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ザ☆ウルトラマンの編集履歴

2021-01-10 18:59:18 バージョン

ザ☆ウルトラマン

ざうるとらまん

『ザ☆ウルトラマン』はウルトラシリーズ第8作目。実写特撮ドラマとして制作されてきた同シリーズ初のテレビアニメ。

『誰もが知ってる ウルトラの戦士』(アニメオープニングの歌詞から)


曖昧さ回避

内山まもるの漫画作品については『ザ・ウルトラマン』を参照。


概要

1979~1980年に放送された、ウルトラシリーズ初のアニメーション作品アニトラマンの始祖的存在である。

放送時期は『ウルトラマンレオ』と『ウルトラマン80』の間になり、『80』と合わせて「第三期ウルトラシリーズ」と呼称されることもある。

ウルトラマンジョーニアス 【ニコニコ動画用イラスト】

そもそも実写特撮番組だったウルトラシリーズがなぜこの時期に敢えてアニメとして作られたのかというと、当時『宇宙戦艦ヤマト』などによるアニメブームの真っ最中であった事、またこの頃から円谷プロの財政を苦しめていた制作予算の都合などが背景にある。

それまで特撮専業であった当時の円谷プロにはアニメの制作ノウハウはなかったため、制作は日本サンライズ(現:サンライズ)が手がける事となった。


なお本作のウルトラマン達はU40(ユー・フォーティー)という星の出身で、一部の設定を除きM78星雲L77星とは無関係とされている(もっとも、マルチバース設定が導入された現在では、別作品の戦士との交流も進んでいる)。


設定・技術

アニメ作品であるために後のシリーズにおいて客演等がしにくく、根っからのウルトラファン以外の知名度は低いものの、終盤の展開で主人公がウルトラマンであるために、肝心な時にいない」という暗黙の了解に踏み込み、「アニメならではの最終回」へと結実させたスタッフの手腕など、見事な点が多い。

仮に実写であの最終回と同じ展開を行っても、視聴者に強い印象を残せなかっただろう。アニメーションという媒体だったからこそ成し得たラストであると思われる。


また、それ以外にも他媒体では(CGのない当時においては主に予算や画面の見せ方の都合上)やり辛かった「怪獣たちの大挙しての襲来」や、「ヒーローの更なる巨大化」、「着ぐるみでは絶対に行えない怪獣デザインや戦闘シチュエーション」等といった“アニメならでは”の手法も数多く試みられている。

長くなるのでここでは明記しないが、スタッフ陣は当時としても非常に豪華であったりする(仕上げ作業にはあのシャフトも携わっている)。

また後半では当時の『ヤマト』や『スターウォーズ』といったSFブームに便乗し、ウルトラシリーズ初となる自軍部隊の宇宙戦艦の使用や、UFO・宇宙戦艦とのガチな艦隊戦が描かれたりしている。もっとも、ただの便乗に終わっておらず、これらの要素を本作の特色として落とし込んでいる。

さらに、ウルトラシリーズでエンディングテーマを採用した最初の作品でもあったりする。


また主人公のヒカリ超一郎とウルトラマンジョーニアスは、それまでのウルトラシリーズにない関係である。ヒカリはセブンメビウスのように)宇宙人が地球人に変身した擬態ではなく、初代ウルトラマンのように、地球人と一体化した訳でもない。ジョーニアスはヒカリの体に間借り(?)しているだけであり、精神は完全に別という表現をされている(平成シリーズで言えばコスモスマックスゼロエックス、そしてジョーニアスの後輩も属するトライスクワッドの面々が一番近い方法を取っている)。そのために、変身前のヒカリがジョーニアスと心の中で会話をするという場面が数多く描写された。また、ジョーニアス自身にも人間態が別に存在している。


あらすじ

科学警備隊のヒカリ超一郎隊員は、宇宙基地から地球に向かう途中、U40から来たウルトラマンジョーニアスと遭遇する。彼はヒカリに対し”地球に怪獣や超自然現象による危機が迫っており、それを救うために派遣された。”と語り、ヒカリの体に同居することになる。以後、ヒカリはいざという時はビームフラッシャーを使ってジョーニアスに変身し、怪獣や宇宙人と戦うこととなる。

中盤からはU40も舞台のひとつとなり、他のウルトラマンも登場するスペースオペラ的な展開となる。


登場人物

科学警備隊

チーム名や衣装は初代の科学特捜隊やセブンのウルトラ警備隊を意識したものとなっている。

コレ、食えるのか?

