAT」を製作・放送しており、東海テレビ、テレビ西日本、テレビ新広島、鹿児島テレビ、石川テレビなどで放送している(ただし中京競馬場での開催日は東海テレビが、小倉競馬場での開催日はテレビ西日本が、それぞれ制作を担当)。さらにTOKYO MXでは地方競馬の大井競馬の実況中継を行うことがある。
- 富山県では、P.A.WORKS所在地でありながらどの放送局も放送しなかった。これはP.A.WORKS制作テレビアニメの第1作目に当たる『truetears』以来。
- アニメ放送中に元ネタのスペシャルウィーク号(4月27日没)とテイエムオペラオー号(5月17日没)が天に召されている。又中の人は2人ともコメントしている。(当該記事参照。)
- P.A.WORKSはこの当時、一昨年からの所属している従業員による机代に起因する炎上騒動により、営業体制を改善したり、事件を揉み消す為に脚本会議を綿密にやった町おこしアニメを作って気をそらそうとしたが制作現場の士気低迷で内容もアレで鳴かず飛ばずの状態になり、有力者(ベテランの監督や脚本家)からスルーされるまでになった。結局、2018年初頭のアニメ映画のように、本作も監督こそ経験値は高かったものの脚本家は原作レイプをやって炎上した人というあり合わせの残り物で本作を作る形になったが、前年度と比べてメガヒットをしてしまった。それは、従来のP.A.WORKSでおなじみの背景きれい・作画良質・だけどシナリオが三流以下というジブリの猿真似だった既存のタイトルと比べれば、本作みたいな内容でも充分見応えがあったためである。ちなみに最終話の展開は、古くはエリア88(劇場版)から続いているパターンである。
- しかし、関わった脚本家の悪いイメージはSeason1からつきまとうことになる。2021年のSeason2はシリーズ構成から個別エピソードでの制作協力程度の加担に変更。制作会社も新興のスタジオKAIが取り仕切る形になった。結局、その年は色々な事情も相俟って話題作に成長したものの、一種の猜疑心は強く残るので、Season3では待望の決断が下された。
- 第1Rの冒頭で「実際の競走馬の物語をモチーフとし、事実に基づいた表現を心掛けたフィクション」というテロップが流れた。その通り、アニメでは主に、スペシャルウィーク・サイレンススズカ・エルコンドルパサー・グラスワンダー・セイウンスカイといった面々が活躍した、1998年から1999年頃の中央競馬を中心に描かれている。但し、当時外国産馬に出場資格がなかった一部のGIレースに、「外国からの帰国子女」であるエルコンドルパサーが出場していたりと、「if」展開も織り交ぜている。
- 第5R「ライバルとのダービー」では、第65回日本ダービー(1998年6月7日)が取り上げられ、当時スペシャルウィーク号に騎乗し、自身初めて日本ダービーを制覇した武豊が、解説者として出演している。
- 第7R「約束」では主な題材として、日本競馬史において「沈黙の日曜日」と称される第118回天皇賞(秋)(1998年11月1日)が取り上げられたが、その際、国内最大級の競馬情報サイト「netkeiba.com」に掲載されているサイレンススズカ号のページへのアクセス数が急増。サイト内競走馬アクセスランキング1位を記録した。奇しくも故障事故から20年という節目の年であったことも相まって、その関心の強さが窺える。
- 最終話である第13R「響け、ファンファーレ!」では、JRAブランド広告の一環として2015年に制作された、「夢の第11レース」から着想を得ている(出走メンバーに一部変更あり)。
