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概要編集

ヨーロッパとは、ユーラシア大陸北西部に位置するウラル山脈以西のヨーロッパ大陸(ヨーロッパ亜大陸)を中心とし、周囲を大西洋地中海北海北極海バレンツ海、ノルウェー海、カスピ海黒海に囲まれている地域のことで、北ヨーロッパ(北欧)・西ヨーロッパ(西欧)・南ヨーロッパ(南欧)・東ヨーロッパ(東欧)と区分けされることもある。


そのような中で固有の言語を持つ集団や、独自の文化を持つ民族によって伝承される魔物精霊悪魔怪異などと呼ばれるものを含めた存在の総称としてこの表現が用いられる。


ちなみに、ヨーロッパの語源はギリシャ神話において、主神ゼウスが攫ったフェニキアの王女エウロペであるといわれている。


古代ギリシャ古代ローマによる伝承によるものがよく知られているが、ケルト人ゲルマン人ネウロイと呼ばれる先住民族による古き信仰によるものや、キリスト教の普及によってかつて信仰されていた神格が悪魔や魔物などに零落したものの中で、中世暗黒時代を経由した上で現在知られるもの、キリスト教の教えを補強するための寓話に登場するものも無数に伝わる。


吸血鬼狼男魔女巨人ドラゴン妖精水妖などと呼ばれるものが全地域で伝承されており、地域ごとに独自性のある民話も伝わる。

しかし、これらの伝承の存在は、どこに行っても共通なイメージで語られやすいものとなっており、特に一般化したものは英語表現となって世界中に広まっている。


一覧編集

北ヨーロッパ編集

イギリスの妖怪ケルト神話北欧神話の記事も参照。

北欧神話由来のトロル/トロールは全域で伝承される。


アイスランド編集

  • ヴァトナゲダ(Vatnagedda)
  • オフグッギ(Ofuguggi, Öfuguggi):鰭が逆向きのトラウト
  • カットクヴェリ(Katthveli):猫鯨。
  • ギリトゥルット(Gilitrutt):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
  • スヴェルズクヴァルル(Sverdhvalur, Sverðhvalur):剣鯨。
  • スクリムスル/ラーガーフロット湖の怪物(Skrimsl, Lagarflot Monster):巨大なアザラシのような怪物。
  • スケルヤスクリムスリ(Skeljaskrimsli, Skeljaskrímsli):貝殻怪物。
  • スケルユングル(Skeljungur, Skeljúngur):貝殻鯨。
  • スコッフィン(Skoffin, Skoffín)
  • スコトゥモージル(Skotumodir, Skötumóðir):ガンギエイの母。
  • ストックットル(Stokkull, Stökkull)
  • セラモージル(Selamodir, Selamóðir):海豹の母。
  • テイマフィスクル(Taumafiskur)
  • ティルベリ/スナックル(Tilberi, Snakkur):ミルクを盗むため魔女に創造された使い魔。
  • ニクル(Nykur):水馬
  • ネイトクヴェリ(Nauthveli):牡牛鯨。
  • フリズルモージル(Flydrumodir, Flyðrumóðir):大型の鰈であるオヒョウの母。
  • フルドフォルク(Huldufólk):エルフのこと。
  • フロッカウットル(Hrokkall, Hrökkáll)
  • フロスクヴァルル(Hrosshvalur):馬鯨。
  • ムスクヴェリ(Mushveli, Múshveli):鼠鯨。
  • ラーガルフリョウトルムリン/ラーガルフリョゥトの蛇(Lagarfljótsormur)
  • リングバック/リングバクル(Lyngbakr, Lyngbakur)
  • ロズシルングル(Lodsilungur, Loðsilungur):毛むくじゃらのトラウト

スウェーデン編集

  • ヴェッテン湖の怪物:19世紀半ばから目撃されている怪物で3つのこぶをもつ。
  • ギシンゲの狼
  • グーロ(Gulo)
  • グリペン(Gripen):グリフォンのこと。
  • スクーグスロー/タレマハ/松の木のマリア/ウルダ(Skogsrå, Tallemaja, Ulda)
  • スクヴェイダー(Skvader)
  • ストーウェオーユーエ/ストーシー(Storsjöodjuret,Storsie):イェムトランド県のストゥール湖に棲む大蛇。
  • ティッテリチューレ(Titteliture, Titteli Ture):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
  • トムテ(Tomte)
  • トロルゲッダ(Trollgadda, Trollgädda):巨大なカワカマス
  • ドラケン(Draken):ドラゴンのこと。
  • 投げすて魔人
  • ネック(Näck)
  • バーレルセル(Varelser):確かに存在するのだが、何と表してよいのかよくわからないもの。
  • ベッカヘスト:美しい白馬姿の水妖で、乗った者を溺死させる。
  • ビャラ:「運び屋」という意味の名のミルクを盗むため魔女に創造された使い魔。

デンマーク編集

  • オーレ・ルゲイエ(Ole Lukøje)
  • スラッテンパッテン(Slattenpatten):非常に長い乳房を持つエルフの一種。シェラン島では水の女神として知られる。
  • ハブリュー:人魚のこと。

ノルウェー編集

  • がらがらどん/ブルーセ(Bruse):民話に登場する山羊。
  • クラーケン/クラーケ(Kraken, Krake):浮島のように大きな海の怪物。ポントピダン『ノルウェー博物誌』によれば、何本かの角のような感覚器官、複数の光る点のような部位、無数の触手を有する丸く平らなタコもしくはヒトデの怪物だという。強烈な匂いで誘き寄せた魚を数ヶ月かけて食べ尽くし、数ヶ月かけて出した排泄物でさらに魚を誘き寄せては食べるのを繰り返している。
  • スクーソーラ(Skosåle):民話『男根と靴底(Kukken og skosålen)』に登場する喋る靴底。ある時、靴底のスクーソーラは男根のクックに自らの苦労話を語った。スクーソーラはいつも人間の足に踏まれ、土や泥を踏まされ、さらに鋼鉄や尖った石まで踏まされそうになっている。ねばねばの靴墨を塗られるがそれは役に立たず、降霜の日も猛暑の日も出歩かなければならないという。なのでクックのことを羨ましがっていたが、実際はクックの境遇も過酷なものだった。
  • スワムフィスク/スワンフィスク(Swamfisk):全身が膨れあがった姿の怪魚。その贅肉は身を守るのに役立っており、体を丸めれば敵の攻撃が内臓まで届かなくなる。自ら分泌した粘液や他の魚の皮を纏って死骸に擬態しており、近づいてきた獲物を捕食する。口と腹が一繋がりになっており胃が無いため、食べたものが詰まることがない。
  • セルマ(Selma):湖の怪物。体長6〜10m、体色は黒く、蛇のような体、馬か鹿もしくは鰐か蛇の頭部、そして体の前部の首の真下あたりに鰭型の脚があった。
  • トロルナッセ/トロルノア/トロールキャット/トロールボール/ミルクヘア(Trollnøste, Trollnøa, Troll cat, Troll ball, Milk hare):ミルクを盗むため魔女に創造された使い魔。
  • ニッセ(Nisse):トムテのこと。
  • ニュック:ニックのこと。
  • ハーヴグーヴァ(Hafgufa):ノルド語で「海の霧」という意味の名で、芳香のある吐瀉物を撒き餌にして口を開き、魚を集めて食べる海の怪物。アスピドケロンと類似する。
  • バイファール/ベイファート(Bayfart):フランス人の探検者アンドレ・テヴェの『普遍宇宙誌(La Cosmographie Universelle)』にある幻獣。一本角を頭に生やしたアザラシのような姿で、一本角の周囲は毛に囲われており、耳は小さく、被毛は灰色、鼻の周りには剛毛が生え、前肢にはライオンと同じくらい長い鉤爪があった。フィンマルク県の人々がその姿を目撃しており、さらに北海で捕獲されたこともある。
  • ハルフゥ/ハゥフル(Havfrue):人魚。
  • ビョイグ(Bojg, Bøjg):ヘンリック・イプセン『ペール・ギュント』に登場する怪物。トロールだが、ぬるぬるとした不定形の姿をしている。
  • フォッセグリム/フォスグリム(Fossegrim):灰色の服を着た小さな金髪の美男子の姿をした水の精霊。
  • フルドラ(Huldra):スクーグスローのこと。
  • リンノルム(Linnorm):リンドブルムのこと。

