「俺にはお前が お前には俺がいる」
「コイツを斬るのも護るのも この俺だ」
概要
幼馴染であり戦友であり、長らく仇同士でもあった
魂を分かち合う二人である。
象徴として、刀、桜、日本酒、藤の花と共にファンアートを描かれる。
銀時最大の特徴にしてコンプレックスの代名詞である天然パーマであるが、意外なことに高杉はこれについて侮辱したことは原作で一度もない。銀時の性格や行動をバカと言い、白髪や甘党であることを言及し蹴ったり踏みつけたり顔面を鷲掴んだりぶん投げたことはある。
それでも天パ、毛玉、モジャモジャetc…と毛質を罵るのは二次創作だけで、少なくとも原作作中においては全七百四訓(2019年6月20日完結)を通して確認されていない。
路地裏が似合う関係から花見酒が似合うふたりへ。
プロフィール
坂田 銀時 | 高杉 晋助 | |
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身長 / 体重 | 177cm / 65kg | 170cm / 60kg |
誕生日 | 10月10日 | 8月10日 |
年齢 | 27歳,2年後29歳,5年後32歳 | 20代後半〜30代前半(不明) |
髪色 / 髪質 ※(アニメ) | 白、銀 / 天然パーマ | 赤みがかった黒(紫がかった黒) / ストレート |
瞳の色 ※(アニメ) | 白銀,赤,青,黒灰(赤) | 赤,黒灰(緑) |
所属 | 万事屋、松下村塾、攘夷四天王 | 鬼兵隊、松下村塾、攘夷四天王 |
好物 | 糖分(いちご牛乳、宇治銀時丼、パフェ等)、甘い乳飲料、酒 | 胃に優しい乳酸系(ヤクルト、ヨーグルト等) |
好きなもの | 週刊少年ジャンプ、パチンコ | 祭り、派手な物事、三味線 |
健康不安 | 糖尿病予備軍 | 基本いつもストレスまみれ |
※原作者曰く原作の瞳の色は「その時何を見ているか」ぐらいの意味合いでその都度変わる。
原作における高杉は花柄の着物を身に付け煙管は武士持ち、アニメにおける高杉は紫で蝶柄の着物に煙管は花魁持ちである事が多い。
高杉は銀時と十年ぶりに再会して以降、精神的なものが顔に出ているのだろうか、アンチエイジングしていく。
二人の真ん中誕生日である9月10日を指してファンの間では「銀高の日」「銀高記念日」と呼ばれる。
派生カップリング
本編。攘夷時代。
小説、アニメ本編おまけ。国語教師×不良生徒(しかし成績は良い)。
創作では国語準備室での秘事、同棲などが見られる。
ナンバーワンホストである金時と危険な仕事を引き受ける晋ちゃん。
金高(銀高):ホスト金時×高杉
金魂を舞台としない場合。
白晋(銀高):テロリスト白夜叉×万事屋晋ちゃん
本編と立場が逆だった場合等IF。
白高(銀高):テロリスト白夜叉×テロリスト高杉
どちらもテロリストになった場合等IF。
グッズ「はろうぃん妖怪編」。
グッズ派生の中でも根強い人気をもつ。等身の高杉は原画絵師のTwitterで確認することができる。(詳細は辞典内九蛟にて記載)
魘魅銀高:魘魅銀時×(白詛)高杉
完結篇IF(検索揺れ 厭魅)。
本作に高杉は登場しないため、最期を看取るメリバが想起された。
鬼蛟:(酒呑童子)鬼銀時×蛟
グッズ「百鬼夜行」。同ラインナップに高杉がいない為、妖怪編の蛟とのカップリングに。九尾を交えた作品も見られる。
ちなみに鬼の高杉はグッズ「昔話シリーズ」に存在し、そちらのラインナップにおける銀時は金太郎(金太郎は伝承上、坂田金時の幼名とされる)。
酒呑童子を退治したのは坂田金時である事から「俺というお前が倒しに来る」という事で鬼銀時×退治しに来る高杉も考え得る。
酒茨(銀高):酒呑童子銀時×茨木童子高杉
「百鬼夜行」の銀時を酒呑童子と捉えた場合、恋人説があり特徴に共通点の見られる茨木童子が高杉に宛てがわれた。
他、現パロ、グッズ派生による白雪姫銀時×マッチ売りの少女高杉や銀時×外科医高杉、銀子さん×高杉など豊富な派生が存在する。
本編の軌跡
本項目は、原作でのふたりの歴史を主軸として記されています。
ネタバレが含まれるため、原作およびアニメをご覧ください。
銀時と高杉に焦点を当てた場合「紅桜篇(漫画11~12巻)、将軍暗殺篇(56巻~58巻)、烙陽決戦篇~銀ノ魂篇(62~77巻)」辺りにて特筆して強く関わり合っています。
推し
単行本第四巻 第二十四訓
銀時の宝物であるお天気お姉さん結野アナのフィギュアが高杉と似ている。同じ髪の長さと髪型で左目が隠れており、着物のトーンまで全く同じであった。
第二十七訓
姿の似た結野アナ(の幻)へ求婚したことから、高杉の容姿は銀時の好みに近いと考えられる。高杉と十年間会えていなかった為、無意識に面影を追ったのかもしれない。
高杉の存在が初めて明かされたのも同訓である。
祭
第四巻 第二十九~三十一訓
高杉が初登場する。(第二巻十三訓、銀時の回想で当初モブに近い状態で登場し、上記二十七訓において存在を明かされた。)
花火を眺める銀時の背後に高杉が現れ、咄嗟に銀時が得物に手をかけ振り向こうとするのを刀で脅す形で高杉が制止するという、旧友同士が数年振りに会うというには余りに不穏な再会であった。
利き腕で銀時に刀を突きつけた高杉に対し銀時は左腕で押さえ込んでおり、純粋な腕力では銀時の方が上であることが仄めかされている。アニメにおける高杉は不穏ながらも語尾の甘い話し方をした。
振り返るなり殴りかかる銀時だが、その拳が当たったのかどうかは不明。別れるシーンは描かれていないため、幕間に想像の余地が残されている。
息子である旧鬼兵隊隊士・平賀三郎を喪った源外がこの回のキーパーソンである。機械の修理を手伝わされ途中で茶番を繰り広げる神楽に対し「なんてドロドロしたままごとやってんだ」と突っ込んだ源外に神楽が返した「あなたにとってはままごとでも私にとっては世界の全てだった」が将軍暗殺篇への長大な布石だと考えられる。
公式ファンブック『広侍苑』掲載の座談会にて、原作者曰く高杉は初期設定では明治時代の学生のような黒マントを羽織った姿であったらしく、担当大西氏の案により今の姿になったという。
だが〆切ギリギリになっても粘り「最後にここだけ」と片目を隠すよう描き足したことから、あの容姿だけはどうしても譲れなかった模様。
初登場の際に「銀さんと高杉が並んでるコマを描いたときに、なんとなく高杉を小さく描いちゃった」と語っており、高杉の比較的小柄な体躯は銀時との身長差を基準に決まったと言えることが明らかになった。
紅桜篇
第十一~十二巻 第八十九~九十七訓
高杉の世界に対する憎悪の深さと、銀時・桂・高杉を繋ぐ恩師・吉田松陽の存在が明かされた。
前日譚に当たる橋田屋の一件(第十巻 第七十七~八十訓)で似蔵は初対面の銀時に対し、「隠しきれない獣の匂いがするよ あの人と同じ」と誰かを思い浮かべる台詞を零した。
その似蔵は主である高杉の魂の輝きに強く惹かれており、過去高杉と共に戦い、今なお彼の心に住まう銀時と桂を疎み暗殺計画を独断でおこなった。
勝手に銀時と桂に手を出した似蔵にただでさえ腹の虫の居所の悪い高杉は「昔の同志が簡単にやられちまって哀しんでいるのか それとも…」と口を滑らせた似蔵に、殺す気で斬り掛かる。「二度と 俺達を同志なんて呼び方するんじゃねェ そんな甘っちょろいモンじゃねーんだよ 俺達は」高杉は片方しかない目を見開いて睨みつけ、似蔵から離れ去った。
桂は鬼兵隊の陰謀を潰し高杉を取り戻すべく鬼兵隊の船に乗り込み、銀時は仲間と依頼のために再び似蔵の前に現れる。
桂は高杉と相見えるも互いに戦意を見せず、高杉は語る。「刀は斬る 刀匠は打つ 侍は…なんだろうな」いまだ侍の答えを持たぬ高杉だが「一つの目的のために存在するモノは 強くしなやかで美しいんだそうだ 剣(こいつ)のように」と、己の求める生き様を言い表した。これは将軍暗殺篇での銀時の「侍」と対応しているとも取れる発言である。
しかし旧友二人の首を差し出すことを条件に高杉が宇宙海賊春雨に取り入っていたために、幼馴染であり戦友だった関係は決裂。
「次会った時は仲間もクソも関係ねェ! 全力で…てめーをぶった斬る!!」
言葉通り、この事件以降銀時と高杉は決別する。
これより一国傾城篇まで一度も邂逅せず将軍暗殺篇まで会話することもなく離れ離れとなっていた。
劇場版銀魂「新訳紅桜篇」及び実写版「銀魂」
(2010年4月24日公開、2017年7月14日公開)
新訳、実写版双方における新規カットとして高杉に刺され、そのまま己の元からいなくなる夢を見た銀時が飛び起きるというシーンが追加されている。実際に銀時を刺したのは似蔵であり、その際に「あの人もさぞやがっかりしているだろうよ」「かつて一緒に戦った盟友たちが揃いも揃ってこのザマだ」と挑発する発言をする。おそらくそれが元で銀時は高杉と紅桜の繋がりに勘づいている。
高杉は「いつかはやらねェといけねェ相手だ」そう言うと銀時を見つめ剣を抜いた。二人は互角に鍔迫り合い、互いの剣を奪い去ると己の身をぶつけ合う殴り合いに発展する。高杉が抱きつく様に身動きを封じると、それを逆手に取った銀時が今度は高杉を抱え上げる。肩へと高杉の脚が乗り、逆肩車状態になる。殴りかかろうとした高杉は叩きつけられ、二人は床に倒れ込んだ。体勢を立て直そうと刀を持った銀時へ激昂する鬼兵隊に、高杉は倒れたまま「手ェ出すんじゃねェ」と一喝する。「さて、お前に俺がやれるかな」挑発されるも銀時は躊躇してしまう。
機を逃した銀時に「相変わらず甘ェな」と分かりきっていた様に声を掛けると、高杉は鬼兵隊と共にその場を後にした。
銀時は呆然としながら「糖分の摂り過ぎかな」と独り誤魔化した。
合コンは始まるまでが一番楽しい
第十六巻 第百三十九訓
九兵衛のために合コンを開く銀時達。銀時は「俺はあの片目の奴を狙っててだな」「もっと絞り込んで片目で黒髪とか」と発言した。話の流れから九兵衛の事ではあるが、高杉が当てはまってしまうと話題になった。
真選組動乱篇
第十九~二十巻 第百五十八~百六十八訓
鬼兵隊と内密に手を組んだ伊東鴨太郎が真選組組織内で巻き起こした抗争について描かれた長篇。
終盤、高杉と紅桜篇にて共に船に乗っていた万斉と銀時は交戦する。
人の顔を全く覚えようとしない銀時が万斉に対して「てめぇ…高杉のとこにいた野郎だな」と確信を持って問い質すなど、高杉に関する情報はしっかり把握している。
騒動が終結したのち高杉は銀時が「俺の護るものは昔から何一つ変わっていない」と言っていたことを万斉から告げられる。「晋助…何かわかるか」と尋ねられるも、高杉は嘆息し、三味線を弾き続けるのだった。
たまクエスト篇
第二十九巻 第二百四十七~二百五十三訓
異常をきたしたカラクリ家政婦・たまの体内に直接入りウイルスを駆除することになった万事屋の奮闘を描いた長篇。
白血球王のドラゴンクエスト風コスチュームに、銀時は「なんでターバン巻いて来なかった! なんでビアンカ連れて来なかった! つってもビアンカは俺の嫁だけどね!」と発言。この他、一国傾城篇等においてもビアンカ派であることを度々主張している。
ビアンカとは『ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁』に登場するキャラクター。主人公と約十年越しに再会した幼馴染であり、他の花嫁候補と違い主人公を呼び捨てで呼ぶ。幼い頃は勝ち気な性格で、成長してからは子どもに優しく思慮深い一面を持つ。幼少期は主人公の父親に憧れを抱くも一途に主人公を想い、彼の幸せのために身を引こうとしたシーンもある健気かつ純真なヒロインである。
完全に余談であるが原作者も圧倒的ビアンカ派であり、事あるごとにビアンカ愛を語る上、他ヒロイン二人をディスることを忘れない。
悪党回
第三十六巻 第三百十~三百十一訓
かぶき町四天王篇の後日談にあたる物語。
吉原炎上篇以降久方振りに目にした「侍」である高杉に目を付け、彼を鬼兵隊から孤立させ勝負を強制しようとした神威。二人きりで相対し、彼は高杉に銀時と同じ匂いがすると告げた。この時神威は銀時を指して「あの侍」としか言っていないが、高杉は「その白髪のバカ侍」と神威の思い浮かべた人物を言い当てている。
神威捕縛後に高杉は「俺の一太刀をうけてもなお 最後まで笑ってやがったな」と神威が彼の刀身を左手で握り締め、笑いながら右拳を構えていた姿を思い返しており、これは上記の祭りでの銀時とのやりとりと非常に似通っている。結局振りかぶった右拳が高杉に当たったか躱されたのか読者には解らないのも同じで、もし花火回では躱された銀時の拳が、将軍暗殺篇でやっと届いたと仮定するならば殊更感慨深いものがある。
ちなみに他人のイメージではない本編の高杉が僅かながらボケ要素を見せた初めての回であり、また長らく自身の戦う姿を見せなかった高杉が神威の拘束具を一刀で斬り落とした上、春雨の兵士相手に神威と背中合わせで悠々と戦う様を見せている。
ラブチョリス篇(アニメ版 愛チョリス篇)
第四十巻 第三百四十七~三百五十訓
作中に登場するギャルゲーにハマった新八を現実に帰すべく、銀時が同ゲームをプレイし災難に巻き込まれる。ピ○子やエ●リまでもが登場するなどどこまでもカオスなギャグ中篇であるが、銀魂らしくこのゲーム名は実在のゲームをもじったもので
高嶺愛花 → 御高井鞘花
姉ヶ崎寧々 → 兄ヶ崎百々
小早川凛子 → 白水ピ○子
と、どう考えても凛子なるヒロインになるであろうところでキャラデザもキャラ設定も崩壊している。ヒロイン選択は難易度の高すぎるシューティングゲームで決定されるため、予備知識ゼロの銀時の攻略相手はピ○子となった。
そしてこの三人のヒロインのうちの一人、本来ピ○子の位置にいたはずの小早川凛子というキャラクターであるが、実は原作者の推しでもある。
・小柄な黒髪ショートヘアで背丈の低いのを主人公によく弄られている。
・家庭環境に問題を抱えるも、勝ち気で凛々しい性格の持ち主。
・親密度を高めるとツッコミ代わりに蹴りを入れてくる。
これらの要素を秘めた推しヒロインを一切公に出さずひた隠し、銀時が落とすと決めた代替ヒロインのピ○子もまた死者の想い(物理)を背負い仇への復讐に魂を懸ける、そんな人物である。
原作者はビアンカ同様、銀時と自分自身の好みのタイプを重ねている傾向にあると考えられる。少なくとも原作者にとっての理想のヒロイン像と呼べる何かに合致する銀魂キャラは、そう多くはいないだろう。ちなみに原作者のタイプは八gi亜ki子さん(2004年特大スゴロク巻末コメント集より)。
一国傾城篇
第四十四~四十五巻 第三百八十六~三百九十九訓
万事屋が吉原の年老い引退した遊女の依頼で将軍のもとへ向かった先で、銀時は松陽投獄を命じた先代将軍・定々と相見える。
かつて攘夷戦争で敵として戦った天照院奈落(八咫烏)・朧が定々の護衛に就いていたことから壮絶な戦闘を繰り広げた。
松陽との「仲間(みんな)を護ってやって下さいね」という約束を力に、銀時は地獄にいるであろう「先生に よろしくな」と伝言を皮肉げに告げ朧を撃破する。
「悪ィな 先約を思い出した 予約はもうとっておいたから 先に地獄(そっち)で待っといてくれ」