- ウマ娘のアニメ化と同調するかのように、2018年の中央競馬では、ウマ娘化された競走馬に縁のある騎手2人が悲願を達成している。第5Rで取り上げられた第65回日本ダービーにてキングヘイロー号に騎乗した福永祐一(このレースがダービー初騎乗)は、アニメ放送後の2018年5月27日に行われた第85回日本ダービーにてワグネリアン号に騎乗し優勝、初騎乗から20年、初ダービーがアニメ化された年に、19回目の挑戦にして自身初のダービー制覇。またテイエムオペラオー号の手綱を握り続けた和田竜二も、6月24日の第59回宝塚記念でミッキーロケット号に騎乗し優勝、2001年天皇賞(春)以来、実に17年ぶりに中央競馬G1を制覇している。
- ブルーレイ(ボックス)では、レースシーンの実況を「本編」の明坂から本職のアナウンサーに差し替えたものを映像特典という格好で収録している。メンバーは以下のとおり。
Season2
2020年9月に制作が発表された。
2021年1月から3月まで放送。ネット局はSeason1と共通。
制作会社はスタジオKAI。Season1のP.A.WORKSも制作協力としてクレジットされている。
史実における91年~93年の中央競馬を下敷きとして、トウカイテイオーとメジロマックイーンの2人を主人公に据え、彼女たちが栄光を手にしつつも、時に怪我や風評・挫折といった負の側面と向き合いつつ、トゥインクル・シリーズを駆け抜けていく様を描く。
また、Season1ではウマ娘化していない競走馬のポジションに馬主や騎手繋がりで元ネタが違うウマ娘を使ったり史実と違うメンバーの出走・結果が発生していたのに対して、本作品以降は別の既存ウマ娘の起用などの史実改変は使われなくなり、レース展開や結果も史実に沿った形を強く意識するようになっている。
season1から引き続き登場するチームスピカの面々に加え、新たなウマ娘やライバルチーム「チームカノープス」が登場している。
タイトルロゴのウマ娘が前シーズンの主人公であるスペシャルウィークから本シーズンの主人公であるトウカイテイオーに変更されている。
なお、本作よりナリタブライアンの声優が、前シーズンで同キャラを務めた相坂優歌から後任の衣川里佳へと変更となった。
前期やOVAと同様に作画や演出など評価は高かったのだが、よりによって脚本家にはあの人が再度使われていた為、彼の経歴を知ってる人には嬉しくなかったし、正直言って特定の人しか楽しめない状態に陥った。
加えて、2021年は日本史上ワースト10に入るぐらい最悪な年で、コロナ渦の2年目に、自粛・制限ムード、無理矢理開催されて誰も得しなかったオリンピックが失敗、日本史上最悪の誰も喜ばないお偉方の結婚、これらに加えて自粛と周辺の不信感によりストレスが蔓延し国民の間柄がズタズタになる等、厄年としてこれ以上完全なものはない。
なお、この年に放送されたアニメは世の中への憤りや自粛疲れ、KADOKAWAへの嫌みを噛み締めながらとりあえず作ったような作品が多く、本作のようなSeason2が完成度ではマシだったらしい。
サブタイトル
R | サブタイトル | モチーフとなったレース | アイキャッチウマ娘 |
---|---|---|---|
1 | トウカイテイオー | '84東京優駿 / '91東京優駿 | トウカイテイオー |
2 | 譲れないから! | '91菊花賞 | メジロマックイーン |
3 | 出会い | '91有馬記念 / '92阪神大賞典 | シンボリルドルフ |
4 | TM対決! | '92産経大阪杯 / '92皐月賞 | ナイスネイチャ |
5 | 無敗と連覇 | '92天皇賞(春) | イクノディクタス |
6 | なんのために | '92宝塚記念 / '92菊花賞 / '92有馬記念 | メジロパーマー&ダイタクヘリオス |
7 | 祝福の名前 | '93産経大阪杯 / '92天皇賞(秋) / '92東京優駿 | ライスシャワー |
8 | ささやかな祈り | '93天皇賞(春) | ミホノブルボン |