フィンランド編集

  • アイアタル/アヤタル/アヤッタラ(Aiatar, Ajatar, Ajattara):蛇に授乳し、人を病気にさせる邪悪な森の女精霊で、大蛇やドラゴンの姿であらわれる。
  • アンテロ・ヴィプネン(Antero Vipunen)
  • イク・トゥルソ(Iku-Turso)
  • イヒティリエッコ(Ihtiriekko)
  • ヴェテヒネン(Vetehinen)
  • ヴオコー(Vuokho):大きな翼による羽ばたきで雷のような音を出す巨鳥。悪意のある捕食性の巨鳥だが、さらに疫病をもたらしたり蚊の群れを呼び寄せたりする能力もある。
  • 黄金魔人/クルタタイカイフミネン(Kultataikaihminen):昭和期の怪奇系児童書で紹介されたフィンランドの妖怪。敢えてフィンランド語で呼ぶならクルタタイカイフミネンとなるのだろう。クルタは黄金、タイカは魔法、イフミネンは人間を意味する。
  • オウダ(Ouda):全裸の格好をした森の精霊。
  • カルマ
  • キプテュット(Kiputyttö)
  • クラッティ(Kratti)
  • ケイユ(Keiju)
  • コイランクオノライネン(Koirankuonolainen)
  • シエルリントゥ(Sielulintu)
  • スオムハウキ(Suomuhauki):叙事詩『カレワラ』に登場する巨大なカワカマス
  • スノーク:陰鬱の象徴の妖精。下記のムーミン・トロールに似るが感情によって体の色が変化する。
    • スティンキー:毛むくじゃらで触角を持ち、問題を起こすことが多い妖精。
    • スニフ:ワラビーのような姿で物欲が強い妖精。
    • トゥーティッキ:紅白横縞セーターを着たおしゃまさん。
    • ニンニ:透明な少女。
    • ハッティ・フナット:ニョロニョロした迷える放浪者。
    • ヘムル:秩序の信奉者の妖精。
    • ミムラ:タマネギのように結った髪型が特徴的な妖精。
    • ムーミン・トロール:電話帳を立てたくらいの大きさの、スウェーデン語でいうバーレルセルの一種。
    • ムムリク:「あいつ」や「野郎」といった意味の放浪者。
    • モラン:身体が冷たすぎるので火をも消してしまう巨体の魔物。
  • スヨトロール(Sjotroll):海のトロール。
  • ダシュナバール:昭和時代の児童書で紹介された、森や沼地に棲む針状の口を持つナメクジのような吸血鬼。実はアルメニアの民間伝承が元ネタとも。
  • ティッテリントゥーレ(Tittelintuure):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
    • ホプスクッケリ(Hopskukkeli):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
    • ロンパンルオヤ(Rompanruoja):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
  • トゥオニ(Tuoni)
  • トゥオネン・ヴェリネン・ポイカ(Tuonen verinen poika)
  • トゥルクの狼
  • トントゥ(Tonttu):トムテのこと。
    • ミュッリュトンットゥ(Myllytonttu)
  • ナッキ(Näkki)
    • ナキンネイト(Nakinneito):肩に掛けられるほどの爆乳を持った美しい人魚。
  • パラ(Para)
  • ハルティヤ(Haltija)
  • ヒイシ(Hiisi):叙事詩『カレワラ』に登場する悪魔もしくは魔神。
  • ヒーデンヴァキ(Hiidenväki)
  • ヒーデン・ヒルヴィ(Hiiden Hirvi)
  • ベェラーヤ・スミャルチ/シムナ(Белая Смерть):白い死神。
  • ペイッコ(Peikko)
  • ポフヤンテュット(Pohjantyttö)
  • まだらミイラ
  • メツァンネイツィト(Metsanneitsyt):森の乙女。
  • メッツァンネイト(Metsänneito)
  • メンニンカイネン(Menninkäinen)
  • リエッキオ/リーキオ(Liekkiö, Liekkio, Liekko):“燃えているもの”という意味。森に埋葬された子供の霊。
  • ルオットチョジク(Luot-Chozjik):トナカイの守護霊である女精霊。
  • ロウヒ(Louhi)

南ヨーロッパ編集

ギリシャ神話ローマ神話の記事も参照。


アルバニア編集

  • ウイク(Ujku):民話に登場する狼。
  • カルシェドラ/クルシェドラ/プシュドラ(Kulshedra)):下記のボラが12年育つと変ずるヒュドラのような災害を引き起こす牝のドラゴン。
  • ゴマリ(Gomari):民話に登場する驢馬。
  • ドラングエ/ドラゴニ(Drangùe):脇の下に翼を持つクルシェドラを倒しうる者。人だけではなく牡牛や雄鶏であることもある。
  • ボラ/ブラー(Bolla, Bullar):南部のアルタナイン族が伝承する邪悪な竜人で、聖ゲオルギオスの日(4月23日)のみ目覚めて現われ人を食う。

