概要
日本の妖怪にも玉藻前など外国伝来の妖怪が存在する一方、
韓国のトッケビの様に日本の影響で本来の姿が不明になっている場合もある。
なお、子記事としてリンクできない場合は関連タグとして紹介する。
ヨーロッパ
ヨーロッパの妖怪の記事を参照。
北ヨーロッパはイギリスの妖怪、ケルト神話、北欧神話の記事、南ヨーロッパはギリシャ神話、ローマ神話の記事、西ヨーロッパはベルギー妖怪、ドイツの妖怪、フランスの妖怪の記事、東ヨーロッパはロシアの妖怪、スラヴ神話、リトアニア神話の記事も参照。
西アジア
イスラム教/ゾロアスター教/イラン神話/ウガリット神話/メソポタミア神話/バビロニア神話/アルメニア神話/アラビアンナイトの記事も参照。
西アジア広域
- アウワ/アッワー(Awwa):アラビア語でアダムの妻イヴのことだが、サタンの妻であるとされた。ちなみに、フランスのコラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』ではサウジーネ(Sausine)がサタンの第一夫人とされている。
- ズ・ルバイスン(Zu 'lbaysun):サタンの9人の子供の1人であり市場を支配する。
- ダシム(Dasim):サタンの9人の子供の1人にして邸宅や晩餐の主であり人々がビスミッラー(アッラーの御名において)やインシャーアッラー(もしアッラーが望んだならば)と言おうとすればそれを妨げてくるという。
- ドゥルハン(Dulhan):サタンの9人の子供の1人であり礼拝所で人々の礼拝を邪魔する。
- ハッファン(Haffan):サタンの9人の子供の1人であり大酒飲みを保護する。
- マスブト(Masbut):サタンの9人の子供の1人であり噂を広める者を保護する。
- マルラー(Marrah):サタンの9人の子供の1人であり音楽家と踊り子を保護する。
- ラキス(Lakis):サタンの9人の子供の1人でありゾロアスター教徒の主。
- ワッシン(Wassin):サタンの9人の子供の1人であり災厄が訪れると跳梁するという。
- アルミラージ/アルミラージュ(Al-Mi'raj, Almiraj):有角兎。
- イムラーク(Imlaq):アラビア語で巨人のこと。
- カザム(Qazam):アラビア語で小人のこと。
- カルカダン/カルカッダン/カルカンド(Karkadann, Karkaddan, Karkand):アラビア語で一角獣のこと。
- カルカンダ(Karkanda):カルカダンの別名カルカンドの女性形での呼び名。雌の一角獣
- クトルブ/クトゥルブ(Qutrub):人狼。
- グール(Ghoul)
- アミネ(Amine):千夜一夜物語に登場するグーラ(グール)の美女。
- グーラ/グーラー(Ghulah):グールの女性形での呼び名。
- スィルワ:イラクの川の近くに棲む、毛むくじゃらで魚の尾を持つグールの母親。母乳を一滴でも飲むことができれば襲われない。
- ザーグ/ザーグサール(Zagh, Zaghsar):人面カラス、あるいは人間の上半身と鳥の下半身を持ったカラス。
- サマンダル(Samandal):鳥の妖怪。
- ザラタン/サラターン(Zaratan, Saratan, Sarathan):蟹を意味する単語だが、島のように巨大な海の生物のことでもある。
- シャーダワール(Shadhavar, Shadawar)
- ジン(Jinn)
- ガウワス(Ghawwas):水中に住むジン。
- サフル(Sakhr)
- ブギルト・ルリール:「小さな夜の雌ロバ」という意味の、馬具に宝石を付けたロバに変化するジン。鋭い爪で泥棒を寄せ付けない。
- ズラール(Zulal):黄色の斑点模様がある蠕虫で、人の指ほどの大きさをしており、雪の中で繁殖する。この蠕虫の体内には爽やかで混じり気のない冷たい水が入っているので、飲料水を取るために人間に捕獲される。
- ダンダーン/ダンダン(Dandan):千夜一夜物語に登場する巨大魚。海中の人魚にとって最強の敵であり、象も呑み込んでしまう巨体を誇る、にもかかわらずこの魚の個体数は数えられないほどに多いという。この魚にとってアダムの子である陸の人間は天敵と言える存在であり、この魚が1000匹以上いても人間が一度叫び声を上げただけで全てが即死するといい、この魚が人間の脂を食べたら即死、海中を漂う人間の肉を間違って食べても即死する。この魚の肝臓から取れる黄金色の油を体に塗れば陸の人間も水中で生きられるようになる。
- 海のアブド・アッラーフ:漁師のアブド・アッラーフと仲良くなった同姓同名の人魚。
- ティンニーン(Tinnin):アラビア語で龍のこと。
- ナスナース(Nasnas):半人間という意味で元は二足歩行の類人猿のことだったが、後に体が半分しかない一本足一本腕一つ目の怪人であると語られるようにもなった。
- ファラク(Falak):大地を支える大天使の下の巨岩の下の巨大牡牛クジャタの下の巨大魚バハムートが泳ぐ海の下の虚空の下の地獄のさらにその下で世界の全てを支える大蛇。
- ムスタディーブ(Mustadib):アラビア語で人狼のこと。
- ムーミヤー(Mumiya):アラビア語でミイラのこと。
- ヤムリーハー/くちなわの女王(Yamlikha)
アラブ首長国連邦
- ウンム・アル・デュワイス/アム・アル・ダウェイス(Umm al-Duwais)
イスラエル
- アグシュケロー(Agshekeloh):悪魔。
- アグラト・バト・マラト/アグラト・バト・マハラト/アグラット・バット・マハラト/イグラト・バト・マハラト(Agrat bat Mahlat, Agrath bat Mahalath, Igrath bath Mahalath):悪霊たちの女王である女悪魔。
- アダム・ゼエヴ(Adam Ze'ev):ヘブライ語で人狼のこと。アダムは人間、ゼエヴは狼を意味する。
- アナック(Anak):ヘブライ語で巨人のこと。
- アルカー(Alukah, Aluqah, Aluga, Aluka):馬蛭を意味する単語だったが後に吸血鬼とされるようになった。人型の存在だが狼に変身する。
- アルパッド(Arpad):ヘブライ語で吸血鬼のこと。
- イェドゥア/ヤドゥア(Yedua, Jeduah, Jadua):人型の植物……と言ってもマンドラゴラのように地中に埋まった存在ではなく、バロメッツの人間バージョンと言える地面から生えた人間のような植物である。人間でいう臍にあたる部分から伸びた臍の緒のような茎が地面に伸びて根っこと繋がっているため、その茎が伸びる範囲までしか移動できない。周囲の植物は何でも食べ、人や動物が近づけばそれがどんな相手でも襲いかかってその命を奪ってしまう。臍の緒のような茎を切ったり根っこから引っこ抜いたりすれば退治できる。イェドゥアの骨を口の中に入れて特定の呪文を唱えると未来を見ることができる。
- ジドラ(Jidra):イェドゥアの誤記。ジドラは獣だが植物のように根を張っているため移動できないが、周囲に動植物がいれば呑み込んでしまう危険な存在。だがジドラの骨は高価で売れたため危険でも近付く者は多かった。
- ウツ・リ・グツ・リ/ウツリ・グツリ(Utz Li Gutz Li, Utz-Li Gutz-Li, Ootz-Li Gootz-Li, Utzli Gutzli, Utzli-Gutzli):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
- エストリ/エストリー(Estries):女吸血鬼。実体の無い悪霊だが血肉を得ると実体化し、そして飢えを満たすためにさらに血を求めるようになる。幼子の血が好物だが大人の血も飲まないわけではない。自らの姿を自在に変える変身能力を有するが、夜に空を飛ぶ間だけは本来の悪霊の姿に戻るといい、実体化している間に傷付けられたり本来の姿を見られたりすると特殊能力を失ってしまう。特殊能力を取り戻すためには、自らを傷付けてきた者や本来の姿を目撃した者が持っているパンと塩を手に入れて食べなければならない。
- カイギディエル(Chaigidiel):悪魔。
- ガギソン(Gagison):病魔。
- ガマッド(Gamad):ヘブライ語で小人のこと。
- ガメデット(Gamedet):ガマッドの女性形。
- ガムキコト/ガムキゴット(Gamchikoth):悪魔。
- ガラブ・ツェレク(Gharab Tzerek):悪魔。
- ケシリム(Kesilim):人を誤った方向に導いて、そして自ら導いた者を笑いものにするという悪霊。
- ケテヴ(Ketev):破壊を擬人化した悪魔であり昼の暑さの象徴。
- ケテヴ・メリリ/ケテヴ・メレリ/ケテブ・メレリ(Ketev Meriri, Keteb Mereri):鱗や毛に覆われた体の中心に一つの眼球がある悪霊。朝に行動し、日光と日陰の間を転がる。これを目撃した者は地面に崩れ落ちることになる。
- メリリム(Meririm)
- ケテヴ・ヤシュド・ゾホライム(Ketev Yashud Zohorayim):羊の角に似ていて翼が生えている悪霊。昼に行動する。
- ゴギエル(Ghogiel):悪魔。
- ゴーレム(Golem):粘土の人形。
- ゴロハブ/ゴロアブ(Golohab):悪魔。
- サタリエル(Satariel):悪魔。
- ザムズミム(Zamzummim):巨人。
- シェッド(Shed):ヘブライ語で悪魔のこと。
- シェディム(Shedim):邪神。
- ジズ(Ziz)
- シャブリリ(Shabriri):盲目の悪霊。
- シャミール(Shamir):石、鉄、ダイヤを高速で食べたり溶かしたりすることで切り出したり砕いたりできる芋虫。『姫国山海録』に記された石蟲という妖怪はシャミールと似ている。
- ショメル・ダッピム(Shomer Dappim):ページの守護者という意味。聖書を開いたままにしておいた者を痛めつけてくる悪霊。
