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機動武闘伝Gガンダムの編集履歴

2022-09-06 20:18:25 バージョン

機動武闘伝Gガンダム

きどうぶとうでんじーがんだむ

「機動武闘伝Gガンダム」とは、サンライズ制作のオリジナルSFロボットアニメで、「ガンダムシリーズ」の1つである。

概要

機動武闘伝Gガンダム』は、1994年4月1日から1995年3月31日までテレビ朝日系で全49話が放送された。略称は「Gガンダム」または「Gガン」。「アナザーガンダム」と呼ばれる富野由悠季監督以外の手によって製作されたガンダムTVシリーズの第1作目である。


熱血格闘アニメ

主人公のドモン・カッシュが行方不明の兄を捜し、かつガンダムファイターとして4年に一度開催されるガンダムファイトで優勝を目指す物語という、それまでのガンダムとは一線を駕した格闘アニメ。本作の時間軸は「未来世紀」となっており、それまでのガンダムの年号である宇宙世紀とは関わりはないものとして制作されている。後年∀ガンダムにおいて黒歴史として一応の総括はされているが、どういった経緯で歴史が繋がるかは未だにはっきりとは明示されていない。


制作の経緯

前作機動戦士Vガンダムの制作過程で、富野は自身の作家としての芸術性とスポンサー側からの商業主義の要請を両立させる苦悩からうつ病に見舞われた。精神的に不安定となった影響でVガンダムの作風は陰惨極まりない物となり、商業的には大コケする。

当初、Vガンダムの次番組は、火星と地球との対立を描いた「ガンダムらしいガンダム」である『ポルカガンダム』として企画が進められていた。

バンダイ側は当時流行していた格闘ゲームの要素を入れるように要求したこと、富野が続投を拒んだことなども相まって、ついに富野はガンダムの制作から降りることとなり、『ポルカガンダム』の企画も白紙となった。その後、火星が重要なファクターとなるガンダムはAGEオルフェンズと21世紀に2作も作られることになったが、『ポルカガンダム』の企画がこれらに絡んでいるかは不明である。


1994年度の新作ガンダムの企画案が根底から覆ることになり、富野由悠季の弟子筋にあたる今川泰宏が指名された。

ちなみに富野が「自分が指名した」と語る一方、企画側はスポンサーの意向から今川を選出したと説明している。


一見すれば、余りにこれまでのガンダムとかけ離れた内容にオールドファンからは「ガンダムへの冒涜」との批判も上がり、放映開始後三ヶ月はまともに商売にならない状態が続いた。今川泰宏監督はこの時「後ろから刺されないか不安だった」と冗談めかして語っている。


しかし、ガンダムファイター達と友情を育み、番組中盤で壁を感じたドモンがギアナ高地で修行に励み、ガンダムファイトに勝利するという、単純ながらもわかりやすい内容は、前作よりも当時の子供達の心に刺さった。それでも先の通り玩具は売れていないため、序盤の放浪編では今ひとつ求心力が足りなかったようである。


流れが変わったのは主人公の師匠である東方不敗、覆面ファイターシュバルツ・ブルーダーの登場から。主人公の導き手の投入により物語的にも火が付き、その後も個性豊かなキャラクターの登場、ケレン味あふれる展開など、マニア目線での評価も上昇していった。スタッフとしても毎話各国を回るために使い捨ての美術設定を作ることが困難となったこともあり、舞台を新宿・ギアナ高地・ネオホンコンと固定化することで現場負担の安定化と物語的なわかりやすさが強化された。

これまでと一見すればかけ離れた少年漫画チックな作風でありながら、要所で過去のガンダムシリーズのテーマである宇宙移民と地球住民の対立や人類と地球環境の関係等が尊重された世界観を持つ。こういったストーリーは当時こそあまり省みられず理解もされなかったが、時を経るに連れて徐々に従来のファンからも評価されるようになった。

なおシリーズ内の独特性が強いため熱血イメージが強いが、家族への復讐を目的に動くドモンや東方不敗の裏切り、終盤の展開などストーリー全体を見れば真逆の印象が持たれやすい前作『Vガンダム』と負けず劣らずのシリアス度は高めである。


