曖昧さ回避
- 音楽館が1995年から発売している鉄道運転シミュレーションゲーム。
- マイクロソフトが2001年に発売した鉄道運転シミュレーションゲーム。1.との区別のため「Microsoft Train Simulator(MSTS)」と表記されることが多い。
- Dovetail Gamesが2009年から発売している鉄道運転シミュレーションゲーム。
本項では全部を紹介する。
音楽館「Train Simulator」
鉄道ファンにとってなじみ深いTrain Simulatorといえばこの音楽館版であろう。
音楽館は向谷実が代表取締役を務める音楽関係の会社で、向谷が音楽活動で積み上げたコンピュータ技術を趣味の鉄道に活かして作り上げたゲームである。
列車の乗務員室から業務用ビデオカメラで撮影した前面展望映像を編集し、プレイヤーの操作に合わせて再生速度を可変させている。
鉄道ファンである向谷が手掛けた作品ということもあって並行する『電車でGO!』などと比べるとリアルにこだわっており、保安装置や信号、計器の針の動きまで実車を忠実に再現している。
しかし実写映像を使用したことから列車を停止させた際に映像に対向列車が映り込んでいるとそれらも停止してしまうなどの弊害が発生している。
初期の作品は特急列車の前面展望映像から通過駅が連続する区間の映像を抜き出して使用したことから中途半端な区間だけが実装されていたが、後に鉄道会社からの協力を得て途中駅を全て通過する特別列車を仕立て上げて撮影している。
初期の作品は収録映像の都合からボリュームが少なくなってしまうことからクイズなどのオマケコーナーも収録されていた。
長らくPCのみで発売されていたが、2001年からはユーザーのPC環境に左右されないハイクオリティな作品を目指しコンシューマー機に進出。PS2から『Train Simulator Real』シリーズ6作品、PSPから『Mobile Train Simulator』シリーズ2作品を発売した。
2007年の『Railfan 台湾高鉄』を最後にシリーズが途絶えていたが、2022年にJR東日本の『JR東日本トレインシミュレータ』が発売されている。
本シリーズをきっかけに『電車でGO!』のほか『運転道楽』(ジェイアール西日本コミュニケーションズ)、『鉄道運転シミュレーション』(小学館プロダクション)、『発車よし!』(阪急電鉄創遊本部)など鉄道運転シミュレーションゲームが各社から発売され、向谷自身も各鉄道会社の業務用シミュレータや鉄道博物館、電車とバスの博物館、東武博物館などの運転シミュレータを手掛けている。
また向谷は本シリーズをきっかけに発車メロディや車内チャイムを作曲している。
Train Simulator
収録路線は全て向谷の趣味で決められている。他作品で例のない海外の路線なども収録されているのはこのためである。
- Train Simulator 中央線
Mac:1995年8月19日 Windows:1996年5月17日
特急「あずさ」の前面展望映像から抜粋。
- Train Simulator 東海道本線
Mac:1995年9月21日 Windows:1996年5月17日
特急「踊り子」の前面展望映像から抜粋。
- Train Simulator 東北本線
Mac:1995年9月21日 Windows:1996年5月17日
寝台特急「北斗星」の前面展望映像から抜粋。
Mac:1996年7月19日 Windows:1996年9月20日
小田急電鉄所蔵の1980年代撮影の映像を使用。
Mac:1996年11月21日 Windows:1996年12月4日
本作から新撮映像を使用。晴れて全区間の運転が可能となった。
- Train Simulator ドイツ鉄道左岸線
1997年3月21日
ビンゲン-コブレンツ間
初の海外路線。本作から両OS対応となった。
- Train Simulator 南部縦貫鉄道
1997年5月16日
南部縦貫鉄道全線休止直後の発売であり、「愛蔵版~最後の冬~」というビデオが付属したバージョンも発売された。
1997年6月18日
- Train Simulator JR四国①
1997年9月19日
初の複数路線収録。「①」と銘打たれているが「②」以降が発売されることはなかった。
1997年12月17日
- Train Simulator 名古屋鉄道①
