概要
アメリカ大陸および、その周辺地域で伝承されている精霊や魔物などの総称で、広義ではラテンアメリカなどの伝承も含まれる。
この項では狭義としてアメリカ合衆国およびカナダの伝承について説明するが、この地域の歴史的な背景からその存在は非常にバリエーションに富んでいる。
古くからこの地に住んでいたエスキモー(イヌイット)やインディアン(ネイティブアメリカン)は、いくつもの部族に分かれて暮らしており、それぞれが独自の言語と文化を持っていた。
神々や精霊については、彼らは文字を持たなかったので口伝により伝承されてきたが、コロンブスの到達以降の侵略により、その多くが失われてしまったといわれている。
西洋から植民したいくつもの国からの移民が開拓に乗り出し、その中で木こりやカウボーイ達が新人をからかうのに語ったというホラ話からフィアサム・クリッターと呼ばれる奇妙な生き物および、フェイクロアと呼ばれる英雄譚が生まれた。
そして奴隷として連れてこられたアフリカ系の住民達によっても、独自の伝承が生まれている。
近代になると生物学の発達により、伝承の魔物が未確認生物(UMA)として語られるようになった。
また他民族国家となった社会的不安からか、SF小説やホラー小説がさかんに書かれ、そこから連想された宇宙人や宇宙生物などを含めた様々な怪物が目撃されるようになった。
所謂都市伝説妖怪(Creepypasta)の誕生である。
現在においてアメリカ映画やアメコミで、次々にキャラクターが生み出されるのは、共通の神話無き国家であるからという説がある。
さらに西欧における伝統的なモンスターについては各家庭ごとのお伽話で語られ、ユニバーサル・ピクチャーズのホラー映画を通したユニバーサル・モンスターズとしても一般化しているのである。
なお他国の創作において、アメリカ出身だという妖怪が創作されることも多い。
一覧
※ラテンアメリカの伝承については南米妖怪、ハワイ州についてはポリネシア神話、エスキモーの伝承についてはイヌイット神話、ホラー小説についてはクトゥルフ神話/スティーブン・キング等を参照。
カナダインディアンの伝承
- アニーウェ(Aniwye):巨大なスカンクの魔物
- イシトク/イッシトーク(Issitoq):雪原に棲む異形の悪霊
- ウェンディゴ/ウィティコ(Witiko)/ウェチュゲ(Wechuge):人喰いである冬の魔物
- アシン(Asin):子供を襲う人食い巨人
- チェノース(Chenoos):人の皮を剥いで殺す怖ろしい巨人
- ローファ(Lofa):心まで凍らせる氷の巨人
- ムフウェ(Mhuwe):動物の姿に変身する人食い氷
- キー・ワク/ギワクワ(Giwakwa):アベナキ族に伝わる、飢餓により食人のタブーを犯した者の心が氷になり変ずるという人食い巨人
- ウラユリ(Urayuri):アラスカ南西部に伝わる温厚な性格の毛むくじゃらの怪物
- ガゴサ:頭部のみで飛ぶ魔物
- カツアシュク/カトシツアシュク(Katshituashku)/アチパトコバ(Atipa-Tcoba)/ヤクワウィアク(Ya-kwawiak):熊に似るが熊ではないという無毛で脚の関節が無い人食い怪物
- クシュタカ(Kushtaka,Kooshdakhaa):トリンギット族に伝わる変幻自在で残酷なこともある毛むくじゃらの怪物
- ズェラロンズ(Dzelarhons, Dzalarhons):カエルの女神
- スカデガムトゥク(Skadegamutc):ミクマク族に伝わる森の怪物で、金切り声で人を脅かすが樹木と一体化しているので見つからないといわれ、アベナキ族には魔女が黒魔術で蘇った怪物であるとされ、一人でいる人を攫って食うと恐れられた
- スナナイク(Snanaik):噛んでいるガムで子供を誘って攫う食人鬼婆
- スワイクエ:偶然、娘の病を癒やした皮膚病の青年にシャーマンの力を与えた木の精霊
- チピトカーム/ユニコーンサーペント(Tcipi'tcka'am, Tciptckaam):ミクマク族に伝わる黄色や赤色の螺旋状の角を持つ馬頭の蛇もしくは鰐で、ユートピア湖とエーンズリー湖に棲み男に変身して女性を水に引き込む
- ナグムワサック/ナグムバサック/ナグムバザック(Nagumwasuk, Nagumwasuck):目に見えない醜い姿の小人