「いずれ天導衆…ふざけた烏ども… いや 世界の首ひっさげて 地獄(そっち)へいくからよォ」
その後今代将軍・茂々によって投獄された定々を自分の手で斬るため、高杉も八咫烏の姿に扮し牢まで潜入を果たす。銀時が朧にかけた上記の言葉と同じ台詞を以て斬り捨てた。
銀時との死闘後、辛くも生き延びていた朧から「似ていたか 松陽の弟子たちは」と訊かれた信女は「似てない」「けど同じだった 二人とも悲しい目をしてた」と銀時と高杉を言い表した。
この台詞のさなか街中で銀時と高杉は無言ですれ違い、銀時だけが振り向くが、既に高杉の姿は雑踏の中から消えていた。
紅桜篇で「せいぜい町でバッタリ会わねーよう気をつけるこった」と捨て台詞を吐いて退散した銀時であるが、この時の台詞の通り町でバッタリ遭っているのに何も行動を起こしていないと本誌掲載時は物議を醸した。
黒子野タスケ回
第五十一巻 第四百五十二~四百五十四訓
「チビはこういう時いいな お前だったらあの空き缶の中にも隠れられるんじゃね ほとんどプルトップだもんな」
「今から負けた時用に言い訳づくりか 隠密奇襲作戦はてめーの十八番じゃなかったのか」
そろそろ我らも過去篇をやるべきではないか、と編集会議のノリで出番の少なさを憂いた坂本と桂により、攘夷時代の同窓会が開かれた。
回想シーンでは高杉が皆に自腹でヤクルトを買ってきてやるも、預けた銀時が自分が買ったことにして皆から代金をぼったくっていたことを知り同志全員の前で暴露している。
武市が登場した際の高杉コスに対し、銀時は坂本の銃撃と共に木刀で無言で殴り続けた。武市が同窓会会場に持ってきた偽造の手紙に対し、銀時は「嘘だよね!?」と動揺し武市の「間違いでした」発言に「だよね!! 高杉がこんな事書くワケないよね!」と自分の知らない高杉を他人が知っているわけではないことに安堵する姿勢を見せる。
また、のちに武市は銀時がカナヅチである原因を高杉から聞かされたと思わしき描写があるため、彼がお化けの類を大の苦手としているという「噂」の出処は、高杉からのものだったのかもしれない。
攘夷志士らが宿舎から動けない状況で二人は、指名の被った遊女が高杉を選んだというしょうもない諍いから一ヶ月口をきかない生活を送っていた。
「もう一月(ひとつき)も口きいてねェ」この時、会話することのなかった日数をしっかり把握していたのは銀時の方である。
高杉は指名した遊女に選ばれたにもかかわらず、坂本曰く一晩中目を血走らせて酒を呑んでいるだけだったらしい。高杉が銀時に怒る理由はない為、なんと1ヶ月もの間銀時が怒ったから怒っているだけであった。
思うように動けない苛立ちから鬱憤が溜まっていると解釈した坂本と黒子野の提案により、缶蹴りに興じることとなる。この時の二人の挑発合戦が上記の台詞であり、銀時が高杉に対して身長が低いことをネタにすることが今後も作中常態化していく。
「畳み掛けるなら今しかいねェとか言っていい?」
「ヅラ 畳み掛けるなら今だぜ」
そうして缶蹴りは敵をおびき寄せるための銀時と高杉の作戦であったことが判明するも、それ以上に衝撃的であったのが同じ場所に隠れて頭に木の枝を巻いてカムフラージュする二人である。
死神篇
第五十二~五十三巻 第四百六十三~四百六十九訓
銀時がお登勢と出会うより以前に罪人として牢獄で過ごし、幕府の斬首名簿に載っていたことが発覚する。元攘夷志士の男が自分の命惜しさに娘を差し出そうとしたのを目撃した銀時は男を気絶させ、仲間への追っ手を止めるため己の正体をも明かし捕縛される。
追って烙陽篇と銀ノ魂篇にて高杉が幕府に捕らえられた回想が描かれたが、銀時の捕縛時との類似を持たせたとおぼしき点が見られた。
二人の罪と他人を惹きつける魂が同じでありながら、その生き筋が対極とされる事が強く描写されている。
【共通点】
・終戦後幕府の手から逃れられていたのに、一人の女の子(朝右衛門/また子)を救うため敢えて役人の前に姿を現して捕まる。
・牢の中で「『約束』を果たすまで死なない」誓いを交わす。(朝右衛門/万斉)
・幕臣(先代夜右衛門/武市)の手により脱走を果たす。
【相違点】
・助けた女の子はのちに同じく人殺しの業を背負うことになるが、朝右衛門は人の罪を濯ぐ『魂あらい』を会得し将軍に仕える公儀処刑人の職務を継いだ一方、また子は銃技を磨き鬼兵隊幹部として多くの命を奪う生き方を選択した。
・銀時は囚えられたまま死ぬ気でいたが他者からの強引な約束によって生きることになり、片や高杉は「お前は何のために死んでくれる」と訊かれようと確固たる意志で「死なねェよ」と宣った。
・たった一人で静かに牢から脱出した銀時と、集団を率いて大立ち回りを演じて脱走した高杉。
坂本陸奥篇
第五十四巻 第四百七十七~四百八十訓
攘夷時代の回想にて銀時が高杉のことを「ボンボン」「苦労しらずの甘ちゃん」「独善的な勘違い野郎」「長男っていうか短男」「総督気どってる」「高杉くん」「低いのに高杉」「タモさんの3倍友達少ない」などと罵っているが、その発端は高杉が遠目から坂本を「なかなかのツラ構えだ」と褒めたことであるため、銀時が高杉の気を引くために暴言を浴びせたようにも見える。
これだけ悪し様に弄られているが、高杉が反論したのは鬼兵隊をレゴブロック呼ばわりしたことと「とっくに勘当されている(ので鬼兵隊は父親に買ってもらったものなどではない)」という一部分のみである。高杉にとってそれ以外のことは苛立ちはすれど声に出して否定するものではないらしい。銀時が高杉の性質を誰より理解している顕れでもある。
そして高杉がその暴言に反応するとすかさず「別に君の事だなんて一言も言ってないけど?」と変顔でからかっており、高杉に対し好きな子ほどいじめたいを地で行く構いぶりである。
最終的に高杉からひたすら足蹴にされる目に遭っているが、全く反撃する素振りをみせずされるがままで、口は出すが手は出さないという意外な状況であった。
坂本との初対面で二人揃って船酔いによる吐瀉物を顔面に浴びせかけられ、声を揃えて「天誅」として報復した。その出会い方がきっかけなのか、坂本は二人からよく同時にどつかれている。
将軍暗殺篇
第五十六~五十八巻 第五百二~五百二十四訓
銀魂最終章の序幕篇。
今代将軍・徳川茂々の命を狙う一橋派の要求に応えるべく動き出した鬼兵隊と春雨第七師団。そして暗殺を阻止せんとの依頼を受けた万事屋・真選組・現政権側が立ち向かう構図となった。
銀時は此度の黒幕を知っているのかと訊かれ、「ああ ウンザリするほどな」と語り、高杉を止めるには「息の根を止めるしかねェ」と断言した。
猿飛あやめを背後から刺し服部全蔵の命を奪う直前、高杉と神威のもとに銀時と神楽、新八がやってくるのであった。
「てめェが抱えたもんはただのままごと道具だ それももうじきこの国とともに壊れる 銀時お前はもう一度すべてを失う」
「俺は何も失っちゃいねェ ただ一つ 護る背中が減っただけさ」
銀時と高杉の剣がぶつかり合い、苛烈極まる直接対決のさなかに、銀時と松陽、高杉と桂の過去の出会いが描かれた。余談だが、高杉が万事屋を指した「ままごと道具」は前述の銀時が鬼兵隊を指した「レゴブロック」と対応している。
ろくでなし二人
第五十八巻 五百十六訓
入塾前の回想
流れ者として辿り着いた地で、銀時を連れた松陽は松下村塾を開いていた。
時を同じくして当時高杉と桂が通っていた名門私塾・講武館で高杉は、下級武士というのもありはみ出し者の様に周囲から疎まれ、侍という生き方に疑問を抱いていた。そんな折、高杉は授業中に行われた剣道で叩きのめされた報復として上級生らから襲われかかるが、木の上から「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ 発情期かてめーら」と松陽から譲り受けた刀を投げて制止したのが銀時である。
ちなみにこの先輩・堀田から繰り出された「お前(高杉)には先輩の特別授業が必要らしい」という同人誌で見かけるような台詞に反応した人は少なくない。
上記のいざこざを収めた松陽に興味を持った高杉は、松下村塾へ道場破りに挑んだ。
しかし肝心の松陽へ挑むより前に銀時によって打ち負かされてしまう。幼い高杉は介抱してくれた松陽へ「俺より弱い奴とし合うのはもう飽きただけだ」と決して折れる事の無い眼差しを向ける。彼にとっての弱くない奴とは、他ならぬ松陽と銀時のことである。松陽は、(銀時は)生き残るため強くならざるを得なかったのだ、と銀時の境遇を伝えた上で侍について、君も道に迷ってここに辿り着いたのでしょう、君の思う侍になればいいと先生自らをも顧みる様子で優しく説いた。
高杉は、周りから揶揄され父親から一族の面汚し呼ばわりされても「俺が勝つまで」「俺より強い奴が山程いるのは解った ならせめて あいつらより強い侍になりてェ」と言って道場破りをやめることはなかった。
そして幾度も敗北を重ねながらも遂に銀時を負かした高杉は、村塾の塾生に囲まれ、心からの笑顔を見せるのであった。
ここで銀時の(対松陽除く)不敗神話もとい処女膜を破ったのは高杉だと銀時が声高に叫ぶシーンが物議を醸したが、それ以前に高杉の不敗を破ったのが他ならぬ銀時であり、互いが互いの初めての敗北の相手なのだ。
そして一勝し帰ろうとした高杉に対し、銀時は「てめェが奇跡的に俺から一勝する間に俺はお前に何勝した 俺に本当に勝ちてェなら 負け分取り戻してェなら 明日も来い 次勝つのも俺だけどな」と、また来るよう投げ掛けるのだった。
幼少期の回想のさなかに舞台は現在の死闘に戻り、銀時は高杉の刃に地に伏す。
「強ェな やっぱりお前は」
「二百四十七勝二百四十六敗 俺の勝ちだ」
倒れた銀時に微笑み己の勝利を告げるも、高杉もまた力尽きてその場に倒れ伏す。夢現の視界で松陽の幻影を見た高杉だったが、幻の向こうにいたのは目前に立ちはだかる銀時だった。
仇
第五百十九訓
「俺たちを止められる奴は もう俺たちしかいねェんだよ」
双方の刀は弾かれる。
「気にくわねェなら 曲げらんねェなら てめェのゲンコツで止めるしかねェんだァァァ」
己の拳による血塗れで泥臭い肉弾戦の応酬を繰り広げる二人。
銀時は「いつまでその潰れた左目で目蓋の裏を見てやがる」「その残った右目ひんむいてよく見やがれ てめェがゲンコツふるわなきゃいけねェ奴ぁ 今ここにいんだろ!!」と松陽を想起して述べている。ここから分かるように銀時は高杉の左目に最後に映ったのが自分だということに気づいていない。
閉じた瞼の中ではなく、今向かい合っている俺を見ろと高杉に拳を振りかぶる銀時。
高杉はそんな銀時に宣誓する。
「目ェつぶってても見えるぜ銀時」「俺の閉じたこの左目は あの頃映した憧憬も絆も志も そして憎しみも 何一つ忘れちゃいねェ 一度たりとも見失っちゃいねェ」「この拳を振りおろすべき相手は この瞼の奥に灼きつけたままだ」
「立てよ銀時 俺達の仇はここにいるぞ」「目をそらすな」
「俺達は自分(てめェ)に刃を突き立てる事はできねェが 自らを斬るよりも安くねェ奴がいる 自らを呪うよりも安くねェ奴がいる」
「俺にはお前が お前には俺がいる」
言い終えた瞬間、二人は互いの身体と魂全てを掛けてぶつかりあった。
松陽の処刑回想
攘夷戦争の折、経緯は不明だが桂と共に高杉は奈落に捕らわれてしまい、銀時は彼らを助けるために幕府のもとへ向かったと思われる。その際に一人だけ刀を握らされた銀時は、「仲間を斬るか師を斬るか」の選択を迫られ、松陽の首を斬った。
この件より以前に高杉は銀時と己を指して同じ「ろくでなし」と自嘲・揶揄し「俺が先におっ死んだ時は先生を頼む」と銀時に託していた。銀時もまた同じろくでなしに「死ぬな」と願い、二人は離れ離れとなって敵兵と相対した。
この約束を反故にされ、誰よりも松陽を救いたがっていた銀時が松陽を斬るという結末に慟哭した高杉は我を忘れて銀時に飛びかかったが、朧によって左目を短刀で貫かれてしまう。
高杉の左目に最後に映ったのは、松陽の骸を見つめ静かに涙を流す銀時の相貌だった。
「この左目に最後に映ったのはお前のツラだった」「…この目に灼きついたかたきが幕府一つであればどれだけ楽だったか」という高杉の言葉を受けて10年越しに高杉が自分の姿に囚われ、苦しんでいたことを知る。
烙陽篇にて明確に描かれたが、高杉の瞼には(経絡針ではなく短刀が目に刺さったというのに)一切の傷がない。それが意味するのは、この瞬間、高杉は瞬きのひとつもせず眼を見開き、その視界すべてで銀時を見ていたことに他ならない。
二人とも松陽の命を踏み台に生き残ってしまったため、互いが互いの仇であり、高杉の言葉に表されるように、互いがもう一人の自分なのである。
侍
身体が力を使い果たし、地べたに這い蹲りながらも高杉は立ち上がる。あの時「先生をよろしくな」と約束を交わした銀時は、誰より先生を救いたかったはずなのに。「何故 何故…俺達なんぞを選んだ 銀時」高杉は十年に及ぶ悔恨の念をぶつける。しかし銀時は「お前が俺でもそうしたさ」「だからお前は 己ではなくもう一人の己に刃をつき立てるんだろう」「自らを斬るよりよっぽど痛ェ仇を討とうとしてんだろう」残念だが俺は倒れない、お前が倒れて止まるまで何度でも立ち上がると凄む。そして、高杉を選んだのではなく、松陽が大切に思うものを知りすぎていたからだと応えた。
松陽を殺すためでなく高杉と桂を護るために剣を振ったのであり、高杉のせいで松陽が死ぬ羽目になったのでは無いのだと伝えたかったのではあるまいか。
銀時は、たとえ師や道を外れた高杉の屍を踏み越えてでも「アイツの弟子 俺達の仲間 松下村塾の 高杉晋助の魂を護る」と高杉に想いを告げる。高杉は「そうか しらなかったよ 俺ぁまだ…破門されてなかったんだな」と己の中に未だ松下村塾の門下生としての魂が在ると銀時(松陽)が認めていたことを悟ると、穏やかに微笑んだ。
しかし刹那、朧が投擲した錫杖に高杉は背後から腹を貫かれその場に倒れ伏す。
銀時は倒れた高杉から一瞬も離れぬ様に歩き、高杉を護るように朧達へ立ちはだかる。
「今も昔も 俺達ゃ変わらねェ」
銀時が戦おうとしている敵は自分自身(高杉と自分)だ。高杉の侍(やり方)を認める訳にいかない。
朧と対峙する銀時は満身創痍の身ながら、眼前に見据えた敵にこう言い放った。
「たとえ斬ることになってもコイツを止める」
「だがこの世で誰よりコイツの気持ちをしっているのも この俺だ」
「この世で最も憎んだものは 同じだ」
「コイツを斬るのも護るのもこの俺だ」
「それが俺の定めた侍だ」
銀魂の世界において「侍」という概念は作品の根幹であり、銀時が松陽から学んだ、自分の中の折ってはならない道理そのものである。
銀時にとって「己の定めた侍」が高杉晋助とその魂を斬り、護ることだということ、そしてそれらを他人に明け渡しはしないという確固たる宣誓に言い知れぬ感動を覚えた読者は少なくない。
今回の戦いで銀時は高杉を斬ることで松下村塾の高杉晋助の魂を護ろうとしたのだ。
この言葉を高杉が聞いていたかの描写は無いが、朧との戦闘において絶妙のタイミングで高杉が起き上がり朧の左目を突いていることから、聞いていた可能性も十分に考えられる。
高杉は、どちらがくたばろうが必ずどちらかが必ず地獄に送ると宣戦布告する。
