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概要

保護地域(ホームエリア)は神奈川県

2024年現在の親会社は、モバイルゲームなどのIT事業を広く手がけるディー・エヌ・エー(DeNA)である。

球団名はチーム名と同じで、通称は『DeNA』又は『ベイスターズ』。略称は『De』と2文字で表記される事が多く(『D』だと中日ドラゴンズの英語略称と混同しやすいため)、その他に『横』『デ』『DB』などがある。

「ベイスターズ」とは「(横浜)港の星」という意味の造語であり、外国人の中には「ヨコハマベイ・スターズ(横浜港スターズ)」と勘違いしている者も多いらしい。

チームカラーはやや明るい青で、青系の他球団との区別のために(星の光として)黄色と組み合わされる事もある。

本拠地は、1軍は横浜市にある横浜スタジアム

イースタン・リーグに所属する2軍は、横須賀市の追浜公園内にある「横須賀スタジアム」である。

また、かつては(チームのブランド戦略のために)湘南シーレックスというチーム名(愛称)を用いた事があり、ユニフォームも1軍とは別仕様であった。

捕鯨や水産加工食品の生産事業を行っていた大洋漁業(現:マルハニチロ)の実業団を起源としている。

1949年にプロ野球球団・大洋ホエールズとして創設。本拠地は山口県下関市にあったが、1953年に松竹ロビンスと合併して「洋松ロビンス」と名乗り、大阪府大阪市へ移転する。1955年には「大洋ホエールズ」という名前に再び戻して神奈川県の川崎市へ移転。1978年に同県横浜市への移転と同時に横浜大洋ホエールズ、さらに1993年に(親会社の改称に合わせて)横浜ベイスターズへとチーム名が変わった。

2002年よりチーム名はそのままで親会社はTBS(現TBSHD)に変わるが、2011年11月に現行の親会社とチーム名になる。1992年オフから2011年オフの球団名の改名までの間、現在存在している12球団の中では唯一となる、親会社名が入っていない球団であった。

創設以来、これまでに2度のリーグ優勝と3度日本シリーズ制覇を達成した。日本一の回数が上回るのは、レギュラーシーズン後に行われるプレーオフ「クライマックスシリーズ」が現行制度で導入されているため。

セ・リーグ所属の現行6球団で唯一、以下の2つを経験している。

  1. 他球団との合併(1953年に松竹ロビンスと合併)
  2. 保護地域となる都道府県の変更(山口県⇒大阪府⇒神奈川県)

球団史

現球団名になるまでの歴史については、大洋ホエールズ横浜大洋ホエールズ横浜ベイスターズの個別記事を参照。

ハマのファンに希望をもたらした、中畑監督時代

2011年オフに尾花監督の解任とDeNAへの売却が正式に発表。球団名を横浜DeNAベイスターズに改称した。新監督には中畑清氏を招聘、GMに高田繁氏が就任。当初、球団OBの工藤公康氏をベイスターズの監督に招聘しようとしたが交渉が上手くいかず、破談に終わった。

ベイスターズの監督に就任した中畑氏は、まずチーム全体の意識改革に着手する。球団側も新たなイベントやコラボ企画を立ち上げて宣伝面を強化し、新規ファンの獲得に積極的な姿勢を見せた。

しかし、元々あった他チームとの実力差や負けが続いた事によるメンタル面の問題は簡単には解決できず、DeNA1年目の2012年は最下位に沈む。だが2年目の2013年には、遂に最下位を脱出。順位こそ5位に終わったものの、終盤までクライマックスシリーズへの進出争いを繰り広げ、ベイスターズファンに暗黒時代の終焉を期待させた。

2014年も5位に沈んだことで中畑監督は辞任を申し入れるが、球団から慰留されて続投する。

2015年は春先こそ絶好調だったものの、交流戦を境に次第に失速。前半戦はなんとか首位で折り返したものの、勢いは完全に無くなっており、遂に最下位に転落した。前半戦の終了時点で続投が報じられていた中畑氏はシーズン最下位になった責任を取り、この年をもって監督を辞任した。後任には、アレックス・ラミレス氏が3年ぶりに復帰した。