1998年4月17日
パノラマカーはミュージックホーンを鳴らすことができる。
オマケとしてHSST大江実験線(HSST-100S形)も運転可能。
- Train Simulator 阪神電気鉄道
1998年7月17日
発売直前の1998年7月12日にはハービスOSAKAで運転体験イベントが開催され、9000系を使用したイベント列車「トレイン・シミュレーター号」が梅田駅-高速神戸駅間で運行された。
- Train Simulator JR北海道①
1998年9月17日
両形式の協調運転を再現しており、キハ201系運転時には小樽駅で731系を併結するムービーが流れる。
- Train Simulator 山手線内回り
1998年12月18日
高精細映像のDVD版も発売された。
- Train Simulator 南フランス
1999年7月7日
カンヌ-ニース-モンテルロ-マントン間
フランスの鉄道ならではの特徴として機関車推進運転や保安装置を再現している。
高精細映像のDVD版も発売された。
1999年9月17日
6620系、26000系「さくらライナー」 あべの橋駅-吉野駅間
実際の車輛性能や走行抵抗に基づいて忠実に再現している。
- Train Simulator 京浜東北線
2000年3月17日
PLUSシリーズへの過渡期的作品で、疑似先行列車によるATC信号変化やATOSによる運転指示が実装されている。
Train Simulator PLUS
前面映像が拡大された一方でMacは非対応となった。
- Train Simulator PLUS 京阪電気鉄道
2000年7月19日
- Train Simulator PLUS JR東日本中央線②
2000年10月18日
第1作のリメイク版。115系の運転台パッチも無料で提供された。
- Train Simulator PLUS 小田急電鉄小田原線②
2001年2月21日
1000形急行・30000形特急「サポート」 新宿駅-小田原駅間
後に向ヶ丘遊園駅までの各駅停車の運転映像も販売された。
2001年12月31日
初の直通運転。竹田駅での乗務員交代も再現されているがプレイ自体は路線をまたいで可能。
Train Simulator Real
- Train Simulator Real THE 山手線
2001年10月4日
205系 外回り
後発作品と比べて収録路線数は少ないが、延発・抑止整理、東鉄指令および車掌との交信、防護無線や踏切障害物検知器作動、車掌用非常ブレーキや非常停止ボタンなど多数のアクシデントが多数実装されている。
- Train Simulator Real THE 京浜急行
2002年10月31日
1000形(新・旧)、700形、800形、2000形、1500形、600形、2100形
三崎口駅-品川駅間、羽田空港駅-品川駅間
シーメンス製VVVF-GTOインバーターの磁励音をリミックスしたテーマBGMが印象深い。
どのダイヤも車両性能上可能な形式ならば運転可能で、実際には存在しない新1000形シーメンスVVVF-GTO車による6両編成運転も可能。
また旧1000形には白幕車と黒幕車、1500形は未更新車・更新車・1700番台が実装されており、それぞれで性能差が存在する。もっとも旧式の旧1000形白幕車はブレーキ圧を半減させるB-55装置の特性も再現されており非常に扱いが難しい。
さらに12両編成運転の際には併結している車両の性能によってこちらの性能も変動するというこだわりも。
- Train Simulator 御堂筋線
2003年10月30日
北大阪急行電鉄南北線を含めて運転可能。北大阪急行8000形は直通運転のみ運転可能だが、10系と21系は新大阪止まりと江坂止まりの運転も可能。
2003年12月18日
『電車でGO!』とのコラボ作品。
大井町線で9000系の運転ができない仕様になっているが、これは大井町線の前面展望映像に当時唯一大井町線で運行していた9000系が映り込んでいるため。
- Train Simulator 九州新幹線
2004年5月31日
2005年8月25日
京急600形、1500形、1000形(新・旧)、都営地下鉄5300形、京成AE100形、3000形(新)、3400形、3600形、3700形、3300形、AE形(初代)