二人は一瞬の共闘をし、神楽と神威の割り込みによって窮地を逃れる。兄妹に肩を借りながら各々の帰る場所へ離れていくその間際、銀時と高杉は視線を交わし合っていたのであった。
包帯
銀時との戦いを経た高杉から病んだ印象はなくなり、憑物が落ちている。
銀時という自分(仇)と戦い、銀時に病んだ精神を斬られ護られたのではなかろうか。
二人を表し、サブタイトルともなった「仇」という言葉には「敵、恨む相手」や「競う相手」の他に「心を悩ませる相手、恋しい人」「結婚相手、配偶者」といった意味も含まれる。
これ以降、高杉は「虚の造った世界を壊す」という目的を定め、過不足なく動けるようになっている。
心境の変化なのか、目を覆っていた包帯を改めて巻くことはなかった。
高杉の心に呪いを掛けたのも解いたのも銀時であった。
さらば真選組篇
第五十九~六十一巻 第五百二十五~五百五十一訓
近藤と桂、松平の救出に向かう銀時たちの前に朧が立ち塞がる。真選組らに先を行かせ「奴ァ俺達(オレ)の客だ」と戦闘を引き受ける。
朧と向き合う銀時の胸中では、忍びの里にて満身創痍の状況で奈落の大群に囲まれながらも「どちらがここでくたばろうが どちらかが必ずてめェらを地獄に送る」と誓った高杉の言葉が思い返されていた。
自分と高杉の二人をして俺達と書き、オレと読む銀時に、全く高杉の出番がない篇でもその存在を見せつけた。
烙陽決戦篇
第七十~六十六巻 第五百五十二~五百九十五訓
鬼兵隊の危機
前章にて将軍となった喜々を殴り、更には投獄された桂・近藤・松平らの脱獄を幇助した万事屋(主に銀時)は指名手配され幕府から追われる身に。桂率いる攘夷党に匿われ潜伏するアキバへと信女が現れる。虚の片翼である宇宙海賊・春雨を叩くべく、信女はもう一人の松陽の弟子(高杉)の救援依頼を持ちかけ、虚について己の知り得る限りの情報を語った。
妹弟子から事の仔細を聞かされた銀時は虚を"生きていた松陽"ではなく「松陽も倒す事ができなかった別の松陽(なにか)」だと言い表し、烙陽で目覚めた高杉もまた以前より直感・推察していた松陽の闇について「あれだけ強かった人を事もなげに捕らえ殺す事ができる奴がいるとしたら そいつは先生自身…いや 先生の中にいた別のなにかしかあるめェよ」と同じ言葉を用いてみせた。
また、高杉がこの真実を知ったなら何というかと漏らした桂に対し、銀時は「松陽は死んだ あの時に」「高杉はそう言うだろ」とその答えを予想する。この問答の解を示すように烙陽で高杉は虚を「ふざけた化け烏」と蔑み「吉田松陽は死んだよ そしてその仇は今俺の目の前にいる」と告げ、一番弟子であった朧と死闘を繰り広げた。
しかしながら、のちに高杉は虚を「こっちの先生(アンタ)」と表し、兄弟子が師と仰ぎ仕えた存在は紛れもなく松陽の一部でもあると心境を改めた部分もある。
上記の銀時との戦闘と朧の不意打ちにより昏睡状態に陥った高杉が身を隠す場所は神威の故郷・烙陽だった。さらに神威の失踪とそれに関わる星海坊主の介入を知った神楽は、鬼兵隊の手を借りて帰郷を決める。
鬼兵隊の危機に対しては「自業自得」と言い切って助けを拒んだ銀時であるが、結局は攫われた高杉と旅立った神楽の元へと、友とし万事屋として桂・坂本と共に烙陽に向かった。
往路の宇宙船にて桂から「高杉の悪いところ」を数えるよう指摘され、「高杉の悪いところがひと~つ、高杉の悪いところがふた~つ…」と悪いところが多すぎてテーブルに突っ伏して寝てしまう。
続けて桂が高杉を助けるに足る良いところがいくつあるのか数えたところ、これもまた多すぎて寝てしまう。
要するに良いところも悪いところも誰よりも知っており、それをひっくるめて高杉と幼馴染でいるのが何よりも解り易い理由なのであろう。
坂本の回想でも銀時と高杉は顔を合わせれば喧嘩していたらしく、故意か事故かは定かではないが坂本の顔面へと両頬側から拳を入れている。坂本は昔から二人の喧嘩を止める役割をしており、今でもたとえ一時でも高杉をただの悪ガキに還したいのだと述べた。
また万斉は銀時、桂、坂本に「晋助には お前達がいた」と伝えた後、銀時ただ一人を見据え「この男達ならあるいは晋助に再び…」と希望を見た。
刀
第五百六十訓「最後の一刀」扉絵にて高杉の刀に集い支える銀時・桂・坂本のイラストが描かれている。
ここで桂と坂本は柄頭に掌を乗せ倒れなくしている様であるのに対し、銀時は柄を握り込んでいる。侍の魂である刀が倒れないよう支えるだけならば、二人と同じように触れるだけでいいものを態々握り込んでいる辺り、高杉の魂の所有欲が少なからず滲み出ているように思われる。
扉絵で先駆けて高杉の刀を握った銀時であるが、第五百七十三訓「十年」にて互いの刀(侍にとっての魂)を持ち戦場を駆ける姿が描かれた。
春雨からの攻撃を受けた銀時は万斉に助けられながら「あの死神(高杉)の背中を護っていたのはお前か」と言い、万斉は「バカな男達の背中を見ているのは飽きない」と答えた。問うというよりも最早、今の高杉を護っていた万斉への感謝の念が感じられる物言いであった。
侍の誇り
第六十三巻 五百六十九訓
銀時は春雨第二師団団長にして、あらゆる星の剣士を屠り「星亡剣王」と称される馬董と侍の誇りを懸けて一対一で交戦する。万斉は侍の誇りを銀時に一任させることに苦言を呈すが
「俺はお前達が懸けた侍(おとこ)を何度もへし折ってきた 何度もへし折られてきた その誇り(高杉)は捨てるつもりはねェよ」と、『侍の誇り』で真っ先に浮かぶのは高杉と戦ってきた積み重ねでもあると暗に告げ、馬董の相手を一人で引き受ける。
攘夷四天王
第六十四巻
万斉は高杉に、お前の仇(銀時)がまだ立ち続け友(銀時)が戦っているなら高杉もまた戦え
「死ぬる時は 友(銀時)の隣で死ね」と心中で呼びかける。その時描かれたのは、友と呼べる桂、坂本もいるにもかかわらず銀時のみであった。
高杉は昏睡から覚醒する。朧げな意識の中で高杉は暗雲から滴る雨に自身を喩え「もう雨はごめんだ」と確かに思った。
病み上がりだというのに、すぐさま味方を鼓舞し先陣を切る高杉。万斉の危機に愛刀を投擲した高杉は、烏の追撃に錫杖を奪い交戦。高杉の動きに耐えられず錫杖は折れ、武器を失った彼のもとへ新八と定春が援護に入ろうとするも、敵と膠着状態に。
銀時は新八に向かう敵を挫くために木刀を投げ、こちらも得物を失うが敵に襲われる万斉のもとへ駆ける。
互いの腹心を救うため、二人が選んだのは互いの愛刀だった。
銀時は高杉の鍔無しの刀を握り、高杉は銀時の洞爺湖の木刀を握った。万斉と新八の命を救った二人は、未だ蔓る「烏」に向かって叫ぶ。
「どけよ」「てめェらより先に 挨拶しなきゃいけねェ奴がいる」「そこをどけェェェェ!!」
二人の「挨拶」の露払いを桂が務め、共に暴れることに賛成する辰馬。旧友の登場と懐かしいやり取りを聴いた高杉の貌に笑みが浮かび、戦場の中心で銀時と相見える。
二人の刀が交差し、互いの背後に迫っていた烏に突き刺さる。銀時と高杉は何も言わずとも相手の愛刀から手を離し、息絶えた死骸から自分の刀を抜いた。
この一連の行為は作中(特に将軍暗殺篇以降の最終章)において、銀時と高杉が対として描かれている象徴とも言えるシーンであり、対極でありながらも積み重ねた年月によって影響し合う関係性が色濃く描写されている。
余談だが、この場面はケーキ入刀、披露宴、共同作業と呼ばれている。銀時と高杉の7センチの身長差が明白になる萌えも提供されているため必見。
当時のTwitter検索サジェストは「姫」。眠り姫と呼ばれた。高杉が覚醒する直前の質問コーナーにてあろうことか「淫乱団地妻の転がすいやらしいぎんたま64個目スタート」と書かれており、心なしか昏睡状態から覚醒した高杉からは人妻臭がする。
都々逸
第五百七十三訓
扉絵煽り文「三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい――」言わずと知れた、高杉晋作が詠んだとされる都々逸。
諸説あるが、代表的な訳は「世界中全てのカラス(不安要素)を殺し、貴方と朝まで寝ていたい。」であり、恋文とされる。
「主(あなた)」については、日常を共にする事が出来ず、事が済んだら共にいたい相手であると考えられる。
鴉(奈落)を殺して、あなたと朝まで寝ていたい。あなたと穏やかに過ごしたい。
ファッ○ユー
先述した高杉の詩が掲載された次の話で起きた案件である。返歌か。
銀時から高杉に放った「ファッ○ユーデス」の罵言が坂本によって「あなたとファッ○したい」と訳される。突然の出来事に高杉が黙り込むなか、銀時は「そこだけ直訳すんな」とツッコミを入れた。二人が意味そのものについての否定をしなかった為、ファンからは「ツッコミはそこで良いのか」とツッコミを入れられていた。
高杉は「年中甘い息吐き散らかしてるバカが」と翻訳係の坂本を介して返すが、これは翻訳されなかった。この言葉から、高杉は年中、銀時の甘い息が伝わる近い距離でいた事、またそれを瞬時に思い出せる繋がりの深さが窺える。
攘夷四天王が集結してからは、高杉が銀時の顔先に迫った戦車の砲筒を一刀両断にして救ったり、その直後に二人で剣を構えて砲台を破壊し、「…どうだ 病みあがりの足を引っ張った気分は」「どうだ その足手まといの手を借りねェと生き残れねェ気分は」「「最悪だ」」と同音異口で罵り合う等ネタに事欠かない。
この砲台を破壊した場面では、銀時の筋骨隆々な腕と高杉の引き締まった腕、といった体格の差が明確に描写された。また銀時は右腕一本だったのに対し高杉は右逆手に加え左掌で柄を押し込んでおり、腕力やそれに見合った剣の使い方の差が浮き彫りになった神回である。
その後、坂本や桂から「今の友のためにこの旧き友を使うてくれ」と背中を押された銀時と新八は、神楽のもとに向かうべく戦線を離脱する。離れ際、高杉は新八に「銀時(そいつ)の首を誰にも渡すな」「全部片づけて銀時(そいつ)の首だけとりにいく 決着をつけにいく だからそれまで銀時(そいつ)を…」と告げて銀時を託した。
高杉を「晋助」「晋助様」「晋助殿」と下の名前で呼ぶ鬼兵隊幹部の面々に対し妙に当たりの強い部分がある銀時であるが、同じく「シンスケ」呼びする神威を前にしても揺るがぬ意志で彼に立ち向かえたのは、ここで高杉が一心に自分を追いかけてくれている自負を再確認した故でもあるのかもしれない。
銀ノ魂(シロガネノタマシイ)篇
第六十六~七十七巻 第五百九十六~七百四訓
地球と宇宙
地球を終わらせることで自分自身の生を終わらせんとする虚は、天導衆の「鍵」を奪い宇宙中のアルタナを暴走させることで、戦争を誘発させる。天導衆に宇宙中のアルタナを管理させることに決定的な危機感を与えたことで『アルタナ解放軍』が地球へと進軍する。
万事屋は集結する仲間達と共に、虚の暴走、そして『アルタナ解放軍』や彼らに雇われた傭兵部族らの暴挙を止め世界を救うべくかぶき町を最後の砦として外敵を排除・籠城に徹していた。
源外の発明であらゆるカラクリの使用を制限し、かぶき町の抵抗により解放軍の動きを一時的に止めることに成功するも、業を煮やした圓翔は宇宙船雨鳥船(アメノトリフネ)に積まれた破壊兵器・火之迦具土神(ヒノカグツチ)を使い地球を破壊することを決める。
その頃、一時の戦勝ムードと休息のために酒を浴びるように呑んだ銀時は吐瀉物を撒き散らしながら地球危機の報を受けていた。
残存する戦力で宇宙にいる圓翔を止めることができるのか新八や真選組が不安に顔を曇らせるが、「俺達以上に世界を壊されていくのが気にくわねェ奴が まだいるのは確かだ」と何かを確信しているように銀時はひとりごちる。
銀時の予感に違わず、桂と坂本ら地球側の窮地に鬼兵隊が到着する。
第七十巻 六百三十三訓
劇中ではかつて攘夷戦争の折に四人で話した仇名の回想が描かれた。賊軍と呼ばれ続ける自分達の現状に不満を漏らし「モテたい」「八つ当たりしたい」の次くらいに国を思うとのたまう銀時に高杉はツッコミ(本人にツッコミの概念はない)を入れ、何と呼ばれようが誰にも理解されなくても「俺達のやろうとしている事は俺達がしっている それで充分じゃねェか」と穏やかに反論した。
銀時が鬼兵隊のネーミングとそれを堂々と名乗ることを「中二病」と煽り、鬼兵隊の何が悪いんだと高杉が反論する。白夜叉も鬼兵隊と似たようなものだが、これには誰も触れなかった。いつもどおりの二人の喧嘩に坂本が茶々を入れ桂が嘆息する、戦いの間隙の穏やかな日常がそこにはあった。
舞台は現在に戻り、桂・高杉・坂本が背中を預け合い敵に対峙する。宇宙で最も危険な戦場であろうとも、宇宙と仲間の危機に必ず来ると信じていた坂本。己に斬られに戻ってきたか宇宙を盗る気かと悪態をつく桂。
対照的でありながら変わらぬ信頼が滲む言い様に乗るように宇宙中との大喧嘩を予告し、国も宇宙も城も星も、何を懸けて戦おうが必ず銀時が立ち塞がるのを煩うように誇るように「アイツを倒さねェ限り 国も宇宙も盗れねェよ」と吐き捨てた。その邪魔者がいない宇宙ごときは容易いという大法螺を実現せんと、高杉と鬼兵隊はヒノカグツチの発射阻止を請け負う。
ヒノカグツチの深部に向かう道中にて、地球のアルタナが虚の手で暴走させられ破壊兵器起動が確実なものとなったこと、地球側の全滅も危ぶまれているという情報を受けて尚「地球はまだくたばっちゃいねェよ」と銀時の予感に応えるように確信を持って高杉は部下を鼓舞した。
「まかり間違って天に召されるバカがいたら 俺がまとめて天上から蹴り落としてやらぁ」
「絶望し天を仰ぎ見た時その濁る目に唯一映るのは 安らかに眠れる天国(死に場所)なんかじゃねェ ただそこで自分と同じように戦う仲間(やつら)の背中だよ だからここで俺達は戦うんだ」
地上がどれほど絶望的な戦局であろうとも、天上(地獄)から希望を齎すために戦う。いつかの戦場で幾度も銀時の背中に希望を見た高杉は、その価値を誰よりも理解していたのだ。
本命
「こっちは余計な雑魚(もん)さっさと片づけて本命とやり合いたいだけさ」と独言し神楽すら雑魚の一人と宣い戦り合おうとする神威に「誰彼構わずおちこち再戦フラグおっ立てといて本命一人とハッピーエンド迎えられると思ってねェだろうな」と木刀を投げて制止した銀時。
上記の台詞と将軍暗殺篇の「借りを返した暁にはやり合ってくれるって約束しただろ」という神威の高杉への言葉を聞いていたことを鑑み、銀時は神威が高杉を本命だと言ったことに対してキレていると受け取れる。
地球への通信
虚によるアルタナ暴走の余波で源外の『蜂』は吹き飛ばされ、宇宙からの攻撃に無防備になったことが分かり、絶望感に苛まれそうになったその瞬間。宇宙から地上に入る通信が入った。
「敵艦隊(こっち)の事なら気にとめる必要はねェ もう片付いたぜ 銀時次はてめェの番だろ」
「どこの誰だかしらねェが わざわざ宇宙からケツ拭きご苦労さんよ」
ずっと競うように強くなってきた銀時と高杉。高杉の戦勝報告と尻叩きに呼応するように、現存する戦力は尚健在だと返す。銀時の不安は払われ、「解放軍を止めただかなんだかしらねェがまさかその程度で…燃え尽きちゃいめェな ガラクタ(=役目を終えたもの)になっちゃいめェな」と通信を送った。
