概要
語源は古代中国の人相学。
黒目が上にあり、左右と下に白目が広がっている様に見えるので、これを称して「三白眼(=上下左右のうち、下左右の三方が白眼)」と呼び習わす。
稀に黒目が下寄りの上左右の開けた三白眼の場合、中央以外の上下左右(四方)が白い「四白眼」と言い、現実には少ないがマンガのキャラクターにはよく見られる。
実際のところ、人間の黒目は老若男女、約1.1㎝で顔の他の部位と比べても個人差が少ない(目や顔の大きさで小さく見える)、漫画やイラストに描かれるような極端な三白眼はデフォルメ表現の一種と言える。
標準的な容貌のヒトが正面を向いているときは、黒目の下端と下瞼がちょうど外接する配置になると言われており、個人差により(文字通り三方に白目があるという意味で)三白眼の人物もいる。三白眼でない人でも視線を逸らす、目を見開く、意識的に相手を睨みつけるというような場合は黒目と下瞼の接しない三白眼の状態になる。
三白眼は凶相か?
日本ではよく「三白眼は犯罪者の目付き」などと揶揄され一般的には凶相、いわゆる良くない人相(悪相)と評価される場合が多い。
しかしその起源となっている東洋人相学では「三白眼=凶相」という様な定義は無く、現代の市井の易者や人相鑑定などでも、三白眼なので運勢が悪いと判断する事も無い。むしろ三白眼は常人を超越した英雄的な人物に多い、良相と捉える学派も多くある。また通常、人相学では目の相だけでその人全体を判断する事は無いので、目付きが悪いので悪人という発想は無い。
三白眼は通常、感情が理性を上回った状態であると判断するので、ここから自分の衝動を抑えられない~即ち、激情に駆られて犯罪を犯してしまう人間という発想が伝搬し、都市伝説の様に語られるうちに半ば常識化してしまったものと考えられる。
漫画的表現としての三白眼
漫画的表現において、白目の多い目は表情を強く表現する性質がある。黒目ばかりの目は表情が読み取りづらく底知れぬ不気味さを与えるため人外不適や狂人の表現に用いられてきたが、逆に黒目が小さい三白眼は睨みつけるような攻撃的な印象を強く表現するため、古くからコミックなどのデフォルメ表現では、“凶暴”や“陰険”や“強情”などといった、負の感情を強調する符号としても用いられる様になり、多くの学園モノやヤンキー漫画などでは、半ばデフォルトのキャラクターイメージとして定着している。
また作者によっては単純にデフォルメ化、記号化されたコミック表現の中でのバリエーションの一つとして三白眼を用いる事も多く、作者の画風によっては登場人物のほとんどが三白眼風に描かれる事もある(『アカギ』など)。
一方で、古典的な「悪役の目付き」というイメージを逆手にとって、味方キャラクターの人相に用いる場合もある。この場合は「(根暗、天邪鬼など)ネガティブな感情を持つが、根はいい人」「逆境にも負けない」「意志が強い」というキャラクター像にも用いられる。
しかし、三白眼でポジティブな感情やヒーロー的なイメージを表現することもある。『ONEPIECE』などでは主人公キャラクターの「意志の強さ」と共に「底抜けの明るさ」を表現するために、表情や目線が曖昧になる極端に黒目の小さい四白眼を用いている。
最近ではライトノベルやハーレム作品の主人公役に抜擢される機会も多い。前述する「意志が強い」「根は良い人」というイメージに基づき、三白眼とは対照的に目が大きい美少女とのカップリングも定番となっており、キャラデザ次第では美女と野獣にもなる。
主な三白眼のキャラクター
多分に四白眼を含む。
複数いる作品
※アニメ版。
大和田紋土 | 左右田和一 | 田中眼蛇夢 |
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ダンガンロンパ | スーパーダンガンロンパ2 | スーパーダンガンロンパ2 |
※アニメ版。