東急田園都市線
とうきゅうでんえんとしせん
路線データ
路線名 | 田園都市線 |
---|---|
区間 | 渋谷〜中央林間 |
路線距離 | 31.5km |
軌間 | 1067mm |
駅数 | 27駅 |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
複々線区間 | 二子玉川〜溝の口(大井町線と共用) |
複線区間 | 渋谷~二子玉川/溝の口~中央林間 |
閉塞方式 | 車内信号閉塞式(ATC-P) |
運転指令所 | 運輸指令所(東急指令) |
最高速度 | 110km/h |
第一種鉄道事業者 | 東急電鉄 |
路線概要
渋谷駅(東京都渋谷区と中央林間駅(神奈川県大和市)を結ぶ東急電鉄の主力路線の一つで、会話などで「田都」と省略される事も多い。路線記号はDT(Den-en-Toshi)、ラインカラーは緑。
都心の重要交通ターミナルの一つである渋谷駅と、二子玉川駅までのビジネス街と繁華街、そして神奈川県内の日本有数の大規模な住宅街をつなぐ路線のため、ラッシュ時のあまりの混雑ぶりでも知られる。
名前に反して、もはや車窓から田園地帯は望めない。
東急保有路線では最長の距離である。また、東急で横浜市・川崎市以外の神奈川県下に駅を持つのも当線しかない(中央林間駅とつきみ野駅が大和市にある)。
詳細は後述するが、相互直通運転を行っている東京メトロ半蔵門線と一体のダイヤグラムが組まれている。
1989年(平成元年)12月4日に横浜市青葉区(当時は分区前の緑区)にあった「田奈1号踏切」が廃止された事により、田園都市線内の踏切は全廃され路線は立体化されている。
また普通に乗っているだけではわかりづらいかもしれないが、多摩丘陵という非常に凹凸が多く高低差の激しい地形を高架、トンネル、盛土、掘割などでスムーズにクリアしている。
二子玉川駅〜溝の口駅間は複々線区間で、内側2線を大井町線が使用している。大井町線直通列車や大井町線内完結の各駅停車の一部(青各停)は田園都市線の線路を走行する。
車両基地・留置線
車両基地は長津田検車区。長津田駅近隣にあり、田園都市線と大井町線・こどもの国線車両が所属する。
また長津田駅構内で繋がるこどもの国線の恩田駅横に長津田工場があり、東急電鉄・横浜高速鉄道所属の全車両が検査や改造等の為に出入りする際田園都市線の二子玉川駅〜長津田駅間を経由する。なお長津田駅構内にはJR東日本横浜線との連絡線(非電化)があり、東急・横浜高速鉄道及び半蔵門線の新造車両の授受が同駅で行われる。
溝の口駅・梶ヶ谷駅に大井町線用の留置線がある。
鷺沼駅構内に長津田検車区鷺沼車庫があり、田園都市線・大井町線用車両の留置が行われる。この留置線は長津田検車区誕生前に存在した鷺沼検車区の敷地の一部で、半蔵門線が線内に車庫を有さない為長津田検車区誕生時に営団地下鉄(現・東京メトロ)に譲渡され、同社の鷺沼検車区及び鷺沼工場として使用されている。
なお鷺沼工場は半蔵門線及び日比谷線の検査を行なっている為、日比谷線車両が東横線中目黒駅から目黒線・大井町線を経由して同工場まで運転される。
朝ラッシュ
田園都市線は以前から混雑率が高い路線として有名。
大井町線急行運行開始で混雑率は開始前の196%前後→180%未満まで減少し、東西線や千代田線よりは下回ったが、それでも急行を中心に高い数字となっている。渋谷駅〜二子玉川駅間は特に混雑する。
この混雑の影響で、東武30000系は分割可能な構造が仇となり大部分が東武本線系統の地上線に転用され、後に全編成が東上線に転属した。
また、渋谷駅は利用者の割にホームが島式1面2線かつ激狭。
(将来、上りホームを増設して2面3線化するという計画があるが、周りのビルの構造や敷地の関係もあり、改良に関する具体的な内容はまだ示されていない。 情報リニアの記事を参照)
その一方、東横線や小田急線と異なり朝ラッシュ下り、夕ラッシュ上りなどの逆方向の混雑は殆どなく空いているのも特徴となっている。
又、渋谷駅が殆どの電車が半蔵門線と直通している以上、二子玉川駅以南でQseatを購入しない限りは着席保障はない。
沿革
