プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!
ぷりきゅあおーるすたーずみんなでうたうきせきのまほう
思いはきっと、心にとどく!! 史上最大44人のバトルミュージカル!!
2016年3月19日(土)公開のプリキュアオールスターズ最新作でオールスターズシリーズでは8作目になる。また、『プリキュア』シリーズ全体の長編映画では20作目に当たり、専用のロゴマークも作られている。
東映特撮への出向から帰還したばかりの若林豪が東映アニメーション側の企画を担当。
オールスターズ映画初登場となるのは『Go!プリンセスプリキュア』の追加キュアであるキュアスカーレットと、『魔法つかいプリキュア!』の初期メンバーであるキュアミラクル・キュアマジカルの3人である。また、キュアエコーが2年ぶりに登場(なお、メインかつ声付きとしての登場は本作品で一旦最後となり、2023年秋公開の『プリキュアオールスターズF』では番外プリキュア扱いかつモブとして出演している)。総勢で44人のプリキュアが登場することになった(但しこの人数なので流石に出番の多いキャラは限られる)。
なお、前述の人数の問題もあってか翌年以降は「現役作品を含めた直近三作」のプリキュアのみが登場する形式となり、『映画「プリキュアスターズ」』として公開された。
新たなオールスターズ映画は2年半後の『映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』まで待つことになる。
本作では“プリキュアの涙”というものがキーワードとなっており、トラウーマが玉ねぎの微塵切りや人形劇で感動させたりなど、予告映像の時点でもプリキュア達の涙を誘うシーンがある。
タイトルからわかるように「プリキュアが歌うシーン」が作中に多く盛り込まれている。このこと自体は前年に公開された『プリキュアオールスターズ春のカーニバル♪』と同じだが、戦闘シーンを控えめにしてライブシーンを大量に盛り込んでいた『春のカーニバル』と異なり、今回は戦闘中心の作風で「バトルミュージカル」という独自ジャンルを名乗っている。
従来のプリキュア映画といえば、起承転結のあるストーリーの流れの中に幾つかの戦闘シーンが挿入されていくものであったが、今作ではオープニングからエンディングまでひたすら戦闘シーンが連続する中で歌によってストーリーやキャラクターの心情を語っていくという作風が取られている。オールスターズだけでなくプリキュアの全映画の中でもバトル描写に割かれた尺は最長の部類であり、ミュージカルの形をとったのはプリキュアの人数が増えすぎた状況において非戦闘シーンを圧縮させる意味も高い。
しかし、企画を務めた若林氏はもともとはミュージカル案には反対の立場だったらしい。その理由は、脚本を作った後に、その物語にリンクした歌を作ったうえで、それに合わせて絵を作らなくてはいけなくいことから、あまりに制作の手間がかかりすぎると考えたため。その思いが一転したのは、若林氏が東映本社への出向で『烈車戦隊トッキュウジャー』と『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の制作に携わったことがきっかけということ。特撮部分とドラマ部分が分業制で撮影され、特撮部分については脚本完成前に作成されるという手法をアニメに取り入れたら、スケジュール問題は解決できると考えたわけだ。
そしてミュージカル部分についてこれまでに多くのアニメソングを手がけた森雪之丞氏にプロデュースを担当してもらい、他とは別ラインで同時進行させることで本作の制作にこぎつけた。
東映本社と東映アニメーションは人材交流の一環として選抜したスタッフを短期的にそれぞれ相手側の現場に出向させているが、今回はその経験が生かされた好例と言えるだろう。
また、今回はプリキュアのTVシリーズのラスボスたちが再生怪人として登場して行く手を阻んでくる(『Go!プリンセスプリキュア』枠では究極体クローズではなくディスピアが登場)。
このラスボスたちは、記憶の中にある存在を具現化させれる魔女ソルシエールが、それぞれのプリキュアたちの記憶の中にある「最強の敵」を具現化した複製体であり、本当のラスボスたちが蘇ったわけではない。
複製されたラスボスの中で瞳があった者はそれがなくなっていたり胸にソルシエールと同じマークがついているほか、全員が言葉を話せず不気味なうめき声をあげるのみである(うめき声の担当声優は不明だがオリジナルとは異なる)。これらによって「こいつらは、かつてプリキュアたちが戦ったラスボス本人ではない」ことが小さな子供にもわかるように強調されている。これはラスボスと和解を果たした作品もあるための配慮だろう。
なお、かつて本編で戦った敵のコピーがオールスターズ映画で登場するというのは『プリキュアオールスターズDX』『プリキュアオールスターズDX2』『プリキュアオールスターズDX3』でも行われていた手法であるが、このDX三部作の脚本を担当した村山功が本作の脚本も担当している。
