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貴種流離譚の編集履歴

2024-09-23 02:25:57 バージョン

貴種流離譚

きしゅりゅうりたん

物語類型の一種。特別な出身の「貴種」の主人公が「流離」を経てラストに至る。

概要

物語の類型の一種。民俗学者の折口信夫によって見出だされ名付けられた。

各国の神話伝説から近年の物語まで多く見られる型で、特別な身分に生まれた「貴種」の主人公が、その身分に相応しい立場から離れて様々な試練を経験する「流離」を経てラストへ至る、というもの。

架空の人物の物語だけでなく、天武天皇源頼朝義経などの実在の人物の生涯を当てはめて解釈したり、物語にするものも多い。


シンデレラストーリーと混同されることもあるが、出自の点で決定的に違う。

主人公が逆境を耐え、協力者の力を得て、幸福を掴み取る点では同じだが、シンデレラストーリーでは主人公の出自や立場が一般人または平民以下の何でもない存在であるのに対し、貴種流離譚では主人公が上流階級のような特別な身分や神の系譜などの特殊な立場の出身である(なお原典の『シンデレラ』は本来貴族の身分を持つ令嬢が継母と義姉に貶められ奴隷扱いされる話なので、貴種流離譚の要素を含むとも言える)。


完全に合致しなくても、似通った要素やパターンが存在する筋書きは多い。

また話の基本構造の類似性から、「異世界転移転生」、「悪役令嬢もの」、「婚約破棄」、「追放もの」、「復讐もの」といったいわゆる「異世界もの」や「なろう系」はこのジャンルの末裔であると解釈されることもある。


要素

この系統の物語の筋書きには重要な要素があり、多少の違いはあれど、大筋でその要素が存在することが必要となる。


出身

主人公は王族貴族異種(人外別世界の住人)、異能などの一般人とは異なる身分や一族の出身者で、先述したようにこれはこのパターンの絶対的な大前提要素である。

物語が始まる時点で主人公がその出身者たちの世界と別の世界のどちらで生きているかで分かれる。前者の場合はその世界での生活や思想での主人公の様子が描かれ、後者の場合は自分の出生の真実を知らないことが多い。


別世界への流離

主人公(あるいは主人公の親や親戚)が何らかの罪を犯したり(冤罪を含む)、主人公の敵に敗れてしまったり、特殊性故に迫害や排斥を受けたり等の理由で、本来の身分や生活を失い、別の世界や社会で生きることになる。物語がこの時点から始まる場合は、主人公が過去を知らず、今の自分の立場を普通と感じていたことも多い。

あるいは、助言者に従って自ら別世界に行くものもある。

また、別の世界というものが「死後の世界」を意味するケースもあり、主人公が別世界に行くことは、主人公の死の体験を意味することもある。


出会い

かつての出身とは異なる世界で主人公が信頼できる仲間や愛し合える異性、後ろ盾となる協力者などの存在との出会いにより、物語を進行できる力を増す。


再起

力をつけた主人公は自分を追いやった敵との対決や贖罪の機会に挑戦することになる。


終幕

大概において主人公は敵を倒したり、名誉挽回できるハッピーエンドがほとんどで、主人公はかつての出身世界で今まで以上の立場で生きていけるようになって物語を終える。また、条件を満たした上で敢えて出身世界に戻らず、協力者の存在する別世界で生きるものもある(なお、栄光を掴んだ後日談で転落する末路を辿る話も少なくない)。


作品の例

主人公

伝承・伝説・古典作品


小説・漫画・アニメ・特撮


ゲーム


主人公以外のキャラ

注)ストーリーに大きく関わるメインキャラに限る

伝承・伝説・古典作品


小説・漫画・アニメ・特撮


ゲーム


他にもありましたら追記お願いします。


関連タグ

物語 プロット


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