東急の前身会社の一つ「玉川電気軌道」が1907年(明治40年)に開業した渋谷駅と二子玉川園駅(現・二子玉川駅)間の路面電車の「玉川線」(玉電)から始まる。
「田園都市線」の名は、1963年(昭和38年)に現在の大井町線を一時改称した大井町駅〜溝の口駅間の路線として初めて登場した。
その後交通渋滞対策と輸送力の盤石化から玉川線が通常の鉄道路線へ転換される事になり、高度成長期におけるニュータウン「多摩田園都市」開発に伴う新規路線として、田園都市線の溝の口駅から中央林間駅までの延伸も始まる。田園都市線はこの「多摩田園都市」に由来する路線名である。
1977年(昭和52年)に旧玉川線のルート地下に地下路線「新玉川線」が開業し、半蔵門線との直通運転も開始。
この路線は当初は二子玉川園駅止まりであったが、1979年(昭和54年)には二子玉川園駅以南と全面的な直通運転化に移行。合わせて、大井町駅〜二子玉川園駅間は大井町線の名称に戻り、基本的な運転系統も分離する形で切り替えられた。
その5年後の1984年(昭和59年)4月9日に中央林間駅まで全通した。余談だが、当区間は2023年(令和5年)3月18日に東急新横浜線が開業するまで東急で最も新しい開業区間だった。
そして2000年(平成12年)8月6日に新玉川線は田園都市線に統合され、現在の区間となった。
2003年(平成15年)3月19日に半蔵門線が押上駅まで延伸された事に伴い、東武伊勢崎線・日光線との直通運転を開始。2006年3月18日には伊勢崎線の直通区間を東武動物公園駅から久喜駅まで延伸した。
現在の運行形態
田園都市線系統と大井町線系統の2系統がある。田園都市線系統は田園都市線及び直通他社の車両で、大井町線系統は大井町線の車両で運行される。
田園都市線の上り列車は渋谷駅で半蔵門線及び東武線の種別に変更する列車がある。
大井町線については大井町線の項も参照。本項では田園都市線直通列車について記載する。
急行
最速達の列車で、平日の朝ラッシュ時を除いて終日運行される。かつては逆にラッシュ時のみの種別だった。
- 田園都市線系統
1983年(昭和58年)1月22日に渋谷駅〜長津田駅間で運行開始。当時はラッシュ時のみの運行で、あざみ野駅は通過していた。その後1996年4月26日ダイヤ改正で快速を統合した上で日中時間帯及び全線での運行を開始。この時はあざみ野駅と南町田駅(現・南町田グランベリーパーク駅)は通過していた。
2002年(平成14年)3月28日からあざみ野駅に、2006年3月18日から土休日限定で南町田駅に、2019年(令和元年)10月1日から南町田改め南町田グランベリーパーク駅に終日停車するようになった。
主な運行区間は久喜駅・南栗橋駅・押上駅〜中央林間駅間。
土休日の一部の下り列車を除く全列車が半蔵門線と直通し、半蔵門線内は各駅に停車する。また上りの大半は種別を変えないまま東武線に直通する。
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正以降は日中時間帯は20分間隔毎時3本設定され、上りは全て東武線直通だが下りは全て押上駅始発。
日中時間帯以外は東武線からの下り列車や上り押上行、長津田駅発着や渋谷駅始発、半蔵門線や東武線の途中駅発着の列車も設定される。殆どの列車が鷺沼駅と長津田駅で緩急接続を行う他、下りのみ二子玉川駅で後続の各駅停車に乗換が可能。
停車駅
(押上〜渋谷間の各駅) - 三軒茶屋 - 二子玉川 - 溝の口 - 鷺沼 - たまプラーザ - あざみ野 - 青葉台 - 長津田 - 南町田グランベリーパーク - 中央林間
- 大井町線系統
最初に運行されたのは2006年3月18日。この時は土休日限定で上下3本ずつの設定で、田園都市線内のみで急行運転を行い大井町線内は各駅に停車した。
2008年(平成20年)3月28日ダイヤ改正で大井町線内での急行運転を開始し、使用車両を6両編成(当時)の6000系に統一。2009年(平成21年)7月11日には大井町線が溝の口まで延伸されたが、この時はまだ田園都市線に直通する列車は僅かだった。
