「おれはリンリン!! この海の王になる女さ!!!」
「 安心して死になよ お前達の 科学力を使っておれが 世界を平和にしてやるからよォ!!!」
「仲良くいこうぜ 昔みたいに…!!!」
「50年分の寿命をよこす」か!!「生きておれの奴隷になる」か!!! 「LIFE」or…「SLAVE」!!!」
「何十年も“君臨”してんだおれ達は!!! てめェらが……!! ミルク飲んでた頃からよォ!!!」
「かかってこい!!!おんどれァ!!! 倒せんのかい!!? おれは「ビッグ・マム」だぞ!!!」
概要
ビッグ・マム海賊団船長で元ロックス海賊団船員。新世界を支配する大海賊“四皇”の紅一点であった。
ビッグ・マムの異名を持ち、本名よりこちらで呼ばれることが多い。
万国(トットランド)女王でもあり、海軍からは「生まれついてのモンスター」と称される程の狂暴性と実力を持つ正真正銘の怪物。
そのため、政府も彼女の機嫌を損なうことを恐れている。
部下も強者ぞろいで、新世界に名を轟かせる自身の子供達に加え、ジンベエ(タイヨウの海賊団)やカポネ・ベッジ(ファイアタンク海賊団)など多くの傘下を抱えていた。
下記の様に大家族の母で、聖母の如き人物を慕っている事からか実子以外の配下からも「ママ」と呼ばれている。
甘い物が大好きで、自らの陣地に対するみかじめ料を金品ではなくお菓子で要求している。
“白ひげ”亡き後の魚人島をはじめ、いくつかの島々を自身の縄張りに置いているが、“白ひげ”のように情や義理によるものではなく、「お菓子と引き換えの安全の保証」というビジネスの一環として保護を行っている。
プロフィール
本名 | シャーロット・リンリン |
---|---|
異名 | ビッグ・マム、天候を従える女 |
年齢 | 68歳 |
身長 | 880cm |
懸賞金 | 5000万ベリー→5億ベリー→43億8800万ベリー(女海賊最高金額) |
肩書き | 元四皇、万国女王 |
所属 | 羊の家→ロックス海賊団船員→ビッグ・マム海賊団船長 |
所属船 | クイーン・ママ・シャンテ号 |
悪魔の実 | ソルソルの実(超人系) |
覇気 | 覇王色、武装色、見聞色 |
武器 | プロメテウス、ヘラ、ナポレオン |
元武器 | ゼウス |
出身地 | 偉大なる航路 |
誕生日 | 2月15日(お菓子の日) |
星座 | みずがめ座 |
血液型 | X型(現実におけるA型) |
好きな食べ物 | 甘いお菓子 |
嫌いな食べ物 | リコリス菓子 |
趣味 | お茶会、珍獣収集 |
イメージ動物 | 猪 |
一人称 | おれ |
笑い方 | ハ~ハハママママ |
初登場 | 単行本66巻 第651話『新世界からの声』 |
WT100 | 86位(9864票) |
CV | 藤田淑子(第571話) → 小山茉美(第786話~) |
人物
外見
容姿は丸々とした体つきで、コロコロ変わる喜怒哀楽がはっきりとした表情と口紅や大きな鼻と丸い形の強靭な歯が特徴。頭には水玉模様のバンダナとその上からホーミーズの『二角帽ナポレオン』を被り、ピンク色の巻き毛の髪にこれまたピンクの水玉模様のキャミソールのようなワンピースや白と黄色のマントを着用。左腕にハート型の赤いタトゥーを入れている。
ビッグ・マムの異名通り、身長はほぼ9mと同じ四皇の白ひげやカイドウを上回り、彼らはリンリンに比肩する体格を有しながらも身長差が余裕で1m以上もあるなど、四皇一の巨体という圧倒的なサイズを誇る。
当然ながら常人4人分くらいあるゲッコー・モリアやバーソロミュー・くま以上の巨体(常人5人分くらいの背丈)で、彼女に握られたブルックやニジ、ヨンジが人形のように見えるほど。
リンリン自身の若い頃の姿は、まだ幼い5歳の時点で巨人族の子供並みの巨体(並んだ身長140cmのシュトロイゼンと比べて恐らく5mくらい)ながらも太っていた一方、20代~30代の頃は顔立ちが整った美人になってたが、度重なる出産と食生活の不摂生もあってか成長期の終わった40代頃には太り始めており今に至った様子。
驚くべきことに、これだけ人間離れした存在でありながらリンリンの種族は人間であることが明言されている。
シャーロット・リンリン(人間5歳)という紹介文に衝撃を受けた者も少なくないだろう。
性格
「筋道さえ通ってりゃおれァ話のわかる女なんだ!!」
昔ながらの田舎のおばあちゃんのような非常に男勝りな性格で、「傍若無人」「独裁者」「暴君」という表現がまさに当てはまる、到底話のわかるとは言い難い人物。
魚人島篇では大量の財宝を貰える事でお菓子の納期に間に合わなかったのを許しても良いのではないかと提案してきたタマゴ男爵に対し、 「欲しい物を妥協する海賊がどこにいる!!?」 と激怒している。
部下は勿論、子供達からでさえも非常に恐れられ、リンリンに逆らう者は存在しない。
リンリンは極めて我儘な性格であるが、自分が欲しい物は自分の家族や国民も欲しいはずと言う歪んだ認知の持ち主であり、それゆえに自身の行為に対して絶対的な正当化がされている。
「おれの言う事をきけばみんな幸せに決まってる!!! きかない奴はわがままだから殺さなくちゃ!!!」 と言う名台詞は彼女のスタンスを如実に表している。
そのため、基本的に自身の要求を拒絶した者は絶対に許さない。例えば、彼女がお茶会の招待状を送った場合「親の葬式で当日欠席する」などと丁寧に返事をしたとしても、自身に恥をかかせた罰として拒否した者の身内の誰かの首を送りつけるというえげつない報復を行っており、これは部下であるペコムズの口から畏怖をもって語られている。この恐ろしさから部下達は彼女のお茶会は「地獄の鬼でも顔を出す」と評している。
また、「来る者は拒まず、去る者は殺す」の考えが根底にあるのも彼女の特徴。
自分の傘下に入ろうとする者を選別することない平等主義を持つ一方で、傘下を抜けたいと希望する者を許さない。自分に無断で傘下から抜けようとする者は重大な裏切りとして必ず命を狙おうとする。
傘下から抜けたいことをきちんと話を通してきたものには一定の義理を重んじ、表向き無理に引きとめないのだが、自分が戦力を失う落とし前をルーレット形式で要求し、加えてルーレットに表示されている数字の分、共に生け贄となる“仲間の犠牲の数”が決まるという無茶苦茶な制裁を科す。
しかもこのルーレットは回した者が必ず死ぬようになっており、過去傘下を抜けたいと申し出た者は結果的に全員死亡したという。義理堅いジンベエでさえ(丁寧に挨拶をした上でなるべく穏便に脱退を持ちかけようとしていたのだが)ルーレットを断念した後「死と悪意しか感じられない」「理不尽な制裁」と評し、ルフィやベッジと組んで反乱を起こさざるを得なかった。
本項冒頭の台詞を語りながら政略結婚相手の暗殺計画を企てているなど、非道も厭わない冷徹な策略家。その凄惨な内容を目を血走らせ興奮しながら捲し立てる、海賊らしい残忍さを持つ人物である。
家族であろうと失態には厳しいようだが、基本的には 「ハハハ…誰にだって殺したい人間の100や200はいるもんだ!! 仲良くやんな我が子達」 と、喧嘩しかける幼い子供達をいさめるなど(一応)母親らしい一面を見せることもある。また、ジェルマ66を前に緊張する兵士を「おだまり……!! バカだね 絵物語に感化されやがって…──必要なのは表面(うわべ)じゃねェ…!!」とたしなめたり、良くも悪くも真面目なカタクリに対しては、普段の傲慢さだけでなく、家長としての厳しさが混じったような口調で問い詰めようとした場面も。
敵に不本意ながら利用された娘をそれほど執拗に責めることもなかったが、反面明確に自身を裏切り殺そうとした娘には容赦なくその力を振るう。
なお他人であっても相手が10歳以下の場合、まれに「マザーモード」という穏やかな顔になる事がある。第1011話では怒りながらキッドを探している最中にナミやウソップと遭遇し、麦わらの一味と気づいて睨みつけるも、一緒にいたお玉が「おリンちゃん!!」と声をかけてくると、「どうしたんだいお前、こんな危ねェ場所に来て!!」と心配したり、記憶喪失になった自分の世話をしてくれて、僅かながらもおしるこをご馳走してくれた事に笑顔で礼を言うなど「気の良いおばちゃん」という感じで接していた。