9 | ストップウォッチ | '93東京優駿 /'93宝塚記念 | キタサンブラック&サトノダイヤモンド |
10 | 必ず、きっと | '93七夕賞 / '93オールカマー | ツインターボ |
11 | この気持ちって | なし | マチカネタンホイザ |
12 | ふたり | '93菊花賞 | ビワハヤヒデ |
13 | 夢をかける | '93有馬記念 | トウカイテイオー&メジロマックイーン |
1st Anniversary Special Animation
ゲームアプリ版のリリース1周年を記念して制作されたショートアニメ。2022年2月22日に公開。
『Season2』最終話を引き継ぎ、キタサンブラックとサトノダイヤモンドの視点から、新入生歓迎に沸き立つトレセン学園(と平常運転のチームスピカ)のとある一日を描く。
Season3
2022年11月に第3期の制作が発表、告知動画も公開された。
2023年10月から12月まで放送。ネット局も前2シリーズと共通。制作はSeason2から引き続きスタジオKAIが担当しており、スタッフもほぼ同じだがSeason1・OVA・Season2に関わった杉浦理史を降板させており、スポ根の面目躍如と言わんばかりの作品に変革を遂げた。が、彼は某キャンプアニメ第3期の制作現場に行ってしまうのだが・・・。
主役はSEASON2にて主役キャラであったトウカイテイオーとメジロマックイーンに憧れたキタサンブラックとサトノダイヤモンドとなっている。
それまでのシリーズの中では、Season1とSeason2と来て、なぜかこのSeason3だけ評判が悪く、作品データベースやAmazonのレビューでは軒並み低評価、5ちゃんねるや諸々のYouTubeのアニメレビュアーなどが一緒くたになって批判するという異常事態を起こしている。また、BD/DVDの売上高もSeason2と比べて右肩下がりという顛末である。それだけ聞くと本作は失敗のように思えるが実情については後述する。
サブタイトル
R | サブタイトル | モチーフとなったレース | アイキャッチウマ娘 |
---|---|---|---|
1 | 憧れた景色 | '15皐月賞 / '15東京優駿 | キタサンブラック |
2 | スタートライン | '15菊花賞 | ナイスネイチャ(新衣装) |
3 | 夢は終わらない | '15年11月8日新馬戦 / '15有馬記念 | ゴールドシップ |
4 | あたしだけの輝き | '16産経大阪杯 / '16皐月賞 / '16天皇賞(春) | ミホノブルボン&ライスシャワー |
5 | 自分の証明 | '16東京優駿 / '16宝塚記念 | ドゥラメンテ |
6 | ダイヤモンド | '16菊花賞 | サトノダイヤモンド |
7 | あたしたちの有マ記念 | '16ジャパンカップ /'16有馬記念 | サウンズオブアース |
8 | ずっとあったもの | なし | トウカイテイオー&メジロマックイーン |
9 | 迫る熱に押されて | '17天皇賞(春) | キタサンブラック&サトノダイヤモンド |
10 | お祭り | '17宝塚記念 | サトノクラウン |
11 | 決意 | '17天皇賞(秋) | シュヴァルグラン |
12 | キタサンブラック | '17ジャパンカップ | ロイスアンドロイス |
13 | そしてあなたの…… | '17有馬記念 | キタサンブラック(新衣装) |
Season3の実情とデマ
上記のように、Season3はなぜか前2作と正反対に世間体から批判されており、動画サイトを筆頭に本作はこれだけ酷いんだという紹介までされている始末である。これだけ聞くと、初見なら過去の例を見てスタッフを替えたことが痛手だったのではと思うかもしれない。