- セイリム/サイール(Se'irim, Sa'ir):サテュロスと同一視される悪魔。
- タウミエル(Thaumiel):悪魔。
- タギリロン(Tagiriron):悪魔。
- タンニーン(Tannin):
- ツェレダ/ツェラダ(Zereda, Zerada):椰子の切り株に頭でもたれ掛かった者を掴んでくる悪霊。
- ディブク(Dybbuk, Dibbuk):人に取り憑き気を触れさせる悪霊。元は東欧ユダヤ人の伝承だったがカバラ体系に組み込まれた。
- デヴェル(Dever):病気という意味。唯一神の支配下にある悪霊であり闇を歩くともいう。
- トガリニ(Togarini):悪魔。
- ナアマ(Naamah):女悪魔。
- ナヘマー(Nahemah, Nahema):悪魔。
- ナヘモト(Nahemoth):悪魔。
- ネハーシーム・セラーフィーム(Nehashim Seraphim):火の蛇。
- ネフィリム(Nephilim):堕天使と人間の間に生まれた巨人族。
- ネフシュタン(Nehushtan):青銅の蛇。
- ハッドケレン(Chad-Qeren):ヘブライ語でユニコーンのこと。
- バト・ヤム(Bat Yam):ヘブライ語で人魚のこと。バトは少女、ヤムは海を意味する。
- パハド(Pahad):恐怖を擬人化した悪魔。
- パルガ(Palga):椰子の切り株で排便した者を掴んでくる悪霊。
- バル・ユクネ/バル・ヨクニ/バル・ヤクレ(Bar Juchne, Bar-Yuchnei, Bar Yokni, Bar Yachre):タルムードに記述がある巨鳥。翼で太陽を遮るこの巨鳥が卵を産み落とした時は60もの都市が浸水させ、300本のヒマラヤスギを破壊した。ヨブ記に登場するダチョウと同一視される。
- ベヒーモス(Behemoth)
- マジキン/マジクム/マジク(Mazzikin, Mazzikim, Mazzik):悪霊の一種。悪人が死後にこの悪霊になる。単数形ではマジク、複数形ではマジキムという。
- ミフレツェット(Mifletset):ヘブライ語で怪物のこと。
- ラハブ(Rahab)
- リシュペ(Rishpe):木の根っこに棲む悪霊。
- リリス/リリト(Lilith, Lilit, Lilitu, Lilis)
- アイロ(Ailo):リリスの別名の一つ。
- アビト(Abito):リリスの別名の一つ。
- アビトゥ(Abitu):リリスの別名の一つ。
- アビュズ(Abyzu):リリスの別名の一つ。
- アブラト・リリス('Ablat Lilith):リリスの母。だが、リリスの母はパルハス・リリスという名であるともいう。
- アブロ(Abro):リリスの別名の一つ。
- アベコ(Abeko):リリスの別名の一つ。
- アミズ(Amiz, Amizu):リリスの別名の一つ。
- アミゾ(Amizo):リリスの別名の一つ。
- アル(Alu):リリスの別名の一つ。
- アルダド・リリ(Ardad Lili):リリスの別名の一つ。
- イク(’Ik):リリスの別名の一つ。
- イゾルポ(Izorpo):リリスの別名の一つ。
- イタ(Ita):リリスの別名の一つ。
- イルス('Ils):リリスの別名の一つ。
- エイロ(Eilo):リリスの別名の一つ。
- エトレリア(Etrelia):リリスの別名の一つ。
- オダム(Odam):リリスの別名の一つ。
- オビツォト(Obizoth):リリスと同一視される女悪魔。
- カカシュ(Kakash):リリスの別名の一つ。
- カネー(Kanee):リリスの別名の一つ。
- カリ(Kali):リリスの別名の一つ。
- ガルル(Gallu):リリスの別名の一つ。
- ギロウ(Gilou):リリスの別名の一つ。
- ケア(Kea):リリスの別名の一つ。
- ケマ(Kema):リリスの別名の一つ。
- ゲロウ(Gelou):リリスの別名の一つ。
- ココス(Kokos):リリスの別名の一つ。
- サトリナ(Satrina, Satrinah):リリスの別名の一つ。
- ザフリエル(Zahriel):リリスの別名の一つ。
- ゼフォニト(Zefonith):リリスの別名の一つ。
- タルト(Talto):リリスの別名の一つ。
- ティルト(Thiltho):リリスの別名の一つ。
- バトナ(Batna):リリスの別名の一つ。
- パトロタ(Patrota):リリスの別名の一つ。
- パルタサー(Partasah):リリスの別名の一つ。
- パルハス・リリス(Palhas Lilith):リリスの母。だが、リリスの母はアブラト・リリスという名であるともいう。
- ピズナイ(Piznai):リリスの別名の一つ。
- ビトゥアー(Bituah):リリスの別名の一つ。
- ペトロタ(Petrota):リリスの別名の一つ。
- ペラフダド(Pelahdad):リリスの父。
- ポズ(Pods):リリスの別名の一つ。
- ポド(Podo):リリスの別名の一つ。
- ラフィ(Raphi):リリスの別名の一つ。
- ラマッス(Lamass):リリスの別名の一つ。
- リリン(Lilin):リリスの娘。男性を誘惑する女悪魔。
- ルアフ・レファイム(Ruach Refa'im):ヘブライ語で幽霊のこと。
- ルヘ(Ruhe):フウチョウボク科の低木ケッパーの茂みに棲む悪霊であり眼球が無いという。
- レヴィアタン(Leviathan)
- レエム(Re'em):ヘブライ語聖書に記述があるユニコーンとされる獣。オリックス、バッファロー、サイ、オーロックス、野牛であるとも。
- レシェフ(Resheph, Reshef):唯一神の支配下にある悪霊。疫病や炎の矢のことでもある。
イラク
- アサグ(Asag):イラク南部に伝わっていたシュメール神話に登場する病気の悪魔。その姿は巨大で丸く、首が無く、体全体にいくつかの目が付いており、三本の脚、三本の腕、岩のような硬い肌を有するという。グリフォンのような姿で表現される場合もある。
- アサック/アサックー/アシャック(Asakku):イラク北部のアッカドに伝わっていた悪霊。人々に病気をもたらすという。
- アッハーズ(Akhkhazu, Ahhazu, Aḫḫāzu):イラク北部のアッカドに伝わっていた黄疸の女悪霊、女魔神。アッハーズ、ラバス、ラマシュトゥは三人組の女悪魔だという。
- アブグダナ(Abugdana):イラク南部で現在も信仰されているマンダ教における全ての悪魔の王。リリスたちの偉大な支配者でもある。
- アプサシートゥ(Apsasitu, Apsasītu):イラク北部のアッカドに伝わっていた幻獣。人面の牝牛もしくは有翼で人面の牝獅子。
- アブーブ(Abubu, Abūbu):イラク北部のアッカドに伝わっていた怪物。洪水の象徴であり翼を生やした怪物だというがその姿の詳細は不明となっている。
- アラドランムー(Aladlammu, Aladlammû):イラク北部のアッシリアに伝わっていた幻獣。巨大で有翼の人面の牡牛。
- アーリブ・シャディ(Arib Shadi, Ārib Šadî):イラク北部のアッカドに伝わっていた魔除けの鳥。
- アリンブー(Alimbu, Alimbû):イラク北部のアッカドに伝わっていた人面の牡牛。クサリクと同一視される。
- アルー(Alu, Alû):ギルガメシュ叙事詩に登場する天の牛。その姿は人面牛であり、有翼とされる場合もある。
- アルダト・リリー(Ardat-Lilī, Ardat Lilî):メソポタミアの女悪魔。
- アルルハップ(Alluhappu, Alluḫappu):戦闘用の網。イラク北部のアッカドに伝わっていた獅子の頭部と四本の腕を有する疫病の悪霊。冥界神ネルガルに属するものでもある。
- アンズー/ズー/イムドゥグド(Anzu, Anzû, Zu, Zû, Imdugud):重厚な雲。メソポタミア神話に登場する怪物。獅子の頭部を有する鷲、もしくは有翼で後半身が鳥になった獅子の姿をしている。
- ウカドゥハ/ウ/カドゥッフ/ウーム・ナイル(Ukaduhha, Ukaduḫḫa, Ukaduha, Ukaduḫa, U, Kaduhhu, Kaduḫḫu, Umu Na'iru, Ūmu Nā'iru):有翼で獅子の上半身に鳥の下半身を有する怪物。シュメール語ではウカドゥハもしくはウ、アッカド語ではカドゥッフもしくはウーム・ナイルと呼ぶ。
- ウド(Ud):獅子の姿をしており旱魃などで人々を害する太陽を象徴する怪物。
- ウトゥック/ウドゥグ(Utukku, Udug):メソポタミアの精霊。アッカド語ではウトゥック、シュメール語ではウドゥグと呼ぶ。
- エディンム(Edimmu, Ekimmu):ウトゥックの中でも人々に害をなす悪霊。
- ウルマフルッルー/ウルマフルル(Urmahlullu, Urmaḫlullû):イラク北部のアッシリアに伝わっていた精霊。上半身は人間だが腰から下が四足歩行の獅子になっている。
- エテンム/エツェンム(Etemmu, Eṭemmu, Iṭemmu, Eṭammu):アッカド語で死霊のこと。
- ガルラ/ガルルー(Galla, Gallû):シュメール語ではガルラ、アッカド語ではガルルーと呼ぶ。イラク南部に伝わっていたシュメール神話の冥界キガルに住む悪霊。槍や葦筆のように細い姿をしている。
- キスキル・リラ(Kiskil-Lilla):アッカド語でリリスのこと。
- ギディム/ゲディム(Gidim, Gedim):シュメール語で死霊のこと。
- キリリ(Kilili, Kulili, Kililu, Kulilu):梟と関係があるとされる女悪霊。窓から家に入り込んできて病気をもたらす窓の女王。
- クリルトゥ(Kuliltu):魚女。イラク北部のアッカドに伝わっていたクルッルの女性版。上半身は人間だが腰から下は魚になっている。
