「相棒、失敗を恐れるなって。ここで動かなきゃ、一生後悔するぞぉ?」
「悪魔を解放するって、気持ちいいんだぜ~?」
変身する仮面ライダー
概要
『仮面ライダーリバイス』のもう一人の主人公。五十嵐一輝の内に潜む悪魔であり、一輝と契約を結んでいる。
一輝の仮面ライダーリバイへの変身に伴い仮面ライダーバイスに変身し、合わせて1人で2人の仮面ライダー・「仮面ライダーリバイス」として戦う。
元々名前は無く、一輝の前に始めて現れた時も単に「悪魔」としか名乗らなかった。「バイス」の名前は初戦闘の後、ジョージ・狩崎によってリバイスが命名された際に自ら流用したもの。
つまり「バイスが変身するライダーだから仮面ライダーバイス」なのではなく、「仮面ライダーバイスに変身する悪魔だからバイス」の流れである。
外見
黒いボディに尖った耳、地面まで届く長い尻尾、仮面ライダーのような青い複眼が特徴。
この尻尾はバイスのアイデンティティかつ繊細で敏感な部分らしい。
頭部は白い髪をオールバックにしたようになっているが本当に髪なのかは不明。
生え際がギザギザに隆起しているため、変身して動物モチーフのヘルメットを装着した状態だと鋭い牙が並んでいるように見える(実際、それをイメージしてデザインされている)。
口元にはクラッシャーが存在するが、よく見ると青いマスクを付け、その上からクラッシャーのイラストを描いたようになっている(ちなみに第20話で本当にマスクであったことが判明している)。メタくいえば、恐らくコロナ禍の世情を反映したデザインだろう。あるいは後述のように抑圧された深層心理=本音を抑えている(口を閉じている)状態を示すものであろうか。
このマスクは仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズの公開時に劇場オリジナルグッズとして販売されたほか、テレビマガジン6・7月号の付録ともなった。
なお前述の第20話の際マスクを外しているのだが、マスクの下は一輝達もドン引くような造形らしく、元太から「バイスちゃん、それもうホラー映画だね」と比喩されている。
視聴者には最後まで明かされなかったが、見た目がほぼ同一だったとある悪魔の口元と同じなのではないかと考えるファンもいる。
人間態
バイスに正確な人間態は存在しないが、第24~27話の間は身体が一輝と同化してしまい、いわゆる憑依体のような状態になった(V一輝)。
その際の外見はアイデンティティの尻尾が残り、目は水色で、頭には悪魔のツノのようなものが生えていた。
また第28話で一輝の精神世界に現れたバイスは、首から下はそのままだが顔は一輝と同じ顔をしていた(髪型はオールバックではなく黒髪に白メッシュ)。
そのため人間態があったとしても恐らく一輝とほぼ同じであり、一輝の先輩の大人気声優に似た姿になるわけではなさそうである。
人物像
全話共通
一人称は「俺っち」(シリアスな場面では「俺」も用いる)。
陽気かつハイテンションな性格の目立ちたがり屋。長男である一輝と対比するような幼さを表すことも多い。よく何処かの誰かに向かって話しかけたり、カメラ目線でコルナをキメている。
反面、一輝の精神的支えになるような助言や行動をしてくれる一面も。
普段は宿主の一輝にしか姿も声も知覚できない幽霊同然の存在だが、一輝が自分の胸にレックスバイスタンプを押すことで実体化できる。バイスとしては外に出してもらえる方が嬉しいようだ。
一輝とは小競り合いやじゃれ合いのような喧嘩が絶えないものの、有事の時にはノリノリで絶妙なコンビネーションを発揮する。
根源テーマの関係上ギスギスした展開が非常に起こり易い本作においては、彼の喧しさがある種の清涼剤になっている。
また、本当にシリアスなシーンでは場に合わせて黙っていたり、意外と空気も読めるようである。
ちなみにジョージが持ってきた武器に「判子を押して敵を倒すからオーインバスター」と名付けたり、後輩悪魔の口癖と特徴から「『ラブ』とか『コブ』とかいっぱい言うからラブコフ」と命名するなど、特徴を読んでそれにあった名付けができる。
第1~12話
良くも悪くも素直かつストレート。自由になるのに執着を持っており、「自分の身体を持つ」のを願いとする。
自己顕示欲も強く、事ある毎に自分が存在する証を刻み付ける行為に余念が無い我儘な暴れん坊。9話ではついに自身のタグをつけて拡散するよう視聴者に促した(詳しくは後述)。
だが一輝の心から生まれた存在であるため一輝が死ぬと巻き添えになってしまうらしく、一輝が自分を省みない行動をすると慌てる。
テキトーな言動から頭の悪そうな印象が強いが、第1話では家族が巻き込まれた混乱に便乗して一輝を唆し、まんまと実体化した後は言質上最低限の約束だけ果たして彼の母を喰らおうとする等、まさに悪魔と言わんばかりに狡猾な部分も。
