「がお、ぽにおー!」
基礎データ
全国図鑑 | No.1017 |
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キタカミ図鑑 | No.200 |
ローマ字表記 | Ogerpon |
分類 | おめんポケモン |
高さ | 1.2m |
重さ | 39.8kg |
せいべつ | 100%♀ |
タマゴグループ | タマゴ未発見 |
※どのフォルムも、テラスタルすると特性が「おもかげやどし」に変化する。
他言語版の名称
英語 | Ogrepon |
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ドイツ語 | " |
スペイン語 | " |
フランス語 | " |
イタリア語 | " |
韓国語 | 오거폰 |
中国語(簡体字) | 厄诡椪 |
中国語(繁体字) | 厄鬼椪 |
概要
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』追加コンテンツ「ゼロの秘宝」のうちの1つ・碧の仮面のメインとなる伝説のポケモン。
緑色の半纏を羽織った童のような姿をしているが、「鬼」のような厳しい形相のお面で素顔を隠している。
身につけているお面はテラピースらしき宝石があしらわれた特別製で、「おめんポケモン」の分類通り、それらと共鳴して様々なタイプの力を引き出す能力を持つ。
伝承では不思議な4つのかがやく面を持っており、被る面によって振るう棒の力が変わったという話が残っている。
「碧の面」を被れば枯れた植物を生き返らせ、「赤の面」を被れば蝋燭の火をこうごうと燃やし、「青の面」を被れば川の流れをせき止め、「灰の面」を被れば硬い岩もやすやすと砕いたらしい。
舞台となるキタカミの里の昔話では悪者と語り継がれており、鬼が山を根城にし、山に入った人を驚かせていたと伝えられる。
そしてある日怒り狂った様子で山から下りてきた所を、ともっこによって追い返され、その際に3つの面を奪われて力を殆ど封じられたとされる。
ともっことの関係性、橙色の頭部と後頭部にあるヘタ、柑橘類を思わせる白い星形の瞳や胴体の模様、中国語名が「厄鬼椪」であることから、モチーフは桃太郎の鬼+ポンカンだと考えられる。
またキタカミの里が東北地方モチーフではと予想されており、なまはげやねぶたの鬼もモチーフの1つと思われる。2023年の青森県ねぶた祭でも、碧の仮面配信前にピカチュウと共演したねぶたが登場した。
容姿
『碧の仮面』中盤に、とあるアクシデントが起こり素顔が明らかになる。
橙色の肌に前髪のように垂れている葉っぱ、上顎から伸びた2本のキバ、さらに目には星のような模様が入っている等、非常に可愛らしいものとなっている。デザインを担当したありがひとしによると「目のハイライトと身体の模様は同じ花の形をしている」とのこと。
加えてゲーム上の性別もメスのみとなっており、本来はいたずら好きで好奇心旺盛なポケモンとされている。
花園のようなお腹の中は四次元ポケットの如く何でもしまうことが可能なようであり、ここに気に入ったお面や棍棒を仕舞っているようだ。
更に一部のモーションで見ることができるが、その中に枝状と蔦状の腕も入っている。第2の腕と言えるものの、何の用途に使うのかは不明。
『ポケモンホーム』のアイコンでは先んじて素顔を晒していたが、公式サイトでは『碧の仮面』配信直後は勿論だが、『藍の円盤』配信後もひた隠しにされており、2024年1月25日にカミツオロチ・ウガツホムラ・テツノイワオの情報公開と同時にようやく素顔の見える公式アートワークが公開された。
また、オーガポンのグッズやぬいぐるみは『碧の仮面』発売と同時にお面を被ったデザインの物が販売されていたが、情報公開に合わせ2024年2月10日以降、素顔のオーガポンのグッズ、フィギュア、ぬいぐるみなどが改めて発売されている。
特別なテラスタル
テラスタルを使った場合、通常のポケモンは頭部などにテラスタルジュエルが王冠のように付くが、オーガポンに限り、眼前に巨大な仮面が出現するオリジナルの見た目に変化する。
そのデザインも元のお面より派手なものに変化し、仮面の各部分(碧の仮面は額、井戸の仮面は左目から流れる涙、竈の仮面は額、礎の仮面は右目)に六角形のテラスタルマークが浮かび上がる。
なお、オーガポン本体の容姿・サイズは一切変化しておらず、非常に見辛いがその下の素顔も確認可能。通常のバトル中は顔が面で塞がれているため、何気に顔出しでの戦闘モーションはこの時限定だったりする。
背後からよく見ると、巨大面の裏側に元のお面が張り付いているのが確認でき、巨大な仮面はそこを起点に成型された特別なテラスタルジュエルであると推察できる。
そして全ポケモン中唯一テラスタイプがお面依存になっており(後述)、宝食堂で変えられることを嫌がるため変更できない。
ちなみにこのテラスタル状態が基準になっているのか、オーガポンが戦闘に出るとやたらカメラが引いた位置になる。
なお、全形態の姿が登録されるテラパゴスとは異なり、テラスタル状態のオーガポンは全て『ポケモンHOME』の図鑑に登録されることは無いので、こちらはフォルムチェンジには含まれないと考えられる。
ゲーム上の特徴
性格は(上記のストーリーの経緯上)さみしがりで固定されている。種族値的にはそのままでも充分戦えるが、完璧を求めるのであればミントで変えるのが手。
作中では中盤からオーガポンがついてくるようになるが手持ちには加えられず、進行状況によっては特定の場所には入らずに逃げ出してしまう。
大きくなったともっこと戦う際には、オーガポンはテラレイドバトルの応援のように主人公とゼイユのポケモンの能力を上昇させてくれる。
