概要
つるまいかだによる日本の漫画作品。月刊アフタヌーン(講談社)にて2020年7月号から連載されている。つるまにとっては初の連載作品でもある。
単行本は2024年3月時点で10巻まで刊行。
話数は『score‐』といったカウントをする。
ごく一般的な少女たちが、まったくの初歩から、周囲の期待(と重圧)を背負いながらフィギュアスケートの技術を身につけ実力者たるメダリストへと成長していく様と、それを献身的に支えるコーチ陣や家族らの奮闘を描く。
「次にくるマンガ大賞 2022」においてコミックス部門1位を獲得し、メタ視点でも初金メダルを手に入れることになった。
続けて2023年1月に第68回「小学館漫画賞」一般向け部門を受賞し、ダブルで栄冠を手にした。
さらに、主人公の結束いのりが「マガデニー賞2022」で主演女優賞を受賞。まさかの三連続受賞を達成することになった。
ちなみに、フィギュア界でシーズン三冠(オリンピック・世界選手権・グランプリファイナル制覇)を達成したのは編集段階で羽生結弦とアレクセイ・ヤグディンのみである。マンガ作品とはいえもう両雄に並び立つのか(困惑)。
それだけでなく、2024年5月には第48回「講談社漫画賞」総合部門を受賞し、四冠を達成かつ二大出版社主催漫画賞を制した。
score29(アフタヌーン2023年1月号)より、全日本ノービスA編が開幕。
ついに4回転サルコウを習得した結束いのりと、3回転アクセルを有する狼嵜光が雌雄を決する刻が近づいている。
score37(アフタヌーン2023年10月号)からは、いのりと光が中学生へ進学したことでジュニアクラス編が開始。
2人の新たな戦いのステージが幕を開けた。
あらすじ
──人生ふたつぶん懸けて、叶えたい夢がある。
夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。
でも2人には、誰より強いリンクへの執念があった。
氷の上で出会った2人がタッグを組んで、フィギュアスケートで世界を目指す!(公式より)
作品の特徴
作品の主な舞台は、作者の出身地である名古屋。現実でもフィギュアスケートが盛んな地域でもある。
また、フラット八戸などの他の地方に実在するスケートリンクが大会等の舞台となることがある。
作中の専門用語や演技の振り付けなどは本職のアイスダンスコーチが監修を担当しており、非常にリアリティに満ちた内容となっている。
作者いわく、既存のフィギュアスケートがテーマの作品は『主人公がある日、何の気なしに難しいジャンプを飛んでしまい、そこからあれよあれよとフィギュア界に飛び込んでいく』といった感じのものが大多数であるが、本作はごく一般的な少年少女(※1)が基本から身につけながら徐々に成長していく当寸大の物語に努めているという。
また、リアリティが強いのは考証関連だけでなく人間関係や活動に際しての金銭問題、キャリア年数や実績などの生々しい事情も鋭く描いている点。
作中では、
「スケートを決心するタイミングが遅すぎて実績を残せなかった選手(※2)」、
「実績を残し、あるいは将来を期待されたが諸事情から現役引退をせざるを得なかった熟練選手」、
「親の理解が得られずスケートを受講させてもらえない子供」、
「引退後、居場所や望んだ就職先が見つからずニートやフリーターに身を落とす元選手」、
「支援を申し出るが心苦しさから遠慮され選手に去られてしまうスポンサー」、
「期待の新人に嫉妬して陰口を交わす他選手の保護者」、
「後続の選手に追い抜かれアイデンティティを失いそうになる少年少女たち」、
「自陣営の利益のため他チームから有望な選手やコーチを引き抜こうと画策するチーム経営者」、
「本拠地であるスケート場が経営難から閉鎖となり存続ができなくなったスケートチーム」、
……等々の様子が容赦なく描かれる。
そうした現実に直面しつつも、『リンクに賭ける執念』を拠り所にツキに見放されていた主人公とそのコーチが栄光のオリンピック出場に向けて切磋琢磨していくのがストーリーの骨子。
ちなみに、なぜ女子シングルがテーマなのかといえば「女の子がいっぱいで可愛い!という漫画にしたいと思っていたから」(by作者)
ただ、当初の構想では女子選手同士が切磋琢磨し合うストーリーを練っていたそうだが、担当編集から「頼りになる大人キャラを入れるべき」と言われたことで明浦路司等のキャラクターを急遽設定。この状態で連載が決定し、しかも好評を得たことで次第にお兄さん・おじさんキャラの比率が高くなったと作者は明かす。
つるま「どうしてこうなった」
※1:だだし、狼嵜・夜鷹コンビに関してはラスボス感を演出するためかミステリアスな来歴に加えて好敵手補正が半端ないことになっている。
※2:フィギュアにおいては、多くのオリンピック出場者が5~6歳からキャリアを開始しており、選手として勢いに乗る10代20代にして競技年数15年以上なんてのがザラであるという。それ以降でフィギュアを始めた主人公コンビは非常なハンデを負っている部類に入る。
用語解説
フィギュアスケートの類別
ひとくちにフィギュアと言っても、以下の4種類に分けられる。
シングル
一人で滑り演技する競技。宇野昌磨や本田真凜ら著名選手がしているのがこれ。
ペア
男女二人組で滑る競技。ジャンプの他、男性スケーターが女性スケーターを頭上に投げ上げるといったアクロバットな演技が要求される。
アイスダンス
同じく男女二人組で滑る競技。ペアとの最大の違いは、ジャンプをしない代りに徹底的なスケーティング技能重視であること。両者の同調性が求められるという別の難しさがある。高橋大輔が転向したのがこれ。
シンクロナイズド・スケーティング
1チーム16人で演技を構成する大規模競技。
作中ではシングルとアイスダンス出身のコーチが登場する。
FSC
「フィギュアスケーティングクラブ」の略称。
日本では、経営者及び監督である『ヘッドコーチ』の下に、これをサポートする『アシスタントコーチ』が連携して生徒の指導にあたる。場合によっては外部から連携団体の専門家やフリーランスの講師を招くこともある。
