※本作のキャッチコピー
前置き
本項では、第1作目の『MOTHER』について記述します。その為、こちらのタグを付ける場合は同作の内容を含む場合に付けて下さい。
なお、シリーズ全体については『MOTHERシリーズ』、続編については『MOTHER2』または『MOTHER3』をご参照下さい。
概要
データ
種類 | オリジナル版 | 移植版 ※ | VC版※2 |
---|---|---|---|
機種 | FC | GBA | WiiU |
ジャンル | RPG | 同左 | 同左 |
発売日 | 1989年7月27日 | 2003年6月20日 | 2015年6月15日 |
開発元 | 任天堂・パックスソフトニカ・エイプ | 同左 | 同左 |
販売元 | 任天堂 | 同左 | 同左 |
レーティング | 無し | CERO-A | 同左 |
※『MOTHER1+2』として『MOTHER2』と一緒に収録された。
※2023年3月28日に配信終了。(購入済なら再ダウンロードは可)
1989年7月27日に任天堂から発売されたRPG。コピーライターで有名な糸井重里がプロデュースしており、作曲にムーンライダーズの鈴木慶一と当時任天堂社員だった田中宏和、キャラクター原画を南伸坊が担当した。
なお、海外では当時未発売に終わった後に流出したNES版のROMデータをローカライズした『EarthBound Zero』として知られていた。しかし、2015年に迎えた『Earthbound』(海外版『MOTHER2』)の発売20周年を記念し、同年6月14日から公式海外版である『EarthBound Beginnings』がリリースされた。
2022年2月からNintendo Switch Onlineで配信開始。
発売までの開発経緯
元々糸井はゲームに対して特に興味を持っていなかったが、当時話題になっていた『スーパーマリオブラザーズ』は自身が抱えていた喘息を気にせずに楽しめた経験に恩を感じた事があった。また、以前は上手く馴染みづらかったRPGも『ドラゴンクエストⅡ』のプレイを機に魅了されるようになった。
次第に、このような経験を通してRPGは剣や魔法が登場する中世の世界だけでなく、スピルバーグが作るようなごくありふれた現代の世界でも面白いのではないかというアイデアが思い付き、少しずつノートに書き留めていた。
そんなある日、FCのゲームを語る機会があったテレビ番組に糸井が出演した際に当時の任天堂社長だった山内溥がこれを見た事で声がかかり、本社に行く機会を得る事が出来た。しかし、今までのアイデアを宮本茂に見せた所あまり予想以上の良い反応が得られず、1度は保留扱いになってしまった。
小学館から発売された児童書『ゲームクリエイター入門』に掲載されたインタビュー記事によると、この際に「新しいアイデアもいくつかあるようだが、この程度では何ともないんです」という手厳しい批評が返って来たともいい、この経験は糸井にとって人生最大の落ち込みになった事が明かされている。
その後、そのまま没案へと思われていた矢先に任天堂社員の1人・今西紘史からゲームスタッフを集めたという知らせを聞き、1棟全てを借り切った市川のアパートを拠点に本格的に開発が始動する事になった。
なお、この初代に限りスタッフロールでの任天堂のロゴには「TOKYO RESEARCH & DEVELOPMENT PRODUCTS」と付いており、任天堂の東京事業所が関わっている事がわかる。
ゲームシステム
移動時には上下左右だけでなく、斜め方向にも移動出来る。また、マップはフィールドと市街地が分割されておらず、オープンワールドのように郊外と市街地が自然に繫がっていく構造になっている為、全体の広さは「29インチの画面換算にすると東京ドーム3個分」とかなり広大になっている。
これらの点は、どちらも当時のRPGでは珍しい画期的な仕様だった。
また、フィールドBGMもパーティが1人の場合は『Pollyanna』、2人以上になると『Bein' friends』に変わる仕様になっており、戦闘BGMも複数存在している。なお、パーティは最大3人までとなっており主人公以外では入れ替わりが多い。