しかし、一方でお玉が自身から離れウソップやナミたちと一緒に逃げようとした際には先ほどまでの友情の厚さはどこへやら、「去るものは殺す」思想に基づき警告すらかけずに彼女を抹殺しようとしており、下記の仁義も含めあくまでもその基準は自分自身にあるようでもある。
厳密に言えば、リンリンの「去る者は殺す」思想は過去、慕っていた人物や仲間達がある日突然失踪してしまい、1人ぼっちになってしまった事へのトラウマを抱えているためと思われる。その原因が自身にあると知らず、信頼していた仲間であっても居なくなってしまうことを恐れているため、たとえ誰であろうと自身の前から離れていくのが許せないのであろう(一方、後述の夫やかつてのクルーの様に身内とみなしてない者や対峙すると本当に厄介な相手にはそこまでこだわってない様子)。
また、慢心している様子は多いものの指揮を執る際は驕りを見せず、モンキー・D・ルフィがホールケーキアイランドに侵入した際は、一切彼らを侮ることなく、自身の最高戦力将星の一人であるクラッカーを討伐のために向かわせている。普段の傲慢さと無縁な狡猾さも、彼女が大海賊団をまとめる首領たる所以である。
一度は自身の野望を打ち砕き屈辱を少なからず与えたルフィにも顔見ては倒すだのと言ってはいるものの、ホールケーキアイランド戦時よりも強くなっているのを感じたのか、再びカイドウと相対した際は空中にいるようにした上で新たに強力な技や戦術で応戦したりと、戦いにおいても決して抜かりない姿勢を貫いている。
このように極めて傍若無人な人物で恐怖で支配したりするものの、逆らわなければ基本的に被害は少ない。”みかじめ料”として寿命の一部を提供する限りは国民への手厚い庇護をし、それなりにビジネスを行い裏社会との強い繋がりも持つなど、言うなればマフィアの頭領といったイメージが強い。
豪胆さと狡猾さが普段のリンリンの特徴といえる。
なお、「仁義」への拘りはあるのか、記憶の無かった自分が世話になったおこぼれ町がカイドウの部下によって滅ぼされたと聞いた際には 「非道な海賊の世界にも……仁義ってモンがあんだろうが アホンダラァ!!!」 と激怒し、ナミとウソップを追ってきたページワンが目に入るや、おこぼれ町の件に関わったか定かでない彼を、事実上八つ当たりで殴り倒している。
この事は基本的に自分の口で言いふらさないため、同盟相手からすれば一切見えない地雷原が仕込まれていることになる。
また、過去の思い出に踏み込まれることを嫌い、聞いた者を覇王色の覇気で気絶させるほど。
その心の中では今でも育ての親・心の親ともいえるマザー・カルメルのことを慕っている。
四皇という、海賊王についで海の栄華を極めた立場にいる彼女だが、そんな彼女の人生最良の記憶は、カルメルと羊の家の子供達に囲まれ、クロカンブッシュを用意してもらって祝ってもらった6歳の日の誕生日会。
リンリンは、カルメルの願いを自分なりにかなえようと行動してきた、幼さをいまだに抱えている(その6歳の誕生日以降、碌な教育等を受けていないと考えればむべなるかな)。
大家族
夫43人、息子46人、娘39人の129人家族という大所帯を抱えており、異名の“ビッグ・マム”はこれも体格以外の由来の1つと思われる。
現在68歳で、約8年前までの約42年間、毎年子供を産み続けていた。
双子や三つ子も複数組もおり、一番多いのは18歳の兄弟姉妹、男女5人ずつの10つ子。
夫達の容姿・種族は様々であり、子供達の容姿もバラエティ豊かで、海賊団の一員として名を挙げている者も多い。
ほぼ全員に食べ物の名前がそのまま付けられている辺りからするに、命名しているのは彼女と思われる。
しかも、一部においては飴やビスケットを生み出せるといった、お菓子作りをするには最適過ぎる悪魔の実の能力者も多い。
傘下入りを望む者達には、条件として自身の子供と血縁を結ぶことを要求する。娘達は政略結婚のために海賊に嫁いでいることも多く、結婚後もシャーロット姓を名乗り続ける。政略結婚を強制される体制に不満を持つ子供たちがいないわけでもなく自由な結婚を求めて海に飛び出した娘もいる。
リンリン本人は政略結婚なので相手との相性などはどうでもいいと開き直って子供たちに結婚を強制しているが、一応アラディン・プラリネ夫妻やベッジ・シフォン夫妻の仲はとても良好。
なお、リンリン本人の結婚スタイルについてはもっとシビアである。
彼女が結婚によって欲しがっているのは夫ではなく「血のつながった子供」であり、夫に対しては「血のつながりもない赤の他人」と徹底的に冷淡である。子供が生まれたらその夫は捨てて、また新しい子を産むために別の夫を探すのである。事実、ビッグ・マム海賊団および万国の要職にはリンリンの子供たちの名が連なっているが、夫たちは一人もいない。
90巻SBSによると作者は「(ビッグ・マムが夫を選ぶ際はお見合いでは無く)海賊ですよ。奪うんです。子供ができたら捨てるんです!!目的は色んな種族の子供を持つ事。怖い女です」とコメントしている事から、化け物じみた外見に似合わず過去に複数の男性と婚姻関係を持ったことについては、過去の描写から娘と同様外見ではなく自身にも「政略目的」で権力を使って相手の男性と自身を婚約させた可能性がある。
家族と見なしているのは我が子だけ(一部例外あり)であり、夫は一重に「子供を授かるため」の道具扱いで、生まれてしまえばそれ限りで用済みとして放逐される様子。
例として夫の一人であるパウンドも哀れにも我が子たちと対面することすら(ほぼ)許されずに追い出された模様。こんなヒトなので今現在関係継続中の夫はいないと思われる。一方で先に生まれた子供達とは「義父」として交流の機会を与えていたり、昔話をその夫の実子に当たる子供に話した事がある(子供側からの話を聞く限り愚痴話ではあったが)らしいなどいなかった事にした扱いをしてるわけでもない様子。
ちなみに夫の数は少ないが、リンリンの体質もあってか、四つ子や三つ子・最大で十つ子もいる。
記憶喪失状態から回復した際に最初に思い浮かべるのが子供達の笑顔だったりなど、歪んでいるものの家族への愛はあるようで、子供達はカタクリやスムージーのように母や国のために努力する者が多い。
一方で、全員から慕われているとは言い難く、既に成人した子供たちはリンリンから処罰されることを恐れ保身に走り報告を誤魔化す者がいたり、一部の娘達からはあっさり裏切られている。
リンリンの強権的な振る舞いや、場合によっては家族に対しても全く容赦のなくなる性格・体質の弊害が出てしまっていると言える。
過去最大の政略結婚をご破算にして出奔した"背徳(バカ)娘"のことは見つけ次第殺し屋を送り込んで消してやろうと付け狙っており、彼女の替え玉に失敗したシフォンに対しては顔を見る度に苛烈な虐待を加えていた。
また、三つ目族のハーフであるプリンに対し、実母であるにもかかわらず幼少期の彼女の容姿を気味悪がって前髪を伸ばさせており、その後も人形のように思い通りに動かしてきた様子。現在では一番のお気に入りとして猫可愛がりながらも三つ目族の真の開眼を毎度のように催促しているようで、後にカイドウに進捗を訪ねられた際には 「どうだか」 と吐き捨てている。
好きなもの
上述の通り、甘いお菓子は何よりも大好物。
甘い菓子には常軌を逸した貪欲さの持ち主で、初登場時にお菓子の納期が遅れたため国を1つ滅ぼしてきたという部下の報告を聞いて、「お菓子が納められないのならば殺さなくてはいけない」という趣旨の発言をしており、これは彼女の中では絶対的ルールのようである(しかも下記の回想を見るに自ら襲撃しておきながら無理やり提供する協定を結ばせた国や地域も少なくなかった模様)。
目当てのお菓子を探そうとしていたところに(その場の破壊を止めさせるためとはいえ)在処を出たらめに告げた長男に対し、後述の暴走が相まって「嘘だったらお前の命で償え」と命じた上、矛先である麦わらの一味相手に「息子を殺さなければならなくなるから教えられたその場所にお菓子がないなんて事はあってはならない」などと無茶苦茶な理屈を捲し立てるなど、その執着心は異常の域に入っている。