また先のように新規層を獲得することにも成功、特にガンダムに興味のないアニメオタクにも通用していったことは大きい。一番重要視されていた子供人気も、総合的な数字ではあまり良いものは出なかったが、短期的な成績やコンテンツの飛躍という意味では結果的には成功と位置づけられる成果を残した。


特にプラモデルなどの商業分野は中盤以降は前作よりも好調な推移を見せ、一つの「ガンダムの作品」として定着した。奇しくもGガンダムが放映された1994年はファーストガンダム15周年の年でもあったため、節目だからこそ作る事が出来た異色作という解釈も出来る。


いささかこじつけ感のある部分も存在するが、ストーリーや世界観などはSFの範疇に入れても差し支えの無い十分な考察によって成り立っている。なお、宇宙世紀作品では地球住民(アースノイド)は富裕層や特権階級の人々が中心だったが、1994年当時の現実の環境問題や宇宙進出の状況の影響で本作の世界観においては「荒廃した地球に取り残された人々」となっており、立場と力関係が逆転しているところがポイントである。


誕生の経緯と影響

先の通り主に二つの説が存在し、当時発言権が特に強かったバンダイからの要望を受けて企画した説と、富野由悠季が自ら弟子筋の今川泰宏を指名した説がある。どの道、富野も人事には介入していたようで、この時の今川泰宏に「今までのガンダムを全てぶち壊すような作品を作れ」と頼んだらしく、どうせやるならせっかくだから登場ロボほぼ全てガンダムにしては?という、ある意味スポンサーであるバンダイに対する皮肉ともとれる発想から、このようなぶちぬけたガンダムが誕生したとも言われているらしい。


Gガンダムはガンダムファンからはあまり良い印象を受けおらず、未だにこれはガンダムではないと非難されている。しかし各所において高く評価されており、本作で千差万別なガンダムデザインを担当した大河原邦男は「これがあったからW以降の多様な作品が生まれた」と大きく評価している。また、他の作品を滅多に評価しない富野由悠季は、しばしばGガンダムを例にあげて今川泰宏を褒め、これまでのシリーズの焼き直し的な展開を続ける新シリーズの監督に対し「これくらい新しいものを作れ!」とぼやくという。


宇宙世紀シリーズからのガンダムファンの受けが悪かったのは先の通り。そしてその不評は現在でも完全に払拭されているとは言い難い。一方で、幅広い意味でのアニメオタクからは「ミスター味っ子のようにぶっ飛んだ面白い作品」として評価され、当時オタク界隈で絶対的な人気を得ていた新世紀エヴァンゲリオンの流行後も、根強く支持され続けた。「Gガンダムのファン同士が出会ったら東方不敗流挨拶を交わす」「Gガンダムが縁で結婚した男女が石破ラブラブ天驚拳をモチーフにした結婚式をやった」なんて話もあるくらいである。

さらに放送から10年20年と経過した後ですら、美少女が多く登場するようなラノベ作品でパロディとして度々出てくることがあるくらい(著者が世代というのもあるのだろうが)。


前作の不振を受け、ローカルセールス枠だった事が災いし、平成新局を含めたテレビ朝日系列局からネット拒否が相次ぎ、バンダイ側はビデオとLDのリリースを前倒し(製作スケジュール遅延の関係上、本来は放送終了後に発売する予定だったが1995年3月に変更、2巻同時にリリースする形となった)し、未放送地域をフォローした。

なお、本放送未放送局も局によっては当時の平日早朝及び夕方に設定されていた帯再放送枠で纏めて放送された地域もあった。

結果、ANNネットワーク拡大運動の一環として導入した筈だった平成ガンダムは、この時点で躓く事になった。


モビルファイターについて

宇宙世紀シリーズから続けてこの作品でもメカニックデザインを担当した大河原邦男は、ガンダムのデザインについて「毎週ガンダムのデザインを考えるのは大変だったが、こだわらずにヤッターマンのラインでやってくれと監督から要望された結果、ビックリするようなものが出来上がった」と評している。これは、Gガンダムという作品が、ガンダムにおけるそれまでの「兵器」という概念から脱却し、単純明快な「ロボットもの」の作品になったということを端的に表している。