勝利の喜びを知った、ラミレス監督時代

ラミレス政権初年度の2016年、シーズン開幕からのスタートダッシュには失敗したが、5月には借金を一気に完済。7月に3位になった後は1度も順位を落とすことは無く、9月19日に3位以上を確定させて、初のクライマックスシリーズに進出を決めた(現存する12球団の中では最も遅い)。その翌日には、大洋時代からベイスターズ一筋でプレーしていた三浦大輔が現役引退を表明した。クライマックスシリーズでは、ファーストステージで巨人を2勝1敗で破るが、広島とのファイナルステージでは1勝4敗(カープへのアドバンテージ含む)で敗退した。

2017年はシーズン終盤の巨人とのCS争いを制して、2年連続のCS出場を果たす。甲子園での「泥仕合」、広島マツダスタジアムでのコールド負けという天候との戦いもあったが、それぞれ2勝1敗、4勝2敗(カープへのアドバンテージを含む)で勝利。セ・リーグ初となる、レギュラーシーズン3位からの日本シリーズ出場(19年ぶり3度目、球団名の変更後では初)を達成。この年の日本シリーズではソフトバンクと対戦し、3連敗(横浜スタジアムで行われた第3戦の敗戦で、「日本シリーズにおけるホームチームの不敗記録」が途絶えた)。その後は何とか巻き返して大逆転での日本一を狙うが、第6戦でのサヨナラ負けで力尽き、2勝4敗という成績で球団史上初の日本シリーズ敗退となった。これにより、1950年に出場した松竹ロビンス(1953年に大洋ホエールズとの合併で消滅)と、四回の日本シリーズ出場(1979、1980 、1989、2001)経験を持つ大阪近鉄バファローズ(2004年オフにオリックスとの合併で消滅)を含む、20世紀に誕生した13球団が日本シリーズで敗退した事になる(2005年発足の楽天は、2013年の優勝以外に出場・敗退経験がない)。

20年ぶりのリーグ優勝を目指した2018年は、東克樹(1位)と神里和毅(2位)の新人コンビが躍動し、新外国人ネフタリ・ソトが41本で本塁打王に輝くも、シーズンはCS進出を逃す4位となった。

球団創設70周年を迎えた2019年は、前半戦は調子がなかなか上がらず下位に低迷していたが、交流戦を機に徐々に復調。一時は首位の巨人に0.5ゲーム差まで詰め寄るも、最後は巨人の底力に屈しする形で目前での胴上げを許したが、ソトが2年連続の本塁打王と打点王の2冠に輝き、1997年以来となる2位を確保した。

CSのファーストステージでは、滑り込みで3位に浮上した阪神タイガースと横浜スタジアムで戦うこととなった(クライマックスシリーズとしては初開催。現存する12球団の中では最も遅い)が、この年の阪神との相性の悪さが影響してか、1勝2敗の成績で敗退。

2020年MLB挑戦で退団した筒香嘉智の代わりに佐野恵太が4番打者として抜擢された。彼は打率.328で首位打者のタイトルを初めて獲得したが、チームは2年ぶりのBクラスとなる4位に終わった。シーズン終了後にラミレス監督が退任、後任は二軍監督を務めていた三浦大輔氏が昇格。

主力として活躍していた梶谷隆幸井納翔一両選手がFAにより巨人へ移籍、また、NPB/MLBの公式戦に通算2000試合出場・2000安打を達成し、巨人・DeNAの2球団で長らく活躍し続けてきたホセ・ロペスも退団した。

ハマのファン待望の三浦監督時代、そして天下を取る…

2021年はフロント陣の外国人選手のビザ発注に関するミスで外国人選手抜きで開幕を迎えざるを得なくなってしまい、チームは開幕時から低迷する。さらに試合終盤に失点が嵩んで中継ぎ陣が固定できなくなり、チーム防御率はリーグワーストの4.15を記録、最下位でシーズンを終えた。一方で将来に向けての希望もあり、新人の牧秀悟が「球団54年ぶりの新人規定打席到達」&「セ・リーグ新人最多二塁打記録の更新」&「打率3割越え」&「新人年でのサイクルヒット」を達成。