更に、作中ではプレイヤーから戦闘時に直接コマンド入力が出来ずレベルや能力も上がらない代わりに一部のNPCも同行する形で参加するというケースは日本のRPG作品では初である。
武器はバットやフライパン、エアガン、ナイフなど、防具にはコインや腕輪、ペンダントなど現代でも身近な道具が登場する。また、レベルアップ(※)の際に一部のキャラクターは『PSI』という超能力を習得する。
これは、他作品における呪文や魔法のようなもので攻撃・回復・アシストなど様々な種類に分かれている。また、使用時にはPPを消費する。
また、セーブは町の店の中などに設置されている公衆電話や黒電話から主人公の父親に電話をかける事で行われる。なお、前者は1ドルを支払うかテレホンカードを用いる必要がある一方で、後者は無料で利用出来る。
戦闘では、シリーズの中で唯一『ドラゴンクエスト』と同様にフィールドやダンジョンを歩くと一定確率で敵に出会うランダムエンカウントを採用している。まず、パーティの行動を選択した後に敵味方問わずステータスの1つであるスピードの数値が大きいキャラクターから順番に行動する。
また、オートを選択するとキャラクターの行動を自動的に任せる事も出来る。
敵に勝利した際には、 ○○は われにかえった や ○○は おとなしくなった など敵の種類により異なるメッセージが表示される。戦闘後には経験値を得られるが、お金の方は倒した敵の数に応じて主人公の銀行口座に振り込まれ、各地のキャッシュディスペンサーなどから引き出す事で入手出来るようになる。
一方、パーティ全員が意識不明または石化状態になるとゲームオーバーになる。この際にコンティニューすると主人公だけが復活し、所持金が半分・PPが0の状態で最後にセーブした所から再開される。
※正確にはPSIは覚えられるレベルに達した時点ですぐに覚えるとは限らず、戦闘終了後の一定の確率で覚える。例えば逃げた場合でもPSIを覚える事がある。この為、中々覚えなかったり纏めて覚えてしまう事が多々ある。
ちなみにFC版にはエンディングがなく、GBA版および海外版のみエンディングが存在する。
あらすじ
1900年代のはじめのことです。
アメリカの田舎町に黒雲のような影が落ち、ひと組の夫婦が行方不明になりました。
夫の名はジョージ、妻の名はマリア。
人々は嘆き悲しみましたが、神に祈る以外にできることはありませんでした。
その願いが通じたのか、2年ほどしてひょっこりとジョージが家に戻ってきました。
しかし、どこへ行っていたのか何をしていたのかについては誰にも話そうとしませんでした。
不思議な研究に没頭するジョージの姿を見て、いろいろな噂が飛び交いまいした。
しかし、いつしか時が過ぎ、人々の口に噂がのぼることもなくなりました。
ただ、人々が忘れていないのは、妻のマリアがとうとう帰って来なかったことです・・・・・・。
そして 、1988年。
大変だ!大変だ!
なにが大変かって?
ミニーの部屋では電気スタンドがガタガタ動きまわっているし、ミミーの部屋ではミルク飲み人形がクルクル飛び回っているんだから、これ以上大変なことがあるかい?
まだちいさな妹たちを守ることはぼくの役割だろう?
そういうぼくだって12歳の子供だけど、ウチには男はぼく一人。
3人のレディを守らなければならないんだ。
そうそう、ママはどこにいったんだろう?
ふー。なんとかウチの中も静かになった。
おろおろしていたママもおちついている。
そうだ!パパに電話しよう。
「それはラップ現象だな。
ひいおじいさんが超能力(PSI)の研究をしていたはずだ。
物置きを探せば何かわかるかもしれない」
やっぱりパパはたのもしいや。
だけど少しドジなのは、物置の鍵をどこに置いたか忘れてたってこと。
でも 、ぼくにはすぐわかった。
物置の中にはひいおじいさんの日記とか、けっこう役に立ちそうなものがあった。
えっ!?何に役立つかって?
