基礎データ
進化
ヒメグマ → リングマ(レベル30)→ガチグマ(満月の夜にピートブロックを使用)
概要
『ポケットモンスター金・銀』(第2世代)から登場しているヒメグマの進化系。
可愛らしかった進化前から一転、体は一気に巨大化し、鋭い眼光のかなり怖い形相になってしまった。以降登場する熊ポケモン達も、おおむねこんな変化を遂げるものばかりである。
肩から伸びる房状の体毛と、胴体にある輪のような模様も特徴的で、名前の由来は恐らく「月の輪熊(ツキノワグマ)」。輪(リング)とクマを引っかけているのだろう。
ヒグマ要素もあるらしく、主にジョウトやシンオウの山岳地帯に生息している。
その見た目通り性格は非常に凶暴で、縄張りに入ったよそ者は誰であろうと襲い掛かり、体格に見合った怪力や鋭い爪牙で容赦のない攻撃を仕掛けてくる。
その一方、熊らしくクレバーな知能や中々の器用さもあわせ持っており、敵がいない時は案外気だるげにしている模様。家族のヒメグマには優しい一面もあり、認めたトレーナーにも結構従順。
大きな体格だが木登りが得意で、木の上で餌を食べたり眠ったりする他、太い木の幹ごと前足で倒し、落ちてきたきのみを食べたりもする。嗅覚も優れており、地面深くに埋まっている食べ物も残さず見つけ出せる模様。
そうして毎日、食べ物を探して森の中を歩き回っており、縄張りの中にあるきのみがなる木には爪で傷跡を付けマーキングしている。その為、リングマの住む森には彼らがエサ集めをする大木や小川があちこちに在ると言われており、一種の指標生物とも言うべき存在。
ヒスイ時代では湿地帯であるクマの稽古場や天冠の山麓にも生息している。
同族の群れを作って生活しており、やはりというか排他的かつ好戦的で、こちらの気配にすぐさま気付き襲いかかってくる。その場から立ち去ろうとして仲間に気付かれ…という連鎖も起こり得るので注意が必要。
図鑑説明でも寒くなり始めると食べ物を探して徘徊するとされており、この時期のリングマはとても凶暴になるという。実際に冬眠前のクマは特に凶暴になると言われているため、納得の生態である。
現在のシンオウ地方ではダブルスロットをした状態でないと出現せず、全盛期と比べて数をかなり減らした模様。
加えて生息地もキッサキシティ周辺からテンガン山北部に偏っているので、何かしらの理由で北部に追いやられたようである。
アニメにより凶暴なイメージが付いているが、ゲーム上における性能や演出は割と地味。
第七世代ではより恐ろしい後輩が登場したが、互いの生息域がかみ合わない為、今のところ絡みはない。
ゲーム上の特徴
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
90 | 130 | 75 | 75 | 75 | 55 | 500 |
「こうげき」以外のステータスは平均的なものであり、使いどころがないが見た目の割に「とくこう」も地味に高い。その反面、元ネタが熊の割に「すばやさ」は低くなっている、いわゆる鈍足高火力型のポケモン。
ただ、その「こうげき」は種族値130を誇り、バトルでおなじみのガブリアスやカイリキー、キノガッサと並び全ポケモンを通してもトップクラスの凶悪さである。
(その上とくせい「こんじょう」発動時の攻撃種族値は事実上205〜221と、なんとあのデオキシス・アタックフォルムすら上回る)
第2世代から「つるぎのまい」で高い攻撃力をさらに伸ばせていたのだが、第3世代でとくせい「こんじょう」が追加されたことで、その凶悪さを増すこととなった。
"やけど"や"どく"の状態異常になって「こうげき」を強化。
その上、"どく・まひ・やけど状態の場合に威力が2倍"となるタイプ一致技「からげんき」とのコンボで相手を仕留めることが主流になった。
状態異常時の「からげんき」の威力は70×タイプ一致1.5倍×こんじょう1.5倍×わざ効果2倍=4.5倍であり、実威力はなんと315に達する。これは全ポケモンでも破格の威力であり、タイプ一致のロマン砲をも凌駕する破壊力を誇るこのコンボをまともに受け止められるポケモンはそう多くない。極悪なコンボである。
