「始めよう "暴力の世界"!!!!!」
「また生きちまった… うまくやったよ 白ひげのジジイは…」
「 “ひとつなぎの大秘宝”を獲りに行くぞ!!!」
「「古代兵器」の存在は!!世界に”恐怖”と”戦争”をもたらすだろう!! 覚悟しろ それこそがおれ達の望む暴力の世界!!!」
「惜しいな… おれと来りゃあ世界を取れるってのに…」
「お前も… "ジョイボーイ"には……なれなかったか………!!」
概要
百獣海賊団総督。
長年に渡り新世界を支配する“四皇”の一角として名を連ねてきた大海賊であり、『ワノ国編』におけるラスボス。
38年前までは世間を震撼させていたロックス海賊団にも海賊見習いとして所属していた。
"ジョーカー"との取引で入手した人造悪魔の実SMILEによる動物系能力者の軍団を組織している。ワノ国の将軍・黒炭オロチと同盟に等しい協力関係を結び25年以上ワノ国を支配下に置いた。
当時の四皇の中でも特に凶悪な人物として知られ、頂上戦争では戦争に介入しようと動き、その結果として赤髪海賊団と小競り合いを起こした。
"白ひげ"が戦死した後の新世界編では、事実上のONE PIECE史上世界最強の海賊として君臨する存在である。「この世における最強の生物」と称されるに相応しい怪物の中の怪物。
機嫌を損ねたり、筋道を違えない限りは大人しい他の海の皇帝と違い、政府からは存在すること自体が畏怖されており、最高権力者である五老星ですらゴムゴムの実の覚醒阻止と引き換えに有能な部下を喪う事になってもカイドウを怒らせてしまった事実に頭を抱えていた。
ワノ国産の兵器やSMILEなど、カイドウ一人によって齎される影響力は世界中にまで及び、パンクハザードからワノ国まで新世界入りを果たした麦わらの一味が関わってきた島々が抱えていた“闇”に潜む黒幕と言える巨悪。
海賊としての“力”も文字通り作中最高峰であり、彼の百獣海賊団には自身の懐刀である「災害」と称される懸賞金10億を超える三人の大幹部(大看板)がおり、その中には狂暴極まりなく到底人に従うようには見えないような“旱害のジャック”も在籍する。
戦力は本船だけでも約2万人と膨大。ジャックの率いた部隊だけですら、「まるでとめどないゾンビの軍団…!!」と評された。
主人公である麦わらのルフィを常に凡ゆる面で圧倒し、幾度に渡り瀕死の状態へと追い込み続けるなど、これまでの敵とは比類なき戦果を挙げており、ルフィにとってはまさしく「史上最強の敵」として立ち塞がった。
プロフィール
本名 | カイドウ |
---|---|
異名 | 百獣のカイドウ、この世における最強生物 |
年齢 | 59歳 |
身長 | 710cm |
懸賞金 | 7000万ベリー(少年時代)→46億1110万ベリー |
肩書き | 元四皇 |
所属 | ウォッカ王国少年兵→ロックス海賊団海賊見習い→百獣海賊団総督 |
悪魔の実 | ウオウオの実 モデル“青龍” (動物系幻獣種) |
覇気 | 覇王色、武装色、見聞色 |
武器 | 金棒「八斎戒」(位列なし) |
出身地 | 偉大なる航路 ウォッカ王国 |
誕生日 | 5月1日 (鯉の滝登り、カ←5、イ←1、ドウ) |
星座 | おうし座 |
血液型 | F型 |
好きな食べ物 | 酒、魚の皮 |
嫌いな食べ物 | 豆腐 |
趣味 | 自殺 |
イメージ動物 | 龍 |
笑い声 | ウォロロロ |
家族 | ヤマト(娘) |
拠点 | 偉大なる航路 新世界 ワノ国 鬼ヶ島 |
初登場 | 単行本79巻 第795話『自殺』 |
WT100 | 65位(13847票) |
CV | 玄田哲章、稲田徹 (青年期) |
容姿
第1部 サバイバルの海・超新星編より、何度も話題に出ながらも長らくその姿を見せなかったが、ドレスローザ篇終盤の795話にて遂に登場。
極めて荒々しい外見をしており、同じ四皇である赤髪や白ひげを上回る背丈にビッグ・マムに比肩する体格(後述の13歳の時点で並の海兵より二回りも三回りも大柄だった)と、ユースタス・キッド達の数倍はある7mを超える筋骨隆々の巨体が目を引く大男。
顔つきは面長な小顔で眉毛が無く(後述の能力の発動の際には眉毛が生える)、眼窩上隆起で発達した眉骨辺りと眼の下部にある複数の縦皺、常に額に浮き上がった怒筋、血走った眼球等と、今でこそ見る者に恐怖を与える威圧感のある鬼の如き凶悪な人相だが、アルベルと出会った当初はワイルド系のイケメンであった。
龍や鯉を想起させる長いナマズ髭(20年前は現在よりナマズ髭が短かった)とギザギザの顎髭や、うねり上がった腰程まである黒いザンバラの長髪、魔人オーズのような巨大な二本角、左上半身に刻まれた骸骨と鱗のような赤い刺青が大きな特徴。右下腹部にある十字の傷跡は20年前のワノ国九里の大名・光月おでんが起こした討ち入りの際によるもの。
服装は体に羽織った紫色の和服と毛皮のマント、横綱を想わせる大きな綱を腰に巻き、暗めの色のズボンとブーツ、両腕にはトゲ付きのブレスレットを着用している。
20年程前は和装ではなく、マントの下にジャケットを着て自身の海賊旗マークのあるベルトを締めた世紀末風のワイルドな雰囲気の衣装であり、筋肉も現在より細身で下半身はカタクリのように長くスタイルが良い等、筋肉の塊である現在の姿とは所々差違がある。
因みに角の生えた人間については、オーズやハンニャバルに関する質問への57巻SBSにて「個性というか、ちょっとした特徴でしかありません。」と回答されている。ワンピース世界には様々な種族がいるが、これは種族故ではなく身長や体型と同レベルの扱いということだろう。
人物
弱肉強食主義
「『貴族』として生まれただけの!! 平和ボケした権力者共を戦場へ引きずり降ろせ!!!」
「それが『平等』と『自由』だ!!!」
「『戦争』だけが人間の価値を決める!!」
“暴力”を第一とする完全実力主義かつ弱肉強食主義者にして、作中随一と断言出来る程の戦闘狂。
初登場のナレーションでは「強き者は生き…弱き者は死ぬ…!! この世はただ…それだけだ」と紹介されており、まさにそれを体現した存在。
ただしこれは少年時代に天上金を納めるために貧しい母国で他国から奪うために戦争が続き、更には母国によって政府に売り渡されて脱走した経験がきっかけ。そのため世界の不条理を幼少期から痛感しており、これにより天竜人をはじめとする実力を伴わない権力者が治める矛盾した世界を嫌悪、『暴力』による自由と平等を目指すようになった。
「「早く逃げろおれ達がやってたのは海賊ごっこだった!!」…ってよ!!」
自身の“強さ”に絶対的な自信を持っており、刃向かう者は容赦なく叩き潰し、同盟相手でも用済みと判断すれば容赦なく切り捨て叩き潰す事も厭わない。
そして身内以外の人物や、利用価値の無い者、戦う力の無い権力者や市民等の“弱者”に対しては奴隷になる事を強い、戦おうとしない者や自身の力に胡坐を掻いて怠ける者を軽蔑している。
無関係の者を巻き込むのを良しとしない白ひげやロジャー、おでん等を「強ェがどこか甘い奴ら」と評する一方で、弱者であれ侍のように信念を持って自身に立ち向かう者にはそれなりの敬意を見せる。
自身が悪党であることをちゃんと認識しており、戦闘の際は相手を煽って戦意を高揚させたり、プロレスの悪役のような振舞いをする(『海賊無双』では海軍に対して自分を処刑出来なかったことを煽っていた)。
また、人を鼓舞するのが上手く、生来のカリスマに加えて演説で士気を高めるなどもしていた。
「強ェのか!?強がりか!?枕詞は“勝者”にゃつかねェ!!お前はどっちだ!!?」
真面目さ
王下七武海かつ取引相手のドフラミンゴでさえ、怒らせれば確実に殺されるためカイドウには慎重に対応しており、自身も彼の失墜を嘆く様子を見せながらも、身内ではない彼を「ひとえにてめェが弱ェせいだが…」として敗北した“弱者”とぼやき、敵討ちをする気が全く無いのが挙げられる。
その一方、性根は繊細にして真面目、己が力を絶対視するが故に、味方であろうと自分の戦いに横槍を入れられる事を嫌う武人肌のような気質や、出会った時に交わしたキングとの約束を守ろうとしたことなどからその面が窺える。
常に「強すぎる自分への虚無感」に支配されている為、戦闘の際には敵の攻撃を真正面から受け止める場面が多く、自分を脅かし一対一の勝負ができるほどな「真の強者」には胸を躍らせる。
その様な相手には特に真摯かつ律儀となり、該当する20年前の光月おでんとの戦いが、第三者の独断による卑怯な勝ち方で終わってしまった事は、現在になっても引きずる程のトラウマとなっている。