- ナフガネ(Nahgane):スレイビー族に伝わる巨人
- ナンティナ/ナティナ(Nant'ina):カナダの先住民の伝承におけるビッグフット
- バクバクワラノーオクシワエ/バフウバクワラヌフシウェ(Baxbakwalanuxsiwae):「世界の北端の人食い人種」「川の河口で最初に食べた人」といった意味の名の人食い鬼
- コミナガ(Qominaga):銅の女という意味の紅白の杉の皮を身に纏った妻
- キンカラララ:奴隷
- クワクワクワカラノークシワエ(Kwakwakwalanooksiwae):手下である目玉を食らう人食いカラス
- ガロクウズウィス/ガルクウィウェ/ゲログザヤエ(Galokwudzuwis, Galukwiwe', Gelogudzayae):手下である「天上の曲がった嘴」という意味である人食いカラス
- ホクホク:手下である脳喰いの人食い鳥
- ネンスタリト(Nenstalit):手下である扉を塞ぐグリズリー
- バクワス(Bakwas):幽霊のような木の精霊で、空腹の人に食べ物をわけてくれるが、食べてしまうと死の世界から帰れなくなる
- ママグワセウグ(Mamagwasewug):森の小さな妖精。
- ムースコグデイムース(M-ska-gwe-demoos):沼地で悲しげな声を上げて人を誘い迷わせる女妖怪
- モスキートマン:蚊の精霊で、人に気づかれず頭蓋骨に口吻を刺して脳を吸いとり殺してしまう
- フライング・ヘッド(Flying Head):巨大な首だけの姿をした人食い怪物
- ダグワノエンウェント/ダグァノエニエン(Dagwanoenyent):最も恐ろしいフライング・ヘッド
- ワツァ(Wats):ツィムシャン族に伝わる毛むくじゃらの怪物
平原インディアンの伝承
- アターサイア(Atahsaia):ズニ族に伝わる巨大な人食い悪魔
- アトゥンカイ(Atunkai):オレゴン州に伝わる年老いたグリズリーが水に入り変化するアザラシやカワウソのような怪物で、さらにアムルックへと変化するといわれる
- アワホンド(Awa-hon-do):アベナキ族に伝わる虫の精霊。人間を刺して魂を追い出し、抜け殻となった人間の体を操るという。
- アンダーウォーターパンサー/グレートリンクス/ワンプスキャット(Underwater Panther, Great Lynx, Wampus cat):オジブワ族に伝わる空のサンダーバードに対する、水の力の化身である鹿やバイソンの角、鰭、翼などを持つ大型のネコ科動物のような水棲怪物
- レナピザ(Lenapizha)/アラミピチ(Aramipichi):トゥルータイガー(True Tiger:真実の虎)とも呼ばれる怪物
- ミシペシュ/ミチペシュ/ミシビジウ/ミシピジウ/ミシピゼウ/ミシュピシュ/ミシェピシュ/ミチピンチワ(Mishipeshu, Mishibijiw, Michipinchiwa)
- イェハスリ(Yehasuri):カトーバ族の伝説に登場する身長2フィートの小人。
- イヤティク(Iyatiku):ケレス族に伝わるトウモロコシの女神。
- インヤン(Inyan):古き石の精霊で、人に対しては善でも悪でもある
- ウィクラトムジ(Wiklatmu’j):魔法の力を持つ石の精霊で善き人には危害は加えない
- ウェーング(Weeng):眷属の子鬼を使役し、人々を眠らせる眠りの神
- ウォーターベイビー(Water Baby):水域に住む赤ん坊のような人魚ともいわれる精霊で人々に害を与える
- サバワエルヌ(Sabawaelnu):ミクマク族に伝わる人魚で、天候を予測し歌にして唄う
- ルンペギン(Lumpeguin):無限の食料を生み出す魔法の鍋を持つ人魚および水の小人で、魔法の服を盗んだ者に従う
- ニビーナーベ(Nibiinaabe):オジブワ族が伝えるトーテムでもある人魚で、大きな音を嫌う
- オーノーソーローフノー/オオノオソオロオフノオ(Oonoosooloohnoo):モホーク族に伝わる悪霊。
- ガ・オー(Ga-oh, Gaoh):イロコイ族の善良な風の精霊の支配者で四方の風を支配する
- ヤ・オ・ガー(Ya-o-gah):熊の姿の北風の精霊