イタリア編集

  • アルデガンノ(Aldeganno):薬用か魔術に使用される蔦の妖精もしくは精霊。
  • エムプーゼ:昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、イタリアの吸血鬼エムプーゼは不思議な魔力を持っており生き血を吸った動物や人間と同じ姿に変身するという。血を吸う相手ごとに姿を変えていくので本来の姿を見た者はいない。
  • エルキトゥ(Erchitu):サルデーニャ島に伝わる妖怪。巨大な二本の角を生やした白い牡牛であり、その角の先端には火を灯した蝋燭が付いていて、熱した焼き串を持った悪魔が乗っている。
  • カープラ・フェッラータ(Capra Ferrata):民話に登場する鉄の山羊。『世界の鳥の民話』という本に記述がある。
  • ゴースト・ファーザー:ベスビオ火山の底に棲む、身体が灼熱の溶岩のように熱い鉱物のような妖怪。
  • ゴロー:1975年にゴロー村にあるポー川で頻繁に目撃された、たくさんの小さな脚をもつオオトカゲのような怪物。
  • ザラザラザクターラ(Zalazalasactala):折り返し翻訳によって生まれた妖怪。2015年10月21日、妖怪サイト『うしみつのかね』の管理人である御田鍬氏がツイッター上で、静岡県榛原郡に伝わる南瓜の姿をしていて人の心を読む妖怪ザラザラザッタラが登場する昔話にある文章「何でもないよ。俺はザラザラザッタラというもんでござんす」を日本語→英語→オランダ語→イタリア語→日本語の順番で折り返し翻訳した。その結果、その文章は「私は何も。私 zalazalasactala ので言ってください.」というものになった。イタリア語で記述されたこのザラザラザクターラなる妖怪がザラザラザッタラと同様に南瓜の姿をしていたり人の心を読めたりするのかは全く不明だが、とりあえず訳の分からないことを喋ってくる妖怪ということは確かである。
  • ザルバー:青い服に黄色いブーツ、裏地が赤い黒マントを身に着けた魔女。
  • ストレガ(Strega):魔女のこと。
    • ストレーガ・ビストレーガ(Strega Bistrega):民話に登場する魔女。
    • マルゲリータ・マルゲリトーネ(Margherita Margheritone):ストレーガ・ビストレーガの娘。
  • タランタシオ(Tarantasio):竜。
  • チェンタウロ(Centauro):ケンタウロスのこと。
    • チェンタウレッサ(Centauressa):女性形での呼び名。
  • ツィクロペデス(Ciclopedes):修道士プラノ・カルピニが砂漠で遭遇した隻腕隻脚の怪人。腕と脚がそれぞれ一本つづしか無く、そしてその腕は胸から生えている。一本脚であるにもかかわらず非常に素早く走り、それに疲れれば手足を交互に大地につけて飛ぶように移動し、さらに手足で弓を射ることもできるという器用な怪人。
  • トゥラブーグ(Turabug):イタリア中部のトスカナ地方に伝わるもの。魔術の材料や薬草として使用されるミカン科の木ヘンルーダの妖精もしくは精霊。
  • トラパーニ・フラトゥッツォ(Trapani Fratuzzo):修道士の服を着て、赤い帽子を被り、巨大な屋根瓦を背負っている小さな妖精。
  • パヴァーロ(Pavaró):犬の頭部、長い腕、鉄の歯と爪を有する妖精。豆畑の守護者。
  • ピノッキオ:ゼペットじいさんが、意志を持つ丸太から造った少年姿の生きた人形。
    • ラ・ファータ・ディ・カペッリ・トゥルキーニ/フェアリー・ウィズ・ターコイズ・ヘア/ブルー・フェアリー(La Fata dai Capelli Turchini, Fairy with Turquoise Hair):森に住む青い髪の妖精で、青い毛皮のシロイワヤギにも変身できる。
    • イル・グリッロ・パルランテ/トーキング・クロケット/ジミニー・クリケット(Il Grillo Parlante, Talking Cricket):1世紀近く生き、ピノッキオに社会のルールと厳しさを諭すコオロギ。
    • イル・テリビレ・ペシェカーネ/テリブル・ドッグフィッシュ/モンストロ(Il Terribile Pescecane, Terrible Dogfish):「恐ろしいツノザメ」という意味の全長が1㎞ほどある海の怪物。
  • ヒュトギン:『地獄の辞典』で紹介されるイタリア大使である悪魔。
  • ファウニ・フィカリー/ファウニ・フィチャリ(Fauni Ficarii, Fauni Ficari)
  • フォレッティ(Folletti):妖精。
    • アブルッツォ・マッザマレッレ(Abruzzo Mazzamarelle):小人もしくはバッタの姿をした風のフォレッティの一種。
    • アマッザマレッドゥ(Ammazzamareddu):地震、嵐、吹雪を起こすフォレッティの一種。
    • グランディニーリ(Grandinili):雹を降らすフォレッティの一種。
    • シルヴァーニ/シルヴァーネ/アグアーネ(Silvani, Silvane, Aguane):フォレッティの親となる森の妖精。男性をシルヴァーニ、女性をシルヴァーネやアグアーネと呼ぶ。
    • スカッツァムリエッドゥ(Scazzamurieddu):人家に住み着くこともあるフォレッティの一種。
    • スマスカッツォ(Sumascazzo):旋風や渦巻きを起こすフォレッティの一種。
    • バサドーネ(Basadone):妖精の王であり嵐に乗って移動するフォレッティの一種。
    • パマリンド(Pamarindo):太った姿をした邪悪なフォレッティの一種。
    • マチンゲ(Macinghe):邪悪な風のフォレッティの一種。
    • マッザマレッレ(Mazzamarelle):旋風に乗って移動する少年の姿をしたフォレッティの一種。
    • ラウル(Laúru):美青年の姿で女性を誘惑するフォレッティの一種。
  • プレッシュモリーナ:母親が妖精のパセリを食べてしまったために、妖精の花嫁となるべく生まれた「パセリの女の子」という意味の名の少女。
    • メメ:プレッシュモリーナを助けた妖精。
  • ベファーナ(Befana):エピファニア(公現祭/神現祭)の日に良い子にはプレゼントを配る魔女。
  • ポロ・マリーニョ(Pollo Maligno):邪悪な鶏。
  • マジョーレ湖の怪物(Lake Maggiore Monster):1800年代から1930年頃まで目撃報告があった、馬のような頭を持つ大蛇。
  • マレブランケ(Malebranche)
  • ムスカ・マチェッダ(Musca Macedda):サルデーニャ島に伝わる蠅の悪魔。
  • モナキッキョ/モナキッチョ(Monachicchio):イタリア南部のカラブリア地方に伝わる妖精。身長の二倍もある赤いフードを被った小人。
  • モナケット(Monachetto):地下に住む妖精。
  • モナチェッロ/モナチェロ(Monaciello):酔っ払った修道士、枢機卿、猫などの姿で現れる妖精。どんな姿でも火のように輝く赤い目をしていて、赤い帽子を被っている。
  • ラヴェンナ・モンスター(Ravenna Monster):イタリア北部の町ラヴェンナで見つかった鱗に覆われた一本足で、膝にも目玉がある両腕が翼の怪物。
  • ラミール:昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、イタリアの女吸血鬼ラミールは女性だけを狙って生き血を吸い500年間も若さを保っているという。
  • ラリオサウロ(Lariosauro):19世紀頃からコモ湖で目撃される首長竜のような怪物。
  • リンケッティ(Linchetti):イタリア中部のトスカナ地方に伝わる妖精。
    • マッツァペーゴロ(Mazapegolo):イタリア中部のフォルリ地方に伝わるリンケッティの一種。睡眠中の人間に悪夢を見せてくるが、茶髪の少女がパンとチーズを食べながら「お前の顔に排泄するぞ」と言えば退けることができる。

ギリシャ編集

  • アリマスポス(Arimaspos, Ἀριμασπός):グリフィン(グリュプス)と戦う一つ目玉の怪人。
  • ヴリコラカス(Vrykolakas, Βρυκόλακας):人狼の吸血鬼。
    • ティンパニアイオス(Tympaniaios, Τυμπανιαιος):ヴリコラカスの一種。太鼓のようなものという意味。風船のように膨らんだ体に太鼓の羊皮紙のように張り詰めた皮膚を持ち、その体を叩くと太鼓のような音がする。
  • オトリクノス(Otoliknos):複数形ではオトリクノイと呼ぶ。日傘にできるほどの巨大な耳を有する怪人。インドに住むので正確にはギリシャの妖怪ではない。
  • カリカンジャロス(Kallikantzaros, Καλικάντζαρος)
  • カリカンザリス(Kallikanzaris):パルナッソス山の坑道に現れる凶暴な妖怪。白い瞳をした全裸の痩せた子供の姿をしている。
    • クソデモナス(Xodemonas):カリカンザリスの眷族である凶暴な妖怪。山羊の足、山羊の角を有しており、全身が被毛に覆われている。
  • カルキノケイル/蟹手族(Karkinokheir, Καρκινόχειρ):サモサタのルキアノス『本当の話』に登場する半魚人種族。
  • キュノケパロス(Kynokephalos, Κυνοκέφαλος):頭部が犬になった怪人。インドやインドネシアに住むので正確にはギリシャの妖怪ではない。
  • コバロス(Kobalos)
  • ゴルゴナ(Gorgona):昔話に登場する人魚。
  • シュムプレーガデス(Symplegades, Συμπληγάδες):ぶつかり合うもの。海上でぶつかり合って船を押し潰す二つの巨岩。
  • スキアポデス(Skiapodes, Σκιάποδες):一本脚の怪人。
  • スパルトス(Spartos, Σπαρτός):播かれたもの。龍の牙から生まれた兵士。複数形ではスパルトイと呼ぶ。
  • セモリナ・セモリナス(Semolina-Semolinus):民話に登場する人造人間。どんな男性も気に入らなかったアレティ姫が造り出した理想の男性。アーモンド1kgを磨り潰し、砂糖とセモリナ粉をそれぞれ1kg加えて混ぜて人型に成形し、そして神様に40日間祈り続けると命が吹き込まれて出来上がる。
  • テッティクス/蝉(Tettix):イソップ寓話『蝉と蟻』に登場する蝉。
    • ミュルメクス/蟻(Myrmex):イソップ寓話『蝉と蟻』に登場する蟻。
  • ヒッパレクトリュオン(Hippalektryon, Ἱππαλεκτρυών):馬の頭部と前脚、鶏の後脚と尻尾を有する怪鳥。
  • ヒッペラポス(Hippelaphos, Ἱππέλαφος):頭部に鹿の角、首に鬣を生やし、馬の身体を有する幻獣。
  • ヒッポプロソポス/ヒッピオプロソポス(Hippoprosopos, Hippioprosopos):複数形ではヒッピオプロソポイと呼ぶ。馬面という意味でありおそらく頭部が馬になった怪人と思われ、人食い種族だという。インドのオリッサ地方に住むので正確にはギリシャの妖怪ではない。インドに伝わるアシュヴァムカ、アシュヴァヴァダナ、トゥラガーナナ(インドの妖怪のページを参照)のことと思われる。
  • ヒッポポデス/ヒポポデス(Hippopodes):二足歩行の馬の脚を有する怪人。黒海の東方が居住地なので正確にはギリシャの妖怪ではない。
  • ヒマントポデス(Himantopodes):革紐のようなぐにゃぐにゃの脚を有する怪人。イランではダヴァルパー(Davalpa)と呼ぶ。
  • プセットポデス/鮃足族(Psettopodes, Ψηττόποδες):サモサタのルキアノス『本当の話』に登場する半魚人種族。
  • プランクトス(Planktos, Πλαγκτός):漂うもの。海上を漂って船を破壊してしまう岩礁の怪物。
  • ブレムミュエス/ブレンミュエス(Blemmyes, Βλέμμυες):複数形ではブレムミュアエと呼ぶ。頭部が無くて代わりに胴体に顔がある怪人。
  • ポイニクス(Phoinix, Φοῖνιξ):フェニックスのこと。
  • メガプシュロス(Megapsyllos, Μέγαψύλλος):サモサタのルキアノス『本当の話』に登場する巨大な蚤。
  • ラゴス/ラゴース/兎(Lagos):イソップ寓話『ウサギとカメ』に登場する兎。
    • ケロネ/ケローネー/陸亀(Khelone):イソップ寓話『ウサギとカメ』に登場する陸亀。