日本ではコーチ一人が指導の大部分を担ってしまうケースが大半だが、海外ではスケーティング専門やジャンプ専門、振り付け専門といったトレーナーを別途に雇っていることも多いという。
規模や組織風土は千差万別。コーチや生徒を幾人も抱え関連組織にも強いコネを持つ有力チームから、生徒1人にヘッドコーチのみな零細クラブ、果ては作品に出てくる「スター広島FSC」や「熱海SC」のように正業の片手間でフィギュアスケートを教えているようなところもある。
バッジテスト
フィギュアスケートの検定試験。初級~8級まで設定されている。
規定の級に合格したことが大会の出場資格となる(下記参照)。
なお、初級段階では「片足でも転ばずにリズムに乗れる」程度であるが、7級にもなると「司法試験より合格率が低い」といわれる難関さを誇る。特にジュニア大会に出場するための6級合格には高難度技の2回転アクセルを飛べるのが絶対条件だが、この関門を超えることができず涙を呑む選手が多いという。
フィギュアスケートの階級
・シニア :17歳以上でシングル7級以上(※2022年6月7日より)
・ジュニア:13歳~18歳でシングル6級以上
・ノービスA:11~12歳でシングル4級以上
・ノービスB:9~10歳でシングル3級以上
強化選手
日本スケート連盟が毎年選出する、基準を満たした有望選手のこと。
『昨年度の全日本選手権で3位以内の選手』『その年のグランプリシリーズに2戦派遣される選手』『左記の選手と同等のシーズンベストを持つ選手』……等々を満たす必要がある。
女子シングルで選出されるのはシニア・ジュニア・ノービスAをあわせて約20名で、これがフィギュアスケート強豪国たる日本を支えるメンバーといえる。
これに選出されると、専用練習枠や金銭面での補助などの様々なサポートが受けられる。また、「強化選手A」「強化選手B」「特別強化選手」の3ランクに分けられ、特に特別強化選手は日本の現役選手における頂点といえる。
フィギュアスケートの年替わり
日本だと4月が年替わりだが、実はフィギュアスケート界は7月が年替わり。
だから、国内の学級における3月生まれ「対」4月生まれがそうであるように、フィギュアでは6月生まれ以前が切りあがりで、7月生まれ以降が切りさがりになる。
それゆえ、作中にもあるように日本人視点ではノービスAでは小学生&中学一年生の混雑となり、ジュニアクラスでは一部の中学一年生がジュニアに上がれずにノービスに残留といった変則的な様相を呈する。
このため、フィギュア基準では早生まれのいのりはジュニアへ進級したものの遅生まれの光とは一持離ればなれになっている。
名港杯
真夏に行われる名古屋における地区大会。
同大会では初級でも出場枠があるため、フィギュアを始めたばかりのいのり達が腕試しとして出場した。score3~6にかけてその様子が描かれる。
西日本小中学校大会
西日本全域を区域にした地区大会。初級や1級などの下級クラスでも出場枠があり、いのり達は1級枠で参加した。score7~10にかけてその模様が描かれる。
なお、実際に開催されている。
長野合宿
正式名称は全国有望新人発掘合宿。日本スケート連盟が主催する、フィギュアスケートの有望新人を発掘するため毎年夏に長野県南牧村の野辺山高原で開かれる合宿を指す。
集められた100人近い小学校3年生から中学1年生までのスケーターは、5分間走(持久力)・50m走(瞬発力)・垂直跳(パワー)・握力と背筋力・反復横跳(敏捷性)・立位体前屈(柔軟性)等の体力測定、そして、個々のジャンプやスピン、ステップ等のスケートのテストを受け、潜在能力や柔軟性、表現力などを総合的に見て将来性をはかられる。数日間の合宿の結果を見て、合宿終了後に各クラスで数名がシード選手として選出され、全日本ノービス選手権へのシード権が与えられる。
なお、1992年から行われ、この合宿の1期生であった本田武史や荒川静香以降、日本でトップクラスとして認知されている選手のほぼ全てがこの合宿を経験している。
(Wikipediaより抜粋編集)
……ようはこの合宿に参加すること自体がフィギュア界のエリートとであることを半ば約束される『トップ選手の登竜門』なわけであるが、作中でいのりは応募基準である6級に上がるのが間に合わず年齢的にもう参加ができなくなってしまった。が、その間にもメキメキと技術を上達させて、合宿参加選手を打ち倒すまでになったためにノーマークの選手ながら事実上のダークホースとして周囲から恐れられるようになっていく。
全日本ノービスA予選 中部ブロック大会
全日本ノービスA全国大会に向けた中部地方における地区予選。作中ではいのりを含めて計15名の選手が参加しており、ここから上位5名のみが全国大会へと駒を進めることができる。(なお、地区予選においてはシード選手は全国出場がすでに確定しているため入賞してもノーカウント。)
名古屋からだけでなく金沢や敦賀、熱海のスケートチームから長野合宿参加者を含めたこの年のエリート選手が集結した。
ついにライバルである狼嵜光と念願の対決……と思いきや、なんとシード権を持つ光はロシアへ武者修行に旅立って不参加。2人の対決は流れてしまったが、絶対王者の不在という好機を逃すまいと、他参加者たちは不可能と思われたブロック金メダリストの栄誉を手に入れようと闘志を燃やすのであった。
score16~22において激戦が繰り広げられた。
全日本ノービス大会
『北海道・東北ブロック』『関東ブロック』『東京ブロック』『中部ブロック』『近畿ブロック』『中国・四国・九州ブロック』の6地域の地区予選から選出された計30名+長野合宿シード選手6名によるフィギュアスケート全国大会。
金メダル奪取に賭ける鹿本すずの躍進、いのりにライバル意識を燃やす九猪桃子、自身と仲間たちの最後のフィギュアステージに臨まんとする亜昼美玖………そして何よりいのりと光、最初の激突の結果や如何に!!?