横浜(マルハ)ベイスターズ時代の1998年に日本一になったメンバーをコーチ陣として招聘した2022年

シーズン序盤は毎週のように主力選手の離脱やCOVID-19の陽性反応による離脱者が続出してチームをまともに編成できない状況になり、親会社にちなみ(ソーシャルゲームの)「コスト制」と揶揄されてしまう。それでも、夏以降はヤクルトの1強5弱状態から抜け出し、球団記録となる本拠地での主催試合17連勝を達成するなど、一時はヤクルトに4ゲーム差まで詰め寄ったが、試合の延期による過密日程の影響でヤクルトに追いつく事が出来なくなり、2位でレギュラーシーズンを終了した。なお、本拠地で15連勝以上を記録した年に優勝を逃すという、プロ野球史上初の記録※を残した。クライマックスシリーズのファーストステージでは横浜スタジアムで阪神を迎える事となったが、1勝2敗で敗退。(※他に本拠地で15連勝以上を記録しているのは南海ホークス(1965年・19連勝)、広島東洋カープ(1980年・19連勝)の2チーム。いずれもその年にリーグ優勝を果たしている)

2023年サイ・ヤング賞を受賞した経験を持つ実力者、トレバー・バウアーを獲得。キャプテンの佐野、この年から正捕手に定着した山本祐大を中心にチームに一体感が生まれ、この年の交流戦では初優勝を果たした。一方で、長年にわたってベイスターズの守護神として活躍している山﨑康晃エドウィン・エスコバーら中継ぎ陣の不振が目立ち、阪神の独走を許す形になった。レギュラーシーズンでは3位で終えるが、CSファーストステージでは広島に2敗で敗退。

2024年は先述のバウアーの退団や今永昇太のMLB挑戦が相まって不安視されていたが、(MLBに挑戦するも苦戦が続いていた)筒香嘉智が5年ぶりにベイスターズへ復帰した。ペナントレース自体は夏場に連敗して首位争いから脱落したものの、広島の歴史的な大失速によって(最終的には)レギュラーシーズン3位を確保し、1999~2001年以来の3年連続Aクラスとなった。

CSのファーストステージでは阪神相手に2連勝、同シリーズのファイナルステージでは巨人相手に4勝3敗の成績で日本シリーズへ。そしてこの年の日本シリーズでは(7年前の対戦相手だった)ソフトバンク相手に4勝2敗。この年のリーグ優勝は果たせなかったものの、持ち前の投手力によって「史上最大の下剋上」による日本一(1998年以来26年ぶり。現在の親会社であるDeNAになってからは初)を勝ち取った。これにより、リーグ優勝回数より日本一の回数が多いという珍事も発生した。

この年に起きた(変わった)ニュースとしては、北欧のフィンランド野球連盟が視察に来ており、自国の選手が秋季トレーニングに参加する事が発表された。また、オリジナルの醸造ビール『ベイスターズ・ホワイト』が国内のビール審査会『インターナショナル・ビアカップ』にて、Belgian-Style Witbier部門で金賞を獲得

pixivでは

2011年までの正式名称だった横浜ベイスターズベイスターズのタグが多い。

コラボレーションも実施したミルキィホームズ関連のイラストもちらほら。

フィクション作品において

ホエールズやベイスターズに所属する選手のキャラクターとして、巨人の星左門豊作パワプロシリーズの六道聖などがいる。

選手一覧

2024年12月2日現在

監督・コーチ

一軍

背番号名前役職
81三浦大輔監督
78進藤達哉ベンチコーチ
72靍岡賢二郎オフェンスチーフコーチ
80相川亮二ディフェンスチーフ兼野手コーチ
97田中浩康内野守備兼ベース兼野手コーチ
74河田雄祐外野守備兼ベース兼野手コーチ
79大原慎司チーフ投手コーチ
94小杉陽太投手コーチ

二軍

背番号名前役職
83桑原義行二軍監督兼投手コーディネーター
89中井大介オフェンスチーフコーチ
73藤田一也ディフェンスチーフ兼内野守備兼ベースコーチ
84上田佳範外野守備兼ベース兼野手コーチ
88入来祐作投手コーチ兼アシスタント投手コーディネーター
86八木快投手コーチ

