概要
正式の独立路線としては大船駅(神奈川県鎌倉市)から久里浜駅(横須賀市)までの23.9kmの営業区間である。
現在の運転系統及び旅客案内上では、東京駅(東京都千代田区)から新川崎駅経由(品鶴線)で大船駅までの区間を含める。
元々は東海道本線の支線として建設され、東京〜大船間で東海道線の線路を走行していた。しかし両線の混雑悪化に伴い列車本数を増発し続けたが限界に達した為、貨物線(品鶴線)を利用した系統分離が1980年10月1日に行われた(SM分離)。
横須賀線内の普通及び快速系列車は10両以上の編成全てにグリーン車が連結されている。
東京駅で総武線快速に直通し、基本的には千葉駅までの乗り入れがダイヤの中心となる。
千葉駅以降の総武本線、成田線、鹿島線、内房線、外房線まで乗り入れる区間快速が運行。
また湘南新宿ライン経由でJR宇都宮線や高崎線に乗り入れる列車もある。ただし、高崎線直通電車は横浜駅、武蔵小杉駅のみ停車であり、深谷駅以北に直通するのは毎時1本の特別快速のみである。高崎線の深谷以北は上野東京ラインがメインで、新川崎駅と西大井駅では品川での高崎線直通電車との接続が悪いことに注意が必要である。
2019年11月30日からは相鉄・JR直通線の列車が湘南新宿ラインのルートを経由して運行されている。
特急列車は京浜エリアと成田空港を結ぶ「成田エクスプレス」がほぼ終日に渡り運行されている他、一部時間帯で新宿駅発着の伊豆方面アクセス特急「サフィール踊り子」及び臨時「踊り子」が湘南新宿ラインのルート経由で運行される。
平日朝夜には東海道線のライナー列車及び後身の特急「湘南」が一部区間を横須賀線経由で運行する。
また寝台特急「サンライズ瀬戸・サンライズ出雲」の上り列車は、大幅な遅延が発生した場合朝ラッシュ時に影響を及ぼす為、東海道線小田原から東海道貨物線及び横須賀線を経由して品川で運転を打ち切る事がある。
この他東海道線が事故や工事で不通になった際に、同線の普通列車が品川〜戸塚間において横須賀線経由で迂回運転を行う事がある。その場合途中武蔵小杉と横浜に停車する。
逆に横須賀線が横浜〜戸塚間で東海道線経由の迂回運転を行った事もあり、その際はホームの無い保土ヶ谷と東戸塚を通過扱いとした。
駅一覧(総武線快速も含む)
凡例
●:停車,レ:通過,‖:運行せず
総武快速線・横須賀線(千葉~久里浜)
駅名 | (☆は中央・総武緩行線停車、★は湘南新宿ライン停車) | 読み | ※特別快速 | 通勤快速 | 快速 | 乗り換え路線及び※備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
千葉 | ☆ | ちば | ● | ● | ● | |
稲毛 | ☆ | いなげ | レ | レ | ● | |
津田沼 | ☆ | つだぬま | ● | レ | ● | |
船橋 | ☆ | ふなばし | ● | ● | ● | |
市川 | ☆ | いちかわ | レ | レ | ● | ※待避線アリ |
新小岩 | ☆ | しんこいわ | レ | レ | ● | |
錦糸町 | ☆ | きんしちょう | ● | ● | ● | 東京メトロ半蔵門線 |
馬喰町 | ばくろちょう | レ | ● | ● | 都営新宿線(馬喰横山駅)/浅草線(東日本橋駅) | |
新日本橋 | しんにほんばし | レ | ● | ● | 東京メトロ銀座線・半蔵門線(三越前駅) | |
東京 | とうきょう | ● | ● | ● | ||
新橋 | しんばし | ‖ | ● | ● | ||
品川 | しながわ | ‖ | ● | ● | ||
西大井 | ★ | にしおおい | ‖ | ● | ● | 湘南新宿ライン/埼京線新宿方面 |
武蔵小杉 | ★ | むさしこすぎ | ‖ | ● | ● | |
新川崎 | ★ | しんかわさき | ‖ | ● | ● | |
横浜 | ★ | よこはま | ‖ | ● | ● | |
保土ヶ谷 | ★ | ほどがや | ‖ | ● | ● | |
東戸塚 | ★ | ひがしとつか | ‖ | ● | ● | |
戸塚 | ★ | とつか | ‖ | ● | ● | |
大船 | ★ | おおふな | ‖ | ● | ● | |
北鎌倉 | ★ | きたかまくら | ‖ | ● | ● | |
鎌倉 | ★ | かまくら | ‖ | ● | ● | 江ノ島電鉄 |
逗子 | ★ | ずし | ‖ | ● | ● | 京急逗子線(逗子・葉山駅) |
東逗子 | ひがしずし | ‖ | ● | ● | ||