score29~36にかけてその模様が描かれる。
ジュニア・グランプリ(GP)・シリーズ
国際スケート連盟(ISU)の定義するジュニアクラスのための世界選手権シリーズ。
なお、時期的に全日本選手権より前に開催されるため関係者にとっては事実上の『初場所』が国際試合というぶっ飛んだものになっている。
その国の選考会で選出された選手のうち、各国の計7回の予選大会のうち最大2つに参加してその2戦分の戦績をポイント換算、そして男女ともにランキング上位6名のみが決勝(=ファイナルシリーズ)に進出できる。
作中ではタイ・トルコ・ポーランド・日本・フランス・イタリア・オーストリアと順に予選大会を経て最後に中国で決勝となる。
前回女王(=金メダリスト)は日本の岡崎いるか。score42(アフタヌーン2024年5月号)より激戦が展開中である。
登場人物
※以下、ネタバレ注意です。ご了承ください。
メインキャラ
- 結束いのり(ゆいつか ‐)
階級:初級 ➡ノービスA ➡ジュニア(score37)
主人公である小学校5年生(→後に6年生)。落ちこぼれであったが、司の熱心な指導と家族の理解を得て次第に才能を開花させ、フィギュアの女子シングルを開始して1年目にしてノービスA中部ブロックの金メダリストの栄冠に輝く。所属するルクス東山FSCの事実上のエース選手。
フィギュアをはじめてから身体能力が大幅に向上したが、score28においては高学年でありながら宿題の九九の計算を間違えており、全般的に勉強が苦手。
彼女の姉である結束実叶もノービスB時代に中部ブロック大会を制覇しており、事情を知る関係者からはやはり姉妹である(大意)として意識されている。その実叶はケガが原因でいのりが活躍を始める頃には既に引退してしまっているが、ストーリーが進むにつれて名物選手だった姉が各方面に残した影響、その因縁に妹であるいのりが直面していくことにもなる。
とある事情からミミズが大好き。
そして、中学生進級時にこれまでの戦績が評価され日本フィギュアの強化選手Bに選出された。
さらに選考会を突破したことにより海外のジュニア界のトップ選手が集うジュニア・グランプリ(GP)シリーズへの出場が決定している。つまり中学一年生にして日本代表選手となった。
- 明浦路司(あけうらじ つかさ)
肩書:アシスタントコーチ
もう一人の主人公である元・アイスダンスの全日本代表。いのりのリンクへの執念を目の当たりにして、かつて中学生というフィギュア界では遅すぎる段階で氷の世界に飛び込み今なおしがみついている自身の境遇との共感を見出し、彼女を支えるべくコーチへと転向する。
選手引退後はアイスショーのエキストラをめざしていたが、現在では名古屋に本拠地を置くルクス東山FSCのアシスタントコーチを勤めている。趣味は筋トレ。
名前の由来は、太陽神アポロンからだという。この人だけ由来が神様である。
- 狼嵜光(かみさき ひかる)
階級:ノービスB ➡ ノービスA
全日本ノービスBにおいて2連覇を成し遂げた天才少女。いのりとは初対面で意気投合した心のライバル同士でもある。素の表情になると夜鷹をして『獣のような眼を欄々と輝かせた』特異的な目つきになる。所属は名古屋の名門といわれる名港ウィンドFSCで、将来のオリンピック金メダリストと目されている。
数奇な運命で知り合ったいのりにとある理由から異常なまでに執着している。それは、彼女の戦績が振るわなかった時にはその師である司に罵声を浴びせるほど。
いつか、誰もが認める勲章を手に入れるほどのフィギュア選手になった結束いのりと、世界の頂点で激突することを待ち望んでいる。
イメージアニマルは、恐らくオオカミ。本作のラスボス枠その1。
- 夜鷹純 (よだか じゅん)
肩書:フリーランス?