スペイン編集

  • アダ(Hada):運命や衰退という概念の擬人化で、妖精全般も意味する。
  • アンハナ(Anjana):カンタブリアのニンフのような妖精。
    • ザナ(Zana):アストゥリアスでの妖精。
    • ヤナ(Jana):カスティーリャでの妖精。
  • エスケレティコ・カバリョ(Esqueletico Caballo):馬の骸骨。
  • エスコルナウ(Escornau):牡牛の前半身、馬の後半身、猪の頭部を持ち、長く鋭い角を額に生やした獣。
  • エルフォ(Elfo):エルフのこと。
  • オハンカヌ(Ojáncanu):カンタブリアの一つ目人喰い巨人で、人々を守ろうとするアンハナと対立する。
  • オルカベリャ(Orcavella)
  • オンブリ・ペス(Hombri Pez):魚人。
  • ガティペドゥロ/ガティペドロ(Gatipedro):ガリシア州の妖怪。頭部から茶色い一本角を生やした白猫。
  • カバリュコス・デル・ディアブル(Caballucos del Diablu)
  • カブリチョチョ(Cabrichocho):青い仔山羊。
  • カラス・デ・ベルメス/ベルメスの顔(Caras de Bélmez)
  • ガリョ・デ・ラ・ムエルテ/ギャロ・デ・ラ・ムエルテ(Gallo de la Muerte):死の雄鶏。
  • クエグレ(Cuegle):黒い肌に短い角、三つ目、五列の歯、長いあごひげに掌が無い3本の腕を持つ異形の魔物。
  • クエレブレ(Cuélebre)
    • シャナ:強引な求婚者からクエレブレの住処に逃げてきた金髪の乙女で、竜に見初められて長い刻を生きられる存在に転生した。
  • クカ・フェラ/クカフェラ(Cuca Fera, Cucafera):カタルーニャに伝わる龍。
  • クレスペル(Crespell):イビサ島の妖怪。大きな疣にまみれた皺の寄った皮膚を持ち、両目から火を出す。
  • ココリョナ(Cocollona):蝶の翅を生やした鰐の亡霊となった修道女。
  • サンテルモ(Santelmo):鬼火のこと。
  • サンパランパ(Zamparrampa):ふくよかで太りすぎな女性の姿をした妖精。ポルターガイスト現象や家庭内の混乱をもたらす。
  • ジェルミナーレ/メデタシ(Germinant):パモナ修道院近くのフェラーラ地区にある南瓜畑の生け垣で発見された平行植物
  • シレーナ(Sirena):人魚のこと。
  • スパニッシュ・フライ/スペイン蝿マルキ・ド・サドも用いたという媚薬の原料となる昆虫。
  • センタウロ(Centauro):ケンタウロスのこと。
    • センタウレサ(Centauresa):女性形での呼び名。
  • タンムズ:地獄のスペイン大使であるサソリの悪魔。
  • ディアブロ(Diablo):悪魔のこと。
  • ドゥエンデ(Duende/Duwende):小人の姿をした精霊。本来はスペインの妖怪だがイベロアメリカやフィリピンにも伝わっている。
    • アパバルデクス(Apabardexu):ソミエド湖に住むドゥエンデ。
    • ブスゴソ(Busgoso):葉や苔で身を包んだ背が高くあごひげを持つドゥエンデ
    • デュアニョ(Diaño):赤ちゃんや様々な動物に化けて人をからかうのが好きなドゥエンデ。
    • エナノ(Enano):偽の財宝の入った袋をくれる森に住む小人のドゥエンデ。
    • ヌベロ(Nubero):雨や雹、雪などの悪天候を引き起こすドゥエンデ。
    • テンティルフ(Tentiruju):マンドレイクの魔法で子供の性格を悪く変えてしまう赤い服を着たドゥエンデ。
    • トラスゴ(Trasgo):いたずらっ子が妖精になったともいわれる、家の中に侵入して物を盗む嫌われ者のドゥエンデ。
    • トロストリロ(Trastolillo):家の中に住み、善意で家事をめちゃくちゃにする迷惑なドゥエンデ。
    • トレンティ(Trenti):草木の化身の悪戯好きなドゥエンデ。
    • トロナンテ(Tronante):雷鳴を意味する稲妻や雷をつくり出すドゥエンデ。
    • ベントライン(Ventoline):緑の羽根を持つ海のディエンデ。
  • ドゥラゴンバンピーロ/吸血ドラゴン(Dragon Vampiro):昭和期の怪奇系児童書で紹介された妖怪。佐藤有文『ドラゴンブックス 恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』によれば、昔からスペインの暗い森や洞窟に棲みついている吸血ドラゴンはクエレブレとも呼ばれているという。ピストルの弾もはじき飛ばすほどの堅い鱗を持つため退治する事はできず恐れられている。深い地底湖に巣を造っており、空腹時には巣から出てきて人間や動物を襲うが、生き血を吸うのみで決して肉は食べない。獲物がいなかった場合は墓場を荒らして遺体の血だけを吸い取って歩く。パンが大好物であるためパンを捧げれば人間を襲ったり墓場を荒らしたりしなくなるともいう。歳を取った個体はスペインから飛び去って北極の氷山に棲みつき、世界中から大量の財宝を集めてそれをいつまでも見張る。
  • トゥラストリリョ(Trastolillo)
  • トゥルビンコ(Trubinco)
  • ノモ(Nomo):ノームのこと。
  • パパラソリャ(Paparrasolla)
  • バルゲト(Barruguet):イビサ島の妖怪、小人の姿をした妖怪ドゥエンデの仲間とされる場合もある。小柄で細身だが力強い。様々な動物にも変身する能力もあり、通常は仔山羊(カブリト)の姿で現れる。井戸の中に住む。
  • ヒガンテ(Gigante):巨人のこと。女性の巨人はヒガンタ(Giganta)と呼ぶ。
  • ビブリア(Vibria):ワイバーンのこと。
  • ファンタスマ(Fantasma):幽霊のこと。
    • ピーラータ・ファンタズマ(Pirata Fantasma):海賊の亡霊。
  • フメラ(Fumera)
  • フロル・カルニボラ(Flor Carnívora)/コックニー氏花(Flor de Sr. Cockney):スペインを舞台にした国枝史郎の小説『物凄き人喰い花の怪』に登場する妖怪花。
  • ペサンタ(Pesanta)
  • ポンポリリャ(Pomporrilla)
  • マチュ・ラヌ(Machu Lanú)
  • マルティニコ(Martinico)
  • マルマホル(Marmajor)
  • ムスゴス/ブスゴス(Musgosu, Busgosu):森の中に棲むパーンのような存在。
  • ムラドナ(Muladona):女性の頭部を有する人面の騾馬。
  • メディオ・エスケレト(Medio Esqueleto):体の半分が骸骨になっている妖怪。
  • モンストゥルオー(Monstruo):怪物、化け物、モンスターのこと。
  • ラミドレフ(Ramidreju)