羽田空港駅-泉岳寺駅間、泉岳寺駅-押上駅間、押上駅-青砥駅間、京成上野駅-成田空港駅間
シリーズ初の3社局直通運転。ゲーム開始時点で運転する事業者を選び、その他の事業者はライセンスを得ることで開放する。
ある意味鉄道運転シミュレーションゲームで最も重要と思われるブレーキ練習モードが実装されているのも特徴。
テーマBGM「The Liner」はタイトーの『鉄道ゼミナール-大手私鉄編-』で京成電鉄のテーマとして使用されている。
Mobile Train Simulator
いずれもPS2から発売された作品の移植版。
2005年2月17日
東横線の使用車両に5050系が追加されており、実際には実現しなかった5050系の桜木町駅-横浜駅間の運転が可能。PS2版にあった菊名駅で進行不能になるバグも修正されている。
一方7200系検測車による目黒線ダイヤは削除されている。
- Mobile Train Simulator 京成・都営浅草・京急線
2006年2月23日
大規模な追加要素などはないが、アスペクト比16:9のワイド画面に対応するためにUIの変更が行われている。
また八千代台駅のスカイライナー通過待ち、佐倉駅の特急待避のムービーはカットされている。
Railfan
- Railfan
2006年12月21日
シカゴLブラウンライン 3200系 フラートン-フラートン間(環状運転)
タイトーとの共同開発で、Blu-rayDiscならではの大容量を活かしてアウタービューを収録、ヘリコプターの空撮も駆使して前方映像と同じタイミングで切り替えが可能。ただし同時撮影しているわけではないので対向列車の位置などに差異が生じる。
タイトルにはないがタイトーとの共同開発であることから『電車でGO!』風のUIに変更することも可能。
- Railfan 台湾高鉄
2007年11月1日
700T型 左英駅-台北駅間(上下)
TrainSimulatorシリーズで初めて上下線同時収録。台湾高鉄の保安装置も再現されている。
運転士と車掌の音声も複数名分収録されている。
トレインシミュレータ
2022年9月22日(早期アクセス版)、2022年11月15日(基本パック)
音楽館がJR東日本の乗務員区所向けに導入している業務用運転シミュレータを家庭用に移植したもの。
そのため原則としてJR東日本の路線のみが収録されているが、2024年3月26日に前年の2023年4月1日に一部区間が廃止になった留萌本線が収録された。
早期アクセス版は基本パック発売と同時に販売終了となり収録路線も削除された。収録路線のうち京浜東北線は2023年4月27日に基本パックに無償収録されたが、八高線は2024年現在も収録されていない。
Microsoft Train Simulator
2001年8月24日発売。
- 初期収録路線
イギリスのKujuEntertainmentが開発しマイクロソフトから発売された鉄道運転シミュレーションゲーム。
車両や風景は3DCGで表現され、運転席だけでなくアウタービューや車内視点も可能。
日本の鉄道ファンの間では町田駅のホーム有効長が極端に短い、代々木上原駅がそもそも高架ですらないなど日本の路線の再現不足を指摘する声もあったが、連結や切り離し、果ては脱線まで再現したゲーム性は高く評価されている。
ニコニコ動画で話題になった「絶対にクビにならないシリーズ」で暴走したキハ31形気動車は本作の肥薩線用に収録されていたものである。
第2作の発売も決まっていたが発売元がエレクトロニック・アーツに変更され、タイトルも『Rail Simulator』となった。
Dovetail Games版「Train Simulator」
前述の『Rail Simulator』の後継作品として2009年6月12日に配信。当初は『RailWorks』というタイトルだった。
『Rail Simulator』に収録されていたイギリス、ドイツ、アメリカの鉄道に加え3つの架空路線を収録。毎年バージョンアップが行われており、現在の最新版は『Train Simulator Classic 2024』。
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電車でGO!:鉄道運転シミュレーションゲームの金字塔的な存在。音楽館版は発売時期が並行していたり共同開発した作品があったりと関係が深い。