しかし第2話で問題行為を続けたせいで一輝を本気で怒らせてしまい、一輝が変身せず敢えて敵に生身のまま突撃し「このまま死ぬまで戦い続けてやるよ」と共有する命を盾に脅されたことで遂に降参。
嫌々ながらも「わかったよっ! もう人は襲わないっ! 人を守るために戦う!」「俺っちは……一輝の言うことを守ります!」と誓いを立ててそれに従うようになる。
それ以降も手綱を取る一輝を振り回して困らせる行動や言動が多く、第4話にて写真から何故か一輝の姿だけが消えていくのを目撃した際は、一瞬驚いた後「なるほどね」と笑っていた。
だがその後一輝が家族との遣り取りでエゴが強まり判断能力を失った時には本気の忠告をしたり、軽いノリでだが謝罪や気遣いをするシーンも出てくるようになる。
また、宿主の影響なのか風呂に並々ならぬ興味を抱いておりしあわせ湯に入りたがるが、一輝からは「お前みたいな悪魔をうちの神聖な湯には入れない」と渋られる(変身後の姿限定で嫌々入れてもらえることも)。
コーヒー牛乳も飲みたがるが「お前にはまだ早い」として却下され、第6話では五十嵐家のカレーにも「悪魔的な香り……」と強烈に惹かれて「食べたい!!」とねだったがこちらも一輝に即却下された。
第13~28話
第13話にて一輝がバイスを信頼することを決め、それがバリッドレックスバイスタンプ完成の決め手となり、第18話では一輝がバイスと元々一つであったことを認めたことで、ボルケーノレックスバイスタンプを使いこなせるようになるなど、二人は互いに向き合って強化フォームを獲得していった。
すると一輝の心から生まれた悪魔であるバイスもそれに影響されて徐々に変化していき、真面目な一面が多く出るようになり、頼りやすい感じになった。
自由で目立ちたがりなのは変わらないものの、一輝に対してはさながらご主人様が大好きなわんこ。
当初の願いであった「自分の身体を持つ」も第13話と第18話を経て、実体化の機会が増えて着実に叶えられていく。
特に第22・23話でローリングバイスタンプを送り付けられた際は、一輝の身体を意図せず乗っ取ってしまうと、ほぼ完全に自由の身となったが………その時の行動の詳細はジャックリバイスの項目を参照。
更に第27話では、自分がギフの影響で暴走するせいで一輝が消滅するかもしれない事態を恐れていると吐露しており、まさしく2人はお互いを心から信頼するようになったと言える。
第19話ではカレーを食すことを一輝が許可してくれ、第20話ではヒロミを助けるために奮闘した労いとして遂にありついた。
風呂もいつの間にか仲良く入れるようになったようで、第27話で「また一緒にお風呂入ってくれる?」と一輝に問いかけている。
第29話以降
サンダーゲイルバイスタンプを使いこなせるようになり名実ともに一輝と一心同体となったことで、当初は一輝と真逆だった性格が段々と一輝に近くなっていき、人間味のある描写がかなり増えた。
一方で時々は明るいおふざけを披露するものの、赤石との厳しい戦いの中でその数は格段に減っていくことに。
第34話では「悪魔はいずれ人間に捨てられる」「もっと悪魔らしくしろ」と敵に揺さぶりをかけられ、一輝との関係が終わってしまうことを異常に恐れるという一面を見せたが、当の一輝に「(捨てるなんて)そんなわけないだろ」「バイスはバイスらしく!」と助言を貰って立ち直り、悪魔らしさに縛られなくなる。
そして第38話にてついに自分専用のリバイスドライバーを手にし、仮面ライダーアルティメットバイスという立派な一人のウォーリアー(ジョージ談)となった。
優しさも並みの人間以上のものになり、第40話では家族を失って傷ついた光に寄り添って抱きしめ涙を流した。
また、五十嵐家が大二を中心に混沌としていた時期は、悪魔であるはずのバイスが最も常識人ポジションになってしまった。流石悪魔らしくない悪魔。
だがそんな優しさを持ってしまったことで、かつては笑って見ていたはずの“一輝が消えていく写真”を目にするたびに一輝を想って苦しむようになっていき、そして……。
能力
身体の性質
普段は下半身が一輝の体から直接伸びているような姿になっており、一輝以外には姿や声を認識できず現実世界にも干渉できない(前作への先行登場では、聖剣・光剛剣最光として特殊な能力を持つユーリにだけは認識されていた)。
この幽体状態は誰にも触れないなど不自由そうな描写も目立つが、金庫の中を覗いたり、他人の頭の中に入り込んで相手の精神状態を覗き見ることも可能。第10話ではその能力の甲斐あって、大二救出の糸口を見つけ出せた。
仮面ライダーバイスに変身した時の概要はそちらに譲るが、実体化した素の悪魔の状態でも闇のパワーを帯びる格闘を得意とし、そこいらのデッドマンより遥かに強い。
ただし彼の強さは気分に左右されるようで、メンタルが弱っている時は全くパワーが出なくなってしまう。
