フーディン
ふーでぃん
基礎データ
概要
ユンゲラーの進化形。知能指数5000で、生まれた時からの記憶どころか、世界の出来事に関する記憶を全て有している程の記憶力の高さを誇る。両手にスプーンを持つようになり、髭はユンゲラーよりも長く伸びている。このスプーンはフーディンが作ったワンオフ品で、信頼したトレーナーにはこのスプーンを贈る事があり、これを使って食事をするとなんでも美味しく感じるという…。サイコパワーで味覚を操作しているのであろうか?
額の星マークと腹部の縦波の模様は消え、尾も退化し、ユンゲラーよりスリムになり体重が減っている。第4世代以降ユンゲラーと同様、メスは髭が短い。知能指数が5000なだけあって脳が大きくて頭が重く、首だけでは支えきれないため自身の超能力(念力)で支えている。また、身体を動かすのもほとんど筋肉を使わず超能力を用いている。なお、脳細胞は死ぬまで増え続けるというのだから、知能の高さにも納得である。
実は『赤・緑・青・ピカチュウ』では薄らではあるものの額に✡(六芒星)のような意匠があるが、『金・銀』以降ではそれが消えている。
名前の由来は恐らく「脱出王」の異名を持つアメリカで最も有名な奇術師ハリー・フーディーニ。
マジシャンとしての知識と洞察力で「超能力」や「霊能力」のトリックを見破ったことでも有名な人物。
進化前のポケモン二種の元ネタが超能力者を自称する人物であったことを踏まえると意味深なモチーフである。
尾が退化した理由としては妖狐の一種である空狐から来たと言う説がある。妖狐は何千年も生きている内に尻尾を増やしたり減らしたりする事で格を上げていき、空狐になると尻尾がなくなってしまうと言う。また、フーディン族が狐に似た姿をしているのは霊能力者を自称した19世紀アメリカに現れたフォックス姉妹からの連想からなのかもしれない。
色違いは茶色の部分がピンク色になっている。進化前2匹の色違いが微妙な事もあって、この色の違いは納得いくであろう。
ゲーム上での特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ユンゲラー | 40 | 35 | 30 | 120 | 70 | 105 | 400 |
第五世代まで | 55 | 50 | 45 | 135 | 85 | 120 | 490 |
第六世代から | 55 | 50 | 45 | 135 | 95 | 120 | 500 |
多彩な特殊攻撃と初代最高であった特攻、120と先制を取りに行くには十分な素早さを持つため、特に初代では最強ポケモンの一角となっていた。
技バリエーションも初代こそエスパー一辺倒だった(当時威力100だったじめんタイプのあなをほるをサンダースに対策に採用する事はあった)が、第2世代で「3色パンチ」を習得した事で様々な相手に対抗できるようになった(3色パンチのタイプ上当時は全て特殊技に分類されていたため)。
しかしながら第4世代で「3色パンチ」の物理化や弱点タイプの強化を受けてやや弱体化。それでも「きあいだま」「シャドーボール」「エナジーボール」といった特殊のサブウェポンを手に入れ今までとは異なる相手にも対抗できるようになった。
第5世代では相手のぼうぎょでダメージを計算するタイプ一致特殊技「サイコショック」の登場により、とくぼうが高い相手にも有効打を持てるようになった。更に特性「マジックガード」の登場で攻撃技以外のダメージをシャットアウトでき、天候パーティにも対応できる他「いのちのたま」「どくどくだま」「かえんだま」との相性もよくなり大幅に強化された。
続く第6世代では密かにとくぼうが10だけ強化され、フェアリータイプの「マジカルシャイン」も習得したことで今まであくタイプ対策には高威力だが命中不安なきあいだましかなかったが安定した技を得た。さらにはメガシンカするポケモンの一角を占める事となった。詳細はメガフーディンを参照。
だがエスパータイプ自体がかなりの弱体化を受けてしまった。
第7世代で自身と相性のよい「サイコフィールド」が登場し、『USUM』からは自身もこの技を覚えられるようになったので巻き返しが待たれるところ。
一応マジックガードでいのちのたまの反動無しになった状態でサイコショックを放てば性格ひかえめの特攻全振りで体力振りハピナスを確定1発にできる(HDポリゴン2でも確定2発。直接落とせる可能性は低いが、特防ダウンもあるため愚直に受け出しは出来ない)ため、決してポテンシャルが無い訳では無い。強いて言うなら新しく出てきた奴らが強すぎるだけなのである。
