概要
主に昭和ウルトラマンや『ウルトラマンメビウス』の主な舞台となった世界線。ネオフロンティアスペースや『ウルトラマンガイア』の世界観、コスモススペースとの連続性はない。
しかし、ネオフロンティアスペースにもスペシウムの存在が確認されており、実際にその世界の戦士がスペシウム光線を使っていたこともあり、繋がりこそないものM78ワールドの要素は『セブン』から『ダイナ』までの全ての作品と『マックス』以降の作品に存在している。
逆に、M78ワールドの要素がないのは、『ガイア』、『コスモス』、『ネクサス』のそれそれテレビシリーズのみであり、劇場版などを含めると、この世界の要素が皆無なのは、『ガイア』、『ネクサス』の劇中世界のみになる。
この宇宙では銀河連邦なる宇宙の平和を守る大規模な組織が存在しており、光の国の宇宙警備隊もまたここに所属している。
こちらの地球には遥かな昔から地底人や海底人などの人間以外の種族や超古代文明も四大文明以前から数多く勃興している。
1960年代における東阪弾丸トンネル工事現場に出現したゴメスとリトラの登場を皮切りに度重なる怪獣の出現や宇宙人による地球侵略が発生。「怪獣頻出期」と呼ばれる時代を迎えた。
これを受けて人類はそうした脅威に立ち向かう為の軍隊として「地球防衛軍」や科学特捜隊を始めとする「防衛チーム」を結成、敵の技術を分析・模倣することで「メテオール」と呼ばれる超科学兵器を作りだし、宇宙開発などにも乗り出し、70年代ごろには現在よりも(部分的ではあるが)遙かに高い水準の科学技術を有していた。
そして80年代、怪獣マーゴドンを当時の地球防衛組織UGMが撃破したのを最後に怪獣の出現や宇宙人の来訪は確認されなくなった。
それから25年、21世紀になってディノゾールの襲来に端を発して再び怪獣・宇宙人の侵略が発生し、それらの陰で暗躍していたエンペラ星人をウルトラマンメビウスおよびGUYSが倒したことで再び怪獣・宇宙人の出現は終息した。
それから遥かな未来(少なくとも数千年は経っている)、かつてこの宇宙を支配していたというレイブラッド星人が復活しブルトンを利用した並行世界からの怪獣の出現「ギャラクシークライシス」が発生。地球人はウルトラマンの力を借り、これに立ち向かっていくこととなる。この時にネオフロンティアスペースのネオマキシマ・オーバードライブ航法など並行世界の技術も流入したようである。
近年展開される新世代ヒーローズではこの宇宙出身のウルトラマンが登場する事があるが、基本的にM78ワールドとは無関係な独立した世界線で活躍することが多くなってきている。
そのため、本世界線は舞台装置的に出演することが多くなり、登場は『ウルトラファイトオーブ』や『ウルトラギャラクシーファイト』、『ウルトラマンタイガ』のボイスドラマといった番外作品にとどまっている。
ウルトラマンゼロシリーズ以降はこの世界のウルトラマンが別宇宙に出張するという展開が往々にしてあり、過去の「M78星雲出身だが、M78ワールド作品とは世界観が繋がらない作品」に登場したウルトラマン(USA、グレート、パワード、ネオス、セブン21、マックス、ゼノン)はこの宇宙から派遣された存在である事が示唆されている。
また、初代ウルトラマンと関わりのある『ウルトラマンゼアス』や一見するとM78星雲とは関連性のない『ウルトラマンナイス』の世界観はどこに属するのかは不明であったが、近年の公式見解では彼らの出身地であるZ95星雲・ピカリの国やTOY一番星はこの宇宙に存在すると判明し、それぞれの舞台世界の地球に向かった事が示唆されている。
また、『ウルトラマンメビウス』で設定が再考証される前は海外ウルトラマンやパイロット版ウルトラマンネオスもM78スペースの出来事に位置付けられていた事もあった。
