概要
開発コードネームは「NX」で、2016年10月20日23時(日本時間)、任天堂公式サイトにおいて日米同時に正式名称が発表された。
任天堂は公式には据置機としているが、据置機型にも携帯機型にもスイッチ(切替)出来るのが最大の特徴。
本記事ではスタンダードモデル、HADモデル、有機ELモデルについて解説する。
Nintendo Switch Liteについては該当記事を参照
任天堂の据え置き型ゲーム機としてはWiiUに続いて2代目となるHD画質対応のゲーム機となる。PlayStation 4やXbox Oneと同じくテレビ用の出力ケーブルはHDMI端子のみとなっており、AV端子やD端子などのアナログ出力端子は廃止されている。
WiiUの反省からハード開発段階で数々のゲームエンジンに対応させた設計となっており、UnrealEngine4(4.15以降)やid tech 6、REエンジン(カプコン)など、多くのゲームエンジン(ゲーム会社独自を含む)に対応している他、3DSソフトにも使われたLive2Dも一応引き続きサポートしている。同梱されているドックに本体を差し込むことで、HDMI出力によりテレビやPCモニターにゲーム画面を映せる。
2019年8月30日に「バッテリー持続時間が長くなった新モデル」(以下『HADモデル』)、同年9月20日に廉価版モデルに当たるHDMI出力機能とテレビモードを省いた携帯専用Nintendo Switch Lite)以下『Lite』)が発売された。
有機ELモデル
2021年10月8日に「NintendoSwitch 有機ELモデル」(以下『有機ELモデル』)が発売された(公式サイト)。
液晶が大型化されただけでなく、テーブルモードにする背面スタンドの変更、本体保存メモリが64GBへ倍増、音量ボタン・排気口の形状、優先LANに対応したドックなど細かな違いがある。
バッテリーの持ち時間、消費電力など本体の性能はHADモデルと同様。
特徴
本体
分厚いタブレットコンピューターであり、側面にJoy-Conを取付けるためのレールが付けられている。SoCやメモリなどいわゆるコンピュータ部はこの中に内蔵されている。
画面解像度は1280×720ピクセル(720p)。
本体背面には吸気口と後述するテーブルモードで使用するスタンドが付いている(このスタンドはmicroSDカードの蓋も兼ねている)。
本体底面にはドック等へ接続するUSB Type-C端子が、そして本体上にはディスプレイを手前として左から電源スイッチ・音量キー・排気口(冷却ファン内蔵)・イヤホンジャック・カセット挿入口が搭載されている。
本体の電源を切っても給電を開始すると自動的に電源が入る仕様となっている。
ドック
後述するTVモードで遊んだり本体やコントローラーを充電するために使われる装置。背面にUSB3.0端子(システムとしては2.0。将来のアップデートで3.0に対応予定)・HDMI端子・ACアダプター用のUSB Type-C端子、側面にUSB2.0端子×2が搭載されている。有機ELモデルは1つのUSB端子が有線LAN端子に変更されている。
ネットワーク
無線LANはIEEE 802.11 a/b/g/n/ac準拠。任天堂のハードウェアとしては初めて(ようやく)5GHz帯での接続に対応し、多数の無線機器を使っている人でも安定したネット接続ができるようになった。
なお、有線LAN接続も可能だが、ドック自体にはLANポートが搭載されていないため、Wii・WiiU同様にUSBにLANアダプターを介して接続することになる。Wii/WiiU向けのアダプタも流用可能である。
有機ELモデルでは上述した通り有線LANに対応したドックになっている。
コントローラーとHD振動
新しい試みとしてコントローラーにHD振動が内蔵されている。
Joy-Conを参照。ニンテンドースイッチ用のプロコントローラーについてはプロコンを参照。
なお、WebブラウザはNetFront NXを搭載しているが、ユーザーが通常利用可能な機能としては提供されていない(SNS連携などWebインタフェースが必要な機能で使用している)。
ただし、任天堂的にはブラウザをサードパーティアプリとして供給して貰うのは、セキュリティ面などの条件があるものの妨げるものではないとのこと。しかし、今のところは誰も手を上げていない状況となっている。
三つのプレイスタイル
- TVモード
専用ドックに接続することで、HDMI経由で映像をテレビに映して従来通りの据置型ゲーム機として遊ぶことができる。
コンセントから電源供給するため本体もフルパワー稼働することが出来、最大1080p/60fpsの描画を可能にする。
- 携帯モード
スイッチ本体に左右のJoy-Conを取付けた状態。
解像度は720pに制限される。
TVモードから電源をオフにしたりゲームを終了させたりする必要がなく、ドックから本体を引き抜くだけでシームレスに携帯機としてゲームを続行することができる(逆も同様
。
なお携帯モードでの重量はノーマルモデルで約398g、有機ELモデルで約420gとなっている。
- テーブルモード
左右のJoy-Conを切り離して、本体付属のスタンドで本体を立たせてテーブル等の平らなところに置いた状態。
近くにテレビやコンセントなどの環境がなくても、スイッチ本体のディスプレイをモニター代わりとすることで据置ゲーム機の感覚でゲームを遊ぶことが出来る。
このスタンドはMicroSDカード差込口カバーも兼ねているのであるが、折れないようにするためか割りと外れやすい構造になっている。
本体をテーブルへ寝せてプレイすることも可能であるが、背面の吸気口を塞ぐ形にもなってしまうため余りお勧めできない。
