ぎなた読み
ぎなたよみ
概要
「弁慶が薙刀を振り回し」という一節を「弁慶がな、ぎなたを振り回し」と誤読したことが由来とされる。なので弁慶読みとも呼ばれることがある。
「ぎなたってなんだよ」とは誰もが抱く疑問だろうが、まあ気にするな!
誰でも簡単に作れるネタとして親しまれてきたが、誤読先が性的な表現だったり、差別用語やいわゆる放送禁止用語にあたるものだったりすると、ブログなどのコメント機能でブロックされてしまったりなどの弊害が起きる場合もある。
- 例
類似例として、Wiki各種においてはリンクの置き方によっては「複数のリンクの集まり」があたかも「ひとつながりの単語で、単一のリンク」という問題が発生する。
デスクトップのパソコンや、androidのスマートフォンにマウスを接続し、マウスカーソルを操作して閲覧している場合は、リンク先記事名の上にカーソルを置けば複数リンクの集まりだと辛うじて判る。しかしタッチ操作の場合は実際にタッチしてリンク先にアクセスするか、タップを保持したままスクロール等してリンクの位置関係を確かめないと判別が困難という問題が出てくる。
Wikiやピクシブ百科事典は編集者がリンクの貼り方や配置を工夫すれば防げる部類で、ニコニコ大百科などの場合は編集者の意向に関わらず記事が存在する単語には自動リンクが貼られるため、「複数の隣り合った無関係な内容のリンクがあたかも編集者の想定しているリンクのような外見になる」ため"ぎなた読み"が成立してしまう「シロナガスクジラ現象」が発生する。
ぎなた読みの例
- 売りに出します → ウリニダします
- ビックリマン・コラボ → 驚愕!女性器研究所(このパターンを避ける為かは定かではないが、「〇〇マンシリーズコラボ」と呼称されることもある)
- 火水金な → カス、イキんな
- 男、優勢 → 男優勢(だんゆうぜい)
- どうしたらこうなる → 同志タラコ唸る
- いいや、まだだ!! → いい山田だ!!
- それが「世界」かッ!来いーーっ! → それが「世界」!カッコいーーっ!
- ここで、はきもの(履物)を脱いでください → ここでは、きもの(着物)を脱いでください
- 刹那・五月雨(さみだれ)撃ち → 切なさ、乱れ撃ち
- アフガン航空相、撲殺される → アフガン航空相撲、殺される
- この先、生き残る → この先生、キノコる
- ○○さん17歳→○○37歳(類例に「かれんさんじゅうごさい」や「ミーナさんじゅうはっさい」もある。)
- ゼラチナスマター(gelatinous matter)→ゼラチナ・スマター
- ウルトラマン・コスモス → ウルトラ・マンコ・スモス
- ヤッターマン・コーヒー・ライター → ヤッター!まんこ開ーらいたー
- ウスバ・カゲロウ(薄羽・蜉蝣) → ウスバカ・ゲロウ(ウス馬鹿・下郎)※「薄ら馬鹿」はバカを強めて言う語
- 中国船、珊瑚密漁 → 中国船さん、御密漁)決して、皮肉を込めて敬称を付けているわけではない)
- スク、水揚げ大漁 → スク水、揚げ大漁)スクは沖縄・甘味地方の方言で「アイゴ」という魚の稚魚。)
- 美人・局アナ → 美人局・アナ※美人局は「つつもたせ」と読む
- 残酷なのは、戦争 → 残酷、なのは戦争
- パン作ったことある? → パンツ食ったことある?
- うん、このケーキ美味しい → うんこのケーキ美味しい
- うーん、この球場最高や!→うーんこの、球場最高や!(中村紀洋の発言、うーんこの○○という形でネットスラングとして用いられる)
- うん、この香りだ → うんこ・の香りだ
- 頭へ、ゴチン → 頭、へごちん(大橋彩香の失敗からついたあだ名)
- 見よ、この腹筋! → 美代子の腹筋
- ねぇ、ちゃんと風呂入ってる? → 姉ちゃんと・風呂入ってる?