その銀時の挑発に高杉は烙陽での最後の宣戦の通り「…ああ 首洗って…待ってな」と再戦を約束。それを聞いた銀時はひときわ不敵な笑みを浮かべるのであった。
……が、実はこの時、高杉の身体は死の一歩手前といっても過言ではなく、鬼兵隊の応急処置も虚しく決して助からない状態だったことが二年後陸奥の言葉で明らかになる。
つまりこの時点で高杉は今生の別れを理解しており、銀時はそれを知らされず、虚との最終決戦を前に発破をかけられたということになる。
最終回発情期(ファイナルファンタジー)もしくはエピローグ(仮)
第七十四~七十七巻 第六百六十六~六百九十八訓
墓前の再会
虚との最終決戦の直後、銀時はやらなきゃいけないことを見つけたと言い残し、万事屋をやめ半壊した江戸から離れ旅をしていた。
一方、陸奥曰く高杉は天鳥船で負った傷により、死を待つだけの身でありながら行方不明となっていた。
そうして万事屋と鬼兵隊の大将たる二人が揃って仲間のもとから姿を消して二年後。
第七十四巻 六百十三訓「亡霊」
銀時が松下村塾の跡地に訪れると、朧の墓を建てた高杉が墓参りにやってきている姿を見つける。銀時は高杉を亡霊と呼び、高杉自身も否定しない。互いの目的を探り合うかのような会話をすると、斬り掛かる高杉と刀を交える。高杉なりにこちら(亡霊の領域)へ来させまいとしたのではないか。
「亡霊の手は亡霊にしか掴めねェ」そう告げる高杉の傷が、虚の再生を彷彿させる蒸気をあげ瞬く間に治癒する様を目撃し銀時は驚愕する。
高杉は銀時に万事屋へ帰るよう「間に合う内に引き返せ」と告げるが、この言葉は鬼兵隊結成前に子供のまた子にも優しい表情で掛けられたもので、高杉の性格がよく表れている。
そこへ萩(?)に左遷されていた土方と部下の横槍が入り、高杉は銀時の頭を踏み台にして高台に逃走。追い縋ろうとする銀時に「俺よりヤベェ奴ならそこにいるぜ なァ白夜叉殿」「俺が終わらせる」と言い残し、再び行方を眩ませた。
「高杉の仲間か」と警察に問い詰められる銀時。この時の彼は、高杉の無茶を察したこと、そして邪魔が入って高杉に逃げられたことに苛立ちを覚えていたのか、かなりキレた表情を見せていた。こめかみに青筋を立てながら向けられた木刀を素手で握り潰し、「そう見えたかよ」「お前らの仲間やるよりはマシそうだ」等吐き捨てている。
土方が事情聴取で「かつての悪友と密会して悪巧みか」と問い銀時は「俺達は共謀して地球を滅亡させようとしただけ」「高杉が呼び出して俺がリモコンで殴りました」と実際には自分が踏まれたのにもかかわらず、背負わなくていい罪を自己申告してまで高杉との関係を主張。
土方は、高杉の雨鳥船での戦いにおける貢献を認めており、内情を知る者からの高杉に対する見方が変わったことが分かる。しかし疑念は拭いきれず天導衆を担ぎ上げて宇宙でテロ行為を働いているのではないかと高杉への疑惑を述べる土方に対し、銀時はアイツが一体どうしてそんな事を起こすと否定する。
土方は「それでもお前は高杉(アイツ)を信じ……」と江戸と高杉どちらを取るのかといった質問をするが、山崎が暴発したり色々あって銀時は屯所を脱出する。
奇跡の連携(コンビネーション)プレイ
その後銀時は悪路木夢粋原作者渾身の画力で高杉の人相書きを描き上げ、街中を捜索する中で鬼兵隊のまた子と武市が同じく高杉を探していることを知る。
銀時は、道往く輩に喧嘩を吹っ掛けられる高杉の後ろ姿を発見する。しかし、それらしく台詞を繰り出した人物はお馴染みの変装をした武市であった。そのオチ(正体)に銀時は十一回ひたすら無言かつ真顔で武市を蹴り続ける制裁を科して、喧嘩を吹っ掛けてきていた輩に引かれている。
銀時は武市と一緒に来ていたらしいまた子に背後から銃を突き付けられる。高杉は生きているのか、どこで何をしているのかと問い詰めるまた子。銀時は沈黙のち「こっちがききてェよ」と返す。続けて、生きているが、その状態からして生きてるといって良いのかと無表情で告げた。
高杉を追おうとする二人に銀時は、それではアイツは足を止めてしまうかも知れないと警告し「本当はそっちが正しいのかもな」と去る。
高杉を追うまた子に、高杉の目的は自分と同じだと理解し「やめときな アイツはおそらく今誰のためでもねェ自分のためにだけに動いてる」と忠告もしていた。つまり銀時は土方の仮説には全く靡かず、ウンザリするほど知っている高杉晋助を信じた上で探していた。
第七十五巻
謎の追っ手が銀時とまた子、武市を襲う。そこで、銀時が泳げないのは子供時代に高杉とスイカ割りをした時に崖から落ちたのが原因だと判明する。
三人の窮地に背後からの刀の投擲と派手な爆弾で高杉が助けに入り、共闘する。
この川での再会の際に「よォ 黒幕」と皮肉げに挨拶しているが、あくまで『お前黒幕なんだって?いや知らなかったわ~(意訳)』といったニュアンスであり、高杉自身も黒幕説を即座に否定している。
高杉はまた「こっからは亡霊の領分だ」と銀時に『呪い』を背負わせることを避けるが、銀時は意地でも離さない。
前半はシリアスだったものの、後半はとんでもないことになった。
鬼兵隊に未練タラタラなのにこっからやっていけるのか?と銀時に言われた高杉は、図星だったのか舟を使って台詞を遮り「春画の貸し借りはしていない」「高杉は素人モノが好き(肯定も否定もなし)」「ポートピア殺人事件を銀時に借りパクされた」との情報が暴露された。
・謎の追っ手の砲撃により二人とも川に落ち、カナヅチの銀時は高杉の足首を掴んで引き寄せた
・さらに追撃がかかり、水中戦を前に銀時は高杉を乗り物に見立てて出発進行かの様に構える。その際の銀時の股間が高杉の尻にフィットしてるとしか見えない構図で描かれた
・直後高杉が敵の目くらましとしてサソリ蹴りで銀時を蹴り飛ばす
・敵を斬った高杉は泳げない銀時を気にして振り返り、沈んでいく銀時をわざわざ鞘で自分より高い位置に持ち上げて水面に引き上げてやる。その時高杉は真面目な顔をしており、こちらも真面目に驚いた顔の銀時と視線が合う。
・引き上げた先には敵の矢が無数に飛んできていた。高杉に「人を浮き輪代わりに使ってくれたんだ 盾代わりくらいしても釣りがくるぜ」と煽られながら、銀時は溺れない代わりに必死で矢を払う。
・高杉がちょっと泳げるから調子に乗ってと銀時は盾をやめ「俺の力を持ってすればてめェごと川底に沈むのもワケねェんだぞ」と高杉の首に腕を回し、心中宣言
・その銀時の顔を水中に沈めたところ「鼻に水が入ったもう許さねェ」とキレ、高杉もこっちのセリフだとキレる。
・水中でじゃれ合う(翌、第六百七十八訓ではこのシーンで高杉が銀時の下半身に膝蹴りを入れようとしているのを、銀時は蹴り返すのではなく股で挟み込んで抑え込もうとしているようであった)
・重ねて言うが敵の眼前であるが、銀時と高杉の視線はほぼ互いしか捉えていない。
・水中から敵に引きずり込まれ、高杉の羽織が浮かび上がる。殺されたように見せかけ、敵の背後まで銀時を背負って潜水した高杉が水面に上がる。また背中に股間がフィットしている。
・再び出発進行とでも言うかの様なキメ顔をした銀時の顔面を鷲掴みにして敵にぶん投げながら高杉は敵を叩き斬る。
というとんでもない銀高供給回であった。
また、カナヅチの銀時とは対照的に高杉は泳ぎが得意ということが判明した。
ちなみに小見出しの「奇跡の連携(コンビネーション)プレイ…!!」は第六百七十七訓本誌掲載時の引きの煽り文である。連結ではなく連携であり、プレーではなくプレイである。念のため。
航路
二人は背を預け合い、途切れることのない追っ手を薙ぎ倒していく。
銀時が「お互いヤキが回ったもんだな 本来戦場じゃ背中ってのは最も信頼のおける仲間に預けるもんだが 巡り巡って今じゃこの世で最も信の置けねェアブねェ野郎しか立っていねェとはよォ」と言うのに対し高杉は「安心しな銀時 俺ならいつでも振り向く覚悟はできてるぜ そう思える敵(あいて)じゃなければ今迄一人で動いてた野郎が誰かを巻き込むようなマネしねェだろ てめェなら俺の都合で殺しても構わねェ そんな勝手が通せる相手だからこそ 俺もお前も背中(ここ)立ってるんじゃねェのかよ」と応える。
自然と背を護り合う形になったことを言い訳するように会話をする銀時と高杉の表情は、未だ複雑なものを抱えながらも、悪ガキのような楽しげな笑みを携えていた。
高杉は用意した船と包囲網を抜ける手段を銀時に伝え「来るなら来な」、やり方は違うが互いにやろうとしている事は同じだ、利用しねェとなと述べる。銀時が持っているモノを奪う目的で現れた高杉は、上記の川でのどさくさに紛れて懐にあるものを掠め取っていた。
高杉は「あそこまで泳げてこれたらの話だが」と沖まで泳ぐことは難しそうな銀時を置いて待たせていた船に辿りつく。追っ手から逃れるため急いで出航しようとする船員へ咄嗟に「待ってくれ」と言ってまで、武市やまた子そして銀時が追ってくることを期待する。が、今生の別れを一人口にした。
しかし、銀時は高杉を追って船までやって来る。高杉の疑問に対し「泳げねェなら歩くまでだ」と明かす。奈落の追っ手を橋代わりとしてまで、銀時は川で溺れるほどに泳げないのに、沖まで必死に高杉を追いかけて来ていた。高杉は「俺よりよっぽど修羅道を歩んできたようじゃねェか」と面白がる。
盗んだものを返すよう言い詰める銀時に、高杉は覚悟を認めたからか素直に返還する。その驚愕の中身とは、老舗和菓子屋圓七の名物あんころ餅であった。
「てめェ何つーもん俺にスらしてんだ」と理不尽極まりない言い草で顔面と腹部を蹴り飛ばす高杉に対し、銀時は文句を言うだけで全くやり返さない。銀時の大好物である甘味を手越しで踏まれ、目で食べる羽目に遭いながらも「目で食べてもうまっ」などと言う始末。ボケ続けた挙句、菓子に包まれた女性をネタにして食べていいかな?などと下品極まりない戯言を嘯く銀時に「ああ 腹を下して死んでくれ」と呆れ本題に話題を変えた。
ちなみに高杉が奪おうとしていた本命のモノは虚、吉田松陽の心臓たる結晶石である。
実際この場面において『高杉が盗んだものは結晶石ではなくあんころ餅』であるため、目的が結晶石ならスられていないため追う必要はなかったこと、似顔絵まで描いて街中高杉を探していたこと、船の行き先すら知らなかったのに高杉を追いかけて乗り込んだこと、銀時は高杉に聞かされるまで星芒教(下記参照)の存在を知らなかったことから、銀時が高杉を必死になって追った理由は決して『目的の為に高杉が必要だから』でも『情報を聞き出すため』でもなんでもないことが示唆されている。
「松陽を救いたい」と願い、そのために仲間と離れたった独りで二年間生きてきたことを共有できる唯一無二の相手として高杉に話を聞いて欲しかった、話を聞きたかった、ただ会いたかったのではないだろうか。銀時は高杉を目的として行動し、命がけで共にいようとしたのは明白である。
銀時は二年前、復活するであろうアルタナ変異体を見つけ出すべく、一人でこの国の龍穴を探し始めた。ある時ある神社で海に漂っていた肉塊から赤子に変化した「人間らしきもの」を神主から引き取り、短刀を向けるも殺すことができず、何も話さず何も伝えずただ共に旅をすることに。
「これは人間ですか」という神主の言葉に何も返さなかった銀時は、その問いを自問するように彼の正体を掴めずにいた。「ラスボスでも育ててる気分だよ」とかつての自身と松陽を重ね自嘲する銀時に、「吉田松陽」の記憶を一時取り戻した幼子は己の願いを銀時に託そうとする。
しかし虚の復活を目論む奈落の残党に急襲され、幼子は銀時を庇い錫杖に貫かれてしまう。彼は最後の力を振り絞り、自身の心臓(結晶石)を銀時へ渡し残された肉体は奈落の手に落ちた。
銀時の二年間を黙って聴き終えた高杉は「てめェのいう救いってのは一体何だ」「さまよってんのは自分(てめェ)の決心の方じゃねェか」と彼の心と行動の矛盾や迷いを指摘し、銀時の知らない星芒教という教団の存在及び思惑を話そうとする。
しかし高杉はその場で咳き込み、血を吐き出した。
心配し、二年前高杉の身に何が起きたのか、何を見たのか問い質す銀時へ語り始める。
二年前の天鳥船内で、高杉は死の間際にとある行動を起こしていた。
銀時に松陽を斬らせた、虚を利用せんと実験を重ねてきた天導衆を裁くため、彼らを収監した一室に辿りつき「死に方が解らねェなら教えてやる」と刀を向ける。
しかし天導衆らは、高杉の目の前で虚の姿に変貌。
「既に虚(わたし)の因子はその血と共に国中にバラまかれている もうすぐ死にゆく君にその全てを摘み取る事ができるかな」
その予言めいた言葉に、まだ何も終わってなどいないことを直感しながらも、動揺し止めを逸った高杉に凶刃が襲う。この時高杉は今際の際に兄弟子の遺骨を心臓に突き刺し同化することによって現世に留まった。
何の因果か、銀時が救いたいと願い、護ると誓った二人は同様に全身を串刺しにされ魂を踏み躙られていたのである。
変異体の血を受け度重なる再生の果てに限界を迎えた朧と同じように、否それ以上に、高杉に残された時間はもう長くない。
しかし、だからこそ高杉は己の本当にやりたいことを素直にやれるようになったと述懐し、銀時は見たことが無いほど暗く真剣な顔をして耳を傾けていた。
「もういいだろう もう充分だろう 先生は お前は もう充分苦しんだはずだ」
と、松陽を斬ってから銀時が生きてきた万事屋としての十年と、松陽を救うために悩み苦しんだ二年を受け入れ認め、「あの時救えなかったものを ただ救いにいこうぜ」「迷ってる暇なんかねェはずだ」と決心がさまよっていた銀時を諭した。
このシーンの高杉の慈しむような眼差しとこれらの言葉を聴いた銀時が見せた表情は筆舌に尽くし難い。
ちなみに船で萩(山口・長州藩)〜江戸へ向かった場合、我々の時代でも35時間はかかる。
作中登場した船の動力によっては数日を要する。よって、船内では一夜以上を過ごしている。
着いた後の様子を察するに、良い時間を過ごせたのではなかろうか。
とんでもねェ悪ガキ連れて帰郷
水夫らの頭は、二人をして「ただの悪ガキみたいな顔してた」「英雄でもなんでもない悪ガキが二人 悪巧みして遊んでるような」と評し、高杉に協力したことに何一つ後悔も不安もないと言い切ってみせる。
高杉とはぐれたまた子もまた、舟上で背中を預け合う二人と高杉の表情を見たことで「晋助様のあんな顔…初めて見た」「もう少しあのまま 見ていたかったのかもしれない」と武市に漏らし、追走を躊躇するほどの何かを感じ取っていた。
高杉がかつての仲間とする背中合わせの共闘自体は、烙陽でもアメノトリフネでもまた子は目撃している。だというのに銀時との二人きりの連携においてまた子は、他にはなかった特別なものを見たと言うのである。
江戸に到着後、銀時と高杉は町を歩きながら作戦会議を雑談のように会話する。それは十二年離れていたとは思えないような、長年連れ添った知己の如くに自然で気の置けないものであった。
星芒教が動く前に高杉はやることがあると言い、銀時に顔なじみに会いに行くよう水を向ける。
そうして二人は一時別行動をとり、高杉のいない間にかぶき町の面々と顔を合わせないようマネキンになったり変態仮面になったりフンドシをかぶったりとひたすら隠れ逃げる銀時であるが、高杉(の格好をした異人のオッサン)に「お前でも役に立つことあるんだな」と誂うも反応がないことに焦れ、髪を掴んで振り向かせようとした。
