基礎データ
全国図鑑 | No.0887 |
---|---|
ガラル図鑑 | No.397 |
パルデア図鑑 | No.307 |
ローマ字表記 | Dorapult |
分類 | ステルスポケモン |
タイプ | ドラゴン/ゴースト |
高さ | 3.0m |
重さ | 50.0kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
特性 | クリアボディ/すりぬけ/のろわれボディ(隠れ特性) |
タマゴグループ | ふていけい/ドラゴン |
海外での表記
ドイツ語 | Katapuldra |
---|---|
英語・スペイン語・イタリア語 | Dragapult |
ドイツ語 | Lanssorien |
韓国語 | 드래펄트 |
中国語(簡体字) | 多龙巴鲁托 |
中国語(繁体字) | 多龍巴魯托 |
進化
概要
ドロンチの進化系で、ドラメシヤの最終進化形。
頭部がさらに発達し、ディプロカウルスと全翼機を合わせたような形状になった。名前からしてカタパルトもモチーフになっていると思われる。
進化したことで手足ははっきりと指が生え、より爬虫類然とした姿になった。
ただし進化前からゴーストポケモンのためか、翼が無くとも宙に浮いている他、尻尾の先は半透明のままである(あるいは角自体が翼と見るべきであろうが)。
形状と「ステルスポケモン」という分類から考えると、元になった機体はB-2だろうか。
アメリカのステルス爆撃機であり、愛称は「スピリット」すなわち魂。かつて生息していたポケモンの霊魂であるという設定とも関連性を感じさせる。
その分類は伊達ではなく、意識を研ぎ澄ますことで(中のドラメシヤごと)全身を透明にするゴーストらしい能力を持つ。
頭の側面からは全翼機の翼のような角が生え、その上には三角のミサイルポッド状になった二対の突起がついている。この突起は中が空洞になっており、野生の個体はこの空洞にドラメシヤを入れて生活する(ゲームモデルでは内側の大きい方に1匹ずつ入っている)。その様子は自身も航空機モチーフでありながらさながら空母のよう。
ちなみに、上述の名前の由来の一つであろうカタパルトを含め現代空母に欠かせない機能、ひいては空母そのものを最初に実用化したのはガラル地方のモチーフとなったイギリスだったりする(こいつのモチーフの氷山空母も英国が考えていたもの)
戦闘ではこのドラメシヤをミサイルのようにマッハのスピードで飛ばす「ドラゴンアロー」を得意技とする。中の子たちにとってはいい迷惑かと思いきや、逆に撃ち出されるのを心待ちにしているとか。
加えて群れの中で一番速い個体は、音速飛行を体感したいドラメシヤ達に懐かれ囲まれているなど、総じて仲間意識の強い種族として描写されている。
ちなみに高さは3.0mもあり、600族では最大の大きさを誇る。なんと伝説のポケモンであるゼクロム(2.9m)やコライドン(2.5m)よりもデカい。
ただしこれは尻尾を含めた全長だと思われるので、尻尾を丸めているゲームモデルではそこまで大きく感じない。
しかし亡霊ポケモンだからか、この大きさで重さはわずか50kgと600族最軽量。
進化レベルは60。これはサザンドラの64に次いで2番目に遅い。
但し野生のドラメシヤ、ドロンチが50レベル代で出現し、今作はレベル上げがしやすい関係上進化はさせやすい部類ではある。
色違いは赤い部分が黄色くなる。ついでに乗っているドラメシヤも色違いになっている。
海外での名称の由来
- 英名や独名の由来は日本版と大して変わらないと推測される。
- 仏名はlancer(発射する)+frisson(身震いする)、saurien(サウルス(トカゲの事))に由来すると思われる。
- 両生類モチーフがサウルスとは?と疑問に思われるかもしれないが、サウルスという名詞は実は両生類や哺乳類にも付けられているという前例がある(バシロサウルスなど)。そもそも、ドラパルトはドラゴンタイプなので名前の由来がsaurienだったところでなんの問題もない。
- ちなみにLancerには槍騎兵の意味もあるが、アメリカ空軍の戦略爆撃機B-1の愛称がこの「Lancer」であり、これが元ネタとも推測される。
ゲーム上における特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
88 | 120 | 75 | 100 | 75 | 142 | 600 |
ギラティナ以来となるドラゴン/ゴーストの複合を持つ、第8世代の600族枠。