  • ヒカリ超一郎(富山敬)20歳
    • 本作の主人公。宇宙ステーションから科学警備隊に転属する途中でジョーニアスと遭遇。地球防衛のために彼を受け入れ、共に闘うことを決意する。
    • ジョーニアスに変身している間は「ヒカリ超一郎」としては現場から居なくなってしまうので、周囲から非難されたり疑惑の目で見られることに苦悩する。だが最後には秘密を隠したままで戦う意義を見出した。
  • アキヤマ徹男(森川公也)41歳
    • 科学警備隊の初代隊長。冷静沈着を旨とし、隊員達の自主性を重んじている。
    • 物語の途中でアメリカ支部に異動となる。
  • ゴンドウ大助(柴田秀勝)
    • 科学警備隊の2代目隊長。アキヤマと逆に体育会系で豪快かつ厳しい性格だが、心の底では隊員達を強く信頼している。ジョーニアスの存在に感謝する一方、彼に依存していることに苦悩する。ヒカリとジョーニアスの関係に薄々気がつくが、そのために判断を過り大賢者を死なせてしまう。その後は自らと隊員達に喝を入れ直した。
  • トベ博明(二瓶正也)24歳
    • 兵器の研究開発担当。スーパーマードックの設計者で数々の研究や新兵器の開発を行なう。行動的でもあり、アキヤマ退任からゴンドウ赴任の間まで隊長代行を勤めた。
    • 声の二瓶正也は初代ウルトラマンのイデ隊員役として有名。
  • マルメ敬(兼本新吾)25歳
    • 怪力の持ち主で射撃の名手。序盤は割とトラブルメーカーであった。ヒカリが「肝心な時にいなくなる」ことからヒカリ=ジョーニアスと確信。終盤での危機に際し、ヒカリ本人に対してそれをほのめかす発言をしたが、彼の願いも空しく大賢者は殺されてしまう。

ムツミ隊員

  • 星川ムツミ(島本須美)18歳
    • 科学警備隊の紅一点。女性という理由だけで特別扱いされるのを嫌っており、実際に男性隊員に引けをとらない実力を持つ。ゴンドウとほぼ同時にヒカリ=ジョーニアスではないかと疑念を抱いたが、口に出して相談する前にゴンドウから「(それは)言うな!」と制止された。

U40

U40に住むウルトラ人は普段は人間と変わらない姿でギリシャ神話風の衣装を着ている。全員がウルトラマインドの力を使ってウルトラマンに変身できるが、巨大化能力を持つのは大賢者に選ばれた8人だけである。ジョーニアスはその8人の中でも最強の戦士と言われる。

  • ジョーニアス(伊武雅之。後の伊武雅刀)
    • U40から地球に派遣された戦士。地球ではヒカリ隊員と一体化しているが精神は完全に別。ヒカリがビームフラッシャーを額にあてると変身。胸にある五角形はスターシンボルと呼ばれ、青から黄色、赤へと変色して残り時間を示す。地球での活動時間は4分。必殺技はプラニウム光線
    • 最終回でヒカリと分離し、人間の姿を見せて別れた。ヒカリに「もう会えないのか」とたずねられると、「地球にまた危機が訪れたら再訪する。その時はヒカリの様な若く勇敢な青年の体を借りるだろう(それは視聴者の誰かかもしれない)」と話す。
  • アミア(滝沢久美子)
    • ジョーニアスの妹。選ばれし戦士でないため巨大化は出来ないが、1回だけ盗んだビームフラッシャーで巨大化し、地球に飛来している。ヒカリ隊員に想いをよせている。
    • なぜか彼女一人だけが松本零士美女にそっくりである。
  • エレク(池田勝)とロト(宮村義人)
    • 選ばれしウルトラ戦士で2人ともジョーニアス同様に巨大化できる。
  • ウルトラ5大戦士
    • ジョーニアス、ロト、エレクら同様に巨大化出来る能力を持つウルトラ戦士。
  • 大賢者(宮内幸平)
    • U40の指導者にして長老。第49話でヘラー軍団に捕まり殺害される。彼の死によってゴンドウ達科学警備隊のメンバーは、己の力不足とジョーニアスの存在に甘えていたことを恥じ、奮起する。