本心を実子や部下にすら明かさず、常に悩みを一人で抱えがちで、苦労してきたせいか幼少期から表情も基本しかめっ面である。自身の過去の経験から娘であるヤマトに対して「友情は上っ面!!」「人間と仲良くはなれねェ!!!」と発言するなど人間不信な一面もあった模様。強さ故の孤独を匂わせ、「海賊は裏切るぞ」「一問一答で動いちゃいねェんだ世の中は!!」等の台詞から現実主義な一面も覗かせる。
慢心せず、強くなるためには研鑽も惜しまないタイプであり、おでんの「せいぜい強くなれ」という言葉通りに真面目に努力した結果、20年前よりマッシブな体型に変化していたり、落込上戸になった際には「精一杯やったぜおれァよォ〜〜」と内心を吐露していたりする。
少年時代の人間不信だった頃にロックス海賊団で自分のことを気にかけてくれたシャーロット・リンリンとはその後何度も殺し合ってきた仲だが、現在でも弟のように思われておりカイドウなりに感謝している。
本来、海賊が卑劣な手段を取るのは当然だが、それに対する後悔の気持ちと、死に様が見事だった者に対して敬意を表する気持ちが強い一面が窺える。
その他、おでんに「新しく建ったばかりのおれの屋敷を戦場にしたくねェんで」と言って態々自分から出向く、99巻SBSによれば魚の皮が好きなので食卓では「この魚は皮食っていいやつか?」と部下に尋ね部下もきちんとウロコを取っておく等、繊細さを裏付ける描写も散見される。
ビッグ・マムといる際にはツッコミ役に回っていたり、ルフィのギア4"スネイクマン"の性質に疑問を持つなど、自分のことは棚に置いて一般論を語れるだけの常識は備えている。
大海賊団の総督として
海軍には凶暴な海賊達から「個人の強さのみ」で尊敬を集めたと評価されているが、カイドウ自身の部下への対応は、粗暴な外見に反して意外な程に寛大である(但し、酒さえ絡まなければ)。
例として、
- 「ビッグ・マムが来た」報告に手間取り、更に軽い謝罪で済ませようとした真打ちバオファンに対して軽い叱責のみ。
- 自分に向かって堂々と暴言を吐いたうるティに対しても、軽く応じるだけ。
- 自分の名前を勝手に使って飛び六胞を呼び寄せたキングに対して、「理由が存在するなら」と事後承諾で不問にする。
- 飛び六胞とキングの仲違いに「おーやめろ 楽しい宴の日に」と仲裁する。
- 自分の息子(正確には娘)探しに飛び六胞を「命令」ではなく、『「大看板」昇格の挑戦権を報酬』に自主参加の形で駆り立てる。任務の参加せず一緒に宴を楽しむブラックマリアを咎めない。
- 赤鞘九人男に敗北した旱害のジャックの援護に入り、「お前が弱ェワケはねェんだよ…!!!」と彼の強さを認めている故に敗北を責めず、「大事な部下」と彼の健闘を称えて治療を促す。
などが挙げられる。実力さえあれば、種族、出自、前歴、年齢、性差を問わず昇進させ、部下達の自主的な行動を認め、非常に柔軟な対応をする姿勢は部下たちからの尊敬を集めており、トップでありながら部下にフランクに接してくることから特にギフターズ以上の上級の団員や幹部には「カイドウさん」と呼び親まれ、カイドウを慕う発言が多い。
カイドウに惚れ込んだ者達の崇拝基準が、彼の「“強さ”のみ」という評価は決して戦闘能力だけではなく、四皇の名に見合うだけの戦闘能力に、カリスマ性・大器をしっかり兼ね備えていることを含めた“強さ”といえるだろう。
また、計画に細かい面もあり、秘書バオファンを用意し逐一スケジュールを聞く等、上記の通り真面目な側面が目立つ。
世界政府に対する注意も欠かさず、王下七武海の撤廃や、それの代替となる(SSGが用意した)新兵器に対して警戒する用心深い一面も。
自殺願望
「死は人の完成だ……!!! そうだろ? 終わろうか……!!!」
高すぎる生命力と耐久力のせいで、今まで自分自身も含め誰も殺せず、趣味が「自殺」と解説される程の強い自殺願望を持つ。桁違いな強さながらもそれ故満足した戦いを経験してこなかった事や上述の世界の不条理等から解放されないためか生きている事そのものに苛立ちを募らせる場面も見せていた。
初めて姿を現した際も、死に場所を求めて空島から飛び降りるも死ねず、自暴自棄に陥り、最期の戦争を起こして退屈な世界を“暴力の世界”に塗り替えることを目論んでいる。頂上戦争に乗り込もうとしたのも自殺の為と思われる。
飛び降り自殺などおそらくは悪酔いして自殺することもあるようだが、普段の彼は単に死にたいわけではなく、おでんの死に様を見た事で死に際にこそ人間の素晴らしさが現れるという理由で世界を動かす偉大な死に様を望んでいる。
その影響で、自らの命すら主君や国のために惜しみなく捧げるワノ国の侍には敬意を抱いている。
ちなみにもっと前にギャグ補正込みであるが空島から落ちて頭から地上に突っ込んだのに生きていた人がいたりする。
我が子との関係
「───だが「おでん」を名乗るなら 死ねヤマト」
「親子ゲンカじゃねェ…おでんの名を背負うなら「戦争」を覚悟しろ」
「遊びじゃねェんだヤマト!!」
実子であるヤマトがなんの因果か、自分と殺し合ったワノ国の大名光月おでんに強くあこがれるようになってしまい、8歳の子供を敵の(敗北と投獄で衰弱しつつあったとはいえ)ただ中に放り込み殺すように唆す、20年以上爆弾をつけて軟禁する、等の幽閉されていたワノ国の大名も正気を疑うような非道な扱いをしていた。
ただし、ヤマトに対して一応は「おでんを名乗ることを取り下げる」猶予の期間を与えたり、「おでんの名を名乗るのは遊びじゃない」と語ったりするなど、これらも「おでん(敵)を名乗り続けるならばたとえ我が子だろうと容赦は出来ない」というカイドウなりの“真面目さ”である様子。
その後も、ヤマトが「光月おでん=男→ボクも男を名乗る」とした後は、ヤマトを「馬鹿息子」と呼び部下にもそうさせるなど、妙な律儀さを見せる。
また、ワノ国を支配した暁にはヤマトを「新鬼ヶ島将軍」にしようとしていた。
「ヤマトの疑問にいちいち律儀に答え、挑んで来たらちゃんと相手をする」等もしており、戦い好きなカイドウでさえ我が子に挑まれた際はほぼ不機嫌な表情になる等、ヤマトに対しては海賊として・親として複雑な思いを抱えている様子。
なお、ヤマトもカイドウと同じくおでんを評価し憧れているが、ヤマトはおでんの「生き様」であり、カイドウの評価である「死に様」と真逆で、おでんと実際に言葉を交わし戦ったことのあるカイドウと、死に際に立ち会ったものの日誌や幽閉されていたワノ国の大名達からの話でしかおでんを知らないヤマトでは認識が異なっている。
ある意味、「解釈違い」な親子と言える。
戦闘狂
最強の兵士となった10歳の時から「暴れたりねェ」と宣う生粋の戦闘狂。
「戦争だけが人間の価値を決める“平等”」と考える彼にとって直接戦闘は大きな楽しみであり、特に初撃は基本ノーガードの構えで受け、殆どダメージの入っていない攻撃でも必ずリアクションを取ってくれるプロレスラー気質。
最悪の世代メンバーの力を測る為にリンリンを敢えて下がらせた際には、彼女からは「また物好きだねェ…!!」と呆れられている。
これは、おでんに結果的に卑劣な手段で勝利したことに対する負い目から来る「自分に向かってくる敵に対して真正面からぶつからねばならない」という、ある種の強迫観念にも起因しており、また、いつか自分を倒しに現れるであろうジョイボーイを見定めるためであった。
相手が「自分を殺すに値するほどの力量が無い」・「おでんより弱い」と判明すると途端にプロレスモードを止め、容赦無く無言で滅多打ちにする。
相手が強者であればあるほど多弁になり、楽しそうな顔をするが、唯一、ヤマトと交戦した際には笑顔は消えて不機嫌になり、ダメージを受けても痛がる素振りを全く見せない(おそらく親としてのプライドがあるのだろう)。
スカウト
「心をへし折りゃいい戦力になる!!」
上記にもある様に自分に刃向かう者や、自分にとって不利益な者は容赦なく叩き潰す。が、見込みのある者に対しては傘下に勧誘し受け入れれば水に流す場合もある。
ワノ国の侍の中では、特に頭山盗賊団棟梁酒天丸を気に入っている。自分のビジネスを潰したルフィに対しても、戦力としての有用性を高く評価し、傘下に加えようと考えていた。
『自分に服従する気がなく抵抗し続ける生意気な者』こそが、カイドウのお気に入りのようで、スカウトした者は殺さず、自分の本拠地であるワノ国へ連れていき、様々なやり方で心を折り服従させようとする。
それ故スカウトされた者は大抵、心が折られて自ら従うか、拷問に耐えられず死ぬかのどちらかの運命が待っている。
だが、スカウトによって居場所を与えられ、救われた者もおり、因縁のある海賊の子供でも引き取って育てる度量も備える。
多くの子供を持つマムに言わせれば「教育するのが下手」とのことだが、本人は『海賊無双4』にて白ひげに「若ぇ奴を甘やかしすぎだ」と苦言を呈していた。