捕獲時の戦闘はムゲンダイナ戦に近く、4種のお面を被ったオーガポンとの連戦になる(HPを0にすると別の面に付け替えてHP満タンで復活し、これが全部の面を倒すまで続く)。
全部の面を倒すと同じくムゲンダイナ戦(今作で言うとテラレイドバトルや『碧の仮面』の隠しボス戦)のようにボールを選んで確定捕獲するイベントが自動で発生するため、好きなボールで捕まえられる。
このときにボールを1つも持っていなかった場合、モンスターボールが自動的に投げられる。
なお一連のイベント前にもブルーベリー学園に向かうことはできるため、サファリボールやコンペボールでの捕獲も可能。
ただし確実な入手方法には捕まえたポケモンの数が絡むため時間がかかるので、ポケモンHOMEや通信交換などを利用したほうが早く入手できるだろう。
また、ゼイユとの最終戦でも、オーガポンを手持ちに入れて戦わなければならない。
オーガポンをポケモンHOME等に預けていた場合はゼイユから「あんた、手持ちにもボックスにもどこにもオーガポンいないじゃん」と悲しげな表情で窘められるイベントが発生してしまう(前作のダクマの試練イベントにおけるマスタードとのやり取りに近い)。ちなみに、(まずそんな事をするプレイヤーはいないだろうが)オーガポンを逃がしたり交換に出した場合でも同じイベントが発生する。
後編ではメインではないため、小ネタ程度の出番・演出にとどまっている。詳細はネタバレの項を参照。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
80 | 120 | 84 | 60 | 96 | 110 | 550 |
合計種族値は550とウーラオスと同等だが、準伝説枠としては控えめ。
しかし特攻を抑えた高速物理アタッカーとして無駄のない配分となっており、総合的には準伝説の肩書きに恥じないスペックを持つ。
伝説としては初のくさ単タイプ(幻まで含めればシェイミがいる)。しかし、対応するお面を持たせることでそれぞれほのお・みず・いわを第2タイプとして獲得する。
更に、お面を持たせると全ての技の威力が1.2倍になるため、種族値以上に高い火力が出る。(努力値全振り時の攻撃/特攻の実質種族値は154/82相当)
今までの伝説専用アイテムは一致技のみを1.2倍補正だったため、その点では頭一つ抜けていると言っていい。
またお面はフォルムチェンジ系のもちもののため、トリックやはたきおとすなどで失われることはない。
ちなみにお面で付与される複合タイプは元々全て固有タイプだったと言う共通点がある。基本的に競合する事は無いので差別化の必要性は薄い。
一致技はパワーウィップ・タネマシンガン・ウッドハンマー・ソーラーブレードといった癖のある大技や、火力は低めだが安定していて回復効果もあるウッドホーンが使える。
専用技もあるが後述。
サブウェポンもあく技・かくとう技に「とんぼがえり」「じゃれつく」「しねんのずつき」とくさ単タイプにしてはかなり恵まれている方。
なお、「ばかぢから」は覚えるが「インファイト」は覚えない。戦いに不慣れな様子が見て取れる。
かたきうち、にどげり、じごくづき、カウンターといった、可愛い顔に反して物騒な技も習得する。じごくづき以外のこれらの技にウッドホーンを加えた4つの技は習得レベルの設定されていない思い出し限定の技。
補助技も充実しておりやどりぎのタネ・ニードルガードやこわいかお、アンコールなども覚えられ、自身の各種タイプに応じた天候操作のにほんばれ・あまごい・すなあらしも全て覚えられる。ダブル向きの技も豊富で、このゆびとまれやてだすけでサポート役を担うことも。ドラパルトやカイリューほどではないにしろ、型の選択肢は広い。
積み技としてつるぎのまい・せいちょうも習得可能で、くさわけによる素早さの底上げも可能。ただし数値受けは難しい種族値なので、積む時は慎重に。
ちなみに特殊技の習得はくさ技のみ(「テラバースト」を除く)と言う恐るべき潔さ。
なんと最終進化形ならだいたい覚える「はかいこうせん」すら覚えられない。
特殊くさ技も「マジカルリーフ」「くさむすび」「ギガドレイン」「エナジーボール」「リーフストーム」「ソーラービーム」の6種類と極端に少なく、技の命中率・威力こそ安定しているものの特攻が抑えめの種族値もあって特殊アタッカーとして運用する変態型などは到底不可能。
「かまどのめん」なら突破可能とはいえ、基本的に「そうしょく」持ちの相手に詰む。
と、ここまで通常の性能に関して話を進めたが、オーガポン最大の差別化点は専用のテラスタル。
先述した3つのタイプのお面により通常状態のタイプのみならずテラスタイプも自動でお面に対応したものになり、更にはテラスタル発動の際に特性がおもかげやどしに変化するというメガシンカに近い仕様となっている。
おもかげやどしは専用特性で、他のめんを持たせずくさタイプにテラスタルすれば素早さが、かまどのめんを持たせてほのおタイプにテラスタルすれば攻撃が、いどのめんでのみずテラスタルは特防、いしずえのめんによるいわテラスタルは防御が上がる。
なお、この特性は引っ込めても場に出る度に再発動する。
一方、前述の通りメガシンカに近い仕様であるためテラスタル前の特性は完全に失う。特にかまどのめんの「かたやぶり」やいしずえのめんの「がんじょう」の喪失は影響も小さくない点には注意。
ちなみにテラスタル中のオーガポンはメタモンのへんしん、かわりものを無効にする(また、メタモン側もオーガポンに変身するとテラスタルができず、既にテラスタルしていると変身できない)。ザシアンと違ってスカーフメタモンが対策にならないという事は覚えておくべきだろう。