ぼくは決心したんだ。
ぼくの力でこの不思議な出来事の原因をつきとめて、ママとミニーとミミーを守るんだってね。
※『MOTHER1+2』公式サイトから引用
登場人物
メインキャラクター
- ニンテン (ぼく)
本作の主人公で、野球好きな12歳の少年。『マザーズデイ』の街外れにあるマイホームで母と妹2人、そして犬と一緒に住んでいる。
幼い頃から『PSI』という超能力を持っていたが、ある日家の中で起きたポルターガイストによる怪奇現象の原因を突き止める為に旅へ出る事を決意する。同時に、道中での冒険が進むにつれて彼自身の先祖に関わる謎や真実も知る事になる。
元々のデフォルトネームは特に決められていないが、現在では主にニンテンが使用されている。ちなみに喘息持ち。
- ロイド (おともだち)
本作の仲間の1人で、『サンクスギビング』の『ティンクル小学校』に通う11歳の少年。銀ぶちの眼鏡を付けている。
臆病者でいじめられっ子だが、幼い頃にアインシュタインの『相対性理論』の本を読んだ事で科学に目覚め、天才的に頭が良くなっている。その為、メンバーの中で機械に強く爆弾や銃、レーザーガンにロケットを使いこなせる。
一方、『PSI』は使えないが前述した武器は彼専用の強力なアイテムとなっており、一部のイベントでは彼の存在が必要になるシーンもある。
- アナ (おんなのこ)
本作のヒロイン&仲間の1人で、『スノーマン』の教会の神父を務める父と過ごしている12歳の少女。『イースター』へのボランティアで行方不明になった母の身を案じていたが、『レインディア』の駅で忘れた帽子をニンテン達が届けに来た事がきっかけで、彼女を探す事も兼ねて一緒に旅をする事になる。
強力な『PSI』の持ち主であり、攻撃・回復・アシスト系と幅広い技が使える。
- テディ (もうひとりのおともだち)
本作の仲間の1人で、『バレンタイン』で暗躍する『ブラックブラッド団』(ブラブラ団)のリーダーを務める不良青年。幼い頃に両親を『ホーリーローリーマウンテン』の怪物に殺されたトラウマから荒れた生活を送るようになり、何度も警察の御厄介になる。
しかし、ある日町を訪れたニンテンの強さを見込んだ彼は『ホーリーローリーマウンテン』の怪物退治を手伝ってほしいと頼み、共に旅をする事になる。
サブキャラクター
ニンテンの母親。心配性な性格だが、実家から息子の旅を温かく応援している。
また、彼が一時的に帰宅した際には好物を作ってくれる。
ニンテンの父親。作中では、単身赴任の為に電話越しを除いて殆ど登場しないが、旅先で電話をかけてきた彼に冒険の記録やお金の引き下ろしなどでサポートをしてくれる。
ニンテンの妹で、髪の色以外は容姿がそっくりな少女達。作中では、ミミーはミニーと間違われる事を嫌がっている。
また、ミニーは彼が旅先でゲットしたアイテムを預かってくれる。
- ミック
ニンテンが飼っている犬。首輪にはマイホームの地下室を開ける鍵が付いていた。
ニンテンの曽祖父で、マリアの夫。かつては、『マザーズデイ・タイムス』の新聞記者として働いていたが、1900年代初めに彼女と共に行方不明となる。
しかし、2年後に無事生還を果たしたもののその真相は誰にも明かす事無く、その後あらゆる謎の研究に一生を捧げた。本編では既に故人となっている為、本人は未登場。
ニンテンの曽祖母で、ジョージの妻。絵やピアノ、パッチワークが得意で、チャリティー活動にも熱心だった。
しかし、1900年代初めに彼と共に行方不明となって以降2度と地球に帰る事は出来なかった。
『マザーズデイ』に住んでいる少女。お転婆で怖い物知らずな性格である為、時々周りの大人達を困らせる事も。
『マジカント』を治めている心優しい女王。とある記憶が思い出せない為毎晩うなされており、体調が優れていないようだが......?
