ゴクアーク「サイアークがやられたようだな…」
キョウアーク「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」
レツアーク「人間ごときに負けるとは魔族の面汚しよ…」
概要
『ギャグマンガ日和』の劇中劇『ソードマスターヤマト』内でのセリフ。
最終回において、魔王ベルゼバブ配下の四天王先鋒・サイアークが倒されたことを受けて、同じく四天王の一人であるキョウアークが言ったもの。
この後、同じく四天王のレツアークが「人間ごときに負けるとは魔族の面汚しよ…」と続ける。
『ソードマスターヤマト』はありがちな設定で固められた作品として描かれており、このセリフも「四天王が登場する作品でのベタなネタ」として盛り込まれたもの。
ところが、尺の都合で残りの四天王も次のコマでまとめて倒されてしまい、一種の死亡フラグとなってしまった。
作劇技法としての扱い
『ソードマスターヤマト』に限らず、四天王など一つの陣営に複数の実力者とされる敵キャラが登場する作品で使われがちな台詞である。
主人公が敵組織の一角を崩した時、このような台詞と共に新たなキャラクターを登場させることで、“苦労して倒した敵の幹部が実は敵組織の幹部陣では最弱だった”と明示することによって敵組織の層の厚さを表現すると同時に、今後もさらなる強敵が待ち受ける展開を仄めかして観賞者の期待を煽ることを意図した作劇ロジックの一種である。
プレイヤーが操作をするゲームにおいては、序盤のボスは弱いバランスになるという通説があり、設定としては同格のように扱われていても登場順によって能力が明らかに高くなる場合が多い。例としてポケットモンスターシリーズのジムリーダーは攻略する順ごとに手持ちの数やレベルが上がってゆくが、メディアミックス作品にて挑戦者の力量に合わせているような描写がなされたり後発のシリーズやリメイク版で殿堂入り後に強化された手持ちと再戦できるようになるなど意図的な調整がなされていることが示唆されている。
一方で、あくまで作品にもよるが、皮肉にも「敵勢力中最弱」呼ばわりされた幹部との戦いを通して主人公が能力的あるいは精神的な成長を遂げた結果、次の幹部との戦いが初戦よりも苦戦しているようには見えなかったり、何らかの理由でその最弱とされた者よりもあっけなく倒されたりといったケースもあったりと、読者および視聴者から見た感覚的には必ずしも“1番手=最弱”とは言い切れないパターンも存在する。後に1番手が復活(再登場)し、最強クラスの敵として立ち塞がったり離反し主人公の味方になったりするパターンもある。
ゲーム作品の場合も、特にレトロゲームでは最初のボスが一番難しかったんじゃね?と言うこともしばし見られる。
代表的なものは『時空の七騎士』のベルフェルや、『ポケットモンスター 赤・緑』のタケシ(ヒトカゲを選択した場合)であろうか。『ドラゴンクエストⅥ』のムドーは能力自体は後々の人間設定の中ボスよりも低いものの転職システムの解放条件であることやダンジョンを経ての連戦、プロローグ以来の因縁など難易度、ストーリーの両面で印象的なボスとなっている(漫画『ドラゴンクエスト 幻の大地』では自虐気味に最弱を自称するが)。
敵のHPや火力などは控えめに設定されていたとしても、この段階では主人公側も低HPや弱い装備で戦わざるを得ないため、便利技や便利アイテム無しで挑む最初の強敵は総じて油断ならないのであろう。
ギャグとしての扱い
広く作品に用いられてきた言い回しであるため、(『ソードマスターヤマト』がそうであるように)お約束としてネタにされる傾向もある。
『信長の忍び外伝 尾張統一記』『四天王-1』など一部のギャグマンガでは逆に「集団の最強格が真っ先にやられて青ざめる」という逆パロも見受けられる。主人公側に置き換えてみれば、仲間の実力者やベテランを早々に敗死させて敵の強大さや状況の過酷さを表現するのはある種定番である。
Twitterなどインターネット上においては改変ネタのテンプレとして定着している。
余談