- シェグサグアシュ(Shegsagash, Šegsagàš):イラク南部に伝わっていたシュメール神話に登場する六つ頭の羊の怪物。
- シェードゥ/シェドゥ(Shedu, Šēdu):イラク北部のアッカドに伝わっていた人面の牡牛の姿をした精霊。ラマッスと同一視される。
- シャッガーシュ(Shaggashu, Šaggāšu):イラク北部のアッシリアに伝わっていた悪霊。殺人者という意味であり疫病をもたらすことで人々の命を奪う。
- シュートゥ/シューツ(Shutu):イラク南部のバビロニアに伝わっていた風の悪魔。
- スフルマシュ/スフルマーシュ(Suhurmash, Suhurmashu, Suḫurmáš, Suḫurmāšu):魚山羊。山羊の上半身と魚の下半身を有する怪物。アッカド語ではスフルマーシュ、シュメール語ではスフルマシュと呼ぶ。
- タリア(Talia):イラク南部で現在も信仰されているマンダ教における蝕をもたらす龍。
- ティアマトの11の怪物(Ūmū, Umāmānu, Gallû, Šūt mē nāri u nābali, Bīnūt apsî):メソポタミア神話の女神ティアマトが生み出した11の怪物。嵐の獣たち(ウームー)、獣たち(ウーマーマーヌ)、戦士たち(ガルルー)、川の水と乾いた地のもの(シュート・メー・ナーリ・ウ・ナーバーリ)、アプスの創造物(ビーヌート・アプシー)などと呼ばれた。
- ウガルル(Ugallu):巨大な目、巨大な嵐の獣。獅子の頭部、驢馬の耳、人間の手、鳥の脚を有する怪物で、その手には短剣と槌鉾を持つ。
- ウシュムガル/ウシュムガルル(Ushumgallu, Ušumgallu):偉大な蛇。四本足で翼を生やした龍。
- ウム・ダブルチュ/ウームー・ダブルートゥ(Umu Dabrutu, Umū Dabrūtu):嵐の怪物。獅子の体、鷲の頭部と翼を有する。
- ウリディンム(Uridimmu):狂った犬という意味。上半身は人間だが腰から下は獅子になっている。
- ギルタブリル/ギルタブルル/ギルタブルルー(Girtablullu, Girtablullû):蠍人間。鳥の脚、蠍の尾、場合によっては四枚の翼も有する怪人。女性の個体も存在する。
- クサリク(Kusarikku):上半身は人間だが牛の耳と角を持ち、腰から下は被毛に覆われた二足歩行の牛の脚になっている。
- クルッル/クルル/クルルー/クリール/クリルル(Kulullu, Kulullû):魚人間。上半身は人間だが腰から下は魚になっている。
- バシュム(Bashmu, Bašmu):前脚と角を有する蛇。
- ムシュフシュ/シルシュ/シルーシュ(Mushhushshu, Mushkhushshu, Mušḫuššu, Sirrush):怒れる蛇という意味。毒蛇の頭、長い角、獅子の前脚、鷲の後脚、蠍の尾、翼を有する怪物。
- ムシュマッヘ/ムシュマッヘー/ムシュマッフ(Mushmahhu, Mušmaḫḫū):傑出した蛇という意味。七つ頭の蛇、もしくは蛇と獅子と鳥の合成獣。その体内には血の代わりに毒が流れている。
- ラフム(Lahmu, Laḫmu):毛の生えたものという意味。赤い服を着た髭面の男性の姿をしている。元々は川の精霊だったとされる。
- ナムタル(Namtar, Namtaru):運命もしくは宿命という意味。メソポタミア神話に登場する悪霊もしくは神。冥界神エレシュキガルとネルガルの侍従。最高神エンリルの命令で人々に疫病をもたらした。
- ナムタルトゥ(Namtartu):ナムタルの妻。手足は人間だが頭部はクリーブという守護霊もしくは守護獣になっている。肝心のクリーブがどういうものなのかは不明。
- パーシットゥ(Pasittu, Pâsittu):イラク北部のアッシリアに伝わっていた母親から赤児を奪う悪霊。
- パズズ(Pazuzu):イラク北部のアッカドに伝わっていた魔神。獅子の頭部と腕、鷲の脚、四枚の鳥の翼、蠍の尾、蛇の男根を有する。
- ハルラヤ(Hallulaja, Ḫallulaja, Ḫallulūa):イラク南部のバビロニアに伝わっていた女妖怪。オケラかアリジゴクあるいはムカデの妖怪だという説があり、家に出没し、人間の男性を娶る女妖怪らしい。
- ヒントゥ/ヒムトゥ(Hintu, Ḫinṭu, Himtu, Ḫimṭu):イラク南部のバビロニアに伝わっていた悪霊。熱病の擬人化。
- フクトゥス/ファクタス(Fuqtus):イブン・ナディーム『フィフリスト』に記述があるジンと悪魔の首領。フクトゥスはソロモン王に召喚され、ソロモン王に従う70柱の悪霊たちの名を人々の前で紹介した。下記の悪霊たちの呼び名はアラビア語だと母音の表記が無いため正確な発音は不明となっている。
- アイザール/エイザー('Ayzar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アイラーイル/エイライル/エイレイル(Ayra'il):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アシュジャ(Ashja'):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アダーズ(Ad-Da'hs):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アルアラムラム(Al-'Aramram):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アルハイム/アルヘイム(Al-Haym):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アルハリト/アルハリス(Al-Harith):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アルブ(Arhbh):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- アンカラー/アンカラ(Ankara):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ウカス(Wqas):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ウサール/ユーサー('Usar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ウダーフィル('Udhafir):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ウドラ/アディラ('Udhrah, 'Adhirah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- エンマドゥルキー(Nmudrky):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- カイス(Khyth'):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- カイフス(Khyfth):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- カイワン(Kywan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。その名は巨人という意味の可能性がある。
- カウカブ/コーカブ(Kawkab):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。その名は星という意味の可能性がある。
- カーディム/カディム(Qadim):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- カールーン/カラン(Qarun):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- キュードゥム(Qdmnh):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- サイダック(Syduk):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ザイナブ/ゼイナブ(Zaynab):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ザイナブはムハンマドの妻の一人でもある。
- サイヤー(Siyyar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ザウバア/ゾーバアー(Zawba'ah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ササアー(Sa'sa'ah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- サーヒトゥーン/サヒトゥン(Sahitun):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- サフル/サクル(Sakhr):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ジンだともいう。ソロモン王の妾のアミーナの前にソロモン王に化けたサフルが現れてソロモンの指輪を騙し取った。