そのカツラを使って偽杉晋助として町を闊歩した。その姿のまま下剤を仕込まれ漏らしたり、有り金はたいて全裸にオムツ一丁になったりその格好で縛られ仏化したりとカツラをかぶっただけの銀時の姿でありながら擬似高杉にギャグをやらせる好き放題ぶりである。当の高杉はそのカツラのおじさんのクマの着ぐるみを被って風船配りをしたが子供にねだられても風船は配らなかった模様。
ここまで高杉晋助の酷いイメージを女性陣に与えておきながら、彼女らが高杉に対し暴言を吐くと「高杉に謝れ」と絶叫した。武市が高杉のコスプレした時に無言で蹴りを入れ続けた時と同様に、自分が高杉を貶めるのはいいが他人にとやかく言われるとキレる模様。
ちなみにフォロ方フォロ士郎がマヨネーズになりながら誤解を解きました。
特に猿飛あやめ(さっちゃん)は忍軍を率いて、銀時が江戸に到着した時点で情報を集め、高杉と行動を共にしていることまでは掴んでいた。高杉の計略によって銀時が良からぬことに巻き込まれていると推測した猿飛は、御庭番衆に「坂田銀時を探し出し、私と結婚させるのよ!」と叫んだ後自ら、銀時が扮する偽杉晋助に対し「あなたに坂田銀時は渡さない」「あの人の帰ってくる場所はここにあるの」と難詰する。
公式で銀時に恋愛感情を抱き連載初期からストーカー行為を続け、女性キャラが銀時と近づくたびに牽制してきた猿飛であるが、かつてここまで強い言葉で責めたことはなかった。
勿論、将軍暗殺篇で故郷を壊され高杉本人に自身も刺されて(高杉は必殺の剣を振ること、背後から不意を突いた状態で致命傷を逃している事から恐らく意図的に致死を避けて刺したと推察されるが)、主を失った要因とも言える対象に強い恨みの感情もあるだろう。しかし、これらのことではなく真っ先に銀時について高杉を責め立てた。
銀時の帰る場所はここだと言いながらも、何があろうと一筋縄ではいかないと理解しているはずの銀時を高杉に奪われる可能性を視野に入れているとすれば、彼女のアイデンティティからして凄まじい意味を持つ発言である。
三つの道
紆余曲折あって気絶した新八を背負って万事屋へ足を運び、そこで入浴中の神楽と接触。顔を隠しながら脱出を図り、追ってきた神楽をターミナルの爆発から護った後、爆破の首謀者である高杉の元へ向かった。
二人で星芒教の企みを阻止すると決めたものの、高杉が銀時に黙って実行した作戦は総理大臣となった桂を殺害し江戸を餌に星芒教をおびき出すことだったと知った銀時は高杉を糾弾。
高杉もまた、それらを犠牲にするだけの覚悟もなしに共に行こうとする銀時から心臓を奪い、一人でターミナルへ向かおうとする。
再び決裂したかと思われたが、高杉の手から心臓を奪取し桂が姿を現した。暗殺されそうだというのにボケ倒す桂。高杉は「ツッコミって何だ」と言い放ち、あろうことか桂から「大ボケか」と返される。
高杉は「先生は 俺達は きっとあの頃のように笑えるだろ」と言う。それが今の高杉の行動原理だと思われる。
ターミナルを爆破はすれども、高杉は桂の協力のもと人的被害は出さずに行動していたという。初対面の祭りでの動き方から考えると、高杉の身体はボロボロながら、銀時を筆頭に攘夷四天王に助けられた精神は大きく健全に快復している事が窺える。
桂が誤ってビルの屋上から取り落とした心臓を追い、奈落と銀時と桂は混戦する。高杉はそんな二人の顔面を踏みつけ、心臓を再び奪取。するべきことを済ませた以上、あとは「指くわえて見てな」と宣う高杉の足首を銀時と桂が掴み、敵に向かって後頭部を叩きつけた。直後、三人は揃って奈落を一掃。
ギャグパートにおいて高杉から受ける暴力に対し反撃の素振りが目立って少ない銀時であるが、ここでようやく初めてといっていい直接的な攻撃が行われた。
一見微笑ましい幼馴染三人の気安い関係性であるが、銀時の高杉への業深さ、これまでと違い銀時一人にではなく桂に対しても足蹴しているということ等を念頭に置いて考えると、銀時にとってこれは珍しく行われた「自分への暴力に対する報復」ではなく、自分以外の男を踏んだことに対する仕置の一種なのではないかと邪推できない事もない。「高杉に踏まれるのも蹴られるのもこの俺だ」という俄かに信じ難い独占欲が、無いとも言い切れない。
「ヅラ お前が虚を斬るってェなら俺は虚を救うよ だが高杉が虚を救うなら 俺は虚をぶった斬る」「おめェらが選べなかった選択肢は俺が選ぶ」「お前らが選んだ道なら きっとどっちも間違いじゃねェさ だから俺はどんな道も踏めるよう まっ白でいく」
"先生が遺した世界を護るために虚を消滅させる"桂と、"先生=虚を救う"高杉。二人の選択ならばどちらも間違いではないと、二人の取り零したものを救うことも斬ることもできるよう「まっ白でいく」という銀時の出した答えを受け、三人はターミナルへと進んだ。
週刊最終回
連載終了カウントダウンの期間、ほぼ会話なしでひたすら突き進んでいた村塾組は、最終回にてようやくまともな会話の応酬がなされた。
町中に響き渡るお通の曲にツッコミを入れる銀時、「ページ数が足りん」と憂い銀魂終了を番組で伝えた桝アナに憎しみをぶつける桂、おそらく曲の元ネタを一切理解していない高杉。
どう収拾をつけるか桂も作者も惑う中、銀時と高杉の二人は迷いなく先へと進み出す。
「俺達の戦いは ジャンプGIGA(ギガ)からだァァ!!」
こうして週刊少年ジャンプにて完結を迎えた最終回の向こう側(GIGA)にて連載を再スタートすることとなった銀魂。
最終回の巻中カラーイラストでは日常の銀魂主要キャラやこの最終章で活躍した人々がオールキャストで描かれたのにもかかわらず、なんと高杉がいないのである。
この違和感ばかりの扱いに逆に特別感あるという意見や、振り向いている銀時が優しい眼差しを向けている相手は読者ではなく高杉であるという考察もあった。
以下を挟んだ後、重大なネタバレを含みます。
関連イラスト
現代
二年後
他
GIGA以降、重大なネタバレを含みます
第七十七巻 第六百九十九~七百四訓
ゴリラ達の晴れ舞台が披露された終わる終わる詐欺の後、週刊少年ジャンプからジャンプGIGAへ移籍。銀魂のために作られた専用アプリでの連載に突入し、締切は逃した。
懐
巻頭カラーから序盤にかけての銀時もとい原作者のギリギリ過ぎるパロディに対し、高杉は富士額のライバルキャラに(桂曰く)クリソツなモノマネをして「シルバーボールって何だ」とギャリック砲で銀時を真顔で吹き飛ばした。
「この手によって失ったものは この手によって取り戻す」
「それが松陽の弟子(オレたち)ってもんだろ」
先頭に立った高杉が銀時と桂を鼓舞すると、三人はターミナルへ堂々と侵入した。
ターミナルから九曜内部の松陽へ辿り着くべく進む中、エスカレーターが桂の爆弾に耐え兼ねたのか崩れ落ちる。高杉は背後で落ちゆく桂の連なる銀時の手を掴んだ。「断ち切れねェ そんな腐れ縁に そんなバカどもに振り回されんのは……今生限りにしてェもんだ」そう言い放ちながら、高杉は桂ごと銀時を放り上げ、三人は目前に迫りくる敵を返り討ちにした。
走りながら銀時は二人に宣言する。
「残念だったな お前らまだ死ねねェよ 俺がさせねェから」
苦労押し付けたバカ師匠も「俺をブン投げてくれた相弟子も」まだまだ殴り足りない。
銀時の胸中には、この三人の時間がずっと続けば良いのにといった思いが溢れていた。
そんな銀時に共鳴して言い募る三人の出した結論は、「永遠なんかじゃ足りねェや」だった。
高杉を中心として、三人はやっと昔の絆が戻ってきた楽しさと懐かしさを滲ませながら走り続ける。
しかし、三人だけの猛攻は影からの砲撃を機に勢いを失う。
いち早く気づいた桂が捨て身で二人を助ける。命が幾つあっても足りないと言う桂に対し、高杉はここらで一つが退場したら解らなくなるが、命が三つあれば充分足りると笑った。
三人が教徒に包囲されたその時、かぶき町の仲間が銀時の願い(依頼)を叶えるためにターミナルへ集結。その隙に三人はエレベーターへと逃れた。銀時を追ってきた彼らの姿を見た高杉は、心臓を寄越して帰るよう銀時に勧告する。
「俺には俺の てめェにはてめェのとり戻すもんが…」と重ねて捲し立てる高杉に、銀時は静かに言い聞かせた。
「高杉 俺ァとり戻さなきゃならねェもんなんて もう何もねェよ」
「失くしてたもんなら もう戻ってきたさ」
「全部 懐(ここ)にある」
「そいつを何一つ失わねェために ここにいるんだ」
この時銀時の脳裏にあったもの、「とり戻さなきゃならねェもん」「失くしてたもん」とは、他ならぬ高杉であり、その脳裏に描かれたのも高杉のみであった。
攘夷戦争で背中を預け、同じ痛みを知る唯一無二の相手は、忍の里での死闘から今に至る旅路の中で己の懐に戻ってきた、その全てを失わないために此処にいるのだと、心からの想いを真っ正直に告げる銀時に、高杉は思わず閉口する。
直後、突如の爆発に桂は心臓と共に階下へ落下。銀時は高杉の手を掴み、エレベーターの吊りワイヤーを握り留まろうとするも勢いを殺しきれず高杉の手を掴みある階の扉へ投げる。
扉を斬り飛び込んだことで一人助かった高杉は、自分を護るために銀時が墜ちたと、先の消えたワイヤーを呆然と見遣った――と思われたが、銀時は階の縁に手を掛けた状態で持ち堪えていた。
「踏んでる」。その素っ気ない台詞と銀時の生存に高杉が見せたのは、安堵したような、己を優先する銀時の行動に葛藤するような、複雑な表情だった。
今手を掴んで助けたことで、エスカレーターでの借りについて「これであいこだな」「てめェにだきゃ貸し作んのはゴメンだからな」と敢えて軽口を叩く銀時に、「奇偶だな 俺もさ」と高杉はまた手を差し出す。
高杉から掴み、銀時から掴み、最後に高杉から差し伸べた手に銀時からも手を差し出した。
やっと貸し借り云々でなく手を取り合おうとしたその瞬間、高杉の胸を刃が貫く。重なりかけた二人の手は離れ、背後からの敵が姿を現した。
銀時が「高杉」と叫び自力で這い上がるも、虚の姿をした男に高杉は首を斬り裂かれてしまう。まざまざと見せつけるように、虚は銀時を見ながら笑みを浮かべていた。
即死の重傷を負わされた高杉を見た銀時は血相を変え、引き結ぶ口元の端で歯を軋ませる。その直後、憎悪とも憤怒ともつかぬ相貌で虚の左目を突き潰し、怒涛の如く斬りかかった。
常に背後に高杉を据え、護るように戦う。虚の血を受けた星芒教(元天導衆)の幹部はさらに一人増え、銀時の背後が襲われかけたその時、再生しきれていない身体で立ち上がった高杉が斬り払う。
この時銀時は敵の不意打ちに反応し視線を向けているが、高杉が起き上がったのを目の端で見つけてからは、攻撃への回避や防御も頭から失せその生を確認するように釘付けになっている。
松下村塾の弟子達がここに集ったこと、全ては虚の定めた運命であると銀時に諦念を促す敵に対し、高杉は虚の因子などではなく師と兄弟子の遺した教え、そして銀時が取り戻させた松下村塾の魂こそが自分達をここに導いたと宣言。
「さびる事なく折れる事なく その鋼は確かにここにある」
「その刃は魂(ここ)にある」
高杉は、エレベーターでの銀時に応じるかの様な芯の強い言葉を述べた。その脳裏には烙陽での銀時だけが描かれていた。
虚の血を受けた敵と二対二で銀時と高杉は交戦する。
虚の剣技そのものの猛攻に背中合わせで耐え、高杉のダメージに銀時が気を逸らす瞬間や、銀時の劣勢に高杉がフォローする場面が描かれた。
どれほど致命傷を与えてもすぐに再生する敵をアルタナの血ごと消滅させるため、高杉は同じく不死の力を持つ己の身を使うよう銀時に伝える。川で再会した際、銀時を矢から身を守るための盾代わりにした高杉は「俺を使え」「盾代わりくらいにはなんだろ」と自嘲した。銀時は「お前…」と強く目を見開くが、作戦を実行に移す。
二人は互いに何も言わずとも、飛び降りたと見せかけて敵を誘き出す策を講じてみせた。
ターミナルの中枢近くまで降り立つと、高杉は敵の刃に貫かれながらその者らの頭を抱え込み、身を呈して足止めを遂げた。そして、「いけ」ともう聞こえないであろう距離からでも銀時に思いを託す。銀時が斬ったターミナルから噴き出たアルタナの高エネルギーに、高杉は敵もろとも曝されていく。
ここで師と兄弟子から貰った命を使い切ろうとも
「それでつなげられるもんがあるなら それも悪かねェ」
「そんなガラにもねェ事考えるようになっちまったのは アンタらの血のせいか」
「それとも………いや それも 悪かねェ…」
そう終わりを受け入れる高杉の背後から現れたのは、己をぶん投げたバカをまだ死なせないと誓った銀時だった。
エネルギーの余波を受けながらもその階層の手すりにしがみつき、銀時は捨て身で、消えゆく高杉をエネルギー波から遠ざけた。その場に洞爺湖の木刀を残し、銀時は敵と共に階下へ落下する。今度こそ高杉を助けられたからか悔いの無い、覚悟を決めた顔をした銀時だが、突如、敵の一撃から銀時を救うべく投げられた新八の木刀と神楽の傘が落ちてくる。それらを手に銀時は、高杉を刺し首を斬った男をその手で討った。為す術なく落下し続ける銀時だったが、覚醒した定春によって一命を取り留めた。
銀時は新八・神楽・定春と再会し、長谷川とハタ皇子の助力を得て上階へと一気に昇り直したが、それでも高杉のいる階までは届かず、上へと走る。
一方高杉はその場に残った洞爺湖を握り締め、満身創痍の状態で歩き出していた。
木刀を支えに進む途中で銀時が仲間達と再会したことを察した高杉は、そちらの方向を見ることなく口元に笑みを浮かべる。
お妙が「あなた…」と声をかける。瞬間、威嚇するかの様に、お妙の頭真横の壁へ洞爺湖を投げ付け、突き刺した状態で託し去った。
宿命
目覚めた変異体は虚の因子を持つ最後の幹部を消滅させ、己の望みは自分自身を消し去ることだと独言る。その言葉に高杉は、気の合わない奴らと顔突き合わせて必死で来たのに、そりゃねェだろと挑発し、静かに語りかけた。
「そんな悲しいツラ しないでくれよ」
「俺が…俺達がアンタを何者からも護ってみせる だから…帰ろうぜ…先生 俺達と一緒に 松下村塾に」
十二年前からずっと「壊す」ために生きてきた高杉が、ここで初めて「護る」という銀時の信念を表す言葉を用いてみせた。
そして、銀時の剣はもう過去のために振るわれるものではない
「今アイツの隣にある者のために 未来のために」振るわれるべきだと。
高杉に懐にいて欲しいと伝えた銀時にそんな気は毛頭ないはずだが、高杉は先のない自らを過去とし身を引く事を述べてしまう。
高杉は、弟子の手で師を終わらせ伴をする役目を買って出る。しかしその師は、高杉に対し、松陽として抗った結果が招いた虚の過ちを嘆き、何より、最も護りたかった弟子を前にして何もしてやれない悲しみに涙を流した。
唯々謝罪の言葉を口にする彼の胸を、高杉の刃が貫く。虚の意識が顕在化し、再生能力を失った変異体へ追撃を加えた。
師の首を刎ねた銀時と、師の心臓を刺した高杉。この時高杉の意識が残っていたとすれば、師を斬る感触を、痛みを、銀時と高杉だけが共有し得るのだろう。
一際大きな爆発ののち、瓦礫によって仲間と分断された銀時は一人先へと進む。砂塵の中で振り返った高杉の笑い顔を最後に全てを察した。