ヘラー軍団

元はU40のウルトラ族だったが、変身能力を捨てるのと引き替えにウルトラマインドの力で不老不死となり、U40から離脱した一団。

元ウルトラ族以外にも多数の怪獣や宇宙人を従えている。

  • ヘラー(大木民夫)
    • 軍団の指導者。ウルトラマインドの力で全宇宙の征服を目論む。かつて大賢者にU40を追放された。宇宙艦隊を組織してU40を制圧。次の目標をウルトリアが隠された地球に定める。科学警備隊がウルトリアでU40に迫った時はわざと潜入させて撃墜した。
  • ロイガー(大友龍三郎)
    • ヘラーの右腕。地球攻略を命じられ派遣された。

科学警備隊メカニック

  • スーパーマードック
    • トベ隊員が設計した巨大軍用機。宇宙や海中でも活動可能。バーディー、ベータミーの母機でもある。第37話で大破。
  • バーディー
    • 単座戦闘機。同型機にスペースバーディーがある。
  • ベータミー
    • 複座小型機。偵察や攻撃用で垂直離着陸可能。同型機にスペースベータミー。
  • パッセージャー
    • 定員4名の地中戦車ドリルが2つあるパッセージャー2号も登場。
  • シューターASS
    • 専用の特殊車両。6輪タイヤ。
  • ウルトリア
    • ウルトラ族が来るべき時のために地球の南極に隠していた超巨大宇宙戦艦。大破したスーパーマードックに代わって主力兵器となる。その際に科学警備隊本部に専用のドックが作られ、そこに半ば埋め込むような形で格納している。
    • 船体部分のαや翼部分のβに分離合体する機能を持つ。その際にはそれぞれのブリッジに最低2名の搭乗が必要となる。
    • 第49話でヘラー軍団が制圧したU40に接近した際に窮地に陥るが、最後は不時着に成功。乗員の脱出後に爆発した。