- ザルーシュ/ザラッシュ(Za'rush):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ザンブール/ザンバー(Zanbur):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- シダード/シダッド(Shidad):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- シムルアール(Shimr'al):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- シャイタブ(Shytub):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- シャーダーン/シャダン(Shadhan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- シュフティル(Shftil):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ジュンドゥルブ/ジャンダルブ/ジャンダーブ(Jndrb, Jandarb):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ペルシアの海の怪物ガンダルワやシュグニー語で人狼を意味するジンドゥールヴと関係があるかもしれないという。
- ズハール/ズハル(Zuhal):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。耕作可能な土地を破壊した者を罰する土星の女神であったとされる。
- タイアバー(Tyabur):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ダイウィド(Dywyd):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- タイサマー(Tythamah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- タカッルム/タカラム(Takallum):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ダーヒル(Dahir):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- トゥキューイタン(Tq'ytan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- トゥバーン(Thu'ban):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。その名は龍という意味の可能性がある。
- トゥンキウッシュ(Tnkyush):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ナウダル/ノーダー(Nawdar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ナマーン/ナマン(Naman):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ニザール/ナイザー(Nizar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ハイシャブ/ヘイシャブ(Hayshab):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- バクターン/バクタン(Baktan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ハーサマー(Harthamah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ハシュラム/カシュラム(Khashram):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ハトゥーファ(Khatufah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ハムハマ/ハムハマー(Hamhamah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ハムラーン/ハムラン(Hamran):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ファクルーフ/ファクラフ(Faqruf):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ファトゥラー(Fatrah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- フィールーズ(Firuz):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- フルーク/フラック(Furuq):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- フルミズ/ハーミズ(Hurmiz):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ゾロアスター教の神アフラ・マズダーの別名オフルマズドが語源の可能性がある。リリスの娘で美しいジンニーヤであるとも。
- マカル(Mhaqal):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- マザーヒム/マザヒム(Mazahim):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ムッラ/マラー(Murrah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ムファッリシュ/マファリッシュ(Mufarrish):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ミサルカル(Misalqar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ミルダース/マーダス(Mirdas):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ムトゥカラ(Mhtukara):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ムルド('Mrd):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- ラヤー(Rayah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
- フンババ/フワワ(Humbaba, Huwawa, Ḫuwawa):メソポタミア神話のギルガメシュ叙事詩に登場する怪物。
- マシュフルトゥップー(Mashhultuppu, Mašḫultuppû):イラク北部のアッカドに伝わっていた悪を打つ山羊。
- ラバス(Labasu):イラク南部のバビロニアに伝わっていた女悪霊、魔女。人々を地獄に連れ去ったり疫病をもたらしたりする。アッハーズ、ラバス、ラマシュトゥは三人組の女悪魔だという。
- ラービス/ラビス(Rabisu, Râbiṣu):アッカド語で潜む者という意味。精霊や悪魔。
- ラッブ(Labbu):イラク北部のアッシリアに伝わっていた獅子と蛇の特徴を有する巨龍。退治された時は三年三ヶ月三日も血が流れ続けたほどの巨大な怪物だった。
- ラマシュトゥ(Lamashtu, Lamaštu):イラク北部のアッカドに伝わっていた女魔神。毛に覆われた全身、獅子の頭部、驢馬の耳と牙、血塗られた手、長い指と爪、鳥の脚を有する。
- ラマッス/ラマッサーティ(Lamassu, Lamassati, Lamassâti):有翼の人面牛。女性形ではラマッサーティと呼ぶ。
- ルーハー・ドクドシャ(Ruha d'Qudsha):イラク南部で現在も信仰されているマンダ教で悪の根源とされる女悪霊。悪の天体とされる七つの惑星の母。
イラン
- アエーシュマ(Aeshma, Aēšma):ゾロアスター教の悪魔。狂暴という意味。血塗られた棍棒を持った毛むくじゃらの姿をしている。
- アカ・マナフ(Aka Manah):ゾロアスター教の悪魔。悪しき思考という意味。
- アジ・ダハーカ/アジュダハー/アジュダハーク/アジュダル(Azi Dahaka, Azhi Dahaka, Aži Dahāka, Azhdaha, Azhdahak, Ezhdeha, Azhdar):ゾロアスター教の三つ首の龍。
- アストー・ウィーザートゥ(Asto Vidatu):ゾロアスター教の死の悪魔。全ての人々の首には生まれる前からこの悪魔がかけた縄が結ばれおり、善人なら死後に縄が外れ、悪人は死後に地獄に引きずり込まれる。
- アパオシャ(Apaosha, Apaoša, Apauša):ゾロアスター教の旱魃の悪魔。被毛の無い黒い馬の姿をしている。
- アンラ・マンユ/アーリマン/アフリマン(Angra Mainyu, Ahriman):ゾロアスター教の悪魔。
- ウィーザルシャ(Vizaresha, Vīzarəṣ̌a):悪人の魂を地獄に引き摺り込む悪魔。
- カマグ(Kamag):ゾロアスター教の鳥の怪物。
- クンダ(Kunda):ゾロアスター教の悪魔。地獄の入り口に住んでおり、ハオマを飲んでいないのに常に酔っ払っている。
- クンディー(Kundi, Kundī):クンダの女性形。
- コノペニ(Conopeni, Conopenii):驢馬の頭部を有する大きな馬。呼吸の度に鼻孔や口から火炎を吹く。