また、この状態であると充電が出来ないので、プレイ中は電池残量に注意。
ちなみにダイソーなどの雑貨店ではニンテンドースイッチ専用任天堂非公認非ライセンス製品となるが、「プロに差をつけろ」や「追い越せ」といったキャッチコピーでSwitch専用アクセサリが幾つも発売されている模様。
その特性を活かして寝転んだままプレイできるようにする者もいる。
有機ELモデルでは背面スタンドが金属製に変更され、安定して自立出来る様になった。
なお、携帯モードとテーブルモードに共通する注意点としては通常のタブレット端末と異なり、吸気口と排気口(冷却ファン込み)といった開口部があるので、スイッチの近くで飲み物等の液体がこぼれたりかかったりしないよう注意する必要がある。
特に任天堂からは使い方としていわれていないが、このテーブルモードはモニタ+本体とした使い方を自由度の高い使い方と見出したユーザーもおり、「コンパクトなアーケード風筐体」を自作したりノンライセンス品で「VS筐体風」がリリースされたりしている。
また、一部ゲームソフト(特に縦STG)では縦画面表示がスイッチだけで可能である点が着目されている。
仕様
本体の性能については任天堂は非公開としているが、ハッカー達の手によりいくつかの情報が明らかとされている。
SoC | NVIDIA Tegra X1 カスタム→NVIDIA Tegra X1+ カスタム(HADモデル・有機ELモデル) | Switch向けにいくつか改良が施されている。X1は20nm、X1+は16nm |
---|---|---|
CPU | ARM Cortex-A57 4コア+Cortex-A53 4コア | big.LITTLE構成 |
GPU | NVIDIA Maxwell(GM20系統) CUDA GPU | DirectX 12世代のAPIとVulkan及びFP16演算に対応 |
メモリ | 4GB LPDDR4→LPDDR4X(HADモデル・Lite・有機ELモデル) | |
ストレージ | 内部:eMMC 32GB(有機ELモデルは64GB)/外部:MicroSDXC 最大2TB | SDXCカードを使用する際には初回に限り本体アプデが必要 |
接続インターフェース | Bluetooth 4.1・USB2.0/3.0 | Bluetoothはコントローラーとの接続には3.0を採用している |
サウンド | Realtek ALC5639 | 非圧縮5.1chLPCM出力も対応(WiiU以前はドルビープロロジック2を想定した仕様であった) |
ハード
WiiUから全体的に性能が向上している(アーキテクチャが異なるので正確な比較は不可能)。
形状もWiiUから大幅に小型軽量化しており、Switchフルパワー稼働となるTVモード最大消費電力もWiiUの75Wから39W(ACアダプタ定格より)と半分近くまで落とされている。
ゲームプレイ時でも11 - 14W程度(HADモデルは6 - 9W程度)とHDゲーム機とは思えないほどの省電力性である(ちなみに現地点で任天堂家庭用ゲーム機消費電力が単体で100Wを越えたものは存在していない)。
この省電力性の要因としては後述のモバイルプロセッサの電力効率や可動部を極限まで減らした(本体内蔵の空冷ファンのみ)ためだと思われる。
ハードはGeforceシリーズでおなじみのNVIDIA社との共同開発である。
心臓部のプロセッサはもちろん、ゲーミングAPIの「NVN」(解析者によると、Valkanに近いものらしい。最も使用意図からしてそうなるのは必然だが)や周辺機器などハード・ソフト問わずあらゆる部分を共同で設計しており、最終的に500人年もの労力を費やしたとのことである(外部リンク)。
新型HADモデルとLiteではCPU微細化及びメモリ仕様変更が行われたことで消費電力がさらに抑えられ、結果的に携帯モード時のバッテリー持続時間が伸びている。
プロセッサ
ゲームキューブ時代より続いていたIBMのCPUとAMDのGPUといった組合わせではなく、上記した様にNVIDIAのTegraプロセッサを任天堂とNVIDIAが共同でカスタマイズしたものが搭載されている。
これは、ハード要求仕様(持ち出し可能な仕様)上、電力消費が多いとバッテリーが早く切れるなど利便性が落ちるため、省電力でかつ高いパフォーマンスを発揮出来るモバイル向けチップの搭載が必須となったためである。
ゲームキューブ時代のPowerPC G3アーキテクチャを魔改造してパフォーマンスを上げていたWii/WiiUとは違い、既存のアーキテクチャをほぼそのままの形で採用しているため、ソフト開発が易しくなりサードパーティやインディーズ参入ハードルも低くなっている。
安定した性能を引き出しやすいアーキテクチャ故に他ハードからの移植も容易で、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の例では「最適化していない時点でWiiU版と同等のパフォーマンスが出た」とのこと(外部リンク)。
一方で、ネイティブ解像度のグラフィック表示限界は、使用状況ではWiiUで表示した場合とあまり変化しなくなる場合がある。
内蔵グラフィックは第2世代Maxwellアーキテクチャ(GeForce900番台と同じ)を採用しており、コア数・クロック数からGeForce 920MXと同等以上の性能であると思われる。
携帯可能という制限がある以上、性能はPCなどに搭載されるものには劣るが、それでも十分な性能を備えており、「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」や「モンスターハンター」シリーズなどでそのグラフィック性能を余すところなく発揮している。