田浦 | たうら | ‖ | ● | ● | ||
横須賀 | よこすか | ‖ | ● | ● | ||
衣笠 | きぬがさ | ‖ | ● | ● | ||
久里浜 | くりはま | ‖ | ● | ● | 京急久里浜線(京急久里浜駅) |
※特別快速は2022年3月現在は設定されていない
使用車両
現在の使用車両(特急型)
自社車両
鎌倉車両センター所属。特急「成田エクスプレス」で使用。
現在の運用区間は東京〜大船だが、2014年3月から2017年1月まで、定期列車の一部で大船〜横須賀間を延長運転していた。
E257系2000番台・2500番台・5000番台・5500番台
大宮総合車両センター東大宮センター所属。
2000番台・2500番台は特急「湘南」及び新宿・池袋発着の臨時特急「踊り子」で使用。
運用区間は「湘南」が東京〜武蔵小杉〜新鶴見信号場。東京〜品川間は上りのみで、下りは東海道線経由。
「踊り子」が旧蛇窪信号場(大崎駅構内)〜横浜。湘南新宿ラインと違い横浜駅構内で転線し、東海道線ホームを使用する。
5000番台・5500番台は臨時快速「ホリデー快速鎌倉」及び、後身の臨時特急「鎌倉」をはじめ臨時列車等で使用。
主な運用区間は戸塚〜鎌倉。
大宮総合車両センター東大宮センター所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜横浜。
新宿発着の特急「サフィール踊り子」として運用される。
185系0番台・200番台
大宮総合車両センター東大宮センター所属。
定期運用されていた頃の運用区間は旧蛇窪信号場〜横浜。
定期運用では特急「踊り子」、「湘南ライナー」「湘南新宿ライナー」及び後身の「おはようライナー新宿・ホームライナー小田原」、鎌倉発着臨時列車で使用された。
波動用となった現在は臨時列車や団体列車で使用される。
JR西日本・JR東海所属
285系0番台(西日本)・3000番台(東海)
0番台は後藤総合車両所出雲支所、3000番台は大垣車両区所属。寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」用車両。
運用区間は新鶴見信号場→品川。
前述の通り定期運用では入線せず、大幅な遅延発生時や何らかの理由で東海道線を走行出来ない時に上り列車が横須賀線を走行する。
現在の使用車両(一般車両)
自社車両
鎌倉車両センター所属。全線で運用される。
基本編成は11両で4・5号車はグリーン車。付属編成は4両編成。
E217系は湘南新宿ライン開業時に新宿〜久里浜間で運用されていた。
小山車両センター・国府津車両センター所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜逗子。湘南新宿ラインで使用。
基本編成は10両で4・5号車はグリーン車。付属編成は5両編成。
E233系7000番台
川越車両センター所属。埼京線の車両で、相鉄直通列車に使用される。
運用区間は旧蛇窪信号場〜新鶴見信号場。
但し何らかの理由で埼京線や相鉄に直通出来ない場合は、品川や横浜に入線する事がある。
相模鉄道所属
かしわ台車両センター所属。
相鉄・JR直通線の列車で使用。
運用区間は旧蛇窪信号場〜新鶴見信号場。
過去の使用車両
特急・急行型車両
幕張電車区(現・幕張車両センター)所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜鎌倉。
臨時快速「ホリデー快速ときわ鎌倉」で使用された。
田町電車区(現・東京総合車両センター田町センター)所属。
臨時快速「ホリデー快速ときわ鎌倉」や修学旅行の団体列車で使用された。
幕張電車区・新前橋電車区(現・高崎車両センター)所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜鎌倉。
幕張車は「ホリデー快速ときわ鎌倉」、新前橋車は高崎方面からの各種「ホリデー快速」として運用された。
幕張車両センター・松本運転所(現・松本車両センター)・大宮総合車両センター所属。
幕張車は房総方面特急の間合い運用で「おはようライナー逗子・ホームライナー逗子」で使用されたが、E257系500番台に置き換えられた。定期運用区間は東京〜逗子。
松本車は定期列車では「湘南ライナー」「湘南新宿ライナー」、その他臨時特急「はまかいじ」等の鎌倉発着臨時列車で使用。
大宮車は波動用として臨時列車で使用。