また、特性イリュージョンのゾロアークやヒスイゾロアークも、手持ちのオーガポンに変身できるが、テラスタルしようとした瞬間にイリュージョンを解いて元の姿でテラスタルする。
おそらくメタ的には、通常のテラスタルをしたオーガポンの姿がゲーム中に存在すらしていないためだろう。
先述の通り他のおめんを被せた時点で複合タイプ自体が変化するため、型によった戦い方が可能。こうごうせいややどりぎのタネを覚えさせ、いどのめんやいしずえのめんで耐久を固めて持久戦を仕掛けたり、ほのおテラスタルで一気に打点を上げたりと戦法は豊富。
おめんで得られる複合タイプも、くさタイプの劣悪な耐性ともう片方のタイプの耐性を互いに補い合うタイプであるため、相性補完がしっかりされている。
専用技である「ツタこんぼう」は、威力・命中共に100かつ急所に当たりやすいと言う専用技らしく破格の性能を持つ。
さらに通常はくさタイプだがお面を持たせた場合は対応したタイプへ変化するため、それぞれのすがたでのメインウェポンとして機能する。
ほのお・みず・いわ技として見た場合も威力・命中100でデメリット一切なし(どころかメリット効果付き)と言う点で使いやすさは頭一つ抜けている。
欠点はその真価を最大限に発揮するにはどうしてもテラスタルの権利をオーガポンに回しがちになるため、パーティや立ち回りでの柔軟性が下がりがちになってしまう事。オーガポンを選出する際は他のポケモンにテラスタルを切る判断がしにくくなるため、構築段階からその点は意識しておくべき。
また、特性喪失を考慮してテラスタルが裏目になる可能性も考慮して動くといいだろう。
オーガポンは前述の通り宝食堂でテラスタイプを変更出来ない。
そのため、苦手タイプをテラスタルで受けたりテラバーストで技範囲を広げたりといったことが不可能というのも無視できない弱点。特にテラスタル前後でタイプが一切変化せず、弱点の多いくさ単タイプである通常の姿はより大きく響く。
相手からもテラスタイプ、及び「ツタこんぼう」のタイプが筒抜けであるため、不意の相性関係の逆転による戦況の打破というテラスタルの大きな強みを活かせないことは、オーガポンを主力として運用する際には必ず注意しておきたい。
更にお面を持たせた場合、こだわりスカーフをはじめとした他の持ち物を持てないというこの手の伝説ポケモン定番の弱点も抱えており、上からの高火力で叩くというシンプルなゴリ押しもキツい。
とことん物理特化の性能と特殊方面が貧弱なことが災いしてヘイラッシャやキョジオーンのような物理防御の高い相手に対しては弱点を突けるのに数値で受けられて何も出来ないという状態に陥る。
ランクバトルにおいては、ともっこさまの3匹やDLC前編初出の一部のポケモンと共に、なぜかラインナップされていなかったレギュレーションDで使用可能になった。
前作のDLCもレギュレーション途中でキョダイマックスや隠れ特性、教え技の追加はあったが、ポケモンの追加は初。
当初はバグではないかと思われていたが、公式が追記する形でレギュレーション変更により使用可能になったと明言した。
使用率も高く、半月弱の日数のハンデを背負ってなお、登場して僅か数日で使用率1桁を記録し、最終的にシングル4位、ダブル6位まで上り詰めた。レギュレーションEとなったシーズン11では、なんとシングル・ダブル共に終始1位をキープし続けた。シーズン12では環境がある程度固まって少し順位は落ちたが、それでも2位や3位と非常に高い。
新ポケモンとしての話題性を加味しても、さすが看板伝説と言ったところか。
ウーラオスなどとは異なり、全フォルムが合算されて集計されているのも使用率が高くなりやすい要因の1つではあるだろう。
ちなみに割合としては、かまどのめんの姿が最も多く、ついでいどのめんといしずえのめんが使用率2番目3番目が入れ替わりながら、4番目にみどりのめんが使われている。
続くレギュレーションFにおいても追加されたアカツキガチグマにも対面有利であること、その他追加された古代の三犬や未来の三闘にも不利ではないため、高使用率を保ったままであった。
そして伝説一匹のレギュレーションGは初動では使用率がさらに増加。そして最大の変化はかまどのめんを抜いて、[[いどのめん]の採用が増えたことである。
理由としては、解禁されたカイオーガに対して強力な雨下しおふきやこんげんのはどうを無効化出来るからである。
……が実はそれ以上の理由があり、それがママンボウの大量発生である。実はママンボウのクイックターンの取得から使用率が伸びてきており、レギュレーションGで対伝説へのサイクル性が買われて増えたのである。
そこでちょすいにより、サイクルを妨害出来るのでいどのめんの採用が増えたのである。さらには現在台頭しているコライドンの炎技や黒バドレックスにもテラスを切れば多少抗える。
ちなみに上述したカイオーガに関しては実は採用率は前作よりは低くなっているため頻繁に当たることはない。しかし無対策であれば容易に壊滅させるポテンシャルは健在なので、ついでに対策が出来る水オーガポンの需要は伸びている。
ストーリー攻略の相棒にも勿論最適で、時期として最適なチャンプルタウン攻略後から始めてもイダイナキバやテツノワダチ、ヘイラッシャと言った強力なヌシポケモン、スター団戦でもオルティガのバウッツェルをかまどのめんのかたやぶりで突破出来るなど活躍を見せる。
『藍の円盤』シナリオ攻略の際も、「てだすけ→相方の全体技」というようなコンボの始動要因にしやすく、相方の能力やお面次第ではタイプ相性の不利をひっくり返せる。
余談だが、HOMEの使用率でテラスタイプの割合が特性や道具の割合と何故か一致しておらず、特にいわテラスタルの使用率が低めになっている。実際にテラスタルが使われた時だけ集計しているのだろうか?