バスク地方編集

  • アケルベルツ(Akerbeltz):黒い牡山羊という意味。
  • アーチェ(Aatxe):赤色の牡牛の姿をした精霊、変身能力で人間の姿にもなる。
  • アルギドゥナ(Argiduna):夜に光の姿で現れる小人。
  • イエルチュ(Ieltxu):口から火を発射する鳥もしくは人間の姿で現れる。
  • イディチュ/イリチュ(Iditxu, Iritxu):バスク北部のベルメオに伝わる小さな豚の姿をした妖怪。
  • イラチョ/イラチョアク(Iratxo, Iratxoak):イラチョは単数形、イラチョアクは複数形。食べ物をあげれば夜間の農作業を手伝ってくれる親切な小悪魔。
  • イングマ(Inguma):夜に家に侵入して睡眠中の人々に悪夢を見せる悪魔もしくは神。
  • インチシュ(Intxixu):半人半牛の小人。牛は牛でもバスク地方のベティス(Betizu)という種類の牛だという。寂れた鉱山に住んでおり、悪戯好きだが恥ずかしがり屋で、人間を助けることもある。
  • エチェハウン(Etxejaun):小人。
  • エレンスゲ(Herensuge):七つ頭の龍。
  • オイウラリ(Oiulari)
  • ギソツォ(Gizotso):鎖を身に着けた二足歩行の狼人間。
  • ガルツァゴリ/ガルチャゴリ(Galtzagorri, Galtxagorri):小人。赤いズボンという意味。
  • シュガール(Sugaar):牡蛇という意味。龍の姿をした雷神にして嵐神。
  • タルタロ/トルト(Tartalo, Tartaro, Torto):単眼の巨人。
  • バサハウン/バシァジャウン(Basajaun):毛むくじゃらの山の主で、人には危害は加えないが家畜の乳を盗むこともある。
  • ラミア/ラミー(Lamia, Lamina, Lami, Lamie, Illamina, Llamina, Labina, Amilamia, Lamiña, Lamiñaku, Eilamia):ギリシャ神話ラミアとは全くの別物。川や海、洞窟、森林、山などに現れる妖怪。水掻きのある家鴨もしくは鵞鳥のような足、足先まで伸びた長い金髪の美女の姿をしている。金製の櫛で長い金髪を梳かしながら美しい歌声を響かせて男性を誘惑するという。話によって姿は異なり、人魚だったり、銅色だったり、鉤爪を有していたり、目玉が一つだったり、手に水掻きがあったり、毛むくじゃらだったり、口から光を放ったり、魔女だと言われたり、妖精のように小さかったり、牛乳が好物だという話もある。
    • イツァスラミア/イツァスラミナ(Itsaslamia, Itsas Lamina)
  • マリ(Mari):女精霊もしくは女神。
  • ミコラサク(Mikolasak):小悪魔。

ポルトガル編集

  • ガロ/ガロ・デ・バルセロス/バルセロスの雄鶏(Galo de Bercelos):男の無実を晴らすために鳴いたローストチキンにされていた雄鶏。
  • ココ(Coco)
  • 食人鬼ゴール
  • バラーラ:自身の五体をバラバラにして操ることができる妖怪。
  • ブルーカ:吸血鬼。
  • モウラ・エンカンターダ(Moura encantad):ニンフのような妖精。

マケドニア編集

クマ・リサ(Kuma Lisa, Кума Лиса):民話に登場する牝狐。


マルタ編集

  • オルスタルガンドロラ(Ors tal-Gandlora):巨大熊。
  • ガウガウ/カウカウ(Gawgaw, Gaw Gaw, Kaw Kaw):ぬるぬるした蝸牛のような体を有する歯の無い灰色の怪物、もしくは手入れのされていない長髪と曲がった長い爪を有する怪人、またはマルタ島を二歩で横断できる巨人。
  • ガダイドゥ(Gadajdu):薄くて蒼白い皮膚に覆われた骸骨の妖怪。
  • ギドメイモウン(Gidmeymoun)
  • ゴルフ(Golfu):巨大な梟。叫び声を聞いた者は石化する。
  • サラング/タリシュコラ(Sarangu, Tal-Ixkora):夜寝ずに起きている子供を袋に入れて悪魔のところへと連れ去ってしまう怪人。
  • シファイク(Xifajk):小悪魔。
  • スピルトゥ/スピールトゥ(Spirtu):精霊のこと。
  • ダイナ(Dajna):象の10倍の巨体を有する雷の駱駝。
  • チェンサルメウト(Ċensa l-Mewt):大鎌を持った黒ずくめの老婆の姿をした死神。
  • ババウ(Babaw):躾のための子脅しに用いられるブギーマンのようなもの。
  • ハレス(Ħares):幽霊のこと。フード付きのローブを着ていたり、親指の無い犬の手を有していたり、小さな黒い蛇の姿だったりする。空き家など宝物が眠る場所を見守るという。
  • ビム(Bhim):牛のような怪物。
  • ファタート(Fatat):幽霊のこと。イタリア語で魔力をもったという意味のfatatoが語源。
  • ヘッディエラ(Ħeddiela)
  • ベッリエーア(Belliegħa):井戸などの水中に潜んでいる妖怪。指のある尻尾、蛙の長い舌、恐ろしい魚のような顔などを有する大蛇。水辺に近づいた子供を丸呑みにしてしまう。
  • ムハッラ(Mħalla)
  • ルーフ(Ruħ):幽霊のこと。アラビア語からの借用語。