どこからともなく何かを取り出す場面があり、第13話ではどこからともなく取り出した接着剤で、飛び散った変身エフェクトの卵殻の破片をくっつけ(接着剤で作った割には強度が異常に強い)盾を作製した。意外と手先も器用らしい。
第46話ではどこからともなくタオルを取り出して顔を拭いていた。
物体への憑依
バイスタンプを押印した物に憑依し、外部からの視認や現実世界への干渉を可能とする。
最初に公開された劇場短編で既にこの能力は披露しており、アヒルのおもちゃに憑依して立ち退きを迫る役員を追い払った。
第2話ではレックスバイスタンプで自転車に憑依し、大二が運転していたバイクを上回るスピードで爆走。デッドマンが暴れる現場に駆け付けさせている。
第4話ラストではガンデフォン50に憑依し一輝とコンタクトを取ろうとするが、一輝には見なかった扱いにされた。ただしこれ以降も幽体状態で一輝以外と会話する時は同様の方法を取っている。
第6話では裁判の証人が所持するスマホに憑依し証拠探しに協力。
第15話ではライオンバイスタンプでしあわせ湯の招き猫に憑依し、「猫に小判」と小判をばら撒き、幸実達の意識を逸らした。
その他
・実は歌うのが好きという設定がある。
・ライオンやチーターなど、ネコ科の動物を全てネコと認識している節がある。
・第8話で水に落ちた時溺れそうになっており、泳ぎのスキルは無いようだ。
・一輝が苦手なことはバイスが得意な傾向があり、第29話では機械音痴の一輝には真似できないであろう動画編集技術の高さを見せている。
・途中までは食べ物をねだるシーンが多かったバイスだが、第49話では一輝のためにカレーを作ってあげている。
ギャグやパロディ
その場を茶化すのを忘れない気質のため、かつての30分後の戦隊に負けず劣らずのギャグや古今東西の様々なパロディを繰り出す。
ここでは、偶発したものも含めギャグっぽい描写を記載する。
- 仮面ライダーセイバー増刊号先行登場
・何故か屁を連発。ユーリに光剛剣最光の光で消されるふりをして、カウンターに屁をこいていく。
- ほぼ各話共通
・デッドマンを撃破し、爆発する前にカウント。
・スーパーヒーロータイムの終了帯にて、コーヒーのグラスを片手に「君の瞳に乾杯」とつぶやく。
- 第2話
・「悪魔・百恐竜拳(あくま・ひゃくレックスけん)」なる即興技を披露。
- 第6話
・ダイオウイカ・デッドマンとの戦闘中「何!コラ!タコ!コラ!」と発言。
・テレビ番組にもハマり始めたのか、「ふ」でタイトルが始まるどこぞの刑事ドラマのような口調に。
- 第9話
・ガンデフォン50片手に自撮りし、自身のカッコいい戦闘シーンを「#ナイスバイス」なるタグで拡散するよう視聴者達へ促した。
・「お前なんかギッタギタのメッタメタにしちゃうもんねぇ!」と、どこぞのガキ大将そのものな台詞を発言。
ちなみにこのくだりはネットニュースにも取り上げられている。
しかも中の人のアドリブらしい。
- 第10話
・3体のブラキオ・デッドマンが合体するという展開に、「聞いてないよぉ~!」と某芸人に似たポーズをとって叫んだ。
- 第12話
・さくらが変身した仮面ライダージャンヌがプラナリア・デッドマンを撃破、分離した聖子を受け止めた際に「あれ? 空から女の子が降ってきた。親方、女の子が降ってきましたよ~!」と発言。
・富士山の麓での最終決戦にて、巨大化したディアブロに、「こういうのはね、巨大化したヤツがだいたい負けんだよ!」と負けフラグを指摘した。
- 第15話
・自身に化けたカメレオン・デッドマンに対し「バイスバスター」なるプロレスの固めのような技を発動。
その後も自身に化けられたのがよほど嫌だったのか、「著作権侵害斬り」と叫びながらリバイスラッシャーでカメレオン・デッドマンを滅多切りにしていた。
- 第19話
・椅子にぶつかり、「あっ!痛いっす!おっ、このイスいいっすね」としれっと駄洒落を挟む(尚、このセリフを聞いた視聴者の一部からは「この子やこの番組を思い出した」との声があるとか……)。
- 第22話
・サメ・デッドマンとゾウ・デッドマンの再戦中、カメラに向かって「どうもバナナで~す。あっ違うか、バイスで~す!」とボケをかまし、一輝/リバイに「バイス!真面目にやれ!」と怒られる。
その後もリバイが「ブラキオ・リバイバイスラッシュ」を発動する後ろでカメラに向かって「リ·バ·イ·ス、リ·バ·イ·ス♪」とランニングダンス、「悪魔の中の悪魔···バイス!ボコッ!ボコッ!イェェェェーイ!」と謎のギャグを披露し、「調子にのんなバイス!」と一輝に怒られる(リバイもしっかりカメラに映っていた)。
バイスいわく「(先輩芸人を)リスペクトしてるんだよ!」とのこと。
- 第23話