一方で下記のお茶会と最高の想い出等の関係からして大食いキャラにありそうな一人占めして食べる事には(平時は)こだわっていない模様。
定期的に「お茶会」と称されている行事を行っており、その時も自分の気に入っているお菓子を部下達に用意させ、お菓子だけでなくその材料も調達させる為ならば、略奪はおろか戦争を仕掛ける事も辞さない。
また、財宝に興味がないかと言えば全くそんなことはなく、世界各地の珍しい宝物・珍品を多数所持しており、あくまでお菓子優先なだけで海賊らしくそちらも大好きである。このため、魚人島から送られた伝説の玉手箱をお茶会で開くことをメインの楽しみの一つにしていた。
また、珍しい生き物の類にも目がなく、無類の珍獣コレクターとして名高い。世界各地の希少種・絶滅種を飼育しており、普段は息子のモンドールの能力を利用した「本の檻」の中に大事に仕舞われ、自慢用に図鑑形式で閲覧出来るようにまでさせている。
夢
意外にも、世界中全ての種族が差別される事の無い理想郷を建国させる事を夢としているらしく、ホールケーキアイランドを中心とする自身の縄張りである海域は「万国(トットランド)」と呼称され、彼女はその海域の頂点に立つ女王でもある。
領土内は基本的に平穏を保ち、様々な種族の住民は寿命を条件に平和を謳歌している。
また世界中の人種が家族となり、全員が同じ目線で食卓を囲むという夢を謳っているが、これは一般的な「立場などに関係なく平等」と言う意味ではなく「物理的に全員が同じ目線の高さ」と言う意味である。そのために文字通り、家族全員を自分並みに巨大化させようと目論んでおり、シーザー・クラウンに人体巨大化の研究を依頼していた。
これは幼少期の頃に、マザー・カルメルが語った言葉をそのままの意味で誤解釈した結果だと思われ、それを現在に至っても信じて疑っておらず、また自身が小さくなるという発想にも至らないようである。
ただし、人体の巨大化は天才科学者のベガパンクですら未だ実現できていない人類未踏の研究である。
エンポリオ・イワンコフのような悪魔の実の能力ならば可能かもしれないが、そんな人間はそうそう見つからないようだ。
ブリュレによればその対象には知性を持たない動物なども含まれており、珍獣コレクターとしての一面は夢に基づく保護活動の一環でもある模様。
しかし、三つ目族に対しては(その見た目ではなく、第三の目の力で自身の思考を覗かれることを危惧した可能性もあるが)「気味がわるい」と評したように、(上記の誤解釈が災いしてか)種族的な偏見がないのかと言えばそうでもない様子。
前述の珍獣コレクションの中には「手長足長人間」など人間も含まれていて幽閉されており、ブルックを珍獣扱いしてコレクションに入れようともしていた。
また、希少な種族さえも暮らしているこの万国には巨人族がいない。これはリンリンが過去に巨人族と確執をかかえ、全世界の巨人族に嫌われているため。
他にも二種類の種族が不在であり、その内の一種である百獣海賊団のキングを直接スカウトした事もある(無論、カイドウを慕うキングには断られたが)。また、最後の一種についてはどうやらすでに絶滅している可能性もあるらしい。
食いわずらい
タマゴ男爵 「ママの食いわずらいにも困ったものだボン‼」
ホーミーズA 「発作は突然来るからな」
部下の女A 「如何なる災害よりもタチが悪い...」
ナポレオン 「ママ‼ママ‼この街マズいって‼」
プロメテウス 「城まで壊しかねない‼」
ゼウス 「無理無理、聞こえないって」
普段は暴君ながらも狡猾さと豪胆さを併せ持つリンリンの最大の問題点。
起こることこそ少ないものの、時折、頭に浮かんだ食べたいものが食べられないと起こる恋わずらいならぬ「食いわずらい」という禁断症状を起こすことがある。
いったんそうなると見境なく周囲のものを食しながら怪獣のごとく暴れ回り、自身の国の一部であるナッツ島だろうと、更に時には自分の部下(実の息子も含む)でさえ手にかけてしまうことも。
その癇癪を収めるためには、彼女が望むお菓子を食べさせて満足させる以外に手はない。
しかし、彼女が癇癪を起こした際に欲しがるお菓子も毎回同じというわけではないのに加え、作ったり材料を集めたりするのが難しいものも多いため、止めること自体が(物理的にも精神的な面でも)容易ではない。
この状態の彼女は言葉こそ聞いても理性が一切働いていない状態のため、要求するお菓子の用意を宣言したとしても持ってくるのを待って静まる事は全くなく、立ちふさがった場合はたとえ実子であろうと殺されかねず、それで止まることもない。
ただし、食いわずらいに詳しい様子のモンドールが「ウソだろママ!」と驚愕している為、作中で行われた実子を手に掛けるケース自体はかなり珍しい模様。
人間の意思で生じる被害でありながら何人の力でも言葉でも止めようがないため上記の様に評されている。
この状態では目的のものを食べない限りは食事もほとんどとらない(満足できない)ため、わずか十数時間で劇的に痩せていき、最終的には骨と皮のような不気味な形相と化す。
痩せていくと敏捷性も上がっていき、また作中ではあまりに長びいた際は理性を取り戻す描写もあったが、この状態でもあくまで目当ての食べ物を最優先に行動している。
これほど厄介ながらお菓子と自身の欲求を第一に考える性分のためか正気に戻っても暴走時の記憶が残っておらず、自身では全く自覚がないのが窺え、記憶が飛んだり周囲が破壊されてるのも殆ど疑問に思わない。
カイドウとの関係
同じ四皇であるカイドウとは共に38年前に壊滅したロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団の船員であった。
ロックス崩壊の日に、カイドウにとある悪魔の実を与えたのはリンリンであり、彼女曰く「一生の恩」だという(まあ間違ってはいないのだが)。カイドウ自身は昔の話だと返答してはいるものの借りの存在は認めている。また、現在は犬猿の仲と呼ばれる二人だが、リンリンは今でもカイドウの事を実の弟の様に思っているとのこと。
ロード“歴史の本文”の在処を尋ねて「本性を出すのが早すぎる」とたしなめられるなど油断ならない関係のようだが、お互いを「ババア」「小僧」と罵り合いつつも合体技を披露したり、共闘まで行っている辺り、特別仲が悪いわけでもなさそうである。
44年前に初対面でカイドウに年齢を聞き「ロックスはロクでもねェ男だから信用はするな。何かあったらおれを頼れ」と言っているなど、血の繋がった家族以外には冷徹なリンリンとしては珍しく本当に弟のように思っていた模様。
巨人族との関係
シフォンによれば何らかの事情で全ての巨人族との間で確執があったとのこと(詳しくは過去の項目を参照)。
一度、巨人族の国『エルバフ』の王子ロキが、娘のローラに一目惚れしたことから結婚に持ち込めば巨人族との確執は解消される(もちろんそれだけでなく、巨人族の兵力の獲得も目的)だろうと目論んでいたが、当のローラは結婚式当日に出奔。
これがきっかけに巨人族との関係はより悪化。
そしてシフォン・ローラ姉妹との確執も生まれた。
万国に巨人族がいないのもこのためで、また巨人族の兵力が手に入れられなかったことから人間の巨大化計画を目論むようになった。
ビッグ・マム曰く、世界一の強国と名高いエルバフの軍隊を得ていれば、今頃はカイドウ、シャンクス、白ひげといった四皇の面々を倒し、海賊王になっていたとのこと。
戦闘能力
悪魔の実
「ライフ(寿命) オア トリート(お菓子)……!?」
名称 | ソルソルの実 |
---|---|
分類 | 超人系 |
能力 |
|
欠点 |
|
自他の魂(生命エネルギー、寿命)を操るソルソルの実の能力者。
実の名称は、「ソウル(魂)」の他に、「寿命を剃/削る(ソル)」からだという考察もある。
また、自身のソウルを喰う事によって巨大化し更なる脅威へと変容する。
更にソウルを自身の骨折した骨に与え擬人化させる事によって、ローのガンマナイフを喰らったドフラミンゴが能力による内臓修復を行ったのと同じ要領での応急処置も行う事も可能。アニメでは視聴者にわかりやすく、命を与えられた骨達がお互いにくっ付け合って折れた骨を元に戻した。