- ザリチュ/ザリチェ/ザイリチャー(Zairich, Zariche, Zairič, Zāīrīc, Zairik):渇きの女悪魔。
- サルワ(Saurva):無秩序の悪魔。
- シームルグ/スィームルグ/セーンムルヴ/メレゴー・サエーノ(Simurgh, Senmurv, Meregho Saeno):サエーナの木に棲んでいる鳥の王。
- ジャヒー(Jahi, Jahī):ゾロアスター教の女悪魔。
- シャーマラン/シャフマラン(Shahmaran):半女半蛇の妖怪。トルコではシャフメランと呼ぶ。
- ダヴァルパー(Davalpa):革紐のようなぐにゃぐにゃの脚を有する怪人。ギリシャではヒマントポデス(Himantopodes)と呼ぶ。
- ダエーワ(Daeva, Daēva):ゾロアスター教の悪魔。
- ダエーウィー(Daevi, Daēvī):ダエーワの女性形。
- タルウィ/タウルウィー/タウイレウ(Taurvi, Tauirev, Tāūīrēv):熱の女悪魔。
- タローマティ(Taromaiti, Taromati):反抗の女悪魔。
- チャームローシュ/チャムローシュ/チャムロッシュ(Chamrosh):鳥。
- ドゥルジ/ドゥルジ・ナス(Druj, Durj Nasu):ゾロアスター教の虚偽もしくは偽善の女悪魔。蝿の姿をしている。
- パリカー(Pairika, Pairikā):ゾロアスター教の魔女。
- ヒブラ・バシ(Hibla Bashi):下半身が山羊になった姿をした吸血妖怪。
- ブーシュヤンスター(Bushyasta, Būšyąstā):眠気の女悪魔。息を吹き込むことで人々を怠惰にさせる。
- ペリ(Peri):精霊。英単語フェアリーの語源はこのペリであるとする説もある。
- ルナン・シャア
キプロス
- サルコメノス(Sarkomenos, Σαρκωμένος):肉体を膨らませて驚かせる吸血鬼。
- ピュラリス/ピュラウスタ(Pyrallis, Pyrausta)
サウジアラビア
- ホファファ(Hofafa):空を飛ぶ能力がある有翼のジン(精霊)。
シリア
- アータルヤー(Atalya):日蝕をもたらす龍。
- カロプス(Calopus):インド、シリア、ユーフラテス川流域に住むとされた獣。
- トゥンナーン(Tunnan, Tunnān):ウガリット神話に登場する二つの尾を有する海蛇の怪物。
- ダルクーナー(Darquna, Darqūnā):シリア語で龍のこと。
- ダルコーン(Darqon, Darqōn):アラム語で龍のこと。
- ロタン/ローターン/リタン/リーターン(Lotan, Litan):シリア南西部に伝わっていたウガリット神話に登場する七つ頭の蛇の怪物。
トルコ
- アセナ(Asena):戦による唯一の生存者の少年との間に、現在のテュルク民族の祖になった10人の子をなした青い毛の雌狼。
- アラクネ/アルケニー/アラクネー/アラクニー(Arachne, Arakhne, Arakne):ギリシャ神話に登場する蜘蛛にされた乙女。現在で言うところのトルコ西部に位置していたリュディア地方の機織りの名手であり、自らの技巧が神々に匹敵すると思い、女神アテナに織物勝負を挑んだ。この時、アテナはポセイドンと争った時の光景を織って自らの偉大さを見せたのに対し、アラクネはゼウスの乱痴気騒ぎの光景を織った。アラクネの神業は本物だったが、神への侮辱に怒ったアテナはアラクネの織物を杼で打ち据えて襤褸布にし、アラクネの額も杼で打った。恥じ入ったアラクネは織機の横木の綱を自らの首に括って縊れようとしたが、アテナは神罰を後世までの見せしめにするために(不憫に思ったからとする話もある)アラクネの縊死さえも許さなかった。アラクネの体は萎び縮んで灰色になり、手足は鈎のように曲がり、この世で最初の蜘蛛という生物になった。アラクネの子孫である蜘蛛という生物は今でも忙しく糸を紡いでいる。ジョン・ウィンダム『お人好し』では、蜘蛛にされたアラクネは今もアテナの呪いで蜘蛛の姿のまま永遠に死ぬこともできずにいるという。元の人間には戻れないが、1年の中で24時間だけ人間と入れ替わっても大丈夫な期間がある。アラクネは蜘蛛の自分と入れ替わってくれる人間の女性を見つけたが、姿は人間になっても本能は蜘蛛のままだったのでその女性の夫を食い殺してしまった。この話の蜘蛛のアラクネの体色は淡い緑、体には鏤められた濃い緑の斑点模様、背筋に沿って並んだ青い鏃の模様があった。
- アル/ハル(Al):妊婦の内臓を奪って出産を妨げ、生まれたばかりの赤ん坊を攫う悪魔。
- イルルヤンカシュ/イルルヤンカ/イルヤンカ/ルヤンカス(Illuyanka, Illuyankas, Illuyankash):ヒッタイト神話に登場する龍。
- ウペルリ/ウベルリ(Upelluri, Ubelluri):ヒッタイト神話に登場する最初の巨人。
- ウルリクムミ(Ullikummi):ヒッタイト神話に登場する閃緑岩の巨人。
- キマイラ/キメラ/キマエラ/カイミーラ/カイミアラ(Khimaira, Chimaera, Chimera, Kimera):ギリシャ神話に登場する怪物。現在で言うところのトルコ南西部に位置していたリュキア地方、現在はコジャ川と呼ばれるクサントス川の渓谷に棲んでいた。ホメロス『イーリアス』によれば、前部は獅子、胴体は山羊、後部は蛇という姿をしている。ヘシオドス『神統記』によれば、頭が三つもあり巨躯と走力と剛力を兼ね備えた恐るべき怪物だという。山羊の頭で炎の息を吐き、人々を皆殺しにした。
- ヘッレロホン(Herrerohon):江戸時代、山村才輔によって記された『西洋雑記』にある異獣。キマイラのことだが、その名は英雄ベレロポンと取り違えられて異獣ヘッレロホンとして紹介された。頭部は獅子、身体は野羊、尻尾は龍になっており、口から火を吐いたという。那多里亜国(ナトリア国)利細亜(リイシア)にある稽没辣山(キメラ山)に棲んでいた。
- シャフメラン/シャーメラン(Şahmeran):半女半蛇の妖怪。イランのシャーマランのトルコでの呼び名。
- ジャノ/ジャノワール
- 竜巻魔エキム
- バンピール:昭和期の怪奇系児童書で紹介される、魔王アーリマンによって怪鳥バンと残酷な呪い師ウピルから創造された吸血鬼で水を弱点とする。
- ベリアル:『地獄の辞典』で紹介されるトルコ大使の悪魔。
- マラン(Maran, Erbüke, Erböke)
中央アジア
カザフスタン
- アイダハル(Aidakhar, Айдаһар)
- カルンバイ(Karunbai)
- ジェズティルナク(Zheztyrnak, Zheztirnak, Жезтырнақ)
- ジャルマウズ/ヂャルマウス(Dzalmaus, Zhalmauz)
- トゥルパル(Tulpar, Тұлпар)
キルギス
- キルギスドン(Kyrgyzdon)
北アジア
アイヌ神話、ロシアの妖怪の記事も参照。
シベリア
- アバーシ/アバアスィ(Abasy, Abaasy, Abaahy)
- ヴァパク(Wapaq, Vapak)
- オスクとチクフ(Osuku and Čikux):ニヴフ語でオスクは“兎”を意味し、チクフは“熊”を意味する。『北方自然民族民話集成』に記されたニヴフの民話によれば、兎と熊が喧嘩した時に兎は熊の打撃を素早く躱したが耳の先だけは躱しきれずに叩かれてしまったため兎の耳の先が黒くなったといい、怒った兎が熊の腰を蹴ったため熊の腎臓の形は凹凸になったという。現地に棲んでいる野兎は耳の先だけが黒い。熊の腎臓は百合根のような形をしているためニヴフ語ではカスク・ディブス(百合根の腎臓)と呼ぶ。
- オッケルイペ/オッケオヤシ(Oxke-ruy-pe, Oxke-oyasi)
- ケヤッカとゲース(Kejakka and Gēs):ニヴフ語でケヤッカは“狐”を意味し、ゲースは“鮑”を意味する。『北方自然民族民話集成』に記されたニヴフの民話によれば、狐は鮑との競争で負けてから鮑を食べなくなったという。浜に打ち上げられた鮑を狐が食べようとすると、食べるなら競争してから食べるように鮑が言った。鮑には手も足も無いのにどうやって競争するのかと狐が問うと、それでもできると鮑は言った。競争が始まって狐が走り出すと鮑は狐の背中にくっ付いたが鮑は軽いので狐はそれに気付かなかった。狐が止まって振り向くと鮑がいなかったため、鮑はどうして来ないのかと問うたところ、狐の先へ落ちた鮑は、ここに早くから来て待っていたと答えた。競争を再開すると鮑は狐の尻尾にくっ付いた。倒れるまで走った狐が後ろを振り向くと、飛び降りた鮑は狐の前方のずっと先にいた。こうして競争で負けた狐は鮑を食べないというが、実は狐は鮑を食べている。
- タハス(Taxs):ニヴフ語で縞栗鼠のこと。『北方自然民族民話集成』に記されたニヴフの民話によれば、縞栗鼠の縞模様は熊に搔き毟られた時にできたものだという。ある時、まだ縞模様の無かった縞栗鼠と熊が言い争っていた。熊が言うには十匹の犬がかかってくればうるさいが一匹の犬なら何でもないといい、縞栗鼠が言うには一匹の犬から逃げるとどこまでも追っかけてくるのでうるさいが十匹の犬なら犬同士が喧嘩をして噛み合うからその間をすり抜けて行けるので楽だという。うるさいと怒った熊が趾で縞栗鼠を搔き毟ったため縞栗鼠の背には五本の黒い筋がついた。
- チハロシュ(Caror):ニヴフに伝わる妖怪。
- パッカムサアリー・スリ(Pakkamsaari Suli):ウィルタに伝わる黒い狐の妖怪。
- ペンタチコロオヤシ(Pentaci-koro-oyasi)
- ロジ(Losy):口から毒を吐いて全生物を殺害したという大蛇でありオチルヴァニという神に退治された。
南アジア
アフガニスタン
- カンダハルの巨人(Giant of Kandahar)
- シラーニス(Siranis, Sirānis)