元・男子シングルのオリンピック金メダリスト。引退後は荒れた生活をしていたが、光と対面した際に自身と同じ天才ゆえのしがらみとシンパシーを感じ、彼女の影のコーチを請け負う。司をして『氷の外で生きようとしたけど閉じ込められた人』。
特定のチームに所属はしておらず、なぜか光の表向きのコーチを名乗っていないが……
ものごとの評価基準がスケートであるきらいがあり、スケートが上手いか・実際に活躍したか否かに重きを置いている節がある。この上、プライドも高いときている。そのため、司からは「性格が悪い」、理凰からは「クソジジイ」と言われている。
イメージアニマルは、恐らくヨタカ。本作のラスボス枠その2。
- 鴗鳥理凰(そにどり りおう)
階級:ノービスA
名港ウィンドFSCに所属する男子選手であると同時に、狼嵜光の幼なじみ。また、元・フィギュアスケート男子シングルのオリンピック銀メダリストである鴗鳥慎一郎の息子でもあるが、一方ではかなり天邪鬼な性格をしていてプライドも高い。
光に淡い恋心を抱いており、また後にとある事情から自身のスランプの克服に尽力した他チームのコーチである司にかなりガチめに懐くに至り、そうしたことから二人と浅からぬ関係にあるいのりとはそっち方面でのライバル関係である。
また、過去に邪険にされた恨みから夜鷹純がゴキブリ以上に嫌い。
- 鴗鳥慎一郎(そにどり しんいちろう)
肩書:ヘッドコーチ
元・フィギュアスケート男子シングルのオリンピック銀メダリスト。現在では名古屋の名門チームである名港ウィンドFSCのヘッドコーチを務めている。
かつてのライバルであると同時に友人である夜鷹の頼みを受け、光を自宅に居候させると同時に、自分のチームに在籍させ彼女の表向きのコーチを勤めている。その理由は……
スポーツマンシップに溢れる性格で目下の人間にも低姿勢で接するが、反面で相手の心理に鈍感でむしろ戸惑わせてしまうことも。
夕凪「鴗鳥って……カワセミのことなんだって。青くてきれいな鳥……」
四葉「……っそ、そう……」
名古屋市を本拠地とするグラビティ桜通FSCに唯一所属する小学3年生の女子(左)と、同チームのヘッドコーチ(右)。スケート場で結束いのりと出会って涼佳と二人が友人になると同時に、主人公コンビのライバル関係となり、物語序盤の名港杯ではお互いに鎬を削りあった。
二人とも、元々は別チームである名城クラウンに所属していたが、涼佳がその気性の荒さから問題児扱いされ飛び出すに至った。涼佳は選手としては抜群のリズム感と高い身体能力を持ち、那智(愛称「ナッチン」)はかつては全日本上位の常連でジャンプの高さが持ち味の選手として知られ、侮りがたいコンビとして扱われている。
涼佳のイメージアニマルは三毛猫だと思われ、作中でもその猫耳っぽい髪型を自らセッティングしている。
ナッチンの元ネタは、ジャンプが得意であった設定から某赤帽子からきたと思われ、さらに成長期になって巨乳になりそのジャンプができなくなったことから『ボイン=毬』だと思われる。この人だけ由来がゲームキャラ&エロである。
中部ブロック
ルクス東山FSC
- 高峰瞳(たかみね ひとみ)
肩書:ヘッドコーチ
かつて司とコンビを組んでいた女性。二人でアイスダンスで全日本に出場するなど、当時は選手としても活躍していた。
引退した現在では自身のスケートクラブを経営していて、チーム強化のため相棒であった司をアシスタントコーチとして勧誘した。
- 犬飼総太(いぬかい そうた)
階級:ノービスB ➡ ノービスA
小学4年生の男子で、ゲームが趣味。理凰とは同年代ではただ二人の中部ブロック男子選手であることから仲が良い。
イメージアニマルは、ワンコ。
- 卯山雪(うやま ゆき)
階級:4級 ➡ ジュニア?
中学2年生の女子。入った当初は人見知りであったいのりを温かく迎えてくれた優しい娘。score24では受験を目前に控え、さらにジュニア大会に進むための課題である2回転アクセルが飛べず悩んでいたが、司が導入した補助具のハーネスでこれを克服したことで感激のあまり号泣し、スケートを辞めることを思い止まった。
イメージアニマルは、ウサギ。
名港ウィンドFSC
- 雉多輝也(きじた しょうや)
肩書:アシスタントコーチ
ヘッドコーチである慎一郎をリスペクトしている。かつては「暴れんボーイ」と呼ばれ今でもぶっきらぼうな口調であるが、試合後の女子選手を花束でねぎらうなど細やかな気配りをする。慎一郎いわく、「ホストの人みたいですね。」
イメージアニマルは、雉。
- 鯱城理衣菜(こじょう りいな)
階級:シニア
オリンピック出場経験を持つ、現役選手の頂点たる特別強化選手にして名港ウィンド№1であるJD。(※光は№2)普段は目下の人物にも丁寧に接するが、本来は中性的な言葉遣いでやや豪快な性格である。
イメージアニマルはシャチ。端正な容姿で八重歯がチャームポイント。
- 八木夕凪(やぎ ゆうな)
