量産型ライダー
りょうさんがたらいだー
概要
さまざまな目的のために主役ライダーと同様の変身アイテムを大量に仕立てて量産された仮面ライダー。
古くはショッカーライダーが該当するが、多く取り上げられるのは平成ライダーにおいてである。
量産の定義、また量産予定の試作品ということもあるため、厳密に量産型といえるかは個人の解釈によるところが大きい。
ライダーとしては一人あたりの戦闘力が通常のライダーよりも劣ることがほとんどだが、チームワークや数の暴力でカバーする戦術をとることが多い。
小説版や外伝といったパラレル要素がある作品ではオンリーワンだったはずのライダーが量産化されたこともあれば、量産化されたライダーが一人で登場することもある。
劇中設定でも正式な「仮面ライダー」よりも下の扱いをされることも多く、名前に「仮面ライダー」が入っていなかったり、仮面ライダー扱いされないこともしばしば。
公式の「仮面ライダー図鑑」でも「仮面ライダーじゃない」タグがつけられているのがほとんどである。
また、ベルトに限れば量産されているライダーも存在するが、量産型ライダーは一般的に変身後の仮面ライダーとしての姿で判断されることが多い。
近年の特徴としては、量産前のライダーにありがちな「特殊な素質を持っていたり、適合者でなければ変身できない」「変身アイテムにデメリットがあったりする」要素を排除した物が多い。
一覧
詳細は各ライダーのリンクを参照のこと。
多数登場例
『仮面ライダー』
ショッカー(あるいはゲルショッカー)によって作られた初の量産型ライダー。
登場する作品にもよるが6~11人のチームで行動する(6人はTV版の人数、11人はダブルライダーを足すことで漫画版の13人の仮面ライダーとなる。以降の作品ではこのどちらかに倣っていることが多い)。
特に『仮面ライダー THE NEXT』のものは作中の様子を見るに、欠けても補充可能なほどの量産が行われている模様。
性能はオリジナルと同様、あるいは更に武装が与えられているが、本郷猛たちの素質や経験の差、ダブルライダーの連携の前に敗れることが多い。
『仮面ライダー555』
スマートブレインが開発した「量産型ファイズ」とも呼べるライダー。
コスト削減のためフォトンブラッドなどの各種機能はオミットされ、性能は低いというお約束が再現されている。
TV本編では6人が登場したが、『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」では明確に設定されている人数では最多となる1万人存在する設定。
劇場版や『仮面ライダーディケイド』では他のライダーの専用装備や専用ビークルを使用している場面もあり、装備さえあれば柔軟な運用が可能な模様。
『仮面ライダーウィザード』
稲森真由、飯島譲、山本昌宏の3人が変身したライダー。一応白い魔法使いによって量産されたと言えなくもないが、3人という少なさと、各個体の見た目の差異からそれぞれ個別の仮面ライダーとして扱われる事も多い。
量産型ライダーとして登場するのは『劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land』であり、「魔法使いの国」のほとんどの住民が変身する。
素の性能はウィザードよりも低いがウィザードや白い魔法使いと同じ装備や魔法を使用可能であり、変身者が強くなることで幹部クラスや強化フォームと同等の実力を持つようにもなる。
『仮面ライダー鎧武/ガイム』
量産型戦極ドライバーと、低ランク故に入手性のよいマツボックリロックシードを用いて変身する量産型ライダー。
同じ姿を持つアーマードライダー黒影に因んで黒影トルーパーと呼称される。
元々戦極ドライバーの本質が「一般人向けの生命維持装置」なため、汎用性と安定性は極めて高い。拡張性も高く、ドライバー製造元のユグドラシル・コーポレーションが持つ各種装備などを潤沢に使っている。
が、作中での活躍は変身者が一般の社員だからか戦闘員ポジションである初級インベスと張り合うのがやっとなレベル。一応、統率がとれていれば戦果を挙げることもある。
後日談では外部に流出したドライバーが悪用されテロや犯罪に利用されているため、アーマードライダーたちが破壊や回収を行っている。
『仮面ライダーゴースト』
- 仮面ライダーダークネクロム(R/B/Y/P)
プロトメガウルオウダーを使い変身する仮面ライダー。
レッド・ブルー・イエロー・ピンクの四色が存在し、劇場版「100の眼魂とゴースト運命の瞬間」ではアルゴス親衛隊が変身するレッド・ブルー・イエローが、TV本編ではアリアが変身するピンクが登場した。
名称がやや長い為か、公式の説明文などでは色の部分が頭文字だけに略称されている。