酒癖
「バァカ!!! 酔っちゃいねェ!!! ヒック」
とても悪い。好物が酒のため飲んでる間は基本上機嫌だが突然泣き上戸から怒り上戸になるなど、その変化は唐突で読めない。その為に部下達は酒を飲んでいる時のカイドウの機嫌を、とにかく損ねないようにするのと瓢箪の酒を切らさないよう気を遣っている。さらに、酔っていなくとも酒盛りを邪魔したりすると不機嫌になる。
酔い始めると見境なく破壊行為を行う。また悪酔いもする等、酔っぱらい親父な一面も持つ。これが「話し合いの通じる男じゃない……!!!」と言われる要因の一つであるが、酔っぱらっている際の意識ははっきりしていることが多い。
そして、滅多に無いが自身が認めた相手との戦闘の最中に酒を飲んだ場合、この酒癖の悪さが発揮されることで覇気や戦闘能力が通常時よりも向上する(後述)。
ワノ国での立場
「ウォロロロロロ…!!!どこでもいいんじゃねェぞヤマト…!! おれはここが「ワノ国」だから居座ってんだよ!!!」
ワノ国では国を守る「明王」と扱われている。
百獣海賊団の本拠地はワノ国の兎丼「常影港」から見える鬼ヶ島。
その影響力は海軍にも行き届いており、海軍大将緑牛からも「カイドウの支配は外敵を寄せつけない抑止力だった」と評されている。
ワノ国を支配する理由は海楼石の産地である事、ワノ国の加工技術を利用する武器工場を確保する為とワノ国ではないとダメな理由は他にもある模様。
戦闘能力
「おれを倒せる奴はこの世にいねェ!!!」
最強生物と呼ばれる所以
下記の通り「最強の生物」と呼ばれるに相応しい経験を過去に幾度も繰り返している。
- 海賊として7度の敗北を喫する。
- 一人で海軍及び四皇に挑み、捕まる事18回(ただし海軍に挑んだ事に関しては“尾鰭が付いた”もの。詳細は下記)。
- 1000度を超える拷問を受ける。
- 40回の死刑宣告で、絞首・断頭台・串刺しを経験する。しかしその全てがカイドウの肉体には通じなかった。
- その結果、沈めた巨大監獄船の数は9隻。
- 「一対一(サシ)でやるならカイドウだろう」と人々は言う。
- 上空1万mの空島から飛び降りて地面に激突しても「頭痛ェ」程度ですみ難なく起き上がった(ちなみにより勢いのついた状態でやらかして「うっかり生きてた」先人がいる)。
つまり、カイドウはこれまで敗北こそすれども誰も殺すことが出来なかった。それは彼自身も然り。
1000度を超える拷問を受けたにもかかわらず、それを示す傷跡らしい傷跡もなく、素の身体能力も桁違いに高い。
初登場時は「陸海空…生きとし生ける全てのもの達の中で……『最強の生物』と呼ばれる海賊…!!!」と解説された。
また、悪魔の実の獣型と人獣型はこれまで登場したどの動物系よりも巨大である。
同じ四皇である黒ひげからの評価は「怪物」。マムにも「アレはお前らにゃ倒せねェ」と太鼓判を押されるほどの強さを持つ。小説『novel A』では2年前の時点で既に「最強生物」と呼ばれていた。
劇中でもルフィが新技を繰り出すたびに様々な奥の手を披露し、ルフィを大いに苦戦させている。
悪魔の実
名称 | ウオウオの実 |
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分類 | 動物系 幻獣種 |
モデル | 青龍 |
能力 |
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形態 |
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欠点 |
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- 詳細
焔雲(ほむらぐも)の応用として、生み出した焔雲に島を載せてフワフワの実の能力のように、島を丸ごと空中に浮かせて運搬させることも可能で、浮遊可能な範囲は非常に広大。事実、3万5000以上の人間が滞在する島を丸ごと浮かせたまま移動させている(『ONE PIECE magazine vol.13』より)。なお、そのフワフワの実の能力者である金獅子のシキが島より遥かに小さい軍艦を複数浮かせていたのをガープは「こんな真似ができる男は一人しか知らん」と語っており世界政府にこの技法は認知されていない可能性がある(あくまで自身と一つの物体にしか纏わせられないとも考えられるが)。
上記の通り、高度1万mの空島から落ちても全くの無傷であり、赤鞘との戦いを終えた後も最悪の世代一味と問題なく連戦し、トラファルガー・ローによる体内攻撃の“ガンマナイフ”を受けてもダメージはほぼ無く、耐久力と回復力はその分野に優れた動物系能力者の中でも、怪物じみたレベルまでに鍛え抜かれている。
尚且つ鬼ヶ島屋上での戦闘は恐ろしい事実に、全て島の浮遊維持の為、焔雲に体力を消費させている傍らで行われており、これは同じ焔雲を出したモモの助が短時間で体力を消耗させている事から、カイドウ本人の膨大な体力が無いと出来ない芸当である。
彼の皮膚は強靭な鱗で守られており、毒以外では内部破壊に達した覇気を流す技術・圧倒的な質量で圧をかけて内蔵や骨にまで負荷をかける・体内を直接攻撃できる技か能力のいずれかを持ち得なければ、殆ど有効な攻撃になり得ない。キッドやキラーは「この“硬さ”にはさんざん泣かされた」と語っている。ゾロが付けた傷も短期間で塞がってることから自己回復力も高く、四回戦後もまだ抵抗を続ける侍達や一味に対して「まだおれに歯向かいてェ奴ァ名乗り出ろ…!!!」と発言し、死闘を演じた後もまだ暴れられるだけの体力を残している様子を見せていたが、実際に新たな力に目覚めたルフィと五回戦を繰り広げ、更に優勢を維持するという所業を見せつけている。
ロブ・ルッチですら意識が飛びかねないギア5の攻撃を真正面から受けても平然と戦闘を続行し海軍の新兵器と同等のタフネスを誇る。
「心身が「能力」に追いついた時」
「起きるのが「覚醒」だ」
悪魔の実の「覚醒」の条件について劇中初めて言及しており、おそらくはカイドウも覚醒に至っているものと思われるが、上記のおでんへの後悔と憧れから、精神が追いついていない可能性も考えられる。
以上の通り、作中随一と評せる比類無き生命力とタフネスこそがカイドウの実力を示す最大の強みである。
ほかの四皇にあるような、身体欠損、トラウマや能力の無効化手段、老いや病などの弱点もなく、個人の武において世界政府に「倒れる姿が想像できない」と言わしめる真の猛者である。
唯一の隙らしい隙はカイドウの武人らしさゆえに、強者との戦闘を楽しみ、敵の攻撃を真正面から受けた上で真っ向から迎え撃つことを好むこと。これはカイドウが光月おでんとの戦いで自分が望む勝ち方が出来なかった悔恨にも起因していると思われる。
- 人獣型
動物系能力者の切り札といえる最強の戦闘形態。
この人獣型に変身すると先端が紫色に変色した六本角(他の部分は胸部・腹部と共に茶色になる)、獣型同様に長大な尻尾が生えて全身が青い鱗模様に覆われ(上半身の刺青は上書きされて消失)、体格が若干細身になるものの人間型以上に筋肉質で竜人や青鬼を想起させる禍々しい姿に変貌する。
他の動物系同様に最強の形態ゆえに当然ながら通常時よりも強さが跳ね上がる。この形態に変化した際には、ビッグ・マムと並んでロロノア・ゾロから「攻撃が効いてる気がしねェ!!」とボヤかれていた。
(アニメ版ではキラーが鎌阿音撃(カマアソニック)を人獣型カイドウに追撃してみたが、体内に斬撃は入ってはいるものの、キラーの攻撃<能力の回復速度、つまりキラーが与えたダメージをもカバーしてしまう自己再生同然っぷりであった)
その力は凄まじく、ゾロとローを相手に雷の如き迅さで移動しながら一瞬で“雷鳴八卦”の一撃を次々と与えて見せ、人獣型のヤマトですら視認出来ず、未来視を使用しなければ見切れない程の機動力を誇る。その後のルフィとの戦いでも本当に雷より迅く移動して攻撃を繰り出しており、7mを超える巨体で六式の“剃”を凌駕するスピードを常時展開して敵に襲い掛かる。
また、人獣型は完全に姿を固定しているわけでは無く、キバや顔つきが獣型に近く筋肉が膨れ上がったパワータイプの人獣型へと瞬時に切り替えることも可能。
能力がここまで絶大な理由は、カイドウの四皇級に達するほどに鍛え上げられた規格外な実力と熟練度の高さゆえである。
基礎戦闘力