おめんを持たせていないデフォルトの状態。「おもかげやどし」では素早さが上昇する。
通常時の特性は「まけんき」で、物理型の天敵である「いかく」に対しては強く出られる。
しかしくさ単タイプかつテラスタイプも上記の通りくさで固定、お面を持たせた時の威力補正も存在しないのが難点。
しかしその一方で持ち物が自由なので、「じゃくてんほけん」や「とつげきチョッキ」等のくさ単の弱点の多さ・オーガポンの耐久の低さを持ち物で補う手段が取れる。
技範囲の広さからサポートに回すのも1つの手。
強化倍率は同じなので「きせきのタネ」で一致技だけでも威力を上げ、玉砕覚悟の攻撃をするのも選択肢に入る。
また、きのみに関しては、性格がさみしがり固定である関係上酸っぱい味が苦手なので、「イアのみ」だけは絶対に持たせないように。
シングル・ダブル共に採用率は低いが、逆に言えば何をするのか読めない姿とも言える。
シーズン16にはシングル最終2桁構築に「いかさまダイス」「タネマシンガン」型がエントリーされて話題となった。
通常時の特性が「かたやぶり」になり、ほのおタイプが追加される。
くさ/ほのおの一致範囲というのは技範囲としては非常に良い。過去にはサブウエポンに窮乏しているくさのアタッカーに「めざめるパワー(ほのお)」が必須クラスで搭載されるケースもあったぐらいで、第9世代でも同じようケースで「テラバースト(ほのお)」が重宝される。そう考えると、テラスタルなしでくさ/ほのおの一致範囲を実現できるのはありがたい。
もらいびなど厄介な特性を無視して攻撃することが可能。変化技をサーフゴーに通せるといった強みもあり、意外と器用な活躍が出来る。
「おもかげやどし」では攻撃が上昇するため、火力の高さが最大の特徴。特に「ツタこんぼう」の火力指数は非常に高く、攻撃特化ならばガチグマのこんじょう発動「からげんき」を上回るという鬼の名に恥じない火力を叩き出す。
テラスタルすると「かたやぶり」が消える点には注意。
このため、テラスタルを切らないのも作戦になる。
採用率はシングル・ダブル共に高く、特にシングルでは60%を超えている。ダブルでは環境が固まるにつれて少し採用率が落ちたが、それでも40%程と十分に高い。
その分対策もかなり進んでおり、これまで「とつげきチョッキ」や「たべのこし」が主流だったヒードランの持ち物が、オーガポンの対策のためだけに「とくせいガード」が持ち物ランキング上位に食い込むという事態も。またほのおタイプかつ物理型、「まけんき」もない都合上、霊獣ランドロスは受けでも攻めでも天敵となりうる。
また、なまじ火力が高すぎるために万が一きあいのタスキ等で耐えられた場合、「カウンター」や「メタルバースト」が飛んできた時(所謂タスキカウンター)に耐えられないという意外な弱点も。オーガポン側からすれば読みやすく避けやすい戦法ではあるが、「ツタこんぼう」で弱点を突けるアローラサンドパンやドドゲザン相手には「にどげり」を選ぶ方が無難。オーガポン自身もカウンターを習得できるため、「みどりのめん」のオーガポンと対面した時も念のため警戒した方がよいだろう。
等倍ではあるが「イカサマ」にも要注意。
ストーリー攻略でも勿論強く、バイオレットはテツノブジン相手に有利。
スカーレットではコライドンとタッグを組ませられるのが大きい。
通常時の特性が「ちょすい」になり、みずタイプが追加される。「おもかげやどし」では特防が上昇する。
元々みずタイプの技は1/4で受けられるタイプなので、特性の重要度は他のおめんより低め。しかし「このゆびとまれ」を覚えるため、「よびみず」のような使い方も出来るほか、仲間の「なみのり」に巻き込まれずに相手だけを洗い流せるといった、ダブルで出来ることはだいたい出来る性能。
テラスタル前後で「フリーズドライ」以外の共通した弱点を持たないのも嬉しい。
上記の使い方から特性をフル活用出来るダブルではかまどのめん以上の採用率を誇り、シングルでも徐々に数を増やしてきている。
ストーリー攻略ではイダイナキバやテツノワダチ、ヘイラッシャとの戦いで力になってくれる。
ダブルではカイオーガと組み合わせると最早ポケモンバトルではなく蹂躙とでも言うべきワンサイドゲームを仕掛けることが可能。『藍の円盤』攻略の際はHOME経由でカイオーガを連れてきて組み合わせるのもアリ。
通常時の特性が「がんじょう」になり、いわタイプが追加される。「おもかげやどし」では防御が上昇する。
元々防御面の低い種族値を「がんじょう」でカバー出来るのは勿論だが、なにより「ツタこんぼう」がいわタイプとなることで命中率の安定した高火力の物理いわ技が手に入るため、パーティのいわタイプ枠に組み込みやすいのが嬉しいところ。
かまどのめんやいどのめんが耐久にある程度努力値を回すのに対し、「がんじょう」がある分火力と速度に振り切れるのが利点。
タイプ相性でもカイリューに対して強く出られる他、かくとうタイプを誘発して受け出しも出来るため、現環境においてはサイクル戦にも向いている。
足の早さを生かして砂パに組み込み苦手な相手を草技で迎撃させるという役も良いだろう。
テラスタルすると「がんじょう」が消えるので、その点を注意して立ち回る必要があるだろう。
防御が上がる一方、いわ単タイプは受けるのにさほど強くない、オーガポン自身の元々の耐久性能はそこまで高くないというのも少々扱いづらさがある。
が、裏を返すとテラス権を他のポケモンに惜しみなく回せる事も意味するため、パーティーに組み込みやすいのは間違いない。
採用率はかまどのめんやいどのめんには少し劣り、シングルでもダブルでも3番目。
ちなみに物理技の攻撃モーションはおめん毎に変化する。
みどりのめんは回し蹴り、かまどのめんは踵落とし、いどのめんはムーンサルト、いしずえのめんは頭突きとなっている。
番外作品
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
2024年2月9日から5日間にわたりスピリッツイベント「発見! パルデア地方と『ゼロの秘宝』の新ポケモン」が開催され、その一匹に選ばれた。代わりに対戦するファイターはガオガエンで仮面の色に合わせた4体との勝負になる。奇しくもスグリの手持ちポケモンへの憑依となっている。
ネタ
- おめんネタ
この手のキャラの宿命か、公式のめん以外をつけているイラストも見られる。
時に任天堂やゲームという垣根すら越えて、なにかと曰く付きの代物を持ってくる傾向がある。
- 素顔ネタ
特徴的な目のハイライトから【推しの子】の星野アイと絡めてネタにされることも。
特殊なテラスタルの関係上、どうしてもエースポケモンの座を奪いがちになってしまう欠点も、B小町の内情と似ていると言えば似ている。
- 鬼ネタ
「鬼」というメジャーなモチーフから、様々な鬼キャラとのクロスオーバーも生じやすい。
中でもメス固定という関係性から『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のオニシスターネタが特に多くなっている。
- その他
体型がハリボーグに似ているというネタもある。
「素顔を隠す」「くさタイプ」「テラスタル以外の手段でタイプが変わる」「トレーナーにとって特別な存在」といった共通点が多いマスカーニャとの並びも見られる。
関連イラスト
関連タグ
オーガモン:同じく緑色の鬼。一字違い。
1016.キチキギス←1017.オーガポン→1018.ブリジュラス
伝承(ゼロの秘宝 前編のネタバレ注意!)