陽が沈み闇夜に差しかかる逢魔が時、銀時と高杉の身に宿る虚は対峙した。
(ターミナルに向かったのが日中であることから考えてもそれほど時間が経ったようには描かれていないが、作中では日没とも夜明けとも明言されておらず、これもまたどちらにも解釈可能な余地を残しているのではないかと思われる)
ちなみに不死の血を取り込んだ者の外見が物理的に虚の顔になるのではなく、内にいる虚を感じ取ることで視覚的なイメージとして捉えるようであるが、この現象(他人の肉体なのに虚に見える)を体感した描写があったのは銀時と高杉の二人だけである。そして「ツラ見りゃ解る」と目覚めた変異体が虚ではないと高杉が一目で見抜いたように、銀時もまた高杉の顔を目にした瞬間に、今の彼が高杉ではないことに気づいている。
右目
松陽を刺突した虚は松陽の返り血を浴び、高杉の失われた左腕が再生しただけでなく首の傷や隈までもが治癒しているように描かれている。
余裕綽々で種明かしする虚の語りに曰く、二年前に不死の血と共に高杉の入った虚の種(因子)は他の受容体の芽と「蔦を絡ませ合い一つになる時を待っていた」。因子を持つ最後の一人となった高杉の肉体へと虚の意識が顕在化し、再び最愛の弟子の手で師を殺した――そのような衝撃的な事象を目の当たりにし、虚の言開きを耳にしたはずの銀時は、それでも迷うことなく木刀へと手を掛ける。
宿主の心情を知り得たかのようにもっともらしく語る虚に対し、静かに代弁した。
「アイツはたとえどんな悲劇とやらにみまわれようが もう終わりにしてェなんて殊勝なこたァ言わねェ」
「アイツはそんな時 こう言うのさ」
「俺ァただ 壊すだけだ」
「虚 てめェがまだのうのうとのさばってる この腐った世界を」
その言葉と背後に感じた高杉の気配に、虚は刺し殺したはずの松陽ではなく自分自身こそが地べたに倒れ込んでいる現状に気付く。
高杉は変異体の血の中に在る兄弟子の助力と、決して屈せぬ精神力で以て虚の支配を退け己を刺し貫き、師を護ったのだ。
高杉は新八や神楽、銀時の背を追い松陽の教えを受け継ぐ者達に彼(未来)を託し虚(過去)の伴を引き受ける。銀時と共に、最後の剣を抜いた。
「そいつの身体に入ったのが運の尽きだ」「高杉(アイツ)も俺ももうてめェを逃しはしねェ」
宿る肉体ごと終止符を打たんとする銀時に対し虚はその覚悟を問う。
「救いたかったのだろう」「護りたかったのだろう」「君達と共にここまでやって来た私はよくしっている」
二年間高杉の内に潜み、高杉を失わないために決死の思いでここまで来た銀時の本心を知るが故に、愛する者に置いていかれる苦しみを知る元不死者故に、大切な者を喪ってでも生きていく先に何があるのかと、それに耐えられるはずがないと虚は叫ぶ。
「お前にその虚を生き続ける覚悟はあるかァ!!」
「虚 俺は空になんてならねェよ」
「俺の護りたかったもんは」
「魂(ここ)にある」
虚に身体を奪われながらも、銀時を護る高杉の姿がそこにはあった。
高杉との出会い、重ねた勝負、はじめての笑顔――魂に刻んだ高杉への想いを連綿と浮かべながら、銀時は高杉に護られ、ただひたすらに攻撃だけを繰り返し剣を振るう。
虚の手から高杉の刀を弾き飛ばし、銀時は繋げられなかった左手で、高杉の魂そのものを握る。両の手に二人の魂を携え、銀時と高杉は虚を終に討ち果たした。
たとえ肉体が滅びようと、魂は永遠にここにある。その「人」としての解答に心から敗北を認めた虚は現世から消失。銀時と高杉の結び付きを目の当たりにした虚は、「人は虚だ…だが……それを知るがゆえ人を容れ…人の中に…生き死別(し)をもってさえ…滅ぶ事なく…魂に……あり続けられるの…か……」と言い、最期を迎えた。不老不死の生涯を通して誰よりも人間を知り尽くした虚の考え方を銀時と高杉が打ち砕いたことになる。二人の関係は、死をも超越した魂の結び付きであり、その異質な絆を示したことでラスボスに勝った。
また、結婚式では「病める時も健やかなる時も、死がふたりを分かつまで」という誓いの言葉が用いて夫婦は生涯の愛を誓う。死を超えた関係である銀高は結婚をはじめとした一般的な関係以上ということが窺える。まさに結魂(けっこん)。
この先の二人の情景は、千言万語を費やしても表現し得ぬ語らいと表情に溢れている。
意識を取り戻すも力を失った高杉の上体を銀時が支えてやると、ほんの僅か、二人は優しい対話の時を過ごした。
「二百四十六勝二百四十七敗 俺も…ヤキが回ったもんだぜ 最期の喧嘩 他人(虚)に預けて白星もってかれちまうなんざ」
高杉は喀血し、銀時が必死に「高杉!!」と名前を叫び腰を抱き寄せる。
それでも高杉は続ける。
「虚如きじゃてめェは手に負えねェ やっぱりてめェをやれんのは俺しかいねェな」
てめェとは、銀時と高杉の双方を含んでいるのだろうか。
「………虚(アイツ)を斬ったのは 高杉お前の剣だよ
松陽を護ったのも 俺を護ったのも 全部お前だ 今回ばかりは 一本……とられちまったよ」
微笑みながら、お情けの白星ほど惨めなものもねェが、借りだけは向こうに持ち越さずに済みそうだと零す。
「お前には もう先生を斬らせるわけにはいかねェからよォ」先生に比べれば随分斬りやすかったろうと嘯かれれば、銀時は深い沈黙の後、肯定した。
こんだけガキの頃からやりあった奴もいない、どこまでいってもガキのまんまだ。
「お前にいたっては背丈も全くのびなかったな」
「のびたわ」
二人にとって長い時間ともいえる束の間、穏やかに懐かしみ合い、そしてその時が訪れるまで水入らずで語らった。
松陽を護り、銀時を護り。
超えたいと願った松陽が勝てなかった虚を斬り。
そんな高杉に銀時は今回は完全な負けを認め、高杉は「アイツらよりも強くなりてェ」と願った幼き宣誓を完遂した。
銀時にもう先生を斬らせるわけにはいかない。
幼い頃、大人になったらマシになるのかと思っていた。
「交わした剣の半分でもいい てめェと…酒も酌み交わしてみたかったよ」銀時は呟く。
「そんな暇あんなら 一回でも多くてめェから一本とってら」ガラにも無い、と高杉は笑う。
――ずっと言えずにいた、ほんの少しだけの、けれど紛れもない本音を溢していく。
「さっさといきな」高杉は銀時を未来へ進ませようとする。
しかし銀時は「また懐から手放すなどしたくない」とでも言うかのように、高杉から離れない。
潮時に高杉は、銀時にたったひとつ希った。
「…銀時 俺のこの………潰れた左目は」
「あの日…最後に見た光景を焼きつけたまんま…閉じられちまった」
「俺ァ…てめェのシケたツラ うんざりするほど…この左目で眺めて生きてきたんだ」
「右目が……閉じる時まで ふぬけたツラ…見せてんじゃねェよ」
「あの日 俺の前に…立ちはだかった…男は」
「ずっと……ぶっ倒したかった男は」
「追いかけた……男は」
「そんなもんじゃ……ねェだろ」
「地獄で首洗って待ってな高杉」
「勝ち逃げはさせねェ…次は必ず俺がとるぜ」
「上等…だ…」
受けて立つ、という意味か、はたまた銀時の見せた表情への評か。
上等だ――その言葉を最後に、高杉の右目は銀時の相貌を仕舞い閉じられる。
やがて銀時は陽を見上げ、その頬に雫を落とした。
Can you celebrate?
七十六巻 質問コーナー
「そう長くは待たせない 俺ももうすぐそっちにいくから
首洗って待っておけってな
そして俺が全てを終えアンタの前に立った時こそ Can you celebrate?」
最終巻一巻前、安室奈美恵さん引退で読者から寄せられた感想についての原作者の応答である。
死別
土方とミツバ、舞蔵と鈴蘭、星海坊主(神晃)と江華、寺田辰五郎とお登勢(寺田綾乃)に代表されるように、銀魂の公式カップルは死別するというジンクスもとい実績が巷で有名である。銀時と高杉もまた、これに名を連ねるほどに心を揺さぶられたと一部の界隈では噂されているとかいないとか。
特に第七百三訓と第三百九十九訓「沈まぬ月」のラストシーンはどことなく想起される部分が多く、長い年月離れ離れであった二人、それでも互いだけを想い再会を果たすも死にゆく片割れ、此岸に残されても尚死後も続く約束を交わした男、そして正面に輝く太陽と月。あるいは対句のように、これらを対応させているようにも汲み取れる。
かつ銀時と星海坊主はかねがねその強さの異質ぶりや性格・行動の重なりを数多く描写されており、高杉と江華もまた雰囲気や煙管、アルタナの欠乏による喀血等、兄妹との関係性も含めてあえて両者を寄せて描いているようにも感じられる。
さらば真選組篇においては、人は死の淵に立ち初めて、本当はただ心許せる者の側で生きて死にたいだけだと気付くと近藤が述べていたことから、作品における死生観が「愛する者の隣で死にたい」なのではないかと考えられる。
恋敵
二年前猿飛は、自分のもとからいなくなる幼馴染と恋しい男に対し「男ってどいつもこいつも 待っていてくれの一言も言えない生き物なのね」という皮肉を送った。
それを間接的に言われた当の銀時は、筋金入りの「待つ」側の男だと言えるだろう。再戦を願う高杉に「明日もこい」と焚きつけ自らは行こうとはせず、劇場版完結篇でも新八や神楽に対してさえ「俺はいつでも いつまでも かぶき町で万事屋の看板ぶら下げて待ってっからよ」と二人と一匹に約束し、己の方から会いにいくから待っていてくれとは決して言わないでいた。
だがここで坂田銀時という男はやっと、待っていてほしいただ一人に、どうしてもまた会いたい相手に、俺を待っていろと伝えたのである。
GIGA第六百九十九訓で新八と神楽に銀時を任せた際の台詞「銀時(あの人)を護れるのは万事屋(アンタら)しかいないんだから」も猿飛からの言葉であるものの、銀時自身は「松陽を護ったのも 俺を護ったのも全部お前だ」と高杉に語った。
また上述の通り「あなたに坂田銀時は渡さない」「あの人の帰る場所はここにあるの」とも告げていたが、仮に桂と高杉の仕掛けたターミナル爆破の際、新八が去っていく銀時の幽霊らしきものを見たことに意味を見出すとすれば、銀時の魂は高杉のものになり、少なくともその半分はもう江戸には永遠に帰ってこないということだったのかもしれない。
空の下には
やるべきことを為すために、龍脈の暴走を鎮めるべく銀時はその場を去りターミナルの中枢へと向かう。
その直前、高杉の顔を目に焼き付け、唇を引き結び、歯を食いしばって、全力で踏み出してやっと離れた、そのような銀時の離れがたい所作が非常に丁寧に描かれた。
事件が収束した後、銀時は江戸の万事屋へと居を戻し万事屋平社員として相変わらずの日常を過ごすように。なかなか帰ってこないことが多いようで、毎日のように酒を煽っては吐くまで呑んだくれている様子。
馴染みのメンバーが勢揃いした宴会の場においても一度も笑い顔を見せることなく、「全員」いる、という台詞のコマで意味深に無言を貫いている描写がある。
「桂さんは死にました」「みんな死にました」「人はいずれ死ぬんだよ」「それが彼の最期のツッコミになりました」「切腹してでもまとめろ」など、死を意識した発言をこれでもかと繰り出している。
その後、銀時は宇宙を飛び回る坂本からの手紙を受け取る。変異体の復活を確信し旅をしたかつての銀時と同じように、鬼兵隊のまた子が龍穴を巡り旅をしていること、師が弟子を護ることは奇跡ではなく当然のことであると綴った盟友の手紙を読み終えた銀時は空を見上げ、ここでようやく穏やかな笑みを零すのであった。
そうしてまた子は、ある龍穴の真上に聳える大樹の根元に現れた赤ん坊を見つけ、泣きながらその身をかき抱いた。銀時が神主から引き取った赤子とは髪の色が異なるように描かれているが、詳細は一切明かされず物語は幕を閉じた。
アプリ版と比較して単行本で変更された点として、加筆修正されたページや
「どっかでベソかいてた誰かももう泣きやんだらしいぜ よォく晴れやがった」
という銀時の台詞の追加がなされており、六十四巻五百七十四訓の高杉の「今にも泣き出しそうな空が見えた」〜「もう雨はごめんだ」に対応すると思われる。それらの情報や赤子の話の流れから最後に銀時が駆けて行く先は赤子のケツだという説も存在する。
赤子は高杉か、しらないケツか、各々の解釈に委ねられる。
何も思い出さないかもしれないし、全てを思い出すかもしれない。
これは作者による鬼兵隊への救いとしての措置であるが、龍穴を巡ったまた子にとって赤子が他人だった場合救いになるのかならないのか。思い出さなかった場合晋助様を諦められるのか、二人の関係を察している彼女は銀時には会わせるのか。銀時は赤子をどう思うのか、会うのか会わないのか。
赤子が高杉の場合、記憶が戻った時、両目に初めて映るのは銀時の泣き笑いかもしれない。高杉は現世を「地獄」と呼んだ為、現世という地獄で再会をすることもできる。鬼兵隊に関しては、現状壊滅状態にあること、晋作(史実)が上記都々逸を詠んでいること、きっかけがなければ旧鬼兵隊の斬首後自主的に再結成しなかったこと、初対面時また子を争いへ巻き込む事を拒んでいる事、目的が達成されている事から、隠居する可能性もまた考えられる。
しらないケツかもしれないし総督をやっているかもしれないし隠居しているかも知れないし村塾を開くかも知れないし万事屋にいるかも知れないしSEKIROかも知れない。
体はどうなっているのか、何ができて何ができない体なのか、死ねるのか、死ぬ時は江華と同じか他に方法があるのか、その辺りも広く想像の余地がある。
最終訓のその先は自由な発想に委ねられている。
ちなみに公式ファンブック『広侍苑』描き下ろし漫画の3Zの世界において、高杉直々に「俺って結局死んだんすか生きてんすかどっちなんすか」と銀八を介して作者に問い質しており、「希望を持てるようにあえて描写を避けた」「ページ数をそっちに割きたくなかった」などと語られ多数決で生死を決めようとするなど、明言は避けられうやむやにされた。
完結乙座談会でも「詳しいことは、触れないでください」「漫画を読んでもらって、あれで全て」「高杉よりは鬼兵隊への救い」「希望を持てるように」と語っている。原作者本人の解釈によれば、高杉は先生が死んだ時に死んだ様なもので死に場所を探していたが、もう救われている(本編の流れから、恐らく銀時に死んでいた精神を救われている)。生き死にで高杉を量るのは違うんじゃないかなーとのこと。
銀時(銀八)が”高杉のケツ”なる単語を黒板に書いたことは事実である。
高杉の左目には、銀時の泣き顔が貼り付き、その呪いは銀時によって解かれた。
高杉の右目には、銀時の笑顔が永遠に仕舞われ、彼は銀時の懐に戻って眠りについた。
GIGA以降、関連イラスト
アニメ
本編
第150話
日昇族があんなことになったたために、当初予定していた最終回を急遽繰り上げ放送することとなった。という体裁文句で描かれた偽最終回。
炎に包まれる江戸の町、墜落する飛行船、ターミナルの頂で、満身創痍の銀時と高杉が相対している場面から幕は上がる。高杉は左腕を失っているのかあるいは動かせないほどの重傷かも定かではないが、下げ緒を噛んで刀を抜いている(ちなみに通常高杉の刀に鍔や下げ緒等の拵飾はなく、アニメ150話のみの演出である)。
第322話