また、ゲーム用3Dエンジンとしては最もメジャーといっても良いDirectXの最新バージョンであるDirectX 12にも対応。ソフト開発の容易化に一役買っている。
ちなみにTegraはこれまでNVIDIA自社製Androidゲーム機「Shield」やクレジットカード大コンピュータ「Jetson」等に採用されている。
これは、これまでCPUを提供していたIBMはサーバー特化へ舵を切っており(2014年に半導体製造事業からは撤退しファブレスメーカーに)、同じくGPUを提供していたAMDもSwitch要求仕様に必要とされているモバイル向けIPを持っていないためである(特に近年はPC向けとサーバー向けチップのみ開発している。モバイル関連は以前「Imageon」というブランドプロセッサを発売していたものの、Qualcommに売却してAMD自身は手を引いている。それが現在のSoC「Snapdragon」のGPU「Adreno」となっている)。
メモリ・ストレージ
主記憶装置については某分解サイトの手によって上記した様にLPDDR4の2GBチップを2つ、合計4GBを積んでいることが確認されている。
新型のHADモデルとLiteでは容量は据置であるが、メモリ規格がLPDDR4改良版に当たるLPDDR4Xに変更されている。
ストレージについては32GBのフラッシュメモリであるeMMC(管理領域込み内蔵ストレージ)を搭載している。有機ELモデルでは内蔵ストレージは64GBに増量。
それに加え容量拡張用microSDスロットを搭載しており、容量はmicroSDXCカード規格上限である2TBまで対応し、転送規格はUHS-I(端子数が増えていない2ではない方のUHS)まで対応する。
ゲームデータロード方法は実質3種類あることとなり、本体ストレージ・ゲームカセット・MicroSDの3種類となる。ロード方法が複数存在する故に、同じゲームでも起動する媒体でパフォーマンスが変動する場合がある。
セーブデータはローカルにおいては内蔵ストレージのみに保存可能。
本ハードからはチート対策のためセーブデータの外部ストレージへのローカルバックアップが不可能となっており、その代替として「セーブデータお預かり」というセーブデータをサーバーにバックアップするサービスがSwitch Online(有料)経由で受けることが可能。
解像度・ディスプレイ
TVモード時は専用ドックに接続することで最大1080p/60fpsとなる。携帯モードとテーブルモード時には本体ディスプレイ解像度に従い最大720p/60fpsになる。現時点では有機ELモデルの方については、ディスプレイ面改良型としての情報以外は一切公表していないため、解像度は以下と同じなのかは不明。
本体ディスプレイは発色が鮮やかで視野角が広いIPS液晶を採用している。
2017年のローンチから暫くは日本企業JDIことジャパンディスプレイが供給していたが、同年の秋頃から台湾のAUOやinnoluxの液晶にチェンジしている。
但しIPS液晶から廉価なTN液晶に変更された3DSとは異なり、こちらはIPS液晶を引続き採用しているため、並べてじっくり見比べたりでもしない限り見映えの変化は気にならないレベルである。
最新型の有機ELモデルではスマートフォン・タブレットやテレビに多く使われる有機ELディスプレイが採用されている。
DSシリーズやWiiUのゲームパッドと同じくディスプレイはタッチスクリーンになっているが、駆動方式がDS・WiiUの抵抗膜方式からスマートフォンやPS Vitaでお馴染みの静電気容量方式に変更されており、同シリーズのタッチペンが使えなくなった代わりに2点以上のマルチタッチに対応している(DSシリーズタッチペンは所謂『先っぽがとがったプラスチック棒』であり、圧力を感知する抵抗膜方式なら反応するものの、指先などに溜まった微弱な電流を感知する静電気容量方式では電気が通っていないために反応しない)。
また、川島隆太教授監修『脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング』に付いて来るスイッチ専用タッチペンがセット及び別売販売で発売された、静電気が溜められる蓄電性素材が使われたペン先を採用したタッチペン。
バッテリー
本体・コントローラー共に充電式のリチウムイオン電池を搭載。専用ドックの他、本体はType-CのUSB充電ケーブルでも充電可能。コントローラーは本体に装着することで充電出来る他、別売り充電機能を備えたグリップ(非正規含む)を使うことでも充電可能。稼働時間は、プレイするタイトルやプレイ条件によって変動する。
バッテリーが経年劣化した場合自力交換は出来ず、任天堂サポートセンターに交換して貰う必要がある。
OS
本体のOSについては一切非公開。ただし、一部コンポーネントにFreeBSDやAndroid派生のものが使われていることが知財表記から明らかとされている。解析者によると、独自のマイクロカーネルOSで、3DS派生であるという。OSの詳細については、Wikipedia - Nintendo Switch(オペレーティングシステム)に譲るのでこちらを参照されたし。
同じくFreeBSDベースのOSを搭載したPS4とメニューの外観が似ているが、たまたまの様である。
メニュー画面は全て本体ディスプレイタッチスクリーンで操作が可能で、コントローラーがなくてもアルバムやe-Shopを見ることが可能。
オーディオ