新世界、ひいては全ての海の覇者を目指す野心家で、四皇随一の武闘派にして2年後の現存する海賊の中では作中ナンバー1の実力者である。その強さは僅か10歳にして戦争国の最強の兵士に上り詰めるほど。同じく四皇のビッグ・マムと互角以上の激戦を夜通し繰り広げた挙句、3万人も乗った鬼ヶ島を浮かせるのに体力を割きながら、赤鞘、最悪の世代、ヤマト、自分と同レベルの強者へと急成長を果たして舞い戻って来たルフィと連戦しても疲れず、大人数で挑もうが、切り札となる大技を放とうが、それら全てを受けきった上で返り討ちにしており、作者ですら倒し方に頭を抱えてしまった程。
四皇最高幹部と戦える赤鞘を遊び半分で完封し、ルフィの中の人をして「勝てる気がしない」と言わしめた。実際ルフィには三度の勝利を収めており、三戦目ではあの前向きなルフィを「それで勝てないならおれの負けだ」と弱音を吐かせ、"声"が消えるまで追い込んでいる。
四戦目にしても、覚醒して自由な戦法で翻弄してくるルフィと互角以上に渡りあい、寿命を消費させるまでに至るなど「最強生物」と呼ばれるに相応しいスペックを見せつけた。
また、武器として「八斎戒」と呼ばれる金棒を扱い、覇気を使用した攻撃・衝撃波を繰り出す。彼が金棒を扱うとその強さは想像を絶する程凄まじい威力と速度を発揮する。また、上述した通り筋骨隆々な巨体に見合わず超高速で動くこともでき、後述の未来予知と併用して、高速の攻撃も避ける事ができる。当たらない上に、当たっても大したダメージにならず、すぐ回復するというなんとも理不尽なまでのタフネスとスピードを誇る。
戦闘における知能も極めて高く、出方によって瞬時に形態を変える判断の速さ、トラウマを刺激されてもすぐに切り替えが出来る姿勢、相手の性質を逆手に取った戦法を使用するなど高度な判断力と分析能力を持つ。まさに頭脳、武力において隙が無いオールラウンダー。
初めてルフィ達の前に現れた時も、全力で挑んだルフィを相手に、半ば酔っぱらった無防備の状態でも傷一つ負わず、自身の必殺技である“雷鳴八卦”の一撃だけで戦闘不能の瀕死の重傷に追い込み、殆ど余力を残したまま完勝してしまう等、格の違いを見せつけた。
20年前の時点で既に「無敵のカイドウ」と呼ばれる程の実力を持ち、当時『新世界の強豪』と言われていたモリアを相手に勝利を収めて以降、新世界に揺るぎない地位を築いた。
さらに、これが肉体の全盛期というわけではなく、戦闘の途中で相手の技術を盗んだり、技を見切ったりしていることから59歳にして未だに成長の余地を見せる。
生まれた時から強靭な肉体と剛力を持ち合わせていたマムやおでんと違い、カイドウは天賦の才に胡坐を掻かず努力し続けた天才であった。
覇気
「覇気だけが!!!全てを凌駕する!!!!」
内容 |
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不明点 |
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3種類全ての覇気を修得しているが、その力は余りに強大であり、非常に練度が高い。
悪魔の実を食べずに覇気で頂点に至った者を知っているためか、実の能力だけに頼らず、覇気も重要視して相当なレベルにまで鍛えており、稲妻のように溢れ出る強大な覇気を金棒や能力に纏わせて使用する。
ビッグ・マムと最初に交えた一撃は天を二つに裂く程の衝撃を生み、夜通し激戦を繰り広げた時は、覇気が全方位に暴発、その余波で鬼ヶ島が危うく崩壊寸前になるところだった。のちにルフィと交戦したときも同様の異常現象が発生している。
アニメ版において覇気を暴発させた際には、紅紫色のオーラ(または稲妻)を赤色のオーラを纏うルフィと対応するかのように纏わせており、通常モードのカイドウに戻った際には多少なりとも本気になると赤みがかった黒色のオーラが発生している。
「“未来”が見えんのてめェだけだと 思うなよ!!!」
内容 |
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ゾロが使用している刀「閻魔」から感じる覇気を「“おでん”の気配」と感じていたり、ビッグ・マムと2人で“覇海”を放った後に「"声"が消えねェな」と呟いたことなどから非常に練度が高いと言える。
アニメでは遠距離からの狙撃を探知している。
また、見聞色のレベルは強者の中でも少数の未来予知の領域にまで達しており、ルフィがシャーロット・カタクリから学んだ未来予知を用いたギア4"スネイクマン"の攻撃の軌道を曲げた神速攻撃に対して、同じく未来予知の観察力と相手の技を自分の技として再現する盗人上戸の状態で即座に模倣しており、その精度はスネイクマンでみられる変幻自在の加速する動作を的が大きい獣型の状態で再現し、カタクリ戦よりさらに成長したスネイクマンが放つ「ゴムゴムの九頭蛇」による神速攻撃を効率よく回避できた程。
内容 |
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彼が支配する覇気は、ビッグ・マム同様に物理攻撃ではない悪魔の実の能力による攻撃も遮断してしまい、生半可な攻撃では無力化できてしまう程強大過ぎる為、四皇クラスともなれば超一流の覇気使いによる攻撃でも、相当なダメージを与えるのさえ至難の業と考えられる。事実、ローはオペオペの実の能力による攻撃で動かすのさえ叶わなかった。
内容 |
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ビッグ・マムが倒されたことを察知し、感情を爆発させた際の覇王色でルフィや周りの瓦礫が大きく吹っ飛んだりするなど、発した覇気がもたらす物理的な影響力の強さも規格外である。
アニメでは20代の時点で覇王色を操りキングを狙った狙撃手に対して遠距離からピンポイントで覇王色の覇気を飛ばして気絶させていた。
また、覇王色持ちの中でもひと握りの強者のみしか扱えない覇王色の覇気を纏わせる技術も体得しており、覇王色を金棒に纏わせた際には絶大な威力を生み出せる。
金棒を使用した技術
内容 |
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金棒に稲妻溢れるほどの膨大な覇気を使用して実力者相手に対抗する。
彼が金棒を使用した攻撃は、雷の如き速さで複数対象を殴りつけることも可能で、ルフィの「未来予知(高度に熟練した見聞色)+高い体術」を以てしても回避しきれないほどの速度を生むことがある。
また、金棒から衝撃波を発射するもできる。
その力は軽くビッグ・マムとの合体技として発射しても、ドクロドーム屋上の地形を大きく変化させ、鬼ヶ島を揺らすほどのより高い威力を発揮する。
技
龍の状態では八卦に因んだ自然に関する技を繰り出しており、いずれも強大な破壊力と攻撃範囲を誇る。通常時及び人獣形態では金棒をあらゆる動作で振るい、対峙した相手を容赦なく叩きのめす。
アニメ版では尺の都合の為か、「酔った勢い」以上の規格外の破壊力の方が強く演出されている。技名は五大明王や仏教にまつわるものが多い。
原作で使用した技
- 熱息(ボロブレス)
「さァ 逃げ疲れて死ぬがいい 何発避けきれるか見物だな」
龍形態または人獣形態で口から強力な炎を吹く技。
……しかし最早破壊光線の類と化している。遠方の「おでん城跡」を山頂諸共消し飛ばし、何里も遠く離れた場所まで攻撃が及ぶ程の絶大な破壊力と攻撃範囲を備えている。その気になれば巨大な鬼ヶ島を貫通してしまう程の強大な威力にもなり、流れ弾でも町を簡単に破壊する程の強さを誇る。しかし、ルフィやおでんには効果が薄く、錦えもんやロロノア・ゾロには剣技『狐火流 焔裂き』で一刀両断される等、ある程度の“強者”以上は難なく耐えられる模様だが、全力の一撃として放った場合は、覚醒能力を使用した状態のルフィを黒焦げにするほどの威力を発揮するため、誰でもダメージを受ける可能性がある。
因みに、「ボロ」とはメキシコ語で「酔っぱらい」を意味する。
- 雷鳴八卦(らいめいはっけ)
「わざわざ出向かなくて結構だ…!!」
カイドウの代名詞といえる象徴技。稲妻のように迸る膨大な覇気を纏わせた八斎戒を振り抜き、対象を一撃の下に粉砕する。雷の如き速さで移動しながら、一瞬で複数相手を次々と殴りつけることもできる(誤解され易いが、遠距離で雷撃を浴びせる攻撃ではない)。
シンプルな技であるがその威力は規格外であり、ギア4を用い全力で向かってきたルフィを一撃で倒した。アニメ版953話では、ビッグ・マムとの夜通しの殺し合いで“威国”を容易に跳ね返す荒業を見せた。
更に速度自体も凄まじく、未来予知の領域に達する見聞色と、高い身体能力の持ち主であるルフィですら完全には回避しきれない為、通常の見聞色の覇気の使い手では、尚更回避不可能。しかし、単純に攻撃が速いだけなのか、見聞色の覇気と併用した上での速さなのかは不明。