上記の烙陽における馬董との激闘の中、馬董がずっと追い求めていた侍が実は白夜叉に弟子入り志願し焼きそばパン補給係を務めていたパクヤサという男だったことが明らかになる。
さらにアニメではパクヤサが過去回想の銀時と差し替えられるオリジナルシーンが追加される。順番の問題かもしれないが、坂本や桂の時は冷静にツッコミをする銀時だったが高杉との「先生を頼む」「死ぬな」という例の約束を交わしたシーンまでパクヤサにすり替えられるや否や、声を荒げて激怒した。
劇場版銀魂 完結篇~万事屋よ永遠なれ〜
(2013年7月6日公開)
高杉について明確な言及こそされてはいないが、神楽曰く、桂は「銀ちゃんがいなくなって」からすっかり荒れ、過激攘夷党に鞍替えしたという。それだけでなく「世界をぶっ壊す」と宣い『カーネルサンダーライダーシンスケ』なる人形を作るなど、失踪し墓まで建てられた銀時の方ではなくもう一人の幼馴染の代替を務めるかのような不審な行動が目立って描かれた。
また土方達が銀時を「白夜叉」と認識していることから、完結篇は歴史改変前の世界におけるバラガキ篇後の時間軸に相当していると考えられる。バラガキ篇は高杉が宇宙にいた悪党回以降初めて地球に帰ってきていると判明した回でもあり、江戸にやって来ていた高杉が「白詛」に感染していたか、それでなくとも既に死んでいた可能性が高い。
上記のように銀時の失踪と桂が高杉を喪失したのは同時期であったともとれる暗示がなされており、己の手で壊すと誓っていた世界がかような状況になっても一切存在を匂わせなかったことと、桂の容姿と奇行から高杉の死を察していたからこそ、銀時は「俺をやれんのは 俺しかいねェだろ」と、もう一人の己である高杉がもういない以上、自死する他ないという結論に至った部分もあるのではないだろうか。
これだけでなく損傷したターミナル、行方不明の銀時、主要キャラ達の容姿・衣装の変化、カーネルetcとたびたび銀ノ魂篇二年後の物語は劇場版完結篇とのリンクが取り沙汰されているが、銀時が白詛の感染を免れた世界線である原作軸においても尚、その因縁(宿命)が置き換わるかのように銀時にとってのもう一人の己=高杉が「星を滅ぼす意志」に身体を乗っ取られる展開を迎えた。
銀時は白詛の支配により自刃することが叶わず、過去の自分を未来の世界に呼び出し後を託したが、高杉は兄弟子の存在もあって僅かながら支配を撥ね退け、自らを刺し貫いてみせるといった両者の対比がここでも表されている。
完結篇において非常に印象深い銀時の台詞「俺をやれんのは 俺しかいねェだろ」が「てめェをやれんのは俺しかいねェな」と高杉の台詞に置き変わっているように、やはり完結篇は銀ノ魂篇と関連して深読みできる要素が多分に含まれていたと考えられる。
また今回のラスボス的ポジションにある天人・魘魅は十五年後の未来から現れた江戸の面々の活躍に「まさか鬼兵隊や白夜叉以外にもかような精鋭がいたとは」と驚愕を露わにしており、敵方が注視する二大勢力が実質銀時と高杉の二人であったとも取れる発言及び、魘魅の狙いは初めからナノマシンの苗床として終戦後も生き残る可能性の高いこの二人のうちどちらかだったのではないかとも妄想できる余地のある、非常に意味深な一言が聴ける。
ラストは攘夷時代の時間軸にて、未来に帰っていく江戸の面々を眺めていたその背に高杉は「おい いくぞ」と呼びかけ、銀時は素直に「ああ」と返した。
劇場版 銀魂 THE FINAL 重大なネタバレを含みます
(2021年1月8日公開)
OP
曇天(DOES)
ひと雨がやってくる直前の不穏を待つ主要人物たち。そして攘夷時代の戦場に立つ銀時、桂、坂本、高杉の戦いぶりを変態的作画で描写した指折りのOPの一角。
絵コンテ監督・藤田陽一氏曰く、サビのアクションのイメージ案は銀時は「自由奔放で型がない」、高杉は「銀時と同じく型はないが確実に殺しにかかっている感じ」。
桃源郷エイリアン(serial TV drama)
一年ぶりに再会したアニメ銀魂の盛り上げに一役も二役も買った名曲。
OP映像も非常に気合の入ったもので、お祭り騒ぎな暴走を見せる江戸の仲間達、鬼兵隊や第七師団、かぶき町四天王篇の主要人物が描かれた。
中でも黒煙を裂いて現れる攘夷戦争時代の銀時、そしてその背に迫る敵兵から彼を護るように駆けてきた高杉の過去と現在の立ち姿は印象深い。
BeautifulDays(OKAMOTO’S)
コミカルな曲調と演出ながら、将軍暗殺篇の半ばまで使用された。
この長篇の軌跡を織り交ぜた特殊演出もなされており、明るげな曲と本編の重々しさのギャップに、これまでの日常と唐突に切り離された将軍暗殺篇の開幕らしさを感じさせた。
通常版1:17辺りの瞬間に停止ボタンを押した銀高クラスタの人数は数知れず。
今日もサクラ舞う暁に(CHiCO with HoneyWorks)
よりぬき銀魂さんにて新たに制作されたOP曲。
桜の花弁舞う中空を見上げ、村塾や攘夷戦争の頃の師や仲間を想う銀時のもとに江戸の面々が現れる。後半部には鬼兵隊の絆が描かれており、冒頭の銀時と対になるかのように、一人きりの高杉が桜の木の下で包帯を巻き直し、鬼兵隊らの迎えに微笑むシーンがある。
ED
雪のツバサ(redballoon)
タイトル通り、「雪」がキーワードとなり万事屋、真選組、攘夷組の雪の中での情景がほぼ静止画で描かれた。この劇中において、動きのある画をつけられているのは銀時と高杉の二人だけなのである。
開幕から雪道を原付で走り、最後にまた俯いていた顔をゆっくり空に向け、万事屋メンバーと共に降りゆく雪を眺める銀時。
凍えそうな風に吹かれ、冬景色に相応しくないいつもの格好のまま、背を向けてたった一人で佇む高杉。高杉自身は動いていないが髪や羽織がはためていており、他のキャラクターとは一線を画す。
修羅(DOES)
言わずと知れた紅桜篇放送時のエンディング曲。
万事屋・桂&エリザベスと鬼兵隊が対になった構成となっており、攘夷戦争時から現在の銀時と高杉が共に戦い、また剣を交えんと対峙する様が描かれた。
グロリアスデイズ(THREE LIGHTS DOWN KINGS)
将軍暗殺篇で使用されたエンディング曲。
松陽との出逢いからこれまで出会いを積み重ねてきた人々、これまで戦ってきた敵と対峙する銀時が描かれる。
歩く銀時の足元の水面に映る高杉の足、対して高杉が歩く道の水面には高杉しかいないが 不意に振り返る。右手で桜を握り締める銀時と、左手で煙管ごと桜を握り締める高杉。
これらのシーンは原作扉絵の第516訓「ろくでなし二人」、第503訓「瓢箪から駒」からそれぞれ視点を変えて描かれたものと推察される。
そして木刀を向け真正面から見据える銀時のシーンに挿入された歌詞は、
" I will save you so just trust me "
(俺がお前を救う、だから俺を信じろ)
直後剣を斬り結び、火花が散る。高杉はその眼前に立ち、相対する。
RIZE(SILVER)
洛陽決戦篇で銀時と高杉が共闘し、攘夷四天王が再会した「十年」の時期に流れたED曲。舞台に合わせ中華風の衣装を纏っている。攘夷四天王それぞれの武器が交錯する粋な演出がなされており、歌詞「君を守るよ」で高杉が現れる。
CDジャケットイラスト
バクチ・ダンサー(DOES)
初回生産限定デジパックジャケットには、アニメ銀魂描き下ろしイラストが使用されている。
紅色の桜の木の下で、劇中の刀を握り立つ銀時と、煙管を燻らせながら妖しく笑い腰掛ける高杉。一枚絵ながらCDジャケットの仕様として折りたためば、二人が正しく表裏一体として存在する燃えアイテムでもある。
道楽心情(DOES)
剣を重ね護り・支え合う銀時と高杉が印象的。
MOVIE GUIDE
原作者描き下ろしポスターにて、「幼き日々の3人」と題して村塾時代の銀時、高杉、桂の稽古着姿(誂うような笑みを見せる銀時と、そんな銀時へ蹴りつける高杉、二人のやりとりを見て穏やかに笑う桂)が描かれた。
イベント
白夜叉降誕(2008年ジャンプアニメツアーアニメ映像)
( その男 銀色の髪に血を浴び 戦場を駆る姿はまさしく 夜叉 )
アニメスタッフ渾身の嘘予告であるものの、当時供給過少だった銀高クラスタを荒ぶらせた伝説的映像。『曇天』のイントロと共にタイトルが流れる盛り上がり様は必見かつ必聴。
銀時と桂が背中合わせで敵兵に囲まれ、死を覚悟し腹を斬ろうとする桂に銀時は「バカ言ってんじゃねーよ 立て」「美しく最後を飾りつける暇があるなら 最後まで美しく生きようじゃねーか」と生き延びる意志を呼び起こす。
敵に向かって駆け、抵抗を続けた結果その場に坂本ら援軍と高杉の鬼兵隊が到着した。
刀を支えに座り込む銀時の背へ高杉は誂うように笑い「ほらよ 手でも貸してやろうか 銀時」と手を差し伸べた。銀時は「うるせえ!誰がてめェの手なんか借りるかよ」とその手を振り払いそっぽを向いて立ち上がる。
だが、必死の形相から高杉の姿を認めたことで安心したように普段の表情を取り戻していた。
ある時陣が黒夜叉なる天人の襲撃に遭い、高杉の左目が斬りつけられる。辛くも黒夜叉から距離を取り、切っ先を向け高杉を襲う剣を、庇う様に間に割って入った銀時が受け止める。
松陽の仇に設定されていたらしい黒夜叉に「コイツだけは……俺がァ!!」と叫び刃を撥ね退ける銀時であるが、「コイツ(黒夜叉)だけは俺が斬る」という意味にも「コイツ(高杉)だけは俺が護る」という意味にも捉えられる。
そして「てめェは引っ込んでなァァ!」「うるせェェ!!」と競うように黒夜叉へ猛攻を浴びせる。
黒夜叉の一撃に銀時と高杉の二人は揃って吹き飛ばされるも同時に堪え、まるで対黒夜叉というより、どちらが仇を倒すかという勝負をしているかのように、黒夜叉の前へ躍り出るのであった。
銀(シロガネ)祭り(仮)
前夜祭
冒頭の諸注意を銀時・桂・坂本が揃って読み上げるが、「主人公が働いてるのに一人足りないんじゃねーのか」と高杉不在に銀時が言及。
DOESがコンサート時に着用していた衣装は、雲模様と唐草模様がモチーフではないかと言われている。
本祭
アニメ完全新作制作決定のテロップと共にGIGA Vol.3より後の展開と思われる映像が流れた。
そこに登場するのは液体の中に入った虚(松陽先生?)と血まみれの高杉、そしてかつての万事屋の頃のジャージとブーツ、流雲紋様の羽織を纏った銀時だった。
銀魂SOUND ULTRA SOUL! '24
2024年2月11日 夜の部
銀時役の杉田智和が登壇。
銀時と高杉について「高杉を意識しているようでしていない。向き合ってるのに向き合わない絶妙な距離感。価値観全然違うのに、ひとつのことには共通している。高杉と絡むとああなるんだなって。分かり合えたとはまた違う、新たな答えが生まれた。高杉は頭から離れない存在なんだな。あのBGM(「この目蓋の奥に」)を聞くと高杉の顔が浮かぶ」とコメントした。
「少年ならジャンプの裏表紙までちゃんと楽しめ」
ゲーム「グランブルーファンタジー」2021年10月15日~28日開催コラボイベント。原作を丁寧に汲み取ったオリジナルシナリオが美麗な新規イラストと共にフルボイスで展開された。銀時と高杉はイベント後半で関わり合う。
※以下オリジナルシナリオのネタバレが含まれます。(シナリオはゲーム内「メニュー」→「ルリアノート」から閲覧できます。コラボを逃した方へ、一定期間後順次サイドストーリーへ追加されプレイ可能です。版権によりコラボへ追加されない場合があります。)
第5章エピソード4
舞台はグラブル世界。高杉初登場。
艶やかな和服を着た男性、高杉は協力者に異世界から来た「数名」に関し報告を受ける。どんな人がいたのか説明しようとした途端「銀髪の男がいたろ」と被せて反応を示し、協力者から何故わかったのかと驚かれる。そして単に「知り合い」かどうかの問いには「そんな甘っちょろいモンじゃねーよ」とそれ以上の追及を拒んだ。
高杉の協力者は「俺らアンタに惚れてんだ」「すべてに惚れた」「冷たいけどそこがいい」と熱く慕う現地の男共で、彼は異世界でも持ち前のカリスマ性を発揮していた。
高杉は包帯を巻いた姿をしている為、時間軸は将軍暗殺篇以前だと考えられる。
第6章エピソード2,3,4
攘夷四天王と主人公達の共闘。
化け物に襲われピンチに陥る銀時を煙の香りとともに現れた高杉が救った。「面白ェツラしてんじゃねェか。銀時」その場にいた銀時だけには個別に声をかける高杉。異世界における彼らの初めての邂逅である。
口はいいから手を動かせと言う高杉だが銀時は「アイツに命令されるのは癪だが、助けられるのはもっと癪」と、珍しく銀時の方からどっちが多く魔物を倒せるか勝負しろと叫ぶ。しかし、これまた珍しく「勝手にやってろ」と呆気なく振られ、二人は桂曰く好き勝手に暴れ、その祭りに主人公達と作戦行動を取っていた桂と辰馬も混ざる。桂と辰馬が作った隙を銀時と高杉が衝く。攘夷四天王はまるで烙陽決戦篇「十年」を彷彿とさせる作戦度外視な活躍で魔物達を撃退していき、それに主人公達と神楽、新八も乗じた。
最後の一体を仕留めようとした銀時だが、高杉が銀時の目の前に降り立ち(物理的に立ち絵が銀時の上に覆い被さるため身長差、体格差が明白となる)、一本取る。譲ってやったけど数は俺の方が多かった、俺は乗った覚えはないぞと銀時と高杉は張り合い、それを見た辰馬は相変わらずだと嬉しそうにしていた。
エンディング
化け物の親玉に挑む一行。
開幕一番、銀時と高杉二人の顔がアップでカットインする。最後の一撃を食らわせようとする銀時だが、またもや高杉は「ここから先は俺の仕事だ」と物理的に(立ち絵が)銀時と重なるほどの接近をして牽制し、化け物に斬りかかってグラブル世界の住人へバトンタッチし倒す。その肉を報酬として協力者へ渡すと、仕事は終わりだと突如現れた「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲」=猥褻物を高杉は「慣れた手つきで操作」し、お先に元の世界へ失礼した。銀時だけが「先に帰るのかよ!?」とキレる。後から銀時達もネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲に搭乗し「コラボ第二弾、依頼お待ちしてまーす!」と帰還していった。
コラボ十三日目
銀時にとってのイチゴパフェと高杉の話題。
「銀さん特製クリームマシマシイチゴチョモランマパフェ」を上機嫌で食す死んだ魚の目の兄ちゃん。しかし、高杉の話題を振られた途端機嫌を悪くし、主人公達からの「万事屋の」(万事屋が主体の質問である)仲間か、「桂や辰馬のような」(高杉は二人と並列程度の関係性であるか問うている)腐れ縁か、という質問に「*アイツに興味あんの?*」と反応する。高杉に近付こうとした訳でもない主人公たちに「低杉くんは性格悪ィからやめとけやめとけ」と牽制し、友達少ないし「絡んでたらチビ助になっちまうぞ」と高杉より明らかに小さなルリア(小さな少女)とビィ(小さなトカゲのようなマスコットキャラ)に言う。言われたビィは「そ、そうなのか・・・」と若干戸惑っており、桂に「適当なことを言って困らせるんじゃない」と叱られる。銀時が高杉をどう思っているのか腐れ縁として見てきた桂が、コラボ先に気を使って敢えて話の腰を折ったようにみえた。「一言も譲ってやらねーよ」「一口もあげないもんね」の連呼は高杉にもかかっているのかも知れない。