『わしも 父から 教わった…… 一族だけで 口伝えてきた話だ』
『ほかの 村の者に 教えては ならない 真実の話』
『けっして 口外しては いけないよ』
遠い昔……オーガポンはとある男と共に異国の地からキタカミの里に迷い込んできた。しかし、村の人々は自分たちと違うオーガポンと男の姿を恐れ、彼らを村に近づかせないようにした。彼らは村に歓迎されず悲しんだが、お互いがいれば幸せであったため裏山の洞窟で慎ましく暮らし始めた。
ただ1人、彼らを不憫に思った村のお面職人は、男が持ち込んだ異国の宝石を使って4つのお面を作った。それが、みどりのめん、かまどのめん、いどのめん、いしずえのめんであった。
お面を被れば素顔を隠して村の人々と仲良くでき、オーガポンと男はお面職人の優しさに感謝した。
それから、彼らはお面を被って村の祭りに参加するようになった。世にも珍しい輝くお面はたちまち噂になり、遠くの国々まで伝わった。その噂を知ってか知らずか、数匹の欲深いポケモンたちが里にやって来て彼らの住処に忍び込み、お面を奪おうとしたのである。
偶然居合わせた男は何とか1つだけお面を守ったが、他の3つのお面はそのポケモンたちに奪われてしまった。少し経ってオーガポンが住処の洞窟に戻るも、そこには争った跡と碧のお面だけが残っていた。
オーガポンは男を探すため、碧のお面を被って村に下りた。そして、輝くお面を奪って喜んでいたポケモンたちを倒したのである。
しかし、事情を知らない村の人々は何が起こったか分からず、怒り狂うオーガポンを見てその姿をとても恐れた。村人たちはあのお面を奪った3匹のポケモンたちがオーガポン、つまり鬼から命懸けで村を守ってくれたのだと考え、親しみを込めて3匹のポケモンをともっこと呼び、丁寧に埋葬したのである。そして、傷つき悲しみに暮れた鬼は1人裏山の洞窟へ帰っていったのだった。
当然、ゼイユやスグリの先祖であるお面職人は必死に真実を伝えたが、村人たちは自身の歴史を信じてともっこたちを大事に思っていたために、誰にも信じてもらえずに逆に異端者とされて迫害されてしまった。そのため、お面職人は秘密裏に自身の子孫だけに真実を伝えることにしたのだった。
ストーリー終盤ではスグリが里の人々に真実を伝えたため、その誤解は解け、無事にキタカミの里に自由に遊びに行けるようになった。
しかし、説得の描写なしで結果のみが語られたため、すんなりと受け入れられた理由は不明。「長い時が経ったことで当時を知る人がいなくなっていた」「現在では住人たちの価値観もポケモンに好意的なものに変わっていた」等プレイヤーの間では様々な解釈がなされているが、さすがに理解が早すぎるのでスグリが何かしら策を講じたものだと思われる。
オーガポンの本来の性格は汚名を着せられても恨むことなく、現代においても祭りの近くに現れその様子を楽しげに眺めるなど、キタカミの伝承の鬼とはかけ離れている。
本編においてもオーガポンは悪さらしい悪さをしておらず、お面を被って祭りを楽しみ、村人に見つかっても山へ逃げるくらいしかしていない。
むしろ、主人公がともっこ復活の現場に居合わせ、迅速に対応出来ていなければキタカミ餅の効果で大型化したともっこたちが何をやらかすか分かったもんじゃないので、お面職人が正しい話を口伝していたことはキタカミの里にとっても幸いだっただろう。
なぜお面職人が居合わせていない場面まで知っているのかについては、昔話によくあるツッコミどころだろう(現実の昔話の中にも詳細を知り得る唯一の当事者が死亡するものが存在する(特に怪談)。過去シリーズの伝承においても同様のケースがある)。
ただ、一部創作はあるとしても、劇中のオーガポンとともっこの様子を見る限り村人達たちに広まっている伝承よりは真実に近いのは確かである。
あるいは、
- 一連の騒動の後お面職人が様子を見に来て察した
- 男が最後の力を振り絞ってお面職人の元を訪れて話した
という可能性が、辻褄が合うように考えられるパターンとして有り得る。
ゼロの秘宝 後編のネタバレ
後編『藍の円盤』では、ゼイユやスグリとのバトルにオーガポンを出すと以下の特殊なセリフを投げかけてくれる。
ゼイユ | 「あっ!オーガポンじゃん!やっぱり あたしが 恋しくなったのね?」 |
---|---|
スグリ | 「よくも……今!ここで!!鬼さまさ!!出せたよな!?」 |
ゼイユは相変わらずな様子を見せてくれる。
その一方で、主人公にオーガポンに会ったことを隠される等すれ違いのあったスグリは激怒し、主人公の人間性を問いただしてくる。
咆哮(ゼロの秘宝 番外編のネタバレ注意!)