配分は特に素早さに大きく振られており、脅威の素早さ142。文句なしの600族最速であり、この素早さを越えるポケモンは第9世代現在でもかなり限られる。
攻撃・特攻共に十分ではあるが、そのしわ寄せもあり耐久は物理・特殊両面で低め。
物理技に関してはドラゴン技は専用技の「ドラゴンアロー」が独特の性能を誇る反面、ゴースト技は「シャドークロー」を覚えず「ゴーストダイブ」が推奨されるレベルのため、ダイマックス状態以外での運用は癖が強い。
特にそのダイマックスすらない第9世代ではゴースト技は切る事すら考えられる。
その他の候補として、交代技の「とんぼがえり」や壁破壊の「サイコファング」、持ち物に関わる技である「どろぼう」や「アクロバット」など。
しかし「じしん」・「ばかぢから」・「アイアンヘッド」と言った、これまでのドラゴンタイプの物理アタッカーが覚えられた有用なサブウェポンを覚えないため物理技が足りない。 第9世代でもほとんど改善されていない。
一方特殊技では、タイプ一致技の「りゅうのはどう」や「りゅうせいぐん」、「シャドーボール」や「たたりめ」、更にサブウェポンでは、ほのおタイプ・みずタイプ・でんきタイプの三大高威力技「だいもんじ」「ハイドロポンプ」「かみなり」、三大安定技「かえんほうしゃ」「なみのり」「10まんボルト」などレパートリーが広い。
また、ゴーストタイプらしく「おにび」、「でんじは」、「リフレクター」、「ひかりのかべ」や、タマゴ技経由で「のろい」、「おんねん」、「あやしいひかり」など、変化技も色々と覚える。何気に唯一「りゅうのまい」+「バトンタッチ」のコンボができるポケモンのため、後続のサポート役を担うことも出来る。
高い素早さを活かして多彩な行動を取る事こそがドラパルトの強み。
物理・特殊・補助をそつなくこなせるため、行動が読みづらいと言う点も大きい。
欠点としては高威力(具体的には威力80以上)な技が、特殊技は充実しているのに対し物理技が少ないために、高い攻撃を活かしにくいこと。
「かみつく」(威力60)は覚えるが「かみくだく」や「じごくづき」(共に威力80)は覚えず、はがね技は「はがねのつばさ」(威力70)は覚えるが「アイアンヘッド」(威力80)は覚えない。またゴースト/ドラゴンというタイプの特性上、等倍範囲が広い分一致弱点を取れる範囲が3タイプしかないため意外と火力不足を感じることも。
また、高攻撃低耐久のゴーストタイプ故に「イカサマ」は天敵中の天敵であり、先制技故に高い素早さを生かせない上にあくタイプで弱点を突かれる「ふいうち」もまた危険。一応、自身も「ふいうち」を覚えることはできるが。
加えて、かくとうタイプの技を一切覚えられないためバンギラスを相手にするのは厳しい。ズガドーン対バンギラス程の詰みまではいかずとも、バンギラス側もそれは重々承知なので意識したいところである。
そのためタイプで受けない相手、つまり数値受けがとにかく苦手。
また、器用万能型ではよくある事だが型さえ分かれば対処は容易なため、600族らしいポテンシャルの高さを持ちながらもそこまで理不尽さは無いと言っていい。
第8世代(ソード・シールド)
初登場の世代。
体力を倍にして耐久を補える上に、相手の攻撃を下げる事で耐久をさらに補えるダイドラグーンをタイプ一致で撃て、ゴーストダイブもダイホロウにできるダイマックスとの相性は良い。
反対にダイマックスを相手にするときはゴーストダイブでターン数を稼げるため、ダイマックスの仕様との相性は良い。
対戦では600族らしい高いポテンシャルと素早さ、豊富な技に対して止められる相手が限られている事も相まって、第8世代ではシーズン1~シーズン6までシングルバトル使用率1位を維持しており、環境の最上位に君臨していた。
が、7月にリベロエースバーンが登場・DLCでドラパルトストッパーとなり得るポケモンが次々と帰還・更に素早さでも特性で先手を取ってくる相手が復活し、その活躍が陰り出す。
加えてそれまで採用率上位を突き進んでいたことが災いしてシリーズ6で使用不可に。
冠の雪原では、準伝説ポケモンやドラパルトを上回る素早さ持ちのポケモンが多く登場したことで、努力値を最速にしなくても上を取れていた時代は完全に終わりを告げた。
が、高い素早さから豊富な型で相手を翻弄できることに変わりはなく、徐々に使用率は上向きになってきている。使用率は最終的に10位代前半まで伸びた。
しかし、禁止伝説まで解禁されたとなるとパワー不足が露呈しだす羽目に。
ダブルバトルでも味方からのバフを受けた後に「クリアボディ」により相手からデバフから自身を守れるということで、通常環境の最前線に立った。
