概要
しゃべる変身ベルト自体は『仮面ライダー555』のファイズドライバー(CV:假野剛彦)が初出(『アギト』のGX-05の音声や『龍騎』の召喚機にも音声ギミックはあるがベルトには付いていない)で、第一期平成ライダー中では変身ベルトの最多売り上げ数を誇った。以降、平成ライダーシリーズでは一部例外こそあるが変身ベルトの音声ギミックがほぼお約束となっていた。
当初はいかにも機械的かつシンプルなものがほとんどであったが、この音声で子どもの興味を引くというスタイルに味を占めたのか、『仮面ライダーディケイド』以降、変身ベルトの音声ギミックがよりインパクトのある凝ったものになってきた。
下記の中でもウィザードライバーは、その極めつきとでも言うべき存在であった。
「変身時」や「フォームチェンジ時」に限らず、「待機中」や「武器との連動時」でさえやたらやかましい詠唱を挟んでくるのだ。とはいえ、平成後期以降はウィザードライバーが可愛く見えてくる程のやかましいベルトが増えていく。
詳細は該当記事参照。
歴代ライダーがこのような状況のため、『MOVIE大戦』などで各ライダーが同時変身したりすると非常にやかましいことになる。
一例
『仮面ライダーカブト』のゼクター | 「変身」「キャストオフ」「クロックアップ」「ライダーキック」などのたびにスラージ・ガジリアが音声を発する |
『仮面ライダー電王』のデンオウベルト等 | 「チャージアップ」「フルチャージ」などフリーエネルギーの充填状況を機械音声がアナウンス |
『仮面ライダーキバ』のキバットベルト | ベルトはともかく、変身アイテムは生きているモンスター(CV:杉田智和)。 |
『仮面ライダーディケイド』のディケイドライバー | マーク・大喜多が陽気にカメンライドをアナウンス |
『仮面ライダーW』のダブルドライバー等 | 立木文彦がメモリの名を叫ぶ(※1) |
『仮面ライダーOOO』のオーズドライバー | コンボ時に串田アキラが歌う(※2) |
『仮面ライダーフォーゼ』のフォーゼドライバー | スイッチの音声、「3・2・1」と変身をカウントダウンする(※3) |
『仮面ライダーウィザード』のウィザードライバー等 | ベルトが魔法の呪文を詠唱 |
『仮面ライダー鎧武』の戦極ドライバー | 花道オンステージなどと平床政治が開発者の嗜好を反映した個性的なロックシード音声を述べる(※1) |
『仮面ライダー鎧武』のゲネシスドライバー | 上記と比べると三木眞一郎による音声は控えめで基本音楽メインだが、レモンエナジーアームズのみやたら声が入っている |
『仮面ライダードライブ』のドライブドライバー | ベルトに開発者の意志が搭載されており、クリス・ペプラーが喋る |
『仮面ライダードライブ』のバンノドライバー | 同様に開発者の意志が搭載されており、森田成一が喋るが、こちらは完全にベルトが本体 |
『仮面ライダーゴースト』のゴーストドライバー | ゴーストアイコン発動でラップ調にm.c.A・Tがリズムを刻む |
『仮面ライダーエグゼイド』のゲーマドライバー | 変身するたびに影山ヒロノブが仮面ライダーと名乗る(※1)。レバー開閉の際の「ガッチャーン」などの効果音も同様 |
『仮面ライダーエグゼイド』のバグルドライバーⅡ | プレバン限定版では檀黎斗神がはっちゃけまくる。なお、こちらは黙ると死ぬベルトどころか死ぬと黙るベルトでもある。また、ガシャット抜き差しなどの操作の度に諏訪部順一が「ガッチャーン」などの効果音を出す |
『仮面ライダーアマゾンズ』のアマゾンズドライバーおよびネオアマゾンズドライバー | ニチアサ枠の制約を取っ払ったシリアス&ダーティ路線なのでベルトを目立たせる必然性が全くない……のにベルトはしっかり喋る(とはいえ雰囲気を損なわない程度の落ち着いたテンション) |
『仮面ライダービルド』のビルドドライバー(『ビルドライバー』ではない) | 小林克也がフルボトル名を叫び、ベストマッチの時にはノリノリでフォーム名を紹介後「イエーイ!」と叫ぶ |
『仮面ライダービルド』のスクラッシュドライバー | 「ブラァ!」と若本規夫が強力若本節全開 |
『仮面ライダービルド』のエボルドライバー | 金尾哲夫が不敵に笑い、「チャオ!」と煽る |
『仮面ライダージオウ』のジクウドライバー | 小山力也&大西洋平がライダータイムをお知らせ。アーマータイムは歴代ベルトのボイス付き |