・かつての自分同様に自分の耳から一輝が出ている様を、#耳から一輝なるタグで視聴者達へツイート拡散を促した。
・一輝の金でゲーセンで豪遊し、所持金の心配をする一輝に「一輝のものは俺っちのものじゃん?」と再び中の人ネタを披露。
・ジャックリバイス再変身時に「一輝、見ててくれ!…俺の活躍!」と背後のチャット画面にメッセージが現れた。
- 第29話
・ヒロミの記憶を取り戻すべく思い出ムービーを作る最中バイスの主張が強すぎる編集になってしまい(しかもご丁寧にBGMとして挿入歌「#激ヤバイス」が流れている始末)、一輝から「これじゃ仮面ライダーバイスじゃんか!」とツッコまれた。ちなみに2022年エイプリルフールネタでもある。
・フェニックスの機密映像使用の思い出ムービーをうっかり動画サイトのyoutubeならぬByTubeに上げてしまう。内容が内容だけにバズりまくり、これにはジョージも「ガッデェェェェーーム!」と阿鼻叫喚。こっそり逃げ出そうとしたところを「NO_MORE 違法アップロード!」と捕らえられてみっちり説教され、「私は間違って極秘映像を流出させてしまいました。」というプラカードを一輝同様に首から掛けられ、正座させられた。
・ギフテリアンTUREとの戦闘中にナイスリバイスなる3つめ(上記の挿入歌も含めれば4つめ)のハッシュタグを考案、視聴者にツイートでの拡散を促す。
- 第30話
・バイスの中の人である木村昴が本人役で出演。ある意味夢の共演である(彼の動向は木村昴(仮面ライダーリバイス)を参照)。本人出演のためにバイス役も含めてOPの出演者の一覧に木村昴が2回も出るというややこしいことに。
・バイスが木村昴について興奮、早口で説明したりするのだがメタ的に見ると自画自賛してるようにも聞こえる。
「ウオオオオオーッ!超絶・爆裂・ハイパー人気声優の木村昴っちじゃん!おお!かっけぇ!」
「あの人本当にイケてるよね!ハンサムだし、声もいいし、ハンサムだし!大事なことなので2回言いました。」
・ラジオ「鈴村健一と神谷浩史(2人ともやっぱり本人)のごめんラジデンワ!」にゲスト出演。元ネタは当然特撮ファンにはお馴染み、仮面ラジレンジャーである。
しかも一輝と変身した状態で。シュールすぎる。
(お便りを取り上げられて)「おい取り上げんな鈴村健一ぃ!」「神谷浩史は、めちゃくちゃいい声だと思います!」
・ラフレシア・デッドマン戦で至近距離で刺激臭をもろに食らい悶絶のあまり嘔吐する(キラキラ修正はされたが、吐瀉物が床に落ちる音はそのまま)。
セイバーでの先行登場で屁を連発していたツケが回ってきたのだろうか。
- 第37話
・冒頭でギフジュニアを殲滅した後、「またつまらないと言えばつまらないものを斬ってしまった」と発言。しかもご丁寧にリバイスラッシャーを刀に見立てて納刀する仕草付き。
- 第38話
・「俺っち全力全開!」とまたもかつての30分後を思わせるワードを発し、ハッスルバイスなる5つ目のツイートタグを作成していた。
劇場版「ビヨンド・ジェネレーションズ」
時系列としては第13話前後にあたるため、悪魔らしさや自由奔放なキャラ全開。
毎度の如く行っていた第四の壁を無視した喋りを今作でも披露、一輝から「誰に話しかけてんだ?」と言われていた。
また、百瀬龍之介から2071年の未来のことについて聞いた際には「デビルシティ」という単語に大興奮してはしゃいでいたが、一輝から睨まれしょんぼりしながら消えていった。
その後、2071年の未来に大二やさくら、飛羽真たちとタイムスリップしたが、デビルライダー軍団相手にバイスたちが変身したクローンライダーは手も足も出せなかった。
そのため絶体絶命の状況で負けそうになった途端、「すいませーん、俺っちも悪魔なんで仲間に入れてくださーい!」と発言、これには大二とさくらも「兄ちゃんとの約束を破る気かよ」とブチギレていたが、飛羽真から「約束は破った方が一生後悔するんだ」と説かれたことで改心(と言うより胸キュンに近いもの?)、最後まで戦い抜いた。
謎
バイスは通常のデッドマンと比べると異質な部分の多い存在である。
まず何よりも「自我の濃さ」。
第1話開始時点で実体化する前から自分の宿主と明らかなコンタクトをしていたのはバイスのみ。またデッドマンはバイスタンプで実体化しても呻き声や唸り声以外の言葉を話さず暴れるのに対し、バイスの場合は実体化前からの自我をそのまま保っている。
次にその「実体化した姿について」。
デッドマンの姿は実体化に使われたバイスタンプの種類に依存しているが、バイスはレックス・デッドマンと同じレックスバイスタンプで実体化したにも拘わらず、姿は実体化前のままであった。
これらに関しては後にバイスと同じように自我を保ち、実体化しても姿が変わらない悪魔が何体か登場し、彼らに共通する特徴が一つあることが判明する。
誕生経緯(ネタバレ注意!!)