- ダジョジ(Da-jo-ji):北風を倒す西風の精霊
- ガアシエンディエタ/ガーシーエンディサ(Gaasyendietha):イロコイ語族のセネカ族に伝わる、尾に炎を纏い火を噴くドラゴンのような怪物で、カナダのオンタリオ湖に棲むUMAとしても知られる
- ガン/ガヘ:アパッチ族に伝わる山の精霊
- キチアトハシス(Kitchi-at'Husis, Kici Atthusus, Kci-Athussos, Kichi-Athusoss, K'cheattosis, Ktchi at'husis, Atosis):カナダ東部やミクマク族に伝承される大蛇の姿の精霊で、下記の他部族の精霊ウィウィレメクと戦った
- グレートスピリット
- ゴノンクゴエス(Gononkgoes, Gonoñk´goĕs):セネカ族に伝わる女巨人で、枕のように垂れた巨大な乳房を持持ち、暗闇で一緒に寄り添ってくれる愛人を探して歩き回るが、求愛する時に愛人がみだらな発言をしたりするとのし掛かり、顔を乳房で覆って窒息死させる
- サンダーバード(Thunderbird):雷の化身である怪鳥で、部族により創世神の化身としても扱われる
- アニミキー(Animikii)
- エトシタネ(Etcitane)
- シグウェ(Cigwe)
- ワキンヤン(Wakinyan):スー族の伝承による呼び名で嘴と翼のみの存在であるともいわれる
- サスシスティナコ(Sus'sistinako, Sussistinako, Sussistinnako):シーア族に伝わる太陽の母となる女性を二人生み出した蜘蛛
- サンダーボーイズ(Thunder Boys)
- シアツ(Siats):ユト族に伝わる人喰い怪物で、雌はバペッツと呼ばれる。同地で発掘された恐竜の名に採用された→シアッツ
- ジェスチン(Je su chin):山の精霊で小人や小鬼の姿で山の隙間に住み、無粋な侵入者には魔法をかけて気分を悪化させたり絶望させて苦しめる
- シャクル(Shakuru):ボーニー族の伝える戦士に力を与えてくれる太陽の化身
- スカテネ(Skatene):チョクトー族に伝わる怪物。普段は人間の姿だが、他人の家に招かれると夜に巨大なフクロウの姿となって家長を襲う。
- スティキニ/スティキーニ(Stikini):フロリダのセミノール族に伝わる、自分の魂を吐き出すことで変身するフクロウのような魔物
- ストーンコート(Stonecoat):人間を狩る狩猟民族である石の巨人
- チュネンヒャヘン(Thunenhyarhen)/ロノングワカ(Ronongwaca)/オトネヤーヘ(Otneyarheh)
- ズヌクァ/ズヌクワ/ゾノクワ/ズーヌークア/ズウェンカ/ツォノクワ/ツォノコア(Dzunukwa, Dzoo-noo-qua, Tsonoqua, Tsonokwa, Basket Ogress):背負った駕籠に子供をつかまえ食べてしまう巨大な老婆
- ゾアヴィッツ/ズォアヴィツ(Dzoavits):ショショーニ族に伝わる巨人
- タイコモル(Taikomol):ユキ族に伝わる「孤独な散歩者」という意味を持つ創造神である巨人
- タータークレア(Tah-tah-kle'-ah):ワシントンに住むヤカマ族に伝わる子供を食べてしまうフクロウの魔女
- タクスカンスカン(Takuskanskan):動く全ての事象に宿るという風の精霊
- ウッチョウセン/ヴォチョウセン(Wuchowsen):巨大な鳥の姿の精霊で、羽ばたきで強風を起こす
- カコウス(Kako-u’hth)サイクロンマン/サイクロンウーマン:竜巻は髪であるという嵐を起こす擬人化された精霊
- フウピリク(Huupiriku):竜巻にさらわれて風の精霊になったという少女
- ポモラ(Pomola):寒さを操る鳥の姿の精霊で、鹿の頭部を持つとの伝承もある。
- チャーナミード(Chahnameed):ピクォート族に伝わる巨人
- ツァガグララル/ツァジグララル(Tsagaglalal, Tsagiglalal):コロンビア川を往来する人々を見守る女神
- ツンカシラ(Tunkasila):祖父なる精霊
