反動技

はんどうわざ

ポケモンがバトル中に使用するわざの分類の一つ。 公式の名称ではなく、あくまで俗称として通用している。

ポケモンがバトル中に使用するわざの分類の一つ。 公式の名称ではなく、あくまで俗称として通用している。

概要

ポケモンの使用するわざの中で、わざを使用した際に、PP以外の何らかの代償を払うわざを指す。

プレイヤー間では、後述の「すてみ系」による反動が伴う技全体をそう呼ぶことが多いが、本記事ではそれ以外の反動についても説明する。

システム的に見ると威力や命中率(変化技なら効果)は高い傾向があり、その点では使いやすいものの、気安く連発できないリミッターとして「反動」が用意されている。反動によって発生する効果はわざごとに異なる。

ただし、基本的にいわゆる自爆技を除けば、攻撃を外した場合や、まもる系のわざやタイプ相性、特性などによって無効化された場合は反動は発生しない。基本的に効果は自分に対するデメリットのみであるものが多いが、稀に相手に対する追加効果も有するわざもある。

発生する反動によってもう少し細分化される場合がある。公式の名称ではないため、トレーナーによって「反動技」と言った場合にどの程度の範囲の技を指すのかは異なる場合があるので要注意。

反動の種類

すてみ系

わざを使用したポケモンのHPが直接的に削られるタイプで、基本的に特性「すてみ」によって威力が上昇するものを指す。攻撃が有効となった場合にダメージを受けるものと、無効になった場合にダメージを受けるものがある。前者で代表的なものはすてみタックル、ボルテッカーなど、後者はとびげりなどが該当する。「自らを省みず全力で相手に突撃する」というような豪快な技が多く、基本的に直接攻撃且つ物理わざが多くを占めている。

後者の反動ダメージは固定(第5世代以降)となっているが、前者は相手に与えるダメージが大きくなるにつれて、自分に跳ね返ってくる反動ダメージも大きくなる。その反動ダメージによってHPが0になる場合もある。性質上、ポケモンの耐久力を直接的に削ってしまう為、元々耐久力の低い速攻型のポケモンに好まれやすい。一方、持ち物「きあいのタスキ」や特性「はやてのつばさ」(第七世代以降)など、HP満タン時に発動するものとは相性が悪くなりやすい。逆に、HPの減少を利用して特性「もうか」の発動や、わざ「じたばた」の火力増強の補助に用いる戦法もある。

特性「いしあたま」を持つポケモンは、このタイプのわざによる反動ダメージを受けない。

また、特性「すてみ」を持つポケモンは、このタイプのわざの威力を強化できる。ただし元の威力が強化される分、反動による自分へのダメージも増加する。

ちなみに、わざ「ビックリヘッド」「てっていこうせん」は例外的に有効無効問わず使用者のHPが削られる。そしてこの二つのわざは特性「すてみ」等の対象外であることから、この系統からは除外される可能性もある。

自爆系

わざを使用するとひんしになる代わりに絶大な効果を発揮する。「だいばくはつ」のような攻撃わざの他、「おきみやげ」や「いやしのねがい」といった変化技もあり、後続を安定してくり出すために用いることもある。

行動不能系

わざが決まった次のターンは行動不能になるタイプ。またの名を「ロマン砲」。代表的なものははかいこうせん。「膨大なエネルギーを一気に放出する」というわざが多く、その性質からか、非直接攻撃且つ特殊わざが多くを占めている。

反動の影響を受けたターンはわざを繰り出す事は勿論、交代する事もアイテムを使う事も逃げる事もできないまま、ただただターンが消費される。ただし相手の行動やターン経過によって発動する特性やどうぐの効果などは発揮される。

軒並み威力が150以上と頭一つ抜けて高く、一撃で与えるダメージとしては自爆系のわざに次ぐほどの高火力。しかし、行動不能のデメリット自体はかなり大きく、相手がどんな行動を取ってもまず間違いなく後手に回ってしまう。そのため、メインウエポンとしては使い勝手が悪く、甚大なリスクを気にしていられないほど切迫した状況で使うことが基本となる。その他、ケッキングが特性「なまけ」と合わせてデメリットを軽減させる目的で用いる場合もある。

威力自体は凄まじいため、追い込まれた際の最後の切り札としては申し分ない。特にポリゴンZのはかいこうせんは、いわタイプやはがねタイプといった相性の悪い相手すら吹き飛ばすほどのダメージを叩き出す場合もある。ただし、命中100のわざは存在しないので、過信しすぎると泣きを見る可能性がある点には要注意。

ちなみに、第一世代ではこのタイプのわざ(当時は「はかいこうせん」のみ)は、相手ポケモンを倒せば、反動によって行動不能にならないことから、当時の対戦環境で猛威を振るいまくっていた。