加えて、擬人化した全てのものたちを含めると、その戦力はとてつもないともいえる。
詳細は後述するが、能力者が規格外な力量と強さ、巨大な魂の持ち主であるからこそ、強大な能力に変貌している。
またソルソルの実の能力の「魂をものに入れて使役したり奪って操る事ができる」範疇に含まれない巨大化を使えるため、悪魔の実の能力は覚醒していると思われる。
ホーミーズ
ビッグマムは自分の魂を具現化し黒いスライムのような存在として使役できる他、同意を得た相手や自身に臆した相手から寿命を奪う事ができる。
生命エネルギーはどこから確保しているのかというと、半年に一度、万国(トットランド)の住人から一ヶ月分の寿命(生命)を抜き取ることで、代わりに住民達の安全を保証している(1年で2ヶ月分、6年で1年分の寿命が減ってしまうことになる)。
奪った寿命は無機物に入れる事で人格を与える事が出来たり、動物に入れば擬人化を起こす。ただし、他人や死体に魂を入れる事はできず、もう一つの魂たる影を操るカゲカゲの実とは相互互換ともいえる。また、戻すことも出来ないので(自身を含め)寿命を延ばす効果はないと思われる。また、ソルはラテン語で太陽を意味する言葉でもあり、カゲカゲの実とは名称も対照的。
そうして生まれた存在は「ホーミーズ」と呼ばれ、ビッグ・マムの命令には決して逆らえない。
国民達から確保した生命エネルギーは国中にばらまかれ、さながらドレスローザのおもちゃのように、万国ではしゃべるカーペットや植物やお菓子、『歌う船』なる奇妙なものも見ることが出来る。
そして万国はそうした意思を持つ草花たちによって監視されており、ビッグ・マムの目を盗んで潜入することは極めて困難である。
また、擬人化した動物達は海賊団の一員として行動していることもある。
特別なホーミーズ
ホーミーズの中でも、ビッグマム本人のソウルを直接分け与られた、いわば彼女の分身。
雲や火の玉と、一見すると戦闘力はさほど高くないように見えるが、これらは天候を自在に操る能力を持ち、将星の一人スナックを討ったウルージの船をクラッカー軍と共にあっという間に沈めたという。
彼女が「怒った」際は島全土を悪天候が襲って嵐が巻き起こり、ナミはこれらの事象が人一人の力で引き起こされていることに戦慄を覚えていた。
彼らはマムの睡眠中にも休眠状態で付き添い、敵襲の際にはたとえハエ一匹であっても全力を傾けて殲滅している。
これまで登場した特別なホーミーズは以下の通り。
No | 名前・外見 | 概要 |
---|---|---|
1 | ||
2 |
| |
3 |
| |
4 | ||
EX |
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|
更にゼウスに乗り、プロメテウスを髪に宿らせ、ナポレオンを刃に移す事で、上イラストのような世にも恐ろしい姿も披露した。これは子供たちも目にした事がないらしくダイフクは「何だ!?ありゃ!」と驚愕していた。
基礎戦闘力
生まれつきとてつもない強さを持っていたようで、叩いた一撃で熊を即死させる、5歳にして巨人族をなぎ倒し、巨人族の村を半壊させる程であった。当時マザー・カルメルからは海軍に属せば将来の大将・元帥クラス、サイファーポールに属せば天竜人達の最強の盾になる逸材とされていた。
現在はギア4バウンドマン状態のルフィでも全く足元にも及ばない程の四皇に恥じぬ実力の持ち主。ワノ国の鬼ヶ島で同じく四皇のカイドウと互角以上の戦いを夜通し繰り広げる技量を持ち、一撃一撃が大規模の天災を引き起こす凄まじいまでの実力を誇る(なお、カイドウとの夜通しの殺し合いの詳細はアニメ版第953話で描かれている)。
記憶喪失で技も使えず純粋な身体能力のみの状態ですら、ただでさえタフな動物系古代種、かつ自身の数倍はあろうかという巨大恐竜に変身した四皇最高幹部を優に2撃で容易く粉砕している。
覇気を込めてない純粋な肉体の頑強さは異常なレベルで、ブルックは傷一つつけられず、サンジには彼女の体は「まるで鉄の風船」「とても傷つけられるとは思えない」と評され、カポネ・ベッジ曰く、「銃でも大砲でも傷つかない体」。老衰と病で大きく衰えていたとはいえ同じ四皇の白ひげがマリンフォードでの戦闘で名もない一将校にすら傷を負わされていたのを見るとその頑強の異常性がわかりやすい。
生死は不明だが地底のマグマ溜まりに落ちても原形を保っている様子。
作中では自身の分身たるゼウスによる最大級の雷撃、元王下七武海の奥義や四皇最高幹部の渾身の一撃などをもろに食らってもほとんどダメージにならず、アニメ第953話のカイドウとの戦闘では隙をついて放った“威国”をカイドウの“雷鳴八卦”で打ち返されるも、返ってきたそれを素手で武装硬化すらせず弾き飛ばしていることからもその皮膚の常軌を逸した防御力を窺い知れる。
万国編終盤にて空腹が極限に達して一時的に痩せてしまった際には驚愕の身軽さも見せていた。
なお、彼女の悪魔の実の能力は身体能力を底上げするものでは無いため、このフィジカルは元々持っているもの。(※そもそも、悪魔の実はあくまでも能力が能力者に付加されたものに過ぎないため、能力を得ればすぐに力がパワーアップするなどという都合の良いものではない上、自らの力で大きい能力として発揮する場合はどんな能力も体力を消耗する等のデメリットが生じる可能性がある)。
その他にも、ナポレオンを用いた剣技や、能力による即死攻撃、分身たるホーミーズによる天候操作や合体攻撃、その他ホーミーズによる本人のサポートや奇襲など豊富な攻撃バリエーションと手数を誇る。
食いわずらいを起こした彼女が暴れ始め万国を滅ぼそうとすれば、最高戦力であるスイート3将星の面々ですらそれを抑えるのは不可能とカタクリは語っていた。
長男ペロスペローもまた、逆に「彼女が死ねばビッグ・マム海賊団は終わり」と断言しており、彼女なしではカイドウやマーシャル・D・ティーチといった他の四皇の進撃を阻止することは不可能な様子。
四皇大幹部クラスでも抑えられない、全盛期の四皇の実力の高さを物語っている。
また、これだけの戦闘技能を持ちながら、前述のカゲカゲの実の持ち主であるゲッコー・モリアが行ったような狡猾な防衛・監視システムを築くなど、武芸者が躊躇いそうな搦め手も用いている。
欠点としては、空中を移動する手段は『雷雲"ゼウス"』を始めとする自身の魂を与えた物質に依存すること。
足場への攻撃に不覚を取ることがあり、飛行手段を断たれたまま海に落ちれば力を失って沈んでしまう。後述のワノ国に乗り込んだ際にも百獣海賊団の大看板であるキングに船もろとも撃ち落されて海に投げ出された際は、運が悪ければそのまま海に沈んで死んでいた可能性もあった。
キッドとローは彼女自体の撃破よりも海に落としてその場からの退場を狙っていた。
また最大の弱点として、「マザー・カルメル」なる人物との思い出を大切にしているようで、彼女の写真を給仕が落とした時には数分間にわたって広範囲で周囲を破壊する程の覇王色の覇気をまき散らしながら絶叫と共に発狂し、その間だけは体が床についただけで膝をすりむくまでに弱体化する。
巨人族の剣技
内容 |
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ただの力任せではなく『二角帽"ナポレオン"』を用いた巨人族の剣技をも修得している。その力は軽いひと振りでも島の地形を大きく変えてしまうほど。
覇気
内容 |
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不明点 |
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3種類の覇気全てを修得している。その実力は非常に練度が高く、強さも天変地異を引き起こす程強大。その巨大な覇気は、カイドウと最初の一撃を交えた際には天を二つに裂く衝撃を生み、覇気が全方位に暴発、その戦いの余波で鬼ヶ島が危うく崩壊寸前になるところだった。