- ディア・ウーマン/ディア・レディ/アヌカイト(Deer Woman/Deer Lady/Anukite):ラコタ族および周辺部族で伝承される踊り好きな鹿脚の女精霊で、彼女と性行為した男は狂ってしまう。
- テイヒイハン(Teihiihan):「強い」という意味の名を持つ人食い巨人
- ヌンユヌウィ/ヌニュヌウィ(Nun'yunu'wi):チェロキー族に伝わる巨人。名前は“石で飾られた”という意味であり、石のように硬い皮膚を持つその体は武器で貫けないという。
- パイヤテム(Paiyatemu):ケレス族が伝える季節を運行する精霊
- ヒノン(Hinon):イロコイ族に伝わる翼を持つ人の姿の雷神
- フヴッコ・カプコ(Hvcko Capko):オクラホマ州のセミノール族に伝わる狼の頭に馬の尾を持つ長耳怪物で、人を病気にする悪臭を放つ
- ベ・チャスティ(Be Chasti):アパッチ族に伝わる巨人。目玉以外の全身を黒曜石の鎧で守っていた。
- ヘング(Heng):雷雨の後に恵みをもたらす雷神
- ホセレウ・ワヒラ(Hocereu Wahira):病気の精霊。
- ホーンド・サーペント(Horned Serpent):水の精霊である角のある水蛇姿の神格で、サンダーバードと敵対する
- アポタムキン(Apotamkin):赤く長い髪を持つ女性が化身した、吸血鬼ともいわれる扇型の大海蛇
- アムルック(Amhuluk):オレゴン州に伝わるマラリアと溺死の原因である、斑模様の毛皮を持つドラゴン
- アワニュ:ワテ族に伝わる水神
- ウィウィレメク/ウィーウイルメック(Weewilmekq):鹿のような角を持つ大蛇、もしくはカタツムリ・イモムシ・ワニの要素を持つ怪物でシャーマンに使役される
- ウクテナ(Uktena)
- ウロビト
- ウンクテヒ/ウンクテヒラ/ウンセギラ(Unk Tehi, Unktehi, Unktehila, Unk Cekula, Unhcegila):精霊の使いもしくは邪悪な魔女の化身で、新たな人類を生み出すため大洪水をおこしたあとには岩になったとも伝わる
- オニアレ(Oniare):モホーク族の語彙では普通の蛇という意味だが、イロコイ族は角蛇の怪物と伝える
- オマフクソウィスクシクシナ(Omahksoyisksiksina):ビッグウォータースネークと英訳されサンダーバードとの対立がよく知られる
- シシウトル(Sisiutl):カナダの北西海岸で崇拝される双頭の蛇
- シンチリシト・アホロ/シンティラピッタ(Sinti' Isht-Ahollo', Sinti Lapitta)
- シントホロ(Sint-Holo):チョクトー族やチカソー族に伝わる角のある蛇
- ティカレンウェ(Ti’karenweh):ネクタイヘビともいわれる猛毒を持つ蛇で、下記のフープスネークとして知られる
- ドジョディ・クワド(Djodi'kwado')
- ヒーントカビート(Hiintcabiit):アラパホ族に伝わる「水の支配者」という意味の狩猟の守護者
- ピタスコグ/ジータースコグ/ギタスコグ(Pita-skog, Gitaskog):シャンプレーン湖に潜む人食い大蛇
- ミシキネピク/ミシギネビグ/ミシキネピクワ/ミシギネビッヒ/ミシギネビッグ(Misiginebig)
- マネト(Maneto)/メーン(Mehne)/ジピフカム(Jipijka’m)/クシアチュソス(Kci-Athussos)/マクササク(Maxaxak)
- マシェナマク(Mashe-Namak):巨大魚であるという怪物
- マニトゥ/ワカン/ワカンダ/オレンダ/オトコン/クベ/オキ(Manitou, Wakan, Wakanda, Orenda, Otkon, Oki):神秘的な力の総称で、善の精霊と悪の精霊がいるという伝承もある
- ムート(Muut):カフイラ族における死の伝令でありフクロウの姿をしているという。
- リトルインディアン:各部族に伝承される小人族
- アケキ(Akeki):「痛み」という意味の病を擬人化した不定形の小人で、癒やしの力も持つ
- アトシー(Atosee):扱いにくいものを扱いやすくする不思議な力を持つ
- アポシルニク(Apci’lnic):大地の小人で、魔法の道具を授け危険を教えてくれるが、怒らせると物を盗み子供を攫う