2012年(平成24年)3月12日から土休日に限り日中時間帯の急行の一部が長津田駅まで(上り1本のみ中央林間発)乗り入れを開始。2019年10月1日からは乗り入れ区間が中央林間駅まで延長された。
現在は大井町線の7両編成の車両で運行されている。日中時間帯は全列車が中央林間駅まで直通し、20分間隔毎時3本設定されている。
直通列車の田園都市線への転線は上下線共に二子玉川駅で行う為、二子玉川駅では大井町線ホームに、溝の口駅では田園都市線ホームに停車する。
平日夕方以降の下り長津田行の一部列車にQSEATが導入されている。
二子玉川駅では田園都市線各駅停車と接続する。
準急
準速達列車。停車駅はかつて運行されていた「快速」停車駅にあざみ野駅及び長津田駅〜中央林間駅間の各駅を加えたもの。田園都市線系統のみ設定されている。
2007年(平成19年)4月5日に平日朝ラッシュ時の上り急行を置き換える形で運行開始。当時の停車駅は二子玉川駅までの急行停車駅と、二子玉川駅から先の各駅。長津田発のみ設定された。
2008年3月28日ダイヤ改正で中央林間発が設定された。
2014年(平成26年)6月21日ダイヤ改正で下り及び日中の運行を開始。南町田駅が停車駅に加わった。
2019年10月1日ダイヤ改正で長津田駅〜中央林間駅間の各駅に停車するようになった。
夕方以降の一部時間帯を除きほぼ終日運行される。
日中は全て押上駅〜中央林間駅間の運行で、20分間隔毎時3本設定されている。その他の時間帯には東武線直通列車や途中駅発着も設定される。
停車駅
(押上〜二子玉川間の各駅) - 溝の口 - 鷺沼 - たまプラーザ - あざみ野 - 青葉台 - (長津田〜中央林間間の各駅)
各駅停車
全ての駅に停車する普通列車。
- 田園都市線系統
早朝・深夜以外の殆どの列車が渋谷駅から半蔵門線へ直通し、更に一部は押上駅から東武伊勢崎線へ直通する。東武線への直通列車は渋谷駅で種別変更を行う。
日中は毎時6本設定される。上りは押上行と南栗橋行が3本ずつ、下りは全て東武線からの直通で久喜発と南栗橋発が3本ずつ運行される。
殆どの列車が途中駅で大井町線急行を含む優等列車の待避を行う。
ラッシュ時等には出入りの為長津田駅・鷺沼駅発着の列車や半蔵門線・東武線の途中駅発着の列車も運行される。
なお2014年6月21日から2021年3月12日まで日中に毎時2本渋谷発着の列車が設定されていた。この列車は早朝や夜間の折り返し列車のようにホームでの折り返しや表参道側に設置された渡り線を利用しての折り返しは行わず、渋谷駅到着後東京メトロ乗務員と交代し回送で渋谷駅〜半蔵門駅間を走行。渋谷駅に戻った後東急乗務員と交代し始発の各駅停車として運行された。
しかし渋谷駅の田園都市線・半蔵門線ホームは1面2線の島式の為狭く、また田園都市線の殆どの列車が半蔵門線に直通する為渋谷駅到着時に思い込みや確認不足による誤乗車も多く、旅客の下車に時間がかかり後続の列車に遅延が生じる事が多かった。
- 大井町線系統
詳細は大井町線の項を参照。
基本的に溝の口駅(一部鷺沼駅)発着で、大井町線の5両編成が使用される。
二子新地駅と高津駅を通過する(これらの駅には大井町線のホームがないことから、厳密には通過ではなく非経由扱いとされている)「緑各停」と、二子玉川駅及び溝の口駅で転線し両駅に停車する「青各停」があり、これらは列車や駅の電光掲示板で区別されているので注意が必要である。
日中は6〜7分間隔毎時9本設定され、そのうち青各停は20分間隔毎時3本運行される。その他の時間帯は殆どが緑各停で運行される。
なお朝の上りと夜の下りで出入庫の為鷺沼駅発着の列車が設定されているが、これらは全て青各停で運行される。
過去の種別
快速
1968年(昭和43年)10月1日から1996年(平成8年)4月25日まで設定されていた優等列車。大井町行の「通勤快速」と渋谷駅・半蔵門線内発着の「快速」があった。ともに表示上は「快速」であった。
前述の「準急」が快速とほぼ同じ停車駅で運行しているが、大きな違いとして快速運行当時のあざみ野駅は優等列車通過駅だった。
- 大井町線直通(通勤快速)