使用トレーナー
ゲーム版
- ナツメ:ジムリーダー(カントー)
- グリーン:初代ライバル/カントーチャンピオン
- キクコ:四天王(カントー)※1
- シルバー:金銀クHGSSライバル
- リラ:タワータイクーン
- モミ:ポケモントレーナー
- ミル:ポケモントレーナー
- マイ:ポケモントレーナー
- ゴヨウ:四天王(シンオウ)
- カトレア:四天王(イッシュ)
- ザオボー:エーテル財団
- トモヤ:フーディンマスター
- セイボリー:鎧の孤島ライバル
- ノボリ:キャプテン(ヒスイ)
- カネツグ:ブショー
※ポケモンスタジアム2
アニメ版
漫画版
- カントーのポケモンだいすきクラブ会長(ポケスペ)
- ナツメ(ポケスペ)
- ミル(ポケスペ)
- イーレ(ポケスペ)
- リラ(ポケスペ)
番外作品
ポケモンGO
サービス開始当初から実装されている。
攻撃の種族値が非常に高いという点は原作と変わっておらず、エスパータイプ中3位(ちなみに1位はデオキシス・アタックフォルム、2位はミュウツー)。ノーマルアタックでは「ねんりき」や「サイコカッター」、ゲージわざのスペシャルアタックでは「サイコキネシス(レガシー技)」や「みらいよち」などの使い勝手の良いエスパーわざを覚えてくれるのもうれしい。
特に、現状「サイコカッター」と「みらいよち」の両立が可能なのはフーディンとクレセリアのみであり、非常に貴重な存在となっている。
反面、HPや防御力が非常に低い点も同様であり、大技を食らったら一気に体力を持って行かれてしまう脆さも抱えている。
現状、伝説ポケモンであるミュウツーとデオキシスを除けばエスパータイプの中では最強クラスの性能を誇るポケモンなのだが、実装からしばらくの間は、人気はいまひとつといったところであった。
その最大の理由は、入手難易度があまりにも高すぎる上、育成にも手間がかかったためである。
フーディンは野生の個体の出現率が低いため、基本的にケーシィからコツコツ育てていくことになる。
しかし、このケーシィがとんでもない曲者であり、捕獲に失敗するとほぼ確定でその場から逃走してしまうため、確実に捕獲するためには「ハイパーボール」や「ズリのみ」なども併用する必要がある。
しかも、フーディンに進化させるためにはケーシィのアメが合計で125個も必要であり、CP値を強化することも考えるとそれよりもさらに多くのアメが必要になる。そのたびに上記のような非常に手間のかかる捕獲工程を繰り返さなければならない。
これでケーシィの出現率が高ければまだマシだったが生憎普通程度。「ズリのみ」や「ハイパーボール」をケーシィのために使えると割り切ればいいのかもしれないが。
これに追い打ちをかけたのが、金銀組の実装に伴い登場したエーフィである。
こちらはフーディンと比較してHPがやや高い反面攻撃力がやや低いという性能になっているのだが、総合性能ではほぼ互角。さらに、あちらは進化元であるイーブイが非常に手に入れやすいため、進化や育成にもあまり手間がかからない(進化させるにはやや複雑な手順を踏む必要はあるが、必要なアメの個数は25個とフーディンの5分の1で済む)。
……つまり、フーディンは入手難易度・育成のしやすさの2点でエーフィに勝てる要素がほぼないということになる。
……とマイナス面ばかり紹介してきたが、フーディンがエーフィに勝る点がないわけではない。
実は、こいつはゲージ技で「きあいだま」を覚えられる。
「でも、不一致技なんだしどうせ大したことないんでしょ?」と思われがちだが、2017年6月のアップデートでタイプ一致補正より弱点を突いた時の補正の方が高くなった。
現状かくとうタイプはニョロボンを除けば手に入りづらいポケモンが多く、最大CPもカイリキー以外は低めなので、不一致ながら優秀なかくとう技使いとして名乗りを挙げることとなったのである。エスパータイプなのに。
また「シャドーボール」を覚えればジムに置かれたエスパータイプに対抗することができるほか、ジムに置くことでゴーストタイプに対する牽制にもなる。
さらに、通常技で出の早いサイコカッターを覚えられるので、エーフィと比べて立ち回りが安定しやすく、耐久性の低さをある程度補えるというメリットも。
また、最近ではほのおのパンチも覚えられるようになり、むしタイプのポケモンにも相手できるようになった。
このように、何だかんだで器用万能さで勝負はできる。