内容 |
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次男カタクリ・ルフィ・カイドウ程の精度(未来予知の領域)までには高められてはいないものの、基本的な見聞色の覇気は四皇クラスなだけあって練度は非常に高い。
但し、彼女は怒りなどの感情の高ぶりで冷静さを失うことも多くあり、3種類の覇気の中でもあまり得意ではない様子。また、彼女の覇気もカイドウ同様に巨大であるが故、あまり覇気を外に暴発させると遥か遠く離れている見聞色の覇気使いに彼女の存在や位置を探知されてしまう欠点も存在。
内容 |
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武装色の覇気も極めて高水準に鍛え上げられており、彼女の覇気はカイドウ同様に物理攻撃ではない悪魔の実の能力による攻撃を遮断し、生半可な攻撃を無力化する程非常に強大である(分身たる存在にブルックのヨミヨミの力が効かなかったり、トラファルガー・ローのオペオペの攻撃でも動かすことができない)。
特に武装色の覇気を纏い硬化させた腕は、当時最強形態であったギア4バウンドマン状態のルフィの攻撃を正面から難なく無傷で防ぎ切り、しまいには跳ね返しただけで、逆にギア4バウンドマン状態を強制解除させて、ルフィを戦闘不能にしてしまう程(同じく武装硬化でガードしたドフラミンゴは、防ぎ切れず大ダメージを受けている)。
さらに直接触れずに弾き飛ばし、内部から破壊することできる「外に覇気を纏う技術」も修得している様子(アニメ版では硬化した拳を中心にして大きな球状を描くように纏っている)。その力は後述の「覇王色を纏う技術」を併用して使用することで、さらに規格外な威力を発揮する。その強さは恐竜に変身した飛び六胞を一撃で沈めた挙句、覇気の余波が遥か遠く離れた下の海まで到達して波立つ程。
内容 |
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覇王色の覇気も非常に練度が高く、纏う段階にまで達している。
彼女が威圧感や殺気を発散させると、広範囲な挙句に物理的な破壊力を生む。
覇王色の覇気を纏い、前述の覇気と併用して使用することでより強大な威力を発揮することもできる。
技
- 魂への言葉(ソウル・ポーカス)
ソルソルの実の能力。人が必ず持つ生への執着に直接話しかけ、僅かでもビッグ・マムに臆したり死を恐れた者から寿命を奪い取る(この際相手の体から浮き上がりかけた生命エネルギーを引きちぎるように抜き取る)。
その際は「ライフ オア デッド?」のように"Life or 〇〇?"と2択を迫る。
奪う寿命はビッグ・マムが任意に決められる為、仮に対象者の本来の寿命以上の年数を奪えば即死させられる(ただし抜こうとする前に寿命の量は計ることはできない)。
誰であろうと、自分に少しでも歯向かう意思を見せた者たちから次々と寿命を奪い取ってきた。多人数から一気に奪うことが可能であり、食いわずらいの発作が発生している時は非常に危険度が高い。
但し、ビッグ・マムが全く怖くない者には効果が無く、寿命も抜き取れない、相手に直接自分の声を聞かせる事が発動条件である為ナギナギの実やオペオペの実の能力で無音状態にされると技その物が使えなくなるという弱点がある。
とは言え並大抵の海賊がビッグ・マムの肉声が届く範囲に居て尚彼女を全く恐れないというのは不可能に近く、作中でこの技を回避できたのはジンベエ、キッド、ローの3人だけである。
- 天上の火(ヘブンリーフォイアー)
プロメテウスを掴んだ状態で殴ると同時にプロメテウスを叩きつけることで、拳が命中した場所を爆砕し広範囲の炎を発生させて攻撃する。
ファイヤーではなくフォイアー(ドイツ語)。
- 雷霆
ゼウスの口に腕を突っ込み、拳を振り下ろすと同時に引き出した雷撃で粉砕する。劇中ではこの技でヴィンスモーク・ジャッジを一撃で沈めた。
名前の元ネタはギリシャ神話のゼウスの最強武器である雷霆ケラウノスか。
アニメ版では雷撃を纏った掌底になっている。
- 威国
剣に変じたナポレオンを振るい斬撃を飛ばす。マム自身が「エルバフの槍」と称する通り本来は巨人族の遠当て技の一つで、ドリーとブロギーが使用した“覇国(はこく)”の系列にあたり、一人でも放てる廉価版といったもの。
本家の巨人族最強クラスが二人がかりで放った、島をも丸ごと飲み込む巨大海洋生物の体に風穴を穿つ“覇国”に比べればさすがに劣るが、キングバームの胴体をえぐり飛ばし、そのまま建物も貫通した後、数km以上も遠く離れた島の外の海上まで衝撃が届く威力を持つ。場合によっては何里も遠く離れた場所まで衝撃が届くこともあり、ワノ国でもルフィらを相手に数度も放っては地形を大きく変化させる威力を見せつけている。
- 皇帝剣 破々刃(コニャック ハハバ)
刀剣に移ったナポレオンにプロメテウスの炎を纏わせた「燃える巨剣」で攻撃する。
武装色でガードしたジンベエを吹き飛ばすほどの威力。
名前の由来ははフランスにある同名の街から名付けられたブランデーの一種から。
- 天上のボンボン(ヘブンリーボンボン)
プロメテウスの口から火の玉を吐き出す。
- 威鼓(インドラ)
相手に雷撃を浴びせる。
キラーに一撃を与えて叩き落とした。一方、キッドには命中はさせたものの、平然と立ち上がられた。
名前の元ネタはインド神話の雷神。
大規模に雷撃を縦横無尽に降り注がせる。
エネルの“万雷(ママラガン)”のような技で、その力はまさに「天災」と言わしめる程。
雷撃の一つ一つが意思を持つホーミーズであるために防御をすり抜けて感電するが、ゴムのルフィには効果が無かった。
名前の元ネタは菅原道真の神号。
- 刃母の炎(ははのひ)
皇帝剣の斬撃を振り下ろして敵を焼き斬る。
名前の由来はそのまま「母の日」から。
- 覇海(はかい)
「誰に口きいてんだい?小僧!」
人獣型となったカイドウと武器を利用して同時に打ち出す衝撃波。
四皇版“覇国(はこく)”と言える程の絶大な大技で、その規模は鬼ヶ島を覆う程の巨大な衝撃波で、カイドウを斬れる力量を持つゾロでさえ一瞬しか防げず、代償として全身の骨が粉砕するかのような衝撃を受ける。まさに全てを“破壊”するかの如く絶望的な威力で、ドクロドーム屋上の地形を大きく変化させ、鬼ヶ島を揺らす程の威力を持つ(但し、あくまでもドクロドーム屋上からほぼ水平に発射してゾロが一瞬ながら防御したためにこの程度の威力で済んだが、もし鬼ヶ島を破壊することを目的に真下に発射していた場合は全滅するような大惨事になっていただろう)。
ただし、衝撃波の正体は不明。
- 震御雷(フルゴラ)
新たに作成した雷のホーミーズ『ヘラ』を使用した雷撃。キッドとキラーを吹き飛ばしそのまま鬼ヶ島にも大穴を開ける程の威力。
名前の元ネタはローマ神話の雷光の女神。
- 鳴光砲(メーザーほう)
プロメテウス、ナポレオン、ヘラの合体技。
剣に変化したナポレオンを中心にプロメテウスとヘラが変形して融合、マムがナポレオンを振るうことでプロメテウスの口から光の矢と化したヘラを発射する。
人獣型のうるティを一撃で沈め、そのまま貫通し着弾箇所で大爆発を起こした。
ゼウスではこの技は不可能らしい。
元ネタは東宝の特撮映画に登場するメーサー兵器か。
- 盗まれた火(シュトーレンフォイア)
プロメテウスの炎撃。
元ネタはプロメテウスが天界の火を盗んだ逸話からか。
- マーマ急襲(レイド)
ヘラの雷撃を纏った状態で、一回転しながらナポレオンを振り下ろす(所謂縦回転斬り)剣技。
- 鳴光剣(メーザーサーベル)
鳴光砲と同じくプロメテウス、ナポレオン、ヘラの合体技。炎、剣、雷が融合した巨大な光の剣。
キッドの「磁気大魔牛」を上下真っ二つに焼き斬る程の切れ味を誇る。
- 母訪砲 三千里(バホウほう ミザリー)
ロー、キッド戦で攻撃技としては最後に使用。鳴光剣から放つ攻撃。
巨大化したヘラとプロメテウス、ナポレオンが合体し、巨大な女性の姿になる。おっぱい丸出しだが、ホーミーズなので問題無いだろう、多分。