快速の設定当初に運転されていた列車。朝ラッシュ時に「通勤快速」と称し、上りのみの運行でつきみ野発大井町行として運転された。
1979年8月12日に田園都市線と大井町線が分離された廃止された。
停車駅
(長津田までの各駅) → 青葉台 → たまプラーザ → 鷺沼 → 溝の口 → (二子玉川園から先の各駅)
- 新玉川線直通
1977年11月16日より日中に「お買い物快速」と称して運行を開始。大井町線系統分離後は終日に渡り設定された。
1983年1月22日から朝夕ラッシュ時のみの運転で急行が新設されたが、それでも田園都市線における基本の優等列車は快速のままだった。
1989年1月26日の半蔵門線三越前駅延伸に伴うダイヤ改正で、平日の朝夕ラッシュ時および土曜朝ラッシュ時の快速を廃止した。
1996年4月26日のダイヤ改正で全ての快速を急行に格上げし、快速は全廃された。
廃止時まで長津田駅発着で設定され、中央林間駅までは運行されなかった。
停車駅(新玉川線直通)
(水天宮前〜二子玉川園間の各駅) - 溝の口 - 鷺沼 - たまプラーザ - 青葉台 - 長津田
1980年代までは、こどもの国(神奈川県横浜市青葉区)へのアクセス列車としてこどもの国線へ直通する臨時列車が設定されていた。
2000年代は東京湾大華火祭関連の地下鉄直通や東武線直通の長距離臨時列車が設定された事もあった。
こどもの国関連
- それいけ!こどもの国GO!
2009年(平成21年)3月20日〜22日に東急、横浜高速鉄道、横浜市、こどもの国協会、雪印こどもの国牧場の共同企画で運行された臨時列車。
横浜高速鉄道Y000系を使用して梶ヶ谷駅〜こどもの国駅間を無停車で結んだ。
停車駅
梶ヶ谷 - こどもの国
東武線直通
2003年3月29日・30日に運行された、東武線との直通運転を記念した臨時列車。東武30000系を使用して29日に往路、30日に復路が運行された。南栗橋駅で編成を分割し、4両編成が東武鬼怒川線鬼怒川温泉駅発着・6両編成が東武日光線東武日光駅発着として運行された。
停車駅
中央林間 - 長津田 - 青葉台 - あざみ野 - たまプラーザ - 鷺沼 - 溝の口 - 二子玉川 - 三軒茶屋 - (渋谷〜曳舟間の各駅) - 北千住 - 春日部 - 東武動物公園 - 南栗橋 - 板倉東洋大前 - 新大平下 - 栃木 - 新栃木 - 新鹿沼 - 下今市 - 東武日光/(下今市〜鬼怒川温泉間の各駅)
※運行時は東武ワールドスクウェア駅は未開業。
- 東武日光行スペーシア連絡列車「もみじ号」
2004年(平成16年)10月2日・9日に運行された長津田発北千住行臨時急行。5000系が使用された。
半蔵門線内も通過駅があった事が特徴で、終点北千住駅で臨時特急「スペーシアもみじ号」東武日光行に接続した。
停車駅
長津田 → 青葉台 → あざみ野 → たまプラーザ → 鷺沼 → 溝の口 → 二子玉川 → 三軒茶屋 → 渋谷 → 表参道 → 永田町 → 大手町 → 清澄白河 → 押上 → 曳舟 → 北千住
- フラワーエクスプレス
2005年(平成17年)〜2010年(平成22年)のゴールデンウィークに長津田駅から半蔵門線を経由し東武伊勢崎線太田駅まで運行された列車。
群馬県館林市の「館林野鳥の森フラワーガーデン(→東武トレジャーガーデン。2020年閉園)」(茂林寺前駅)、「つつじ祭り」が開催される同市の「つつじが岡公園」(館林駅)、大藤まつりが開催される栃木県足利市の「あしかがフラワーパーク」(足利市駅)へのアクセス列車として運行された。
東武30000系で運行されていたが、これは10両編成が館林以遠に入線出来ない為であり、同駅で前4両を切り離していた。
東急線内は急行、半蔵門線内は各駅停車、東武線内は快速として運行された。
東京湾大華火祭関連
- HANABIリレー号・スターライト号
前者は2002年(平成14年)・2003年に中央林間発半蔵門行として、後者は2004年・2005年に中央林間発永田町行として運行された臨時急行列車で、停車駅は半蔵門線内を含め通常の急行と同様。5000系を使用した。
表参道駅で千代田線、永田町駅で有楽町線の臨時列車と接続した。