他にこのコンボを使用するポケモンはオオスバメが有名である。
特に第4世代以降は「どくどくだま」と「かえんだま」を持たせて強制的・能動的な発動が可能となり、さらに恐ろしくなった。
その他にはいわタイプ、ゴーストタイプなどに対応するため、「インファイト」、「じしん」、「かみくだく」などが攻撃技として採用されやすい。もし、あくタイプやドラゴンタイプ相手を考える場合は「じゃれつく」、ギャラドス・ハッサム・ラグラージなどをピンポイントの場合は三色パンチの採用も考えられる。
唯一の難点であった「すばやさ」も、第4世代でとくせい「はやあし」が追加され、ある程度補えるようになった。
しかし元の素早さは低く、補正値は1.5倍なので限界はある。また、こっちだとどくどくだまを使わなければならない。
両方の特性が「状態異常の時に強くなる」といったものであることから、対状態異常としてもかなり強い。
不思議のダンジョン時闇空ではダンジョン内でも結構登場する。こんらん技をかけると特性が発動し超スピードであちこち動き回る面白い行動をとるので試してみよう。ただし、アームハンマー使用後の速度低下が状態異常扱いなので、一発でも使用を許すと2つの特性が同時発動してえらい事になるため、アームハンマーを覚えている奴には要注意。
『LEGENDSアルセウス』ではまさかの正当進化を果たし、この影響からか9世代目の『ポケモンSV』ではリングマ自身もしんかのきせきの適用対象になった。このため、今後は戦略的観点からリングマが輝石を持たされる日が来ることになるだろう。
なお、ガチグマへの進化は特殊な条件が絡むためなのか、現時点では『SV』では解禁されていない。もっとも、しんかのきせきの対象になっているということは内部データ上は存在しているとみることもでき、今後DLCの配信やポケモンHOMEとの連動に伴い連れて来れるようになる可能性はある。
2022年12月23日から25日に開催されることとなったピックアップテラレイドバトルに出現するデリバードを狩るのに適したポケモンとして一部で注目されている。特性「こんじょう」、努力値H220A252S36、技「はらだいこ」、「かみくだく」、「インファイト」、「からげんき」の、いじっぱり「かえんだま」型として育てれば、全てのテラスタイプのデリバードに有利を取ることができる。
使用トレーナー
ゲーム版
- タケシ:ジムリーダー(カントー)※1
- シジマ:ジムリーダー(ジョウト)※1
- ヤナギ:ジムリーダー(ジョウト)※1
- シバ:四天王(ジョウト)※1
- ゲン:ポケモントレーナー
- アカネ:ジムリーダー(ジョウト)
- カエデ:ジムリーダー(パルデア)
※1:ポケモンスタジアム金銀
アニメ版
- シンジ
- カツキ(新無印79話)
漫画版
番外作品
『ポケモンGO』
金銀組の実装に伴い参戦。
ヒメグマにアメを与えて進化させるか、野生の個体を捕まえるかのどちらかになる。
ただし、進化形の御多分に漏れず、野生の個体の出現率はかなり低い。
ちなみに、野生の個体は戦闘時にどういうわけか自キャラの至近距離に居座るため、マップ上にいるリングマをタップした次の瞬間には、スマホの画面がこちらを鋭い眼光で睨むリングマの巨体で埋め尽くされることになる。
とてつもない威圧感を覚えること請け合いであり、初見で思わずビビったという人もいただろう。
さすがにこれは心臓に悪いと判断された……のかどうかは定かではないが、2017年6月のアップデートの際に、最初から引き気味のカットで表示されるよう変更された。
性能面はと言うと、本編同様攻撃力が非常に高く、現在あのカビゴンを上回りノーマルタイプ中最強を誇る。本編では大きな弱点であった鈍足も、本作にはそもそもすばやさという概念が存在しないためまったく気にならない。
だが、タイプ一致技にあまり恵まれておらず、スペシャルアタック(ゲージ技)の「はかいこうせん」くらいしかないのが悩みどころ。
それでも地味に「カウンター」と「インファイト」を覚えられるので、その気になればバンギラスやハピナス等のかくとう弱点のポケモン相手にぶつけることもできたりする。