原作で披露した最初の一撃は軽くスイングした程度で、せいぜい小手調べな様子(後にヤマトとの戦いでは両手持ちで繰り出したのに対し、この時は片手持ち、しかも力が入りにくそうな持ち方)だったが、アニメでは原作に追いつかないようにするための引き延ばしの都合もあり渾身の一撃とも取れる長めの演出になった。
この点を考慮してか、後のルフィ視点での回想では演出がかなり省略され、ある程度原作に近い描写となっている。
過去にルフィが完敗したケース(クロコダイルとの初戦、青キジとの一戦等)では、敵に対して有効な攻撃手段を持っていないのが主な原因だったが、カイドウの場合、ゴム人間のルフィにとっては相性が最高(カイドウからすると最悪)の金棒と雷の組み合わせで当時の最強形態が一撃で撃破されるという(古くからのファン程衝撃的な)憎い演出で四皇の怪物っぷりを描写している。
龍形態での咆哮が雷に変化する。但し、赤鞘の侍達には回避されている。
- 壊風(かいふう)
「ハッ!!!」
口から咆哮と共に多数のかまいたちを発生させる。菊の丞の左腕や岩を切断する程の威力を誇る。
ゾロやキラーといった実力者なら、各自の使う武器でかまいたちを弾くことができる。
人獣型では、棍棒を振るうと共に連射可能。
「天に昇りし風、万物を破壊する!」(アニメ版)
獣型の時に塒を巻くように体を回転させ、複数の巨大な“竜巻”を発生させる。辺りに暴風をもたらし、その規模はまさしく「災害」。
- 龍巻壊風
「龍巻でおれに挑むとは ウォロロロロロロ!!」
“龍巻”と“壊風”を合体させた技。竜巻にかまいたちを上乗せして周辺を斬り刻む。
- 覇海(はかい)
「足腰衰えてねェだろうなババア!!」
ビッグ・マムとの合体技で、覇気を全開にした状態で双方の武器を利用して衝撃波を打ち出す。
四皇版“覇国”と評せる程の、恐らく単純な破壊力だけなら『ONE PIECE』の作中最強レベルの絶大な大技。
その規模は巨大な鬼ヶ島を覆う程の巨大な衝撃波を発生させ、カイドウを斬れる力量を持つゾロでさえ一瞬しか防御できず、その代償として全身の骨が砕けるかのような衝撃を受ける(ちなみにその後ゾロは全身に包帯を巻かれ十字架を思わせる形に固定されていた)。まさに全てを“破壊”するかの如く絶望的な威力で、ドクロドーム屋上の地形を大きく変化させ、鬼ヶ島を揺らす程の威力を持つ(但し、あくまでもドクロドーム屋上からほぼ水平に発射してゾロが一瞬ながら防御したためにこの程度の威力で済んだが、もし鬼ヶ島を破壊することを目的に真下に発射していた場合は全滅するような大惨事になっていただろう)。
- 降三世引奈落(こうさんぜラグならく)
武装色と覇王色の覇気を纏わせた黒い稲妻を放つ八斎戒を上空で振り回した後に、相手を地面に叩きつける。この技をまともに喰らったルフィはまたもや気絶している。
「降三世」とは、東方に位置する五大明王が一人、「降三世明王」と思われる。
「引奈落」とは、「奈落」と北欧神話の神々の最終戦争である「ラグナロク」を掛けたものと思われる。
- 金剛鏑(こんごうかぶら)
我が子ヤマトの“鳴鏑”と同じく、八斎戒に覇気を込め衝撃波を打ち出す遠距離技。というよりはおそらくヤマトがカイドウを真似して習得したものと思われる。
片手持ちの体勢で放っているが威力、擬音からして完全にあちらの上位互換。
「金剛」とは北方に位置する五大明王が一人、「金剛夜叉明王」と思われる。
- 酒龍八卦(しゅろんはっけ)
「わざわざ弱くはならねェよォ…… お前を認めたんだ!!」
鬼ヶ島のドクロドーム屋上でのルフィとの決闘にて、突如酒を飲みだしたカイドウが使った技(構え?)。酒を飲んだ姿を見てルフィは怒ったが、カイドウ曰くこの技を使うのは「楽しいから」らしく、酔拳のようなものと思われる。
戦闘中も泣きや怒りといった様々な上戸を行ったり来たりしているが、ふざけているわけではなく技の威力は衰えず、むしろ増している節もある。上戸ごとに戦い方や言動も異なるため相手を混乱させる要素もあり、ルフィは調子が狂うと呟いていた。
この状態を解除させるには酔いを醒まさせる必要があると思われるが、ルフィの猛攻を受けてなお醒める様子はなかったため、ただ酒を飲んで酔ったときよりも醒めにくくなっている可能性がある。
九里でのルフィとの初戦では、ルフィの猛攻を受けた際に“酔いが覚めており”、これはルフィの微妙な強さに興奮することもなく興ざめしてしまったものと思われる。
- 笑い上戸
「フヒヒャヒャヒャヒャ!!ホホホ!!ウイ〜〜〜〜!!!」
酒龍八卦で一番初めに見せた状態。戦闘中にもかかわらず、涙が出るほど大笑いしたりするなど上機嫌な様子を見せる。
- 輪雷上戸引奈落(わらいじょうごラグならく)
「おれと本気で1体1でやりあえる奴なんざ……いつぶりだろうな!!ウイ〜〜〜」
人獣型で酒龍八卦の笑い上戸状態で上半身の筋肉を大きく肥大化させ、覇王色の覇気を纏った八斎戒を振り下ろす「降三世引奈落」の強化版。
戦闘中に覇気を強化したルフィにも「効いた」と言わせるほど力が増加する。
- 落込上戸
「建て直しか……!!建造に5年かかったんだぜ……!?ウィ〜〜」
戦闘中にもかかわらず、極端に落ち込む状態。獣型になり、5年掛けて建造した城を今回の討ち入りで半壊状態にされた事で鬱となり、また建て直さなければならなくなった事を憂いた際に変化した。
- 泣き上戸
「近よるな………!!うおーん そっとしといてくれバカ野郎がァ!!」
「”ひとつなぎの大秘宝”を奪りに行くと誓い合った矢先によォ〜〜!!!」
戦闘中にもかかわらず、泣きわめく状態。落込上戸の際にルフィが近づいて来たときや、同盟を組んだシャーロット・リンリンの敗北を察知した際に変化した。
ルフィに雷鳴八卦を回避され、逆に攻撃を受けてしまうなど隙が生じるが覇気は強まっており、頭突きではルフィを打ち負かした。
- 怒り上戸
「………ぬゥ!!……せっかくの酔いがァ……!!ウィ〜〜 醒めちまうだろうが!!!」
戦闘中の相手に対して怒りを爆発させる状態。ルフィと頭突きをぶつけあった後に変化した。
- 軍荼利龍盛軍(ぐんだりりゅうせいぐん)
覇王色の覇気を纏った八斎戒を振り回し、連続突きの如く乱打を繰り出す。
ルフィの放った「ゴムゴムの怪鳥銃乱打」に対して互角以上に打ち合っていた。
ちなみに「軍荼利」とは、南方に位置する五大明王が一人、「軍荼利明王」のことだと思われる。
「龍盛軍」とは「流星群」と掛けた造語と考えられる。
- 甘え上戸
戦闘中の相手に対して文字通り甘える状態。ルフィの猛攻を受ける中で変化し、ウインクしながら「痛いからやめてくれよ〜ん゛♡」と発言した。見た目のギャップと破壊力が凄まじい。この状態には攻撃中のルフィも困惑していた(『ONE PIECE』において不慣れにウインクをしたり、ウインクが似合わない人物がウインクをするとウインクした際に飛ぶ星のエフェクトが崩れたりするのだが、カイドウはハンコック同様綺麗に星のエフェクトを飛ばしている)。
- 盗人上戸
「マネしてやろうか……!!」
相手の技を盗む戦法をとる状態。未来視の観察力を用いることで、ルフィが身につけた見聞色の覇気による「攻撃の軌道を曲げながら加速する動き」を再現。
その模倣力は脅威的なレベルであり、巨体である獣型の状態でスネイクマンの変幻自在の動作を完全コピーしながらルフィの攻撃を全て回避し、見事に反撃を成功させた。
- 殺戮上戸
酒龍八卦の形態の中で最も凶悪な状態。ルフィの大技である「ゴムゴムの覇猿王銃」を受けた後に変化した。
また、このときの姿もパワータイプの人獣型となっている。
- 咆雷八卦
「来てみろ小僧ォー!!!」
殺戮上戸の状態で八斎戒を両手持ちで放つ「雷鳴八卦」の強化版。目で追えない速度による一撃のため、未来視が使えるルフィも回避できず、まともに受けたルフィはギア4を再び強制解除されかけた。そして再びルフィに直撃させたときにはルフィの"声"が消えた。
- 大威徳雷鳴八卦
「"能力"が世界を制する事はない!!!」
筋肉を巨大化させた人獣型の状態で武装色及び覇王色の覇気を纏った八斎戒を相手に全力で叩き込む「雷鳴八卦」の強化版。
その威力は能力が覚醒して防御力も大幅に向上したルフィでも防ぎきれず、明確なダメージを受けてしまうほど強力。
「大威徳」とは、西方に位置する五大明王が一人、「大威徳明王」のことだと思われる。
- 火龍大炬(かえんダイコ)
「よくわかった 受けて立つぜ……」
口から放出した炎を自身より何倍も大きな龍の姿に変えて纏う技。その大きさは巨大な鬼ヶ島級となり、放たれる熱量は鬼ヶ島のドクロの角を一瞬にして溶かす程の灼熱である。