- カノチラ(Canotila):スー族に伝わる「小さな木の住人」でメッセンジャーとして夢に現われる
- キウォラトムシソク(Kiwolatomuhsisok):予言の力を持つといわれる
- ジョガ(Jogah):イロコイ族に伝わる雷神ヒヌンの末裔である、子供や老人にしか見えない友好的な小人
- パクブジー/パクワジ(Pukwudgie):「荒野の人」という意味の名である悪戯好きの小人で、ワンパノアグ族には危険な毒矢を持つヤマアラシのような背中の持ち主と伝わり、『ウィザーディング・ワールド』にも登場している
- プクウドギース(Pukwudgies):アルゴンキン族に伝わり、基本的には悪戯好きで友好的だが、失礼な者は破滅させられる
- マキアウィスグ(Makiawisug):とても慈悲深く、どんなに軽蔑され馬鹿にされても怒らない
- レイヴンモッカー(Raven Mocker, Kâ'lanû Ahkyeli'skï):チェロキー族に伝わる邪悪な魔女で、ワタリガラスの声で嘲笑し死に誘う
アルゴンキン族
- ウィンペ(Winpe):身体の大きさを自由自在に変えられる怪物
- グルースキャップ/グルースカップ/グルスカプ(Glooscap):創世神
- ネミッサ(Nemissa):星の乙女と呼ばれる美しい神格
- マルスム(Malsum):グルースキャップの弟の破壊神で滅ぼされて狼となった
- ムーウィス(Moowis):雪の精霊
イリニ族
- ピアサ(Piasa):人喰いの人面鳥
イロコイ族
- ホノチェノケ(Honochenokeh):“見えない援助者”という意味であり、人間を助けてくれる善良な精霊の総称。
オブジワ族
- ジビ/ジイベイ(Jiibay):幽霊
- シンゲビス(Shingebiss):不屈の精神を持つアヒルなどの水鳥の化身
- ナナボゾ/ナナボジョ/ナナブッシュ(Nanabozho):様々な動物に変身できるシェイプシフターであり、両性具有でもあるトリックスター
- ミシャブーズ/ギッチイ・ワブーズ:ウサギに化身したナナボゾ
- ニビイナベ/ニーバナウベウス(Nibiinaabe):水の精霊
- ハイアワサ:叙事時『ハイアワサの歌』に登場する戦士
- ミネハハ:ハイアワサの恋人で名前の意味は「笑う水」「滝」「急流」
- ベイコク/ベイコック/パグク/バグック/パウグク/バカアク/パカク(Baykok, Pau'guk, Paguk, Baguck,Bakaak):肉が透明であるという骸骨姿の戦士の悪霊
カワイース族
- ニーニヌーヴィ/ニーニクヌーヴィ(Nihniknoovi):巨大な鷹のような姿の怪物。山に住んでおり人を襲うという。
- ハーカパイニツィ/ハーカペイニッツィ(Haakapainizi):巨大なバッタの妖怪。大きな籠と罠を使って人間を捕らえるという。
スー族
- イクトゥミ/イクトミ(Iktomi):トリックスターである蜘蛛でドリームキャッチャーの伝道者
- ヒン・ハン(Hin-Han):死者の霊が精霊の国に行くためには必ず銀河を渡らなければならないが、その銀河の入り口は木菟のヒン・ハンが守っており、手首などに正しい入れ墨が無いなどの理由でこの木菟の検査に合格しなかった者は底無し地獄に投げ入れられるという。
- ホワイト・バッファロー・カーフ・ウーマン/プテ・サン・ウィン(White Buffalo Calf Woman, Pte San Win):最も力を持つ女神
- ハオカー(Haokah):あべこべの奇行をおこなう雷神
- ワカンシーチャ(Wahkansheecha):ダコタ族に伝わる悪霊。
- ワカン・タンカ(Wakan Tanka):創造神ともされる偉大な精霊
チヌーク族
- エモゴアレック(Emogoalekc):奴隷との悲恋で入水した酋長の息子が変じた怪物
ティンネ族
- チュトサイン(Chutsain):死の化身である邪悪な精霊。
ナバホ族
- アナイェ/アナイ(Anaye):ナイェネズガニとトバジスツィニの兄弟に退治された悪神たち。
- イェイツォ/イェツォ(Yeitso, Ye-i-tso, Ye’i-tsoh, Ye’i-tsoh Lai’ Nayai):巨人
- サスナルカヒ(Sasnalkáhi, Cac na’alka hi):洞窟に潜んでは近づいた人々を殺害していた巨熊。