当初はそこまで注目されなかったが、2017年6月のアップデートでレイドバトル実装かつ弱点を突いた時のダメージ率上昇によりかくとう弱点ポケモンへの手軽な対抗策として名乗りを挙げている。
ただし攻撃力こそトップクラスだが、HPや防御力などの耐久面ではそれぞれハピナスやカビゴンを大きく下回るため、ジムの防衛にはやや不向き。素直に攻略用のアタッカーとして運用するのが良いだろう。
しかし2020年10月13日から開催されたGOロケット団イベントにて新たにヒメグマがシャドウポケモンとして登場。これによりリングマも「おんがえし」を扱える様になりジムの防衛もそれなりにこなせる様に。
2022年11月に進化形であるガチグマが実装。
進化形が追加されたことで、リングマは中間進化形として扱われることになり、今後は中間進化形のみが出場可能なPvPの特別ルール「進化カップ」の出場条件を満たすことになる。
なお、ガチグマへの進化が解禁された後もヒメグマからの進化に必要なアメの個数は50個のまま。このため、他の2進化形のポケモンと比較すると必要なアメの量が若干嵩張ることになってしまった。
『Newポケモンスナップ』
2021年8月4日に行われた無料アップデートにて、追加ポケモンとしてまさかの選出。
リバー(川)エリアに生息している、木の上で眠る、木に爪痕を残すなど、登場ポケモンの中でもかなり図鑑説明の生態が再現されている。
それどころか跳ねたコイキングが顔に直撃しているリングマの様子を撮影するという、前述した木彫りのリングマをオマージュした様なリクエストまで存在している。
その飛んできたコイキングに驚いたり、アーボックの模様で威嚇されて逃げ去るなど、個体にもよるだろうが臆病なところもあるらしい(クマは蛇を恐るとされているため、それを反映したのだろうか?)。エイパムに追われていたと思しきコダックを助けるような姿も見せている。
アニメ版
鳴き声は「グマァーッ!」で統一。
当初はとにかくギャラドスばりに災害じみた扱いを受けており、よく出て来ては暴れまわってはかいこうせんを連発しまくる。劇中人物にも恐れられており、特にロケット団の面々はこれでふっ飛ばされる回数が多かった。
出れるだけ扱いは良い方なのだが、このせいで無駄に凶悪なポケモンというマイナスイメージが強くなった視聴者も多いのではないだろうか。
また、凶暴というより姑息な個体も存在し、腹黒いヒメグマが進化してロケット団を騙そうとしたり、XYではローブシンと共に小悪党として行動するリングマが登場したりもした。
ただ一貫して悪役として登場する訳ではなく、子供が生まれる時期には外敵を追い払ったり、ソーナノに慕われている面も描かれたりする事もあり、『時を超えた遭遇』に登場する個体は人間が森の中に入ってもあまり攻撃性を剥き出しにする事はなかった。
トレーナーとしてはシンジが劇中で捕まえており、彼の手持ちではエレキブル(とその進化系統)に次いで登場回数が多い。シンジの評価は「まぁまぁ」だったが、その後も逃がされることなく手持ちに残っていた。
備考・余談
『グッズ』
ポケモンセンターサッポロリニューアルオープン記念グッズとして木彫りのリングマが販売された。コイキングを咥えている…と思いきや、リングマの顎が閉じており、食べているのではなく、コイキングが「はねる」でリングマの顎に激突している場面である。
ただし、北海道をモチーフにしたシンオウにはエメラルドをダブルスロットしなければ出現しなかった。あと、地図上では三毛別辺りに位置する谷間の発電所には出現しない。
ポケモンカードゲームの拡張パック「ソウルシルバーコレクション」に収録されたリングマはめっちゃイケメンに描かれている他、有田満弘氏が描いたイラストでは温泉に気持ちよさそうに浸かるリングマが確認できる…大抵恐ろしげなイメージで描かれる彼らだが、外伝作品ではこのような愛嬌ある一面を見せる事もあるのだ。
星座をモチーフにしたシリーズ『Look Upon the Stars』ではおおぐま座を担当しており、進化前のヒメグマはやはりと言うかこぐま座担当になっている。
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