- ねえ、ちゃんとしようよっ → 姉ちゃんと、しようよっ(意図的に狙ったタイトル付けである)
- AKIBA'S・TRIP → AKIBA・STRIP(同じく意図的)
- 乳がんは男性にも稀ながら見つかります → 乳がんは男性に揉まれながら見つかります
- 月には今、基地が5つ → 月には今、きちがい・つつ
- ポケモンマスターズEX→PokémonMastersEx→ポケモンマスターSEX
- 私の家、来ちゃいますか? → 私の家来ちゃいますか?
- ブルーマーメイド(blue mermaid)→ブルマー・メイド(bloomers maid)
- 暖かくして → あった!隠して
- ロックマン・コレクション → ロック・マンコ・レクション
- ○○・だしね → ○○だ・死ね(Sa・Ga2秘宝伝説では逆のパターンでぎなた読みしてしまったプレイヤーが続出したとか。)
- 理科・ちゃんと勉強してる? → リカちゃんと・勉強してる。
- ゆで・卵・食べたことある? → 茹でた・孫・食べたことある?
- ハート・フルボッコ → ハートフル・ボッコ
- お食事・券 → 汚職・事件
- エース・ガチンコ対決 → エースが・ちんこ対決
- 名探偵コナン・から紅の恋歌 → 名探偵コナンから・紅の恋歌(ちなみに「恋歌」で「ラブレター」と読む)
- 甲羅崩し → 行楽寿司(「行楽寿司」は普通に存在する言葉。大抵は謎の単語や怪文になる中、別の既存の単語になる珍しいパターン)
- ニャオハ・立つな → ニャオ・は・立つな
- 全集中、日の呼吸 → 全集・中日・の呼吸
- 君は知らないの? → 君、走らないの?
- ~ではなく、その~ → ~で、はなくその~
- 打つ方はなんとかします → 打つ方は難と化します、打つ方はなんと貸します!
- トイレの注意書き「ゴミを流さないようにお願いします」 → 途中で改行され、「ゴミを流さないよ」「うにお願いします」
- ビーチクラフト(航空機メーカー) → ビーチク・ラフト
歌ネタ
つボイノリオの歌
思春期♥センセーションの歌詞
その他
- ハーモニー、かなでて(奏でて)おくれ → ハーモニカ、なでて(撫でて)おくれ … TM NETWORK「STILL LOVE HER」※後藤邑子が本気で勘違いしていた過去を自身のブログで明かしている。またBメロのこの節からサビまで歌い終わった後の間奏で実際にハーモニカを吹くパートがあるため、余計勘違いに拍車をかけているものと思われる。
- 大阪ベイ・ブルース → 大阪ベーブ・ルース(上田正樹「悲しい色やね」)※もっとも康珍化の歌詞は言葉遊びが多いので、これも正しいのかもしれない。
- まわるまわるよ 時代は回る → まわるまわる 4時台は回る (中島みゆき「時代」)
- 軍歌の「海行かば」(うみ、ゆかば) → うみゆき・カバ or かいこう・カバ
人名ネタ
- 夢見・りあむ → 夢・みりあ・無
- 時任・三郎(ときとう・さぶろう) → 時・任三郎(とき・にんざぶろう)※推理ドラマシリーズの『古畑任三郎』の名前はこの誤読が元ネタ。
- ブルース・リー(Bruce Lee) → ブルー・スリー(Blue Three)
- 原、三振だ → 原さん、死んだ
- シゲノ・ゴロウ → シゲ・ノゴロー
- キン肉・万太郎 → キン肉マン・タロウ … 公式ネタ
- 泉・野明 → 泉野・明(旅館で泊まる時に同僚の男性と相部屋になった際の出来事から。更に『TNGパトレイバー』では同名の登場人物がいる。)
- 中島らも → 中島ら・も
- 高崎健太郎 → 高さ・危険太郎
- 川井貴志 → 乾いた・菓子
- 太田賢吾 → 大竹・ンゴ
- 恋愛・教則本→恋愛教・則本
- 中谷・育たん → 中谷育たん
- 涼ちん来ないの? → 涼、ちんこないの?