下半身部分はランプの魔人のように伸縮自在であり、ナポレオンの刃部分と直結している。
三体のホーミーズが合体しただけあって桁違いの出力を誇る。猛スピードかつ、熾烈な肉弾戦でキッドを叩きのめした。
アニメ版での色は髪がオレンジ色で、それ以外が水色。
技名の由来は「波動砲」と「母をたずねて三千里」からか。ちなみに、「ミザリー」という読みは、アメリカ映画"Misery"から来ているものと思われ、実はこの映画の日本語吹き替え役の中にはリンリンの中の人がいる。
過去
エルバフの羊の家へ
5歳当時から巨人族を思わせるような巨体の持ち主であったが、彼女の回想に出てきた両親は普通の人間であった。
子供は産まれを選べないと言うが、親もまた産まれてくる子供を選べないということが分かる(なお、ピンク色の髪は母親譲り)。
5歳の時、生まれ故郷で幼児特有の無邪気さと人間離れした力から多大な被害を出し、普通なら処刑されてもおかしくない所を何とか国外追放で済まされ、自らではもう手に負えないと痛感した両親に聖母マザー・カルメルがいるという巨人族の住む国「エルバフ」のウォーランドにやむなく置き去りにされた。
置き去りにされた後、リンリン同様、様々な事情があり親元から離れざるを得なかった孤児を種族や身分に囚われず引き取る孤児院・「羊の家」を開いていたマザー・カルメルに拾われ、他の孤児達や巨人族と共に暮らしていた(この時、近所の村で修業を積んでいた少年時代のハイルディンやゲルズとも知り合いになっている)。
羊の家でも、狼と熊を仲直りさせてあげようと同じ檻に入れ、狼を食べてしまった熊を叱ろうと叩いた結果即死させてしまう、巨人族の子供の肌に止まった蚊を叩いてあげた結果何本も骨折させてしまう、魚人族のひれや手長族の腕を善意で千切ってあげようとする等無邪気さと強力無比な力によって同じ孤児院に住む孤児や巨人族に被害を与えてしまうが、それは5歳児故の無知と自分の力加減を知らなかったことが原因であり、彼女の行動の底にある善意を察していたカルメルに時にたしなめられつつも心優しいまなざしで見守られ、リンリンはそんなカルメルに懐いていった。
カルメルの辛抱強い見守りと教育もあり、10か月後にはエルバフの巨人族に受け入れられた模様で、周囲と打ち解け幸福な時間を過ごしていた。
しかし、「冬至祭」という12日間の断食を行う時期に入り、断食に備えて食すお菓子『セムラ』が、彼女の運命を大きく揺るがすことになる。
目を回しながら食らいつく程にセムラの味の虜になったリンリンはマザーの言いつけ通りに我慢して断食を続けるものの、初恋のように募らせていくセムラへの欲求を我慢できず、7日目におそらく人生で初めての食いわずらいを発症。
その結果、たった一人でエルバフの巨人族の村を(巨人達が絶食状態かつ真夜中の不意を突かれたとはいえ)半壊状態にしてしまった。
更に、暴れるリンリンを殺そうと立ちはだかった巨人族の英雄の一人である滝ひげのヨルルがリンリンに背負い投げで返り討ちにされてしまう。
騒動自体は巨人族が保管していたセムラを全てリンリンに食べさせ、カルメルが火災を収めたことで収まったが、老齢であったヨルルは負傷が元でそのまま死亡。
後に全巨人族に伝わるこの出来事により、リンリンはハイルディンやヨルルの戦友の山ひげのヤルルを初めとする巨人族から憎まれる事となった(当然、本人はその時のことを覚えていない)。
伝統どころか村そのものを破壊した上に一族の英雄の命を奪ったリンリンは殺されかけるも、カルメルの助命嘆願のおかげで命だけは助けられ、マザー・カルメルはリンリンや他の孤児達を連れ、エルバフを離れて別の島に羊の家を移す。
マザー・カルメルの失踪
その後は何事もなく平穏な日々が続いたが、リンリンが6歳の誕生日を迎え、誕生日パーティーを開いた際、マザー・カルメルと孤児達はセムラでできたクロカンブッシュを誕生日ケーキとしてリンリンにプレゼントした。
リンリンは嬉しさの余り、涙で周りが見えなくなる程の状態でセムラに無我夢中で喰らいつき、机までにも齧り付く勢いであった。そして腹がいっぱいになり一息つくリンリンだが、周りを見渡すとカルメルや子供達はいつのまにかいなくなってしまっていた。
なお、リンリンはセムラを目にしてからお腹が一杯になるまでの間、自我が食欲に完全に支配されてしまい、自分が何をしたのかの記憶が欠落している。つまり上述した「食いわずらい」の症状を起こしていたのだ。そのため、カルメルや子供達が何故いなくなったのかリンリンは現在に至るまで理解できていない。
そして、この一件の後よりリンリンはマザー・カルメルと同じ手品を行えるようになった。この事実がカルメルや子供達が姿を消した真相について多くの読者の想像力を刺激しているが、作中やファンブック等では明確な解答の提示は避けられている。
シュトロイゼンとの出会い
セムラを目にしたリンリンが食欲に支配され全てを喰らい尽くしているとき、その様子を目撃していた者がいた。
それが海賊崩れの料理人シュトロイゼン。後にビッグ・マム海賊団でナンバー2となる男である。
当時のシュトロイゼンは、たまたまこの羊の家がある島に立ち寄っていただけなのだが、リンリンの狂騒を目にした時は恐れるどころか笑い転げ、凄まじいパワーを持つ彼女を利用すれば海賊として成り上がれると直感。
そして、「みんなが突然姿を消した」ことへのショックで泣き崩れていた幼いリンリンに声をかけ、一人ぼっちになって行く当てもなくなったリンリンの相談に乗り、カルメルが語った夢の国の実現を提案する。その後は彼と行動を共にすることになり、これがリンリンの海賊稼業の始まりとなった。
なお、セムラを目にしたリンリンが食欲に支配された状態を目撃していた者に、シュトロイゼン以外にもカルメルや孤児達を心配して様子を見に来ていたエルバフの戦士も偶然いた。
その時の光景を目の当たりにして驚愕と恐怖と共にエルバフに逃げ帰ったこの巨人の報告により、やがてその話はエルバフを含む全巨人族の耳に届いた。
こうして、巨人族の間ではシャーロット・リンリンはその名前を口に出す事すら憚られる程に嫌悪される忌むべき存在となったのである。
また、海軍及び世界政府ですらこの所業やその後の子供とは思えない蛮行の数々に驚愕し、危険人物として当時6歳である彼女に5000万ベリーの懸賞金をかけるに至った
その次に更新された懸賞金はなんと10倍の5億ベリー、顔つきはまだ幼いながらもマントや帽子を着用して海賊としての貫禄が出て以前よりも確実に凶暴になり、お菓子を持ってくるか殺されるかの二択を強いて、なんの躊躇いもなく女子供含めた市民をゼウスとプロメテウスの力で虐殺するなど、凶暴性を更に増した。
ロックス海賊団へ
その後は成長しさらに実力をつけて沢山の子供を生み、ロックス・D・ジーベック率いるロックス海賊団に所属し、世界中で暴威を振るっていた模様。
24歳の頃には(エドワード・ニューゲートのスカウトで)ロックス海賊団の見習いとして入団したカイドウと出会い、その際「ロックスはロクでもない男だから信用はするな」「何か有ったらおれに言いな」と告げていた。
ビッグ・マム海賊団結成
38年前のゴッドバレー事件によってロックス海賊団壊滅後は独立し、子供たちと共に自身を船長とする「ビッグ・マム海賊団」を結成し、新世界にてホールケーキアイランドと34の島々を拠点とした「万国」を建国。ワンマン体制を敷いて女王として君臨し、現在に至る。
活躍
新世界編
魚人島編
ホーディ・ジョーンズの反乱が終結した直後の魚人島に、タマゴ男爵とペコムズがお菓子の徴収にやってくるが、納入予定のお菓子が納められないと知らせを聞いて激昂し、徴収役だったタマゴ男爵とペコムズのもとへ電伝虫で確認の連絡を入れてきた。
この時、リンリンにお菓子が納入出来ない事を報告するのを恐れ受話器を取る事に躊躇していたタマゴ男爵達を尻目にルフィが勝手に受話器を取ってしまった(これがリンリンとルフィの最初のコンタクトである)。
リンリンは淡々と魚人島への報復措置を予告したが、ルフィがそれに激昂し自分が納入予定のお菓子を全て食べてしまった事を正直に告げたことと自身に臆さなかったルフィに興味を抱き魚人島を標的から外した代わりに麦わらの一味を標的にすることを宣言する。