西ヨーロッパ編集

ベルギー妖怪ドイツの妖怪フランスの妖怪の記事も参照。


オランダ編集

  • アイザラン・フーラン(Ijzeren Veulen):鉄の仔馬。
  • アルルイン(Alruin):アルラウネのこと。
  • ヴァーテリュース(Waterreus):南ホラント州のスケベニンゲンに伝わる伝説に登場する妖怪。海に住む巨大な精霊。
  • ヴェンレイゼ・シェペネン(Venrayse Schepenen):境界石を動かした者がいたためヴェンレイとベーケルの街の間を歩くようになった炎に包まれた幽霊。
  • ヴィタ・ヴィヴァン/白い女(Witte Wieven):魔女や賢女といわれる超常的な女性。
  • オウド・マロルド(Olde Marolde):空を裸で飛び回って疫病を流行らせ乳児を攫う、魔女もしくは夢魔。
  • オサールト(Ossaert):水妖の一種。
  • カピタンの螻蜓
  • カルドエス(Kardoes):ダイベンダルとパスベルグ付近に出没するヘルハウンド。
  • クラッデガット(Kladdegat):ゲルダーラントのハッテムの街に出没する深夜に遠吠えと鎖の音を立てるヘルハウンド。
  • クルーデ(Kludde):変幻自在の悪魔。
  • グルンデン・ゲリット(Glüenden Gerrit):ヘルダーラントに伝わる兄の恋人に恋い焦がれ、宿屋を放火して処刑された愚かな少年が化けた炎の中で踊る幽霊。
  • コワバカラチキ(Kowabakarachiki):夜中の2~2時半頃に現れ「アキレンス」と吠える化け物。
  • 鉄獣イバク(Ibach, Ibak):昭和時代に日本の児童書で紹介された、あらゆる刃物や鉄砲玉をはじく硬い鱗に包まれた魔獣。塩水には弱く、漬け込むと十日で死ぬという。
  • ストープ(Stoep):背中に覆いかぶさる魔物。
  • スピンヴァイフ(Spinwijf):荒野で糸車を使って糸をつぐむ白い老婆のような幽霊。
  • ズワルテ・ピエト(Zwarte Piet):聖ニコラウスの従者で、悪い子に罰を与える。
  • ソンメルチェ(Sommeltje):古代遺跡で月夜に踊る小人。
  • タッケンマン(Takkenman):2009年に話題になったオランダ版スレンダーマン
  • タンテ・コー/コーおばさん(Tante Cor):アムステルダムに住む高潔な魔女で、鋭い視線を放つ濃い色の眼を持つので眼鏡を掛けている。
  • ドーデ(Dode):かつての2ちゃんねるで語られた話に登場するもの。洒落怖出身ではなく『じわじわ来る怖い話33じわ目』というスレッドに書き込まれた話である。その書き込みによれば、江戸時代に一人の鬼が現れたという伝承がとある田舎に伝わるという。その鬼は背が高く、肌が赤く、異様な服を着ていた。鬼であるにもかかわらず怖がりで、いつも震えながら「でどでんこめん、でどでんこめん」と繰り返していたため、でどでんこめんさんと呼ばれていた。でどでんこめんさんは庄屋の好意で蔵に匿わせて貰っていたが、やがて海から仲間が来て怖がるでどでんこめんさんを連れ帰った。その書き込みでは、でどでんこめんさんは鎖国時代に出島から逃げ出してきたオランダ人なのかもしれないと締め括られた。それだけなら無事に故郷に帰れて良かったで済むのだが、オランダ人の仲間が海からやってきても怖がり続けていたという部分は不可解である。その後の考察によれば、でどでんこめんさんが繰り返していた言葉は、オランダ語で“死者が来る”という意味のデドーデンコーメン(de doden komen)だったのではないかと憶測された。ドーデというのが死者を意味する。つまり、でどでんこめんさんを迎えに来たのは仲間ではなく死霊か何かだったのかもしれないという。
  • ドレイク(Draak):ドラゴンのこと。
  • トロンベイタ(Torombeita)
  • トンゲナイアー/舌切り(Tongesnaier):子供が相手をからかうときに舌を出すと現れ、舌を切ってくるというお化け。
  • ニッカー(Nikker):ノッケンのこと。
  • バーカウフ(Bahkauv):鱗のある子牛。
  • バーネマン(Barneman,Barleman):ゾイデル海に出没する嵐の前兆である幽霊。
  • ビーテバウ(Bietebauw):詩などで言及されるブギーマンの一種。
  • ピッケプット(Pikkepoot):ユトレヒトのウィルニス地方に出没する、夜遊びする子供を襲うために水中から現れるという怪物。
  • フライングダッチマン(Flying Dutchman):イギリス人に伝わるオランダの幽霊船
  • ブルー・ゲリット(Blue Gerrit):覆いかぶさってくる目に見えない魔物。
  • ブルートコーツ/血の馬車(Bloedkoets,Bloedkoesj,Bloedkaros,Bikaros):ワイルドハントの一種である仮面の男たちを伴うという。
  • ブルートペーター/血のペーター(Bloedpater,Bloedzuiper,Tenensnijder,Bloedpater,Korenpater、Korenmenneke):ゼーラント州、リンブルグ州、フランダース州などに伝わる、花を摘みに行った子供が遭遇するとつま先を切ってしまう悪魔。
  • フロッダー(Flodder):背中に負ぶさって人を脅かす水妖。
  • ヘッゲムーデゥル(Heggemoeder):ハシバミの生け垣に棲む魔女の母と呼ばれる女悪魔。
  • ヘランダの泣夷坊
  • ヘンネケン(Hémänneken):青い炎を伴って沼地に現れる幽霊で「ヘイ」と声を掛けてきて、応えたものを追い回す。
  • ボーマン(Boeman):ブギーマンのこと。
  • ボーゼハッパート(Boezehappert):フリースラントで伝承される水辺で子供を襲って食べる、一対の角と緑の眼を持つ鱗に包まれた水妖。
  • マン・メット・ダ・ハーク/フックを持つ男(Man Met De Haak):西フランダースに伝わる海藻の髭、蜘蛛の巣の張ったつま先、緑の眼をした水妖。子供を捕らえ魂を骨壺に閉じ込めてしまう。
  • ランゲ・ワッパー(Lange Wapper):巨人のこと。
  • ローケンビーア(Loekenbeer,Loekebeer,Loekkebeer,Lokkenbeer,Loekeman):ゲルマン神話のロキ神を起源とする夜遊びする子を攫ってしまう悪魔。
  • ローレンボーア(Lorrenboer):ドルドレヒトに出没する「ローレン、ローレン」と叫びながら歩き、子供を攫ってしまう麻袋を担いだ怪人。

東ヨーロッパ編集

ロシアの妖怪スラヴ神話リトアニア神話の記事も参照。


ウクライナ編集

  • クレヴェニカ・カチェチュカ/脚の曲がった鴨(Kryven'ka Kachechka, Кривенька качечка):民話『かものむすめ』に登場する少女になった鴨。
  • コティホローシュコ(Kotyhoroshko, Котигорошко):豌豆から生まれた男の子。
  • ドモヴィーク(Domovyk, Домовик):ドモヴォーイのこと。
  • マフカ/ニャフカ(Мавка, mavka, навка, navka, нявка, nyavka):幼くして亡くなった少女の霊が転じる長い髪を持った女精霊。姿は水面に映らず背中がないともいわれ、捕らえた男をくすぐり殺してしまうこともある。
  • リソヴィーク(Lisovyk, Лісовик):レーシィのこと。
  • レシチュカ・セストリチュカ(Lysychka-Sestrychka, Лисичка-сестричка):狐妹という意味。民話に登場する牝狐。

ジョージア(旧グルジア)編集

  • アイニナとダニナ:対となった女神。
  • アグナ/アングラ:ブドウとワインの神。
  • アドギリス・デダ:豊穣の女神。
  • アプサト/アヴサティ/アフサティ:鳥と獣を司る狩猟神。
  • アミラニ:巨人族ダリと人間の猟師の間に生まれた英雄。金属の使い方を人間に教え神に挑んだために、コーカサス山に鎖で縛られた。
  • アムブリ:生きたまま埋められた巨人。
  • アリ/アルカリ:リリスのような悪魔。
  • アルマジ:パルナマズ1世によって確立された主神。聖二ノの祈りにより生じた雹によって異教神として偶像は破壊されてしまった。
  • アンゲロズニ:天使。
  • ヴェシャピ:獣の姿をした多頭の怪物で、黒いものは火を吹く。乙女に変化し水源を占拠するという伝承もある。アルメニア神話の多頭竜ヴィシャップと同様なものであるとも。
  • エサウル:狼の小神。
  • エリア:雷神。
  • オーグル:おそらくオウガと起源を同じくする人々を苦しめる怪物。
    • デヴィ:人々を苦しめるオーグルの中でも上位である多頭の9人兄弟。
    • バクバク・デヴィ:兄弟の中で最も強いとされるデヴィで、英雄達は正攻法では無くトリックを仕掛けたゲームを持ちかけることで退治した。
      • ベゲラ:とても美しい女性であるが、正体は最高位のデヴィであった。
  • オチョコチ(Ochokochi ოჩოკოჩი):メグレル語で山羊人という意味。ミングレリアの半人半山羊の森の神で猟師を苦しめる。尖った骨の突起もしくは石斧が胸部から生えており、人間を抱きしめることで殺害する。森の女神トゥカシ・マパの美しさに夢中になって彼女を追いかけている。
  • オチョピントレ:狩猟神ダリの眷族である森の精で、パーンと同一視される。
  • カジ:強大な魔力を持つ霊的な種族。土のカジは邪悪で、水のカジは友好的である。また女性のカジはとても美しく英雄を助ける。
  • ガツィとガイム:金と銀の男神像が祀られる神秘の支配者。
  • カマル:聖なる火の力を持つ空神の娘で、美しいためにアミラニに攫われた。
  • クディアニ:大きな歯と爪を持つ邪悪なせむしの魔女。
  • クヴェスクネリ:上位存在。
  • クヴィリア:神の子である英雄。最高神グメルティと人間の仲介者である。
  • グヴェレシャピ:水源に棲み支配する悪蛇。
  • グメルティ/モリゲ・グメルティ/ダムバデベリ:宇宙の創造主である最高神。
    • グヴィティス・シュヴィリニ:グメルティの子で、太陽と月と兄弟の悪魔から人々を護る守護者。
  • グヴェリスペルニ:蛇の小神。
  • クルシャ:英雄アミラニの猟犬で、神に逆らった罪により共に山に縛られた。
  • ゲルマコチ(Germakochi):山人という意味。ラズ人に伝わる背が高く毛深い猿人。
  • コパラ:雷神である神話的英雄。棍棒や鉄製弓で悪魔を退治し、魂をつかむ力で狂気を抑える。
  • ザデン:パルナマズ1世によって確立された豊穣神。聖二ノの祈りにより偶像は破壊されてしまった。
  • ジャジュ:ミングレリアの石の女。
  • シャフリス・アンゲロジ:家の天使。
  • ジュゲレグ:スヴァンの月の神。
  • ゼスクネリ:上位存在。
  • タマル:地上の眼と呼ばれ、蛇に乗って空を飛ぶ天候の女神。
  • ダリ:アミラニの母である金髪で白肌の狩猟の女神。猟師を殺すともいわれ、後代には悪魔アリと同一視され森の女王トゥカシ・マパとされた。
    • トゥカシ・マパ/トカシ・マパ:ダリが零落したミングレリアの狩猟の女神。
  • タリンジェル/タルグレゼル:スヴァンの最高神の従臣。
  • チンカ:ミングレリアのゴブリン。
  • ツカリシュディダ:人間に魔術をかける人魚の姿の女神。
  • ディリス・ヴァルスクヴラヴィ:天候神タマルに従う明けの明星である冬の主。
  • テヴドレ:農耕と馬の神。
  • デダベリ:魔女。
  • テトリ・ギオルギ:白いゲオルゲという意味で、聖ゲオルギオス信仰と同様とされる。
  • ドビルニ:子供の姿の小神で、名は妹なる者という意味の疫病を司る悪霊であるともされる。
  • ナツィリアニ:神から神聖な印(ナツィリ)を授けられた人間。
  • ナナ:古き神。
  • バアドゥリ:悪魔と戦う神の子である英雄。
  • パスクンジ:フェニックスのような鳥で英雄を助けるが、伝承によっては人々を苦しめる場合もある。
  • バトネビ:ナナの子である疫病を蔓延させる悪霊。
  • バルボル/バルバル/カル・バル:スヴァンの太陽の女神。
  • バルバレ:家畜と女性の多産を司る女神。
  • ピルクシ/ピルクシャ:英雄の武器を鍛える鍛冶神。
  • プリドン:悪魔。
  • ベリ・ベラ:東ジョージアの豊穣神。
  • ホサ・ゲルメト/ホサ・ゲルバト:スヴァンの最高神。
  • ボチ:家畜の守護神。
  • ボムブガ/バシラ:男根の神。
  • マツィル:旅行者や猟師など、村の外に出た者を病気にする悪霊。
  • マムベル:狼の支配者。
  • ミチュバ:家畜の守護者。
  • ミンドルト・バトニ:谷、野、野草を司る大地の神で、豊かな大地を耕す際には許可をえる必要がある。
    • ミンドルト・ブルザネベリ:ミンドルト・バトニの娘の花の女神。
  • ムザ:巨人。
  • ムゼ/ムゼ・カリ/ムゼカラ:ワインの守護者である太陽の女神。
  • ムツェヴァルニ:猟犬の小神。
  • メセピ:ミングレリアの動物の主。
  • モリゲ:英雄バアドゥリの育ての親で、ラフツァリの父。
  • ヤスカルニ:神を補助する英雄。
  • ヤフサル:天界から使わされた英雄で、悪人や悪霊を追い払うべく戦った。
  • ラシ:翼を持つ馬で、未来視を持ち英雄と人に友好的な地のラシ、人に敵対的で水中に連れ去ってしまうが病を癒やす乳を持つ海のラシ、火を吹き人には御することが出来ない天のラシが知られる。
  • ラフツァリ:バアドゥリの友である英雄。
  • ラマリア/ラマラ:スヴァンの多産と家畜、竈、養蜂の女神。聖母マリア信仰と同様とされる。
  • ロカプ:魔女クディアニの上位者で、魔の山で集会を開催する。

