アマダム
あまだむ
『仮面ライダークウガ』におけるアマダム
変身ベルト「アークル」に収められた、戦士クウガの力の源とでも言うべき霊石。
装着者の肉体を作りかえ戦闘に適した形態へ変化させる・強力な回復力を与えるなど人智を超えた効果を発揮する。
しかし装着者の体内には神経状の組織が全身に張り巡らされていくこととなり、進行すればグロンギとほぼ同じ神経構造となる。また、強力な回復も自然の摂理に逆らって行われるため装着者には痛みと負荷が伴う。
装着者を完全な殺戮兵器に変える可能性を秘めている点では、非常に危険な物質と言える。
ダグバと戦った傷が直っていることから、アマダム本体も自己修復能力を持つ。
後年発売された公式小説によると漢字表記は「天飛」。
またその特性から『仮面ライダーBLACK/BLACKRX』に登場するキングストーンとの類似性が指摘されることなどもある。
『仮面ライダーウィザード』におけるアマダム
演:田口トモロヲ
「仮面ライダーは『怪人になりそこなった者』に過ぎない!」
「仮面ライダーとは、悪と同じモノでおじゃる!
仮面ライダーの力の源、それを『クロス・オブ・ファイア』という…
炎の十字架、悪から生まれたという罪の証!」
概要
本編終了後の平成ライダー集合企画であるウィザード特別編にて登場した人物。
かつてライダーたちに倒された怪人たちが暮らす魔宝石の世界を統べる存在。
人間形態では尊大になったりオカマになったり幼稚になったりと、全く性格や衣装に一貫性が無いのが特徴(魔宝石の世界は時空が入り乱れており、家の門から一歩踏み出しただけで何もない荒野に出たりするのでその象徴ともいえる)。
その正体はかつて罪を犯し魔宝石に封印された強力な魔法使いであり、指輪も使わずに「サンダー」を使ってライダー達を撃退するなど高い戦闘能力を持つ。
自ら掘り出したライダーリングを使って召喚した平成ライダーたち、さらには侵入者であるウィザードの力を奪い、同じく外に出たいと願う少年を利用して外の世界に脱出しようとしていた。
召喚したライダーたちを「リングの持ち主に従うだけの存在」と見下していたが、仮面ライダーの戦う本当の理由を告げられ交戦、呼び出した怪人たちをことごとく撃破される。
「最強の兵器」としてハイドラグーン、ティーレックス・ドーパント、巨大グリード暴走態、キャンサー・ノヴァを呼び出して襲い掛かるがファイナルフォームライドを駆使したライダーたちにあっという間に撃退され、やむを得ず怪人態(メイン画像参照)に変身し平成ライダーたちに挑みかかる。
「ライダーの力は怪人を生み出すのと同じ力」と全てのライダーのクロス・オブ・ファイア(COF)を吸収し優位に立つが、少年の願いに応えて現れた仮面ライダー鎧武の攻撃を受け、総てのCOFを解放してしまう。
最後はCOFを取り戻し最強フォームとなった平成ライダーたちの15大ライダーキックを受け、更にウィザードと鎧武の斬撃を胸に受けて倒された。
『仮面ライダー』の概念については年々形骸化が進んでいたが、この男との対決により『仮面ライダー』が『仮面ライダー』たる所以が確固として成立したと言って良いだろう。
「何が違うって言うんだ?私と、お前たちと……同じ石から生まれた……」
姿
人間態時に着ていた衣装は、平成ライダーシリーズの映画に登場した強敵たちの衣装。下記は衣装の一覧。
クロス・オブ・ファイア
前述した通り、簡単に言ってしまうとライダーの力の源のこと。仮面ライダーとはアマダムも語っていた通り、怪人の持っている力と根源を同じくするという概念があるのである。
石ノ森章太郎作品で描かれてきたテーマである「石ノ森イズム」のうち「親殺し」「同族殺し」に該当する。
「スーパーヒーロー大戦」に登場したライダーハンター・シルバが度々口にしていたライダーが共通して持っているらしい謎の粒子「ライダー粒子」は結局何のことか明かされなかったが、アマダムが全ライダーから共通の力の源として「クロス・オブ・ファイア」を吸収していたことから、ライダー粒子=クロス・オブ・ファイアでと考えることもできる。
アマダムは平成ライダー達を「同じ石から生まれた」…と散り際に評しているが、言うまでもなくこれは仮面ライダーシリーズの原作者石ノ森章太郎先生のこと。平成ライダーの歴史もまた、「アマダム」と言う一つの石から始まり、怪人名もその石の名前から来ている為、それらに引っ掛けたネタでもあるのだろう。
一覧
劇中では、クロス・オブ・ファイアとして、以下のアイテムがライダーから奪われ、アマダムに吸収された(吸収されても変身解除はされず、弱体化したのみ)
これらのアイテムはそれぞれの作品において、「敵(怪人)も使用する」「敵が作った」「敵の力・道具と由来が同じ」といった共通点がある。
仮面ライダークウガ | アマダム | グロンギの力の源である魔石ゲブロンと同質 |
仮面ライダーアギト | オルタリング | 黒幕・テオスの元部下・火のエルから与えられた |
仮面ライダー龍騎 | アドベントカード | 黒幕・神崎士郎から与えられた |
仮面ライダーファイズ | ファイズギア | 敵組織・スマートブレインが開発した |
仮面ライダー剣 | ラウズカード | 敵怪人・アンデッドが封印されている |
仮面ライダー響鬼 | 変身音叉音角 | 鬼も魔化魍も、古来から妖怪として同類視されている |