当初はイヤフォン端子でイヤフォンやスピーカーに繋ぐかHDMIでテレビに接続する事でしか外部に音声を出力するしかなかったが、本体バージョン13.0.0からは社外USB接続型BluetoothレシーバーなしでBluetoothオーディオ接続が可能になった。ただし、これまでコントローラー接続にしか使われていなかったため、Bluetoothオーディオを使用すると、無線コントローラーは2台まで・ローカル通信ではBluetoothオーディオがオフになる。(機能の性質上、処理の競合による誤動作防止のため)
プロファイルはA2DP、コーデックはSBPに対応しているBluetoothオーディオ機器が条件である。その為遅延が発生する事もあるので注意。
ニンテンドー3DSでもお世話となったあのレコチョクが配信されているが、FLACファイルで使われるハイレゾの音質には非対応で、自動的にステレオ再生となる。ついでに、会員ログインでの利用と楽曲は残高で購入できてもダウンロード後に行えるファイル出力には前機種とは異なりシステムの変更の都合上、非対応化した。
ソフト
メディアは任天堂据置ハードとしては約21年振りにNINTENDO64以来のカートリッジ式ゲームカードに変更された(これもハードの要求仕様上、駆動部があるディスクメディアは不具合の元であることが大きい。実際に検討はされたというが、見送られたとのこと)。
また、これまでの任天堂は1ハードでより多くのソフトを遊べる様にするためか前世代ハードとの互換性を重視する傾向にあったが、Switchはプロセッサ仕様やソフトメディア形状等を大きく変えたため、3DSやWiiUなど過去の任天堂ハードとの互換性は一切ない。そのためか他社ハードを含めた各社の過去作品の移植が盛んである。
Nintendo Switch Online
本機からネットワークプレイが有料化された。支払いは「クレジットカード」(3Dセキュア対応のプリペイドであればプリペイドによる後払いも可)「PayPal」「ニンテンドーeショップの残高」のいずれかから選ぶことが可能。一応PS PlusやXbox Gamepassよりもずっと安く、1ヶ月200 - 300円程度まで押し下げることは可能であるが、子供層などがオンラインプレイをやりたくても、親の意向などの障壁で出来なくなるケースは増える。
なお、「1ヶ月」「3ヶ月」「12ヶ月」のプリペイドも販売されており、それらを購入してプリペイド番号をeショップで入力すると適用される。
ただし、追加パック(12ヶ月のみ)に関していえば「クレジットカード」「PayPal」「ニンテンドーeショップの残高」のみ。
18+の場合、「みまもりスイッチ」に影響するので注意。
ゲームソフト
任天堂の新作ゲームソフトの一部は、『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』と『スプラトゥーン2』と『マリオカート8デラックス』(Wii Uからの問題点改善と要素を追加した決定版)などが発売されている。この他他社より『Minecraft』、『ドラゴンクエストⅩ』、『ドラゴンクエストⅪ』も発売されている。
また、他社の機種から『ドラゴンクエストヒーローズ』、『魔界戦記ディスガイア5』、『いけにえと雪のセツナ』がローンチタイトルで移植され、後に『ドラゴンボールゼノバース2』『Fate/EXTELLA』も移植されている。その他にも、多くのサードパーティから多数新作や移植作が発売されている。
任天堂作品を始め、様々なシリーズが新規作品、移植作品をリリースしており、その多くはシリーズ最高売り上げを更新している。
特に初期から現在に至るまでスイッチの普及に貢献し続けているシリーズ最高傑作(公式)の『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」、外出自粛と重なった結果流行語大賞にまで選ばれた『あつまれどうぶつの森』、過去にオミット(あるいはリストラ)されたキャラが全員参戦、さらにDLCでさらなる参戦者が追加される等ゲーム史上最大のコラボ作品となっている『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』はNintendo Switch主力作品として現在も売上が伸び続けている。
また新機種の存在が示唆され、後期となりつつある現在でも『スーパーマリオブラザーズワンダー』や『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』、『スーパーマリオパーティジャンボリー』といった(前タイトルがSwitchでリリース済みの)任天堂作品の新タイトルが次々とリリースされ、それぞれ売上でもヒットを飛ばしており、例年ハードにはなかったソフトシェアの健在さとソフトの開発しやすさを裏付けている。
現状ではバーチャルコンソールにはDLソフト単体では非対応であるが、Nintendo Switch Onilne加入者は一部ファミリーコンピュータ・スーパーファミコンソフトを追加料金なしで「擬似バーチャルコンソール」として遊ぶことが可能。CERO-Z審査済タイトルとなった007作品については「18+」で別途提供している。
また、新しく「アーケードアーカイブス」が配信開始。ゲームセンターで稼働していたネオジオの格闘ゲームなどが、ほぼ当時そのままの形で配信されている。
2018年からは「SEGA AGES」が配信開始。『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ぷよぷよ』などといったゲームを遊ぶことが可能。この場合、各ゲームメーカー独自の立派なバーチャルコンソール配信といっても良いであろう。
その他、ハムスターやG-modeからはアーカイブスと題した他者メーカーからの移植タイトルもこのパブリッシャーを通して出て来ている。