『マジカント』に住む5体の鳥人間。ニンテンの勇気を象徴した存在で、話しかけると1体ずつ仲間になりパーティを守ってくれる。
ジョージがギーグに対抗する為に造り上げたロボット。元々は湖底に構えられた研究所で長年眠り続けていたが、ニンテン達との出会いで覚醒し彼らを守る使命を果たそうとする。
主な敵キャラクター
ギーグの部下。強力な『PSI』を使用する事が出来る。
亜種としてブルースターマンやラストスターマンも居る。
ギーグの部下。怪電波によって『シュークリーム動物園』の動物達を暴走させた張本人である。
ギーグの部下。強力な『PSI』を使用する事が出来る。
また、亜種としてドムークも居る。
『アドベント砂漠』の道中に立ちはだかる巨大ロボット。非常に強力なオフェンスとディフェンスを持っている。
『地下大河』で眠り続けているモンスター。メロディーの一部を記した楽譜を守っている。
『ホーリーローリーマウンテン』の山小屋を襲撃した巨大ロボット。
『ホーリーローリーマウンテン』の道中に立ちはだかる巨大ロボット。イヴと互角の実力を持つ。
本作のラスボスで、地球征服を企む謎の宇宙人。突如地球に現れ部下と共に動物達を洗脳したり、大人達を誘拐するなど様々な事件を引き起こしている。
冒険の舞台
- マザーズデイ
ニンテンの故郷。"口笛を吹きたくなる町にしよう"というスローガンに基づく施政によって整備されており、カーネーションが町のシンボルとなっている。
- 南の墓場
『マザーズデイ』の近くにある墓地。最近ではゾンビが出没する事で話題になっている。
- カナリア村
『マザーズデイ』から西にある小さな森。子供のヒナとはぐれた事で歌を歌わなくなったカナリアのローラが住んでいる。
- シュークリーム動物園
『マザーズデイ』から北西にある動物園。歌うサルが居る事で有名。
クイーンマリーが治めている異世界。現実世界にあるピンクの法螺貝から聞こえるとある質問に正しく答えると、入る事が出来る。
北側には『クイーンマリーの城』がある。
- 地下大河
『マジカント』と現実世界を繋ぐ洞窟。何処かでドラゴンが眠っているらしい。
- サンクスギビング
ロイドの故郷。実業家のゴルドリッチ・ダンカンによって急速に発展したが、現在はストリップ劇場『ナンバー1』の建設を巡って町政が紛糾している。
- ティンクル小学校
『サンクスギビング』の中心にある小学校。普段はロイドが通っている。
- スイートリトル工場
『サンクスギビング』の南部にある工場。1955年に創業された当初はミサイルを生産していたが、『ダンカン工場』の完成を機に稼働停止した。
工場内の何処かには、ロイドが憧れている『ペンシルロケット』が残されている。
- ダンカン工場
『サンクスギビング』の北部にある工場。1969年の創業以来から稼働し続けており、最上階にはロケットが設置されている。
- サンタクロース駅
『サンクスギビング』の北部にある駅。アメリカ大陸を横断出来る電車があるが、現在は落盤による線路の分断で運休状態となっている。
- レインディア
高級住宅が建ち並ぶ町で、他の地域に関する様々な噂話が飛び交っている。また、町の北西には300年生きていると噂される預言者の老人が住む『預言者の館』もある。
- ハロウィーン
異形の怪物達に占拠されている町。
- 幽霊屋敷
『ハロウィーン』の高台にある屋敷。かつてはローズマリーの一家が暮らしていたが、現在では幽霊の溜まり場となっており周囲の住民達から恐れられている。
また、屋敷の奥には1人でにメロディーを奏でるピアノがあるらしい。
アナの故郷。雪国である影響なのか、風邪を引いている住民が多い。サンタクロース駅からスノーマン駅まで電車に乗ると距離的に丁度電車のBGMがフルで聞ける。
- アドベント砂漠
大陸の北側に広がっている砂漠。ここから東にある遺跡には、かつて多くの盗掘者や調査隊がやって来たと言われている。