- ツェタホツィルタリ(Tsetahotsiltali, Tse’tahotsiltali, Tse’tahotsilta’li, Tse’dahidziqa’li, Tse’daxodzi’ltali)
- ティールゲット(Teelget, Teel get, Teelgeth, Delgeth)
- ツェナガヒ(Tsé’nagahi, Tse’naga’hai, Tieholtsodi):転がっては通行人を押し潰していた怪岩。
- ツェナハーレ/ツェナハレ/ツィナハレ(Tsenahale, Tse’nahale, Tse’na’hale, Tsanahale)
- ビナイェ・アハニ(Binaye Ahani, Bina’ye Ayani, Nayie A’anyie, Bina’yeagha’ni)
- イェーナールドローシー/イーナルドゥーシ/スキンウォーカー(Yee Naaldlooshii, Skin-walker):毛皮を纏って動物に変身する怪人
- チンディ(Chindi):幽霊。
- ナイエネズガニ/ナイェネズガニ/ナーイェーネイズガニ(Nayenezgani, Naayééʼ Neizghání):光の化身にして敵を滅ぼす殺戮の神として伝わり、日本では女性アイドルグループNECRONOMIDOL(ネクロ魔)が発表した「NAYENEZGANI」という曲で知られる
- トバジスキーニ/トバジスツィニ(Tobadzischini):ナイエネズガニの双子の弟である水の化身である戦争と農業の神
- ナドレ(Nadre):調停者である男でも女でもある精霊
- マヒナティーヒー(Mahih-nah-tiehey):変身するコヨーテ
プエブロ族
- シワンナ(Shiwanna):雲の民といわれる雨の精霊。『雲の人』とも呼ばれ水に関係した場所に現れる
- マヨチナ(Mayochina):アコマ・プエブロ族における夏の精。
ホピ族
- パロロコン/パロロコング(Palolokong):地震を起こす翼の生えた蛇
マンダン族
- ホイタ(Hoita):マダラワシの姿になるという精霊。
- マニンガ(Maninga):洪水の精。
トーテム
- アザラシ/アメリカバイソン/狼
- 蚊/カエル/亀/ガラガラヘビ/狐/クジラ/蜘蛛/コヨーテ
- サケ/ザリガニ/ジャコウウシ/シャチ/ジャックウサギ/スカンク
- チョウセンアサガオ/ドクトカゲ/トナカイ
- 灰色熊(グリズリー)/ハクトウワシ/ビーバー/ピューマ/プレーリードッグ/プロングホーン/ヘラジカ(エルク)/ペリカン/ペヨーテ
- マスクラット
- ヤマアラシ
- リス
- ワタリガラス/ワニ/ワピチ
アフリカ系の伝承
- テイリポー/テイリッポ(Tailypo):長い尾を持つ幻獣で、尾を食べたものの腹を切り裂く
- ティ・マリス、アント・ナンシー、ミス・ナンシー、ミスター・スパイダー:アフリカ神話のトリックスター・蜘蛛のアナンシの別名
- ルー・ガルー:獣に化身する隣人
フィアサム・クリッター
該当記事参照。
フェイクロア
- アニー・クリスマス(Annie Christmas)
- アントナイン・バラダ(Antonine Barada)
- ウィスキー・ジャック(Whiskey Jack)
- オールド・ストーマロング(Old Stomalong)
- ケンプ・モーガン(Kemp Morgan)
- コードウッド・ピート(Cordwood Pete)
- ジョー・マガラック(Joe Magarac)
- ビッグ・モス(Big Mose)
- フェボルド・フェボルドソン(Febold Feboldson)
- ペコス・ビル(Pecos Bill)
- ボウレッグ・ビル(Bowleg Bill)
- ポール・バニヤン(Paul Bunyan)
UMA
カナダ
- アネポゴ
- イゴポゴ
- ウィニポゴ
- オゴポゴ(Ogopogo)
- キノスー
- キャディ/キャドボロサウルス(Caddy/Cadborosaurus)
- キングスティ
- クレッシー
- サスキポゴ
- シュワッギ
- タホ・テッシー
- ツゥインコウ
- テティス・レイク・モンスター
- ポニック
- マグワンプ
