基礎データ
概要
初登場はRSE(第三世代)。
真っ黒な甲羅と赤褐色の身体を持つ陸ガメのような姿のポケモン。
名前の由来はCoalもしくはKoks(それぞれ英語、独語で石炭の意味)+Tortoise(トータス、英語で陸ガメの意味)、または+ チャコール (炭、木炭)だろうか。
頑強な甲羅には大きな六角形の穴が規則正しく開き、内部は燃焼炉のような役割を成す空洞となっている。そこへ山を掘っては見つけた石炭を入れて燃やし続ける事で、自らの生命エネルギーとする生態を持つ。
のちに石炭モチーフのタンドン系譜が登場しているが、野生下ではどういう関係にあるのかは不明である。
石炭が足りないと元気がなくなってしまい、ヒトカゲの尻尾同様、体内の炎が消えると死んでしまうとされている。そのため常に石炭を求めて動いており、使われなくなった炭鉱には石炭を求めて大量のコータスが集まる事があるとか。
外敵に襲われた時には多くの石炭を燃やして力を高めたり、黒い煙を甲羅や鼻から噴き出して敵の目を眩ませて逃走する。また、鼻から噴き出す煙は機関車の警笛に似た音を発する。
RS時代のドットが大きめに描かれてた為に勘違いする人も居るが、実は大きさがゼニガメと同じとかなり小柄。しかし、その割に異様に体重が重い。その一方で、全ての最終形態亀ポケモンの中では最も軽量であり(80.4kg)、素早さ種族値は進化前も含めて最も遅い(20)。
歴代亀ポケモンでは、第7世代にて近縁種にあたるバクガメスが登場するまで唯一の無進化だった。
ちなみに『ポケモンレンジャーバトナージ』ではマグマを渡るための乗り物役であった…浦島太郎が見れば腰を抜かすに違いない。
色違いは体が金色になる。なんだかおめでたい。リクガメは長命な種が多いが、コータスの寿命は現時点では公式な設定がない。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 85 | 140 | 85 | 70 | 20 | 470 |
ステータスは「ぼうぎょ」が飛びぬけて高く、攻撃面がそこそこと言った所。一方、「すばやさ」はかなりの鈍足で、素でカビゴンすら抜けない。
同じすばやさ帯にはナットレイが存在し、コータスも同じ水準でジャイロボールが打てる。
前述通り「ぼうぎょ」がかなり高いので、タイプ不一致の「じしん」は結構耐えてしまう事もある。
遅さを生かし、「のろい」を積む機会があれば言う事なしである。
だが、ほのおタイプ故か弱点がどれもこれもメジャーなため、物理受けは厳しい。
特性「しろいけむり」は「クリアボディ」と同じく相手に能力を下げられない効果を持ち、なかなか優秀。
技の方もほのお技に加え、「じしん」「ストーンエッジ」「だいちのちから」「ソーラービーム」「てっぺき」「ドわすれ」「あくび」「ステルスロック」を覚えるなど意外と器用。
但し、ほのお物理技に恵まれず、最大威力は「かえんぐるま」止まり。特殊技はこれでもかと言うほどあるのに。
また、「ほえる」や「ふきとばし」を覚えないのはマイナス点。「あくび」使いとしてはこの点でカビゴンやカバルドンに劣る。
更に特性として「ひでり」。晴れパの起動役として、需要が大きく高まった。
天候を書き換える特性(「あめふらし」、「ゆきふらし」、「すなおこし」等)同士が先頭でぶつかった場合、素早さの遅い方の天候が優先されるのルールから、コータスの鈍足が逆にメリットとなるのである。
しかもこいつは「ふんか」を覚える。「とくこう」も悪くないので「はれ」下+最大威力で決まってしまえば物凄い火力になる。
「トリックルーム」の他「ようりょくそ」+「おさきにどうぞ」等のコンボが考案され、現在ダブルの第一線で活躍真っ最中である。
だが、第6世代以降、天候を発動させる特性が「天候は永続ではなく5ターンまで」という弱体化を受けている点に注意。まあ永続してたのがおかしいのだが。
あのコータスがこんなに出世するなんて……
しかし、マグカルゴ以上の鈍足である為、抜ける相手が他の「からをやぶる」使いよりさらに狭まる点、本来物理弱点を耐えて反撃する事が強みとなっているにもかかわらず、耐久を犠牲にしなければならない点を考えると、若干使い辛いかもしれない。
だが、持ち物に「しろいハーブ」を持たせておくと、下がった防御力が元に戻る上に、特性のお陰で相手によって無駄に発動する事も無いので、純粋な火力アップ技となる。
