SCPオブジェクト
えすしーぴーおぶじぇくと
概要
財団により異常性を認められ、特別収容プロトコル(Special Containment Procedures)に基づいた収容の対象となっている「異常存在(Anomaly)」。物品や人物、集団のみならず、特定の場所や施設、現象や概念までもが対象。稀に無害なものも存在するが、ほとんどは有害無益な代物ばかり。創作陣の熱意の産物であり、その数は数千にも上る。
3桁ないし4桁のアイテム番号(SCP-XXX)と通称に加え、支部であれば識別用の略称が付される(日本支部なら「SCP-XXX-JP」)。
オブジェクトクラス
収容対象の研究に優先順位を付けるため、全ての異常な物品・存在・現象にはオブジェクトクラスが割り当てられる。一般に複数の要素から決定されるが、特に重要な要素は対象のもつ「収容の困難さ」。
誤解されやすいが、オブジェクトの危険性を示すものではない。よってsafeクラスのオブジェクトがketerクラスのオブジェクトを超える危害を及ぼす、あるいは及ぼしかねないことも決して少なくないことをご理解願おう。
詳しくはオブジェクトクラスを参照。
脅威レベル
フランス支部を発祥とする指標でありオブジェクトの有益さや収容違反を起こした時の危険度などを表す。
- 白
有益かつ安全な取り扱い方が確立されたもの。多くの場合Safeクラスのオブジェクトに該当する。
- 青
有益であることが予測されるがその性質にまだ未知の部分が存在するもの。多くの場合SafeおよびEuclidクラスのオブジェクトに該当する。
- 緑
適切に取り扱われている限り有益でも有害でもないもの。多くの場合SafeおよびEuclidクラスのオブジェクトに該当する。
- 黄
有害ではあるが制御する方法がある程度確立されているもの。多くの場合SafeおよびEuclid、Keterクラスのオブジェクトに該当する。
- 橙
危険でかつ予測や制御が困難なオブジェクトにあてはまる。多くの場合EuclidおよびKeterクラスのオブジェクトに該当する。また、人型オブジェクトの最低レベルとされている。
- 赤
予測や制御がほぼ不可能で収容違反を起こした場合大規模な被害をもたらすとされるもの。多くの場合EuclidおよびKeterクラスのオブジェクトに該当する。
- 黒
世界規模の災害を引き起こす可能性があり、その収容違反はXK-クラスシナリオと同義とされるもの。多くの場合Keterクラスのオブジェクトに該当する。
アノマリー分類システム
Anomaly Classification System / ACS
3000番台以降の記事の一部に採用されている、オブジェクトのより詳細な分類システム。従来のオブジェクトクラスに加えて、「オブジェクトの情報開示を行えるセキュリティレベル」「収容違反を起こした際の影響の大きさ」「収容違反を起こした際に予測される被害規模」などを個別に規定して表記するものである。
これまでの分類法に置き換わるものではなく、分類の強化を目的に設定されたもの。新たに記事を作成する際にこのシステムを採用するかは、執筆者のヘッドカノンに任せられており、義務付けられたものではない。「よくわからない」ことそのものへの不安や恐怖が核ともなり得るSCP報告書においては、オブジェクトの“ステータス”の明記は記事の魅力を半減させかねない要素でもあるため、執筆者のバランス感覚が試されるシステムとも言えるだろう。ガイドはこちら。
クリアランスレベル / Clearance Level
ファイルの機密性を現したレベル。ファイル中に閲覧不可の箇所を仕込む従来のセキュリティクリアランスレベル「レベル0:公式用途のみ」~「レベル5:Thaumiel」の6段階評価を引き継ぎつつ、ファイルそのものがどのレベルまで閲覧可能かを設定するもの。右側は対応する従来のクリアランスレベル。
読者が自らのクリアランスレベルを引き上げることで記事の全貌を紐解いていく演出との兼ね合いについては、執筆者の腕の見せ所となるだろう。
- Level 1: Unrestricted(無制限)/ UR = Level 0: 公式用途のみ
- Level 2: Restricted(制限付)/ RS = Level 1: 内部機密
- Level 3: Confidential(機密)/ CF = Level 2: 最低レベル機密
- Level 4: Secret / SC = Level 3: 極秘
- Level 5: Top Secret / TS = Level 4: 最重要機密
- Level 6: Cosmic Top Secret / CTS = Level 5: Thaumiel
収容クラス / Containment Class
従来のオブジェクトクラスを再定義する試みで、危険度や収容難易度の総合評価を見直し、純粋に収容の必要性とその難易度に焦点を絞った分類が提案されている。オブジェクトの危険性については後述する「攪乱クラス」や「リスククラス」で改めて評価される。また、ACSにおいてThaumielは副次クラスとして扱われる。
- Safe / 安定した継続的収容が可能なクラス。
- Euclid / 未解明の挙動を見せるなど、常に収容違反が警戒されるクラス。
- Keter / 収容が困難あるいは不可能なオブジェクトを分類するクラス。
- Neutralized / 何らかの要因で異常性を喪失したオブジェクト。
- Pending / 未定、保留、クラス議論中。「とりあえずEuclid」に代わるもの。
- Explained / 財団世界において、もはや異常とは見なされなくなったもの。