 

チェコ編集

  • オテサーネク(Otesánek):食人木。
  • ヴォドニーク:ヴォジャノーイのこと。
  • グレゴール・ザムザ(Gregor Samsa):フランツ・カフカの小説『変身』に登場する巨大な虫。
  • ゴーレム(גולם/Golem):プラハに住むユダヤ人たちを助ける命を持つ泥人形。
  • ドラクール:昭和期の怪奇系児童書で紹介されるドラキュラの祖先で、今でも子孫の一族が山中に集落を作り、長生きするため女性を攫って血を吸うという。
  • ボドニーク/ヴォドニーク:水の精のこと。
  • ポロヴィート:森の精霊のこと。
  • ムロキー(Mloky):インドネシアで発見された知恵を持つオオサンショウウオ。
  • ロボット(Robota):孤島で生産される労働用人造人間。

チュヴァシ編集

  • ヴェリ・シェレン(Veri Selen)

バシコルトスタン編集

  • シュルガン(Shulgan):叙事詩『ウラル・バトゥル』に登場する悪鬼の頭目。

ハンガリー編集

  • ヴァドレアーニュ/ヴァドレアニ(Vadleány):野生の少女という意味。長い指に鎌のような爪を有し、地面に届くほど長い髪で身体を覆った全裸の美少女。住処の森に入り込んだ者を魅了して精気を奪い取る。木を折るほどの風を起こして羊飼いの小屋を吹き飛ばしたこともある。ヴァドレアーニュの住む森では木々がさらさらと音を立てる。
  • エーギグ・エーレー・ファ(Égig Érő Fa):天までとどく木。
  • エルデグ(Ördög):悪魔のこと。
    • ブルゴー(Brugó):民話に登場する悪魔の男性。オルトゥタイ・ジュラ『ハンガリーの民話』に記述がある。
  • オーリアーシュ(Óriás):巨人のこと。
  • キーシェールテト(Kísértet):幽霊のこと。
  • サルヴァシュニュール(Szarvasnyúl):ハンガリー語で“有角兎”という意味。アルミラージジャッカロープのこと。
    • ニュールティロプ(Nyúltilop):ハンガリー語でウサギ(Nyúl)とアンテロープ(Antilop)を合わせた単語でありジャッカロープのこと。
  • サルヴァシュロー(Szarvasló):ユニコーンのこと。
  • サールニャシェンベル(Szárnyasember):有翼人のこと。
  • サールニャシュ・マチュカ(Szárnyas Macska):翼猫のこと。
  • サールニャシュロー(Szárnyasló):ペガサスのこと。
  • シヴァールヴァーニュキージョー(Szivárványkígyó):虹蛇のこと。
  • ジーケンベル(Gyíkember):リザードマンのこと。
  • シャールカーニェンベル(Sárkányember):竜人のこと。
  • シャールカーニュ(Sárkány):ドラゴンのこと。
  • シャールガ・マダール(Sárga Madár):民話に登場する黄色い鳥。
  • テューズマノーチュカ(Tűzmanócska):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
    • パンツィマンツィ/パンツマンツィ(Pancimanci, Panczumanczi):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
    • ヴィンターケルブル/ヴィンテルコルベ(Winterkölbl, Winterkolbe):ドイツ系ハンガリー人におけるトム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
  • セルニェテグ(Szörnyeteg)モンスターのこと。
  • セッレム(Szellem):精霊や幽霊のこと。
  • テューズマダール(Tűzmadár):火の鳥のこと。
  • トゥルル(Turul):建国神話に登場する怪鳥。
  • ハレンベル(Halember):魚人のこと。
  • ファルカシェンベル(Farkasember):人狼のこと。
  • ファルカシュ(Farkas):ハンガリー語で狼のこと。ハンガリーの民話にも狼が登場する話がある。
  • フェルニゲシュ(Fernyiges):民話に登場する黒いドラゴン。
  • ブショー(Busó):ブショーヤーラーシュという祭りに登場するもの。
  • ブラウル(Balaur):民話に登場する女性を攫うドラゴンで英雄に退治される。
  • ヘジネールネヘゼッブヴァシュナールエレーシェッブ(Hegynél nehezebb, vasnál erősebb):オルトゥタイ・ジュラ『ハンガリーの民話』に収録された民話『グリフィン』に登場する三匹の犬の内の一匹であり“山より重し鉄より強し”と訳されている。犬であるにもかかわらず人間の言葉を話す。体当たりで鉄の蔵の戸を柱ごと倒した。
    • メッセハッロー(Messzehalló):オルトゥタイ・ジュラ『ハンガリーの民話』に収録された民話『グリフィン』に登場する三匹の犬の内の一匹であり“千里耳”と訳されている。犬であるにもかかわらず人間の言葉を話す。遠くの森にいる主人が助けを呼ぶ声を鉄の蔵に閉じ込められた状態で聞き取った。
    • メッセラートー(Messzelátó):オルトゥタイ・ジュラ『ハンガリーの民話』に収録された民話『グリフィン』に登場する三匹の犬の内の一匹であり“千里眼”と訳されている。犬であるにもかかわらず人間の言葉を話す。鉄の蔵から出ると直ちに森の木の上にいる主人を見つけ出した。
  • ボソルカーニュ(Boszorkány):魔女のこと。
  • ホモクフェーレグ(Homokféreg):サンドワームのこと。
  • ホロフェルニゲシュ/ホッローフェルニゲシュ(Hollófernyiges):民話に登場する黒い竜。
  • ボロンドゴンバ(B0londgomba):馬鹿者キノコ。食べた者をおかしな馬鹿者に変えてしまう。近代では食べたら死ぬ事がわかっているドクツルタケがこのように呼ばれる。
  • マダーレンベル(Madárember):鳥人のこと。
  • マターン(Matán):民話に登場する白猫。
  • ミロ(Millo):コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』によれば、ミロという人物は死後に吸血鬼となり、夜な夜な人の血を吸っていた。ハンガリーの娘スタノスカ(Stanoska)はミロの餌食となり命を奪われた。ある日の真夜中、ミロがスタノスカの首を絞めにやってきたといい、その時の叫び声を聞いて駆けつけた母はスタノスカを鎮めたが、それから次第に衰弱していったスタノスカは三日後に息を引き取ったという。
  • メンニュデルゲーシュマダール(Mennydörgésmadár):サンダーバードのこと。
  • リデールツ/リデルク(Lidérc)
  • レーズファスー・バゴイ(Rézfaszú Bagoly)