これまでの任天堂ソフトラインナップからの変化として目立つポイントとして、インディーゲームが盛況なことが挙げられる。
Wii Uまでの任天堂は個人開発者に対して熱意がない対応を取って批判されることがあったが、Switchからはインディーへ対して門戸を開き好意的なサポートを行う様になったことや、以前の様な独自アーキテクチャではなく汎用プロセッサを採用したことも後押しとなり、多くの個人・小規模の独立デベロッパーが参加する様になった。
この方面でのメルクマールとしては、以前は絶対に任天堂のハードで遊べることがなかった東方Project」関連ゲームが公式・2次創作問わずに遊べるようになったことがある。
PCを除けばソニーが展開する家庭用ゲーム機であるプレイステーション系列のみであった同人ゲーム『東方紅舞闘V』『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』等がPlayStationから移植され、遂に同人ジャンルが参入するようになった。
『東方紅舞闘V』は、「同人ゲームの一般家庭向けゲームハード機展開をサポートするプロジェクト」である「Play,Doujin!」を介した作品である。
2021年には東方Project本家の作品が公式にSwitchに移植されることが決定した。
移植されるのは上海アリス幻樂団と黄昏フロンティアの共同開発作品の「東方憑依華」で、SwitchとPlayStation 4での同時発売である。
2021年には同人作品でありながらムーブメントを起こした『月姫』のコンシューマ移植版が出る等過去に話題となった同人作品がスイッチにも出る等話題は欠かさない。
勿論、海外のインディーも盛況であり、Undertaleは中でも人気を博したが、他にも膨大な件数の作品が購入可能になっている。コンシューマーでしかゲームを遊ばない層がこれまで見ることがなかったような海外製インディーゲームがローカライズされ、スイッチからそれらを知って行く……という経路が確立されている。
PlayStation Vitaの展開終了が発表された2019年以降は乙女ゲームやPC版(Steam版)であったアダルトゲーム(CERO基準準拠への内容変更)の移植やリリースが相次いで登場している。
乙女ゲームは任天堂も押し出しているジャンルの1つであり、公式配信ニュースに専門チャンネルが設けられ、情報発信も頻繁に行われている。
Switchのセールスサイクル中盤以降は乙女ゲームの一大プラットフォームともなっている。
近頃、元々はPCなどのフリーゲームだったがDL専売だった『殺戮の天使』やPlayStation 4版だったがNintendoSwitchに移植した『ドラゴンボールファイターズ』と『ウィッチャー3』、一年後にはDLCを全て収録された『キャサリン・フルボディ』、DL専売の『勇者ネプテューヌ』と『新次元ゲイムネプテューヌVⅡ』やFALCOMの軌跡シリーズやイースシリーズなどの有名作品が任天堂ハードへと移植されている。
CERO-Zの作品も任天堂ハードにしては多く、本体の初公開トレーラーの地点で『スカイリム』が登場し、その後も『DOOM』や『Wolfenstein』等(国内では)これまでの任天堂ハードではほとんど見られなかった過激なゴア表現が含まれているゲームも発売されている。
他機種でもリリースされたサードパーティソフトの場合、携帯モードでプレイできる点ではスイッチ以外は純然たる据え置き型ゲーム機である為、スイッチ版は携帯ゲーム機の感覚でもプレイできるのである。
さらに言うと縦画面のゲーム(特にアーケードゲーム移植作品のものに多い)は本体をそのまま縦にする事でオリジナルに限りなく近いプレイができたりもする。
ローンチタイトル
- ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
- 1-2-Switch
- ドラゴンクエストヒーローズⅠ・Ⅱ
- 信長の野望・創造 withパワーアップキット
- いけにえと雪のセツナ
- ぷよぷよテトリスS
- 魔界戦記ディスガイア5
- スーパーボンバーマンR
amiibo
amiiboについてはWiiUに引き続き対応。ジョイコンRのRスティック、スイッチ専用プロコントローラーの真ん中にNFC機能があり、amiiboとICOCAなどのデータの読み書きを行うことが可能。また、amiiboを介してのみMiiを引き継ぐ事が出来る。
トリビア
本機位置付け
任天堂はSwitchを据置型ゲーム機、Liteを携帯ゲーム機と位置付けているが、発表当初は「NX(Switchのコードネーム)は3DSやWiiUの後継機ではない」と述べていた。
これはかつてニンテンドーDSで行われた第3の柱構想と同じもので、もしSwitchが失敗しても3DS・WiiU後継機でリベンジするという作戦であった。
しかし、Switch展開が開始されたのと同時にWiiUは生産終了し、Switch市場が拡大して行くのに反比例して3DS市場は縮小されて行った。そして2020年になると3DS・WiiUは共に本体生産・新作ソフト発売が終了し、市場は完全にSwitchへ移行した。
味付ソフト
ゲームカードには誤飲防止を目的に、ギネスブックにも登録されている苦味成分『デナトニウムベンゾエイト』(安息酵酸)が塗装されている。これを知るや否や発売後ゲームカードを舐める人が続出し、別方向でも注目されるようになった。口に含んでも害はないが、故障原因となるので良い子の皆は絶対真似しないように!
具体的にはどんな苦味の強さなのかというと、歯科の歯科治療材(麻酔薬や穴埋め材など)の味に近いらしい。
ニンゴジラ!?
