チェーンソー

ちぇーんそー

鎖状に連なった刃を動力により高速で動かし、対象物を裁断する自動式の鋸。ノコギリの一種。一部の人には邪神を一撃で葬れるありがたい武器として崇められている。

概要

チェーンソー(chainsaw, chain saw)とは、外歯をチェーン状に連結したものを動力により回転させることで、道具を人力で前後に引くことなく対象物を切ることができる、自動式の鋸。

日本語で鎖鋸(くさりのこ)と呼ばれ、動力は電動モーターまたはエンジン、油圧モーターなどが用いられる。

林業では、重量面の制約から、現代の機種の多くが自動車では既に廃れた2ストロークガソリンエンジンを搭載していたが、近年ではOHV方式の4ストロークエンジンも用いられることがある。

余談ながら、動力にV8エンジンを使うと数メートルの大木が豆腐のように切断することができる。

チェーンソーの持ち方

現実に存在するチェーンソーにはちゃんとした持ち方がある。

利き手に関係なく右手が後ろ、左手が前になるように規格が統一されている。

扱いを間違えれば自らを傷つけかねない大変危険な工具であるため、

この点に関しては一部の例外もない。

チェーンソーを元にしたオリジナルデザインの武器等はともかく、リアル準拠のチェーンソーを持たせる際は注意。

…とは言え、イラストの大半が本来の用途に用いる気ゼロなので基本に忠実である必要はないかもしれない。

現に某B級サメ映画シリーズでも状況に応じて持ち手を自由に変えている。

表記について

日本語カタカナ表記の場合、chainの部分がチェーン、チェン、チェイン、sawの部分がソー、ソウといった揺らぎがあるが、どの表記でも間違いではない。

国内で流通している各メーカーでは「チェンソー」の表記で統一されている。一方、林業機械化協会では「チェーンソー」の表記が用いられているという具合に業界内での表記にもまだ若干の揺らぎがある。

フィクションにおいては「チェーンソー」の表記が圧倒的多数を占めるが「チェンソー」の表記も僅かながら存在する。（漫画の「チェンソーマン」など）

誤解と解説

チェーンソーのチェンは鉋のように「削る」行為を高速で行う事によってその対象を切削していく。カッターのように切り刻んでいくわけではない（黎明期のものを除く）。

チェーンの回転方向は右サイドからみた際に時計回り、上部は手前から向こう側へ、下部は手前側へ移動する。すなわち、縦方向で使用する際、バーの下部で切削した切削屑はその多くがチェーンソー使用者の下半身へ集中する。なお、刃のメンテナンスは欠かせずチェーンソーヤスリと呼ばれる棒ヤスリで研ぐ必要がある。この際角度に注意しないと上手く切削できなくなる。

チェーンソーを扱った事が無い人が扱う場合、気付かない人が多いと思うが、チェーンソーは燃料の他にもチェーンソーオイルが必要。これを補充しないと、チェーンが焼き付いてしまう。

上記理由から、木材等の相応の材質ならまだしも、お肉のような柔らかいものをカットした場合、必然的にその切断面は鋭利な刃物で…というわけにはいかなく、とてつもなく小さな破片になってしまい（要検証）その大半が使用者の下半身に降りかかるため（要検証）対象の他にも使用者における表現的なR-18G度が増大することになる。

OREGONの91LXチェンだけは刃の付き方が変わっているが、お肉を切った際にどのような差異がでるかは不明。いずれにせよ、R-18Gであることには変わりはない。

実はチェーンソーは使用者の方に危険が及ぶ事が多い。チェーン作動中に切削できない(しにくい)ものに刃が当たると、回転速度にもよるが当たった際にキックバックを起こし、その反動の勢いで使用者が吹っ飛ぶ、あるいは跳ねたチェーンソー本体が人体に接触する事がある為である（時には、チェーン自体が外れてしまう事もある）。

その為、緊急停止する安全装置が施されたものが多い。

また、チェーンソー使用時には、切断する対象を固定する必要がある。回転しているチェンを押し当てて切断するため、万力などの道具を用いるなり、足でしっかり押さえるなりしないと、弾き飛ばしてしまい（あるいは使用者の方が弾かれ）、思ったように切る事が出来なくなる。

ちなみに実際に誰もやらないと思うが、振り回すのはもっての外。自滅確定である。

理由としては、「重い」「強い振動のため、予想外の方向へ刃が向かってしまう」事が挙げられる。チェーンソーは扱う際には、本体の重量に加え、内蔵し稼働したモーターの振動、およびそのモーメントにより刃先が動いてしまうため、それらを腕力で抑える必要がある。