放送リスト

話数サブタイトル登場怪獣
1新しいヒーローの誕生!!冷凍怪獣シーグラ(4体)
2光るペンダントの秘密竜巻き怪獣スパイラル
3草笛が夕日に流れる時…分裂怪獣ワニゴドン 分裂怪獣ペロ
4謎の赤い雲を追え!!雲怪獣レッドスモーギ
5パッセージャー号地底突破!!地底怪獣タフギラン 地底怪獣タフギラス 地底子怪獣タフギラオタフギラコ
6燃える深海への挑戦溶岩怪獣ファイヤバドン
7攻撃指令!目標はピグ!!電子怪獣コンビューゴン 宇宙怪獣
8ヒカリ隊員の秘密が盗まれた!?宇宙忍者バルタン星人 モンスター怪獣ミコノス
9目覚めた古代生物の恐怖頭脳怪獣ドルフィーゴ
10見えたぞ!まぼろしの怪獣が…テレポート怪獣ザローム
11科学警備隊へのチャレンジ!!機械怪獣ヘクトール 液体生命体(液体怪獣)
12怪獣とピグだけの不思議な会話同居怪獣オプト(チョウ・ジン・サン)
13よみがえった湖の悲しい伝説音波怪獣ガラドラス
14悪魔の星が来た!!宇宙怪獣ザイクロン 火焔怪獣ゲロン 火山怪獣ガドン悪魔の星(謎の天体)
15君がウルトラマンだいん石獣ゴグラン(成虫、幼虫)
16生きていた幻の鳥幼鳥モア 古代怪鳥キングモア
17ベータミーが消えた!!こん虫獣バダン 地底子怪獣タフギラオタフギラコ
18謎のモンスター島岩礁怪獣アイランダ×2匹(同一個体とする資料もある)
19これがウルトラの星だ!!第1部は虫怪獣ゲラド は虫怪獣ジャニュール は虫怪獣ベドラン 精神寄生体
20これがウルトラの星だ!!第2部凶悪星人バデル族
21これがウルトラの星だ!!第3部凶悪星人バデル族 暗黒怪獣バゴン は虫怪獣ジャニュール三世
22南海の怪しい空間異次元怪獣ザーモス
23超音速の対決高速怪獣ザンバ
24ふたりのムツミ隊員宇宙剣竜ドラゴドス アルファケンタウリ第5惑星人  超進化宇宙人アルファケンタウリ第1惑星人
25悪魔の花園毒花怪獣デスバラン
26地球最大の危機!!凶暴怪獣ギバルーガ
27怪獣島浮上!!宇宙悪魔バラドン星人 どくろ怪獣レッドキング 凶暴怪獣アーストロン 爆弾怪獣ゴーストロン プラスチック怪獣ゴキネズラ 赤色火炎怪獣バニラ 青色発泡怪獣アボラス
28新キャップが来た!!合体怪獣ダバラン、象怪獣ファンダス、翼竜怪獣クワァイラス
29悪魔のUFO大襲来侵略星人ジャダン 双頭怪獣ジャゴン
30動きだした巨大化石骨怪獣スケルドン
31ウルトラの女戦士宇宙星獣ガルバドス
32宇宙からの物体Xロボット怪獣メガザウラ 暗黒星人バビラー
33GO!!マグマの決死圏集結怪獣ガミバ
34盗まれた怪獣収容星(前編)宇宙海賊インベド人 宇宙怪獣デスパワー 宇宙怪獣ゴードリアン 宇宙怪獣プラズーン 宇宙怪獣ジナリオ 宇宙怪獣アグジョン 宇宙怪獣ズーマ 宇宙怪獣グロテング 宇宙怪獣グロル
35盗まれた怪獣収容星(後編)宇宙海賊インベド人(回想) 宇宙怪獣プラズーン 宇宙怪獣アグジョン 宇宙怪獣ジナリオ 宇宙怪獣グロテング 宇宙怪獣プトゴリア 宇宙怪獣イドヅノス 宇宙怪獣グロル
36宇宙から来た雪女白鳥座82番星人ノア 氷結怪獣ダランチュラス
37ウルトラの星U40の危機!ウルトリアの謎ヘラー ロイガー ヘラー軍兵士 カプセル怪獣グモンス
38ウルトラ大戦争!!巨大戦艦ウルトリア出撃ヘラー軍兵士 カプセル怪獣グモンス
39ねらわれた巨大戦闘艦ウルトリアヘラー軍兵士 巨大怪猫ヘルキャット
40怪獣を連れた少年ペット怪獣オロラーン 改造オロラーン 平和宇宙人オペルニクス星人フェデリコ
41激突!!ウルトラマン対ウルトラマン回転怪獣ギロス 宇宙兵士ギロ星人 にせウルトラマンジョーニアス
42ウルトラマン生けどり作戦宇宙ハンターハタリ
43怪獣になったモンキ!?電送怪獣ネオドストニー ドストニー1号(A) ドストニー2号(B) モンキ・ドストニー
44ウルトリアが二つに割れた!?円盤怪獣スペーダー 隕石円盤サイエンダー 宇宙魔軍サイエン星人 カプセル怪獣カペラドン×10
45爆弾を抱いたピグ積雲怪獣ゴルディング アンドロイド201部隊
46よみがえれムツミメカ怪獣ゲドン
47ウルトラの星へ!!第1部 女戦士の情報ヘラー軍団
48ウルトラの星へ!!第2部 前線基地壊滅合成獣ヘラ・ウマーヤ
49ウルトラの星へ!!第3部 U(ウルトラ)艦隊大激戦ヘラーのペットパンサー
50ウルトラの星へ!!完結編 平和への勝利処刑怪獣マクダター