- 石破・茂 → 石橋・ゲル
- よし・お兄さん(小林よしひさ) → よしお・兄さん
- 金・本位制 → 金本・位制(→ 金本・体制)
- 浦・和希 → 浦和・希
- 佐村河内・守 → 佐村・河内守(かわちのかみ)
- 森保・一 → 森・保一(もり・ほいち)
- 松田元オーナー → 松田・元(もと)オーナー
- 郷・壊し編 → 沙都子・ワシ編
- 金田一・二三 → 金田・一二三(『金田一37歳の事件簿』ではこの名前をペンネームにしている。)
- 朝日・奈央 → 朝日奈・央(あさひな・なかば)
- エルフの、える → エルフ・ノエル
- 荻山葵 → おぎ・わさび
- 坂城匠 → 坂北・久美
- 奈津・恵 → なつえ
冗談のつもりが無くても、ぎなた読みしてしまいがちなもの
※前者が正しい区切り
- アイ・スラッガー → アイス・ラッガー
- コスモ・リキッド → コスモリ・キッド
- クアラ・ルンプール(空港コードも「KL」) → クアラルン・プール
- プエルト・リコ→プエル・トリコ
- ニュー・ジーランド(略称も「NZ」)→ニュージー・ランド
- コスタ・リカ→コス・タリカ
- ドン・キホーテ → ドンキ・ホーテ※同名のチェーン店が「ドンキ」と略されるため間違われやすい。
- ヘリコ・プター → ヘリ・コプター※通常「ヘリ」と略されるため(英語でも "heliport" "helipad" などの造語法に見られる)魔進ヘリコの区切りは正しい。
- トリ・ケラト・オプス → トリケラ・トプス(こういう例に見られる)
- キリマ・ンジャロ → キリ・マンジャロやキリマン・ジャロ※桐間紗路の姓名は丁度正しい区切りのところで分かれる。
- 清・少納言 → 清少・納言、「少納言」を公家の官位だと知っていれば引っかからないであろう。
- ウラジ・オストック(ウラジ・ヴォストーク) → ウラジオ・ストック※日本の漢字表記で「浦鹽(塩の旧字体)斯徳」となるから尚更である。
- イナ・バウアー→イナバ・ウアー
- マンディブ・ラリスフタマタクワガタ → マンディ・ブラリスフタマタクワガタ(マンディという愛称が定着していたため。このためか甲虫王者ムシキングでの専用必殺技名は「マンディブクラッシュ」や「マンディブギロチン」になっている。ちなみにマンディブは大あご、ラリスは水牛のこと。)
- スポンサード・リンク(Sponsored Link)→スポンサー・ドリンク(Spnsor Drink)※前者は「スポンサー(提供者)の(広告・宣伝用)ハイパーリンク」という意味。
- ア・カペラ → アカ・ペラ
- 失・楽園 → 失楽・園(「後楽園」「偕楽園」などからの類推と思われる)
- 登・龍門 → 登龍・門
- カ・メハメハ → カメ・ハメハ、カメハ・メハ、カメハメ・ハ(かめはめ波の区切りは間違い。ハメハメハでもない)
- トゥト・アンク・アメン→ツタン・カーメン(こういう例に見られる)
- メガ・ネウラ → メガネ・ウラ(「巨大な(メガ)+神経(ネウラ)」が語源だが、「とんぼのめがね」という童謡があるだけに勘違いされやすい。)
- オウ・ムア・ムア → オウム・アムア(ʻou (手を差し出す) + mua (前もって))
- 反・知性主義 → 反知性・主義(誤って『無学な者』の意味で使われることが多いが、本来は立派な哲学上の立場である。誤用すると、それこそ反知性・主義になるので要注意)
- 無・礼講 → 無礼・講
- テレ・ビジョン → テレビ・ジョン(略し方は「TV」)
- マ(ッ)ク・ドナルド→ マクド・ナルド(関西方言並びにフランス語)
- サカバンバ・スピス→ サカバン・バスピス(Sacabamba村とギリシャ語の盾(aspis)から名付けられた。直近のブームに際して特徴的な顔を他のキャラクター等に模したものを○○バスピスと呼ぶ例が多発している)