ゆえに常人では、振り回すどころか持ち上げるだけでも一苦労である。下記「武器としてのチェーンソー」も参照。

また、チェーンソーは振動による白蝋病という病の原因にもなる為、振動の軽減化が施されているものもあるが、業務使用の場合1日において使用する時間が定められている。

武器としてのチェーンソー

現実では林業などで木などの物体を切るための道具として使われるが、創作では武器として用いられることが多く、特にホラー系の作品で生き物(主に人間)を切り刻み惨殺する為の凶器というイメージが強い。

その最たる例はホラー映画『悪魔のいけにえ(テキサス・チェーンソー)』に登場するレザーフェイス。

また、誤解されがちだが『13日の金曜日』シリーズに登場するジェイソン・ボーヒーズはチェーンソーを凶器として使ったことはシリーズを通して一度もない(免許をとってなかったため。ただし、第7作目では丸鋸状の刃の付いたエンジン付き芝刈り機を使用している)

なお、彼をイメージにしたCM等、パロディ作品では使っている事が多い。

ゲームの世界でのチェーンソー

また、『魔界塔士Sa・Ga』ではラスボスたる神(かみ)をバラバラにする魔剣としても(ネタとしての意味で)有名。

このためチェーンソーは一部の人に邪神を一撃で葬れるありがたい武器として崇められている。

他にも様々なゲームなどで武器としての使用例は多数ある(『Gears of war』などはもはやチェーンソーの枠を軽く飛び越えたレベルだが)。

近年では某会社のロボットゲームで6本のチェーンソーをドリルのように回転させて叩き込む超兵器が登場した。

SFファンタジーなどでは、何かしらの技術を応用した「大剣型チェーンソー」というロマン武器まで登場しており、今やソシャゲ界隈を中心に鉄板ネタとして根付いている。PSO1の頃、HIT属性の付いたチェインソードを愛用していたハンターズは少なくなかったのではなかろうか。

ただし上述の通り、現実においてはチェーンソーは重く、振動も強く、駆動によるモーメントでろくに振り回せずといった代物である。処刑具・凶器としてはともかく、実際には武器としては全く向いていない。

しかし、絵的には迫力があり、魅力がある事も事実。死神の「大鎌」のように、フィクションにおけるロマンの産物と捉えるべきだろう。

使い手の皆さん

映画

特撮

仮面ライダーシリーズ
- チェーンソーリザード（仮面ライダー THE NEXT）
- 仮面ライダーフォーゼ（仮面ライダーフォーゼ。ただしチェーンソーモジュールは右足に装備する）
- 仮面ライダーブラーボ（仮面ライダー鎧武）
- 仮面ライダーゲンム（仮面ライダーエグゼイド）
- 仮面ライダーポッピー（仮面ライダーエグゼイド）
- 仮面ライダークロノス（仮面ライダーエグゼイド）
- 仮面ライダーアナザーパラドクス（仮面ライダーエグゼイドアナザー・エンディング）
- 仮面ライダーアマゾンネオアルファ（劇場版仮面ライダーアマゾンズ最後ノ審判）
- 仮面ライダーバッファほか、ゾンビレイズバックルで変身した仮面ライダー(仮面ライダーギーツ)
スーパー戦隊シリーズ
改造ガイガン（ゴジラ FINAL WARS）
鋸機怪（妖怪大戦争）
杉原ミキ（片腕マシンガール）
ボバレフスキー42号（ロボジョックス）
MECHAGODZILLA（GODZILLAvsKONG）