- ペシャクパラング:ショマリ平野に現れた狐に似た凶獣で米軍の生体兵器説もある。
パキスタン
- アプララ(Aplala):仏教の伝説に登場する水蛇。ペシャーワルのスワト川の水源を独占していたがブッダに退治された。
- クリフトンの怪物(Clifton Creature):シンド州のカラチにあるクリフトンビーチで発見された怪物の死骸。
- ゴール(Gor):パキスタン北部山岳地帯で話されているコワール語で邪悪な超自然的存在を意味する言葉。
- ゴール・バップ(Gor Bap):人食い老翁。聖者によって大岩の中に封じ込められた。
- ゴール・ワウ(Gor Waw):人食い老女。聖者によって岩の中に封じ込められた。岩の隙間から片方の乳房がはみ出しており、それは現在も人間の頭部ほどの大きさの突起として岩壁に残っている。
- ナハング(Nahang):パキスタン北部山岳地帯に伝わる妖怪。湖に棲んでおり人間を水中に引き込んだりする。パキスタンの国語であるウルドゥー語でナハングとはワニを意味する単語らしい。
- バルマヌー(Barmanou):ビッグフットのようなUMA。
- ピカルペリ(Pichalperi):下半身が逆向きの女幽霊。チュレル。
- ムムターズ・ベガム(Mumtaz Begum Africa Wali):カラチ動物園で人気の人面キツネ。
モルディブ
- ランナマーリ(Rannamaari):数千人の若い女性を強姦して殺害した海の悪魔。
東南アジア
インドネシアの妖怪、マレーシアの妖怪、タイの妖怪、ベトナムの妖怪、フィリピンの妖怪の記事も参照。
カンボジア
- アープ(Ahp, Ap អាប):ガスーやペナンガランの仲間。
- クマオイ(Khmaoc, Khmoch ខ្មោច):幽霊のこと。
- クラー(Khlaa ខ្លា):虎のこと。民話に登場する虎。
- サンセルキー(Sang Sel Chey, Sang-Sêl-Chey):弓・剣・大きな生貝と一緒の状態で生まれた男性。
- ソヴァンマチャ(Suvannamaccha សុវណ្ណមច្ឆា)
- ダムレイ(Damrey ដំរី):象のこと。地獄に現れる象。
- トンサーイ(Tonsaay, Tonsay ទន្សាយ):兎のこと。民話に登場する兎。
- ネアック・ター/ネアク・ター/ネアク・タ/ネアックター/ネアクター/ネアクタ(Neak Ta អ្នកតា):土地の守護神。
- クレアンメウ(Khleang Moeung):守護霊ネアック・ターの一人。16世紀の人物であり国民的英雄。
- マレンコンヴィール(Mrenh Kongveal, Marenh Kongveal, Mrenh Gongveal ម្រេញគង្វាល)
- モヌフチャチャーク(Monuh Cɑcɑɑk មនុស្សចចក):人狼の訳名。
- レアシエアセイ/レアシャシー(Réach-Chéa-Sey):麒麟獅子。
- ワーラス:アンコールワットの守護神。
東ティモール
- クロコジーロ(Crocodilo):ポルトガル語で鰐を意味する。伝説によれば少年を救った鰐がティモール島になったとされる。鰐はテトゥン語でご先祖様という意味のアヴォ(Avo)の名でも親しまれている。
ブルネイ
- ゲナリ/ブルネイ・リバーモンスター(Genali, Brunei river monster)
- ビースト・オブ・ブルネイ(Beast of Brunei):首都近くの海岸で捕獲されたという謎の節足動物。
ラオス
- ヴァーノーン(Vanone):ヴァナラのこと。
- クァ・カオ・カト(Kheua Khao Kaat):建国神クン・ボロムの創世を邪魔した蔦の怪物。
- ナーンスッサーダー(Nang Souxada):インドラの妻シャチーのこと。ラオスではインドラのことをプライン(Phra In)と呼ぶ。
- パニャークルット(Phagna Khrout):ガルーダのこと。
- パニャーナーク(Phagna Nak):ナーガラージャのこと。
- ハープマナースワン(Hapmanasouane):ラーヴァナのこと。
- マニーカープ(Manikap):ペガサスのような天馬でありインドラのヴァーハナ。
- ラオスの竜
- ロンチェン・ドラゴン
東アジア
モンゴル
- アヴァルガモゴイ(Avarga Mogoi, Аварга Могой):大蛇のこと。
- アダ(Ada):女妖怪。
- エルリク(Erlik):悪魔。
- オルゴイホルホイ/モンゴリアンデスワーム(Olgoi-Khorkhoi)
- ガルトショヴォー(Galt Shuvuu, Галт Шувуу):火の鳥のこと。
- サキムニ(Sakimouni):月の兎。
- ショルマス(Shulmas, Шулмас):女妖怪。
- スンス(Suns, Сүнс):幽霊のこと。
- テメー(Temee, Тэмээ):駱駝のこと。昔話に登場する鹿の枝角と馬の尻尾を持っていた駱駝。
- テメン(Temen):巨大な角を生やした駱駝の怪物。
- トーライ(Tuulai, Туулай):兎のこと。昔話に登場する兎。
- パロッシテス(Parossites):パロッシト人、複数形ではパロッシタエ(Parossitae)と呼ぶ。イタリアの修道士プラノ・カルピニの『旅行記』に記されたモンゴルの怪人。小さな胃袋と小さな口を有する怪人種族で、肉を料理するが肉を食べずに湯気しか吸わないという。
- ハンガリド(Khangarid):鳥の王。
- ヒーモリ(Khiimori, Хийморь):国章にも描かれている有翼馬。
- フンチョノ(Khun Chono, Хүн Чоно):人狼のこと。
- ボーホルドイ(Bookholdoi, Bokholdoi):死霊。
- マンガス(Mangas, Мангас):怪物のこと。昔話にも登場する。
- モー・ショボー(Muu Shuwuu, Mu-Shubu, Mu-Shubun, Muu Shubun, Муу Шубуун, Му-Шубун)
- ロー(Luu, Луу):龍のこと。
北アメリカ
ラテンアメリカ
アフリカ
オセアニア
ポリネシア神話の記事も参照。
オーストラリア
- イピリア(Ipilya):口から虹を吐き出すヤモリの精霊。
- イルカンジ(Irukandji):伝承していた民族名が転じた海に棲む目に見えない殺人鬼。
- ヴィラ・ビロン(Virra Birron)
- ウォリガル(Warrigal)
- ウラミナ(Ulamina)
- エレファントヒューマノイド(Elephant Humanoid):オーストラリア東部のニューサウスウェールズ州にあるナラビーン湖で目撃された未確認生物。身長は120cm程度、象のような濃灰色の皮膚、小さな目、小さな前脚、太く丸い後脚、長い吻を有する食蟻獣のような頭部を有する。尻尾や耳は目撃者が確認できなかったというので目立たないのかもしれない。二足歩行で摺り足の蟹走りという奇妙な歩き方だがとても素早かったという。古生物パロルケステスの生き残り、あるいは新種のフクロアリクイ、それか単に動物園から脱走したオオアリクイだという説がある。
- オーストラリアン・エニグマ(Australian Enigma):1808年に近海の帆船に襲いかかった謎の巨大生物。
- オムパックス(Ompax)
- ガルカイン/ガーカイン(Garkain)
- ガニ(Gunni)
- ギギ(Gigi):ナマラカインの天敵であるサソリの妖獣。
- 吸血ザザン:昭和時代に日本の児童書で紹介された、サボテンの悪魔に憑依されたために全身がトゲに覆われた吸血鬼で、水をかけた者は襲わない。
- キルカランジとワラ・プラ・プラ(Kirkalanji and Warra-pulla-pulla)
- クサ・カプ(Kusa Kap)
- グランガチ(Gurangatch)
- クレア(Kurrea)
- ゴールズボロー・グラウル
- ジャイアントカンガルー
- ジュンジュディー(Junjudee):小型の獣人。
- タスマニアタイガー
- タラクック(Tarrakukk)
- ティダリク/ティダリック(Tiddalik):世界で唯一腹の中に水を蓄えていたカエル。足の裏を小さな虫にくすぐられたことで水を吐き出し、世界は水で満ちあふれた。
- ドロップベア(Drop Bear)
- ナドゥビ(Nadubi)
- ナーブルウィンブルウィン(Nabulwinjbulwinj)
- ナマラカイン:三人組で人を殺すカマキリ女の悪霊。
- 虹蛇(Rainbow Serpent)
- ニンガウィ(Ningawi)
- ヌガユルナンガルク/パングカルラング/マム:砂漠に棲む人喰いの怪物。
- バニップ/バンイップ(Bunyip):水域に棲む怪物の総称。
- パピニジュワリ(Papinijuwari):各腕に一本ずつ棒を持ち、片方が燃えているという一つ目巨人。
- ビッタール:岩の中に棲む子供たちと遊んでくれる精霊。
- ブルンジョア(Burrunjor):北部アーネムランドで1985年に目撃されたメガラプトル。
- ホークスベリー川の怪物
- ボーラー(Bohrah)
- ミミ(Mimi)
- ミンディ
- ムラート(Mrart):夜に血を吸いに来る吸血鬼。不死身の存在なので現われたら集落ごと焼くしか対処法が無い。
- ムルドゥジュワングク/モージュウィンク(Muldjewangk):南部のムーレイ川に棲む巨大な半魚人。銃で撃った西洋人は全身が腫れ上がって死んだ。
- メガラニア(Megalania)
- メガロドン(Megalodon)
- ママラガン/ナマルコン(Mamaragan, Namarrkon):稲妻男。
- マングーンガーリー(Mungoon-Gali):有毒の巨大なオオトカゲ。
- モコイ(Mokoy, Mokuy):ジャングルに棲む人に似た妖怪。日本ではモコイさんとして有名。
- モハモハ(Moha-Moha)