My Nintendo Storeにおいて任天堂の想定以上にNintendo Switch予約のアクセスが殺到したためにアクセス過多エラーが表示されたのであればが、そこでは「非常にゆるキャラな謎の怪獣」が表示された。
京都タワーっぽい建物とビル群に現れたこの謎の怪獣をネット上では映画『シン・ゴジラ』にかけて「ニンゴジラ」と話題になった。ちなみに任天堂によると特に怪獣に名前もなければ京都タワーを意識しているわけでもなく、ただのエラー表示のキャラであるとのこと(一部ユーザーからはGoogleのゴジラ(GoogleChromeの)と同じものといわれたことも…)。
USB端子の使い道
USB Type-CからUSB Type-Aに変換するアダプタがある場合、別売りのLANアダプタを使ってSwitch本体にLANケーブルを接続するという荒業も可能である。同様に、スマホ用の充電ケーブルを使えば、スマホの充電も出来る。なお、本体設定で「Proコントローラー接続のオンオフ設定」があるが、これをオンとすると市販PC用USBコントローラーが使えるようになる。ドックへの接続はこのType-Cを介して行われる。
なお、有機ELモデルのドックはUSB3.0コネクタではなくLAN端子が代わりに搭載されており、そのままLANケーブルを接続できる。
動画と写真をSwitchと本体にセットしているmicroSD以外へ移動する場合、データ管理にて動画と写真の管理にある「パソコンに接続して転送する」を選択すると端末ChromeOSのPCファイルマネージャー(スマホOSがAndroid)ならOSバージョンは7.0以降のMTPホスト機能端末でAndroid標準アプリファイルを選択することで可能)からUSB-PowerDelivery対応USBハブ(いわゆるドッキングステーション)から充電しながらの転送も可能である(2.0であると転送が何故か中断するらしいのでUSBバージョンは3.0以降推奨)。
スマホへのUSB転送については公式サポートには掲載されていないが、一応当該OSでMTPホスト機能さえ対応していれば問題ない。スマホへの接続でも表示上は「PC」扱いされるが、そこはご愛顧ということで。
また、microSDが2つあれば別のSwitch本体の写真を「Album」フォルダを2つ目のmicroSDの「Nintendo」フォルダにコピーして移せばそちらでも閲覧が可能である。
※ただし、ホーム画面のソフトアイコンがない場合はタイトル名フォルダがその他へ類されてしまう。
※スマホの場合は変換アダプタではないと充電モードになりストレージを認識しないので注意。
※USB転送時のフォルダ名は「ソフトタイトル」に従い、アルバムにある当該ソフトのタイトル別に(体験版(製品版とは別フォルダ)、ポケモン剣盾などのバージョン違いを含む)自動的に個別のフォルダに格納されている。
ファミコン以来の本体へのコントローラー格納
Joy-Conはまさにファミコン以来本体にコントローラーが格納出来る上に1・2コンの役割を果たし、なおかつ携帯モードではそのままプレイができる。ちなみにJoy-ConのL・Rは実はファミコンのコントローラーを格納した時とボタンの位置がソックリである。
コントローラーから音
Switchコントローラーに搭載されているHD振動は使い方次第で効果音や音楽を流すことが可能。
例としてはあるソフトにてある条件を満たすと聞くことが出来る(条件は様々)。気になる方は、検索してSwitch専門まとめサイトなどを参照しよう。
歴代ハードのコントローラ
オリジナル版を復刻した、ファミリーコンピュータ・スーパーファミコン・NINTENDO64・メガドライブ(!?)スイッチ専用コントローラが用意され、Nintendo Switch Online契約でそれらのソフトが遊べるためそれぞれに対応している。なお、NintendoSwitchタイトルでは公式では対応していないとアナウンスされているが、一応使用は可能。
ちなみにファミコンのコントローラはNintendoSwitchのコントローラ接続部分に格納出来る。
ゲームキューブコントローラ
本体バージョン4.0以降『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』用の周辺機器「ゲームキューブコントローラ接続タップ」を付ければ、ゲームキューブのコントローラーが使えるようになる(ゲームによって操作しにくいものもあるが操作すること自体は可能。コントローラー表記は「USB」である)。
ちなみにゲームキューブコントローラーは2018年12月に発売された『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にて正式対応。それに合わせて何とオリジナルのゲームキューブから4回目となる新デザインゲームキューブコントローラーと接続タップが発売されている。
本ハードにはゲームキューブソフトリマスター版(『スーパーマリオサンシャイン(スーパーマリオ3Dコレクション)』や『メトロイドプライム リマスタード』など)が幾つか発売されているため、コントローラーと合わせると当時と同じ感覚でプレイすることが可能。
ちなみにゲームキューブコントローラーデザインのホリコンも発売されている。
こちらは上記のオリジナル版とは異なり無線接続するタイプであり、振動機能がない等の差異がある。
ハッキング
Switchは歴代ゲーム機の中でもかなりハッキングしやすいゲーム機であると言われている。
これはSwitchブートローダー(本体を起動する際に読込むプログラム)に修復不可能なセキュリティホールが存在するのと、Switchに搭載されているSoCのベースとなった「Tegra X1」を搭載した開発キット「Jetson TX1」を用いることでSwitch内部仕様や脆弱性をより深いところまで解析することが出来るからであるといわれている。