能力低下系

わざが決まると自身の能力ランクが低下してしまうタイプ。

「オーバーヒート」なら特攻が二段階、「ばかぢから」なら攻撃防御が一段階ずつ、といった具合に、どの能力が何段階下がるかはわざごとに異なる。

下がった能力は交代によって元に戻るため、前述のすてみ系や行動不能系と比較するとそれなりに扱いやすい部類にある。しかし能力が下がったまま戦うのはやはりリスクが高く、長期戦には向いていない。特にこうげきやとくこうが下がるわざの場合、他の攻撃技まで一緒に火力を引き下げられてしまうため、乱用は基本的に厳禁である。しろいハーブで能力低下を抑える作戦もあるが、相手の「いかく」等で消費される可能性には注意。

なお、この類のわざによる能力ダウンでは、「まけんき」などの特性による能力上昇は発動せず、「クリアボディ」などの特性持ちの場合でも能力ダウンはしっかりと発動する。

一方、「あまのじゃく」持ちが使えば、その瞬間に普通に高火力な上に当てれば当てるほど能力が強化されていくというとんでもない壊れ技と化す。ジャローダやカラマネロなどはこの戦法で一躍有名になった。

その他

「もえつきる」など、先述のものとは別系統の反動が発生するわざもいくつか存在する。

反動技一覧

特記なき場合、性能は第9世代(『スカーレット・バイオレット』)のもの。

専用技に関しては自力習得可能なもののみ表記し、配布されたポケモンが特別に覚えている場合は除いている。

習得するポケモンが『スカーレット・バイオレット』に登場していない場合、最後に登場した時点での情報を記載している。

すてみ系

タイプ	分類	わざ	威力	命中	反動	備考
ノーマル	物理	とっしん	90	85	与ダメージの1/4
	物理	すてみタックル	120	100	与ダメージの1/3
	物理	アフロブレイク	120	100	与ダメージの1/4	バッフロン専用
	変化	みがわり	-	-	自身の最大HPの1/4	自身の最大HPの1/4の耐久を持つみがわりを作る
	変化	しっぽきり	-	-	自身の最大HPの1/2	自身の最大HPの1/4の耐久を持つみがわりを場に残し、控えと交代する
	変化	はらだいこ	-	-	自身の最大HPの1/2	自身の攻撃を12段階アップ
	変化	みをけずる	-	-	自身の最大HPの1/2	ミガルーサ専用、自身の攻撃・特攻・素早さを各2段階アップ
ほのお	物理	フレアドライブ	120	100	与ダメージの1/3
	特殊	ビックリヘッド	150	100	命中時のみ自身の最大HPの1/2	ズガドーン専用、特性「しめりけ」持ちがいた場合は不発
みず	物理	ウェーブタックル	120	100	与ダメージの1/3
でんき	物理	ボルテッカー	120	100	与ダメージの1/3	ピチュー・ピカチュウ・ライチュウ専用
	物理	ワイルドボルト	90	100	与ダメージの1/4
くさ	物理	ウッドハンマー	120	100	与ダメージの1/3
	特殊	クロロブラスト	150	95	命中時のみ自身の最大HPの1/2	ヒスイマルマイン専用
かくとう	物理	じごくぐるま	80	80	与ダメージの1/4
	物理	とびげり	100	95	外した場合のみ自身の最大HPの1/2
	物理	とびひざげり	130	90	外した場合のみ自身の最大HPの1/2
	物理	かかとおとし	120	90	外した場合のみ自身の最大HPの1/2
ひこう	物理	ブレイブバード	120	100	与ダメージの1/3
いわ	物理	もろはのずつき	150	80	与ダメージの1/2
ゴースト	変化	のろい(ゴーストタイプ)	-	-	自身の最大HPの1/2	相手に毎ターン最大HPの1/4のダメージを与える
ドラゴン	変化	ソウルビート	-	-	自身の最大HPの1/3	ジャラランガ専用、自身の攻撃・防御・特攻・特防・素早さを各1段階アップ
はがね	特殊	てっていこうせん	140	95	命中したかに関わらず自身の最大HPの1/2
フェアリー	特殊	はめつのひかり	140	90	与ダメージの1/2	フラエッテ専用、ゲーム中未実装
無属性	物理	わるあがき	50	必中	自身の最大HPの1/4

自爆系

タイプ	分類	わざ	威力	命中	備考
ノーマル	物理	じばく	200	100	特性「しめりけ」持ちがいた場合は不発
	物理	だいばくはつ	250	100	特性「しめりけ」持ちがいた場合は不発
かくとう	特殊	いのちがけ	-	100	命中時自身の残りHPと同じだけのダメージを与える
エスパー	変化	いやしのねがい	-	100	次に登場した味方のHP・状態異常を全回復する
	変化	みかづきのまい	-	100	クレセリア専用、次に登場した味方のHP・PP・状態異常を全回復する
あく	変化	おきみやげ	-	100	相手の攻撃・特攻をそれぞれ2段階下げる
フェアリー	特殊	ミストバースト	100	100	ミストフィールド下の場合威力1.5倍、特性「しめりけ」持ちがいた場合は不発