仮面ライダーカブト | カブトゼクター | 敵怪人・ネイティブが開発した |
仮面ライダー電王 | デンオウベルト | 敵怪人・イマジンの力を借りて戦う |
仮面ライダーキバ | フエッスル | 敵怪人・ファンガイアが開発した |
仮面ライダーディケイド | ライダーカード | ディケイド自身が大ショッカー |
仮面ライダーW | ガイアメモリ | 敵怪人・ドーパントもメモリを使う |
仮面ライダーオーズ | コアメダル | 敵怪人・グリードの本体 |
仮面ライダーフォーゼ | アストロスイッチ | 敵怪人・ゾディアーツもスイッチを使う |
仮面ライダーウィザード | ウィザードリング | 敵幹部・ワイズマンが生み出した魔宝石が材料 |
仮面ライダー以外に該当している存在
これらのヒーローは仮面ライダーシリーズではないが、敵と力の根源を同じくするという共通点を持っている。
他作品にあまりにも該当者が多いので、特撮ヒーローや石ノ森章太郎作品のみに止める。
ブラックゴーストによって開発されたサイボーグ兵士の研究用プロトタイプであったが、彼らを改造した科学者の一人であるギルモア博士と共に逆らって脱走した。
キカイダー自身とダーク破壊部隊、ハカイダーは元々光明寺博士によって作られたロボットである。
Kの製造者とバドーの首領は血縁関係にある。
イナズマンや新人類帝国の帝王バンバは超能力者(ミュータント)である。
ハヤテ(変身忍者嵐)や「血車党」の化身忍者は、ハヤテの父親である谷の鬼十が編み出した「人間変身の法」によって変身する。
スカイゼルとグランゼルは、ダダ星で製造されたサイバロイドにそれぞれ地球人の科学者の長男・次男の人格が移植されている。
アクマ族を裏切った3人がアクマイザー3を結成。三超神は彼らの魂を受け継ぐ存在である。
巨人頭脳ブレインから生み出された巨大ロボットの内の一体が正義に目覚めた存在。
優れた科学力を正義の為に使う科学アカデミアの生徒と科学を悪用する元同級生の物語。
ダイレンジャーの気力とゴーマの妖力は表裏一体で両者は太極図でいう陰陽の関係にある為、世界の続く限り争いが終わらないという。
オーレンジャーの持つ超力も、敵勢力であるマシン帝国バラノイアも元は超古代文明の遺産である。
メンバー全員は該当しないが、ガオシルバーの使役するガオハンターの合体能力は邪気を取り込んで獲得したものである。
ちなみにパワーアニマルは大地の精霊が動物の姿を、オルグは地球に漂う邪気の集合体が器物の姿を得たものと徹底して対になっているが、気力が具現化したと言う意味では同類だろう。
地球の忍術は宇宙から伝来したものであり、宇宙忍群ジャカンジャの扱う宇宙忍法とルーツを同じくする。
邪命体エヴォリアンと爆竜はダイノアース誕生の影響で進化した生命体。
ネガティブシンジケートもボウケンジャーもプレシャスの秘めたるパワーが組織の基盤である。
獣拳という動物の力を模した拳法を習得した存在。今でこそ流派は善と悪に分かれているが、元は同じ流派。
敵組織である蛮機族ガイアークは元々はマシンワールドの住人であったという設定を考えると、炎神達と同じ生命体である事も考えられる。
ゴセイジャーと黒幕は出自を同じくする存在であり、天装術を行使できる。
主人公達の持つ能力や敵の首領メサイアは転送研究センターに存在していたプログラムに由来するものであり、両者は共に物体を転送する技術を持っている。
使用者によって形状の変化する手裏剣から術を繰り出す。
こちらは始めに善の力として存在していたものの一部が敵に利用された例。
追加戦士のジュウオウザワールドは、デスガリアンの生体改造によって誕生した改造人間である。
「ルパンコレクション」の力によってルパンレンジャー・パトレンジャーは変身しており、ギャングラーもその力を悪用している。
ゼンカイザーを除くゼンカイジャーのメンバーと敵組織は、並行世界の一つである異世界「キカイトピア」の住人である機械生命体キカイノイドである。
また、両者ともに「ギア」というアイテムを使用している。
昆虫のパワーから生み出された戦士で、ライバル戦士も同じ技術で生み出された。
魔弾戦士たちが使う魔弾キーは元はジャマンガの魔物を倒して出て来るものを作った物である。
闇の巨人に堕ちた光の巨人が再び光を得た姿。
当初の設定では黒幕と元は同じ存在であったとされ、エピソード0でもスペースビーストと似た存在である事が示唆されている。
黒幕と元は同じ存在であり、長き時の果てに命の時間を解放する力と命の時間を止めるに別たれた。
かつて宇宙に名を轟かせた悪王の遺伝子を受け継ぎ、彼の武器と対をなす武器を使って進化する。
メインヴィランの出身が主人公と同じM78星雲で、変身アイテムの開発者であり、彼の手で作られた怪獣の指輪も使用可能。
余談
『スーパーヒーロージェネレーション』ではキャンサー・ノヴァとスコーピオン・ノヴァを復活させてヒーローたちと刃を交えた。ちなみにクウガは出ませんでした…。
関連タグ
アナザーライダー:真逆に『仮面ライダーになりそこなった怪人』を象徴する存在。
JUDO:アマダムはある意味ウィザードの世界におけるJUDOの端末の様なものと言える。
フィーニス:同じく仮面ライダーの力は悪の力であると主張した敵。