WEB漫画

うぇぶまんが

インターネット上のウェブページに掲載された漫画の総称。

WEB漫画について

ウェブコミックやウェブマガジン、オンライン漫画とも呼ばれる。

書籍・雑誌・新聞などの紙の媒体に加えて、近年はWebを通して発表される漫画も多い。

なお、執筆形態としては、従来どおり紙に描いた漫画をスキャンしてWeb上に載せたものも含まれる。

一口にWEB漫画と言っても様々である。

出版社などが開設し、プロの漫画家の作品が読める漫画配信サイト。
漫画投稿サイトや個人webサイトを通して読めるオリジナル作品（作者はアマチュアが大半で、漫画家を目指すなり、趣味で描くなりして自作をWebに載せている）。
漫画やアニメ作品などのファンがパロディや二次創作の漫画をファンサイトに置く。
企業サイトに置かれているプロモーション漫画。
カラー漫画、うごイラ風漫画、お絵描き掲示板漫画、携帯・スマホ用漫画、ツイッター用漫画etc…

WEB漫画が後に単行本化されることもある。

昨今では、元は個人がWeb上で発表していた漫画が出版社の目に留まり、一般流通ルートで単行本化されるといった例も増えてきた。

基本的には、個人で公開している漫画が紙媒体に収録される場合は同人誌という形を採り、コミティアなどはオリジナル専門の同人誌即売会として知られる。

書籍化される前に作者が漫画をDLサイト、支援サイト等で小遣い稼ぎに利用していることもある。

また、近年は小説家になろうに代表されるネット小説投稿サイト発のラノベのコミカライズが激増しており、これらの多くはWEB漫画である。

WEB漫画は雑誌のページ数という制限のある紙の漫画誌と違って漫画の数に制限がないために非常に多くの漫画が掲載されており常に漫画を求めているために、紙の漫画誌ではなかなかデビュー出来なかった新人漫画家がWEB漫画ではあっさりデビュー、連載できたというケースは非常に多い。

ただし、このタイプは売れ線を量産させるというスタイルで追放もの、悪役令嬢もの、溺愛系などの流行りものばかり描かされてそれ以外は描かせて貰えない、というケースも多い。それを嫌ってWEB漫画から再び紙の漫画誌へ転向する漫画家も居る。

また、そもそも紙の漫画誌ではなかなかデビュー出来なかった人材なので画力や構成力に問題があったというパターンもある。

pixivのタグとしては

pixivで「WEB漫画」のタグが付けられる投稿作には二通りある。

漫画：そのままの意味。とはいえ、pixivに投稿される漫画は全てWeb漫画とも言えるため、こちらのタグは「漫画」が圧倒的に多い。
漫画以外のイラスト：概ね「WEB漫画を原作とするイラスト」を示す。巷のWebサイトで発表された漫画を原作とした版権絵（商業作品ではないものも含まれる）が該当する。作者本人が、その漫画のイメージイラストや設定画など漫画以外のイラストを投稿する例も含む。

別名・表記ゆれ

ウェブ漫画 Webマンガ Webコミックウェブコミック webコミオンライン漫画

※pixivでは大文字のWEBも小文字のwebも一緒に検索される（タグの完全一致検索では別々）

歴史

個人Web漫画

個人Web漫画は当初、個人サイトでの連載が一般的となっていた。1996年にはカテゴリからWebサイトへのリンクを登録するディレクトリ検索のYahoo!Japanが誕生し、主要なWeb漫画サイトはそこのオンラインコミックカテゴリに登録されていた。また当時はサイト同士を繋ぐ相互リンクも一般的であり、相互リンクを増やすための交流（BBSやチャットなど）が重要となっていた。

2000年には個人漫画サイトの更新を補足するアンテナサイト「Web Comic Ranking」(WCR)が登場し、複数のWeb漫画を追いやすくなったことでWeb漫画がブームとなっていった。