実際、本作をGoogleの入力画面にいれるとサジェストに次のようなものが挙がってくる。
- ウマ娘 3期 失敗
- ウマ娘 3期 戦犯
- ウマ娘 3期 脚本 ひどい
- ウマ娘 3期 黒歴史
- ウマ娘 シーズン3 つまらない
………とにかく、これだけ見てしまうとウマ娘Season3は出来が酷いと思うであろう。
しかし、実際には同じように2期で沸き立った視聴者が見たらあまりの酷さに炎上した3期アニメで
- 絵面的に静止画に近い会議だらけで潤いのサービスシーンすら黙殺された作品
- ハリウッドの超大作並みになるはずが実際はZ級映画レベルで放送された作品
- 2期で叩かれたのになんの改善もせずに放送されて炎上した作品
- 明らかに民放アニメならではの結果を引き延ばす路線に走った惰性作品
・・・・などと比較すると、ウマ娘3期にはそのような作品に見られる問題が全くと言っていいほど無い。
実際、Season1とSeason2と同様に、アスリートの姿を描き同級生や先輩と勝敗を競うという作風で、1人のアスリートとして薬物摂取をして出場停止を食らったり、競馬場の審査員の買収して自分に都合がいいように判定結果を偽装したり、試合結果に激昂したサポーターが暴徒化し試合がメチャクチャになることもない。
加えて、放送されて視聴者から批判された過去のスポーツ系列アニメであの作品やこの作品に未だ2期を作らないことに当時の視聴者から怨嗟を焚き付けられる作品などで見られた問題も、ウマ娘Season3の本編で起きていないのだ。そして、基本的に劇中では「勝利という目標に向けて立派に競い合い高める=資本主義を発展」という構図を可愛く格好良く表現しているのだ。とてもサジェスト汚染されるような作品じゃないのである。
なぜこの様になったのか、それは単にスタッフが変わると聞いて過去に炎上した作品を思い出して騒ぎ出した心ないアンチにより壮絶な逆張り運動が勃発したからである。これは2005年に放送された『まじめにふまじめ かいけつゾロリ』で1期と違う人に作らせた結果失敗してしまいそれ以降依然として続いている悪習であり、2008年の『みなみけ おかわり』、2019年冬の『けものフレンズ2』などで頻繁に起きており○期と○期でスタッフが違う=出来が悪くなり失敗するという悪循環を痛いほど見てきた人たちなら、今回のSeason2からSeason3に移行するに当たって杉浦理史を降板させたことを悪く思って騒ぎ立てたと見て良いだろう。
しかし、彼は過去に『くまみこ』最終話で問題を起こした経歴があり、後にYouTubeチャンネルで当時は逃亡したつもりは無く、次の仕事先である刀剣乱舞での仕事の関係にやむを得ずアカウントを削除するしかなかったと説明したものの、依然として『くまみこ』の件は謝罪こそするも真相について語らなかったため世間からは悪く見られていたのだ。
よって、これまでSeason1とBNWとSeeason2と出来が良かった(むしろあの本編の内容なら架空戦記の読者なら誰がやっても当たるだろうが)とはいえ、イメージ向上化のために彼を外すことは最適解だったのである。
それを、過去にスタッフ変更で制作された続編によりもたらされた絶望と慟哭によって煮え湯を飲まされてきた世間の人々は混乱し(たかだか彼らがサジェストに名作と入るぐらいに知名度が上がったSeason2は特別凄いわけでもないのに)、このような逆張りという事態に発展したのである。
なにより、彼が何故選ばれたかといえばSeason1のP.A.WORKSが有力な人材から見捨てられていて余り物しか呼べなかっただけに過ぎないのだ。経歴に疑問があれど、有力者から無視されたのだから彼みたいな人でも選ばれて然るべきだった。