階級:ノービスA ➡ジュニア(score37)
名港ウィンド№3の女子。ノービスA中部ブロック大会において優勝を賭ける主人公コンビの前に慎一郎と共に立ちふさがる。
コーチである慎一郎にガチ恋していて、スケートを続けるのも一重に慎一郎を振り向かせるため。
イメージアニマルは、ヤギ。
- 申川りんな(さるかわ ―)
階級:ノービスA ➡ジュニア(score37)
少々ビビりな中学1年生。なぜか大会では1番滑走にあたりやすくその度にメソメソしているが、「害虫が飛んで来たら、怖がりながらも確実に仕留めるタイプ」(第6巻巻末)らしく、中部ブロック大会ではプレッシャーが半端ないその1番滑走の初手で高難易度技である3回転ルッツを成功させて会場中をどよめかせた。
- 牛川四葉(うしかわ よつは)
階級:ノービスA
光や夕凪と同い年の女子。周囲が強者揃いなためやや劣等感を感じてしまっている。趣味はお菓子作り。
イメージアニマルは、牛。
愛西ライドFSC
- 五里誠二(ごり せいじ)
肩書:ヘッドコーチ
慎一郎の先輩にあたる元・全日本選手。引退後は中学教師として過ごしていたが、自身の出身クラブが事実上の解散状態であったのを知り新クラブとして再興を決意し、名港・名城と並ぶ名古屋三大クラブへと押し上げた。
俗にいう褒めて伸ばすタイプの指導者で、結果的にチームには個性的なメンバーが揃っている。
イメージアニマルは、ゴリラ。
- 王仁敦士(わに あつし)
肩書:アシスタントコーチ
能力は非常に高いが、超マイペースでサイフだろうがケータイだろうが容赦なく失くす困った人。
現役引退後は、五里に拾われるまでは自宅でニートを決め込んでいた。
イメージアニマルは、ワニ。
- 岡崎いるか(おかざき ―)
階級:ジュニア
愛西ライドのエースである強化選手AのJK
現在、前年度のジュニアグランプリ(GP)の女王の栄冠を手にしている。
性格は高圧的で天邪鬼。いのりを一目見て「可愛い」と感じるも結局イジワルなことしか言えない、母親とケンカしてむしゃくしゃして練習をサボる、そんな面倒くさい性格。
実は、以前はいのりの姉である実叶の妹分だった。自分を置いてスケートを辞めた実叶へは名状し難いわだかまりをいだいていたが、この縁で後々にいのりの姉貴分を買って出るようになる。
イメージアニマルは、イルカ。
- 炉場愛花(ろば まなか)
階級:ノービスA
中部ブロック大会ではとある戦法で申川をトップから押し出すことに成功し、最終的に銅メダルを獲得し全国大会へ駒を進めた。
イメージアニマルは、ロバ。
名城クラウンFSC
- 竜宮アキラ(りゅうぐう‐)
肩書:ヘッドコーチ
名古屋1の歴史を誇る同チームの3代目ヘッドコーチで、名古屋フィギュア界の村長枠。
ナッチンの現役時代のコーチであると同時に、実はいのりの姉である実叶がスケートを辞めるまでの指導にも携わっており、いのりが他チームに流れてしまい指導できなかったことを残念に思っている。
倫太郎の他に、キレイどころなお姉さんコーチたちを複数抱えている。
今は年を食っているが、ナッチンの現役時はまだ若々しい容貌をしていた。
イメージアニマルは、恐らく竜。
- 千羽倫太郎(ちわ りんたろう)
肩書:アシスタントコーチ
名城の最年少かつ黒一点なアシスタントコーチ。このうえ、3人の姉を持つ末っ子ときている。
その一方で、臆病でビビりの割には無礼講で向こう見ずな性格。
かつて名城で同時期に所属していたナッチンが超苦手だという。いったい何があった??
また、辞める前の実叶からはリンくんと呼ばれていた。
イメージアニマルは、恐らく鶴。
- 栗尾根茉莉花(くりおね まりか)
階級:シニア
名城に所属する強化選手BのJK(後に大学進学?)。華やかな見た目でおっとりした性格。中部ブロック大会直前に、いのりがいるかに凄まれた際に彼女をフォローしつつ自分の膝の上に座るよう促すほどの包容力の高さ。
実はいのりの姉である実叶の元・同期。
イメージアニマルは、クリオネ。
- 古部多まいん(こぶた‐)
階級:ノービスA
中部ブロック4位通過を決めた小学6年生の女子。
実は、地元アイスショーに出演したかつての実叶と茉莉花の「お姫様みたいな」可憐な姿に憧れスケートをはじめた経緯をもつ。大会後の強化練習の際に、同じく実叶ガチ勢であるいのりとその話題で意気投合した。(が、直後に実叶が足を折って辞めた事をいるかが弄り、その場が凍り付いた。)
イメージアニマルは、子豚。ただし太ってはいない。
近畿ブロック
蓮華茶FSC
- 亀金谷澄覚(かめがや ちょうかく)
肩書:ヘッドコーチ
京都の強豪フィギュアスケートクラブである蓮華茶FSCのリーダー…というか首領。
見た目は髪を短く刈り込んだ痩身の中高年といったいぶし銀で、スケート講師というよりも僧侶や武道関係者といった雰囲気。大会時はスーツにニット帽着用だが、普段は作務衣で過ごしている様子。京都だからかな?