特にエルフーンの「いたずらごころ」による優先度の乗った「ふくろだたき」で「じゃくてんほけん」を発動する「エルフドラパ」には、両者の速度とドラパルトのバフ後の火力もあって相手の行動を上から叩くことでスキップできるという強みがあった。
余談だが、マックスレイドバトルに関して2020年4月28日から始まった「ランクバトルで人気のあるポケモン」がピックアップされた際に当然ながらこのドラパルトも対象に入っていたのだが、キョダイマックスポケモン並みの手強い相手とプレイヤーの間で話題になっていた(特に最高難易度の★5)。
平等な条件で戦う普段の対戦とは異なり、マックスレイドバトルでは元よりHPが底上げされていることに加え、ダイマックス状態の永続、不思議なバリア、ダイマックス技と通常技の使い分け、ステータス異常の無効化といった独自の仕様が存在するため、かなりの強敵としてプレイヤーに立ちはだかることになった。
特にドラパルトは持ち前の器用さをいかんなく発揮してしまっており、実に面倒な敵になってしまう事になった。
第9世代(スカーレット・バイオレット)
本作ではバイオレット版限定のポケモンとなっており、スカーレット版をプレイしているプレイヤーは誰かから譲ってもらうか、オンラインでドラパルトのテラレイドバトルに潜り込んで捕まえる意外に入手方法がない。
一応、救済措置として期間限定ではあるものの配布されたことがあるので、この個体を受け取っておけば問題はないか。
強力な新技や範囲のフォローもないまま、ダイマックスが廃止。
一方、テラスタルによってより型が読まれづらくなった。
テラスタイプドラゴンとなることでドラゴンタイプの火力を底上げすることができ、「こだわりハチマキ」型は「ドラゴンアロー」によって生半可な耐久・速度のポケモンの居座りを許さなくなった。
「やけど」や「アーマーガア」などのはがねタイプへの対策となるテラスタイプほのおも有力。
テラスタルは圧倒的な素早さからの「みがわり」とも好相性で、相手の攻撃を無効化するタイプに変化してみがわり人形を残すことで「りゅうのまい」を積む隙が作れる。
一方、「ゴーストダイブ」がすこぶる使いにくくなりまともなゴースト物理技がなくなってしまったため、ゴースト物理技が欲しいとなると必然的にテラスタイプがゴースト固定になってしまうのが地味に痛い。
シーズン1では最終的にサーフゴーに次ぐ2位と、好調なスタートを切った。
が、テラスタルや環境との噛み合いの悪さやレギュレーションBにおける難敵にして枠を競合するハバタクカミの追加、レギュレーションCにおける四災の登場、レギュレーションDにおけるいちげきウーラオスやガチグマ、レギュレーションEにおけるアカツキガチグマ、レギュレーションFにおけるアシレーヌやガオガエンの追加などもあり採用率は低下の一途を辿る事となってしまった。
環境の変遷で火力不足が露呈し始めた事もあり、シングル・ダブル共にアタッカーはこだわりハチマキを持ち出す事が多くなり、サポーター採用されるケースも増え始めている。
それでも30位以内に入る辺りはさすが600族と言うべきだが、第8世代ほどの勢いはなくなったと言ってよく、「すりぬけ」や「ドラゴンアロー」を活かした対「みがわり」特化型に舵を切りつつある。
藍の円盤では自身の優良な複合タイプを活用できるステラテラスタイプが登場。テラスタイプの1つの選択肢にはなったが、根本的な技周りの不便さは変わらず、これ自体も強化としては劇的ではない。
レギュレーションGではコライドンやミライドン、こくばじょうバドレックスが「こだわりスカーフ」を巻くことも珍しくなくなり、下手すればS種族値142が全く役に立たない状況になった。
この世代での見せ場はPWCS2023環境。超速が売りのドラパルトで上から殴り、いざという時は相手の「おいかぜ」への返しとしてリキキリンの「トリックルーム」でドラパルトを下から動かす「ドラパキリン」が台風の目となり、このコンビがWCS2023世界大会準優勝の実績を残した(上記の配布個体はこの時に使用された個体の再現である)。
使用トレーナー
番外作品
『ポケモンユナイト』
- 2022年12月29日に、4体目の600族として実装。遠隔物理のアタック型で、中級者向けとなっている。
- 通常攻撃はジュナイパーのようにスタック持続式となっており、強化攻撃を連射できるのが特徴的。強化攻撃1発当たりのダメージはやや控えめだが、連射に加え範囲にヒットする性質を持ち、集団相手に効果的。更にユナイトわざの待ち時間が12秒という大きな特徴を持つ。
『ポケモンマスターズ』