「……がお゛ぼう゛つ!!」
番外編『キビキビパニック』にて、キタカミの里に呪いの如き災害を齎した黒幕のポケモン・モモワロウ。このポケモンとの戦闘でオーガポンを繰り出すと、濁音だらけ且つ促音が大文字という、これまで発したことのない声で相手を威嚇する特殊演出が入る。
あくまで戦闘の特殊演出のためお面を被ってはいるものの、その下でどのような表情をしているのかは想像に難くない。ちなみに碧の面を被っていた場合は、跳び上がる時にお面の裏で大きく口を開けているのが一瞬確認できる。
そして、1月15日の夜にYouTubeで公式から、オーガポンとモモワロウの因縁および、モモワロウがオーガポンのお面を狙った理由を語った動画が配信された。
これにより、お面職人が語り継いだ話が真実であること、モモワロウはともっこ達と共にキタカミの里の外からやってきたことがはっきりと明記された。
考察・疑問点
- 男について
オーガポンと共に異国から来た男に関してははっきりしたことは何もわかっていない。
オーガポンのお面はキタカミの里のお面職人が作ったものであり、異国から来た男が持っていた宝石が装飾されている。宝石はてらす池の結晶と同じ素材であることから、男はパルデア地方の出身、またはパルデア地方に滞在したことがある可能性が高い(もっとも、その場合、パルデアでも特級の危険地帯でしか入手できないテラスタルの結晶をどうやって調達したのかという謎は残る)。
また、村で門前払いを食らってからも洞穴での生活を選んでまでキタカミの地に留まった疑問も残っており(キタカミの里はシンオウ地方と地理的に近いことが示唆されており、その位置関係を考慮しても寒さが厳しいであろう環境)、偶然流れ着いたのではなく何かしら明確な目的があって訪れた可能性もある。
男の失踪についても謎がある。モモワロウの動画ではイイネイヌとキチキギスが三つの面を奪った際に男はみどりのめんを守ってまだ洞窟に倒れており二匹は男を置いて逃げ去ったが、スグリの祖父の語った伝承ではオーガポンが戻った時には洞窟にはみどりのめんだけが残っていたとされ、その間の男の行動はわかっていない。イイネイヌとキチキギスにねじ伏せられ重傷を負っていると考えられるが、そこからなぜ男は消えたのか、その行方については未だ語られておらず、今もなお考察されている。
また男の存在により、オーガポンはコライドン、ミライドンに続き主人公が捕獲する前にトレーナー(に相当する人物)がいた伝説ポケモンということになる。
- 次回作以降のオーガポンの扱い
オーガポンがどこから来たのかは作中で一切触れられておらず、「キタカミの里以外のどこか」ということ以外謎である。
碧の仮面で入手できるオーガポンはメスの個体だが、世界のどこかにオスの個体も存在するのか、あの個体のみの特別なポケモンなのか……といったことも現時点では判明していない。
注目すべきは、碧の仮面で入手できるオーガポンは同族個体とは明らかに異なる変異体、特別個体と言える点である。
スグリたちの祖先がオーガポンに作って与えたお面が所謂オーダーメイド品である以上、そのお面を被って祭りに赴き人間と交流するという体験を通じてタイプの変化やおもかげやどしの能力を習得しうるのはあのオーガポンただ1匹であり、別の世界線の同一個体でもなければ同じことができる同族のポケモンはいないはずである。
また、タイプ変化の能力を抜きにして考えても、常にお面のうち1枚を手放さずに持ち、バトルの際には必ず面を着用するために、特殊仕様のない通常のテラスタルができないという特異な仕様は彼女の過去抜きには成り立たないものである。
ゆえに別の地方に同族たちがいたとしても、それは碧の仮面のオーガポンとは異なる能力を持っていると思われる。
ただし、図鑑説明で「おめんポケモン」、「身に着ける 仮面によって タイプが 変わる。」、「仮面に こめられた タイプの エネルギーを 引き出して 戦う。」と書いてあるので、SVストーリー中の個体ならではのおもかげやどしはともかく、「タイプと特性が変わるのはオーガポンという種族特有の素質」という解釈も当然可能である。
別個体もそれぞれの思い出に合った仮面を使えば、彼女と似たようなことはできるのかもしれない。
なお、「特定個体に起こった出来事がそのまま図鑑に生態として記される」パターンには前例がある。
前述のように初登場個体が変異体というレアケースであるオーガポンが次世代以降どういった扱いを受けるのかについては注目が集まっている。
お面については、伝説のポケモンに関する限定品とされていたアイテムが競りにかけられていたという前例があるためこれに準じた形で入手することになるだろうという意見も多いが、その場合新たなオーガポンの入手手段はどうなるのか、その個体が仮面を手放さない理由の説明はあるのか、あるいは仮面をつけないフォームが追加されるかなど、世代を進めてみなければはっきりしない事柄も多い。
メガシンカ、Zワザ、キョダイマックス同様テラスタルも今後の作品では廃止される可能性が高いこと、テラスタル結晶入りの仮面はキタカミのオーガポンの所持品だけだが、お面だけなら量産可能であることを考慮すると、むしろテラスタル無しの作品にテラスタル要素を持ち込まないという意味で辻褄が合うとも言える(言うなれば、プレートでタイプを変えられるアルセウスのような扱い方が可能と言える)。
- 昔話はいつの時代のお話?