『仮面ライダージオウ』のビヨンドライバー | アフロ(MOROHA)が某スマートフォンのCM風にフューチャータイムをお知らせ |
『仮面ライダーゼロワン』の飛電ゼロワンドライバー | プラント兄弟(MONKEYMAJIK)がプログライズキーを認証。変身中にハイテンションで形態名を叫ぶ上に、変身直後には早口英文でまくしたてる |
『仮面ライダーゼロワン』のエイムズショットライザー、ザイアスラッシュライザー | 待機中に「カメンライダー」を連呼。そしてゼロワンドライバーと同じくハイテンション形態名と早口英文のセット |
『仮面ライダーゼロワン』のザイアサウザンドライバー | 変身や必殺技発動の度に開発企業の宣伝アナウンスが流れる(※4) |
『仮面ライダーセイバー』の聖剣ソードライバー等 | 本を開いたり剣を抜いたりするたびに大塚明夫が物語の概要を語るという歴代最長レベルの音声(※5) |
『仮面ライダーリバイス』のリバイスドライバー等 | 起動、変身、必殺技発動時に藤森慎吾がラップ調にリズムを刻む(※1)。さらにゲノムチェンジではレジェンド達の決め台詞のパロディ付き |
『仮面ライダーリバイス』のデモンズドライバー、ベイルドライバー | ベルトに悪魔が憑依しており、津田健次郎が話しかけてくる |
『仮面ライダーギーツ』のデザイアドライバー | デュアルオンで読み上げられるレイズバックルの名前が増える。そして(ジャマトライダーを除き)変身完了と同時に「READY···FIGHT!」とコールする(※6)。とはいえ、音声自体は割と控え目 |
『仮面ライダーギーツ』のヴィジョンドライバー、ジリオンドライバー | 松岡禎丞が前者は淡々と後者はドスの効いた声でコンピュータ用語をコールする |
『仮面ライダーガッチャード』のガッチャードライバー等 | 変身するたびに小西克幸が「ガッチャーンコ!」とコール。さらに必殺技発動時に「フィーバー!」と叫ぶなど、総じて某ド派手な剣士風のノリである |
『仮面ライダーガッチャード』のレジェンドライバー | ディケイドライバー以上のテンションでマーク・大喜多がケミーライドをアナウンス |
『仮面ライダーガッチャード』のエクスガッチャリバーのガッチャードライバー装着時(スターガッチャード時のみ) | 変身待機音で5体のケミーの名前を読み上げる |
『仮面ライダーガッチャード』のアルケミスドライバー | 変身待機音で東雲はると小西克幸がウィザードライバーもびっくりの錬金術の呪文を詠唱 |
『仮面ライダーガヴ』の変身ベルトガヴ | ゴチゾウを装填すると「EAT〇〇!」とゴチゾウのモチーフの菓子名を待機音で連呼 |
※1:厳密に言えば喋るのはベルトではなくベルトにセットするアイテム。特にダブルドライバーやゲーマドライバーは、ベルトそのものは音声を一切出さない。全て変身に必要となるキーアイテムに依存している。
※2:実際に歌うのはオースキャナー。そもそもオーズドライバーは劇中設定の時点でオースキャナーとメダルを掛けておくだけの台座に過ぎず何の能力も持たない。
※3:音声と同時に映像演出にもこだわりが見られる。
※4:こちらも厳密には変身音声側のみアイテムに依存しており、そのため他のベルトを使っても社名を宣伝する。必殺技時はベルト側から音が出る。
※5:通常のワンダーライドブックでは聖剣から変身音が鳴るが、一部のワンダーライドブックではブック側から音声が鳴る。
※6:中でもブーストレイズバックル+マグナムレイズバックル(ブーストマグナムフォーム/マグナムブーストフォーム)の変身音が極めつけ。
本当の意味で黙らないベルト
魔法の呪文なため黙ると変身さえできなくなるウィザードライバーも含め、これまで「黙ると死ぬ」と称されてきたベルトのほとんどは音声がうるさいとはいえ、劇中設定でも録音された音声が流れているだけの「システムの音声コール(トラックの「バックします」や「右に曲がります」みたいなの)」や「製作者の趣味」でしかない(例外は駆動音の空耳なオースキャナーと、前述のウィザードライバー)。
しかし、上述したように仮面ライダードライブの変身ベルト「ドライブドライバー」は、ベルトに意思が宿っておりマジで喋る。通称ベルトさん。口出しも少なくなく、真の意味で黙らないベルトと言えるだろう。
なお、ベルトさんの人格の元となった人物は既に死んでいるが気にするな!(むしろ死んでなお黙ってないベルトとでも言うべきか?)