「大好物であるイチゴパフェを、既に食べている最中に、桂に食べられて更に声を発されなければ気づかない」ほどに高杉の話題に気を取られていた銀時。この話において「イチゴパフェ<高杉の話題」であり、同担拒否であると話題になった。
銀時と高杉の立ち絵は並べると対称となっている。二人の関係性や桂や辰馬からの思われ方、心の距離感がよく伝わって来る脚本、演出となっていた。
テイルズ オブ ザ レイズ
テイルズオブシリーズゲーム内コラボ。
「こっちはいつまでもてめぇの欲求不満解消に付き合ってられねぇんだよ」
銀時から高杉への文句である。桂に止められても尚戦おうとする高杉に、銀時が小言を言った。
ジャンプチ
2022.5.3 ジャンプチ ヒーローズ
高杉晋助&白夜叉「それぞれの侍」。
集英社によるジャンプ作品ゲームにて、1500日突破記念プレイアブルキャラとして実装が発表された。
攘夷時代の銀時と高杉が「死ぬな」「ろくでなし~」の名台詞とともに烙陽決戦篇を彷彿とさせる共闘をする。最後、二人きりの世界のように明らかに見つめ合う。
考察
史実との関連性
高杉のモデルとなった高杉晋作の諱(本名)は「高杉春風」であり、高杉家初代は「高杉春時」である。偶然か運命か、銀時の名と混交している。史実においても高杉は、松下村塾で吉田松陰によって銀時の立ち位置にあたるライバルを宛てがわれ、その存在にやる気を出し切磋琢磨していた。
古事記/日本書紀等の日本神話と銀高
「この国を壊すのも護るのも 俺達しかいねェだろ」
銀魂の作中では史実だけでなく日本神話の人物や怪物をモチーフにしたキャラクターが登場する。
公式見解ではないが、将軍暗殺篇の決闘の直前に銀時が「俺ァてめェが百の者を捨てる間に千の者とつながってきた 俺ァてめェが千の者を壊す間に万の者に助けられてきた」と告げた台詞があり、これは日本最古の夫婦とされる伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)の決別の宣誓(「貴方の国の人間を一日千人殺す」「ならばこの国で一日千五百人生まれるようにする」)に準えている節がある。
またイザナギとイザナミは夫婦であり兄妹でもある。離れ離れの半身を補うかのように銀時は妹と、高杉は兄と共に在った構図とも紐付けられ、忍びの里での銀時VS高杉と神威VS神楽の戦いが全くの同時に始まったことも、これに由来しているようにも解釈できる。
さらにアメノトリフネ内のヒノカグツチ(神話ではイザナミはヒノカグツチを出産したことで火傷を負い死んでしまう)の破壊を引き受けた高杉は代償として致命傷を負い、結果的にこの世ならざるものへと肉体が変化してしまう。わざわざ高杉の死に繋がる破壊兵器の名称をこの神の名前にしたことは偶然とは考えにくい。また、出血部分から連想される。
蛟(グッズ展開で高杉が扮した)を祀っている蛟蝄神社(コウモウジンジャ)は、イザナミがヒノカグツチを産んだ時に出た尿(ユマリ)から生じた水神である弥罔象女大神(ミツハノメノオオカミ)=弥都波能売(ミツハノメノカミ)を祀ることから起った。
ミツハノメノカミを蛟と同じとする説もある。
要約するとイザナミ(高杉)はヒノカグツチを産んだ時に蛟も一緒に産んでいる。
また、黄泉の国へ行ったイザナミが現世に戻り、火神に対抗すべくミツハノメノカミ(≠蛟)を産んだ説もある。
イザナギとイザナミは結婚交合(まぐわい)の行為がわからず、鶺鴒(セキレイ)が尾を振っている風景から知ったという初心な逸話がある。
以降、ネタバレを含みます
銀時を大国主命(オオクニヌシノミコト)、高杉を須勢理毘売命(スセリビメノミコト)になぞらえる。
スセリビメは前進していく強い積極性と激情の巫女とされ、積極的な意思をもつ女神である。
須勢理は「荒ぶ・進む」の意であり破壊しながらも突き進んでいく高杉が連想される。また親である父に背いてオオクニヌシの試練の手助けをした。
作中で二度死んでいるのは高杉であるが、神話ではオオクニヌシが二度死に、母神によって蘇生している。高杉の蘇生に関しては、高杉のケツとした場合オオクニヌシがスセリビメを黄泉の国から連れ出したことにより「蘇生」や「転生」と捉えられる。
オオクニヌシはスサノオの子孫であり国を創る神、プレイボーイである。彼は根の国(黄泉の国)の姫のスセリビメに一目惚れをし、そのまま「まぐわって結婚したい」と求婚した。銀時の口説き文句そのままである。ちなみにスセリビメも一目惚れしている。
オオクニヌシがスサノオの娘であるスゼリビメを嫁に迎えたいと言う。オオクニヌシはスサノオに課された難題を、スセリビメの助けを得てようやく達成する。高杉は窮地に限って銀時を助けたり知識面など細かなサポートをする場面が多く、二人の関係性を彷彿とさせる。
オオクニヌシは名をオオナムジといったが、めでたくスセリビメと結婚してオオクニヌシに成り、スセリビメはオオクニヌシの正妻となった。
オオクニヌシには数多の女がいたが、正妻はスセリビメのみであった。
女性に囲まれながらも高杉を唯一とする銀時を思わせる。スセリビメは他の神に求婚されるが、自分にはオオクニヌシがいるからと求婚を断った。鬼兵隊幹部が最終決戦に参加しないのはこの辺りを関連付ける事もできるような出来ないような。
後世、ふたりは縁結びの神として共に祀られる。
夫が原因で喧嘩も多かったが、夫婦の危機を乗り越え、結局は仲直りをしていた。「互いの首に手をまわした姿が夫婦和合の姿」として伝わっており、同じく首に手を回し川で昔の距離感に戻った二人が連想される。
沖の船まで死体橋を渡って高杉の元へ辿り着いた銀時
銀時を大国主命(オオクニヌシノミコト)、高杉をヤカミヒメの伝説になぞらえて、ワニ(鮫)の背を橋として海を渡ってきた因幡の白兎がオオクニヌシに「ヤカミヒメがオオクニヌシと結婚したいそうだ」と予言し、実際結婚するという逸話がある。
また高杉をスセリビメになぞらえて、オオクニヌシがスセリビメの所まで黄泉比良坂(生者と死者を結ぶ道)を渡り根の堅洲国(黄泉の国の入り口)に向かうという逸話も考えられる。
銀時を大国主命、高杉を大物主神(オオモノヌシノカミ)とした場合
オオクニヌシが国造りで悩んでいた時、海の向こうから光り輝くオオモノヌシがやってきた。「日本書紀」の異伝では、オオクニヌシが自らの和魂(神の霊魂が持つ2つの側面)をオオモノヌシとして祀る、銀時と高杉でいう「俺にはお前が お前には俺がいる」ということで無事に国造りを終えた。
オオクニヌシは国譲りをし、一線から退いた。
銀高情報集
・2006年12月14日 DSゲーム「銀玉大争奪戦」
高杉が銀時に向かって衝撃的な発言を連発する。代表例「クク…俺が風邪ひいたら口移しでうつしてやンぜ…」他にも「いいマグロだ…」「テメェはポテトだ。マッシュしてな。」など
・2015年 POMMOP クリアファイル 銀時&高杉&桂&坂本
スイカ割りを楽しむJOY4。各々がチェキに好き勝手コメントの落書きをしている。高杉のチェキには銀時らしき人物から「なんかテンション高杉〜」「チビ in summer」と書き込まれていた。
・2015年7月 マスキングテープ 攘夷志士/じゃんけん(和風)
銀時VS高杉のじゃんけん対決。ふたりとも背を向けチョキを出し、勝負は引き分けに。
・2015年7月 キャラポップストア
POPスタンドを銀時、高杉の順で横並びに置くと、銀時の手が高杉のケツを追う。
・2016年3月10日 PASH!4月号 表紙
「今宵、ふたりで花見酒」。表紙煽り文。桜舞うなか背中を預け合い、盃を片手に桜を撫ぜる銀時と煙管を喫する高杉。
・2016年11月18日 コンビニコミック「下)銀魂 2014」
「仇」や「ろくでなし二人」が収録されている。表紙は銀時VS高杉が剣戟を交える空知先生の手によるカラーイラスト。「俺がお前で、お前が俺で」という事だろうか、初版の背表紙が高杉、重版の背表紙は銀時となっており並べると背表紙でも鍔迫り合いを始める。
・2016年12月17日 「銀河侍伝説」グッズ
銀河〇雄伝説をイメージしたドルパロ並に煌びやかな衣装を纏っている。銀時と高杉のアクリルスタンドは二人で一つとなっている。高杉だけ括れがある。
・2017年2月10日 アニメージュ3月号
表紙がまるでゼ〇シィ。ちなみに銀時が黒、高杉が白のスーツに身を包み花束を携えている。
・2017年2月18日 雑誌Cut3月号
実写版「銀魂」特集で(実写版)銀時と高杉が並んで表紙を飾ったが、高杉の身長がどうも高く「足下にきっと高杉専用台座がある」と一部で話題に。
・2017年4月下旬 ネコシリーズ グッズ
猫耳と肉球を携えた猫化。銀時は白猫でネコジャラシを持ち、高杉は薄紫の猫で膝を抱えながら魚を齧る。2人でダンボール箱に入ったり背中合わせで尻を付き合わせる愛らしい商品展開がなされた。珍しく高杉のみが銀時を見つめる構図になっている。
・2017年9月下旬 「アイツとオレ」バディコレ ラバーストラップ
それぞれの関係性を表した「バディ」ストラップが発売された。至近距離でガンを飛ばし合う銀時と高杉。必然的に高杉が見上げる姿勢になっている。バディとは相棒と訳される。
・2018年5月10日 PASH!6月号 ピンナップ
銀魂の二大スターと冠され、マフィア風スーツ姿の銀時と高杉が描かれた。カラーリングが対になっており、高杉は珍しく葉巻を咥えている。
・2020年4月 キャラポップストア「反撃の狼煙」
クリアシートを重ねる。すると高杉を護り戦う銀時と隙を狙って突きを繰り出そうとする高杉がピッタリと完成する。
色紙集合絵にて、銀時の脚がどう見ても高杉の膝に乗っている。
・2021年1月9日 アニメージュ2月号
THE FINAL特集で表紙を飾る二人。向かい合わせで晴れやかな微笑みを浮かべ、身を預け合う様に心を開いた様子で振り返っている。
・2021年1月 「劇場版 銀魂 THE FINAL」武器アクリルスタンド 銀時&高杉
銀時の木刀と高杉の刀がクロスしたアクリルスタンド。刀は侍の魂であり、二人の魂が交差した作品といえる。ファンの間で好評を博し、特に限定品という訳では無かったにもかかわらず全く手に入らないレアもの。「刀ックス」と呼ばれる。
・2021年2月12日、19日 緊急特番『銀魂 THE FINAL』大解剖スペシャル!
劇場版アニメオリジナル要素である銀時と高杉のカットについて言及がなされる。当カットはファン、製作陣共に絶賛される出来栄えであった。
・2021年2月15日 ジャンプフェスタ2021記念グッズ
銀時と高杉のアクリルスタンドを隣に置くと見つめ合うと話題に。
・2021年4月下旬「銀魂 THE FINAL」坂田銀時 セリフストラップ
映画におけるその人物を象徴するセリフが選ばれているが、銀時のものは「俺の護りたかったもんは……ここにある」と高杉を思った言葉だった。高杉の刀と銀時の木刀が交差したモチーフに桜が散らされている。なんか暗闇で光る。
・2021年6月10日 アニメディア7月号 ピンナップ、記事
銀時は藤の花に穏やかな微笑みを包まれて、決して花束を落とさぬよう左手を添えている。
映画の内容や銀時の表情から、藤は高杉ではあるまいかと話題に。
花束はファンからの思いや愛が込められたもの。銀時のファン筆頭が高杉とも考え得る。
藤の花言葉は「決して離れない、恋に酔う、優しさ、歓迎」であり、加えて英語圏の「steadfast(確固たる)」は意志の強い高杉を彷彿とさせる。
記事内では思いの絡み合い、二人の思いが吐露される幻想シーンにファン大興奮、たまらんシーンが噴出、「銀時と高杉の関係を表す高杉の言葉にフォー♪、幻想シーンにフォー♪」との多少テンションの高い言及がなされた。
高杉個人の紹介文には「確執もあったが、ふたりは分かちがたい絆で結ばれていた」と記された。
・2021年6月2日〜6月20日 THEキャラ「Cat ver.」POP UP SHOP
猫と各々の性格が出た戯れ方をする銀魂の登場人物たち。慈しむ高杉の足元に擦り寄る猫は、銀時の白猫と桂の黒猫を思わせる白と黒の色を纏った猫だった。触りに行くのではなく、むしろ方足をよけて居場所を作ってやるところは高杉の銀時に対する態度と重なる。
・2021年6月2日〜7月15日 成田アニメデッキ ポップアップイベント
成田空港にて、キャラクターそれぞれがパイロットに扮したコラボが行われた。同年5月24日発売の週刊少年ジャンプ銀魂情報ページ「はみ魂 第291回目のはみ出し」において、銀時と高杉は手が触れ合いそうなほどの距離で並び、同じ表情で笑っていた。
高杉だけがパイロット姿をしていない。人に使われるのは嫌いだからいつもお客さんなのではないか、片目だからパイロットになれなかったストーリーがあるのではないか、銀時が機長の時だけ乗る謎の客か、などその設定に空想を拡げられる。
・2022年1月8日 アニメージュ 2022年2月号 ピンナップ
「銀魂 THE FINAL」一周年記念。
夜桜舞う世界でふたりきり、酒を呑み交わす姿が描かれた。
隣に立っているとも背中合わせであるとも取れる、信頼が感じられる立ち姿であった。ふたりは穏やかな表情で、待ち侘びたひとときを過ごしていた。
・2022年7月6日~8月15日 アニメイトカフェ「海の家 銀ちゃん」
海の家がコンセプトの描き下ろし。各々のイメージに沿った海での装いをするなか、その色はどこから来たのだろうか、高杉は水色のシャツを羽織っている。
・2022年12月 アニメイト発売グッズ「日本昔ばなし」
日本昔ばなしがモチーフ。高杉は一寸法師の姿をしており、作中背が低いと言及したのは銀時だけである。ちなみに銀時は桃太郎の格好をしている。
・余談
ちなみに、銀時と高杉の中の人は某クソアニメの顔の長い方に出演している。
・公式書き下ろし
(幼少期)
焚き火in焼き芋を挟んで木刀で喧嘩する銀時と高杉、特に気に留めず焼き芋を食す桂。
村塾の障子を墨だらけにしながら喧嘩する二人と背後から怒気を発する松陽、何事かと眺める桂。
火鉢を囲みクシャミを放つ銀時とドン引きしプンプンする高杉。
背中合わせで銀時はペロペロキャンディ、高杉はシャボン玉。
「銀魂’ リバイバル名篇ポスター」村塾三人でお昼寝しながら銀時は高杉の腕を蹴り、高杉は銀時の内股から足を蹴る。
(攘夷)遊郭にて酒も飲まずに指名した遊女からそっぽを向く高杉と、高杉の目の前に立ち遊女を眺めながら酒を呑む銀時。
(現代)紅葉狩りに来たというのに背中合わせで互いを見つめ合う二人。
烙陽決戦篇ピンナップにおいて、銀時と高杉は腕の角度から足先まで全く同じ体勢で隣に立ち剣を構えている。息ぴったり。
俺様然とし真っ赤な椅子に腰掛ける高杉と、背もたれに肘をかけ前髪をかき上げる銀時。
「銀祭り2019」二人の肩を抱こうとした坂本の首に銀時、鳩尾に高杉が同時に肘鉄を食らわせる。
「キャラポスコレクション第13弾」背中合わせで指で「しーっ」とする銀時と煙管で同じポーズを取る高杉。SDバージョンでは「外出中」と書かれている。内緒でどこかへ出かけたのだろうか。