行動不能系

タイプ	分類	わざ	威力	命中	備考
ノーマル	物理	ギガインパクト	150	90
	特殊	はかいこうせん	150	90
ほのお	特殊	ブラストバーン	150	90	炎御三家の最終進化形専用
みず	特殊	ハイドロカノン	150	90	水御三家の最終進化形専用
くさ	特殊	ハードプラント	150	90	草御三家の最終進化形専用
かくとう	物理	スターアサルト	150	100	ネギガナイト専用
エスパー	特殊	プリズムレーザー	160	100	ネクロズマ専用
いわ	物理	がんせきほう	150	90
ドラゴン	特殊	ときのほうこう	150	90	ディアルガ専用
	特殊	ムゲンダイビーム	160	90	ムゲンダイナ専用、『剣盾』でのみ使用可能

能力低下系

タイプ	分類	わざ	威力	命中	能力変化	備考
ノーマル	変化	からをやぶる	-	-	防御・特防1段階ダウン、攻撃・特攻・素早さ各2段階アップ
ほのお	特殊	オーバーヒート	130	90	特攻2段階ダウン
	物理	Vジェネレート	180	95	防御・特防・素早さ各1段階ダウン	ビクティニ専用
	特殊	アーマーキャノン	120	100	防御・特防各1段階ダウン	グレンアルマ専用
くさ	特殊	リーフストーム	130	90	特攻2段階ダウン
こおり	物理	アイスハンマー	100	90	素早さ1段階ダウン
かくとう	物理	ばかぢから	120	100	攻撃・防御各1段階ダウン
	物理	インファイト	120	100	防御・特防各1段階ダウン
	物理	アームハンマー	100	90	素早さ1段階ダウン
じめん	物理	ぶちかまし	120	100	防御・特防各1段階ダウン
ひこう	物理	ガリョウテンセイ	120	100	防御・特防各1段階ダウン	レックウザ専用
エスパー	特殊	サイコブースト	140	90	特攻2段階ダウン	デオキシス専用、『剣盾』で使用不可
ゴースト	変化	のろい(ゴーストタイプ以外)	-	-	素早さ1段階ダウン、攻撃・防御1段階アップ
ドラゴン	物理	スケイルショット	25	90	防御1段階ダウン、素早さ1段階アップ	2~5回の連続攻撃
	特殊	りゅうせいぐん	130	90	特攻2段階ダウン
	特殊	スケイルノイズ	110	100	防御1段階ダウン	ジャラランガ専用
あく	物理	いじげんラッシュ	100	必中	防御1段階ダウン	ときはなたれしフーパ専用
はがね	物理	ホイールスピン	100	100	素早さ2段階ダウン	ブロロン・ブロロローム専用
	特殊	ゴールドラッシュ	120	100	特攻1段階ダウン	サーフゴー専用
フェアリー	特殊	フルールカノン	130	90	特攻2段階ダウン	マギアナ専用

その他

タイプ	分類	わざ	威力	命中	デメリット	備考
ノーマル	物理	あばれる	120	100	2~3ターンの間命令・交代できない、使用後こんらん状態になる
	特殊	さわぐ	90	100	3ターンの間命令・交代できない	発動中のポケモンが場にいる間は場のポケモンはねむり状態にならない
	特殊	ブラッドムーン	140	100	連続使用不可	ガチグマ(アカツキ)専用
ほのお	物理	だいふんげき	120	100	2~3ターンの間命令・交代できない、使用後こんらん状態になる
	特殊	もえつきる	130	100	使用後バトル終了までほのおタイプを失う、自身がほのおタイプでない場合不発
でんき	物理	でんこうそうげき	120	100	使用後バトル終了まででんきタイプを失う、自身がでんきタイプでない場合不発	パーモット専用
くさ	特殊	はなびらのまい	120	100	2~3ターンの間命令・交代できない、使用後こんらん状態になる
かくとう	変化	はいすいのじん	-	-	交代・逃走不可	タイレーツ専用、自身の攻撃・防御・特攻・特防・素早さを各1段階アップ、一度効果が発動すると以降不発
エスパー	変化	ねむる	-	-	2ターンの間ねむり状態になる	自身のHP・状態異常を全回復する、ねむり状態を無効にする特性の場合不発
ドラゴン	物理	げきりん	120	100	2~3ターンの間命令・交代できない、使用後こんらん状態になる
	物理	きょけんとつげき	120	100	次に自分が行動するまで相手の攻撃が必中かつ威力2倍	セグレイブ専用
あく	物理	くらいつく	80	100	どちらかのポケモンがたおれるまで交代・逃走不可
はがね	物理	デカハンマー	160	100	連続使用不可	デカヌチャン専用