また、このエリアの何処かには戦時中から埋められたままの地雷や顔のついたサボテンもあるらしい。なお、"アドベント"という名は伝承で1000年に1度イエス・キリストが再臨する地名から由来している。
- イースター
『アドベント砂漠』から南の森の中にある町。本編前に町の大人達が『マザーシップ』によって拉致された為、現在は子供だけしか居ない状態となっている。
また、とある家には超能力を秘めた赤ちゃんも居るらしい。
- 湿地帯
『イースター』から東に広がっている湿地帯。バッファローなどの野生動物が生息している。
- バレンタイン
テディの故郷。かつては自動車産業が盛んだったが、現在は衰退している。
また、不良集団『ブラックブラッド団』(ブラブラ団)の暗躍や、警官による不法行為の横行で治安が悪くなっている。なお、ライブハウスや展望台もあるようだ。
- ホーリーローリーマウンテン
『バレンタイン』から東にある巨大な山で、本作のラストダンジョン。山頂にはギーグが拠点としている『マザーシップ』が停泊している。
山頂は厚い雲に覆われており、ティンクル小学校の屋上からも見える。ちなみに海外版では「Mt.ITOI(イトイ山)」という名前になっている。
キーワード
- そうそふのにっき
ニンテンのマイホームの地下に安置されていた古い日記。全体の傷みが激しい事から殆どの内容が読めないが、とある箇所の文章だけは鮮明に残っている。
本シリーズでお馴染みのバッヂ。持っているメンバーを『PKビームγ』から守る不思議な力が秘められている。
なお、本作のみ2個ゲットする事が出来る。
- きぼうのオカリナ
『マジカント』の住民の1人から貰えるオカリナ。道中で集めたメロディーを聴く事が出来る。
アメリカの各地に存在する8つのフレーズから成り立つメロディー。『マジカント』に住む孤独のギター弾きによると、8つ全てが揃った時に何かが起きる事が仄めかされている。
メディアミックス
書籍
- MOTHER-The Original Story
1988年8月に発売された久美沙織による小説版。開発途中の資料とゲームROMを元に書かれており、ゲーム本編と設定が幾つか異なる箇所が見られる。
まず、主人公はアナで黒髪の三つ編みをした少女となっている。また、『ぼく』の名前はケンで一人称が"オレ"の金髪碧眼な不良っぽい少年となっている。
更に、テディが未登場である代わりにジョーという人物が登場するなどその他にも様々な変更点が見られる。一方、ロイドは4人の中で唯一原作とあまり変わっていない。
なお、過去に絶版したものの復刊したり電子書籍化したことも有ったが2023年5月時点で絶版および提供終了している。
- マザー百科
1989年10月20日に発売された本作の公式ガイドブック。実在の町や人物の写真を用いて世界観を表現しており、攻略本というよりも旅行のガイドブックのような趣になっている。
『ZIGEN SLIP』の欄には橋本治、いとうせいこう、ホイチョイプロダクション、中沢新一、宮本茂、毛利公信が、小欄には鴻上尚史、竹田青嗣、井上陽水、久美沙織、天野祐吉、井崎脩五郎、すぎやまこういち、南伸坊がそれぞれ寄稿している。また、アイテム造形はカナイヒロミ、『PSI』のシンボルマークデザインはタナカノリユキ、モンスター造形はトットリ君がそれぞれ担当した。
編集チーフは義江邦夫で、執筆陣として義江邦夫や石井基博、戸田昭吾がクレジットされている。なお、『MOTHER1+2』の発売日と同日に復刻版も発売されたが2023年5月時点で再び絶版している。
- マザー 未知からの挑戦
本作を元にしたゲームブック。ここでは、主人公の名前がダクラス・ハロウェイになっている。
- Pollyanna
『ほぼ日『MOTHER』プロジェクト』の第1弾として、2020年6月25日に発売された公式トリビュートコミック。35名の漫画家と作家が描き下ろした漫画が掲載されている。
なお、ほぼ日ストアでは同年6月12日から先行販売が行われていた。
CD
- MOTHER オリジナル・サウンド・トラック