主題歌

  • ザ☆ウルトラマン

作詞:阿久悠/作曲・編曲:宮内國郎/歌:ささきいさお、コロムビアゆりかご会

「誰もが知ってるウルトラの戦士」

OPテーマ。王道のヒーローソングに仕上がっているのには違いないが、「この世のルールを 乱したやつらは宇宙の果てまで運び去る」といった物騒な歌詞もある。


  • 愛の勇者たち

作詞:阿久悠/作曲・編曲:宮内國郎/歌:ささきいさお

「ぼくらが胸に飾る勲章は 愛と夢と男のロマン」

EDテーマ曲。実はこれがウルトラシリーズ初のEDテーマである。

歌手が歌手なだけあり、宇宙戦艦ヤマトといった硬派な昭和アニメのテイストを感じさせる曲となっている。


挿入歌

  • 明日に……

作詞・作曲:谷のぼる/編曲:高田弘/歌:富山敬

第18話で使用。ヒカリ超一郎のテーマソング。


イメージソング

  • ウルトラマン賛歌

作詞:満田かずほ/作曲・編曲:冬木透/歌:ささきいさお、くにたちカンマーコール

ウルトラマンジョーニアスのテーマソング。


  • ウルトラの星

作詞:谷のぼる/作曲・編曲:冬木透/歌:コロムビアゆりかご会

U40のイメージソング。


  • ムツミの歌

作詞:満田かずほ/作曲:谷のぼる/編曲:高田弘/歌:堀江美都子

科学警備隊のメンバーであるムツミ隊員のテーマソング。


  • スーパーマードック

作詞・作曲:谷のぼる/編曲:高田弘/歌:ささきいさお、くにたちカンマーコール

科学警備隊の戦闘機スーパーマードック号のテーマソング。


  • 我ら科学警備隊

作詞:満田かずほ/作曲:谷のぼる/編曲:高田弘/歌:ささきいさお、くにたちカンマーコール

科学警備隊のテーマソング。


  • ロボット・ピグの歌

作詞:谷のぼる/作曲:冬木透/編曲:丸山雅仁/歌:滝口順平

科学警備隊のメンバーであるピグのテーマソング。


  • 怪獣レクイエム

作詞:満田かずほ/作曲・編曲:冬木透/歌:ささきいさお、くにたちカンマーコール

ウルトラ戦士に倒された怪獣達へ捧げる鎮魂歌。本編外での使用が多い楽曲であり、「ウルトラマン80」の挿入歌や特番「人気怪獣大パレード」のEDとして使用された。


劇場版

アメリカにて2本の英語吹替再編集劇場版が公開された。

この作品の劇半は、日本の『ウルトラマン物語』や特撮版『アンドロメロス』でも使われている。


  • The Adventures of Ultraman

1982年公開

  • UltramanⅡ The Further Adventures of Ultraman

1983年公開


評価

再放送などの機会が乏しく、書籍等でも実写でないことによりスルーされがちなため知名度が向上せず、後述のように“ネタ”にされがちだった異色作であるものの、実はシリーズ平均視聴率は前後の『レオ』と『80』を上回っており、商業アニメとしてはまずまずの成功を収めていると言える(純粋な視聴率は平成三部作よりも高かったが、時代背景や放映形態、時間帯が大きく異なるので単純には比較できない)。


先述の通り実写特撮では不可能な表現・演出を積極的に取り入れたり、ストーリーを壮大なスペースオペラに発展させたりと、アニメ化においての有利な部分を的確に捉えて駆使した実験的な要素が非常に多く、その先進的な姿勢から近年は再評価の声が高まっている。また、ジョーニアスを始めとしたU40戦士の独特なデザイン・設定に惹きつけられるファンも少なくない。