スペックはネクロムと比較して高くはないが、ゴーストチェンジによって英雄の力を使うことが可能。
姿の酷似した仮面ライダーネクロム、ゴーストチェンジを行える幹部クラスの眼魔スペリオル・パーフェクトとの具体的な関係性は不明。
『仮面ライダーエグゼイド』
仮面ライダークロニクルの購入者、すなわちただの一般人が同ゲームをプレイする際に変身する姿。
基本的なスペックは同作に登場するライダーの基本フォームには劣るが、プレイヤーによるカスタマイズ機能、及び本人の技量やレベルによってスペックが変化し、天才ゲーマーである西馬ニコが変身したライドプレイヤーニコは中間フォームに匹敵する強さを発揮できている。
……が、それらの長所を踏まえても史上最悪とも言えるレベルで多くのデメリットを併せ持つ。詳細はリンク先を参照。
『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』
シンクネットの信者たちが変身するライダーで、2種類のベルトで同じライダーに変身するのが特徴。
4人の幹部格が変身する個体はカラーリングや装備が若干異なる。
スペックのほとんどは本編の敵ライダーである仮面ライダー滅 スティングスコーピオンより高く、倒されてもすぐに復活できる能力と道路を埋め尽くさんほどの圧倒的な数の暴力で戦う。
しかし、変身者たちは戦いにおける覚悟も統制もなく、擬似的な不死性にも驕っている事から戦闘能力は高くない。
『仮面ライダーリバイス』
ウィークエンドの構成員がジョージ・狩崎が改良した量産型のデモンズドライバーで変身するライダー。
量産型ながら主役ライダーの武器(こちらも量産型ではあるが)を使用でき、設定上は初期の幹部級怪人に匹敵する戦闘能力のギフテリアン(TRUE)を倒せるだけの性能を有する。
『仮面ライダーギーツ』
デザイアグランプリにおいて、さしたる描写も活躍もなく脱落していった「その他大多数」のプレイヤー達。
量産品のライダーコアIDとデザイアドライバーで変身する点は主役ライダー達と変わらず、一応は等しく対等な存在と言える(ライダーズクレストも個別に設定されている)のだが、レイズバックルを得てブランク体以上の形態になれる実力の持ち主は殆どいない。
ポーンジャマトがデザイアドライバーで変身するライダー。ライダーであると同時に怪人としてもカウントされる特殊な存在。
高い再生能力を持ち、ある程度なら撃破されても再生してしまう。
更にドライバーさえあればいくらでも誕生する上に、素の状態でも中ボス相当の戦闘能力に加え、フォームチェンジでパワーアップまで可能。
量産型とは思えないスペックが特徴で、特にベロバが変身したグレア2がコントロールする場合、戦闘能力の高い彼女が直接制御する為脅威度が高まる。
シン・仮面ライダーにおけるショッカーライダー。
基本スペックでは仮面ライダーに劣るものの、量産型シン・サイクロン号とマシンガン、更に一糸乱れぬ動きによる連携攻撃でライダーを追い詰める。
完全な戦闘マシーンであり、戦闘中に怯む事も無い非常に獰猛な存在。
試作のみの登場例
『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』
仮面ライダーG3の量産型。尾室隆弘がテスト装着員を務めたが、十分な成果が得られず試作の1機しか登場しなかった。
G3-Xからの技術フィードバックによりオートフィット機能などが追加されており、G3からの運用性改善が図られている。
直接的な戦闘ではなくG3-Xのサポートや支援を目的としているため、肝心の性能はG3にも劣る。
『仮面ライダーカブト』
矢車想の変身する仮面ライダーキックホッパーと、影山瞬が変身する仮面ライダーパンチホッパーが該当する。
劇中では2人しかおらずそういった描写もないため量産型という印象は無く(「珍しく同じゼクターが2つある」くらい)、個別の仮面ライダーとして扱われているが、仮面ライダー図鑑では「遠くない未来に訪れる"ネイティブとの決戦"に備え加賀美陸が量産型ライダーの試作機として開発し、運用テストおよびカブトとガタックの監視を兼ねて矢車に与えた」とされている。
ただしネイティブとの争いは予想外の形で決着したためか、それ以上の生産はされなかった模様。図鑑の記述も「と考えられる。」という公式で"考察扱い"であり、真相は依然として不明のままである。
武器やマスクドフォームは存在しないが、クロックアップ機能はもちろんの事、主役ライダーのカブトと比べても遜色ないスペックを有しており、仮にそのまま量産化されていればこの手のライダーとしては相当破格の性能である。
『仮面ライダードライブ』
量産型マッハドライバーと特状課キーを用いて変身する仮面ライダーマッハの量産試作品。