ちなみに他の技が五大明王に関連している点や燃え盛る龍に変化するという点から、中央に位置する五大明王が一人、「不動明王」が所有する倶利伽羅剣に巻き付いた不動明王の化身ともされる燃え盛る龍、「倶利伽羅竜王」に関連しているのではという考察もある。
- 昇龍 火焔八卦(しょうりゅう かえんはっけ)
「そうだ手なんぞ離せ 逃げやしねェよ!!」
ルフィ戦で最後に使用した技。"火龍大炬"を使用した状態で上空の敵に突進し、形成した火龍を噛み付かせる。描写上、武装色と覇王色の覇気も全身に纏っていると思われる。ルフィの「ゴムゴムの猿神銃」に対抗して使用し、巨大な拳と拮抗し続けた。
原作以外で使用した技
- 天魔金棒
『海賊無双4』にて使用した技。八斎戒を前方に投擲して攻撃する。
- 百鬼夜行
『海賊無双4』にて使用した技。八斎戒を左右に叩きつけながら詰め寄る。
- 修羅震脚
『海賊無双4』にて使用した技。地面を踏み抜いて衝撃波を放ち、その衝撃で敵を打ち上げる。
- 羅刹蹂躙
『海賊無双4』にて使用した技。踏み荒らして衝撃波を放ちつつ、素早く突進する。
過去
故郷出奔~海賊へ
作中から59年前、偉大なる航路の「ウォッカ王国」で生まれる。
戦争国家で育ち、物心ついた頃から少年兵として幼少期を過ごし、わずか10歳にして最強の兵士と讃えられ、戦場で活躍した。その後、13歳の頃にウォッカ王国の国王から次回以降の世界会議の参加権をウォッカ王国が得る見返りに海軍に引き渡されることを伝えられ、そのまま海軍に徴兵されたが、「何でおれが政府の“いぬ”に!?」、「おれを政治に使うんじゃねェよ!!!」と反発して海軍船から脱走し、初頭手配で7000万ベリーの賞金首となる。
それから2年間は食事目的の為にわざわざ監獄船に出頭して、その後再び脱走して腹が減ったらまた監獄船に戻り食事するという行為を繰り返すようになった(この行為を海兵達は「食堂じゃねェぞ監獄船は!!!」と呆れていたが、これが上記の「海軍及び四皇に挑み捕まる事18回」という経歴の真実の大半である)。
ロックス海賊団加入〜百獣海賊団結成
15歳の時に海賊島「ハチノス」にやって来たが、そこでも大物海賊を撃破する実力を見せ、最終的にはその実力がロックス・D・ジーベックの目に留まり、白ひげのスカウトによってロックス率いるロックス海賊団にて、海賊見習いとして所属する事となり、ロックス海賊団に入った際には「ロックス海賊団は無敵」と人々からは称された。
この頃から人間不信故か、ビッグ・マムに「口ついてるのかい?」と疑われた。また、ロックスの船に乗る際にはビッグ・マムから「ロックスはロクでもねェ男だ、信用はするな」、「何かあったらおれに言いな」と忠告されており、この時から目を掛けられ、弟分として可愛がられたが、一方では若かりし頃の白ひげからはスカウト時に「海賊やる気あんのか!?」と言われた。
38年前のロックス海賊団が壊滅した「ゴッドバレー事件」の日にビッグ・マムから「ウオウオの実」を与えられた(カイドウ自身は「昔の話だ!!」とする一方で、ビッグ・マムは「でかい借りがあるよね」、「恩は一生だぞ」と述べている)。
ロックス海賊団壊滅後は失踪し、海賊島ハチノスに居たビッグ・マムからは「どこ行ったカイドウ!!フザけんなあの野郎!!」と吐き捨てられた。
暫くして海軍に捕まり、政府の実験施設で「血統因子」を抽出されるも、同時期に囚われていた自分と似た境遇を持つキングと出会い、彼と共に自力で脱出し、百獣海賊団を結成する。その後は個人の強さのみで凶暴な海賊達の尊敬を集め、四皇まで上り詰めた。
ワノ国へ
黒炭オロチとの協力関係結成
28年前(当時31歳にして娘ヤマトが生まれた年)、ゴッドバレー事件から10年が経ち、この頃には自身を武力の化身と呼んだ黒炭ひぐらしと手を組んでおり、ひぐらしからは「弱肉強食こそが自然の姿」、「これからはロックスの残党達が台頭してくる」と伝えられ、鎖国国家であるワノ国を武器工場とする計画を明かされたことでワノ国に招かれる。
ひぐらしの先導でワノ国に入国し、ワノ国への復讐を企む将軍の黒炭オロチと協力関係を結び、オロチからはワノ国の優れた武器を供給してもらう代わりに、外敵からオロチを守り百獣海賊団への指揮権を与え、ワノ国の支配体制を築き上げた。
光月おでんが帰還した25年前、彼とヒョウ五郎が手を組んでワノ国中の侍を敵に回すと「分が悪い」と判断し、おでんを騙して戦いを回避する。
23年前、ワノ国・鈴後でのゲッコー海賊団との戦争でゲッコー・モリアと交戦し、大軍を率いるモリアに対して全軍を引き連れて迎撃し、全面戦争の末にモリアを破った。
光月おでんとの戦い
20年前、討ち入りを起こしたおでんと赤鞘九人男に対し、1000人の軍勢と共に兎丼にて迎え撃つ。
戦いは長期戦となり、おでんによって右下腹部に十字傷を負わされたが、おでんがひぐらしの罠に嵌った隙を突き、彼を倒す(海賊の決闘に“卑怯”という言葉は存在しないとは言え、この援護はカイドウにとって不服だった上にひぐらしが人質作戦を独断で決行したため、後に「ババア(ひぐらし)の件は悪かったな 殺しておいた」と、おでんに詫びている)。
おでんの公開処刑では、一時間の油での釜茹でに耐えきった彼の死に様を認め、もう死にかけていた彼を自らの手で介錯したが、おでんを銃殺してしまったことで実の娘であるヤマトの恨みを買ってしまうことになる。
その後、光月家を滅ぼす為におでんの妻である光月トキらや主君の家族を救うべく逃亡した赤鞘九人男の命を狙い、おでん城に火を放ち、おでんの息子モモの助と対面した際はあえておでんを侮辱してモモの助を挑発し、おでんとは違い脆弱な彼に失望して殺す価値無しと言わんばかりに自ら手を下さず、殺すのは燃え盛るおでん城の炎で十分だとしてそのまま放置した。
更に、オロチからの従属要求を蹴っておでんの無念を晴らす為に反乱を起こした霜月康イエら各郷の大名や民を返り討ちにし、ワノ国を焼き尽くした(この頃にパンクハザードから怪物ナンバーズを買い取った)。「おでん漫遊記」を読んでおでんに憧れる様になった娘のヤマトに対しては、一切認めようとせず、自身に従わせようと20年の長きに渡って鬼ヶ島に監禁した。
『novel A』ではその後、姿を消したシキやロジャーの死と入れ替わるような形で四皇に君臨したことが仄めかされた。
詳細な時期は定かではないが、おでんが望んでいた開国はジョイボーイを迎え入れるためのものであると知り、これらのことをジョイボーイの伝説を自分に語ってくれていたキングに打ち明けたうえで、ジョイボーイとはこの先最強と謳われる自分を倒す人物であると定めた。
活躍
第1部 サバイバルの海 超新星編
エニエス・ロビーでの戦いを終えて静養していた麦わらの一味の前に現れたモンキー・D・ガープに語られる形で、その他の四皇と共にシルエットで登場したが、初めて名前が明らかになったのはスリラーバーク編。モリアに「カイドウの野郎(バカ)」と罵られ、一方的にライバル視されていた。
マリンフォード頂上戦争の直前に、四皇赤髪のシャンクス率いる赤髪海賊団と新世界にて小競り合いを起こしている(海軍本部は、戦争を機として白ひげを討ち取ろうと目論んだカイドウを、シャンクスが止めたのではないかと推測していた)。
第2部 最後の海 新世界編
ワノ国編の数か月前、モモの助や家臣の錦えもん達が20年の時を超えワノ国に現れると、彼等から「聞きてェ事」を聞き出す為に追っ手を差し向けた。
ドレスローザ編
ドンキホーテ海賊団から人造悪魔の実「SMILE」を大量に買い付け、全て能力者の最強の海賊団を作ろうとしていたが、闇のブローカー“ジョーカー”がルフィとローの海賊同盟に倒された事でSMILEの生産・取引が停止したため実現不可能となる。
趣味となっていた自殺の為、空島「廃虚バロンターミナル」から飛び降り自殺を図る。それでもかすり傷一つ付かずに生き延び、更に重要な取引相手が敗れた事実も知らず「世界を終わらせるための戦争」の開戦を宣言。
「くそったれ……急げ“ジョーカー” 最期の戦闘準備を整えろ!!! こんな退屈な世界壊れてもいい!!! 世界最高の戦争を始めようぜ!!!」
その真下にあったキッドのアジトに落下するも、またも生き延びて彼等の前に現れる。
ホーキンスは早々に降伏したのに対し、キッドとキラーは最後まで抗戦。カイドウは彼等を徹底的に痛めつけて無抵抗にし、自分に服従したホーキンス海賊団、オンエア海賊団と共にワノ国へ連れて帰った(アプーは元々百獣海賊団の傘下だった事実が後に発覚、カイドウが海賊同盟と遭遇したのも偶然ではなく、アプーが居る場所への移動の次いでに自殺を試みた可能性がある)。
ゾウ編