1989年8月21日にリリースされた本作のサウンドトラックで、主に海外歌手を起用したボーカルアレンジ曲がメインで、全11曲のうち2曲がインストアレンジ曲となっている。最終トラックには、原曲がメドレー形式で編集した『THE WORLD OF MOTHER』が収録されている。
なお、同CDに収録された『Eight Melodies』は本作のCMのBGMとして使用されただけでなく、1992年に教育出版から発行された小学6年生の音楽の教科書『新版 音楽6』に楽譜が掲載された。
また、2004年2月18日には一部の内容を変更した『THE WORLD OF MOTHER』と新たに『MOTHER2』の『Smiles And Tears』のデモバージョンを収録したデジタルリマスター版が、2019年12月25日には本作の発売から30周年を記念してアナログレコード版が発売された。
- MOTHER 1+2 オリジナル サウンドトラック
2003年8月20日に発売されたサウンドトラック。こちらは本作と『MOTHER2』の楽曲から何曲か収録しており、全てアレンジ版となっている。
- MOTHER MUSIC REVISITED
2021年1月27日に発売されたサウンドトラック。鈴木慶一のミュージシャン生活50周年を記念して1989年版の歌を鈴木がセルフカバーとなっている。同時発売の2枚組版は今まで未収録だったゲームオリジナル音源をメドレー式ではなく1曲ずつに収録し、『1+2』のCDを含む判明済みの曲名に加え、建物内や戦闘曲等今まで曲名が明かされなかった曲も遂に明かされ、特定の作曲者がはっきり判明した。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
大乱闘スマッシュブラザーズDX~大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U
現時点ではファイターとしての参戦は無いものの、BGMでは本作の楽曲のアレンジ版が何曲か採用されている。また、『大乱闘スマッシュブラザーズ_for_Nintendo_3DS』から隠しステージの1つに本作の『マジカント』が採用された。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
ニンテンやロイド、アナ、テディ、イヴがスピリットとして登場している。
余談
- 当時の技術の問題もあるが、本作は後の作品と比べて、非常に高難度となっている。
- RPGの基本である「NPCに話しかける」といった行為をしただけで、戦闘になったり、状態異常になったりする。
- エンカウント処理が移動の処理の前に行われるので、一歩も動いていないのに戦闘になる事例が多い。
- 全体的にモンスターが強く、特に終盤のモンスターは強さがインフレを起こしている。確実に逃げられるPSI「じげんスリップ」に頼る必要も多々あるが話しかけて襲ってきたり固定エンカウントの敵には無効なので注意。ただし、終盤で仲間にできるNPCのロボット・イヴが同行していると離脱までは終盤の強すぎるモンスターをほぼ一撃で倒してくれる為、一行のレベルが不安ならばレベル稼ぎに利用できる。
- 戦闘では仲間がいて複数の敵がいる場合、例えばAという敵に味方全員が攻撃する選択をした後にAが味方の1撃目で倒れたら残りの仲間は他の敵を攻撃するというオートターゲットというものが無く、「○○はすでにいなかった」となってしまい他の仲間の行動が無駄になってしまう。古いRPGではよくある仕様である。
- ダンジョン内を含めてマップが非常に広く、上記のエンカウント率も相まって探索が大変である。
- ストーリーの流れが分かりづらい上にヒントも少なく、次作のヒントマンのような救済措置もないため、ネットなどで攻略情報を調べない限り自力だと行き詰まることが多い。