ブルガリア編集

  • 胃ぶらりん
  • ウポウル:鼻孔が一つしか無い吸血鬼で、日光、火の付いた蝋燭、ヒマワリに弱い。
  • オッフ:濃い眉に広い顎、手斧のような歯の悪魔で「オッフ」という言葉に反応し現れる。子供を弟子にして魔術を教えてくれるが、上手だと嫉妬して殺してしまう。
  • クマ・リサ(Kuma Lisa, Кума Лиса):民話に登場する牝狐。
  • サモディヴァ/サモディーヴァ/サモヴィーラ(Samodiva):金髪の女性の姿をした森の精。山や渓谷に住んでいて水源を支配しており、水を止めたり、死を予言したり、特殊な羽衣を着ることで空を飛んだりする。十字路に集まって風笛を吹き鳴らし、その音に釣られてやってきた子供を雲に乗せて誘拐するともいう。
  • トルバラン(Торбалан, Torbalan):トルバ(袋)を背負っているブギーマン。
  • ストーンカ(Stonka)

ベラルーシ編集

  • アジアルニツァ/アジアルニツィ(単数形:Aziarnica 複数形:Aziarnicy, Азярніца, Азярніцы)
  • ウジャルカ/ウジャルキ(単数形:Wuzhalka, Wužalka 複数形:Wužalki, Вужалка):大蛇王の娘たち。長髪を靡かせた美女の上半身、足の代わりの大蛇の尾を有するラミアのような姿をしている。
  • ガラスめだまときんのつののヤギ
  • クーミアラン(Koomialhan, Kumelgan, Кумяльган):馬を害する邪悪な精霊。その姿は馬が二足歩行した馬人間といった風貌で、頭部は馬頭になっていて体は被毛に覆われており足には蹄がある。
  • クラスノリュドキ(Krasnolyudki, Красналюдкі):小人。
  • クロナク(Kronak, Кронак):人々を沼の中へと誘導するウィル・オ・ウィスプのような妖怪。あるいは身長3mで手には地面につくほど長い鉤爪、頭部は馬の頭蓋骨になっており発光する一本角を生やした姿の妖怪。
  • ジェウジク(Zhewzhyk, Жэўжык):川の守護者。手足が細く、首が長く、赤い髭を生やしたひょろ長い老人の姿。
  • ジジ(Zhizh, Жыж):火の精霊。
  • ジャバラカ/ジャバラッカ(Zhabalaka, Zhabalacka, Жабалака):人狼のカエルバージョン。カエルかヒキガエルに変身する。
  • ジャレズナヤババ/ジャレズニャチカ(Zhaleznaja Baba, Железная Баба)
  • スウィテジアンカ/スウィテジアンキ(単数形:Switeziankа 複数形:Switezianki, Свіцязянка):人魚あるいはルサールカの一種。
  • バハニク/バギエンニク(Bahnik, Bagiennik, Багнік):泥炭沼に棲む精霊。
  • ハビオル(Habior, Хабёр):ザリガニの王。
  • ハユン(Hajun, Гаюн):森の老精霊。
    • ハヨウカ/ハヨウキ(単数形:Hajowka, 複数形:Hajowki, Гаёўкі):ハユンの孫娘たち。
  • バラウィク/ボロヴィク(Barawik, Borovik, Баравік):森の精霊の一種。
  • ビンダス(Bindas, Біндас):浴室の精霊。
  • ピアチュルニク(Piachurnik, Пячурнік):二足歩行の猫の姿をした家の精霊。
  • プシチャウィク(Pushchawik, Пушчавік):手つかずの森林を所有する精霊。
  • ホホリク(Hohlik, Хохлік):小悪魔。
  • マハヴィク(Mahavik, Махавік):苔の生物という意味。18cm(7インチ)くらいの動く苔の塊のような姿をしている。老いた小人、豚、羊などの姿で現れることもある。
  • マリモン(Malimon, Малімон):ポリーシャの大地を背負った巨大魚。これが動くと洪水、旱魃、その他様々な大災害が発生する。
  • メジャウィク/メルニク(Mezhawik, Mernik, Межавік, Мернік):夜の精霊。頭が炎に包まれている姿、もしくは頭の代わりに火の玉がついている姿、あるいは首無しの姿をしている。
  • ヨウニク(Jounik, Jownik, Ёўнік):オヴィンニクのこと。
  • リヒタルカ(Lihtarka, Ліхтарка):ウィル・オ・ウィスプのような妖怪。
  • ワウカラク(Wawkalak, Ваўкалак):人狼、狼に変身する人間。
  • ワドジアニビク(Wadziany Byk, Вадзяны Бык):シャベルのような尾を有する水棲の牛。

ポーランド編集

  • ヴィエジマ(Wiedźma):魔女のこと。魔法で人をヒキガエルやヘビ、カササギに変えてしまう。
  • オヒン(Ohyn):赤ん坊の吸血鬼。
  • クウォブク(Kłobuk):家庭の守護者で、濡れた鶏、亀、鵞鳥、猫の姿をしており、手に入れた家は栄えるが隣の家から富を奪うともいう。
  • サビナ(Sabina):浮気をして地獄を混乱させたため地上に送られた女悪魔。
  • シチシガ/ストリガ/シュチュシガ(Strzyga):赤い爪の蘇った死体。
  • スモク/スモーク/オロファグス(Smok):ドラゴンのこと。
    • スモク・ヴァヴェル/ヴァヴェルの竜(Smok Wawelski, Wawel Dragon):ヴァヴェルの丘の麓の「竜の洞窟 」に棲み、生贄を要求していたがクラク王と王子によって退治された。
  • ズウォタ・カツカ(Złota Kaczka):呪いを掛けられた姫が正体の金のアヒル。
  • ディアベウボルタ/ボルータ(Diabeł Boruta):梟に化けて乱暴な士族を懲らしめる悪魔。
  • ブウェンドニツァ(Błędnica):可愛い少女の姿をした女悪魔。
  • ポーランドボール:国家を擬球化した風刺キャラクター。実はドイツ出身。
  • ボロヴィ/ボロヴィェツ/ボルータ:森の精霊のこと。
  • モーラ(Mora):夢魔のこと。
  • モロヴァ・ヅェイツァ(Morowa Dziewica):赤いハンカチを振り死病を流行らせる疫病の乙女。
  • ラタヴィツァ(Latawica):流れ星の姿をしている風の女精霊で、魔性の美貌で男を誘惑し破滅させる。
  • ラルグ(Raróg):人が9日間温めないと孵らないという、幸運をもたらす金の卵から産まれる火の鳥。
  • リビクルル/ルィビクルル/クルルシエラヴ/クルルスィエラヴ(Rybi Król, Król Sielaw):キュウリウオ科の海水魚ニシキュウリウオ(Osmerus eperlanus)の王。
  • リベザル/ルベザル(Ribesal, Rubezal)
  • リホ(Licho):悪戯好きの小さくて毛深い生き物や、一つ目の邪眼を持つ醜いやせっぽちだと伝わる魔物。
  • ルサウカ(Rusałka):水の精ルサルカのことだが、こちらは森に棲みニガヨモギに弱い。
  • ロキタ/ロキータ(Lokita):悪魔だが誠実で約束を守るという。偽証した人間はこの悪魔に舌を抜かれてしまう。

ボスニア・ヘルツェゴビナ/モンテグロ編集


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