初変身直後に自動離脱機能の不具合で動作を停止、その後も戦果は芳しくなく(というか扱いは出オチ要員に近い)、結果「ピコピコ4号」の生産が優先されることとなり量産を見送られている。
ファイナルステージでは追田現八郎が変身する「仮面ライダー源八郎」が登場した。
名前は「仮面ライダー」だが、「仮面ライダー図鑑」では「仮面ライダーじゃない」タグがつけられている。
『仮面ライダーゼロワン』
天津の目論見では、当初は不破を操って変身させる予定で、ランペイジバルカン軍団のイメージも映し出されていたが、不破がザイアスペックによる脳内チップ操作を振り切ってランペイジガトリングプログライズキーを持ち逃げした為頓挫。
以降純粋にバルカンの強化形態として運用された。
映像作品以外の公式作品で量産型として登場
漫画版『仮面ライダー』
言わずと知れた主役ライダーの一人。
『新仮面ライダーSPIRITS』などにおいては彼もショッカーライダー、あるいは複数作られた新たな仮面ライダーの一人として登場する。
ある作品では量産型、また別の作品では主人公という珍しい立ち位置のライダーである。
『小説 仮面ライダーアギト』
『アギト』本編をリメイクした作品。
対アンノウン用の強化装着服として登場。
本編ではワンオフの1体のみの登場だが、小説では北條透の提案により量産化されている様子がエピローグで描かれている。
後に『仮面ライダージオウ』でも量産化されたG3が登場し、映像作品にも登場することになった。
『小説 仮面ライダー555』
『555』本編をリメイクした作品。
TV本編ではワンオフの変身ツール「カイザギア」で変身するライダーであるため1人しか登場していないが、小説では人類側の兵器としてTV本編でも変身する草加雅人を含めた3人が変身。
文庫化に際し追加された後日談では更なる増産が行われ、オルフェノク狩りを行っている。
怪人を倒す人類側の量産型ライダーではあるが、過剰な暴力行為や疑いの時点でも行動を起こすなど、オルフェノクが元人間ということを差し引いてもとんでもない過激なライダーと化している。
『小説 仮面ライダーキバ』
素晴らしき青空の会で開発された仮面ライダー。
TV本編では一体だけだが、小説ではファンガイアへの対抗手段としてバーストモード仕様で量産されている。
また、作中ではそのうちの一人は特殊な立ち位置となっている。
『仮面ライダーゼロワン ファイナルステージ&番組キャストトークショー』
人工知能アークがアークドライバーゼロを装着したヒューマギアを器として変身する仮面ライダー。
TV本編ではゼロワン達仮面ライダーに敗れ去り滅び去ったが、『ファイナルステージ』にて仮面ライダーアークゼロワンに量産される。
変身アイテムを流用して登場
『仮面ライダー龍騎』
本作のライダーバトルの主催者である神崎士郎が用意したラスボスたるライダー。
神崎が無作為に選んだ人間にデッキを渡し、彼の代理人として変身させている……らしい。そのため倒されても幾度となく別人が変身したオーディンが現れるという意味で量産型という、異色な量産型ライダー。
なお、これは何度も復活するオーディンを見て秋山蓮が口にした推察であり、明言されていない場合が多いのを留意されたし。
しかし、劇中最高スペックを持ちながら仮面ライダーナイトに何度も撃破されたのも、ただ選ばれただけの変身者の戦闘経験のなさによるものであると考えれば辻褄が合う。
変身アイテムを複製して登場
『仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』
このライダー自体は量産型ではなく、変身用ベルトも一点のみなので、厳密には本記事の定義には当てはまらない。
本編では不死身の剣士バハトが変身する仮面ライダー。TV本編では後にメギド・デザストも変身。
Vシネマでは偶然無銘剣虚無を手にした少年間宮陸から分離した青年・陸が、複製されたアメイジングセイレーンワンダーライドブックを篠崎真二郎と立花結菜に渡し、それぞれが変身した。
『HERO SAGA』で量産型として登場
TV本編ではプロトタイプのオルタナティブ・ゼロを含めて二人のみの登場だが、『HERO SAGA』の設定では神崎士郎の13ライダーへの対策としてゼロを含めた13体が用意されていた。
TV本編では最強フォームであるサバイブに近い高スペックを誇るが、『HERO SAGA』作中での活躍は量産型の悲哀か仮面ライダーリュウガの引き立て役である。
鴻上ファウンデーションが開発した仮面ライダー。
TV本編ではそのプロトタイプのプロトバースと合わせて二体のみ登場。
『HERO SAGA』にてライドベンダー隊が変身する個体が登場。