立体化は一時期を除くと冷遇気味。2010年に1/144HG(HGFC)でゴッドガンダムが発売され、続いてノーベルガンダムマスターガンダムシャイニングガンダムといった面子がリリースされているがストップ。ROBOT魂もゴッド、シャイニング、マスターの三機にとどまった。主要機体が揃ったことがあるのは放送当時の商品と、MIAくらいである。


舞台

今作の舞台はサバイバルイレブンで各国を移動し、東京新宿(デビルガンダム捜索)→ギアナ高地(明鏡止水会得の修行→デビルガンダム撃破→主役機交代)→香港(ガンダムファイト決勝)→宇宙(最終決戦)と目まぐるしく変わる。


今川監督は香港や香港映画の大ファンで、作中でもそのオマージュとされる要素が多く確認できる。

現在香港は中華人民共和国の一部に属しているため、現代の層から見れば「ネオ・ホンコン」「ネオ・チャイナ」が分離していることに違和感を覚えるかもしれないが、これは本作放送の三年後の1997年までは中国に返還されていなかったためである。Gガンダムではこの例に限らず現在では通じえないような1994年当時ならではの世界情勢をそのまま反映した描写が目立つ(特にスカッドガンダムの例はかなり露骨)。


また返還前の香港はイギリス領だったが、今川監督が現地取材ついでに経費で香港旅行が出来るからという趣味全開の理由で、この作品の世界線では香港がガンダムファイトの前回優勝国で一国として独立に成功しているという色々ぶっ飛んだ設定になっている(ただ、ネオ・ホンコンが第12回ガンダムファイトで優勝する前まではネオ・イングランドが三連覇しているなど全く無関係ではないと匂わせる描写は存在する)。

ただしこの話は当然すんなり通ったわけではなく、「未来世界の香港なのだから現在の香港と全く異なる街でも問題ないだろう?」と一度はプロデューサーから現地取材は断られている。そこで広東語版CD「新香港的武闘戯曲」のレコーディングのために再交渉し、香港の現地取材(と称した旅行)の許可を得た。


ギアナ高地が修行の舞台に選ばれたのも、同じサンライズ制作の「太陽の勇者ファイバード」で最終決戦のロケ地用に現地取材した資料をそのまま流用したためと言われている。


海外における「Gガンダム」の評価

2000年に北米で放送された『新機動戦記ガンダムW』の好評を受け、2001年に放送された『機動戦士ガンダム』に続くかたちで2002年8月に放送開始。ガンダムWほどのヒットはしなかったものの現地のアニメファンには大いに受け入れられた。


海外展開の際には、MS IN ACTIONでマンダラガンダムといった主要ガンダム以外のMFまでもがフィギュア化され、その後日本にも逆輸入された。アクションフィギュア大国ならではの展開力でほとんどのガンダムが立体化されることとなった。


ストーリー

未来世紀(FutureCentury, F.C.)60年、四年に一度開催されるという、各国コロニー間の覇権をかけてガンダムファイト第13回大会が始まった。ドモン・カッシュもその1人として、地球をリングにして他の選手たちと闘う。


しかし彼の真の目的は、祖国ネオ・ジャパンを裏切ってアルティメットガンダムを奪い失跡した兄キョウジ・カッシュを探すことだった。


登場人物

メインキャラ


各国のキャラクター

ネオ・ジャパン


ネオ・アメリカ


ネオ・フランス

ネオ・チャイナ


ネオ・ロシア


ネオ・ホンコン


ネオ・スウェーデン


ガンダムファイター


シャッフル同盟


他キャラクター


ナレーション


ガンダム

モビルファイター

※ガンダムファイト出場機体は「モビルファイター(略称MF)」と称する)


モビルスーツモビルアーマー

  • ブッシ
  • ノブッシ
  • ファントマ
  • マーフィー
  • ペスカトーレ
  • ゴダール
  • カッシング
  • バトラーベンスンマム
  • コンシー
  • デスアーミー

シャッフル同盟の専用機体

  • シャッフルスペード
  • シャッフルダイヤ
  • シャッフルジョーカー
  • シャッフルハート

前日談、後日談、外伝などのスピンオフ作品に登場するMF

機動武闘伝ガンダムファイト7th

  • ヤマトガンダム
  • コウガガンダム
  • ガンダムフリーダム
  • ガンダムモスク
  • エッフェルガンダム
  • カイザーガンダム

機動武闘伝Gガンダム外伝"ザ・ネクストジェネレーション(新たなる闘い)"