- マニポゴ
- ミシペシュ
- ムッシー
- メンフレー
- レイク・ホバトコン・モンスター
アメリカ合衆国
- アルカリレイクモンスター(Alkali Lake Monster)
- アルタマハ・ハ(Altamaha-ha)
- イールピッグ
- イザベラ
- イリアムナ・レイク・モンスター
- ウイリー
- オーリイ
- オールド・グリーニィ
- オクラホマオクトパス(Oklahoma Octopus)
- オザーク・ハウラー/ナイトシェードベア/フーフー/デビルキャット
- オスカー/ビースト・オブ・ブスコ
- オボジョキ
- カーメル・クリーチャー/カーメル・エリア・クリーチャー/カーメル・ウォーキング・スクイッド(Carmel Creature/Carmel Area Creature/Carmel Walking Squid)
- キブシー
- クロスウィックの怪物(Crosswick Monster):オハイオ州ウォーレン郡に現れた怪物。
- グローセスター・シーサーペント
- ザ・ホワイト・モンキー
- ザ・レーク/モルガン・ビースト(The Lake,Morgan Beast)
- サンタークリーチャー
- シャーリー
- ジャッカロープ(Jackalope)
- スカンクエイプ/スワンプスロブ(Skunk Ape)
- スキン・フィン
- スクリュー尾のガー助/スクリューのガー助/ハーキンマー/フラットヘッド・レイク・モンスター/モンタナ・ネッシー
- スメッティー
- スライミー・スリム
- セネカ・レイク・モンスター
- ソーバックトホッグ/鋸豚(Saw-Backed Hog)
- タービー
- チェッシー
- チキンフッティドホッグ/鶏肢豚(Chicken Footed Hog)
- チャンプ(Champ)
- ティーディ
- ディープ・ダイビング・タートル
- テッシー
- デビルモンキー
- ナイトクローラー/フレズノ・ナイトクローラー(Nightcrawler/Fresno Nightcrawlers)
- ノーミー
- バッツカッチ(Batsquatch)
- バトラー・ガーゴイル(Butler Gargoyle)
- ハニースワンプモンスター/ハニーアイランド・スワンプ・モンスター(Honey Island Swamp Monster)
- ハムレット
- ビッグティム
- ビッグフット/サスカッチ/オールド・イエロー・トップ(Bigfoot, Sasquatch, Old Yellow Top)
- ファーベアリングトラウト/毛皮マス(Fur-bearing Trout)
- フィッシュ・ヘイヴァン・モンスター
- ブルー・ディリー
- ブロック・ネス・モンスター
- フロッグマン/ラブランドフロッグ(Frogman, Loveland Frog)
- ベア・レイク・モンスター
- ベッシー
- ペピー
- プレッシー
- ポコ
- ホグジラ(Hogzilla)
- ボゾー
- ホワイティ
- マンティスマン(Mantis Man)
- ミシェベシェ
- ミシガンドッグマン(Michigan Dogman)
- ミズーリモンスター/モモ
- ミネソタ・アイスマン(Minnesota Iceman)
- ムック・モンスター
- リザードマン(Lizard Man)
- レイク・チェラン・モンスター
- レイク・ミシガン・モンスター
- レイク・ワース・モンスター
- レイスタウン・レイ
- レボブ/ナパレボブ(Rebob)
- ロッキー
クリーピーパスタ
- ヴァンメーターモンスター
- 消えるヒッチハイカー
- キャンディマン
- 首なしライダー
- ゴートマン
- サイレンヘッド
- 殺人ピエロ
- ジャージーデビル
- 白いワニ
- スライドロックボルター(Slide-Rock Bolter):コロラド州に伝わる山に棲むクジラのような姿をした怪物
- スリーピー・ホロウ
- スレンダーマン
- ドーバーデーモン
- フラットウッズモンスター
- マッドガッサー
- モスマン
- リトルグレイ
- レッドゴースト/レッドゴーストキャメル(The Red Ghost, Red Ghost Camel)
小説