- 玉・手箱 → 玉手・箱
- 南無・阿弥陀仏 → 南無阿弥・陀仏(「南無」とは仏や菩薩に対する絶対的な信仰を表すために発する語。これは下記も同様。また「阿弥陀仏」とは阿弥陀如来のことで、「極楽浄土へと導いてくれる如来様への常日頃の感謝」を表す言葉となる)
- 南無・妙・法・蓮華経 → 南無妙・法蓮・華経(「妙」は真理、「法」は釈迦の教え、「蓮華経」はそれが記された経典を意味し、「私たちはお釈迦様の正しい教えを信仰する」という意味となる)
- 巻・潟東IC → 巻潟・東IC(平成の大合併以前の新潟県旧西蒲原郡巻町及び同郡潟東村に因んだ名称であり、「『巻潟』という町域の東側」という意味ではない。過去にミヤネ屋で読み仮名の区切りを間違われ、視聴者から指摘されたことがある)
など多数
異分析
元々「冗談のつもりでなくともぎなた読みしてしまいがちなもの」に含まれる単語であるが、既に誤読も一般化してしまい、誤読でも意味が通じる単語に対するもの。このため、ぎなた読みされた前半部または後半部単独で新規の単語を形成し、今日ではそれだけが生き残っていることが多い。
デンマークの言語学者オットー・イェスペルセンによって考案されたもので、海外でもこのような事例が存在することが分かる。以下に例を示す。
- あかぎれ → 元は「あ(足)」+「かがり→かぎれ(ひびが切れる)」。ところが「あか・ぎれ」とぎなた読みされた上、現代では「手足が赤く切れる」という「赤+切れ」との解釈も定着してしまった。
- 気球 → 元は「軽気球」であり、軽気の入った球として「軽気・球」だったのがいつしか「軽・気球」と解釈され、今日では単に気球とのみ記される。
- 星人→本来の区切りは「〇〇星の人=〇〇星・人」のはずだが(「火(か)・星人」と区切ることのおかしさを考えてみればわかる)、「〇〇・星人」と区切られ、ウルトラシリーズを中心に宇宙人を指す言い方として定着している。(実際にバルタン星からやってきたバルタン星人のように正しい読み方である事もある)
- ジャック → いわゆる乗っ取り行為を指す和製英語。元々英語の「hijack」は航空機に限定せず輸送機関の強奪・乗っ取りを指す単語であったが、特に航空機に多用されたために「ハイ」は「high」つまり上空を指し示す単語と誤解され日本では「ハイ・ジャック」と広まった。このため「ジャック」が乗っ取り行為を示すと誤読され、バスでやれば「バスジャック」、放送に対しては「電波ジャック」などと呼ばれる。但し英語にも類似の造語法は存在する。
- バーガー → 元々は「ハンブルクステーキ」を英語読みした「ハンバーグ・ステーキ」を略して「ハンバーグ」、これをパンに挟む料理を「ハンバーガー」と読むが、このうち「バーガー」のみが取り出され「チーズバーガー」など派生料理に使用されるようになった。
- ディエゴ → 外国での一例。「聖ヤコブ(サンティ・アゴ)」だったが「サン」だけでも聖を意味出来るために「サン・ティアゴ」とぎなた読みされ「サン・ディエゴ」となり、更に聖人を指す聖(サン)が取り除かれ今日人名として定着している。
- イスカンダル → これも海外事例。アレクサンドロスのアラビア語読みはAliskandar(アリスカンダル)だったのが「Al」が定冠詞と勘違いされ、「アル・イスカンダル」から除かれて「イスカンダル」が定着した。
- ハランデイイ → 野球選手ロイ・ハラデイに由来するなんJ語「画像ハラディ」が否定形になったもの。さらには「孕んでいい」という全く別の意味にもなっている模様。
- 修羅 → 中国での事例。インド神話のアスラが中国語に音訳され阿修羅の字が当てられたが、阿が名前の前に付ける愛称だと勘違いされて名前は修羅だと思われた。