さらに、前継機機種で問題となったカスタムファームウェア(CFW)導入も容易なのでこちらのソフトウェアが3DSに比べて最大の弱点ともなってしまっている。
PlayStation 4上でLinuxを動かしたハッカー集団が、SwitchでもLinuxを動かすことに成功している。
当然ハードウェアハッキング行為は「改造」と見なされてしまうので、保証対象外となるのは勿論、オンラインサービスにアクセス出来なくなってしまう(いわゆるBANされる)恐れがあるので行う際は自己責任で。
なおHADモデルでこのようなハッキング行為とその流布は2020年6月時点では確認されておらず、微細化に伴う設計変更の際に修正された模様である。
システムメニューやUIについて
WiiUシステムメニューは立体感・透明感のあるアイコンや背景を採用し、全体的に豪華な雰囲気になっていたものの、その分リソースが肥大化しており項目を選ぶ度に長いロードが発生していた(PowerPCのCPUの性質上の問題や、インターネット関連の処理を行う際に発生する遅延等の要因もあったが)。
その反省を踏まえてSwitchでは極力シンプルなフラットデザインを採用し、徹底的にリソース・ロード時間を削ぐ工夫がなされている。
また、ソフトを消去する際などユーザーに選択を迫る際の画面では
ソフトを消去します。 |
消去したソフトはニンテンドーeショップから再ダウンロード出来ます。 |
キャンセル | 消去する |
といった具合に「この操作で何をするのか」といった部分の文章を最上面に配置し、実際にアクションするボタンを右下に配置することで、左上から右下と横文字文章の斜め読みに合わせた配置になり、パッと見ただけで内容を理解できるようになるという工夫がされている。
また選択肢の文も「はい/いいえ」を使わず「○○する/キャンセル」にすることで、選択時の混乱を防ぐようになっている。
ちなみに、テーマカラー変更のブラックとホワイト(色反転設定含む)でUI色が異なる。
ユーザーアカウント、セーブデータ消去や本体初期化など取返しがつかない操作を行う際は、「最後の選択肢で背景がボカされ、警告染みた不気味な(\\ヒンッ//)SEと共に赤色背景と白色の警告文「本当に削除しますか?」が表示、少しのラグを置いてアクションするボタンが目立つ赤色で表示される」といかにも重大な選択であることが分かる様な作りになっている。
3DSの本体のストレージ使用量における容量表示はブロックという単であったが、MBやGBへと表示単位が変更された。表示もスマホやタブレットでお馴染みのバー表示になっている。
自前の無停電電源装置(いわゆる独自のUPS機能)
据置型ゲーム機(というよりコンセントから電気供給する機器全般)の大敵といえる急な停電であるが、Switchは停電によって電気供給を断たれた際、ドックから引き抜かれた時同様携帯モードで動作を継続させるため「突然の電源オフによる本体の故障及びデータ損失」のリスクが最小限に抑えられている。そもそもスイッチはバッテリーを人工的に外すなどしない限り、「電源が唐突に落ちる」という事態は極めて発生しにくい。一方で電源をコンセントから供給する通常据置ゲーム機は停電時の救済が全くない。
流石に停電を感知してゲームにポーズをかける機能までは搭載されていないので、即座にプレイヤーの手でポーズをかけるか急いでJoy-Conを本体へ取付ける必要がある。
第二のNINTENDO64
上記したCortex-A57とCortex-A53は64bitで動くCPUであり、ここから見ていくとSwitchはNINTENDO64以来の64bitの任天堂ハードとなる。GC - WiiUで採用されていたIBMのPowerシリーズは浮動小数点演算のみ64bit動作であったが、CPUアーキテクチャ自体は32bitであった。
ちなみにGBA - 3DSで採用されていたARMシリーズも32bitであったため、任天堂携帯機では初の64bit機となる。
謎の設定
本体設定には「画面色合いを変える」というものがある。「なし」であると通常で、「色を反転」であると一切の画面表示の色が反転し、「グレースケール」であると完全にモノクロ表示となる。なお「色を反転」「グレースケール」を設定してシェアボタンでスクリーンショット撮影・動画撮影には反映されない。過去にゲームボーイカラーではモノクロタイトル起動時にプリセットされたカラーパターンが切替出来る機能はあり、反転モノクロパターンもあったが…。
グレースケールは実にゲームボーイ以来のモノクロ表示ともいえる。
では、この謎機能は何のため、誰のためにあるのかというと実はこの色反転やグレースケールは色覚異常(視覚的障害)の人のためにある設定であるという。
ブーストモード
有志の解析によると携帯モード時に通常よりも高いクロック周波数で動作しているソフトが存在している模様(通常時が307 - 384Mhzでブーストモード時が460Mhz)。
ローンチの年では『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』や『スーパーマリオ オデッセイ』など一部任天堂ソフトのみ対応していたが、2019年に発売された(日本では)知る人ぞ知る残虐格闘ゲーム『Mortal Kombat 11』がサードパーティで初めてこのモードを採用したと報じられ、ユーザー間で話題となった。また、今後発売されるゲームソフトの中にも採用される可能性がある。
初期型とHADモデル
バッテリー駆動時間が増えたHADモデルはパッケージが赤箱になっているため一目で分かるが、本体自体のデザインは初期型とほとんど変わらないので、外観だけでは一目見ても分からない。