  • ハイパーゴッドガンダム

機動武闘伝Gガンダム外伝 硝煙の果て

  • ブローニングガンダム

機動武闘伝Gガンダム外伝~翔龍伝説~

  • バンニンガンダム
  • カーミラガンダム
  • オーストラリアンガンダム
  • サムライガンダム
  • リュウガンダム

機動武闘伝Gガンダム ガンダムマスクの挑戦

  • ガンダムマスク
  • クイダオレガンダム

機動武闘伝Gガンダム 復讐のJガンダム

  • ジャンピングガンダム
  • シャチョウガンダム

超級!機動武闘伝Gガンダム


その他


ゲスト出演

最終回でモブとしてゲスト出演した歴代MS達。


さらにはMSではないがザンボット3も登場していた。


主題歌

オープニングテーマ

作詞・作曲・歌:鵜島仁文 / 編曲:鵜島仁文 / 樫原伸彦

作詞・作曲・歌:鵜島仁文 / 編曲:鵜島仁文 / 岸利至


エンディングテーマ

  • 「海よりも深く」(1-26話)

作詞:井上望 / 作曲:白川明 / 編曲:小西真理 / 歌:彩恵津子

  • 「君の中の永遠」(27-49話)

作詞:池永康記 / 作曲:樫原伸彦 / 編曲:斉藤誠 / 歌:井上武英


ナレーション

本編:ストーカー(CV:秋元羊介)

サブタイトルコール:関智一

次回予告:ストーカー(CV:秋元羊介)


関連イラスト

GガンダムReady——GO——!

ガンダムファイト、レディィィ・ゴォォォォォッ!機動武闘伝Gガンダム


関連動画


関連タグ

Gガンダム ガンダム平成三部作 アナザーガンダム

今川泰宏 島本和彦

ガンダムファイト ガンダムファイター モビルファイター

シャッフル同盟 世界三大恥ずかしい告白シーン ガンダム連合

新宿 ギアナ高地 香港


新たなる輝き!ゴッドガンダム誕生さらば師匠!マスター・アジア、暁に死すGガンダム大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!!:サブタイトル。

頭部を破壊された者は失格となる:ガンダムファイト国際条約第一条。

機動武闘外伝ガンダムファイト7th:Gガンダムの前日譚。

黒歴史∀ガンダムで「封印された歴史」の一つ。また、∀劇中でも「シャイニングフィンガー」の単語が出てくるなどGガンは優遇された立ち位置にある。

機動武闘伝Gガンダム(小説版)鈴木良武(五武冬史)によるノベライズ。Gガンダムをリアル志向にしたダークSF。

超級!機動武闘伝Gガンダム島本和彦によるコミカライズ。本編の再構成的な作品。


レッドバロン:同時期に放送されていた、似たような内容のロボットアニメ。

君が主で執事が俺で:この作品のパロディが散りばめられている。

ポプテピピック:TV版最終話でアイキャッチがパロディに使われた後、スペシャルではドモン東方不敗の担当声優がポプ子ピピ美を担当した(元々この作品はガンダムシリーズのパロディが多い)。

大攻者ナギ:こちらも国家を代表するファイターたる大攻者が国家の威信と名誉を懸け1対1(一部例外あり)で戦う作品。

アニメ版ポケットモンスター:アニメ6期サン&ムーンの第103話で本作とヤッターマンのパロディがあった。そもそも初代のゲームからして「ポケモンファイトレディーゴー!」と叫ぶかいじゅうマニアがいた。

電人ザボーガー:前番組の不振で格闘ものの要素を取り入れ成功した作品つながり。

Gのレコンギスタ:上述のお蔵入りとなった「ポルカガンダム」の没案が投入されたある意味Gガンの放送枠で放送されていたかもしれない作品。

機神大戦ギガンティック・フォーミュラ


シリーズ

機動戦士Vガンダム ← 機動武闘伝Gガンダム → 新機動戦記ガンダムW


外部リンク

TVアニメ公式サイト

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