第25話で仮面ライダーベイルとの戦闘によって明らかとなった五十嵐家の過去。
それは18年前、元太に憑依したベイルの私怨によってしあわせ湯で火災事故が起こされるというものだった。
「自分を裏切った元太の大切なもの(家族)を皆殺し」にすべく、元太の制御さえ振り切って暴れ回るベイルに対し、幼い一輝は何も出来ずに立ち尽くすほかなかった。
そんな時、一輝から生まれたのがバイスだった。
そしてそこで二人は契約を交わす。
「バイスが一輝の代わりに家族を守る。その代わり、一輝からその記憶は消える」
この件を口外しないことで合意した結果、契約が成立。
生まれたばかりのバイスがベイルから五十嵐家を守り、幼い子供にはトラウマになりそうなその記憶も封じてずっと言わないようにしていたのだった。
そして何故バイスタンプも無く姿を現せたのかという点については前述の謎とも関わるもう一つの真実があった。
それは五十嵐三兄妹がギフの細胞を移植された元太の子ども=ギフの末裔であること。
このギフの末裔から生まれた悪魔はギフ遺伝子を持っており、つまりバイス、カゲロウ、ラブコフは、ギフの遺伝子によって強い自我を持つ特殊な悪魔となった。
(元太の悪魔であるベイルも同様)
ただし本編終盤以降になると、花やジョージなどギフ遺伝子を持たない者達の悪魔にも自我を保った者が現れ始めたが、その理由は不明。
ギフとの関係
上記のとおりギフの遺伝子を持つ悪魔は複数いるが、中でもバイスは何故かギフに対する感受性が飛び抜けて高い。
第15話にてプラナリア・デッドマンとサーベルタイガー・デッドマンのフェーズ3を吸収したギフの棺がデッドマンズベースを動かし始めた時、バイスは謎の頭痛を発したが、同じくその場にいたラブコフなどはまだ何も感じていなかった。
その後もギフが力を蓄えるたびに継続的に頭痛を起こし、第27話では(ギフの意味不明な言葉)を受信し暴走する。
話は飛んで第44話ではギフがバイスを異空間へ連れ去ってしまい、それ以降ギフの言葉を聞き取れるようになる。
第45話では封印したはずのギフの声がバイスの脳内に反響するという謎の事態が発生。頭痛が起きていた時期と同じく戦闘もままならなくなるほど苦悶し、一度は治まったものの真夜中に突如操られて動き出し、朝には前話と同じくギフによって磔にされていた。
どうやらバイスはギフの媒介としての適性があるようで、入り込まれて封印を解かされたりメッセンジャー役などとして使われたが、そこまで適性が高い理由はこれまた一切不明。
恐らく(純平や元太との戦いで存在が不安定なベイルを除いて)ギフの遺伝子を最も多く持っていることが原因ではないかとファンの間では推測されている。
劇場版「バトルファミリア」
「一気に…喰うぜ…!」
ギフの瞳によって宿主から強制分離された上に悪魔の力を解放されたためカゲロウ、ラブコフ共々暴走状態に陥っており、目が赤くなっている。
だがある人物が起こした奇跡の力によって暴走は収まり、中盤からはいつも通りのバイスに戻る。
また、アヅマのことを終始「Perfect Body」と呼んでいた。
明らかにアヅマの中の人ネタで、いつも通りの木村氏によるアドリブ。7月23日に六本木ヒルズで行われた公開記念スペシャルイベントで、元太役の戸次重幸氏に突っ込まれている(以下の動画12:10頃から)
一輝の内面として(ネタバレ注意!!)
放送終了後にTTFCで公開されたプロデューサー座談会によれば、本作の悪魔とは「宿主の内的なものが具現化された存在で、宿主自身の投影」。
また、同じくTTFCのオーディオコメンタリーで語られたところによると、18年前のバイスが一輝や家族を救おうとしたのは5歳の純粋な心を持つ一輝から生まれたためで、序盤のバイスの問題行動は18年の年月を経たことで一輝自身の心に発生した歪みが反映されたからとのこと。
言わば一輝の「他を顧みず奔放に自分の好きなように生きたい」「家族ってそんなに大切なものだっただろうか?」という本音や疑問が序盤の「悪魔」バイスとして表れていたと考えられ、後半以降は一輝が抑えたまた別の本音がバイスに表れていくようになる。
契約と制約
一輝とバイスは作中で何度か契約を交わしているが、一輝の精神状態を表現するものでもあるためかその運用方法は曖昧な部分も多い。
ただバイスが明言した約束は覆せないらしい。
しかし「ルールの抜け穴を突く」ことは可能なようである。
更なるネタバレ注意!
第31話にて、契約の更なる真実が判明。
実は18年前の契約代償がまだ変則的な形で生きていたのだ。
「家族を守るためにバイスの力を借りて変身し世界を守る」というスタンスで戦う一輝にとってそれは「変身して戦う度に、戦う理由である家族の記憶が失われていく」というある種の呪いとして降りかかっていた。
写真の中から一輝が消える現象はこの契約が原因だった。
このまま一輝が戦い続ければ、家族の存在そのものを忘れてしまうという悲劇的な結末を引き起こしかねないということも明かされた。
バイスは第4話の時点でこの事実に気付いたようだが、当初は自由になりたいがためか(あるいは18年前の口外しない約束が効いていたためか)黙っていた。
しかし一輝との絆が深まり、更に一輝自身が高校時代の友人とのやり取りを通して記憶の大切さに気付いたことで、全てが明るみに。
その後、記憶の消失が進むにつれバイスが一輝本人よりそれを気に掛ける描写が目立ち、極力戦いを避けようと一輝に提案する場面も頻繁に見られるようになる。