実はHADモデルは本体裏に記されている型式番号がHAC-001(-1)になっているため、ここを見ると違いが分かるようになっている。ちなみに有機ELモデル型式はHEG-001である。
消えた十字キー
ゲーム&ウオッチのドンキーコングから始まった「十字キー」の標準搭載が遂にSwitchで姿を消してしまった。これはJoy-Conを単独のコントローラーにするためであったと思われる。
ただし、ジョイコン(L)の独立した方向ボタンが機能自体は十字キーの役割を果たしている(おすそ分けプレイとして使っていない時)。
しかし、携帯型として特化した「Lite」はジョイコンではなくなったためか復活している。
岩田聡の形見
発表は2015年3月であり、当時の任天堂社長・岩田聡が亡くなるほぼ直前での発表であり、さらに隠し操作で彼が開発へ関わっていたファミコン版『ゴルフ』が遊べることから本機は岩田の形見となる。
ただし、現在は本体アップデートにより削除されたようなので遊べなくなってしまっている。
また、開発コードネーム『NX』も岩田が命名したものである。岩田自身はこの由来について語るつもりであったらしいが、語らないまま他界してしまったため、岩田後任・君島達己を始めとした経営陣や開発者もこの由来を誰も知らないという。
現在でも様々な説が出されているが、いずれも確定情報は出ていない。
低い前評判から天下確立へ
2023年現在、今でこそ人気ハードとなっているが、発表された2016年時点では、あまり高い評価を得ていなかった。特に、それまで家庭用ゲーム機では例のないタブレット型であったことと、3通りもの遊び方が可能な点が、むしろ不安材料とされた。スマートフォンが普及した現在、「携帯と据え置きを兼ねるタブレット型ハード」というのは、据置機としても携帯機としても中途半端なものと見られたのである。
ニンテンドースイッチ正式発表は日本時間2016年10月20日深夜に行われた。翌日、任天堂の株価は一気に6.55%も急落した。
しかし、いざ発売されると、その前評判が嘘であったかの様に注文が押し寄せ、入荷待ちが当たり前の状態が発売から暫く続き、『ドラえもん』などの世界観が現代のテレビアニメや漫画作品などでスイッチに酷似したゲーム機で遊ぶキャラまで出て来るようなゲームボーイを彷彿とさせるヒット商品となった。
なお、品薄入荷待ちは元々、任天堂不敗の戦略で第1ロットは抑え目にするファミコン以来の方針によるもの。これは初代ニンテンドーDSでも起きた現象であるが、暫くして「DS Lite」が発売されると直ぐに解消された。
昨今社会問題となっている転売、これに対して任天堂はSwitch大量増産を実行し、その回答とした。
2022年2月、ファミリー合計で累計出荷台数1億354万台を突破し、それまで任天堂据置機で最高でありWii出荷台数(1億163万台)を越えた(参考までに全国的・世界的社会現象を起こしたとされるファミコン累計出荷台数は6,191万台である)。
対して、ライバルゲーム機であるPlayStation 5とXboxSeriesXの国内発売台数は(半導体不足や転売問題が重なった結果ではあるが)Switchには遠く及ばず(2024年現在はSwitchが約3401万台、PS5が約546万台、XboxSeriesXが約57万台)、今世代の日本のゲーム機市場を実質的に任天堂が独占するような形になったのである。
2022年が終わった頃、ソフト売上の機種別ランキングを集計するサイトによると最終的な日本での販売シェア率は「89.6%」であることが判明し、ここに来てゲーム機業界王者として完全な形で返り咲くことに成功したのである。
後継機「ニンテンドースイッチ2(仮称)」
社長・古川です。2015年3月にNintendo Switchの存在を公表して以来9年振りにSwitch後継機種に関するアナウンスを今期中に行います。また、2024年後半のSwitchソフトラインナップをお知らせするNintendo Directを6月に実施しますが、そこでは後継機種を扱いません。誤解のないようお願いいたします(任天堂公式SNS投稿文より) |
長い間、任天堂の主力ハードとして君臨し続けていたスイッチであるが2024年5月7日午後3:49に公式SNSより、遂に後継機種を発表することがアナウンスされた。
少なくとも2025年3月31日までに後継機が発表されるということとなる。
2024年11月6日午前10:26に公式SNSよりNintendo Switch向けソフトも遊べることやNintendo Switch Onlineも引続き利用出来ることがアナウンスされた。
詳細は「ニンテンドースイッチ2」を参照。
関連タグ
任天堂 ゲーム機 ニンテンドーラボ NintendoSwitchLite NintendoSwitch有機ELモデル
NintendoSwitchOnline:ニンテンドースイッチ向けのオンラインサービス
表記揺れ
前後の任天堂ハード
WiiU→ニンテンドースイッチ→ニンテンドースイッチ2(仮称)
ファミリーコンピュータ:本体にコントローラを格納できる点が同じだが、スイッチは格納だけに留まらない所で相違点がある。
ゲームボーイアドバンス:過去に発売していた携帯ハード。Switch携帯モードで遊んでいる時の感覚が歴代携帯ハードの中で最も近い。そして…
コンセプトが類似したハード
PCエンジンGT/ジェネシス・ノーマッド:それぞれ据置ゲーム機を携帯ゲーム機化したもの。後者はTV出力が可能・2Pコントローラーのコネクタを搭載と割とニンテンドースイッチと共通点がある。後にSwitchOnlineにてメガドライブソフトが配信されるようになった。
スーパーゲームボーイ/ゲームボーイプレーヤー/PSVitaTV:上記の2ハードとは逆に、携帯ゲーム機のソフトをテレビの大画面で遊べるようにしたもの。
ASUS/MSI/OneNetBook:似た形状のポータブルゲーミングパソコンを発売している。