半蔵門線直通
- SUMIDA HA・NA・BI号
2004年〜2007年に隅田川花火大会にあわせて中央林間駅〜押上駅間で運行された臨時急行列車で、停車駅は半蔵門線内を含め通常の急行と同様。2004年・2005年は5000系、2006年は東京メトロ8000系、2007年は東京メトロ08系を使用した。
- 時差Bizライナー
2017年(平成29年)〜2019年(令和元年)の7月の平日に上りのみ運行された臨時列車。
当時、東京都が推進していた時差通勤推奨プロジェクト「時差Biz」に連動して東急が行った混雑緩和施策「グッチョイモーニング」の一環としての運行で、中央林間発押上行が1本設定された。中央林間を朝6時過ぎに出発するのが特徴。
田園都市線では臨時とはいえ初の特急として運行され、渋谷から先半蔵門線内は各駅停車に種別変更した。
5000系の特定の編成が運用に就き、種別は無表示で行先表示は「ライナー」と表示された。
2020年(令和2年)以降は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによるテレワークや時差通勤の定着、鉄道利用者の減少による混雑緩和等の影響で設定されていない。
停車駅
中央林間 → 長津田 → あざみ野 → 溝の口 → (渋谷から先の各駅)
その他
- 田園都市線開通20周年記念号
1986年(昭和61年)6月18日〜22日に運行された団体臨時列車。落成したばかりの伊豆急行2100系(リゾート21)R2編成が伊豆急行での営業運転開始前に使用された。
東急車輛製造(現・総合車両製作所)で落成したリゾート21が長津田まで甲種輸送され、試運転を行った後に運用に就いた。
ルートは5日間とも共通で、以下の通り。
長津田 → (田園都市線) → 二子玉川園 → (大井町線) → 大井町 → 大岡山 → (目蒲線<現・目黒線>) → 田園調布 → (東横線) → 日吉 → 渋谷 → 日吉 → 田園調布 → (目蒲線) → 大岡山 → (大井町線) → 二子玉川園 → (田園都市線) → 長津田
駅一覧
停車:● 通過:レ
駅番号 | 駅名 | 急行 | 準急 | 接続路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
↑東京メトロ半蔵門線経由東武伊勢崎線久喜/日光線南栗橋まで直通 | |||||
DT01 | 渋谷 | ● | ● | ||
DT02 | 池尻大橋 | レ | ● | ||
DT03 | 三軒茶屋 | ● | ● | 世田谷線 | |
DT04 | 駒沢大学 | レ | ● | 駅名は新字体、大学名は旧字体 | |
DT05 | 桜新町 | レ | ● | 上下線別の二層構造であり、トンネル内の壁を隔てた急行の通過線がある | |
DT06 | 用賀 | レ | ● | 非常用渡り線あり | |
↑大井町線大井町まで直通 | |||||
DT07 | 二子玉川 | ● | ● | 大井町線大井町方面 |
|
↑東京都/↓神奈川県 | |||||
DT08 | 二子新地 | レ | レ | 大井町線青各停停車駅 | |
DT09 | 高津 | レ | レ | 大井町線青各停停車駅 | |
DT10 | 溝の口 | ● | ● | ||
DT11 | 梶が谷 | レ | レ | 通過線・留置線あり | |
DT12 | 宮崎台 | レ | レ | ||
DT13 | 宮前平 | レ | レ | ||
DT14 | 鷺沼 | ● | ● | 長津田検車区鷺沼車庫・東京メトロ鷺沼検車区が隣接 | |
DT15 | たまプラーザ | ● | ● | ||
DT16 | あざみ野 | ● | ● | 横浜市営地下鉄ブルーライン | 非常用渡り線あり |
DT17 | 江田 | レ | レ | 通過線あり | |
DT18 | 市が尾 | レ | レ | ||
DT19 | 藤が丘 | レ | レ | 通過線あり | |
DT20 | 青葉台 | ● | ● | ||
DT21 | 田奈 | レ | レ | ||