昔話の事件が起きた時代は不明だが、『Pokémon LEGENDS アルセウス』の時代と近い頃に起きたと推測できる。
その頃のポケモンは、人間に攻撃してくる凶暴な生物として恐れられていたため、だからこそ過去のキタカミの里の人々は得体の知れないオーガポンを極度に恐れていたと考えれば辻褄が合い、昔と違ってポケモンとある程度共存できる現代の人々だからこそオーガポンの真実を受け入れやすかったと考えられる。
例として、LEGENDSアルセウスでは未来からやってきた主人公は、当時の人々と違ってポケモンに大きな警戒心を持たずに接している。
実際の歴史でも、古くの共同体社会においてよそ者というのは受け入れられ難く、容姿の異なる外国人はなおさら警戒されたことから、現代との価値観の差異は大きいと言える。
ただし、ヒスイ地方は他地方と比べてポケモンとの関わりが遅れていることが語られており(ヒスイの時代には既に他の地方でポケモンを戦わせる文化やポケモンライドが確立している)、またお面を付けた男とオーガポンを取り囲む村人たちの中にはポケモンのお面を付けた村人もいるため、ヒスイ地方よりはポケモンとの関わり方が進んでいるとの見方もできる。
- いたずら好きな性格について
番外編後、素顔と同時に公式サイトで明かされた情報では、昔は興味を持った道具を盗んだりいたずらをしたりと、やんちゃだったと記載されている。
「昔」が男と共にキタカミで暮らしていた時期を含んでいる場合は「キタカミの村人たちに忌み嫌われるのも仕方ない」とする意見も存在するのだが、おそらくはキタカミに来る前の事だと思われる。
まずお面職人の伝承では当時の生活について普段は鬼が山でひっそりと暮らし、祭りの時期にだけ人里に降りてくるとのみ語られている。
迫害された理由も「自分達とは姿が違うから」であり盗みを働いたなどは一切語られていないので、男に諭されたなどの理由でやめていたと考えるのが自然である。
知性が高く、他のポケモンや人の暮らしにも興味津々とあるので「人に興味があり知りたかったからやんちゃをしていた」とも考えることができ、男と共に過ごすことでそうする必要が無くなったのかもしれない。
しかし、元々盗みをしていたオーガポンが足を洗って得た男との幸せな暮らしを、モモワロウ一行による盗賊行為によって壊されてしまったというのは何とも業の深い話である。
今までは完全な被害者として見られることが多かったオーガポンだったが、この情報により、かつて自分が他者に向けていた悪意を自分が向けられる側になったことで大切なものを失い、自分はその相手を更生させるのではなく激情のままに殺害してしまったことで周囲の人間からも恐れられ孤独という罰を受けると一連のストーリーをある種「因果応報」と捉えることもできるようにもなるという新たな視点が生まれ、一面的な見方では解釈しきれないいかにも寓話的な厚みが付加されている。
無邪気ゆえに善悪の区別が曖昧という点で本来の性質はオーガポンとモモワロウとで通ずるところがあり、オーガポンがモモワロウたちに対する「男」となり赦しと教えを与え、自分と同じように改心させることが出来たなら、また違った物語も有り得たのかもしれない(尤も、あの状況でオーガポンがモモワロウ一味の殺害を優先したのも彼女が陥った状況からすればやむなしではある)。
その一方で、自分を諭してくれる男に出会い善悪の区別をつけられるようになったオーガポンと、自分を諭すことができたはずの老夫婦を洗脳してしまったために終ぞ善悪の区別を付ける機会を失ったモモワロウという見方もでき、この両者は互いにあり得たかもしれないifであったとも言える。
それはそれとして、昔やんちゃしていたという設定が公開されたことで、オーガポンを元ヤンとして扱うプレイヤーが出てきたとかなんとか。
ちなみに「どろぼう」は覚えない。そこは譲れない一線があるのだろう。
- お面の表情
四つのお面は
みどりのめん⇒喜 | かまどのめん⇒怒 | いどのめん⇒哀 | いしずえのめん⇒楽 |
を表しているのではとされる(怒と哀は分かりやすい)。
残る2つは一見すると顔付きこそ厳めしいが、よく見ると表情自体は笑っている。昔話の回想時に男とオーガポンはこの2つをかぶって村人と交流しており、村人と仲良く出来た事に喜び、交流を楽しんだ事から、ポジティブな感情であるこの2つを表しているとされる。
デザインを担当した有賀ヒトシ氏のポストに掲載されたイラストでも、オーガポンがこれらの表情を取っていたため、そのようなイメージがあるのはほぼ確定とみて間違いない。
なおオーガポンが身に着けているお面は作中や公式サイトでは基本的には仮面ではなくお面と表記されており、アイテムとして入手する際にも上記のようにひらがなで書かれている。
しかしポケモン図鑑などの説明では仮面と表記されており、オーガポンとの力比べの際に彼女がテラスタルした際にはそれぞれ「碧の仮面」「井戸の仮面」「竈の仮面」「礎の仮面」と表記されている。
特性であるおもかげやどしが発動する際にも「仮面」と表記されている(例えばみどりのめんの場合は「碧の仮面をかがやかせ」となる)ので身に付けているのはお面であり、テラスタル時に出現したものが仮面である可能性も考えられる。
- ポケモンと人間との結婚?
シンオウ地方のミオシティにある図書館には、遠い昔はポケモンと人間が結婚することが然程不思議なことではなかったことが記されているが、シンオウ昔話曰く、それが普通だったのは「ポケモンも人も同じだった」から。
現在判明している限り、少なくとも3000年前の時点で既に人とポケモンは分かたれているため、男とオーガポンがそれよりさらに昔の存在というのは流石に考えにくい。
もっとも、プレイヤーがオーガポンを捕まえる時のバトルで「昔々共に生きた男との思い出がオーガポンの力になる!」と出ているように、男とオーガポンの間には深い愛情があったことは間違いないだろう。この思い出とともに装着するのは、かつて男が守り切ったことで唯一オーガポンの元に残った碧のお面である。
余談だが、この男との深い関係からオーガポンを未亡人扱いするプレイヤーもいるとかなんとか。
…つまり、前述のネタと合わせると元ヤンの未亡人となる(ちなみに未亡人ネタの方が先である)。
さらに幼そうに見えて長生きしていることから元ヤンの未亡人のロリババアとも。属性過多過ぎない…?