ホールケーキアイランド編
麦わらの一味が新世界に入った後、戦争屋の組織であるジェルマ66を率いる王族・ヴィンスモーク家を傘下に迎え入れその科学力を得るため、政略結婚を画策。
ヴィンスモーク・ジャッジらの勧めで、35人目の娘であるプリンと結婚相手として、ヴィンスモーク家三男・サンジに目をつけて麦わらの一味から連れ出させる(同時に一味に捕えられていたシーザーも狙っていた)。
しかし血縁を結ぶ気など全く無く、実際はクローン兵と科学力だけが目的であり、結婚式でヴィンスモーク家を皆殺しにする計画を企てる。
ルフィ達麦わらの一味のグループが、サンジを追ってホールケーキアイランドに潜入してきた際、すでにその潜入に気付いており、サンジとの接触を阻止するためクラッカーとブリュレを送り込む。
クラッカーが倒されると仇討ちの軍隊を編成しルフィとナミの生け捕りを命じ、これに成功する。
全ては順調にいくかに見えたが、結婚式当日、サンジを射殺する手はずだったプリンが彼から予想外の褒め言葉を受けて泣き崩れてしまい、それによって計画は狂い始めていく。
ひそかに脱出していたルフィ達が(見張りが制裁を恐れるあまり、脱走された事を隠蔽してしまっていた)、楽しみにしていたウェディングケーキを破壊しての乱入や事前に一味と連合軍を結んでいたジンベエとベッジの裏切りによりお茶会は大混乱になり、最終的にはルフィに変装したブルックによってカルメルの写真を割られたことで前述の大発狂に至った。
その後、その隙を突いたベッジ達によって殺されそうになったが、写真を割ったルフィ達への怒りから覇王色の覇気を発動させ、ベッジ達が放ったミサイルをものともせず生存。
正気に戻ったのち、城に変身してルフィたちを匿い避難させたベッジをボコボコに殴りつけ、裏切りへの制裁のためルフィもろとも抹殺しようと画策する。
自らベッジの護衛を買って出たジェルマ66の妨害を受けながらも圧倒的な兵力と力だけで彼らを追い詰め、一気に抹殺しようとしたが、自身へのお祝いの品として送られた玉手箱(送り主は魚人島の王ネプチューン。麦わらの一味に譲るもビッグ・マム海賊団に差し出した財宝に紛れ込んでいたもので、泥棒除けの爆弾が仕込まれていた)の爆発の衝撃で倒壊したホールケーキ城の崩壊に巻き込まれる。
自身はゼウスに助けられ、シュトロイゼンの能力によって瓦礫がお菓子化されたことによって海賊団の面々も事なきをえるものの、楽しみにしていた特別製のウェディングケーキを台無しにされたことにより、食いわずらいを発症してしまい、見境なく暴れ始めてしまう。
そしてペロスペローから、本当は予備のウェディングケーキを用意していたがルフィ達が奪っていったという報告(もちろんペロスペローによる時間稼ぎの為の虚偽報告)を聞きいれたことで、ルフィ達の元へ襲い掛かる。
途中目的のものがないはずのナッツ島を寄り道して壊滅状態に至らせるなど右往左往した末にサンジたちが作ったウェディングケーキを食べたことで正気に戻るも(上記の激やせした体形は食べ終わるとあっさり戻っていた)、結局ルフィ(とタイヨウの海賊団、ファイアタンク海賊団、何とかモンドールの能力で捕獲したニジとヨンジを除くジェルマ66や恐らくシーザーも)を逃がしてしまい、更にナミにゼウスを連れていかれることとなった。そのため、世界経済新聞にはルフィの勝利が大々的に報じられることとなった。
その後、電伝虫でカイドウに連絡を取り、ルフィへの報復のためワノ国に赴くことを宣言する。
ワノ国編
情報力によりワノ国の侵入法を把握しペロスペローやスムージーなどを始めとした主力戦力と共にワノ国に侵入するがキングによって船から蹴落とされ海へ落下(アニメでは船を曳かせていた鯉の背中に飛び乗るが、水上に飛び出し船に引っ張られ共に落ちていく鯉がじっとする筈もなくもがいたため滑り落ちるという半分自滅によるもの)、運よく九里へと漂着するが記憶を失ってしまう。
それを見つけたお玉たちによって九里へと連れられ、彼女のサイズに合う着物はないので髪型だけワノ国風にしてもらい、お鶴からおもてなしとしてもらったお汁粉に喜んだ。これに目を付けたチョッパー達は兎丼に囚われているルフィを助けるべく、「兎丼に行けばお汁粉がいっぱいある」と嘘の情報を教えたことで、「見ず知らずの自分に親切にしてくれた九里の人々にたらふくお汁粉を食べさせたい」という善意から、殴って従えさせたワニザメに乗ってチョッパー達とともに兎丼へ向かう。道中、腹が減ったときはチョッパーを見ていた。
翌日、兎丼に着いた後はクイーンを二撃で退け、彼が用意していたお汁粉の鍋を手に入れるが、肝心の中身はルフィとヒョウじいが昨晩こっそり食べつくしており、(全く事情を知らないとはいえ)うっかりそれを暴露したルフィに怒りの矛先を向け、追い回し兎丼全体を巻き込むまでに大暴れする。だがこの間に立ち直ったクイーンの逆襲を受けるが倒れず記憶を取り戻し、クイーンに気づいて威嚇したがさすがに疲れたのか爆睡したところを厳重に猛獣用の麻酔100本と純度100%の海楼石の鎖と錠で拘束され、鬼ヶ島に強制連行される(なおナポレオンは一緒にいたのだが人見知りな性格から記憶喪失の彼女に対しどうしていいか分からなかったようで終始大人しくしていた)。
鬼ヶ島に連行された後は、万国にまだいない3種族のうちの一種族であるキングに対して、船から蹴落とした一件を許す代わりにウチに来いと勧誘するが断られてしまう。その後、駆け付けたカイドウに錠を外してもらった上で壮絶な大喧嘩(あまりの激しさにカイドウの部下たちは鬼ヶ島から逃げようとした程)の末に、「協力して世界を取ってから決着をつける」として一時的に仲直りし、百獣海賊団とビッグ・マム海賊団で同盟を組んだことを声を揃えて宣言する(この際、おしるこを盃代わりに酌み交わしていた)。
なお、離ればなれになった家族は次期船長はペロスペローかカタクリかで意見が分かれていたが、スムージーは彼女の無事を信じていた。
火祭りの日、オーダーメイドの着物を着て花魁になり宴会に参加。討ち入りに来たウソップ達と再会した時にはゼウスを取り戻すべく追いかけ回した。
ソルソルの実の能力で鬼ヶ島のガラクタから付喪神のようなホーミーズを大量に産み出すと、さながら百鬼夜行の総大将の如くフロアに現れ、カイドウと共にワンピースを入手することを宣言した。
その後ナミにゼウスを再び奪われ、奪還しようと追跡するも、突如現れたフランキーの乗っていた『クロサイFR-U4号』の後輪が顔面に直撃しそのまま倒れ、ゼウスは同乗していたブルックに斬られた。そしてジンベエとロビンの連携で屋外へ退場、そこで再会したペロスペローに「カイドウとの同盟は自分の決めた事だ」と伝え、同時にその場にいたマルコと戦闘に入るが暫く戦った後カイドウのいる屋上へ向かい、カイドウと共にルフィ達最悪の世代の5人と対峙する。
「“歴史の本文(ポーネグリフ)” お前達なら持ってるよねェ!?楽しみだ!!!」
予想以上の善戦をする5人を相手にカイドウとの連携でルフィたちを追い詰めるもローの能力でゼウスたちを引き剥がされ、キッドの加勢もあって海中に転落しかけたが、一瞬の隙を付いたプロメテウスに救出される(アニメでは完全に落下して溺れたが、海中に潜ったプロメテウスに救出される)。
その後、不甲斐ないゼウスに愛想を尽かしてヘラを生成し、キッドとローを追って城内へ入る。
キッドとローを追う途中で遭遇したお玉からおこぼれ町がカイドウの部下に壊滅させられたことを聞き、お玉を狙うページワンを一撃で倒し、うるティにも深手を与える。
さらにナミとウソップにも襲い掛かるが、キッドに阻まれる。そして、キッドとローと再び戦闘となり、二人が前の戦闘で負っていたダメージもあって圧倒していくも、悪魔の実が覚醒の段階に至っていたキッドとローが命を削るリスクを覚悟して放った技による連携攻撃で大きな建造物並みの大きさをした鉄骨によって大量に圧し潰される形で周囲にいた人物達からも遂に倒れたと感じさせる大ダメージを受ける。