- 2023年7月31日に『悪の組織・ガラル編(後編)』に合わせてダンデ(アナザー)のバディで実装。シンクロ技により相手全員に攻撃しつつ、3種類以上の能力をダウンすることが可能。「ダメージ貫通攻撃」のパッシブスキルも強力なドラゴンタイプのテクニカルタイプ。
『ポケモンGO』
- 何故か未だに実装されていない。一方で次回作の600族であるセグレイブはしっかりと実装されたので、完全に後れを取る結果となってしまった。とは言え、ガラル地方初出のポケモン自体の多くが未実装のままである(そもそもガラル御三家すら実装されていない)。
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
- ダンデのドラパルト
- 新無印にてゲーム同様にダンデの手持ちの個体が登場。リザードンに次ぐ飛行要員とも見られる。初登場の43話暴れ回っていたキョダイマックスセキタンザンを大人しくさせるため、サトシのゲンガーと共闘した。
- マスターズトーナメントでのカルネ戦では(ロケット団のダイジェスト)によるとルチャブルを撃破したが、ガチゴラスに倒された模様。
- サトシとのバトルでは、ドラゴンテールの強制交代を連発してサトシを「翻弄」し、しっかりダメージを蓄積させていくという厄介さを見せた。特殊技の連発でメガルカリオさえも完封するが、カイリューのちきゅうなげじみた「カイリューせいぐん」戦法の前に敗れ去った。
- 使用技は「ドラゴンアロー」「かえんほうしゃ」「10まんボルト」「ドラゴンテール」。剣盾初期のランクバトルにいた両刀型と似た技構成をしていた。
『薄明の翼』
第7話『空』でもダンデの手持ち個体が登場。キバナのフライゴンを狙ってドラゴンアローで飛ばしたドラメシヤ達をよく見ると、2匹が競った後にぶつかって爆発している。
『ユメノツボミ』
終盤でツボミのママの手持ちとして登場。
かつてパパのちょろび(リザードン)とガラルリーグで対戦し、素早い動きでちょろびを翻弄し打ち破った。現在は頭部にドラメシヤがおらず、既に巣立っている・今はバトルから退いていると推察できる。
余談
同じく600族であるガブリアスとは素早さで関連性が見られる。
というのもガバイトとドラメシヤは共に素早さ82、ガブリアスとドロンチは共に素早さ102となっているのだ。600族の高速物理アタッカーとして意識したのだろうか?
『剣盾』ではドラパルトとカブるためか、過酷な寒冷のためか、はたまた対戦環境の調整のためか当初はガラル地方に出現しなかったが、有料追加コンテンツ『冠の雪原』にて復帰が決定。次回作『スカーレット・バイオレット』でも、ドラパルトが『バイオレット』限定になってしまったが共演を果たしている。
戦闘機モチーフ対決と洒落こむのも一興だろう。
600族でも指折りの扱いやすさ、対戦選出率の高さは元より、カッコ良いともユーモラスともとれる容姿に、仲間意識や家族愛の強いキャラクター像から、第8世代の中でもかなりの人気を得ているポケモン。
その為かポケモン・オブ・ザ・イヤーにて総合では11位に終わるもガラル地方のポケモン(メルタンとメルメタルを含む)の中ではなんと堂々の1位を獲得した。
ポケモン剣盾の公式サイトやアニメすら載せてないポケモンが下克上を果たすという結果となった(ちなみに2位は同じく事前情報が無かったストリンダー)。
関連イラスト
関連記事
0886.ドロンチ→0887.ドラパルト→0888.ザシアン/れきせんのゆうしゃ/けんのおう
同複合タイプ
600族
世代 | ポケモン |
---|---|
1 | ミニリュウ→ハクリュー→カイリュー |
2 | ヨーギラス→サナギラス→バンギラス(メガバンギラス) |
3 | タツベイ→コモルー→ボーマンダ(メガボーマンダ) |
- | ダンバル→メタング→メタグロス(メガメタグロス) |
4 | フカマル→ガバイト→ガブリアス(メガガブリアス) |
5 | モノズ→ジヘッド→サザンドラ |
6 | ヌメラ→ヌメイル/ヒスイヌメイル→ヌメルゴン/ヒスイヌメルゴン |
7 | ジャラコ→ジャランゴ→ジャラランガ |
8 | ドラメシヤ→ドロンチ→ドラパルト |
9 | セビエ→セゴール→セグレイブ |
- | ジュラルドン→ブリジュラス |
※ガブリアスとは同じく飛行機がモチーフのドラゴンポケモンかつ600族という繋がり、メタグロス・ヌメルゴン(ヒスイヌメルゴン)・ブリジュラスとは4倍弱点の無い600族の仲間でもある。
ポケモン関連
その他
- クルセイダー(メック):日本語版デザインの、ディプロカウルスに似たブーメラン上の頭部にミサイルを搭載した感じが似ている。十中八九偶然だろうが・・・。