- 戦闘能力について
伝承によるとお面を奪ったともっこを相手に単独で挑んだというオーガポンだが、状況的には碧のお面のみ=草単タイプの状態で毒タイプ3匹を相手にしているためタイプ相性上はかなり不利なはずである。
それにもかかわらず、3匹をまとめて死に至らしめ、直接狙われたわけでもないキタカミの村人たちをも恐怖させるほどの力を発揮しており、怒りでタガが外れたオーガポンの戦闘能力が非常に高いことがうかがえる。
番外編配信から少し経ち、公式からこの時の様子が映像として公開された。その実態は「棲家の異変に駆けつけて状況を把握」→「ともっこたちに追いつき、キチキギスのフェロモンを意に介さず、マシマシラの未来予知を超える速度で動き、強靭な肉体を持つイイネイヌをワンパン撃破し、相手の得意分野を全て打ち破る」→「風の如き素早さで怒りのままに大暴れ(モモワロウはなんとか攻撃を回避)し、倒れたともっこたちの前に仁王立ち」→「戦意を失ったモモワロウに渾身の一撃」と、まさに鬼神の如き大立ち回りだった。(しかもテラスタルすらしていない)
ちなみにデータ的な話をすると、両者が努力値なし、かつオーガポンの攻撃ランク+6と仮定した場合、みどりのめん状態でのツタこんぼうはキチキギス・マシマシラが確定1発、イイネイヌが乱数1発、モモワロウは確定2発である。
素早さもオーガポンが上回るため、シングルバトルであれば昔話のような状況もあり得なくはない。
しかし映像を見る限りでは、モモワロウへの攻撃以外ではツタこんぼうを持っておらず(職人の話しでは常に持った状態のみ描写)、マシマシラの未来予知でも、飛び蹴りでイイネイヌを倒したように見える。キチキギス、マシマシラ、モモワロウを支援型と考えても、4対を同時に相手(或いは短時間で各個撃破)しつつ攻撃は全て回避という驚異的な強さである。
- 戦闘BGM
正式曲名:「戦闘!オーガポン」
作曲者:足立美奈子
全体的に和風・祭囃子をイメージした『碧の仮面』のBGMの例に漏れず、こちらも祭囃子をイメージした壮大なものになっている。
ストーリーのクライマックスを飾るためか、最後まで楽しもうとラストスパートをかける一方、祭りが終わってしまうという寂しさも込められている。
- スグリとの関係性
オーガポンの立場から見たスグリは、作中開始前から自身の住処である裏山の洞窟にちょくちょく訪れていたと言うが、お面職人の先祖とスグリの親族関係を把握できていたかは不明(さらにお面職人が迫害された事実をオーガポンが把握していたかも不明)である。
スグリが何度住処に来ても一度も姿を現していないこと(作中でスグリと主人公が一緒に訪れた際も隠れていた)やスグリからみどりのめんを手渡されても怯えて受け取ろうとしなかった(主人公からは受け取った)ことを考えると、少なくともこの時点ではスグリに好意的な感情はなかったと判断できる。
そこからのオーガポンへのスグリへの印象が変化したのかは想像するしかないが、1つだけ確かなのはオーガポンとの戦闘時のメッセージにスグリに関する思い出は全く出てこないということである。
ともっこ退治の際に協力していたゼイユへの態度に関しては目に見えて変化している。
オモテ祭りで初めて対面した際は彼女の鬼退治という言葉に反応して逃げてしまったが、一緒に写真を撮る(その際にゼイユに頭を撫でられても嫌がっておらず笑顔を見せている)など関係が軟化していた。
真相を知る前からずっとオーガポンを慕っていたスグリが憧れていた鬼は主人公に語ったように「仲間もいないのに複数の敵を相手にし、人間から仲間外れにされてもへっちゃらなかっこいい鬼」であり、「確かに強く怒ると怖いが、普段はさみしがりで温厚なポケモン」というオーガポンとは真逆の存在である。
真相を知る前にオーガポンを悪い鬼と言ったゼイユに対して「鬼さまのことをなんもわかってない」と笑っていたが、残念なことにオーガポンを好意的に見ているスグリも理解できていないのは全く同じだった。
だがスグリは本当の伝承を知り、本物のオーガポンを見ても彼女に対して失望したりはせず、自分なりにオーガポンのことを考えて行動していたのも事実である。
最初は村に入ることさえ躊躇っていたオーガポンだが、スグリの言葉を信じて入れるようになり、村人からの誤解が解けて喜んでいたのでスグリの頑張りが無駄だったわけではない。
特筆するが、信頼している主人公に励まされたとはいえ村人を恐れて震えていたオーガポンが村の中へ入る決心が出来たのはスグリの言葉を信じたからである。
また、スグリとのバトルの前後で状況を理解していない様子を見せていたとはいえ、主人公に負けて崩れ落ちた彼に主人公たちとともに駆け寄っている。
スグリの方も自分の行動を単なるわがままだと自覚しており、諦めきれなかっただけでオーガポンは主人公と一緒にいた方がいいことを認めている。そのため、負けたことを悔しがってはいたが、全力でバトルしたこともあって恨み言を言わず、主人公に自分のわがままに付き合わせてしまったことをしっかり謝罪している。
残念ながら特別講師やリーグ部の面々との交換に珍しいポケモンは出せないため、スグリにオーガポンを託すことは不可能である。しかし、憧れの存在と念願のパートナー関係になれた人物達もいるため、スグリとオーガポンも別の機会にパートナーになれる可能性は0ではない。クリア後の成長した彼であればオーガポンとパートナーになって参戦することも夢ではないだろう。
オーガポンのデザインを担当したありがひとし氏もオーガポンとスグリが笑顔で節分を楽しむイラストをxに投稿している。
- 鬼の正体
鬼の正体は日本に流れ着いた外国人であり、当時の日本人より大きな体格や厳つい顔を人々に恐れられて怪物として言い伝えられたという仮説がある(鼻の長い大天狗も、同様の理由から生まれた説もある)。
外国からやってきた男を昔のキタカミの里の人々が自分たちとは違う容姿をしているだけで恐れ、迫害したエピソードの元ネタと思われる。
本作「碧の仮面」のコンセプトは恐らく『善悪の逆転した桃太郎』と思われるが、この他にも桃太郎を題材とした作品には鬼の方が「正義」及び「被害者」、もしくは前述の通り正体は外国人だったという内容のものが多く見られる。
(例・映画『ドラえもん ぼく、桃太郎のなんなのさ』、逃走中 新桃太郎伝説~鬼ヶ島を奪還せよ〜 等)
「桃太郎に怯える鬼」というテーマの「鬼の子守唄」という童謡も存在するため、このような捉え方は割と昔から散見されていた事がうかがえる。
オーガポンとモモワロウは明確に敵対しているが、実はゲーム内では悪さと言えるほどの行動をする描写がなく、祭りや踊りなど賑やかな様子を楽しみ、元々トレーナーに相当する人間がおり、敵を瀕死あるいは殺害した経験があると、要素としてはかなり共通している。
そしてオーガポンはキタカミの里の人間に、モモワロウは現実世界の人間に、実際に見聞きした以上の悪行を盛られ迫害されているのは、なんとも奇しき因縁である。