松本運転所・小山車両センター所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜鎌倉。
どちらも鎌倉発着臨時列車で使用。
大宮総合車両センター東大宮センター所属。
定期運用区間は旧蛇窪信号場〜横浜。
新宿・池袋発着の特急「スーパービュー踊り子」、「おはようライナー新宿26号」「ホームライナー小田原23号」で使用された。
鎌倉車両センター所属。特急「成田エクスプレス」で使用。
定期運用区間は東京〜大船。
E259系に置き換えられ運用離脱。
E257系0番台・E351系
松本車両センター所属。
定期運用区間は旧蛇窪信号場〜新鶴見信号場。
「湘南ライナー」(E257系のみ)、「湘南新宿ライナー」及び後身の「おはようライナー新宿・ホームライナー小田原」で使用された。
E257系500番台
幕張車両センター所属。定期運用区間は東京〜逗子。
「おはようライナー逗子・ホームライナー逗子」、鎌倉発着臨時列車で使用された。
各地の車両やジョイフルトレインが臨時列車・団体列車で入線。
651系0番台・1000番台
勝田車両センター(0番台)・大宮総合車両センター東大宮センター(1000番台)所属。運用区間は戸塚〜鎌倉。
0番台は臨時急行「ぶらり鎌倉号」及び後身の「ぶらり横浜・鎌倉号」で使用された。
1000番台の運用区間はは旧蛇窪信号場〜大船。
通常は上野発着の特急「草津(現・草津・四万)」の臨時便として運行された。
上野東京ライン開業と共に東海道線経由に変更された。
勝田車両センター所属。運用区間は戸塚〜鎌倉。
臨時急行「ぶらり鎌倉号」で使用された。
特急「いなほ」への転用の為651系に置き換えられた。
一般車両
前述の「SM分離」前に使用された車両。
大船電車区・幕張電車区所属。
E217系導入前の横須賀線の主力車両。全線で運用された。
基本編成は11両で4・5号車はグリーン車。付属編成は4両。
E217系への置き換え後も房総地区で使用された。
小山電車区(現・小山車両センター)・豊田車両センター所属。
小山車は湘南新宿ラインの宇都宮線-横須賀線系統で、旧蛇窪信号場〜逗子間で使用された。
豊田車は臨時快速「ホリデー快速鎌倉」として戸塚〜鎌倉間で運用。
205系0番台
鎌倉車両センター所属。
横浜線の車両で8両編成。運用区間は大船〜逗子。
八王子発着の横浜線・根岸線からの直通列車で使用されたが、2008年3月15日のダイヤ改正で乗り入れを終了した。
211系1000番台・3000番台
新前橋電車区(現・高崎車両センター)所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜逗子。
湘南新宿ラインで使用された。
田町車両センター所属。
定期列車では「湘南ライナー」「湘南新宿ライナー」及び後身の「おはようライナー新宿・ホームライナー小田原」として、東京〜新鶴見信号場間(東京〜品川間は上り「湘南ライナー」のみ)で使用された。
また湘南新宿ライン開業時に新宿〜横須賀間で運用されていたが、E231系に車両が統一された際に運用から外れている。
湘南新宿ライン運行開始前に臨時列車の「ホリデー快速ビュー湘南」「ホリデー快速ビュー鎌倉」としても運用されていた。これらは湘南新宿ラインと同一のルート(但し前者は戸塚ではなく横浜で転線)を走行する為、開業時に同線に編入された。
勝田電車区(現・勝田車両センター)所属。
運用区間は旧蛇窪信号場〜鎌倉。
常磐線の車両で、臨時快速「ホリデー快速ときわ鎌倉」で使用された。
エピソード
鶴見事故
国鉄時代の1963年11月9日に東海道本線鶴見〜新子安間で発生した列車脱線衝突事故。
同地点で脱線した貨物列車に、東海道線上を走行していた横須賀線の上下列車が相次いで衝突し、161名の死者を出す大惨事となった。
当時はSM分離前の為、横須賀線と東海道線が同じ線路を共有していた。
なお、同日に福岡県大牟田市の三井三池炭鉱で炭塵爆発事故が発生し、458名の死者を出した。
二件の大惨事が同日に発生した事から、この日は「魔の土曜日」と呼ばれた。
30両編成
E217系Y12編成11両+Y129編成4両の15両編成が、東京駅において9号車のパンタグラフ損傷による停電の為自走不能となった。故障車両を移動させる為Y23編成11両+Y130編成4両の15両編成が救援列車として故障車両と併合。
全長600m、30両編成という長大編成で鎌倉車両センターまで走行した。
当時はこの影響で横須賀線東京〜品川間が運転見合わせとなり、総武快速線方面は横須賀線との直通を中止した上で大幅に本数を減らして折り返し運転を実施した。