その他

82万永貴司野手コーディネーター
76田代富雄野手コーチ
90大村厳野手コーチ
71村田修一野手コーチ
75石井琢朗野手コーチ
77鈴木尚典野手コーチ
85柳田殖生野手コーチ
70加賀繁投手コーチ補佐

所属選手

投手

背番号名前備考
11東克樹
13伊勢大夢
14石田健大
15徳山壮磨
16大貫晋一選手会長
17三嶋一輝
18小園健太
19山﨑康晃
20坂本裕哉
22入江大生
24吉野光樹
26濵口遥大
27上茶谷大河
34松本凌人
36森下瑠大
38森唯斗
40松本隆之介
41佐々木千隼
42アンドレ・ジャクソン
45森原康平
48京山将弥
53中川颯
54石田裕太郎
59平良拳太郎
62ローワン・ウィック
64中川虎大
65宮城滝太
69アンソニー・ケイ
92堀岡隼人
93ジョフレック・ディアス
101草野陽斗育成選手
102清水麻成育成選手
106渡辺明貴育成選手
107ハンセル・マルセリーノ育成選手
108今野瑠斗育成選手
112庄司陽斗育成選手

捕手

背番号名前備考
5松尾汐恩
10戸柱恭孝
29伊藤光
32益子京右
50山本祐大
57東妻純平
116九鬼隆平育成選手
130近藤大雅育成選手

内野手

背番号名前備考
00林琢真
2牧秀悟キャプテン
3タイラー・オースティン
6森敬斗
31柴田竜拓
44石田泰輝
51宮﨑敏郎
55井上絢登
60知野直人
98京田陽太
100育成選手
125小笠原蒼育成選手
133粟飯原龍之介育成選手
193高見澤郁魅育成選手

外野手

背番号名前備考
1桑原将志
4度会隆輝
7佐野恵太
8神里和毅
25筒香嘉智
28勝又温史
33武田陸玖
58梶原昂希
61蝦名達夫
63関根大気

過去に所属した選手

外国人

ディック・スチュアート

ジーン・マーチン

ジョン・シピン

クリート・ボイヤー

フェリックス・ミヤーン

レオン・リー

カルロス・ポンセ

ジム・パチョレック

ラリー・シーツ

R.J.レイノルズ

グレン・ブラックス

ロバート・ローズ

ラファエル・ベタンコート

ボイ・ロドリゲス

スティーブ・コックス

タイロン・ウッズ

セドリック・バワーズ

マーク・クルーン

ターメル・スレッジ

ホセ・カスティーヨ

ブレッド・ハーパー

アレックス・ラミレス

アーロム・バルディリス

ナイジャー・モーガン

エンジェルベルト・ソト

ホルへ・ソーサ

トニ・ブランコ

ユリエスキ・グリエル

ギジェルモ・モスコーソ

ヨスラン・エレラ

マイク・ザガースキー

エリアン・エレラ

ジョー・ウィーランド

スペンサー・パットン

ホセ・ロペス

マイケル・ピープルズ

フェルナンド・ロメロ

ロバート・ガゼルマン

エドウィン・エスコバー

トレバー・バウアー

ネフタリ・ソト

J.B.ウェンデルケン

マイク・フォード

球団歌

現在の公式球団歌は横浜ベイスターズ時代に原曲が作られた『熱き星たちよ』である。横浜ベイスターズ時代から音域が下がり、球団部分が「DeNAベイスターズ」に変更されるマイナーチェンジが行われている。

球団広報

DeNAが親会社になって以降、非常に力を入れている部分。万年不人気球団だったチームに活気を入れるべくIT企業としてのノウハウを結集させており、

  • 球団歌を現役の監督および選手が歌ってリリースする
  • 様々な業界とコラボレーションを行う
  • 試合中のイニング間イベントの大幅な充実。中にはチアとリレー対決をするなんてものも
  • 試合後にゲストによる無料ライブを行う
  • オリジナル醸造ビールを作る

など様々な角度からのコンテンツ展開を行っている。

関連項目

野球 プロ野球 NPB セントラル・リーグセ・リーグ

DeNA 横浜スタジアム

大洋ホエールズ 横浜大洋ホエールズ 横浜ベイスターズ 湘南シーレックス

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