が、そのたびに一輝が自分に言い聞かせるようにバイスを言いくるめて戦いを続けてしまうのだった。
第46話では「風呂入ってスッキリしよ!」と言った際、一輝が「どこの風呂に入るんだよ?」と返し、自身の家業を忘れてしまったことを察して戦慄する。
更に第47話では両親の記憶が全て失われ、第48話ではいよいよ一輝の変身に体を張って抵抗するが、大二とさくらが(自分達の存在の記憶と引き換えにでも)一輝のお節介を見届ける覚悟を示し、
「…ウソだろ…」
「ねぇ バイス。この人達 誰?」
バイスの懸念は的中、そこには弟と妹の記憶も全て失われた一輝の姿があった…
…そしてバイスはバイスの覚悟を決めてしまう。
演者について
演じる木村昴氏はバイス(主)だけでなく、予告ナレーションと主題歌で得意のラップを披露する等破格の待遇を受けている。尚、主演が主題歌に参加したのは『仮面ライダーBLACK』以来33年振り(そう扱われる事はほぼないが、仮にモモタロスを主演と捉えるならば『仮面ライダー電王』も該当するものの、こちらにしても14年振り)。
尚木村氏は2021年現在の時点で31歳であり、30代の役者が主演を務めるのは『仮面ライダー響鬼』の細川茂樹氏以来、実に16年振りである
(「主役ライダーに変身した」30代以上の演者は意外と数が多く、当時30代の者に絞ってもウラタロス役の遊佐浩二氏とリュウタロス役の鈴村健一氏が該当する為、それほど珍しくは無い)。
声優としての出演ではあるが、クレジット上もダブル主演の扱いであり、一輝役の前田拳太郎氏とは『仮面ライダーW』以来の横並びの同時クレジットになっている。
木村氏は昨年の『魔進戦隊キラメイジャー』にてバクダン邪面の声を演じており、2年連続のニチアサ出演となった。仮面ライダーシリーズへの出演自体は既に『仮面ライダーゴースト・スペシャルイベント』のショーで黒木役として参加している為に初ではないが、本格的なTVシリーズ本編への出演はこれが初。
また、木村氏は『宇宙戦隊キュウレンジャー』のセイザブラスター、『スター☆トゥインクルプリキュア』のドラムスと合わせ、ニチアサ3作品全ての出演をコンプリートするに至った。
スーツアクターを担当する永徳は今までたくさんの2号ライダーに入っており、満を持して1号ライダーとして参加。メインのキャスト達の本読み等にも参加して一輝役の前田拳太郎氏ともディスカッションを重ねて芝居をしている。
いざ放送が始まってみると、ジャイアン等のそれまで木村氏が多々演じてきた「豪快・陽気な俺様キャラ」の類型にぴったりハマっていた為、キャスティングを評価する声も多々出た。宇宙船vol.174のインタビューによると、応援してくれる子供達の存在を意識し、バイスが嫌な奴にならない様に注意して演じている旨のコメントをしている。
また、木村氏がこれまで演じてきた俺様キャラを連想する視聴者も多かった模様。
因みにその1人であるエイティーンボルトについては、リバイス放送開始から数日後という出来過ぎたタイミングで登場シリーズの最新作が発売された。
またバイス役の木村氏ががメインMCを務める子供番組『おはスタ』において2021年10月28日放送で子供が「ハロウィンの起源」について聞かれた時、悪魔と言うフレーズを聞かれバイスの声真似を見せるネタが見えた。
木村氏いわく、バイスを演じる際にはジャイアン以外にもジーニー、リューク、デッドプールといったキャラをイメージとして取り入れているという。
余談
名前の由来は「悪」の意味を持つ英単語「vice」からであろう。ちなみにviceには「副」(一例として“vice-president”=「副大統領」となる)の意味もあり「メインヒーロー・リバイの活躍を支える相棒である」のも加味している可能性がある。
「主人公の内に生まれ潜むライダーの力」、「契約によって現れる危険なタッグバディ」、「青と黒のトリックスター」、「主人公と地獄の底まで相乗りする悪魔」、「”己の証”に飢えた怪物」等の設定は良い意味で既視感が強い(=親しみ易い)ものであり、放送当初から過去作品の様々なキャラを連想する視聴者が続出した。仮面ライダーリバイス自体が仮面ライダー50周年記念作品なのである程度は意識しているのかもしれない。
関連タグ
#ナイスバイス、#耳から一輝、#ナイスリバイス、#ハッスルバイス:彼の生み出したハッシュタグ。
#激ヤバイス:挿入歌。
ジャイス:某ガキ大将と悪魔合体したイラストに付けられるタグ。
第49・最終話(ネタバレ注意!!)
家族との記憶を失った一輝と共にしあわせ湯を出たバイスは、ヒロミの計らいでフェニックスの社宅の寮を提供され、一輝と二人で暮らし始めた。
他人となってしまった五十嵐家の面々といるより、バイスと二人でいる方が一輝はとても楽しそうで、その暮らしぶりはさながら新婚夫婦のようであった。
一方、引越しを手伝っていたジョージに「一輝は家族との記憶を全て失った。もう払うものが無いから契約は終わるはずでは?」と聞かれたバイスは「そんな難しいこと言われてもなぁ…、俺っちにもよく分からない」と答える。
しかし何か予感したのか、「俺たちは永遠に相棒だよな?」と一輝に聞くと、一輝は「お前はもう相棒じゃなくて、家族だ」と答えた。
全てを理解したバイスは、
「俺、元の悪魔に戻る時が来た……」
果たしてその真意とは……。
とある夜、一輝が仕事から帰宅すると置き手紙を残して突然バイスの姿が消えてしまう。
翌朝ぶーさんからの電話を聞いてかけつけた一輝は何者かによって荒らされたしあわせ湯と倒れ込む玉置の姿を目にする。