その証拠として『ウルトラマンG』では主題歌でウルトラ兄弟との関連が語られ、続編企画で共演する案が存在していたり、『ウルトラマンパワードサウンド大百科』ではW.I.N.R.のメンバーであるケンイチ・カイがUGMのスペースマミーの事を知っている描写がある。
再編集ビデオ『THEウルトラ伝説』では声優の久川綾がUGM隊員としてナレーションを務め、ミラーマンやジャンボーグA、ファイヤーマンなどの円谷作品も同一あるいは派生した世界観であるかのような紹介をされていた(例として『怪獣博物館』ではゴモラとラノザウルスが共通の祖先を持つ存在だとされている)。
『ウルトラマンT』ではミラーマンに登場したゴルゴザウルスの亜種ゴルゴザウルス二世が登場していた辺り、『ファイヤーマン』ではグドンが登場したりと放送当時にもそうした作品との世界観を繋げる試みは存在していたようである。
作品の時系列
ここではM78世界が舞台のものを中心に記載する。詳しい詳細はウルトラの星にて。
ウルトラQ(※1)→ウルトラマン(※2)→ウルトラセブン(※2)→帰ってきたウルトラマン→ウルトラマンA(※2)→ウルトラマンT→ウルトラマンレオ→ウルトラマン80→ウルトラマンメビウス→ウルトラギャラクシー大怪獣バトルシリーズ(※3)→ゴーストリバース→ウルトラ銀河伝説→ウルトラマンゼロシリーズ→新世代ヒーローズ→ウルトラギャラクシーファイトシリーズ
注釈
(※1)『アンデレスホリゾント』では万城目の出会った怪奇事件を纏めた小説という設定。
(※2)ウルトラマンは第23話時点で1993年、セブンは媒体によっては1980年代、第43話では2000年、Aは第20話時点で第1話から3年後という扱いだったが、メビウス史観ではいずれも放送当時の出来事という扱いになった。
(※3)無印から、アーケード版GL弾まで。この作品から25年後の世界が大怪獣バトルウルトラコロシアム、更に25年後の世界がアーケード版の世界という設定である。なお、『キラー・ザ・ビートスター』時点ではZAPクルーの外見年齢からAC版の世界に突入していない事がわかる。
(※)「ウルトラマン物語」はこの宇宙をベースにしたパラレルワールド(レオや80がタロウよりも先に地球に派遣されている為)だが、本家M78スペースのタロウもコスモミラクル光線が使えるため、少なくともグランドキング討伐の下りはあったと考えられる。
この世界出身のウルトラマン
正史に存在するヒーローのみを記載。
- 初代ウルトラマン
- ゾフィー
- ウルトラセブン
- ウルトラマンジャック
- ウルトラマンエース
- ウルトラの父
- ウルトラの母
- ウルトラマンタロウ
- ウルトラマンレオ
- アストラ
- ウルトラマンキング
- ウルトラマン80
- ユリアン
- ウルトラマンスコット
- ウルトラマンチャック
- ウルトラウーマンベス
- ウルトラマングレート
- ウルトラマンパワード
- ウルトラマンゼアス
- ウルトラマンナイス
- ウルトラマンネオス
- ウルトラセブン21
- ウルトラマンマックス
- ウルトラマンゼノン
- ウルトラマンメビウス
- ウルトラマンヒカリ
- ウルトラマンゼロ
- ウルトラマンベリアル
- ウルトラマンタイガ
- ウルトラマントレギア
- ウルトラマンゼット
- アンドロメロス
- ウルトラマンボーイ
- ウルトラマンリブット
- ソラ
- フローベラ先生
- フィリス
- ウルトラマンメロス(※)
- アウラ(※)
(※)元は内山まもる氏の漫画作品に登場するオリジナルのウルトラ戦士で、漫画の内容も正史とは繋がらないが、『ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』によれば正史にも存在する模様。
正史以外での作品の戦士
内山まもるの漫画作品
かたおか徹治の漫画作品
ウルトラ超伝説
ウルトラマンSTORY0