しかしその一方で、放映当時から「アニメではなく実写でウルトラマンが観たかった」という声も少なくなかったとの証言もあり、新要素も相まって(少なくとも今よりは)賛否が分かれていた作品とも言える。実際、非常にクオリティの高い回もあるものの当時としても全体を通しての作画の出来はあまり安定しておらず、そのような面でなおさら特撮の方が良かったのではないかという風潮を生んでいた可能性は否めない。


1982年に発売されたウルトラマンBGM集のLP盤には本作に関するコラムが掲載されており、その中で「作品を作る上での三本柱とも言うべき、作画・演出・製作条件のどれをとっても満足のいく出来ではなく、その評価は非常に低いと言わねばならない(若干要約)」と辛辣に批評されている。

尤も本作を駄作と斬って捨てているワケではなく、最終回四部作については肯定的に評価しており、最後には「従来のウルトラ世界とは別のものを作ろうとした意欲にファンの方がついていけなかったというのは残念な事だ」とも述べている。

後に『ウルトラマンティガ』などの意欲作が人気を博したことを考えると、本作は早すぎた傑作だったのかもしれない。

ちなみに当該批評を執筆した人物は、後年に『ウルトラマンG』や平成ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズに関わることになる、当時まだ高校一年生であった脚本家の會川昇氏である。


いずれにせよ『80』など後続のシリーズ製作・復活の機運を作った作品として位置づけられている。


ネタ

円谷プロのサイトでは四月馬鹿などに登場するが、それ以外の公式の場の出番は少なかった。出ても自分の立場の微妙さを嘆いていたこともあった。

主題歌の「誰もが知っている」の下りも、知名度の低さと絡めて一部のファンからはちょいちょいネタにされている。

4分間戦えることを長所にしている…らしい。

しかしながら可愛い実妹がいる時点で「実質勝ち組なのでは?」とも囁かれている。


ウルトラマン列伝』ではダークネスファイブ&ベリアル陛下が第100話に登場したベリュドラの構成怪獣を紹介した時こみゅかる怪獣の1つとして*陛下曰くレア物)としてレッドスモーギを紹介した。なお、この時(半ばネタとはいえ)「ウルトラマンと怪獣がいるアニメの世界」と言われた(ただし『銀河伝説』ではゼアスと同じく出演していない。出身がM78星雲ではないからだろうか?)。

その後、新ウルトラマン列伝第49話で再び取り上げられることが決定。この回の内容は当時やっていた大怪獣ラッシュのメインキャラの1人バルタンバトラー・バレルからバルタン星人が話題に上がる中、ダークネスファイブの1人氷結のグロッケンが前述の陛下がジョーニアスの事を知りこのことについて勉強したら偶然アニメ版バルタン星人がジョーニアスと戦ったことを知りこのことを一同に話した。

とはいえ第105話や『ウルトラマンオーブ』放送直前スペシャルでは、冒頭の歴代ウルトラ戦士に入っていたり(前者はゾフィー以外は全員短編を含めてTVシリーズで主役になったことがあるウルトラマン)、極悪のヴィラニアスに作画の素晴らしさを賞賛されたり、最終回ではゼロから「とっておきの戦士」と紹介されたり…と列伝系列の番組ではわりと優遇されている節もあり、後述の出来事も踏まえると、円谷プロにとってもある種強い思い入れがある作品なのかもしれない。


40年目の奇跡

放送開始40周年となる2019年、『ザ☆ウルトラマン』を取り巻く環境が突如大きく動くこととなった。


同年放送が開始されたシリーズ『ウルトラマンタイガ』に、40年ぶりかつ実写シリーズ初出としては初登場となるU40出身のウルトラ戦士・ウルトラマンタイタスが登場した。アニメという媒体が露出に恵まれないハードルとなっていたため、それを越えたという事で凄まじいサプライズであり、情報公開時はタイタス本人や『タイガ』に並び本作も大きな話題となった。