混乱する一輝に合流したヒロミたちはとある動画を見せる。そこに映っていたのは……。
「ずっと待ってたんだよ。お前の記憶が消えるのをな!」
なんと返り血を浴びた状態で街で暴れるバイスの姿が映っていた。
何かの間違いだと現状を受け入れられない一輝の目に、バイスを止めようと仮面ライダーデストリームに変身した元太が映る。
これに対しバイスはギファードレックスバイスタンプをアヒルのおもちゃに押印して憑依し、のしかかった上に飲み込んでお尻から排出するという、ニチアサにはあるまじき芸当で撃破した。
状況を飲み込めないまま現場に駆けつけた一輝に対し、上記のセリフを吐いた後、
「フハハハ!……ごちそうさま。思った通り……超美味かったぜぇ!別に良いだろ? どうせ覚えてねぇんだからよ。これで、お前との契約は終わり、俺は自由になる!」
彼は最初から一輝の記憶が消えてから一輝を裏切り、好き勝手に大暴れするために協力していたのだ。
それだけでなく、なんと今まで共に過ごした家族を無惨に喰い殺したという事実を告げ、挑発して変身するように煽った。
こうしてかつて世界を救ったバディは決裂、互いに変身して本当の最後の戦いが始まった…
しかしそれらの行為は実は全てバイスの芝居だった。
一輝とバイスの戦いを見守る元太、無事だった大二たち、ジョージとヒロミ、花、玉置…全員全て理解していた。
『なぜ一輝とバイスの契約は終わらないのか?』
それは一輝がバイスを家族と認識していたからであり、最後の家族であるバイスのことをまだ覚えているから。
ジョージとヒロミの元を訪れたバイスは、
「一輝に俺っちと真剣勝負をさせて、一輝の記憶から俺っちを消させてほしい」
と言い、そのための舞台を作る準備を頼んだ。五十嵐家や仲間たち、これまでに救ってきた元契約者たちにも呼びかけて、まさに一世一代の大芝居を打った。
つまり、バイスは『自分と一輝が変身して戦うことで一輝からバイスとの記憶……もっと言えば「バイスと契約をしたという記憶」を忘れさせれば、契約が初めから交わされなかったことになり一輝は家族との思い出を取り戻すかもしれない』可能性に賭けたのである。
たとえそれでバイス自身は存在ごと消滅してしまったとしても…。
なお、浴びた返り血に見えたものはケチャップであった。
2人の悲しい戦いの行く先はどこへ向かうのか……。
既にバイスとの記憶も無くなり始めていたのか、初めはまんまと演技に乗せられてしまった一輝も、途中でバイスの真意を知る。
引き金となる変身はもうしてしまい、バイスの消滅は止められない。
一輝は最後の思い出をせめて楽しいものとするために、バイスと全力でぶつかることを決意する。
最初は、アルティメットリバイスでお互いにじゃれ合いを交えながらも戦い、「リバイ・バイスギファードフィニッシュ」をお互いに撃ち合って、装甲が剥がれてしまいレックスゲノム(バイスはリバイスドライバーをつけた姿)に。
その後、両者互いにゲノムチェンジを繰り返してリミックスを交えながらかつてのようにじゃれ合いながらお互いに全力でぶつかっていた。
しかし、そんな楽しい戦いにもついに終わりが来てしまう。
「楽しかったなぁ……」
今にも消えそうなバイスに涙ぐみながら一輝は語りかける。
「バイス……さよならは言わないよ……」
「これは……お別れじゃない……俺たちは元々一つ、これからも一緒だ……!」
するとバイスは戸惑った様子を見せた。
無かったことになって存在ごと消えてしまうのだからそれは違うと言いたげに。
だが一輝はそんなバイスを抱きしめて誓った。
「俺は……絶対にお前を思い出す。だって、家族だから……!!」
その言葉を聞いたバイスは…
「一輝……ありがとよ……」
次の瞬間、バイスは粒子となって消滅してしまった。
「またな、バイス……」
こうして一輝はバイスを忘れ、代わりに五十嵐家の記憶を取り戻した。
そして数ヶ月後。
風呂掃除をしていた一輝は悪魔の顔をしたアヒルのおもちゃを見つける。
それはバイスにそっくりで、まるで一輝と五十嵐家としあわせ湯の客達を見守るかのように置かれており、大二とさくらは「うちの守り神なんだから」と言った。
とある夜、久しぶりに家族5人揃っての夕食でいつものようにすき焼きを囲みお節介を働かせる一輝。
だがお節介を終えた一輝が肉を頬張ったその時…
「ウッヒョー!!これ、超~うまくね!?」
まるで日本一お節介な悪魔のような声を上げコルナを決めた一輝に、家族は目を丸くしたあと皆で楽しく笑うのだった。
そんな五十嵐家5人の家族写真の横にはあのアヒルの姿があった。
このように、前向きとはいえバイスと別れるどこか悲しい結末を迎えてしまったが、そんなバイスからこんな一言。
「悲しい時や寂しい時こそ、とびっきりの笑顔で笑うんだぜ!」
真の余談
- 一連のバイスの行動が芝居であることは、放送前の時点で多数の視聴者が予想していた。また、一輝と同様に自らを犠牲に家族を守ろうとする在り方に「やはり二人は本質的に同じ存在」と再確認した視聴者もいた模様。
- 2作前でも似たような事例はあったが、この展開に伴い初の主役とラスボスを兼ねるライダーとなってしまった。ただしどちらが勝ったとする勝負はつかなかったので、バイスをラスボスとするかは視聴者により意見が分かれるところだろう。作中では一貫してギフがラスボスと呼ばれている。
- ちなみにこの最終回はなんと30分後の世界にも影響を与えていたりするが、こちらは30分後のノリのせいなのであまり関係ない。
その後(ネタバレ注意!!)