DT22 | 長津田 | ● | ● |
| |
↑神奈川県/↓東京都 | |||||
DT23 | つくし野 | レ | ● | 1972年(昭和47年)3月31日までの終点 | |
DT24 | すずかけ台 | レ | ● | 1976年(昭和51年)10月14日までの終点 | |
DT25 | 南町田グランベリーパーク | ● | ● | 2019年に「南町田」から改称 | |
↑東京都/↓神奈川県 | |||||
DT26 | つきみ野 | レ | ● | 1984年4月8日までの終点 | |
DT27 | 中央林間 | ● | ● | 小田急江ノ島線 | 地下駅 |
※銀座線との乗り換えは渋谷駅ではなく隣の表参道駅が推奨されている。
現在の使用車両
更新が遅れ8500系の割合が高く冷遇路線のイメージが強かったが、令和になってようやく本格的な置き換えが始まった。
田園都市線用・大井町線用共に全車長津田検車区所属。
田園都市線用及び直通他社車両は10両、大井町線急行用は7両、各停用は5両編成。
田園都市線用のうち、かつて東武線に直通出来ない編成には先頭車両の前面にステッカーが貼られ、「サークルK」と呼ばれ区別されていた。現在運用されている車両は全て直通対応車だが、何らかの理由で一時的に直通出来なくなった場合でもこの措置が施された事がある。
自社車両
- 田園都市線用
5000系・2020系
どちらも8500系を置き換える為に導入された車両だが、5000系は日本航空の破綻による東京急行電鉄の経営悪化の影響で導入が遅れ、その後は副都心線直通に備えた東横線5050系の増備を優先したため置き換え完了には至らなかった。
2020系は導入当初は東武直通非対応だった為、「サークルK」の措置が施された。
- 大井町線用
6000系・6020系
急行用車両。田園都市線での運用区間は二子玉川駅〜中央林間駅間。
6020系全編成と6000系の一部編成に「QSEAT」が導入されている。
6000系は登場時は6両編成だったが、大井町線輸送力増強の為7両に増車された。
東京メトロ所属
東武鉄道所属
50000系・50050系
南栗橋車両管区本区所属。50000系は30000系とトレードする形で東武東上線から転属。
過去の使用車両
2009年の大井町線溝の口延伸以降に運用を終了した車両を記載。
自社車両
全車長津田検車区所属。田園都市線用は10両編成、大井町線用は5両編成。
8500系・8090系・8590系・2000系
8090系のみ田園都市線用10両編成が存在しない。
8500系の一部編成と8590系・2000系は「サークルK」の措置が施された。
大井町線用車両の田園都市線での運用区間は二子玉川駅〜中央林間駅間。
8500系は長らく田園都市線の主力車両だった。5000系投入により一部が5両編成化され大井町線に転籍したが、そちらは2019年をもって先に引退。残った10両編成も2020系の本格投入により置き換えが加速。2023年(令和5年)1月25日をもって運用を離脱した。
8590系は1997年(平成9年)に東横線から転属し、2003年まで運用。その後東横線に復帰するも2005年に5両化された編成が大井町線に転属、2006年には10両化された編成が田園都市線に再び転属した。
8090系・大井町線用8590系は2013年(平成25年)までに、田園都市線用8590系は2020系投入に伴い2019年2月に引退した。
2000系は1992年(平成4年)より田園都市線で運用されていた車両。2020系投入により田園都市線での運用を終了した。その際に第3編成(2003F)のみ先に5両編成化された上で大井町線各駅停車用として運用を開始。
残り2編成の改造が完了した際に9020系に改番された。
東武鉄道所属
30000系
南栗橋車両管区本区所属。4両+6両の10両編成で運用された。
通常は10両固定編成だったが、前述の「フラワーエクスプレス」として運行する時は館林駅で前4両を切り離し6両編成で運行された。
運用上の問題から10000系列や東武50000系とトレードする形で2020年までに全編成が東武東上線に移籍した。