🐝概要
膜翅目(ハチ目)に分類される昆虫のうち、アリ以外のすべての種類をまとめた便宜上の総称。
強靭な顎と毒針を持ち、翅で飛翔し、巣を作ったり、おなじみの黄色と黒のカラーで描かれることが多いが、毒針の無いもの、飛べないもの、メタリックなものなどもいて、実はかなり多様である。「蟻以外のすべての膜翅類」という雑多な括りである故、膜翅目全般に当てはまるもの以外に共通の特徴はない。
知名度が高いミツバチにより花の蜜を集めるイメージが強いが、実際には寄生性や捕食、雑食性の方が多い。
社会性の種では雄蜂はほぼ生殖の役割しか果たさず、数も少ない。女王蜂を含め雌がほとんどを占める女系社会である。これは系統的にハチから派生したアリも同様である。
アリと同様天敵は少なく、危険な捕食者(特に狩り蜂)であるものが目立ち、多くの虫の擬態モデルとなっている。ハナアブやスカシバガ、トラカミキリなどが代表的。極端なものでは模様だけでなく、体型や翅、果ては行動まで蜂と似たものに特化している。
🐝特徴
🐝英語名
🐝分類
前述した通り、ハチはアリ以外のすべての膜翅類が該当し、蟻も系統的にはその一部である。
アリの位置付けについて、かつてはスズメバチやドロバチ等の系統に近いと考えられた。しかし遺伝子解析ではむしろ下記の系統図のように、アナバチやハナバチ等の系統の方がアリに近いことが示される。同時にスズメバチ・ハナバチ・アリ等に見られる社会性は、それぞれ独自に獲得(収斂進化)したとことも示唆される。
┗┳━アリバチ等(狩り蜂)
┗┳━ツチバチ(狩り蜂)
┗┳社会性━アリ
┗┳━アナバチ等(狩り蜂)
主な種類
蜂は大まかに次の4つのカテゴリーに分けられる。前述した系統図の通り、中ではハナバチのみ単一の系統で、それ以外は生態や原始的な特徴を基に、様々な系統をまとめた雑多な括りである。ここではそれぞれの著名な数種類のみ抜粋して簡潔に述べる(詳細はリンクのある項目を参照)。
ハバチ・キバチ
原始的なハチ類。毒針はなく、腰は太くて他のハチのようなくびれ(腹柄)がない。
成虫は肉食であるが、幼虫(イラスト)は芋虫のような可愛らしい姿で、自由生活で葉っぱを食べる。
なお、ヤドリキバチは例外で、生態はむしろ後述の寄生蜂に該当する。
寄生蜂
卵を他の動植物に産み付けて、幼虫がそれに寄生して育つもの。この点は後述の一部の狩り蜂と似てるが、宿主を巣に運ばない所が異なる。
発達した産卵管や独特な姿をしたものが多い。
ハバチ・キバチの間から進化したと考えられる。
🐝利用
ミツバチが集めた蜂蜜は古くから食材とされ、現代では世界的に普遍な食品の一つとなっている。
ミツバチ、スズメバチ、アシナガバチの幼虫や蛹は高級珍味として食用になる。調理方法は佃煮から生食まで様々、特にクロスズメバチの幼虫は長野県の隠れた名物として有名である。
青森県ではマメコバチにリンゴの授粉作業を手伝ってもらうため、ヨシの茎束を使う。
セイヨウマルハナバチは外来種の中でも産業上重要なため、厳重な管理が求められる産業指定外来種として登録されている。
🐝蜂をモチーフにしたキャラクター
仮面ライダーシリーズ
仮面ライダー
ライダー怪人
- 蜂女、ハエトリバチ(仮面ライダー)
- ハチ獣人(仮面ライダーアマゾン)
- ドクバチジン(仮面ライダー)
- バチンガル(仮面ライダースーパー1)
- ハチ怪人、ツルギバチ怪人(仮面ライダーBLACK)
- ズー(仮面ライダーJ)
- メ・バヂス・バ(仮面ライダークウガ)
- ビーロード(仮面ライダーアギト)
- バズスティンガー(仮面ライダー龍騎)
- オオクビ(仮面ライダー響鬼)
- ワスプイマジン(仮面ライダー電王)
- クインビー・ドーパント、ビー・ドーパント(仮面ライダーW)
- ムチリ(仮面ライダーOOO)
- インセクト眼魔(仮面ライダーゴースト)
- ハチアマゾン(仮面ライダーアマゾンズ)
- クイーンビー・デッドマン(仮面ライダーリバイス)
- ハチオーグ(シン・仮面ライダー)
スーパー戦隊シリーズ
スーパー戦隊
アニメ
※作品名50音順に追加
ゲーム
※作品名50音順に追加
その他
- ガンダムアルテミー(機動戦士ガンダム00P)
- チャロット(ジュエルペット)
- マーヤー
- スティンガー(コロンバス・ブルージャケッツの球団マスコット)
キャラクター創作においてモチーフとしての扱い
イラストにされる際には、かわいくデフォルメされて描かれることもある。
漫画やアニメにおいてキャラクターとして登場することも少なくない。
また、蜂の持つ攻撃性や外見の恐ろしさから、怪人やモンスターなどの敵キャラのモチーフに採用されることもある。
固有能力として針を飛び道具にすることも少なくない。
上記の生態と違い雄比率も高い。
ちなみに、蜂モチーフのキャラクターは特撮作品においては男性のキャラクターが多い。それでも毒針が使える設定なのは大人の事情である。特にハチを巨大化させた設定の怪人とか蜂の祖先とされる怪人は蜂の生態と大幅に矛盾している…。