ファイナルステージ
狩崎が一輝の精神世界からバイスを現実世界へ復活させようと何度も実験を試みているが、未だに成功したことがないらしい。
本作ではその実験によって脳内世界で一輝と再会し、これまでに戦ってきた相手を再び共に撃破するなど変わらない連携プレーを披露する。
そして普段忘却の壁に隔てられている二人は本当は互いを強く求め合っている様子が描かれるが、現実世界でベイドたちが暴れていることを大二が一輝に伝えたことでまた別れることになり、一輝は現実世界へと帰還。
バイスはその餞別として、2人の絆の結晶を授け、新たな形態への進化を促した。
そして…
一輝の願い、バイス奇跡の復活(『MOVIEバトルロワイヤル』)
最終回から数年、かつての仮面ライダー達は全員それぞれの日常を送り、五十嵐家には三男・五十嵐幸四郎が誕生した。
しかしギフ撃破の際に空に残った謎の裂け目は未だ未解決のままであった。
そんな中、幸四郎が宿す悪魔が持つギフの遺伝子を求めて裂け目からイザンギとバリデロという地球外生命体が襲来。
三兄妹は幸四郎を守るため再び仮面ライダーとなって立ち向かうが宇宙から来た敵の力は強く、倒すことができない。
特に一輝はアルティメットリバイになってもバイスがいた時の半分以下にまでパワーダウンしてしまっており、イザンギの攻撃を受けて意識不明の重体となってしまう。
死の間際の精神世界にやってきた一輝は、もう苦しい思いをしながら家族を守るために戦うのはやめて楽になれと囁く自身の内なる声を聞く。
しかしその声に一度は従いかけるものの「やっぱり違う」と、苦しみの待っている道を選んだ。
何故なら、戦うのは苦しかったけど、でも、楽しかったから――。
一緒に戦えば、苦しい戦いでも楽しいと思える
だからもう一度、家族を守るためなら悪魔の手でも掴む
その強い願いに応えて、失われていたはずの記憶が復元。
外で絶体絶命の危機に陥っていた大二たちの前に駆けつけた一輝は、身体も回復し表情も打って変わって自信に満ち溢れており、そして
なんとバイスが顕現し、奇跡の復活を果たしたのだった。
そのまま二人はアルティメットリバイスに変身し、最強のパワーと抜群のコンビネーションでイザンギとバリデロを圧倒、撃破。
久方ぶりの再会にバイスと一輝は抱きしめ合い、その場にいた皆がバイスを温かく迎えたのだった。
その後はコラスに連れ去られた赤ちゃん悪魔を奪還すべくデザイアロワイヤルに参戦し、バイスはいつも通りのやかましさで場を賑わした。
なお、対峙した相手のバッファとは蘇った者同士で一瞬不思議なシンパシーを感じ合っていた。(また、バッファのスーツアクターがリバイのスーツアクターである縄田氏である。)
だが以前のように一輝の家族の記憶を失くさせるわけにはいかないため、再び消滅の時が訪れる。
ギロリの計らいでデザイアドライバーとライダーコアIDを渡され、時間稼ぎしながらの戦いへ。バイスは怪物たる悪魔に似合うモンスターレイズバックルを使用。
最終決戦「シカゲーム」ではリバイスドライバーレイズバックルを使用したことでレックスゲノムの状態で出現し、見事シーカー撃破に成功した。
再び訪れた別れの時……
一輝はもうバイスのことを忘れたくないという気持ちが強く、二人の会話は最初の別れの時とは様相が異なっていた。
それでも…
「楽しかったよな、久々に一緒に戦えて」
「だな…!俺っち達はいつだって最高だ!」
再会のきっかけとなった気持ちを確認し合い、あくまで笑顔で、バイスは消滅していった…。
しかし実は、家族の幸せ以外に望むものは無いと嘯く一輝が秘めた「バイスを忘れたくない」という願いに、英寿は気付いていた。
そして英寿がデザイアカードに書いたのは…「五十嵐一輝が戦いの記憶を忘れない世界」。
お陰で一輝はかつてとは違い、バイスを忘れず、これからもバイスと一つとなって共にあることを実感しながら生きていけるようになったのだった。
五十嵐家が脅威的なパワーを秘めたギフの遺伝子を持つ以上、それを狙う輩がいなくなることはないであろうが、一輝が求めた時バイスはまた必ず力を貸してくれるだろう。
追加関連タグ
ラスボス/ラスボスライダー 悲劇のヒーロー 憎めない悪役 泣いた赤鬼
剣崎一真、桜井侑斗:変身に伴う代償を逆に利用する事で大切な存在を守る道を選んだライダー達。前者は本気で戦わせるため芝居を打つ、後者は自身に関わる記憶を消すという共通点もある。
ウラタロス:スーツアクターが同じ善玉怪人、声を声優が演じる、人間態がない、体に青の部分がある、主人公に憑依する、仮面ライダーに変身する、狡猾な性格、物語終盤において主人公を救う為に悪に寝返った芝居を打つ共通点がある。
フィリップ:主人公に「悪魔野郎」と説諭された、2人で1人の仮面ライダーの変身者にして、特殊な形ではあるが人外の相棒。こちらは最終回手前で消滅するが、最終回(正確には最終回の時系列の1年後)で復活した。
アンク(腕):お人好しな主人公の人外相棒で最終回で消滅したが、(一輝の記憶の有無という違いはあれど)冬映画で一時的な復活を果たした点が共通。歴代ライダー視聴者からはアンクと同じように一時的な復活になるとの予想もあった。因みに腕のみの操演は永徳氏が担当している。
パラド:主人公の中から誕生した異形の生物で主人公にとっては「もう一人の自分」とも言える存在。こちらもライダーに変身する。経緯は異なるが、物語終盤で消滅した点も共通。