また、『春のカーニバル』にはなかったミラクルライトが復活し、応援アイテム「ミラクルステッキライト」として中学生以下の観客にプレゼントされている。
本作の時系列は『Go!プリンセス』基準では「天ノ川きららがパリへ旅立つ前」、『魔法つかい』基準では「魔法学校での補習期間中(厳密にいえば第7話のサファイアスタイル入手後から第9話の補習授業最終日直前までの間)」という設定。そのため最終回にて離散したプリンセスプリキュアは全員揃って登場しており、リコはナシマホウ界(人間界)での名前「十六夜リコ」を名乗らず終始魔法学校の制服姿で登場している。
前年の『春のカーニバル♪』ではプリンセスプリキュアの初期メンバー3人が同映画限定フォームである「モードエレガント・プリマヴェーラ」にフォームチェンジしていたが、本映画でも魔法つかいプリキュアのキュアミラクルとキュアマジカルがソルシエールの魔法によるパワーアップフォーム(名称不明)にチェンジする。なお、オールスターズ映画における劇場版限定フォームの登場は本作を最後に途絶えている(クロスオーバー映画全体でも本作の後に登場したのは現状スーパーグレースのみ)。
新たなプリキュアにして魔法学校の生徒である朝日奈みらいとリコは遊びに来ていた人間界のとある街で、春野はるか達プリンセスプリキュアと出会う。
リコがうっかり魔法を使ったことで二人が魔法つかいとばれそうになった時、突如闇がはるかを包み込みかつてはるか達が倒したディスピアが現れた。はるか達とみらい達は変身して戦うが、謎の歌声とともにディスピアは消え、代わりに魔女ソルシエールと彼女の仲間トラウーマが現れる。ソルシエールたちの狙いは「プリキュアの涙」で、それを使ってある魔法の完成を目論んでいた。
ソルシエールの力で歴代プリキュア達が次々と捕らわれていき、みらいとリコは分断され「囚われの世界」に閉じ込められる。二人はお互い相手を探していくが、次々とかつて歴代プリキュア達が戦った最大最強の敵達が現れる。プリキュアになったばかりの二人は苦戦するが、ドキドキプリキュアやハピネスチャージプリキュア、キュアエコー達が彼女らを救う。みらいとリコはそれぞれ彼女らの友情の力を目の当たりにして、お互い相手の元に戻ることを改めて決意する。
果たしてみらいとリコは再会出来るのか? 二人を導くように響く歌声の正体は? 「プリキュアの涙」をめぐる戦いには一人の魔女の切ない願いが隠されていた―。
※セリフのあるキャラには声優名が連記してあります。
プリキュアオールスターズNewStageシリーズ
公式サイトでは「MOVIE ORIGINAL PRECURE」(映画オリジナルプリキュア)と表記されている。
主題歌
- みんながいるから☆プリキュアオールスターズ
- 作詞:森雪之丞
- 作・編曲:さかいゆう
- 歌:プリキュアオールスターズ
- 使用シーン:エンディング。エンディングダンス初登場のキュアエコーをはじめとする44人のダンスシーンが披露される。
劇中歌
- あなたがいるから
- 作詞:森雪之丞
- 作曲:さかいゆう
- 編曲:高木洋
- 歌:朝日奈みらい、リコ、モフルン、春野はるか、海藤みなみ、天ノ川きらら、紅城トワ、パフ、アロマ
- 使用シーン:映画冒頭で魔法つかいプリキュアとプリンセスプリキュアが街中の人々と踊るシーン。オープニングソング的曲。
- 秘薬のレシピ
- 作詞:森雪之丞
- 作曲:高取ヒデアキ
- 編曲:籠島裕昌
- 歌:トラウーマ、ソルシエール
- 使用シーン:映画中盤でソルシエールとトラウーマが最強魔法の元になる秘薬を調合するシーン。
- 無力な戦士
- 作詞:森雪之丞
- 作・編曲:高木洋
- 歌:キュアミラクル、キュアマジカル
- 使用シーン:映画中盤でミラクルとマジカルがそれぞれ自分たちの無力さを痛感し嘆くシーン。
- やっと会えたね!
- 作詞:森雪之丞
- 作曲:高取ヒデアキ
- 編曲:籠島裕昌
- 歌:五條真由美
- 使用シーン:映画中盤でミラクルとマジカルが再会するシーン。
- 考えてみて
- 作詞:森雪之丞
- 作・編曲:小六禮次郎
- 歌:キュアミラクル、キュアマジカル、ソルシエール
- 使用シーン:映画中盤でソルシエールの過去を知ったミラクルとマジカルが彼女を説得するシーン。
- 魔女の子守唄~歌は魔法~
- 作詞:森雪之丞
- 作・編曲:小六禮次郎
- 歌:ソルシエール、プリキュアオールスターズ
- 使用シーン:映画終盤での闇の王(トラウーマ)とのラストバトル。
新曲以外にも同映画では『Go!プリンセスプリキュア』のOP曲『MiracleGo!プリンセスプリキュア』と『魔法つかいプリキュア!』の前期OP曲『Dokkin♢魔法つかいプリキュア!』が物語序盤のディスピアの複製体との戦闘シーンにおいて挿入歌として使用されている。
コメント
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