それに伴い、『タイガ』開始直前に放送された『ウルトラマンニュージェネレーションクロニクル』の最終回においてタイタスとU40のことを説明するため、本作の第19話~21話の紹介を行った。

タイタスは放送前から驚愕の出自とデザインが注目を集めていたが、実際に活躍が始まるとワイルドかつ洗練されたバトルスタイル、落ち着いた性格の好漢である一方でお茶目な言動が多いキャラクター性から真面目な意味でもネタ的な意味でもさらに人気を得ていった。加えて、ボイスドラマにおいてディープなネタを披露しただけでなく、彼の過去も本作の設定を丁寧に拾い上げたものとなっていたため、その存在をもって本作の宣伝に大きく貢献することとなった。

なお、ボイスドラマではヘラー軍団との関連性のみならず、第17~19話ではソーキン・モンスターが登場したため、同じアニトラマン作品である『ウルトラマンUSA』と双方をリンクさせたような展開が楽しめた。


またタイタスの登場にちなみ、同年の5月23日より、円谷プロYouTube公式チャンネルにて本作の無料公式配信が開始された(毎週木曜日18:00に1話ずつ更新、これまでの配信と同様、各話1週間の期間限定)。『タイガ』での後輩の登場に加え、これまであまりフィーチャーされてこなかった本作が再注目されるきっかけとなった。

近年は『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』を始め、『SSSS.GRIDMAN』『ULTRAMAN』がそれぞれ放送・配信された事で、円谷プロ原作のアニメ作品に大変大きな注目が集まっており、そうしたアニメ作品の原典とも言える本作を配信する上では、これ以上にない打って付けのタイミングであったと言える。

なお、Twitterでは『ザ☆ウルトラマン』というタイトルがハッシュタグとして使えないためか、ウルトラマンジョーニアスのほかに主題歌の歌詞である『#誰もが知ってるウルトラの戦士』がハッシュタグとして使用された。

2020年4月2日からは、40周年を迎えた後続の『ウルトラマン80』の配信と交代する影響で、金曜日からの配信となった。


同年夏に開催された『ウルトラマンフェスティバル2019』では、メインキャラの一人としてジョーニアスが登場。この登場に絡んでスーツが新造されており、これまでのスーツよりもアニメのイメージに忠実となった逞しい姿を披露した。

誰もが知ってるウルトラの戦士


YouTubeでの公式配信やタイタスの活躍等が功を奏し、結果として『ザ☆ウルトラマン』の知名度は飛躍的に向上。また、"アニメ"という理由で敬遠されがちだった本作が再評価されるきっかけを作り、40周年となった2019年はまさに『ザ☆ウルトラマン』およびジョーニアスが誰もが知ってるウルトラの戦士となった、記念すべきアニバーサリーイヤーと言えるだろう。


ウルトラギャラクシーファイト

2020年11月22日より配信が始まった『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』において、タイタスの再登場のみならず、ジョーニアスも登場し、史上初の惑星U40ウルトラマン同士の共演が決定した(なお、CVは『ウルフェス2019』でジョーニアスを担当した金光宣明氏に交代している)。

本作では伝説の勇者の肩書を持ち、別世界の戦士アンドロメロスと共演する。

スーツは『ウルフェス2019』で新造されたものが使用されており、新スーツの映像作品への出演は初となる。


余談

実は機動戦士ガンダム』と放送が同時期(両作とも1979年4月放送開始)であり、サンライズは本作と並行する形で『ガンダム』やその他アニメの製作を行っていた。

今の人気からは想像しづらいが、当時の『ガンダム』は視聴率低迷に苦しみ、当初全52話の予定が43話を持って打ち切りとなってしまう。その際、お手隙になった富野由悠季氏をはじめとするガンダム担当スタッフが引き抜かれ、終盤に差し掛かっていた本作の製作に参加することとなった。サンライズが並行製作体制を採っていた故に可能だった裏技と言える。『ガンダム』の打ち切りによって経済的に困窮していたスタッフ陣は、本作での仕事が決まって安堵したというが、他方とばっちりを受ける形となった富野氏は、後年インタビューで「なんでアニメでウルトラマンをやるんだ」と発言している。