- また、街だろうが中心から離れるとエンカウントする為、エンカウントするエリアとエンカウントしないエリアの境目がわかりづらい(GBA版はある事でエンカウントするエリアを察知できる)。
- アイテム欄で持てるアイテムが続編より少ない為、何を持つかよく考えなければならない(装備品は装備したら別枠に出来るので、当時の他のRPGよりは持ち歩ける。)。
- …と欠点は多いが、戦闘回避(Bボタン連打移動、テレポーテーション失敗連打移動、じげんスリップなど)がしやすく、ラスボスは山の雑魚と違い過剰なレベルアップをしなくても撃破出来る特殊な仕様なため、令和の現在ではネットで攻略法も充実しているのも加わり慣れてくると当時の他のRPGより楽にクリアできる…筈(GBA版はBボタン連打移動のエンカウント回避が通用しないので原典より苦労するかも)。
- 『MOTHER1+2』に収録されている本作は、実はFC版そのものではなく未発売に終わった海外版のROMの移植版ではないかという説が有力となっている。
- 当初、このバージョンは非公式の日本語版を改造した物と思われていたが、後に現地で海外版のプロトタイプカートリッジとなるものが発見された事、更に『MOTHER1+2』に収録された内容とほぼ同じだった事が判明している。
- ただし、この件について公式は一切言及しておらず、ゲームセレクト画面ではあくまでもFC版の赤カートリッジを模した物になっている。
- ホーリーローリーマウンテンの頂上にある「XX」と刻まれた岩はMOTHERでは調べても特に何も起こらないが、海外版もしくは1+2版ではエイトメロディーズに関する重要なスポットの役割を持っている。
主な変更点
仕様 | FC版 | 海外版 | GBA版 |
---|---|---|---|
ダッシュ機能 | 無し | あり | 同左 |
エンカウント演出 | 暗転 | 同左 | モザイク |
にくいカラスのタバコ | あり | 無し | 同左 |
フライングマンの墓 | 十字架 | 墓石 | 同左 |
ストリップ劇場の名前 | ナンバー1 | 不明 | れいのみせ |
NPCが遊んでたゲーム | ドラクエ4 | 不明 | あのゲーム |
ED後のエピローグ | 無し | あり | 同左 |
スタッフロールのBGM | Eight Melodies | Airplane | Paradise Line |
ニンテンのパパ | 未登場 | ラストに後ろ姿のみで登場 | 同左 |
ちなみにファミリーコンピュータNintendoSwitchOnline収録版はFC版だが、GBA版と同じ修正が見受けられる(特に上記の「れいのみせ」「あのゲーム」)
関連イラスト
関連動画
日本版
- テレビCM
- プレイ映像 (WiiU版)
- 『Wii Uバーチャルコンソール「MOTHER」発売に当たってのメッセージ』
『EarthBound Beginnings』のリリース時に公開された動画。
関連タグ
メインタグ
次回作:『MOTHER2 ギーグの逆襲』
次々回作:『MOTHER3』
参考作品
影響を受けた作品
『スタンド・バイ・ミー』 (1986年)
スティーブン・キングによる小説及びそれを基にした映画作品。
本作では特に影響を受けており、線路上を歩く展開やとあるNPCの" ◆ちいさいころに トンネルを あるいて とおったことが あるんだ。◆したいを みにったんだ。 "という台詞は、この作品が元になっている。
影響を与えた作品
『ポケットモンスターシリーズ』 (1996年~)
男の子主人公のモデルや8つの物を集めるという点は、本作が元になっている。
本編で行ける世界の1つに本作と似たようなエリアが登場しており、現地では街並みや室内だけでなくその時に開くメニュー画面のレイアウトも再現されている。
原作者が影響を受けた作品の1つとして、本作が挙げられている。このような経緯が縁になったのか、後に公式コミックの『Pollyanna』では唯一の海外アーティストとして正式に参加を果たした。