- Esoteric / 語義は「難解」「秘儀」など。後述する副次クラス参照。
撹乱クラス / Disruption Class
オブジェクトの異常性が及ぶ対象や範囲、影響の広がる速度、影響の無効化の難易度などによって判断されるクラス。危険度とは分けて考えるため、「空は青い」程度の認識災害でもEkhi・Amidaに分類される可能性はある。各呼称は「光の強さ」になぞらえた言語から。
- Dark(ダーク)/ 英語:闇。閉じた瞼のアイコンで表現される。故意に活性化しないかぎりは異常性が発現せず、何らかの影響があっても対象は一人程度で、専門的な対処も特に必要とされないレベル。
- Vlam(フラム)/ オランダ語:炎。ニュアンスとしては蝋燭の火。異常性の影響は複数人に及ぶものの、広範囲への拡大は見込まれず、無力化も容易。
- Keneq(ケネック)/ ユピク語:炎。キャンプファイヤー、またはそれよりも大きな炎。潜在的な影響範囲が都市の人口程度と見込まれ、攪乱速度も十分に懸念されるレベル。無力化には相当の対処が必要。
- Ekhi(エキ)/ バスク語:太陽。判明している影響範囲が大都市、または国家レベルに及ぶもの。潜在的には攪乱が全世界に及ぶ可能性もあり、無力化は困難を極めるものと予想される。
- Amida(アミダ)/ ここでは " 仏陀が放つ永遠の光 " がモチーフ。財団が異常存在の及ぼす深刻な影響に対して戦いを挑む状況においてのみ使用されることが望まれる。影響が宇宙規模に及ぶ可能性あり。
リスククラス / Risk Class
オブジェクトの危険度を警告するクラス。SCPオブジェクトの影響は、身体・精神・認識・情報・周辺環境等々、多岐に及ぶため、何を危険性の指標とするかは書き手・読み手双方の関心事でもある。
- Notice(ノーティス)/ 一般常識からすれば、オブジェクトそのものが少々異常なだけで、これといった実害が出ないもの。
- Caution(コーション)/ オブジェクトからの微弱、あるいは明確な影響が観測され、危険性も認識される。
- Warning(ワーニング)/ 中程度から重大な影響があり、接触者によって感じ取る影響の度合いに差異が見られる。近くの人物に中程度の危険を及ぼすが、事後の対処やある程度の回復は可能と思われる。
- Danger(デンジャー)/ その影響や作用から明確に危険な存在として認識される。近接した人物に重大または極度の影響を及ぼし、回復も困難であることが見込まれる。
- Critical(クリティカル)/ 近接した人物に、即時に激しい影響を及ぼすもの。その結果が必ずしも死である必要はないものの、接触者の回復は不可能である。
副次クラス / Secondary Class
収容クラス「Esoteric」に指定されたオブジェクトに付随するクラス。従来のクラス分類におけるApollyonやThaumiel、他にもその記事独自に設定される分類など、特殊オブジェクトクラスから該当するものを付与する。
つまりACSで特殊オブジェクトクラスを扱いたい場合には、収容クラスをEsotericに設定することが推奨されるのだが、これも必須ではない。あくまでも記事の魅力を最大限に高めるための手段、選択肢の一つである。
財団世界内外での呼称
作中設定として財団内での正式呼称は特に統一されていないようであり、それぞれの記事で執筆者ごとに異なった表記がなされている。
ガイド「SCPの世界観」では、「Anomalies (異常存在)」と表記されており、「マッケンジー博士の用語集」では「SCP object (SCPオブジェクト)」や「entity (実体)」、さらにその別称として「scip / skip (スキップ)」が使われている。
注意として、「マッケンジー博士の用語集」内で、本家メンバーAelannaは「『SCP』という呼称は第四の壁のこちら側と財団世界内で使い方が異なる」としている。
- 「Special Containment Procedures」 の頭文字で、インフォーマルな作中外では「私は昨日SCPを3つ書いた。」 というように、「SCPオブジェクトや実体」 の略称として使われます。この世界において、SCPオブジェクトや実体のことを決して 「このSCP」 や 「そのSCP」 という風に呼んではなりません。 - マッケンジー博士の用語集より引用
二次創作執筆の際は間違って作中人物に使わせてしまうことのないよう気を付けよう。むろん、展開上意味があって敢えて使うのであれば問題ない。
pixiv百科事典に記事が存在するSCPの一覧
SCP-EN(本部)
SCP-JP(日本支部)
日本支部オブジェクトは個別の記事に一覧があるため、そちらを参照。
SCP-KO(韓国支部)
アイテム番号 | メタタイトル |
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SCP-056-KO | ページにアクセスしないで下さい |
SCP-444-KO | 無限地獄 |
SCP-779-KO | これは結果論的なオブジェクトです |
SCP-CN(中国支部)
アイテム番号 | メタタイトル |
---|---|
SCP-CN-048 | 一つの失敗した試み |
SCP-CN-102 | 超音速少女 |
SCP-CN-994 | 忘郷 |
(旧記事「見つけたよ」についてはこちら) |
SCP-DE(ドイツ支部)
SCP-055-DE-J | でっかいハム! |
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