ジャックの“ジョーカー奪還”失敗と取引の終了を知り、能力者による自軍の強化が不能になったのを嘆き、それを招いたルフィとロー達に目を付ける。ジョーカーの身柄奪還に失敗した後にアプーと思われる人物から、ジャックと連絡が取れなくなったのを電伝虫を通じて伝えられた。
世界会議編
ホールケーキアイランドでのルフィの活躍を報じた世界経済新聞を読んでいたが、「おれの取り引きを邪魔したコイツがなぜ… あのババアの所にいたんだ………!?」と怪訝そうな様子を見せた。
その後電伝虫で、ルフィへの報復に燃えるシャーロット・リンリンから、「麦わらの首はおれが取らねェと顔潰れっぱなしだってんだよ!!」とワノ国へ赴く事を告げられ、昔の恩を彼女に掘り返された時は絶句したものの、「あの小僧に恨みがあるのはおれだ!!!」として迎撃の意思を示し、警告した。
ワノ国編
第一幕
頭山盗賊団の棟梁酒天丸と旱害のジャックの闘いの最中に、天から黒雲を掻き巨大な龍の姿でおこぼれ町の上空に現れる。
酒に酔っていたカイドウが、酔った勢いで町を破壊しないように、酔いを醒めさせようとホーキンスが、カイドウが探しているルフィとローは『おでん城跡』に隠れていると嘘で誘導されSMILEのでの怒りから(偶然にも本当に城跡に潜伏していた)ルフィの仲間達が潜む城跡を“熱息”で吹き飛ばす。
それでも殆ど酔いが醒めなかったカイドウに対して、仲間への襲撃に激怒したルフィが攻撃を仕掛けるが無傷で耐え抜き、逆にルフィを“雷鳴八卦”の一撃で下す。
その後、気絶しても覇王色の覇気で威嚇してくるルフィの闘志を認めて、部下にせんと決めるや「心をへし折ればいい戦力になる」として、兎丼の囚人採掘場に連行させた。
第二幕
シャーロット・リンリン率いるビッグ・マム海賊団の襲来に対処。キングにより撃退した際は「全面戦争にならなかった」と心を落ち着かせる。
黒炭オロチによる康イエの処刑の際には、えびす町の住民の悲しむ姿を肴に酒を楽しんでいた。
終盤、クイーンによって鬼ヶ島に移送されて来たビッグ・マムと対面し、先の宣言通りに激突する。夜通し戦い続けるも雌雄が決するに至らず、「協力して世界を取ってから決着をつける」として意気投合し、百獣海賊団とビッグ・マム海賊団で海賊同盟を結ぶことを声を揃えて宣言する。
第三幕
都で年に一度の祭事“火祭り”が催されている頃、カイドウとオロチ達は鬼ヶ島で大々的な宴会を開き盛り上がる。
カイドウはこの宴会の席でとある“重大発表”を予定。失踪している"バカ息子"のヤマトを連れ戻す様飛び六胞に呼び掛ける。今回の発表内容に重要な役割があるヤマトをキングが招集した“飛び六胞”に対して「大看板への挑戦権」の褒美を掲示してまで捜索に駆り出している。
オロチの内通者であったカン十郎改め“黒炭カン十郎”が光月モモの助を連行しオロチ達の下に帰参した際には、20年前と全く変わらない無力な子供であるモモの助からは「聞きたい事」の答えは望めないとして興味が失せ、加えてヤマトも現れる様子がなかった為に痺れを切らし、前倒しで重大発表の内容である「新鬼ヶ島計画」の全貌を語り出した。
先日のドフラミンゴの捕縛により、今後のSMILEの生産が望めない上、海軍や世界政府が自身等『四皇にも匹敵する戦力を手にした』情報を受け、それに対抗すべくビッグ・マム海賊団と連携し"古代兵器"と"ひとつなぎの大秘宝"を入手する等、更なる武力の向上を計画し、その絶大な軍事力を用いて世界中に恐怖と戦争をもたらし、「暴力の世界」と称する世界規模の大戦を勃発させることを宣言する。
その上でワノ国全土の支配および武器工場化、人民の奴隷化、国名を「新鬼ヶ島」に変える方針を掲げる。
新鬼ヶ島の将軍にはヤマトを立て、オロチの傘下である侍達には「主君オロチと共にここで死ぬかおれ達と世界を獲るか」選ぶよう要求し、「新鬼ヶ島計画」に異を唱えたオロチの首をキングの日本刀で斬り落とす。
突然の事態に動揺した侍達だったが、「カイドウを敵に回すのは流石に分が悪い」と判断。
お庭番衆隊長の福ロクジュ、見廻り組隊長のホテイは即座に百獣海賊団入りを宣言した為、オロチ軍の戦力約1万人がカイドウの軍門に下り、大きな騒動は起こらずその場は収められた。
侍達が屈服した事を確認したカイドウはモモの助の処刑を始めようとするが、せめてもの慈悲として暗に「『光月家とは無関係』であると騙れば見逃そう」と、改めて彼の名前を問い詰める。
しかしモモの助はカイドウからの情けを一蹴。その場でモモの助を処刑しようとするが、錦えもん達赤鞘九人男の奇襲を受け、場所を鬼ヶ島「ドクロドーム」屋上に変え迎撃。
一対九の激闘を繰り広げ、その最中に「お前らの気迫に………!! 光月おでんの影を見た」と称するも「お前らはやはりおでんじゃなかった………」と見做し、嬉々と戦っていた雰囲気から一転、後処理を行うかのように淡々と金棒で叩き伏せて蹂躙、彼等を容易く全滅させる。
更には「新鬼ヶ島計画」を実行に移す為、鬼ヶ島を焔雲に乗せ、花の都へ向かわせた。
- 最悪の世代との衝突
赤鞘九人男の総攻撃をも退け全て叩き伏せた後はビッグ・マムと戦局について話し合う(この時「どれだけ殺そうと勝手だが ニコ・ロビンは生かしておけよ?」と忠告される)。
ルフィたち新世代の海賊が屋上に到着すると、ビッグ・マムと共に迎え撃つ。
ルフィが“ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)”で自分と戦えるレベルに達したことに感心し、かつて死闘を繰り広げた猛者達の影を重ね僅かに動揺するが、直ぐに笑みを浮かべ二度目の雷鳴八卦を見舞うも、以前とは別人のような急成長を遂げた彼を称賛、嬉々として応戦する。
「ウォロロロ!!殺すにゃ勿体ねえ!!!」
「──だが仕方ねェ!!!お前らが死んだら何もかも貰うぞ!!」
「“仲間”も“宝”も全ておれ達のもの!!!」
「勝った奴が大きく近づく!!! 『海賊王』にな!!!」
人獣型に変身して、覇王色を纏った一撃“降三世引奈落”でルフィを気絶させ、二度目の勝利を収める。
ビッグ・マムとキッドとローにより引き離されると、気絶して尚睨み付けてくるルフィに止めを刺そうとするが、ゾロの渾身の一撃“鬼気九刀流”“阿修羅抜刀”“亡者戯”に阻まれ左肩から右下腹部にかけて傷を付けられる。意識を取り戻し、覇王色を纏う技術を会得したルフィに一騎討ちを挑まれ、三度目の勝負が開始されたが、覇王色を纏った攻撃も「お粗末な操作だったな」と吐き捨て、さらに「お前も…“ジョイボーイ”には……なれなかったか………!!」という意味深な言葉を残し、海に叩き落として三度目の勝利に終わった。
その後はバオファンに「結果」を報じさせて侍・海賊連合軍に降伏を迫り島内の掃除をするべく降下、モモの助を狙い一階「天井裏」を急襲、錦えもんを頭上から叩き伏せて瀕死の重傷を負わせ、胴体に刀を刺して討ち取る。
更にモモの助を追い詰め処刑しようとするが、しのぶの“熟々の術”で島の外に逃げられる。
ルフィが屋上に戻るまでの時間稼ぎで屋上に到達したヤマトに「縁を切りに来た」と宣言され、彼女を服従させる為に屋上に戻り激突。連戦の疲労をまるで感じさせない無尽蔵の体力と覇気で彼女を終始圧倒。
しかし、しのぶの能力で20年分成長したモモの助と肉を食って回復したルフィが到着し、龍となったモモの助に驚きを見せる。
ヤマトとモモの助はルフィの頼みにより、花の都に降下する鬼ヶ島を止める為その場を離脱し、自身はそのままルフィと四度目の勝負を開始する。お互いの一撃がぶつかったときには四皇同士が激突した際の天が割れる現象を引き起こした。
「おれに勝てる可能性でもあんのか!!!!?」
ルフィ「生きてんだから無限にあんだろ!!!」
その後もルフィと互角の戦いを展開。久しぶりに自身と一対一で対等に戦える相手が現れたことに歓喜し、酒を大量に飲んで酒龍八卦を発動する。
ビッグ・マムがキッドとローと敗れたことを察知した際には泣き上戸になりながら彼女と初めて出会った時のことを思い出すが、その隙にルフィがギア4による猛攻を開始。ゴムの性質上あり得ない攻撃をするルフィに対して至近距離から鬼ヶ島を貫く"熱息"を放ち、殺戮上戸での咆雷八卦でルフィをこれでもかと追いつめていく。
まさにどちらが勝つか分からない死闘だったが、お互いの一撃がぶつかろうとする瞬間にCP‐0のゲルニカが乱入してルフィの行動を妨害し、一瞬20年前のおでんとの死闘とその結末がフラッシュバックするも、全力で繰り出した一撃を止めることはできず、攻撃が止まってしまったルフィにクリーンヒットさせてしまい、その一撃を以てルフィの"声"は消えてしまう。
結果としてルフィを相手に4度目の勝利を収めてしまうが、その瞬間のカイドウの表情は絶望と悲壮に満ちた「勝者」らしからぬものであった。