アニメ

漫画

小説、ライトノベル

ゲーム

バイオハザードシリーズ
- チェーンソー男（バイオハザード4）
- チェーンソーマジニ（バイオハザード5）
- ウビストヴォ（バイオハザード6）※5
Fate/Grand Order
- ケツァル・コアトル※6
- マンガで分かるバーサーカー※7
アークナイツ
- ポプカル
- ブレイズ
- スペクター
- ブローカ
エドガー・ロニ・フィガロ(ファイナルファンタジー6)
ジュリエット・スターリング（ロリポップチェーンソー）
キャンディー、エニグマサンフラワー／王子日葵→『エニグマシャインカッター(SSスキル・逆襲大魔術版)』（魔法使いと黒猫のウィズ）
シャーリィ・オルランド(英雄伝説碧の軌跡)
ハレゼナ(グランブルーファンタジー)
双挽乃保（#コンパス【戦闘摂理解析システム】）
ルーンチェーンソーの退魔士メア、ドリチョコくん／ドリームメイカー、アングラット系（白猫プロジェクト）
ルーシー（スクールオブラグナロク）
ザベル・ザロック（ヴァンパイアシリーズ）
アリサ・ボスコノビッチ（鉄拳）
立花宗茂(戦国BASARA)→雷切
絵美理（高橋邦子作品「エッチな夏休み」）
チェーンソー → ダイヤモンドチェーンソー※8（俺タワー）
ランド(サンクタス戦記)
LQ-84i LQ84フェンリル(メタルギアライジングリベンジェンス)
ART-1、フェアリオン、ガーリオン、ガンレオン（スーパーロボット大戦シリーズ）
じゅうさんきんおとこ（サンサーラ・ナーガ）
東方見文録（東方見文録）
リック・テイラー、ピギーマン（スプラッターハウス）
デスマシーンのジロー君（聖剣伝説2）
ドミンゲス（メタルマックス3）
狂人フライデイ、狂人レッドラム、メシアンエグゼクター（女神転生シリーズ）
ストーカー（ペルソナ2罰）
かみ（半熟英雄）
カムイ(ファイアーエムブレムif)※9
セピア・ベルモンド(ボンバーガール)
ベヨネッタ（BAYONETTA）※12

その他

METALOID(ケー・スワベ)
結月ゆかり(サヨナラチェーンソー限定)
天穹蒼(福島ラーメン組っ!)
震裂戦鬼メルフィス(神羅万象)
SCP-1813-JP『チェーンソーを持ったジェイソン・ボーヒーズ』(SCP Foundation)※10
ゾンビ・スポーン（スポーン）※11

脚注

※1 リゼの別荘にあるのを見つけ、キノコ狩りに「もっていったほうがいいかしら?」とリゼに尋ねている。実際には使ってないが、その後、チノが見た夢では、千夜がチェーンソーを振りまわしてゾンビと戦っている(アニメ2期『ご注文はうさぎですか??』11羽でアニメ化されている)
※2 自らの体組織で造り出した刃物に、高速で動くサメの歯状の極小のトゲを纏わせた生体チェーンソー。
※3 厳密にはチェーンソーを使用するのではなく自分自身がチェーンソーに変身する。足など体の一部分だけチェーンソー化することで単独でも戦える。
※4 体の一部としてチェーンソーが生える。
※5 同じく厳密には右腕に肋骨と動脈で形成されたチェーンソーを行使する。
※6 チェーンソーを持っているわけではないが、持っているマカナ(黒曜石の刃を木の刀身に埋め込んで作った剣)がチェーンソー状になっており攻撃モーションで振り回した際にモーター音が鳴る。
※7 初期は斧を持っているが、霊基再臨を進めるとチェーンソーに変わり、ケツァル・コアトルと同じようにモーター音が鳴る。
※8 工具としてのチェーンソーを擬人化したキャラクター。それぞれノコギリの進化・第二進化形態。
※9 専用武器【夜刀神】は刀なのだが、最終形態【夜刀神・終夜】はチェーンソーとネタにされがちである(その形態で大乱闘にも参戦しているので猶更)。
※10 「『13日の金曜日』のジェイソンはチェーンソーを使う」と認識している人間を殺害するホッケーマスクの怪人および凶器のチェーンソー。「ジェイソンはチェーンソーを使ってない」と知っている人、あるいは『13日の金曜日』自体を知らない人に対しては無害。
※11　アメコミ「スポーン」における、地獄の戦士スポーンの一体。正確には同作のフィギュアシリーズの一体であり、原作未登場。ゾンビのような身体をしており、チェーンソーを始めとする様々な武器で武装している。後に日本人作家による番外編「シャドウ・オブ・スポーン」に登場。チェーンソーは地獄の怪物を葬るために、刃を銀製にしている。
※12　3において「デッドエンドエクスプレス」と言う武器を使用。見た目は機関車の様な武器だが5つに連結した車輪が鋸歯となっており、高速回転しながらチェーンソーの様な攻撃が可能。ちなみにこの武器、1トンを超える重量があるがベヨ様は軽々と振り回している。魔女ですから。
※13　終盤で丸木舟を壊す際に一度使用したのみ。にも関わらずブラウザゲーム『結城友奈は勇者である花結いのきらめき』参戦時は戦闘用の武器にしてしまった。