- ヤウクヤウク(Yawkyawk)
- ヤラマヤーフー/ヤラ・マ・ヤー・フー(Yara-ma-yha-who)
- ユル・ユララ(Yulu Yulara)
- ユーロア・ビースト(Euroa Beast)
- ユーロイン・キーア(Yuuloin Keear)
- ヨーウィー/ヤウイ(Yowi,Yowie-Whowie):甲虫の足を持つトカゲのような怪物であったが、近代以降は獣人という意味で用いられるようになった。
- ルマルマ(Lumaluma):アーネムランドのグンクウィング族に伝わる神。鯨だったが陸に上がって人間の男性の姿になり、神聖な儀式や小屋の作り方を人々に教えてあげたが、彼は鯨並みの食欲だったので人々の食事を制限する掟も定めた。そして怒った人々によって彼は縛り付けられたまま人々に攻撃され続けて殺されたが、死の直前に知る限りの知識を人々に教えてあげた。彼の死後に人々がその遺骨を沖へ流すと、彼は深海で生き返って再び鯨に戻った。
- ロルウイ(Roluwi):ヤムイモを食料に定めた精霊。
ソロモン諸島
- アダロ(Adaro):海の精霊。耳の後ろに鰓があり、サメの背鰭を持ち、メカジキやノコギリエイのような槍が頭部に生えている半魚人のような姿をしている。
- カカモラ/カカンゴラ/プワロンガ(Kakamora, Kakangora, Pwaronga)
- ゴシレ(Gosile)
- シホ・イ・サロ(Siho I Salo):空の悪魔。タコノキの葉のように大きな耳を持つ。ポロタキという呪術師に退治された。
- ドドレ(Dodore):マライタ族に伝わる腕と脚と目が一つしかない小さな精霊。
- トマテ・ガニ・ヤンボ(Tomate Gani Yambo):死体を食べる精霊。
- ハアギキ(Haagiki):レンネル島の悪神。
- ピナリ(Pinari):足が短く毛むくじゃらの小人の精霊。
- プア・タンガル(Pua Tangalu):ソロモン諸島とバヌアツのニューヘブリデス諸島に伝わる海霊。鮫の姿をしている。
- フィゴナ(Figona):精霊の総称。
- ムムルー(Mumulou):1920年代にマキラ島で目撃された飛び跳ねて移動する未知の類人猿。
タヒチ
- イヘ・タヴィリ(Ihe taviri):アヒルのような口をした腹が黄色いカジキ。
- エイアフラハ(Eieheraha):下顎に突起がある紫色のカジキ。
ナウル
- アレオプ・イット・エオニン:火をもらう際に騒ぎ、それに怒った雷の腕を折ってしまった蜘蛛。
ニューカレドニア
- カボ・マンダラット(Kabo Mandalat)
ニュージーランド
- カバゴン(Kabagon)
- クランガイツク:大きな鉤爪を持つ巨大な鳥女で、狩人ハツバツを捕らえたが逃げられ、熱湯の温泉に落とされ退治された。
- ジャイアント・ゲッコー(Giant Gecko)
- タニファ(Taniwha)
- パトゥパイアレヘ/パトゥ・パイアレヘ(Patupaiarehe, Patu-paiarehe)
- マトゥク・タンゴタンゴ(Matuku-tangotango)
- モア(Giant Moa)
- モーハウ/マエロエロ(Moehau,Maeroero)
- モコ・カーカーリキ(Moko Kakariki)
- ワイトレケ(Waitoreke)
バヌアツ
- ヴイ(Vui):善なる精霊。
- カサヴァラ(Qasavara):バンクス諸島に伝わる巨人でカトの11人の兄弟を喰ってしまった。
- カト/クァット(Qat):砕かれた石から生まれ、六日間で木から人間を生み出した善の精霊。
- サンガレガレ(Sangalegale):女鬼。
- セガニアレ(Seganiale):エファテ島の洞窟に住んでいた人食い悪魔。
- セムセム(Semusemu, Semsem, Semosemo):人食い鬼。
- タガロとスケ・ムトゥア(Tagaro and Suqe-mutua):ニューヘブリデス諸島に伝わる精霊。
- チタモール(Titamol):ガジュマルの巨木に住む霊。
- ナマラエ(Namarae):大鰻。
- ナラキャン(Nalakyang):人食い鬼。
- ネヴィンビンバアウ/ネヴィンブンバア/ネヴィンブンバァ(Nevinbimbaau, Nevinbumbaau, Nevimbumbao):魔女か鬼、もしくは女神。
- プア・タンガル(Pua Tangalu):ソロモン諸島とバヌアツのニューヘブリデス諸島に伝わる海霊。鮫の姿をしている。
- プーヴィアセロー(Pouviaserole):大きな角を生やしたイノシシのような姿をした怪物。“聖なる湾の守り神”と呼ばれた。
- マラワ(Marawa):ニューヘブリデス諸島に伝わる蜘蛛の精霊もしくは木の精霊。
- ムツアマ:小柄で髪が長くて胸が垂れ下がっている悪魔。
- リセプセプ(Lisepsep):悪魔。
- レイケレとクルナエナエ(Leikele and Kurunaenae):魔女。
パラオ
- ウエル(Uchel):卵から生まれた男性であり羽が生えていた。『お月さまに昇った話 : パラオ島童話集』に記述がある。
- ウワプ/ウワブ/ウアブ(Uab, Chuab):創世神話に登場する巨人。
- エラテムー(Eratemuu):翼を持った悪神。
- テリーヅ(Terriid, Teriid):神話に登場する鳥。ナンヨウクイナのことらしい。
- デレブ(Deleb):霊魂のこと。
- ブデルとイウエセル(Budel and Iuesel):ブデルが“皮”、イウエセルが“骸骨”を意味する。
- ムルアヅルクール(Mrowa Thurchuur):口が縦に付いている人食い悪魔もしくは悪神。
フィジー
- カロウ・ヴ/ロウ・ヴ (kalou-vu):デンゲイを主神とする神々の集団で、根の神々とも呼ばれる。
- デンゲイ/ンデンゲイ/ンデゲイ/デゲイ(Ndengei, Degei):創造神である蛇神で虹蛇でもある。
- ウト:卵から生まれたデンゲイの娘の人間。
- カウサムバリア:デンゲイの息子で人間を統治するように命じられたが、途中で怠るようになったために洪水でナンダウェアの町ごと流されて民は奴隷となった。
- ロコモウトゥ:デンゲイの息子で海底の土を集めて大地を造った。
- ロコラ:卵から生まれたデンゲイの息子で船を与えられ船大工族の首長となったが、やはり怠けるようになりカウサムバリア同様に罰を受けた。
- トゥルカワ:鷹。生んだ二つの卵をデンゲイが孵し人間の男女が生まれた。
- ブアウ:昭和期の怪奇系児童書で紹介される、勇敢な戦士を死んだ後に祀らないと蘇って人々を襲うという吸血鬼。
マーシャル諸島
- コベルワ(Koberwa):エネラムイジの鮫であり陸に上がって人家の床に寝るという。
- ジャイルブン(Jairbun):リブンの西にある長い岩礁だが、海では白い背鰭を持った巨大な鮫の姿で現れるという。
- ジョジョボ(Jojobo):アイリンラプラプに伝わる妖怪。自らの尾を噛んでいる一匹の鮫でありウォジャの南方に住んでいる。以前は人間だったが、食料を持たずに漁に出たために空腹で自らの足を食べたのだという。
- フィゴナ(Figona ,Vigona):創造主という意味の三柱の蛇神。
- アヌア(Aunua)
- ハツイブワリ(Hatuibwari):蛇の男神。
- ワルタハンガ(Walutahanga):人間の女から生まれた蛇の女神。
- ベル・イニン(Ber-inin):リブンの中央に生えている肉桂樹だが、海では東方の痩せた鮫の姿で現れる。
- ベルジ(Bäluj):ロオジの外浜に生えている木だが、海ではメカジキの姿で現れるといい、他の同類が殺されても決して捕らえられないという。
- メドロク・ラジ(Mödolok-raj):マジキンにある小屋だが、海上ではイルカの一群となって現れるといい、十匹のイルカは呼吸の長さを競っているかのように出没するという。
- ラジ・カン(Raj Kan):ラエの西航門のイルカだというが詳細不明。
- ラバブブブ(Lababbub):海上遠くを飛ぶ蝶。
- ラベデムマル(Labödemmar):イジョクリクの岩礁にいる大きな鮫。この鮫は非常に獰猛なので満潮時には誰もこの岩礁に近づかないという。
- ラレンボク(Larenbok):赤いヤシガニ。その子供はマニルと呼ばれる小魚だという。
- ランベリア(Lanbēria):非常に食欲旺盛なウォットの小さい鮫で、餌を求めてウォットから四方に泳ぎ回るという。ウォットの人々もこの鮫のように貪欲だと言われている。
- リキジェアン(Likijean):エボンの環礁の北方のハリセンボンだというが詳細不明。
- リジブクラ(Lijbukra):ビギンニの島に住んでいた女性。ハンセン病であった彼女の膿が海に流れて瑠璃色の帯となりこれを食べた魚はことごとく毒魚となった。これに憤ったウリジェバドという神が彼女をロンリクに追いやったため毒魚はビギンニの島に跡を絶ったという。
- リ・ボク・アジ(Li-bok-aji):肉桂樹だが、海上では亀の姿で現れる。ジョボレオという者の妻であった。
- リボクジャ(Libokja):ナムリクの風上側にある石だが、海上ではイルカとして現れるといい、海中に潜る様子はタロ芋を掘る男のように見えるという。
- レムエ(Lämue):半身を失ったマグロ。元は魚に食べられた人間だったという。
- レリンケル(Lālinkör):鮫に食べられて半身を失ったブダイだが死んではおらずケロゲ付近で生きている。元は人間の女性であったが、夫が漁に行く時に海幸を祈るため帯を編むことを禁じたにもかかわらずこれを犯したので鮫に呑まれたという。
- ロジボウク(Lojbouk):遥か沖合いで飛ぶ蜻蛉。
- ロワット(Lowat):クワジレンにて恐れられる女神でありこれを見た者に命は無いとされる。礁湖ではワット(wat)という単語を口にする事は許されないという。