因みに1979年当時、サンライズは自社作品として『機動戦士ガンダム』『科学冒険隊タンサー5』(何と唯一のアニメ特撮併用作品!)、東映本社の下請けで『未来ロボダルタニアス』『サイボーグ009』、そして円谷プロの本作とテレビアニメだけでも5本も掛け持っていた(すでに劇場版『クラッシャージョウ』も製作が始まっていた)。


現在ではベテラン声優である島本氏は、今作のヒロインである星川ムツミ隊員役で本格的に声優としてのデビューを果たした(ゲスト出演も含めると『ゼンダマン』の方が先。なお、デビューが決まったのは本作の方が先で、『ゼンダマン』への出演も本作の演出家からの要望)。同時に、この作品が初めてのヒロイン役であり初めてのレギュラー出演でもあった。

また、島本氏は同年に公開された『ルパン三世カリオストロの城』にも出演した事で有名だが、本作の第37話には、ヘラー軍団の襲撃を受け逃げ惑う群衆の中にルパン三世そっくりのモブが登場しており、制作スタッフの遊び心が窺える。


タツノコプロ出身の鳥海永行氏がチーフディレクターを務めていたこともあってか、結構な割合でタイムボカンシリーズのBGMが流用されている他、富山氏や滝口氏のようなタツノコと関わりの深い声優も出演している。

また、本作にレギュラー出演した声優やゲスト出演した声優の多くが、『ゲゲゲの鬼太郎』3期にもレギュラー出演やゲスト出演しており、富山氏もねずみ男役で出演し、本作で共演した声優も『鬼太郎』で共演している。ちなみに本編第10話には4期鬼太郎の声を演じた松岡洋子氏がゲスト出演している。


上記にもあるように『ヤマト』に端を発したアニメブーム時に制作されたためか、一部キャラクターのデザインや中盤以降の作風など『ヤマト』のそれを意識したかのような要素も見受けられる。


アメリカでは第14話のみが放送され、冒頭に黒柳徹子氏による解説が挟まれていた。


ウルトラマンレオ』終了直後に在阪局のネットチェンジ(所謂「腸捻転」の解消)が起きたことで、後に平成三部作等を制作する毎日放送にとっては、本作が新作ウルトラシリーズ第1号である。さらに、半年後の1979年10月からは『スカイライダー』が開始したため、TBS系列でウルトラマンと仮面ライダーが揃い踏みという状況が発生することになった。ちなみに仮面ライダーシリーズは元々毎日放送制作のため、『仮面ライダーアマゾン』まではNET(現在のテレビ朝日)系列だった。


関連動画

オープニング映像


番宣CM


番宣映像

当時のアフレコ現場が映っており、富山敬氏が視聴者に向かって挨拶をしている。


関連イラスト

その名はジョーニアスジョーニアス

ザ☆ウルトラマン


関連タグ

ウルトラシリーズ アニトラマン サンライズ 河森正治


ウルトラマンUSA - 同じくアニメでのウルトラシリーズ作品。こちらは劇場公開作品である。


SSSS.GRIDMAN - 2018年に放送されたテレビアニメ。『電光超人グリッドマン』のアニメ作品。当初は「ウルトラマンのアニメ」として円谷プロに企画を打診したものの却下され、「『アンドロメロス』か『グリッドマン』なら」と逆提案を受け、監督にとって思い入れのあった『グリッドマン』が選ばれた。

ザ☆グリッドマン

あくまでイメージです。


ウルトラマンタイガ - 本作の世界観を引き継ぐ描写が盛り込まれた、最初の実写テレビシリーズ。


ウルトラマンレオ→本作→ウルトラマン80


外部リンク

ザ☆ウルトラマン - 円谷ステーション – ウルトラマン、円谷プロ公式サイト

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