同じことはミュウツーでもできてしまうが、手に入るまでの繋ぎと考えれば十分活躍の余地はあるだろう。
また、通常のミュウツーは意外にもゲージ技で「みらいよち」を習得できないため、エスパータイプのポケモンとして運用することを考えた場合はフーディンの方が火力を出せる(※)。
さらに、2018年9月以降、ミュウツーはゲージ技でシャドーボールを習得できなくなってしまったため、現状「サイコカッター」と「シャドーボール」のコンボを実現可能なのはフーディンのみとなってしまった。
このため、必ずしもフーディンはミュウツーの劣化とは言い切れないのである。
第3世代では強力なライバルとしてサーナイトが登場した。
「こうげき」こそフーディンの方が勝っているが、原作と異なり「すばやさ」が殆ど反映されていないのでエーフィ共々総合スペックでは負けている。
だがこちらも「みらいよち」を覚えることができず、タイプもエスパー・フェアリーなので弱点や運用方法が大きく異なっている。
これらの事情もあり、第5世代までが実装された現在においても(新たに追加されたエスパータイプのポケモンたちが全体的にパッとしない性能であったこともあり)エスパータイプのアタッカーとしては依然として安泰な地位を保ち続けているといえる。
※ 現在は、「サイコブレイク」を習得したミュウツーが期間限定で配信されたことで、火力で逆転されてしまった。今ではレガシー技であるサイコキネシスも2分割ゲージになったことでますます採用の機会が減ってしまっている。
レイドボス
2017年6月から2018年2月までレイドボスとしても登場した。
レベルは★★★。ソロでの攻略はやや難しいので、複数で挑むのがオススメ。
レイドボスになったことで最大の弱点であったHPの低さが克服されたことに加え、攻撃力も大幅に上昇しているため、耐久力の高さと相まってかなりの強敵となっている。
あくタイプ、ゴーストタイプ、むしタイプであれば有利に戦えるので、これら3つのタイプを主軸にPTを編成すると良いだろう。特にハッサムは、「れんぞくぎり」「シザークロス」「つじぎり」とフーディンの弱点を突ける技が揃っており好相性である。他にも、出が早くゲージを溜めやすい「シャドークロー」と高威力の「シャドーボール」の組み合わせを実現可能なジュペッタも割と相性は良い。
ただし、注意点として、どちらも耐久性が低いためゲージ技を食らおうものならあっという間に体力が消し飛ばされてしまう。最低でも相手のゲージ技くらいは確実に回避できるようにしておきたい。
また、もう1つの注意点としてゲージ技で「きあいだま」を習得していることがあるので、迂闊にあくタイプで挑むと返り討ちにあってしまう可能性がある。特にバンギラスはかくとう技が二重弱点になっているので、きあいだまの直撃を受けると体力が満タン近くであっても即死する危険があるので要警戒。「ほのおのパンチ」に於いても同様むしタイプで相手しようとなると相当以上の負担がかかってくる。状況に応じて使い分けながら戦おう。
アニメ版
シロガネリーグのデータでのみシゲルが所持している事が判明している。
やはりミナキはスイクン捕獲の為に育成していた模様。
無印103話ではジギー、無印108話でルリコ、無印171話でノボル、AG46話でカチヌキ・リョウヘイ、DP編でケンゴ等、多くの人物が手持ちにしており、リラとザオボーはアニメ版でも手持ちにいれている。
コンコンブルの個体はメガシンカ可能。
無印 | 99話・122話 |
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AG | 146話 |
DP | 124話・140話 |
新無印 | 58話・136話 |
特別編 | 最強メガシンカAct1(冒頭のみ+メガシンカ)・Act4 |
劇場版 | ルギア爆誕・ボルケニオンと機巧のマギアナ |
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
第1章ではカントーのポケモンだいすきクラブ会長のケーシィがロケット団に拐われ、監禁されている間にフーディンに進化しており、会長は気絶した。
第2章ではナツメの手持ちとして登場し、運命のスプーン曲げでスオウ島に集まったメンバーを組み合わせた。カンナ戦ではヤドランがドわすれによってサイコキネシスが効かず、ルージュラの悪魔のキッスでダウンした。
8章ではミル、12章でコンコンブルの元で修行を積んだ兄弟弟子のイーレ、14章ではリラの手持ちで登場する。