- 海のもの/シン・オヴ・ザ・シー(Thing of the Sea):ピーター・スカイラー・ミラーの小説『卵(原題:Spawn)』に登場する青緑色のスライムのような怪物。海底の軟泥が宇宙の胞子の影響で変化して生まれたもの。
- カモメのジョナサン/ジョナサン・リビングストン・シーガル(Jonathan Livingston Seagull):リチャード・バックによる寓話的な小説に登場するカモメで、序盤からは想像が付かない変貌を遂げる。
- ジャイアント・マーリン(Giant Marlin):アーネスト・ヘミングウェイの小説『老人と海』に登場する巨大なカジキ。
- 赤死病の仮面/マスク・オヴ・ザ・レッド・デス/マスカヴザレッデス(Masque of the Red Death):エドガー・アラン・ポーの小説『赤死病の仮面』に登場するもの。
- モビー・ディック(Moby-Dick):ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』に登場する鯨。
その他
- アチェリ
- アナベル人形(Annabelle)
- アメリカ狐
- アンダーパンツ・ノーム/パンツの妖精(Underpants Gnomes)
- ウィッチスパイダー/アンゴラマジョグモ(Angolan Witch Spider):南米原産だが北米のテキサス州などにも渡ってきている新種のコモリグモ。家屋の窓よりも大きく、犬や猫を主食とし、銃撃を数回もお見舞いしなければ倒せないという怪物。実際にはポール・サンタ・マリアという人物がインターネット上で創作したものであることが判明している。南米での呼び名はスペイン語ではアラーニャブルーハ、ポルトガル語ではアランニャブルーシャとなるのだろう。ちなみに節足動物は重力に耐えられる体や十分な酸素を取り入れられる呼吸器を持たないため現在の地球の環境では巨大陸生節足動物は存在不可能とされる。
- ウィッフェンプーフ
- オソ・シ=パプ(Oso Si-Papu):100年に一度現れるというドクトカゲの皮膚を持つグリズリーのような怪物。
- グレムリン:本来は欧州の妖精であるが様々な種類を発見し、パイロットに指導書を配布することで事故を防いだ。
- ゲリマンダー
- コウモリ猫/こうもり猫
- コスペゴ/シカピョン(Kospego):鹿の角を持つ巨人
- サム・ザ・ベルマン/ベルマンのサム(Sam the Bellman)
- サンタクロース
- ジョン・フラム
- 自由の女神
- セイリングストーン/セーリングストーン(Sailing Stone):デスヴァレー国立公園の動く石。超常現象や宇宙人の仕業であるとも言われた。
- デロ
- バックベアード
- ヒドラルゴス/ヒドラルコス:1845年にアルベルト・コッホ博士によって公開された全長35mの海の怪物の骨格標本。
- ビリケン
- ファーザー・フログ(Father Flog):悪い子を見つけると叩いてくる「鞭打ち親父」。ブギーマンの記事参照。
- マダム・フログ(Madam Flog):大鍋の中に隠れて悪い子を叩き、更生した子にはお菓子をくれるファーザー・フログの奥さん。
- マイク・ザ・ヘッドレス・チキン/首無し鶏マイク(Mike the Headless Chicken)
- マンベアピッグ(Man Bear Pig)
- ミオドリフェラ・コルベルカウダ
- ミズーリウム:1845年にアルベルト・コッホ博士によって公開されたミズーリ州内で発見された巨大な海の怪物の骨格標本。
- メキシカン・スターリング・フロッグ/メキシコ・ニラミ・ガエル(Mexican Staring Frog)
- メンバーベリー/ナツカシベリー(Member berries)
- ラベナ:昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文著『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、カナダでとても恐れられているラベナは一本足で頭の上に角が生えており空を飛ぶ事ができる奇怪な姿をした吸血鬼だという。角で人間を突いて殺害した後に噴き出た血をゆっくりと吸ったり、一本足で子供を攫って飛んでいってしまったりする。