そして、なによりもシナリオ会議を進め、放送延期が起きないようにスケジュールを組んで人員を大量に呼び寄せ(明らかにCGやコンピューターの性能が向上化した現代でも凄まじい作業量だったと想像できる)、万人が見られることを願いながら作ったスタジオKAIの皆様は本当に立派である。上記のようなサジェストに見られる失礼極まりない言葉や根拠のない問題点だけで、その人達を戦犯の2文字で冷たくあしらうのは非常に許せない話である。世界史において馬に跨がり歴史を駆け抜けた多くの偉人達の名にかけて、この作品は令和のアニメでもA級作品である。初心者は絶対にネガティブな思考で評価しないでいただきたい。
以下、主にSeason3に対して寄せられている批判点に対して回答してみる。
・キタサンブラックは勝利したとしてもすぐにネガティブ思考に走る
果たしてそれがおかしいといえるのか?過去100年以上も様々なスポーツ大会(オリンピックも含む)で優勝して歴史に名を残した人々が、インタビューや当時の写真に写ってるような笑顔のまま悠々自適に生活していただろうか?そんなわけないだろう。実際は、「来年も現状維持できるか?いつ故障して離脱してしまうか?ライバルが出現して抜かれないか?人間関係でうまくやれるか?」といった心配で日頃悩むのが常識。若くして優勝できず悩むのが新人の姿なら、ベテランで優勝しまくった猛者も同じぐらい悩むのだ。これは2024年現在も躍進している大谷翔平や岡慎太郎にも言えることであろう。表と裏だ。現実で多くのアスリートが将来を案じるように、キタサンブラックも同じ気持ちになって然るべきなのだ。
・キタサンブラックが第5話の宝塚記念の競争でリバーライトの事を知らないのはおかしい
そもそもリバーライトと高頻度で接していたわけでもない。同室はサトノダイヤモンドで小学生時代からの付き合いだ。回想をみても他の子と和気藹々している様子はないため唯一無二の親友なのだ。おまけにリバーライトというのは本編では諸事情で使えず実際の名前はマリアライトである。
更にこの台詞が出たのはレースの最前列でドゥラメンテと競っていた時である。一応横目で後ろを見ようとしているが、いくらウマ娘といえど走りながら後ろを見続けるのは非常に困難である。それ以上頭を動かして後ろを見ようものなら前方が分からずに転倒しあのまま多くを巻き添えにしていた。ウマ娘たるもの転倒は避ける要素の1つである。キタサンブラックの誰発言は、単にだれが来たかよく分からなかっただけなのだ。そして本編で流れる実況中継に関しては実際にウマ娘達の耳に届くはずがないし、それだけの音なら他の人たちの耳もやられてしまう。なにより、史実でもマリアライトの知名度は低くドゥラメンテとキタサンブラックに人気が集まっていたため、誰発言は実に自然な成り行きである。
・キタサンブラックがトウカイテイオーに引退しないでと食い下がったのにSeason3では自身が颯爽と引退を宣言する
一見すると、Season2の駆け引きはキタサンブラックがトウカイテイオーを試合に出すために過剰に追い立てたように思うが、そう考えるのは誤りである。なぜならキタサンブラックにはトウカイテイオー以前に惹き付けられていたウマ娘が存在していなければならないからだ。そもそもトウカイテイオーだけでウマ娘という資本主義の鬩ぎ合いに飛び込むわけがなく、ありとあらゆる知識を蓄えてでないと成立しない。これは考察の域でしかないが、キタサンブラックがトウカイテイオー以前にファンになったウマ娘が存在していたが、何らかの原因で会えなくなってしまい、その最たる理由が怪我による引退というものだっただけなのだ。キタサンブラックにしてみれば、2人目のあこがれであるトウカイテイオーが怪我で引退する姿はまさに最初に思いを馳せたウマ娘の姿そのもので、そのウマ娘と同じ末路を辿らないように警鐘を鳴らしたのである。そして、トウカイテイオーの危機を回避したからこそ、自身はピークアウトで引き下がったのだ。
・ピークアウトの設定は必要だったか?