『ポケモン剣盾』で弱体化されるかと思えば全くそんなことはなく、新たに「ボディプレス」や「しっとのほのお」を獲得し、ダイマックス対策として有用な「あくび」も覚えられ、しかも天候要員の交代出しによって「ようりょくそ」が即座に発動できることから、耐久が高いコータスは後出し天候起動要員としてバンギラスなどと共に更に多く起用されるようになった。
特に「ボディプレス」はぼうぎょが高いコータスと非常に相性がよく、前述したバンギラス等いわタイプに対する強烈な役割破壊にもなる。晴れパが若干苦手なサザンドラやガオガエンに刺せるのもポイント。
こうしたことからアタッカーだけでなく上記3つの技+「まもる」を覚えさせた耐久型の開発も進められた。
ちなみに「ボディプレス」と同時期に確定急所技を覚えるウーラオスが登場した事で、隠し特性の「シェルアーマー」の評価が少し上がった。てっぺきが要塞化と「ボディプレス」の火力UPを兼ねる事、受けポケモンが恐れる急所負けを特性で防げる事が噛み合った結果である。
フシギバナ・リザードンが超強化されたことも手伝い、ダブルバトルにて使用率トップテン入りしただけでなく、2020年9~10月のランクバトルにて名誉の禁止ポケモン認定、更には2020年8月に行われたポケモン日本一決定戦にてコータス入り晴れパがシニア・マスターの2つのカテゴリーで優勝というとんでもない栄冠を勝ち取ったのである。
シニアではバンギラスを「ボディプレス」で薙ぎ倒す、マスターでは「あくび」を相手ポケモンに的確に刺して動きを止めるなどパーティの核として大活躍を果たした。
遂には竜王戦ルールにおいては2天候パーティの晴れ要員としてカイオーガと共存まで始めた。グラードンは泣いていい。
第9世代でも無事内定し、更にSV発売時点で唯一のひでり要員となった。
過去作から「じばく」を没収され自己退場手段が減ったのは痛い(一応オーバーヒートでだっしゅつパックを発動すればとんぼがえりじみた動きは可能)が、ステロ欠伸を始めとした場作り&対面操作能力と、ひでり+タイプ一致炎技(+テラスタル)の火力押し付けの択を迫れるポテンシャルは健在。
C特化「こだわりメガネ」コータスの晴れテラスタル「ふんか」はH252D4ラウドボーンを10/16の乱数で1発に仕留めるほど(耐久振りかつ半減である)なので、「トリックルーム」を展開すれば誇張でも何でもなく相手が物理耐久型主体の選出の場合は3タテも夢ではない。
更に今作はパラドックスポケモン達の特性こだいかっせいが、ブーストエナジーの他にひでりでも発動する事が判明。
晴れパや古代ポケモン主軸のパーティでは今作も大いにお世話になるだろう。
ちなみにコライドンも上位互換のひひいろのこどうを持つが、あちらは禁止級であるのと天候取りとしては高すぎる素早さから差別化は容易。
すごいとっくんが可能になる最低レベルが50に引き下げられたため、AS0さえ粘れば比較的楽に個体を用意することができるようになり、トリパで使う場合を考えたら中々個体調達事情が改善されたと言える。
シングルバトル・ダブルバトル問わず初期環境では晴れパやトリパを中心に使われる。このポケモンのほのお超火力の存在が、グレンアルマ、ソウブレイズといった新規「もらいび」ポケモンに独特の価値を与える要因となっており、やや誇張かもしれないがコータスのおかげでウインディの特性候補に「もらいび」が挙がるようにもなっていると言われる。
使用トレーナー
ゲーム版
- アスナ:ジムリーダー(ホウエン)※1
- ハルカ:RSE・ORASライバル
- パキラ:四天王(カロス)
- AZ:ポケモントレーナー
- カブ:ジムリーダー(ガラル)※2
- キバナ:ジムリーダー(ガラル)※2
- マタハリ:ジムチャレンジャー
- メロコ:スター団・ほのお組チームシェダルボス
※1:切り札として使ってくる。「オーバーヒート」は威力140(ORASでは130)と一撃必殺レベルなので注意。
※2:カブはクリア後のトーナメントで、キバナはチャンピオンカップファイナルトーナメントとクリア後のトーナメントで使用する。クリア後のトーナメントではどちらも日照り要員として先鋒で出してくる。なお、DLCにてカブが天候変化を理由にキバナにコータスを薦めた事が明らかとなった。
アニメ版
- サトシ
- アスナ(AG)
- カメマスター(新無印58話)
漫画版
- ホムラ(ポケスペ)
番外作品
『ポケモン不思議のダンジョン』
ポケモンSMよりも11年ほど前、2005年に発売された「赤・青の救助隊」でも実は最強クラスのポケモンとして君臨していた。