生徒たちに対しては「うちのチビたちはどいつも肝が据わっているんが売りだからな」と信頼しており、自身も長年の実績からか他コーチからも信頼されている模様。
その一方で合理主義的な言動も目立つ。かつてスランプ脱却に苦しむ絵馬を見かねて他チームへの移籍(ようは親心前提での追放)を検討したが、ジャッキー先生のフォローで流れた過去を持つ。また、全日本ノービス大会においては成長著しいいのりを垣間見て、内心で「アイツ、ほしいな…」と引き抜きを検討するかのように独白した。
イメージアニマルは、亀。
- 蛇崩遊大 (じゃくずれ ゆうだい)
肩書:アシスタントコーチ
飄々としつつも面倒見はいい性格。大阪出身で、口癖は「知らんけど」。
子供の扱いが非常にうまく司が舌を巻いたほど。自身としては生徒に対しては小学校の先生みたいな雰囲気を心掛けているという、知らんけど。
愛称はジャッキー先生。作中では絵馬の後ろ盾として活躍する。
- 伊文里青紫(いもり せいし) 肩書:アシスタントコーチ
- 家守朝緑(やもり あさみ) 肩書:アシスタントコーチ
全日本ノービス大会編において、子出藤環のバックアップを務める。伊文里が先輩で、家守が後輩。
- 紅熊寧々子(べにくま ねねこ)
階級:ジュニア
いるかのライバルの一人のJK。背は低い。
お調子者な性格で、ノービス時代には日本代表記念のジャパンジャージを着て小学校へ通ったことがある。
後輩のずず達を可愛がっている。
- 鴎田隼翔(かもめだ はやと)
階級:ジュニア
ジュニアGPのタイでの予選にいのり達と共に出場した高校生の16歳男子。
好奇心旺盛なうえにハイテンションになりやすい性格で、国際試合間近にもかかわらず異文化への興味が抑えられず寝不足になってしまったうえに「ふわふわしていいかんじだから走ってくる」と言い出すまでにメンタル的なブレーキが危うい。
彼をフォローしていたジャッキー先生も手を焼く様子がみられ、単行本10巻カバー裏で描かれた同期との相関図でも一人だけ浮いてしまっている節がみられるなど落ち着きがないという意味では問題児気質。
- 鹿本すず (かもと すず)
階級:ノービスB ➡ ノービスA
自分のことを「可愛いらしくてすんまへん…💖」とか、いつか対決を期すいのりに対して「やろうな💖スケート兼美少女バトル!」と返すなどトンチキな言動が多いが、
これでも全日本&世界トップ出場資格であるバッジテスト7級に合格し、全日本ノービスBで光に次いで2位の成績を収めた猛者である。
絵馬と幼なじみで、彼女をフィギュアに誘った張本人。絵馬からは「すず姉」と呼ばれている。……が、絵馬の方が圧倒的に身長が高く、トンチキ発言時にはジャッキー先生ともども容赦ないツッコミを入れられており、お姉さんポジとしての威厳はあまり無い。
いのり達と出会った一年後のノービスA近畿ブロック大会では、シード選手にして評価100点越えのぶっちぎりで優勝をかっさらい周囲からバケモノと言われた。
イメージアニマルは、鹿。
- 大和絵馬(やまと えま)
階級:1級 ➡ ノービスA
1級のバッジテストを受けに来た会場で、ジャッキー先生やすず姉と共にいのり達と知り合ってなかよくなった。初登場時は小学4年生ながらに中学生レベルの身長148センチという高身長であった。そして、鹿本すずの妹分。
西日本小中学校大会編では、1級部門でいのり達と鎬を削りあった。
今までなかなか収まらない成長痛が悩みであったが、ジャッキー先生の真摯なサポートとすず姉のフォローでスランプを克服し、それまでの苦難と引き換えに同年代と比して基礎や技術に関して大きなアドバンテージを得ることができた。
一年後のノービスA近畿ブロック大会では圧巻の演技で会場を沸かせたが……
イメージアニマルは、馬。大会にはお馬さんにデコッたティッシュケースを持参している、かわいい。
階級:ノービスA
ブロック大会出場者の女子ランキングでは、絃が4位で環が12位と、13位のいのりを引き離しており、実力の高さがうかがえる。
紡はすずに次ぐチーム№2だという。
初登場時の西日本小中学校編では3人ともポワポワした雰囲気であったが、全日本ノービス大会の第2グループ滑走時の紡ちゃんは目が据わっていた。
全員が「同じ単調顔&白のスケート靴」であり一見しただけだとヘッドコーチの亀金谷にしか見分けがつかない。一応、チーム内では「マジメに練習する環」・「スピードが遅いがジャンプが高い唯」・「本番でゲス顔になる絃」という判断基準があるもよう。
全日本ノービスから翌年のジュニアGP強化合宿時にはなぜか末っ子の唯が司先生に懐いていた。ていうか、同期の選手と一緒に体操のお兄さんばりのカラダを張ったアクロバットを要求していた。
イメージアニマルは、恐らくネズミ。
北海道・東北ブロック
十南町レイクFSC
称して『チームあひる』。新潟が本拠地。
鴨川と白鳥は、司の元・チームメイトでもある。
選手の美玖は、シード選手である白花を降して北海道・東北ブロック金メダリストの座を獲得。さらにブロック大会出場者の女子ランキング2位に急浮上した。
活動拠点であるNSUプラントアイスアリーナが経営難からの閉館が決定されてしまい、また美玖自身が周囲の支援に心苦しさを感じたこともあり、同年限りでのチーム解散と美玖の引退が確定している。
そのため、なんとかチームとしての足跡を残そうと望んだ全日本ノービス大会であったが……。
やまびこFSC
- 日瀧常(ひたき じょう)
肩書:ヘッドコーチ?
