鉄道車両の地域色(車両のカラー)一覧
てつどうしゃりょうのからーいちらん
鉄道車両の地域色とは、地域ごとに塗装された塗色である。本記事ではその一覧も記事が肥大化しない程度に紹介する。
歴史
鉄道車両は、100年ほど前は木造、50年ほど前でも鋼製の車体が主流であり、錆止めや腐食防止のためにも塗装を施す必要があった。その塗色は当初は蒸気機関車の煤煙対策で黒やぶどう色といった渋い色が中心であったが、その後地域ごと、路線ごとに異なるものとなった。これを地域色といい、日本国有鉄道及びその後身であるJRグループ各社において大きく広まった。
なお、地域色には地域に根付いた色とりどりの塗色や、コストをカットするための1色塗装などがある。特にJR西日本の単色化を通称末期色と呼ぶことがある(実際は広島・下関・岡山地区の黄色1色のことを指すことが多い)。
一方私鉄の車両については初期は国鉄同様ぶどう色系、または路面電車由来の明るい茶色や青色系が主流だったが、昭和初期に軍用塗料との共用が可能として赤茶色か深緑色が主流となった。
戦後に入り新性能車両のアピールのため明るい色合いの塗装が多く用いられるようになり、私鉄各社ごとに個性的な塗装が採用された。
近年の通勤形車両では主流となったステンレス車やアルミ車の場合は塗装が不要だが、ステンレス車でも地域感を出すために帯を貼り付けたりラッピングを行ったり、アルミ車でも酸化被膜で光沢を失うためにラッピングを施したり塗装したりされる。中には南海1000系、江ノ電500形、京急1000形、相鉄12000系のようにステンレス車でありながら塗装を施した車両も存在する。
JRグループ各社の主な地域色
大都市圏各種
| 地域色 | 運行路線 | 実績 | イラスト作例 |
|---|---|---|---|
| ウグイス | 山手線/赤羽線(埼京線)/川越線/横浜線/大和路線/奈良線/おおさか東線/仙石線/呉線/可部線 | 72系/101系/103系/201系/205系/E231系500番台/E235系0番台 | |
| スカイブルー | 京浜東北線/京葉線/仙石線/京阪神緩行線(JR京都線・JR神戸線)/阪和線/奈良線/中央西線 | 72系/103系/201系/205系/209系/E233系 | |
| カナリアイエロー | 山手線/中央・総武緩行線/福知山線 | 72系/101系/103系/201系/205系/209系500番台/E231系 | |
| オレンジバーミリオン | 中央快速線/青梅線/五日市線/京葉線/武蔵野線/大阪環状線/桜島線/片町線 | 72系/101系/103系/201系/209系/E233系 | |
| エメラルドグリーン | 常磐快速線/成田線/赤羽線(埼京線)/川越線 | 常磐快速線向け103系/埼京線向け205系/E233系7000番台 |
JR西日本の単色化政策
※「ウエスト戦隊ロクレンジャー」の記事も参照。
| 地域色 | 運行路線 | 実績 | イラスト作例 |
|---|---|---|---|
| 京都地域色 | 嵯峨野線/湖西線/琵琶湖線/草津線 | 113系/115系/117系 | |
| 中国地域色 | 山陽本線岡山・下関口/福塩線/山陰本線出雲口/伯備線/宇部線/小野田線/赤穂線/呉線/可部線 | 103系/105系/113系/115系/117系/123系 | |
| 北陸地域色 | 北陸本線ほか | 413系/457系/475系 | |
| 七尾線色 | 七尾線ほか | 413系/415系ほか | |
| 和歌山地域色 | 和歌山地区 | 105系/113系/117系 |
上記以外
私鉄各社の主な塗色
| 地域色 | 保有会社と主な路線 | 実績 | イラスト作例 |
|---|---|---|---|
| 赤電 | 西武鉄道/京成電鉄/遠州鉄道/国鉄時代の常磐線ほか | 膨大な数となるため省略。詳細は「赤電」記事リンク先を参照。 | |
| ライオンズカラー | 西武鉄道/近江鉄道 | 西武4000系/西武8500系/近江鉄道220形/近江鉄道800系 | |
| ヨコハマネイビーブルー | 相模鉄道各線 | 相鉄保有車両のうち8000系以降の新造車 | |
| 名鉄スカーレット | 名古屋鉄道各線 | 名鉄の一部を除く全車両 | |
| 阪急マルーン | 阪急電鉄各線/能勢電鉄各線 | 阪急・能勢電の全車両 | |
| 近鉄マルーン | 近畿日本鉄道各線 | シリーズ21やつどいを除く全一般車両 | |
| 京阪グリーン | 京阪電鉄各線 | 京阪の全通勤形車両「シティ・コミューター」 |