HPを筆頭に割と高めなステータスを備える上に、特性「しろいけむり」のお陰で能力を下げられることがないため安定した冒険が可能。特に本家シリーズより大きく強化された「いやなおと」をシャットアウトできるのは非常にありがたい。
習得技も攻撃面はPPの多い「ひのこ」・直線攻撃の「かえんほうしゃ」・部屋全体攻撃の「ねっぷう」を取り揃え、防御面も「てっぺき」「のろい」「ドわすれ」「えんまく」など全く隙無し。
しかも「ねっぷう」が多重習得可能ときている。
また、本作屈指の強敵カクレオン狩りが非常に安定するポケモンの1匹でもある。
各種積み技で防御面は万全、カクレオンの「いやなおと」は特性で受け付けず、扱い易い範囲技「ねっぷう」で集団相手でも全く問題なしと至れり尽くせり。
同等クラスの条件が揃うのは他にレジスチルくらいであり、あちらは範囲技がやや扱いづらい「じしん」しかないのでコータスが1歩リードと言えるだろう。
欠点としては、レベルアップの遅さからLv1ダンジョンでの活躍は全く期待できないことだろうか。
救助隊シリーズで強力すぎたためか、次回作の探検隊シリーズではステータス調整などの弱体化を受けてしまった。
それでも特性や範囲技の安定感は据え置きであり、十分な強ポケモンと言えよう。
『ポケモンGO』
何と南アジア限定ポケモンとなっている。インドやタイなどの国に行かないと手に入らない。
旅行で訪れる際は探してみるのもよいだろう。
『ポケパークWii』
マグマゾーンに登場。
ストーリーの都合上溶鉱炉に「てつのかたまり」を運ぶ必要があるのだが、鍛えてやるという名目で運搬中のピカチュウに体当たりを仕掛けてくる。
本ゲームでは運搬中は歩行速度が遅くなること、溶鉱炉までの距離が長いことを踏まえるとなかなかに面倒くさい。
ちなみにパラメータという点において、このコータスの行為によって鍛えられるものは特にない。
『ポケモンカードゲーム』
基本的に特筆すべきほど強いカードは出ていないのだが、登場初期はなぜか闘タイプとして扱われているカードが存在した。
よりにもよって「サトシのコータス」のカードも闘タイプであり、制作側の勘違いがあったと考えられる
アニメ版
サトシのコータス
CV: 三木眞一郎
AG編58話から登場。
鋼の谷に迷い込み、そこに住むはがねタイプのポケモン達に襲われていた場面をサトシ達に保護される。ゲットする前からサトシとの息がぴったりであった為、彼のポケモンとなった。
穏やかな性格だが非常に涙脆く、何かと感動したりもらい泣きしたりする度に黒いススを吐き出し、まわりの者たちを真っ黒にしてしまう。
動きは鈍くとも「オーバーヒート」等の強力な炎技を使いこなせるパワーがあり、「てっぺき」のおかげで防御にも優れる。
しかし機動力が低いためか、公式戦の勝率はかなり低く(判明しているのはセンリのナマケロと、テツヤのダーテングぐらい)、ネット上でザコータスと揶揄されることも。ただし、同じ傾向がみられるサトシのドダイトスとは異なり、ジャンプをしたときの移動の速さや高度はそれなりにあり、技の回避が完全にできないわけではない。また、ホウエンリーグまでは一バトル中「オーバーヒート」(ゲームでは使うたびに自分のとくこうがさがるわざ)を何度も使うことが多かったことを踏まえるとバトル中の火力低下も勝率の低さに関わっている可能性がある。事実オーバーヒート使用後にわざを相手に相殺、打ち破られるケースも多かった。
しかしシンオウリーグで久々に登場したときには、タクトのダークライにかえんほうしゃをあくのはどうで押し切られて僅か数十秒で出番終了。
ダークライの強大さを知らしめるためとは言え、オーバーヒートも使っていないのにこの悲惨な扱いである…
これを始めとした散々な戦績が祟ったのか、ゴウカザルの練習相手を唯一努めていない。
ゲンガーを鍛える際にはちゃんと登場しており、それ以降も他のサトシのポケモン達と共にテレビ観戦していた。
ちなみにXY編でヒノヤコマを手に入れるまで、サトシがゲットしたほのおタイプのポケモンの中で、唯一御三家ではないと言う珍しいポジションだった。
さらにサトシの歴代ポケモンでは、素早さ種族値が20と、ガントルと最下位タイである(進化前も含めると、15のダンゴロ)。
関連イラスト
関連タグ
亀ポケモン仲間
天候パの要たち
- ひでり:グラードン キュウコン コータス メガリザードンY
- あめふらし:カイオーガ ニョロトノ ペリッパー
- すなおこし:バンギラス カバルドン ギガイアス
- ゆきふらし:ユキノオー バイバニラ アマルルガ アローラキュウコン
石炭仲間
同ほのお単タイプ
亜種
マグマ・タートル(『髑髏島の巨神』)