意思があり話すことのできるベルトの先輩としては仮面ライダーキバのキバットベルトがあるが、話す部分であるキバットバットⅢ世は独立した一匹のモンスターであり、ベルトとは別の存在のため(キバット族にとってキバットベルトはただの止まり木でしかない)、黙ると死ぬベルトには含まれない場合もある。
このように、「ベルトそのものに意識が宿っている、あるいは何者かを封印している故に話し掛けられる」場合もこれに該当する。
一覧
余談
喋る○○の増加
ライダーの使用する武器に関してはG3-XのGX-05の音声に始まり龍騎のバイザーやブレイドのラウザーなど当初から音声を発するものが存在したが(そもそもバイザーやラウザーはそっちが本体であり、ベルトの方は唯のデッキケース(カード入れ)でしかないので喋らない)、平成二期以降になるとベルト以外もやかましく喋るようになった。
オーズの武器であるメダガブリューや、2号ライダーである仮面ライダーメテオと仮面ライダービースト、仮面ライダーマッハのベルトなどが該当する。上記の表の中にも2号ライダー以降の使うベルトが多数存在している。武器に関しては必殺技名をアナウンスすることがお約束となっている。
またスーパー戦隊シリーズでも『ゴセイジャー』の頃からは変身アイテムに、『キョウリュウジャー』からはロボットの合体ギミックにほぼ恒例で音声ギミックが採用されているので、『スーパー戦隊祭』などで複数チーム同時変身なんかした場合も当然やかましいことになる(こっちは横一列に並んで一斉変身→背後で爆発の流れが定番化している)。
そんな彼らがライダー共々入り乱れる『スーパーヒーロー大戦』シリーズではもはや言うに及ばずである。
さらに、ライダーほど極端ではないがウルトラマンのアイテムも『ウルトラマンギンガ』以降喋るようになった。
プリキュアもパートナーの妖精が変身アイテムと同化したり『ハピネスチャージプリキュア!』で喋りがうるさかったことがある(プリキュアは初代作『ふたりはプリキュア』から現在に至るまでキャラクターのボイスが玩具に収録されているため、そういう意味では最初からうるさいと言ってもいい)。
音声ギミックに関する考察
音声ギミックが玩具に搭載されるようになったのはおおよそ『龍騎』(前述の通りバイザーのみ。ベルトは喋らない)辺りの頃で、モーター付きの玩具に一時的に規制がかかった時期であった。
その後モーター付きのニチアサ男児玩具はライダー以外ではスーパー戦隊シリーズの大型玩具に時折走行ギミックが採用されている他、『ゲキレンジャー』では胴体や腕が回転するものも発売されている。ただしロボット玩具の話であり、巨大ロボットや秘密基地が登場しない『仮面ライダーシリーズ』でモーター付き玩具は少数派である(ライダーマシンのラジコンが存在するぐらい)。と言うか、戦隊でも変身アイテム(身に着けて遊ぶ玩具)や武器(手にもって振り回す玩具)のモーター付き玩具は発売されておらず、回転ギミックはエクストリームメモリなどゼンマイで再現されている。
身も蓋もない言い方をすればニチアサ特撮という枠自体が財団Bによる玩具宣伝CMである以上、最大の難関はショッカーではなく財布を握っている親御さんである。例えば玩具で遊んでいる最中にギミックや形状が原因で怪我をしてしまったとなれば最悪購買してもらえなくなる恐れもあるため、実際はかなり神経を尖らせているはずである(※)。現に刀剣類の再現玩具の大半は刀身が短くラバー素材で出来ているものがほとんどで、当然ながらそんなちゃっちぃシロモノで子供の欲求や満たされる筈も無い。となればギンギン光ってガンガン鳴らす方向へシフトするのは妥当な判断とも言える。
(※)実際仮面ライダーカブト制作時は「跳び蹴りを子供が真似して危ない」という意見を反映させて主人公の必殺技が上段回し蹴りになったり、戦隊側案件だが世間である悲惨な事件が起きた際は商標登録レベルで武器を改称する対応に至ったケースもある)
関連タグ
カイザギア:変身すると死ぬベルト
ゴーストドライバー:死んだことがあると変身できるベルト