逆に聞きたい。この設定に文句をつける奴はウマ娘になにを求めている?半永久的に稼働し続ける機関なのか?超サイヤ人か?クリンプトン星人みたいな存在か?最早あれだけでも充分強いのに、永久的にあの強さを保てるなら最早サイバーダイン社で開発されるターミネーターのようなものである。そこには最早可愛さもなければ煌びやかなオーラもなく、ヒト族の仕事をスポーツ界や生産業から奪うだけの化け物でしかない。なにより、ピークアウトの設定でなにかとキタサンをやり玉にあげるが、あの終盤での荒い息を吐いている姿を見てなぜそんな動きが出来るのか?確かに1期と2期でそれらしい設定がなくて唐突に盛られたというが、既に原作であるゲームの中に添えられていたりする。逆にピークアウトを起こさずに動き続けている1期組と2期組の方が異常である。この設定に意義を唱えるなら、その人達はその能力を出せるタイムリミットと共存するストライクウィッチーズやリリース・ザ・スパイスを語る資格すらないのだ。
・ドリームトロフィーリーグが老人会になった
そもそも、老人会と言われるようなお粗末かつ見ていて嫌になる場面があったか?大体にして第一線に立てなくなった有力者が集まる組織として、有名なのは在郷軍人会(退役軍人の会)がある。この組織は戦争の式典やイベントで重要な存在であり、当時の時代を知る生き証人として子供や孫の世代から愛されている。ドリームトロフィーリーグが歴史を語る現場になるのなら、それは加算したウマ娘にしてみれば名誉なことである。
・Season3から登場するウマ娘の中で扱いがよくない子がいますよ
まさか、キービジュアルを見てそんなことが言えるのか?確かにキービジュアルに描かれているウマ娘のなかで出番が少なかったりする子もいる(特に1話でサトノクラウンやシュヴァルグラン)。しかしながら出番が少なくなるのは多くのキャラクターを抱えるコンテンツなら常識である。かつて、1984年よりアメリカで放送が開始された「トランスフォーマー」のことをご存じだろうか?基本、玩具が発売されたのに出番が1話だけで終わったキャラ、見た目強そうなのに初登場してすぐに撃破された合体兵士、玩具でしか強化形態が発売されず本編では通常形態のみの登場のキャラ達、3体で1チーム構成なのに1体しか出てこなかったキャラクターなどなどウマ娘より酷い扱いなのに、彼らはなんの批判も受けていなのだ。これに比べたらウマ娘はどうだろう?出てくるだけでありがたいのに、それしかでないと苛立ちを見せるアンチには絶望するしかない。
・ナイスネイチャだけ過去作のウマ娘よりゴリ押しされているんですが
そもそもゴリ押しの意味分かってるか?劇中でたいした活躍もせずに世間的にも人気がないし問題を抱えているのに、あたかも人気であるかのように猛烈にプッシュしまくることである。ナイスネイチャはSeason1とSeason2といずれも問題を起こさず有力者として気丈にあった。そして、ちょうど放送された2023年に元であるナイスネイチャが亡くなったことが大きい。昭和生まれの競走馬では最後であり、馬の中では35歳と最高齢で人間なら114歳まで生きたのだから、本編でキタサンブラックの相談役に選ばれるのは必定である。むしろ扱わないこと自体失礼である。
・チームスピカやトレーナーの扱いが悪いように思います
これに関しては、「トランスフォーマー」や「ガールズ&パンツァー」と同じで平等に裁ききれないのは致し方がない。むしろキタサンブラックの目線からすればトウカイテイオーは別格としてスペシャルウィークやダイワスカーレット、メジロマックイーンなど有望とはいえど歴史的観点から見れば指折りとは言い難い。トレーナーにしても気迫や耐久性こそあれど、基本的にウマ娘1人につきトレーナー1人というわけではないため、トレーナーはそこまで重要かと言われればそうじゃないのだ。
・ギャグを所々に挟んでくどい