ウルトラマン妹
ウルトラマンデュアル
ウルトラマンF
時空を超えてこの宇宙に来たことがあるウルトラ戦士
- ウルトラマンジョーニアス
- ウルトラマンダイナ
- ウルトラマンコスモス
- ウルトラマンジャスティス
- ウルトラマンレジェンド
- ウルトラマンノア
- ウルトラマンギンガ
- ウルトラマンビクトリー
- ウルトラマンエックス
- ウルトラマンオーブ
- ウルトラマンジード
- ウルトラマンロッソ
- ウルトラマンブル
- ウルトラウーマングリージョ
- ウルトラマンタイタス
- ウルトラマンフーマ
ちなみに、『Z』のボイスドラマにてこの中にいないティガやガイアなどのウルトラ戦士もまたウルトラメダル製作のために一度は光の国を訪れていることが語られている。
この宇宙から分岐/派生した世界観
ウルトラマン怪獣大決戦
初代『ウルトラマン』の再編集作品。
…にも関わらず、時系列がちぐはぐであり、この時点では関わりがないであろうレオやアストラを含めたウルトラ兄弟が光の国に召集され、初代ウルトラマンが地球に派遣されて『ウルトラマン』の傑作選に繋がるという流れになっており、選抜されたエピソードはそれぞれが数日後の話という整合性を無視した設定になっている。
勿論、明確にパラレル設定が定められていなかったであろう頃の作品だから、現在では別宇宙の存在とされているジョーニアスが当たり前のように集合シーンにいるのも致し方なしといった所であろう。
ザ・ウルトラマン
内山まもる作の漫画作品。コミカライズ版『ウルトラマンレオ』の後日談であり、正史とは別物。
こちらの世界でも『ウルトラマンメビウス』に相当する出来事は起こるようであり、コミカライズ版『メビウス外伝 超銀河大戦』と『メビウス外伝 アーマードダークネス』はこちらの作品の設定を引き継いでいる。
ウルトラマン物語
先述の注釈を参照。
アンドロメロス(雑誌展開)
時系列は不明だが、登場怪獣からウルトラマン80の後を想定していたものと思われる。『ウルトラマン80』から『ウルトラマンメビウス』までの間に地球では目立った怪獣災害はない為、恐らくは現在主流のM78スペースの歴史とはパラレルという事になるのだが、後続作品での描写から少々、ややこしい立ち位置にある。
『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』や『ギャラクシーレスキューフォースボイスドラマ』によれば、ブノワの父であるセザルからコスモテクターを受け継ぎ、アンドロメロスとして活動していたという発言がある事から、別宇宙でゾフィーがアンドロメロスとして戦っていた可能性も考えられる(コスモテクター継承の詳細についてはアンドロメロス(キャラクター)を参照)。
特撮版の時系列は不明。ゾフィーの反応から、少なくとも『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』よりかは前のようである。
ウルトラ超伝説
「アンドロメロス」の漫画版。特撮版とは設定が異なるパラレル作品(時系列は『ウルトラマン80』最終回後)。
基本的に映像作品で採用されている設定は特撮版のものであるが、あくまで特撮作品の資料である『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ、2011年、106-2)では本作のアンドロマルスがグア軍団壊滅後にイドと戦ったエピソードが紹介されている(特撮版の世界線でも同様にイドが出現したのであろうか?)。
平成ウルトラセブン
『ウルトラセブン』の続編。バルタン星人やオイルドリンカー、ゲスラ、ペスター、ガヴァドン、ツインテールなどの昭和シリーズの怪獣の存在は確認されているが、あくまでウルトラセブンだけが地球を訪れた唯一のM78星雲人であり、ウルトラ警備隊が平成の世に到るまで存続しているという前提でストーリーが展開されている。つまり、このセブンは並行同位体のようなものである。