戦いに横槍を入れたゲルニカを八斎戒の一撃で叩き潰した後、戦いを終わらせるためにライブフロアに下降。「モンキー・D・ルフィの敗北及び戦死」を宣言し、モモの助に降伏を促すと同時に生き残っていた侍達を蹂躙し始める。
そんな中、ゴムゴムの実の覚醒に目覚めると同時に復活したルフィにより屋上まで引っ張り上げられ、ルフィがまだ生きていたことを確認すると、ゲルニカの横槍による勝利はカイドウ本人も不本意かつ納得していなかったこともあり、ルフィが再び立ち上がったことに対して「ありがとよ」と感謝し、5度目の戦闘を開始する。
「さっきはバカが悪かったな……!! アレで勝ちにはしたくなかった」
ルフィ「気にすんな!! 決着(ケリ)つけよう!!!」
覚醒したルフィの自由奔放な戦闘に翻弄されることになるが、自身も負けじと全力の覇気で対抗する。
ルフィと互角以上の死闘を繰り広げるが、「これで終わらせる!!!」と決意したルフィが拳を極限まで巨大化させた"ゴムゴムの猿神銃(バジュラングガン)"を発動させると対抗するように火龍大炬を展開。マグマを超える灼熱で巨大な火龍を形成し、両者は激突した。
「よくやったよ!!! よくここまで戦った!!!」
「だが お前に世界は変えられねェ!!!!!」
ルフィを否定したカイドウはここまで健闘したルフィを称えつつ、再び「一体どんな世界を作れる!!!?」と問う。それに対し、ルフィは「友達(ダチ)が……!!!腹いっぱい!!!メシを食える~~!!!!世界!!!!!」と返し、ありったけの力を込めて左の角を折るほどにカイドウをワノ国の奈落まで殴り飛ばした。
僅差で押し負けたカイドウはこの答えを聞き、叩き落とされる最中にかつてジョイボーイについてのキングとの和やかな会話を回想する。
「キング…おれはジョイボーイが誰だかわかった」
キング「………誰です?」
「この先おれを倒した男だ!!!!」
キング「じゃあ………現れそうにないな…」
実は、ジョイボーイを待っていたのはワノ国の民達だけでなく、カイドウもその一人であった。
不平等で不条理な世の中を凄まじい力を持って生まれ、それ故恐れられ、疎まれ、大人達に良いように身売りされた経験から誰よりも人としての「自由」と「平等」を望みながらも「戦争」という解決手段しか知らず、最強と周りから称えられながらもキングの望んだ「世界を変えるだけの力」を持たなかった。
かつて、お腹を空かせるあまり監獄船に何度も捕まっていた経験を持ち、そんな荒んだ半生から本当は誰よりもジョイボーイを待ち侘びていたカイドウは、ルフィこそが20年もの間待ち続けたジョイボーイであると確信しながら、地下のマグマ溜まりへ沈んでいく。
「こわいりゅうをやっつけて」
「光月家がかえってきますように」
空船に書かれたワノ国の願いはカイドウの撃破を以て叶えられ、遂に鬼ヶ島の決戦が終息したのだった。
その後ワノ国地下のマグマ溜まりでビッグ・マムらしき影と共にカイドウのものと思われる影が確認されており、両者共に高熱のマグマの中にいて原型を保つという恐ろしさを発揮していたが、直後の海底火山の大噴火に巻き込まれた。
そして、世界経済新聞には四皇リンリンとカイドウの敗北が報じられ、四皇の座を奪われることになった。
余談
- キャラクターデザイン
竜の他に頭にある大きな二本の角、金棒が武器と鬼を思わせる特徴を多く持ち、更に「大の酒豪である」、「酒瓢箪の『天』の文字」から、鬼の頭領として知られる酒呑童子がモデルと思われる。酒呑童子も「ヤマタノオロチの子供説」もある。
部下も角の装飾を身につけており、拠点は鬼ヶ島である等から、鬼が海賊団のモチーフであるのが窺える。
また、金太郎伝説には、金太郎は「鬼女と雷神の息子説」や、「赤い龍と人間の女の息子説」もある。鱗の赤い龍であるのはカイドウの変化にも当てはまる。
ちなみに龍は中国において「王や皇帝の象徴」「鬼を含む9種の生物の特徴を持つキメラ的生物」「366種の鱗のある生き物の王」であるとされ、「王」「数多の獣(→百獣)の王」「鱗の模様」等のカイドウのキャラクターにも当てはまる。SMILEの能力者立ち上げも、まるでキメラ→合成生物を彷彿させるデザインが特徴となっている。
悪魔の実のモデルである青龍は東西南北を司る四神の1体だが、他の四神をモデルとした悪魔の実が存在するかは定かではない。
13巻の作者コメントによると「神に最も近い生物。それが龍。」とのこと。
モモの助やカイドウの龍の形態は4本指であり、これは例えば朝鮮半島の伝承に近い。派手な体色も、中国やベトナム等の大陸やフィリピン等の伝承に近い。
またワノ国の入り口はまるで鯉の滝登りを思わせる要素があり、これも龍伝承に繋がりがある。
その他にも「障害」や「古き力」「冬の象徴」として表されることの多いインド神話きっての武闘派でインドラの宿敵である邪龍ヴリトラとの共通点も多い。
それ以外にはカイドウ自身や部下達の野性味を感じさせる外見から、鬼や海賊だけでなく、かつて北欧で暴虐の限りを尽くした戦闘民族であるヴァイキングを髣髴とさせている(最近の調査で、ヴァイキングにはコーカソイド以外の人種がかなり存在していた事実が判明している)。
アニメでは肌の色が浅黒く変更されている。
作画コストの高いキャラデザインと長期間に亘る作業から、アニメ1076話が終わる頃には作画班に「もう鱗の修正しなくて良いんだ」「二度と鱗は描きたくない」とトラウマを植え付けた。
- 連戦に次ぐ連戦
鬼ヶ島での戦いでは多くのキャラと連戦しており、
対戦相手 | 状況 | 結果 | |
---|---|---|---|
① | 赤鞘九人男 | 討ち入りを仕掛けられ戦闘 | カイドウの勝利 |
② | ルフィ、ゾロ、ロー、キッド、キラー | ビッグ・マムと共闘 | (ゾロを覇海で全身の骨を折った上で)ルフィとのタイマンに持ち込む |
③ | ルフィ(2R) | ルフィが覇王色の本質に触れる | カイドウの勝利 |
④ | ヤマト | ヤマトの時間稼ぎ | 決着こそつかなかったが事実上カイドウの勝利 |
⑤ | ルフィ(3R) | 肉を食い復活したルフィと本気のタイマン | 横槍を入れられたとはいえカイドウの勝利 |
⑥ | ルフィ(4R) | ニカ降臨 | 敗北こそしたもののカイドウ優勢で勝負が進む |
と言った感じで四皇に匹敵する敵とずーっと戦い続けているという尋常じゃないタフさを見せており、一回、食事によって回復していたルフィと違い、休まずに階下に降りて掃討も手伝っている上に、何よりも鬼ヶ島を焔雲で飛ばしたまま戦闘を続けた。
さらに言うと、最後に戦ったギア5時のルフィはたったの一撃で覚醒フォルムのルッチや海軍大将である黄猿に致命的なダメージを与えられる力を持ち、世界政府最高戦力である五老星が総出で戦うことを踏み切る程の強さなのでその攻撃を何発も喰らっても戦い続け、最後の大技を喰らうまでは単独で互角以上にやり合っていたのだから本当に人間なのかと改めて言いたくなってしまう。
- 声優
カイドウの担当声優である玄田氏は映画第二作目の『ねじまき島の冒険』のラスボスであるベアキング以来の2回目の起用である。ルフィやウソップの中の人達によると「玄田さんがこういうゴツい役やるのは久しぶり」とのこと。ゾロの中の人はTwitter麦わらスペースにて、アニメでの演技を見て「玄田さん怖い…」と呟いていた。ちなみにどちらもトランプモチーフの海賊団を率いているという共通点がある。
なお本人もルフィの中の人と収録で会う時はいつも「カイドウって怖いね」と言い合っており、そのキャラクターについては「カイドウは孤独なんだよね。上に立つ者として相談役もいないし、本音を聞いてくれる人もいない。本当は寂しいと思うんですよ。」と述べている。
関連イラスト
- 人型
- 獣型
- 人獣型
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ヤマト…娘
エドワード・ニューゲート シャーロット・リンリン…本編当初、同じく四皇に数えられる。
シャンクス…同じく四皇。マリンフォード頂上戦争で足止めされ、乱入を阻まれた。
ゲッコー・モリア…当時「ゲッコー海賊団」を率いていた彼とワノ国で激突している。
光月おでん…20年前に対峙し、自身の腹部に十字傷を付けた宿敵。
モンキー・D・ルフィ ロロノア・ゾロ トラファルガー・ロー ユースタス・キッド キラー…鬼ヶ島で激突した最悪の世代たち。
ダグラス・バレット…かつての少年兵、15歳で海賊団に入るなどカイドウと似たような幼少期を辿った人物。こちらも単騎で破格の強さを誇る。
各章のボスキャラクター
シャーロット・カタクリ→カイドウ→五老星