要するに令和ライダーみたいに、最終戦でもないのにシリアスかつ陰惨な光景を望みたいのかと言いたい。逆にギャグとコメディ要素は常日頃競争しているようなウマ娘たちの空気には必要だったのだ。くどかろうがおもしろみにかけようが、それは本職がやっているわけではないので批判する理由にはならない。
小説ウマ話
ウマ箱に付いてくる本編の裏側を描くオリジナル小説。挿絵がないので、入浴シーンがかなり多い。
Season1
第1コーナー セイウンスカイ編
第2コーナー グラスワンダー編
第3コーナー メジロマックイーン編
第4コーナー ウオッカ・ダイワスカーレット編
この内セイウンスカイは漫画化が検討されたもののお蔵入り。
Season2
第1コーナー ナイスネイチャ編
第2コーナー メジロパーマー編
第3コーナー ツインターボ編
第4コーナー キタサンブラック・サトノダイヤモンド編
余談
本作は一応学園ものであり、キャラにはそれぞれ中高生のいずれかの所属と学年が設定されているのだが、時間が経過しても進級や成長はしない、いわゆるサザエさん時空となっている。
しかしながら、そういったルールが適用される作品のほとんどが「季節の移りゆきは描いても、明確に一年経ったかとかはぼやかされる」のに対し、本作は史実ネタを描く関係上、年数の経過は明確に描かれるため、「確実に3年経ったのに進級や成長はしない」「一方、トウカイテイオーの回想やキタサンブラックなどの小学生として描かれるキャラだけは年の経過に従って成長する」という奇妙な現象となっている(このような年の経過はするが、キャラの成長するかはご都合主義とされる作品は、本作以外にはこち亀などもあるが)。
なお、作中のカレンダーは主役キャラが実際にそのレースに挑戦した時のものと同一になっている(例. スペシャルウィークが一期10話で挑んだ秋の天皇賞は1999年と同じ、10/31の日曜となっている)。
Season2の本放送終了後、CBC、TVQ九州放送(2シーズン全てでも)などでも放送された事があるが、この2局の放送局所在地もまたJRAの競馬場を控えている。CBCについてはラジオ番組「GOGO競馬サンデー!」の放送を行っており、TVQ九州放送に関してはKBS京都の土曜午後3時台の競馬中継「うまDOKI」の放送を請け負っている。
Season3の放送直前、キタサンブラックの馬主である北島三郎から応援メッセージが贈られている。奇しくも、初回放送日である10月4日は北島の誕生日である。
2024年10月からは、「ウイニング競馬」を放送しているテレビ東京系列で放送が実施されることになった。更に言えば、「ウイニング競馬」と同じ放送日となる土曜日の朝での放送となる。シーズン2とシーズン3の連続放送となる予定で、東京エリア(TOKYOMX)以外では事実上の本放送扱い。放送時間帯は午前9時後半、元々はシャドウバースFを放送していたCygames枠でもある。
(ウイニング競馬ファミリーもある意味で出演しているため、まさかの放送と思った人もいるかもしれないだろう)
なお、上述のテレ東における放送では「この作品はフィクションです」(意訳)のテロップが冒頭に追加されている。
エンディングについて
現時点では3シーズンしか描かれてない段階で触れるのは時期尚早かもしれないが、通常エンディング曲はモデル馬の半生がどういうものだったかによって調子の明暗が分かれている。
例えば、それぞれ1期、3期で主人公を務めたスペシャルウィークとキタサンブラックは怪我の多い競馬界においてモデル馬が現役時代に怪我も故障はおろか病気にもかからなかった頑強さを誇るからかスポ根モノのような明るい曲調で、逆に2期の主人公を務めたトウカイテイオーは幾度とない怪我に悩まされたこともあり、かなり暗く重たい曲調のエンディングとなっていた(3期については、キタサンがライバルの圧倒的な実力に捻り潰された1話のみが重く暗めの楽曲が使用されたが)。
関連タグ
アニメオリジナルウマ娘 トレーナー(ウマ娘プリティーダービー)
各メインキャスト
Season3
上記2人はアニメ中にて名前こそ出されたものの姿は登場せず、アニメ終了後の3rdアニバーサリーにてお披露目となった。