青森所在のチームにて白花を指導する。
- 小雀白花(こすずめ きよか)
階級:ノービスA
長野合宿シード選手にして、女子ノービスA北海道・東京ブロック銀メダリスト。
お祖父ちゃん子で、全国ノービスAが地元開催になったことから彼が観戦に来てくれることを純粋に喜んでいる。地元ではどうも朝ドラヒロインのようなアイドル的な立ち位置らしく、score31での滑走の際には観客席では氷川きよしの追っかけ顔負けの爺さん婆さんらによるガチ応援団が結成されていた。(そして日ごろは優しい彼女のおじいちゃんも目がマジになっていた……)
イメージアニマルは、スズメ。
仙台スクエアFSC
ブロック大会出場者の女子ランキング16位。
13位のいのりとは僅差の3点差(78.20?)である。このためか、二人とも打倒・結束いのりに熱意をみせている。
東京ブロック
スターフォックスFSC
肩書:ヘッドコーチ
元・女子シングルアメリカ代表の金メダル保持者。日本でチームを設立して4年目にしてノービスA東京ブロックの表彰台独占(しかもその内1人はシード権持ち。加えて後述のように4or5or6位も同チーム生徒)という偉業を為している。公共の場では凛々しい出で立ちだが……
全日本ノービス大会編では、いのりを指導する司に対して「あのコーチ、欲しいな…」とロックオンしている。
イメージアニマルは、キツネ。
- 胡荒亜子(こあら あこ)
階級:ノービスA ➡ジュニア(score37)
長野合宿シード選手にして、東京ブロック金メダリスト。そして、名実ともに元・金メダリストであるライリー・フォックスの一番弟子。
同世代の実力者である光を意識しているが、その光がいのりにご執心なことを見抜き、いのりにも興味を持つ。
イメージアニマルは、コアラ。
- 平新谷萌咲(ひらにや もえ)
階級:ノービスA
バランスボールの上でヤンキー座りができるレベルの体幹を持つ。ギザギザ前歯がチャームポイント。
全日本ノービス大会では桃子やすずと同じ第1滑走グループ。score27の表彰シーンに姿が無かったことから東京ブロックを4or5or6位通過したと思われる。
イメージアニマルは、ピラニア。
- 鵯朱朔(ひよどり すざく)
階級:ジュニア
ジュニアGPのタイでの予選にいのり達と共に出場した中学生の14歳男子。
グランプリ選考会を突破していることから実力はあるはずだが、繊細なうえにネガティブ思考の気が強い。予選前の強化合宿では終始浮かない顔をしており、男子選手とは基本は和気あいあいとできる理凰でさえ内心では持て余していたらしい。
どれほど繊細かというとタイ国内のフードコートで食事した際にナンプラーやパクチーの匂いにヤられて飲食ができなかったほど。が、それをナチュラルにフォローしてきたいのりにキュウーンッ💛となり「★君って…才能があるだけじゃなくてとっても優しいんだね💛」と彼女の手をとって愛の言葉を繰り出した。その直後、岡崎いるかにいのりを強奪されてしまうが「いるかちゃんもいのりちゃんにベタベタしてるじゃん!」と抗議しており、弱気な反面自身が気に入った対象には執着をみせる節がみられる。
関東ブロック
荒川グローFSC
- 蜻堂緋紗子(せいどう ひさこ)
肩書:ヘッドコーチ
色黒な妙齢の女性。全日本ノービスにてひまりをバックアップする。
- 蝉丸ひまり(せみまる ひまり)
階級:ノービスA
長野合宿シード選手。3Lz+3Tを有する有望選手であったがブロック大会ほど調子が出ず、またいのりや光たちの活躍が著しかったこともあり全日本ノービス大会では入賞外となる。
中国・四国・九州ブロック
岡山ティナFSC
- 梟木豊(きょうぼく ゆたか)
肩書:ヘッドコーチ
男子シングルの元・日本代表。
イメージアニマルは、フクロウ。
- 目城理世(めじろ りよ)
肩書:アシスタントコーチ
登場からこれまで、なぜか終始無表情で一言もしゃべっていないひと。
イメージアニマルは、メジロ。
- 鳥羽ダリア(とば ―)
階級:ジュニア
いるかのライバルの一人のJK。やや耽美な雰囲気。
宝石マニアで持ち歩いているバッグや小物は全部キラキラ。スケートの技の精度も宝石に例えるきらいがある。
いるかといのりの姉実叶、2人の因縁の一端を知る人物。
- 小熊梨月(こぐま りつき)
階級:1級 ➡ ?
いささか負けん気が強くプライドが高い小学4年生。なぜか敬語で話す。
初出は西日本小中学校大会編で、1級部門でいのり達と鎬を削りあった。
イメージアニマルは、小熊。
スター広島FSC
- 伊太刀小五郎(いたち こごろう)
肩書:ヘッドコーチ
氷のことなら一通り教えられるオールラウンダー。しかし、自身の専門はスピードスケートであるため、西日本小中学校大会が終わると後のことを考えて星羅と美豹を岡山ティナへと移籍させた。
イメージアニマルは、イタチ。
- 黒澤美豹(くろさわ みいひ)
階級:1級 ➡ ノービスA
かなーり臆病な小学4年生女子。
初出は西日本小中学校大会編で、1級部門でいのり達と鎬を削りあった。
その1年後、score27にてノービスA中国・四国・九州ブロック大会にて銅メダルを獲得したことが判明した。そして、表彰台の上でガクブルしていた。
幼馴染みの星羅に振り回される日々を送るが、その実はフットワークの軽い彼女に助けられていることが多く、1人で全日本ノービスの舞台に立った際には自身の人見知りを自覚して色々と悶えていた。
イメージアニマルは、黒豹。
- 獅子堂星羅(ししどう せいら)
階級:1級 ➡ ノービスA
初出は西日本小中学校大会編で、1級部門でいのり達と鎬を削りあった。
父親は、元・スピードスケートの日本代表。血筋ゆえか、スピードスケートでもフィギュアでも高いセンスを発揮した。