それでも怒りと執念、更には「ライフオアおしるこ」と魂への言葉(ソウル・ポーカス)を放っては周囲の人間達の魂を奪いながら立ち上がり、キッドが使用した鉄骨に奪った魂を宿らせて反撃に転じていく。
同時にビッグマム自身も相当な深手を負わせたキッドとローに対し、
「こんなに痛ェ思いしたのは…何十年振りだろうね… お前らを認めるよ…‼︎」
「トラファルガー・ロー…キャプテン・キッド‼︎麦わらのルフィも然り…お前ら確かにこの座を奪いに来たんだね…」
「奪ってみやがれ!!!四皇の座をよォ!!!」
と敬意を払う言葉と同時に自らの寿命の一年分を取り込むことで巨大化し、パワーアップして見せた。
その後もライブフロアで2人相手にリタイア目前まで追い込んでは、2人の大技でダメージを負う死闘を繰り広げ、ローの内部からの衝撃波により自身の頑丈な骨を折られるが、骨に魂を与える応急処置で治し、キッドの覚醒した能力で磁力を付与された塔に貼り付けられ、2度目の“磁気大魔牛(パンク・コルナディオ)”を喰らう寸前には塔ごと立ち上がり、攻撃を防御する怪物ぶりを発揮。それでもローの質量攻撃に加えてダメージ覚悟での追撃の“穿刺波動(パンクチャーヴィレ)”による特大なダメージを負い、更なる追い打ちにキッドの切り札である“電磁砲(ダムドパンク)”を受ける。
それでもまだ倒れず、再び“魂への言葉(ソウル・ポーカス)”を使い、周囲の人間に「50年の寿命をよこす」か「生きておれの奴隷になる」かを選ばせるも、ジンベエ同様キッドとローには微塵の恐怖も無い為に通用せず、ローの“凪(サイレント)”で発動そのものを無効化される。
切り札のミザリーもローの一刀で断ち切られ、更にキッドの2発目の“電磁砲(ダムドパンク)”を喰らい、鬼ヶ島の火薬庫を通過して島の下半分の地形を変えながら落下した。
そして、ローの能力により声も出せないまま、
「おいロジャー。お前何であんな事言い出しやがった!?」
「『大海賊時代』!?お前は死ぬから良いけどよ!?」
「世界中で名乗りを挙げるガキ共の相手すんのはおれらだぞ!!」
「教えて死ねよ!!『ひとつなぎの大秘宝』!!ちゃんとあんだろうな!!」
「何がある!? どこにある!? この国にもあるんだろ? ああ口惜しい‼︎」
「キッド!!ロー!!………あいつら許さん!!」
「おれがこれしきで!!!死ぬと思うなよォ!!」
かつて数多の海賊達を海へと駆り立てたロジャーへの文句、ローとキッドへの恨み、自身の敗北の心境と未練を残しながらローがワノ国本土に開けた巨大なクレーターから地下深くのマグマ溜まりまで落ちて行き、最終的に自身と共に落下した火薬庫の大量の爆薬の大爆発に巻き込まれ漸く撃破された。
激しい死闘の末、遂に最悪の世代の二人によって四皇の一角、ビッグ・マムことシャーロット・リンリンは討ち取られたのだった。
尚、リンリン敗北後のホーミーズ達(特にプロメテウスやヘラとナポレオン)や万国、クイーン・ママ・シャンテ号のその後は現在明らかにされてない。
生死については当初不明であったものの、アニメ版では
「原作では簡略化されていたリンリンが落ちていくシーン」が詳細に描写された。
カルメルとの出会いに始まり、ロジャーの時代やトットランド、カイドウとの共闘、ルフィ、キッド、ローとの激突がわかりやすく走馬灯で流れており事実上ほぼ死亡が確定したとみられる。
だが、ナミの相棒となったゼウスが健在なことからリンリンは生存してるのか、ホーミーズ自体はリンリンが死亡したとしても存在し続けられるかどうか原作においても明言もされてない為結局どうなったのかははっきりしていない。
余談
- 担当声優
当初起用されていた藤田氏が2018年に逝去されたため、藤田氏が演じたビッグ・マムは2014年のゲーム『超グランドバトルX』が最後となった。
後任の小山氏が選ばれたのはプロデューサーの櫻田氏曰く「マムの役を選ぶ際に他の四皇を演じる声優さんが超大物揃いなので、この人達に負けない存在感がある人にお願いしないと…!」という理由から。
- キャラクターデザイン
意志を持った菓子や果物、木、花、雲、太陽、話す動物等と共に歌って踊る等、モチーフはおそらく童話の魔女や不思議の国のアリスのハートの女王など。頭身と性格、対象の人生や運命を縛ったりするなど魔法チックな攻撃などは湯婆婆も参考にされているのかもしれない。
上記のキャラクターと似た雰囲気を感じるのは、それらキャラクター全てが、ある意味グレートマザーを象徴としており、生命を操る能力も恐らくその象徴に関係している。
父性を象徴している“白ひげ”エドワード・ニューゲートとは対になる存在になっている。また、マザー・カルメルとセットで、支配的なマイナス面の母性も象徴している。
本格的な登場までに容姿は大きく変化しており、シルエットで初登場したのは45巻。「ビッグ・マム」という異名が初登場したのは59巻。また、本人が初登場したのは66巻。そして彼女の容姿が全て明らかになったのは82巻。
魚人島編では、目と鼻が非常に大きく二頭身ながらも巨大な化け物じみた容姿だったが、WCI編では幾分かましな容姿に落ち着いている。
- ブラッディ・パーティー
ホールケーキ編での登場時、ホーミーズ達と歌を歌うシーンがあるが、アニメ版はその部分にかなり力を入れられた。
原作での原稿が挙げられた時から、アニメでミュージカル風にすることが構想されたとのこと。
収録が終わった際には現場で拍手が起こり、『週刊少年ジャンプ』2017年21・22合併号の巻末で「4月30日朝9:30放送のOPのビッグ・マムの登場シーンは絶対に観てほしいー!!!」とコメントした。
公式でもその部分をネットで公開するなど、その力の入れようがうかがえる。
2020年3月に発売されたコーエーテクモゲームスの無双シリーズとのタイアップ作品『ONEPIECE 海賊無双4』ではとうとうプレイアブルキャラ化、カイドウと並び、その巨体を活かして原作の暴君っぷりを再現した痛快なアクションをみせてくれる。
(なお、制作開始当時はワノ国篇が始まってすぐだったため、本作でのワノ国の物語はオリジナル展開が為されている)。
- 出産期間
現実世界では2021年5月4日にアフリカのマリ共和国の女性が9つ子を出産(外部リンク)し、ギネス世界記録には過去に18歳から40年間にわたり、27回出産、69人の子供を生んだ記録がある。
出産記録の現実世界との比較は以下の通り。
出産回数 | 出産人数 | 最大出産人数 | 出産期間 | 最高齢出産 | |
リンリン | 43回※1 | 85人 | 10つ子 | 42年 | 60歳 |
ギネス記録 | 29回 | 69人 | 8つ子 | 40年 | 57歳※2 |
※1一人っ子22回、双子11回、三つ子6回、四つ子2回、五つ子1回、10つ子1回。
※2自然妊娠によるもの。体外受精での記録は70歳。ただし、明治時代の記録では81歳の日本人女性による出産記録がある。
全ての項目においてギネス記録を少しずつ上回っているのは、さすがビッグ・マムというべきか。
関連イラスト
現在
子供時代
若リンリン
エイプリルフール(海賊“夢想”)
関連タグ
ONEPIECE 海賊 女海賊 ビッグ・マム ビッグマム海賊団 ソルソルの実 寿命 0世代
魔女 グレートマザー 毒親 女王 女帝 どうあがいても絶望 鬼婆 高性能ばあちゃん 怪物
新旧四皇
エドワード・ニューゲート シャンクス カイドウ マーシャル・D・ティーチ バギー モンキー・D・ルフィ
船員及び子供たち
シャーロット・スナック(元将星)
主な構成員(息子)
シャーロット・ペロスペロー シャーロット・ダイフク シャーロット・オーブン シャーロット・オペラ シャーロット・モンドール
主な構成員(娘)
シャーロット・アマンド シャーロット・ブリュレ シャーロット・ガレット シャーロット・プリン シャーロット・フランペ
主な構成員(部下)
シュトロイゼン タマゴ男爵 ペコムズ ボビン(ONEPIECE)
主な構成員(元傘下)
シャーロット・ローラ シャーロット・シフォン シャーロット・プラリネ…リンリンに反抗した娘たち
パウンド…ローラとシフォンの父。リンリンの元夫。