2000年代には2chで開催された最萌トーナメントに合わせて萌える二次創作が活発となった。二次創作の投稿プラットフォームは主に画像投稿サイトであり、ネタ絵や落書きの延長として漫画も投稿されていた。そんな中から個人連載のWeb漫画も登場するようになった。これには朝目新聞に連載された「サト×ピカ」、「アンパンガール」、「ドラいちゃん」、「ふたば☆ちゃんねる」の落書き板に連載された「ドラえも」、「蒸し暑いからぬぐー」などが存在した。

2005年にはニュー速VIP板主体のアマチュア漫画投稿サイトとして「新都社」が誕生した。新都社連載で後にアニメ化された個人漫画作品には「平穏世代の韋駄天達」、「ピーチボーイリバーサイド」がある。また新都社には後に東京喰種で知られる石田スイの初期作品「THE PENISMAN」も連載されていた。

2008年にはモバイルを含めたマルチプラットフォームに最適化された漫画投稿サイトとしてマンガ★ゲットが登場した。マンガ★ゲット連載で後にアニメ化された個人漫画作品には「琴浦さん」、「奇異太郎少年の妖怪絵日記」がある。

2012年にはニコニコ静画に漫画投稿機能が追加され、商業連載に混じってユーザー投稿漫画も連載できるようになった。ニコニコ静画に連載された個人漫画で後にアニメ化された作品には「女子高生の無駄づかい」、「お兄ちゃんはおしまい!」などがある。ニコニコ静画はコメント機能を持っているため、ニコニコ動画と同じくツッコミ不在で進む作風なども人気となった。

2014年にはスマホ向け漫画アプリのマンガボックスにも漫画投稿機能のマンガボックスインディーズが追加された。

（書きかけ）

個人漫画の商業化

2010年代になると個人Web漫画の商業化が盛んとなり、個人サイト連載作品では2011年にガンガン系で「堀さんと宮村くん」、2014年にマガジン系で「徒然チルドレン」、2016年にCOMICリュウで「虫籠のカガステル」の商業化が、新都社連作作品では2012年に裏サンデーで「ワンパンマン」、2016年に少年マガジンRで「ピーチボーイリバーサイド」、2018年にヤングアニマルで「平穏世代の韋駄天達」の商業化が行われ、後にどれもアニメ化された。

ニコニコ静画でも個人Web漫画である「女子小学生はじめました」がブームとなって2014年に商業化され（未アニメ化）、同2014年にニコニコは次にくるマンガ大賞を共同企画して「本にして欲しいWebマンガ」を募集するようになった。ニコニコ静画に投稿されていた個人漫画では「女子高生の無駄づかい」や「お兄ちゃんはおしまい!」が商業化されアニメ化された。

（書きかけ）

商業Web漫画

1990年代後半には既にWeb漫画雑誌の「まんがアクセス」が登場していたものの、ノーギャラとなっていた。

商業Web漫画サイトでは2005年にポータルサイト「ライブドア」で日替わり4コマコーナーの「デイリー4コマ」が開始され、「立川立子の屈辱」、「羊っ娘メリーさん」、「奥さまはアイドル」、「スパルタ教育番組いろは島」、「無責任魔法少女マホ」などの漫画が日替わりで連載されるようになった。また2009年には「デイリー4コマ」内に竹書房の4コマサイト「まんがライフWIN」が設けられ、その中で不条理日常系4コマの「あいまいみー」などが連載されるようになった（後にアニメ化されて不条理日常系ブームに）。

一方、2008年にはスクウェアエニックスが本気のWeb漫画サイト「ガンガンONLINE」を開始した。初期のガンガンONLINEには前述の「堀さんと宮村くん」の作者による「浅尾さんと倉田くん」、魔法陣グルグル外伝の「舞勇伝キタキタ」、ひぐらしのなく頃に外伝の「ひぐらしのなく頃に昼壊し編」、人気少女漫画家の遠山えまによる「ひゃくえん!」などが連載された。またその後もガンガンONLINEでは「でも少し…この風…泣いています」で話題となった「男子高校生の日常」、喪女主人公の「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」、「月刊少女野崎くん」、「田中くんはいつもけだるげ」、「不機嫌なモノノケ庵」など多数のアニメ化される作品が生まれていった。ばらかもんもここへ移籍し、後にアニメ化されている。