なぜか、小説家になろうにて「「ククク……。奴は四天王の中でも最弱」と解雇された俺、なぜか勇者と聖女の師匠になる」という明らかにこのセリフを元ネタとした小説が2020年5月26日から投稿され、2021年2月10日には一巻が刊行され、2021年2月25日からは芳橋アツシによって漫画化もされている。(漫画版は主人公の顔芸もあって好評)
敵勢力の中でも最弱な人(と言われている方)たち
- ミスター・ノー:『タイガーマスク』覆面ワールドリーグ戦編/虎の穴
- ステカセキング:『キン肉マン』 7人の悪魔超人編
- モーターマン:『キン肉マン』 キン肉星王位争奪編/技巧チーム
- ソルジャーマン:『キン肉マン』 キン肉星王位争奪編/運命の5王子(部下もたった一人の超人の前に秒殺された)
- バイコーン:『キン肉マン新章』超神
- エル・カイト&ドミネーター:『キン肉マン新章』/時間超人
- ザ・コンステレーション:『キン肉マンⅡ世』 悪魔の種子編
- スペード:『北斗の拳』/KING
- ラディッツ:『ドラゴンボール』 サイヤ人編
- グルド:『ドラゴンボール』 ナメック星編/ギニュー特戦隊
- 人造人間19号:『ドラゴンボール』 人造人間編
- プイプイ:『ドラゴンボール』 魔人ブウ編/バビディ一味
- サンタナ:『ジョジョの奇妙な冒険』part2 戦闘潮流/柱の男
- 玄武:『幽☆遊☆白書』
- 呂屠:『幽☆遊☆白書』 暗黒武術会編/六遊怪チーム
- 爆拳:『幽☆遊☆白書』 暗黒武術会編/魔性使いチーム
- ファラ・スユーフ:『戦姫絶唱シンフォギアGX』/オートスコアラー
- レアハンター:『遊戯王』/グールズ
- 海イタチのネロ:『ONEPIECE』/CP9
- 次郎坊:『NARUTO』/音の四人衆
- アイガイオン:『聖闘士星矢Ω』/パラサイト四天王
- スカルミリョーネ:『ファイナルファンタジー4』/ゴルベーザ四天王
- 魔戦士サイフォン:『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』/魔戦士
- ジェダイト:『美少女戦士セーラームーン』/ダーク・キングダム四天王
- ゲシュタール:『聖剣伝説2』/ヴァンドール四天王
- アルシオーネ:『魔法騎士レイアース』
- カギP:『Caligula』/オスティナートの楽士
- ウォルターガンダム:『機動武闘伝Gガンダム』/デビルガンダム四天王
- フカヒレ:『コロッケ!』/四獣士(元メンバー。なお、おまけ漫画にて、妻子を持った)
- 凶骨:『犬夜叉』/七人隊
- 怪盗ダルマント:『妖怪ウォッチ3』
- ミント:『ももいろ討鬼伝モモタロウくん』
- 夢澤恒星:『忍者と極道』/破壊の八極道
- 接ぎ木のゴドリック:『エルデンリング』/デミゴッド
- クリキング:『マリオストーリー』
- 神原拓:『京極組の人情派・久我虎徹』/羅威刃
- DR:『魔人探偵脳噛ネウロ』/五本指
- テンペラー星人:『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』/宇宙人連合
- プルプー:『ボボボーボ・ボーボボ』/マルハーゲ四天王(ただし本人は「軍艦だ」と言っている)
- クルマン:『ボボボーボ・ボーボボ』/電脳6闘騎士)
- ハロンオニ:『ボボボーボ・ボーボボ』/裏マルハーゲ帝国・裏マルハーゲ四天王
- お堂の鬼:『鬼滅の刃』/鬼(鬼滅の刃)
- 釜鵺:『鬼滅の刃』/十二鬼月
- ケセド:『モンスターストライク』/天聖(自覚あり)
- 斑目獅音:『東京卍リベンジャーズ』/天竺四天王
- シック:『アンデッドアンラック』/マスタールーム
- アーロニーロ・アルルエリ:『BLEACH』/十刃
- パラドックス:『遊戯王5D's』/イリアステル滅四星
- ゲンゲツ/仮面ライダーバールクス:『仮面ライダーガッチャードVS仮面ライダーレジェンド』/ハンドレッド)
- シュダ:『RAVE』/六祈将軍(主人公に敗北して一時退場した後に実力を格段に上げて仲間になっている。)