ミクロネシア連邦
- オロファト/オリファト:カロリン諸島で人類に火や死すべき運命を与えたトリックスター。鮫に歯を与えるなどの様々な災いを起こし続けた。
- キタル(Kital):ポナペの青い魚。この魚はチャパラプ河口で殺されたシャウ・テ・レウルという君王が化生したものなので今でも食べるのを禁じられているという。
- キリウナン/キリ・ウナン(Kili-unan):ポナペに伝わる森の精霊。毛深い小人の姿をしており病と死をもたらす存在である。
- コナ(Kona):ポナペにおいて昔日に居住していたという巨人の種族。キティ浜のアンネペインの近くにある麺麭木の長い塚はこの巨人の墓だと言われている。
- シェルリ・ショウ・ラン(Cherri-chou-lang):ポナペに伝わる小さな天女。天降ったこの天女達の中の一人がコスラエ島からカヴァの木を盗み出したが、天上から一つの根っこをポナペに落としたという。それ以来この地にこの植物が生育するようになった。
- ショカライ/チョカライ/キチン・アラマシ/キチン・アラマチ(Chokalai, Kichin-Aramach):ポナペの島の内陸部に住む小人。これはネグリトの人々のことを訛伝したものだという説がある。
- ナン・キエイル・イリル・マウ(Nan-kieil-ilil-mau):ポナペにおける神でありキエイルの神。黒地に赤い斑紋を有する大蜥蜴であり、獰猛なので現地の人々によって畏敬すべきもの(リ・カミシク)と見られている。
- ナン・シェラン(Nan-chelang):ポナペにおける船匠の神であり緑色と黄色の大蜥蜴に化身するという。
- ナンシャウ・エン・シェト(Nanchau-en-chet):ポナペにおける沼地と塩沼の王であり青鷺の身に宿るという。
- ラティム:ジャングルの中にある古い祠に棲むドクロのような悪霊で、大きな音を立て驚いた者を食べる。
- リ・カント・エン・カプ(Li-kant-en-kap):ポナペのイショ・カラカルの配下の後裔と称されるティプ・エン・ウアイ族のトーテムであるエイ。イショ・カラカルはマタラニムの軍神として祭られている人物であり人々を引率してシャウ・テ・レウルという君王を討ち取ったという。
- ルゲイラング/ルケラング:カロリン諸島の天空神で、トリックスターのオロファトは息子である。
- ンギ・パラン:ヴァギナ・デンタータのこと。
未分類
- アイアンイーター/アイゼンフレッサー/デボラドールデイエロ/マンジャトーレディフェッロ/マンジュールドゥフェール(Iron Eater, Eisenfresser, Devorador de Hierro, Mangiatore di Ferro, Mangeur de Fer):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、この広い宇宙には人々の想像もつかないような変わった宇宙生物が数多くいるといい、鉄だけを専食する宇宙生物もいるかもしれないという。
- ヴァンパイアアウル/ヴァンピーアオイレ/ブオバンピーロ/グーフォヴァンピーロ/イブーヴォンピール/吸血フクロウ(Vampire Owl, Vampireule, Búho Vampiro, Gufo Vampiro, Hibou Vampire):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、昔の伝説では吸血フクロウがいて多くの人々が殺されたと伝えられているという。
- ヴァンパイアニュート/ヴァンピーアモルヒ/トゥリトンバンピーロ/トリトーネヴァンピーロ/トリトンヴォンピール/吸血イモリ(Vampire Newt, Vampirmolch, Tritón Vampiro, Tritone Vampiro, Triton Vampire):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、昔のヨーロッパには奇怪な姿をした吸血イモリがいて夜中に人間の血を吸い取っていたという。
- ヴァンパイアベア/ヴァンピーアベーア/オッソバンピーロ/オルソヴァンピーロ/ウルスヴォンピール/吸血グマ(Vampire Bear, Vampirbär, Oso Vampiro, Orso Vampiro, Ours Vampire):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、昔の伝説では吸血フクロウや吸血コウモリの他に吸血グマなどがいて多くの人々が殺されたと伝えられているという。
- ヴァンパイアプラント/ヴァンピーアプフランツェ/プランタバンピーロ/ピャンタヴァンピーロ/プラントゥヴォンピール/吸血植物(Vampire Plant, Vampirpflanze, Planta Vampiro, Pianta Vampiro, Plante Vampire):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、この広い宇宙には人々の想像もつかないような変わった宇宙生物が数多くいるがこの地球上にも吸血植物や吸血動物は実在しており、こうした恐ろしい生物が異常発生したり突然変異を起こす事は実際に有り得るかもしれないという。吸血植物と地球外知的生命体との間に生まれた吸血人が宇宙船に乗ってやってくるという情報も記されている。
- ヴァンパイアリーチ/ヴァンピーアエーゲル/サンギフエラバンピーロ/サングイスーガヴァンピーロ/ソンスュヴォンピール/吸血ヒル(Vampire Leech, Vampiregel, Sanguijuela Vampiro, Sanguisuga Vampiro, Sangsue Vampire):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、不気味な姿をした動物や不思議な鳥などは恐ろしい魔力を持っていると昔の人々は考えていたいい、吸血コウモリの他にも吸血ブヨ・吸血ヒル・吸血イモリなどがいたという。
- ヴィヴェルノ(Viverno):エスペラント語でワイバーンのこと。
- ウィーヴェン:おそらく誤記の可能性が高いが、ネーミング辞典系の本によればウィーヴェンはエスペラント語でワイバーンのことらしい。アルファベット表記は英語と同じWyvernとなっていた。
- ウヌコルヌーロ(Unukornulo):エスペラント語でユニコーンのこと。
- ガリーナ:昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、女吸血鬼ガリーナはヨーロッパ全土にかなり多くいる吸血鬼の種族だという。残酷な性格をしており、赤ん坊や子供はもちろんプロレスラー並みの屈強な男性まで襲って捩じ伏せ、その鋭い牙で喉を噛み切って生き血を吸ったり肉を食べたりする。
- ゲージ:昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、女吸血鬼ゲージは一回に血を吸う量がとても少ないのでいつも血に飢えて目のまわりが黒ずんでおり、いとも簡単に捕まってしまうという。一応は「恐ろしい女吸血鬼たち」という触れ込みで他の女吸血鬼と一緒に紹介されている。
- シレーノ(Sireno):エスペラント語で人魚のこと。
- メマイド:おそらく誤記の可能性が高いが、ネーミング辞典系の本によればメマイドはエスペラント語で人魚のことらしい。アルファベット表記は英語と同じMermaidとなっていた。
- スケレート(Skeleto):エスペラント語でスケルトンのこと。
- ソッカトリーセ:おそらく誤記の可能性が高いが、ネーミング辞典系の本によればソッカトリーセはエスペラント語でコカトリスのことらしい。アルファベット表記は英語と同じCockatriceとなっていた。
- テウィ(Tewi):かつての2ちゃんねるで作られた人工言語グモソ語で玉兎のこと。玉兎のテウィは月と関連付けられる聖獣とされる。
- ドラーコ(Drako):エスペラント語で龍のこと。
- パカニ(Pakani):かつての2ちゃんねるで作られた人工言語グモソ語で金烏のこと。金烏のパカニは太陽と関連付けられる聖獣とされる。
- ファントーモ(Fantomo):エスペラント語で幽霊のこと。
- フェニークソ(Fenikso):エスペラント語で不死鳥のこと。
- ペガーゾ(Pegazo):エスペラント語でペガサスのこと。
- ホムルーポ(Homlupo):エスペラント語で人狼のこと。
- マリーナ:昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、美人吸血鬼マリーナはヨーロッパ全土を支配する女吸血鬼の女王であり不老不死の魔力を持っているという。若くてハンサムな男性だけを狙うといい、その妖美な姿を一目見たらどんな男性でも魔術にかかって自分から血を捧げるようになってしまう。
- マルボーナ・スピリート(Malbona Spirito):エスペラント語で悪霊のこと。
- マボナ・スピリード:おそらくマルボーナ・スピリートの誤記。ネーミング辞典系の本で見られる表記。
- リーチマン/エーゲルマン/オンブレサンギフエラ/ウオーモサングイスーガ/オムソンスュ/ヒル男(Leechman, Egelmann, Hombre Sanguijuela, Uomo Sanguisuga, Homme Sangsue):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、ヒル男は滅多に現れない変種の吸血鬼だという。歯が生えておらず蛭のように唇だけで血を吸う。吸われた箇所は赤く腫れ上がってしまうといいこれはどんな医者でも治せない。
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