ウルトラ作戦
『Q』と『ウルトラマン』の間という設定だが、初代『ゴジラ』とも設定を共有しており、やはり公式設定ではない。
ウルトラマン超闘士激伝
『ウルトラマン』からはるか未来の出来事で、『A』以前で分岐していると思しき描写がある(ツイフォン編時点で地球歴3026年)。
ウルトラ兄弟も総登場するが、明確な上下関係はない。
M78スペースからの分岐である事は窺えるものの、この作品においては『平成ウルトラマン』/『海外ウルトラマン』/『アニトラマン』の登場キャラクターもこの世界の存在として扱われているようだ。
ちなみに、ウルトラシリーズ外の怪獣も当たり前のように生息している。
甦れ!ウルトラマン
『ウルトラマン』にもし、第40話があったら?というIF展開を描いた再編集映画。早い話が公式MAD。
ゼットン星人が怪獣軍団を率いて再び地球に来襲して来るというストーリー。
ただし、初代ウルトラマンがゼットンの敗北後もハヤタに一体化したままなどの細かな差異がある。
ウルトラマンゼアス
この作品は過去に初代ウルトラマンの戦いが起こっていたかのような世界観であり、先述の情報と照らし合わせるとゼアスはわざわざオリジナルのM78スペースからレベル3マルチバースを防衛しに行っていた事になる。
ウルトラマンSTORY0
昭和ウルトラシリーズの前日談という位置付けだが、細部の設定が原作とは異なるパラレルエピソードである。
ウルトラQ倶楽部
『ウルトラマン』が始まらないまま21世紀を迎えた世界が舞台だが、話によっては『ウルトラQ』や『ウルトラマン』が劇中劇として扱われている。
ウルトラマンマックス第24話『狙われない街』
マックスの世界観は過去作との関連を全く持たないが、この回のみウルトラセブン第8話「狙われた街」の続編とされている。マックスのストーリー全体から見ればパラレルエピソードという事になるのであろうか?
ウルトラマン怪獣伝説40年目の真実
ウルトラQ〜初代ウルトラマンのみで完結している世界観となっている為、ウルトラセブン以降の戦士は地球を訪れていない。時期は2006年頃。
アンデレスホリゾント
ウルトラマンメビウスの外伝小説で、第31話以降から分岐したパラレル設定。
AnotherGenesis
宇宙牢獄に出来た歪みからベリアルが脱出し、光の国を滅ぼした世界観。
シンプルにこの世界を説明するならば、『ウルトラ銀河伝説』のifという事になるのだが、ウルトラマンゼロらしき存在は確認できず、地球人は惑星間戦争を行う侵略者となっているなど根本から設定が異なる。
こちらではウルトラ戦士の一部は原典からかけ離れた異形の姿に変化している。
ウルトラマンデュアル
M78スペースがベースだが、ヴェンダリスタ星人が地球で初めて確認された宇宙人という扱いであり、地球に光の国の飛び地があるなど根本から設定が異なる。
ウルトラマンF
初代ウルトラマンとウルトラセブンの間を描く話だが、あくまで小林泰三氏による独自解釈によるものであり、公式設定に含まれているわけではない。
ULTRAMAN(漫画)
『ウルトラマン』から分岐した世界観で、ハヤタ・シンに息子が生まれているという前提で物語が進む。初代ウルトラマン以降はウルトラ戦士が地球を訪れていないが、ウルトラ兄弟を思わせる人物が多数登場する。獅子座L77星が滅んだのはこちらも同じであり、レオ兄弟も登場するが、その正体はウルトラマンというよりも単に「獅子座L77星の宇宙人」と呼んだ方がしっくり来る外見をしている。
ウルトラギャラクシーファイト
「大いなる陰謀」にてアブソリュートタルタロスが介入して分岐した「可能性世界」がこれに当たる。
本作におけるウルトラマンベリアルやトレギアはこの世界の出身。