ノービスA中国・四国・九州ブロック大会では入賞外になってしまったようだが、銅メダル獲得となった美豹をすなおに賞賛していた。
中学進学の際に岡山から東京へと移り、その際に「なんか合わんかった」と感じてフィギュアスケートを辞めてスピードスケートに復帰した。 ……とうぜん相方であった美豹からは恨みの念を抱かれてしまっている。
イメージアニマルは、ライオン。
福岡パークFSC
- 布袋野蕨一(ほたいの かちいち) 肩書:ヘッドコーチ
- 布袋野兎太(ほたいの とうた) 肩書:アシスタントコーチ
日本では珍しく、自身たちの他に専門のトレーナーを雇っている。その一人である金弓女史の腕にほれ込んだ司が三顧の礼という名の粘着営業を仕掛けてきたことで彼女をルクス東山と福岡パークとの掛け持ちというかたちで放出するはめになる。
- 金弓美蜂(かねゆみ みほ)
肩書:メディカルトレーナー
柔道整復師の資格を持つ、選手の「心身の問題」「トレーニング計画」「怪我の予防」等々への対処のスペシャリストである妙齢の女性。ちなみにメガネ女子。
初出は西日本小中学校大会編でこの時は名前が判明していなかった。この時にいのりの演技を垣間見て惹かれると同時にシンスプリント(=疲労骨折等の危険)の兆候を見抜いていた(実際、大会の演技終了直後にいのりは日頃の無理が祟って転倒・捻挫している)。
このため内心では彼女のことを心配していたが、トレーナーのスカウトのために福岡を訪れた司がいのりのコーチであると知り、元々の所属である福岡パークへの義理を感じながらも司からの懇願(三顧の礼さながらの日参)もあり福岡との掛け持ちという条件でルクス東山への招聘に応じることになる。なお、金弓女史はこの決心をするまでの間に土下座すら辞さない司を毎日々々柔道技(恐らく『体落とし』?)で撃退し続けるはめになっている。
ルクス東山へ招聘後は、いのりの成長痛対策に尽力すると同時に彼女の海外遠征にも同行し心身のケアに努めるなど心強い裏方として活躍している。
- 高井原麒乃(たかいはら きりの)
階級:ジュニア
いるかのライバルの一人であるJK。
身長183㎝という圧倒的なフィジカルを誇る。
すらりとした美脚だが、よく見ると練習時に身につけているズボンが黄色のマダラ模様。 つるま先生、狙ってますよね……
- 大蜘蛛蘭(おおぐも らん)
階級:ノービスA
長野合宿でのシード選手にして女子ノービスA中国・四国・九州ブロック大会の金メダリスト。
ファッション雑誌のモデルといった芸能活動との二足の草鞋を履く。凛々しい佇まいで、大会出場となると観客席からは同年代であるJSの追っかけから「きゃああっ 蘭様あ~~~~!」と黄色い声援が飛び交う。
score31にて前年度の全国ノービスA銀メダリストにして小学生にして日本代表に選出された実力者であることが判明した。
イメージアニマルは、恐らくクモ。
- 鬼寅カンナ(きとら―)
階級:1級 ➡ ?
初出は西日本小中学校大会編で、1級部門でいのり達と鎬を削りあった。作中では最年少の小学2年生である。
演技はつたないが、その歳では異様なレベルのジャンプの高さを誇り、チームに入る前に遊びでアクセルを飛んだのを兎太に目撃されスカウトされた異色の経歴をもつ。
関係者・関係団体
結束家
主人公である結束いのりの家族。
優等生である実叶がかつて名城クラウンに所属して名物選手として名を馳せていたことが妹のいのりがフィギュアを志した切っ掛けであったが、その実叶が中学生の時の練習中に酷い骨折をしたことで引退してしまった。これが尾を引き、いのりがスケートを習う機会が失われたままになっていたが、あることが契機となって彼女がスケートを習いだしてからは家族をあげて応援している。どれほどかというと、大学生の実叶がいのりを応援するために留学先のカナダから帰国するほど。
加護家
司の住み込みのバイト先の経営者一家……というか事実上のパトロン。
芽衣子がスケート好きであった縁で、司を選手時代からサポートしていたがその芽衣子は数年前に病気で他界した。選手として大成できなかった司は一度は関係の清算を行おうとしたが、残された耕一と羊のたっての希望と、自身の生活の困窮もあり、結局3人で共同生活を続けている。
耕一も羊も、スケート選手としてよりも個人として司を気に入っており、事実上の四番目の家族として司を遇している。どのくらい気に入っているかというと司宛ての国保の請求を勝手に払うほど。
鴗鳥家
- エイヴァ・F・ロドリゲス 続柄:理鳳の母
- 理鳳の妹
慎一郎と理鳳の家族にして、光の下宿先。
エイヴァはブラジル系アメリカ人の元スケート選手。
また、たまに某金メダリストも出入りしている。
大須スケートリンク
- 瀬古間(せこま)
職業:リンク受付
いのり&司が所属するルクス東山FSCが主な拠点にしているスケートリンク、そこに勤める老人。
いのりがまだ幼かった頃から成長を温かく見守っており、同時にスケートの基本を教えた人物でもある。
そして、いのりがミミズ好きになった原因を作った人物だったりする。
バレエ教室『N*K』
- 白根琥珀(しらね こはく)
職業:バレエ講師
司の知人のバレエ講師。神社でハトに襲撃されているのを司に助けられ友人になった。
敦賀夏合宿編にて、いのり達にバレエの指導を行った。
21歳男性だが、外見やテンションが【こんな感じ】だったので理鳳からは不審者タイプと罵られた。
その他
- 魚淵翔(うおぶち かける)
肩書:フリーランス
さすらいのジャンプオタク。フィギュア現役時代は自力で4回転ルッツが跳べるようになった猛者。
現在では商売道具のジャンプを補助するためのハーネスを携えながら、『頼まれたジャンプを必ず跳ばす男』として国内外のチームを移動する生活を送っている。
中部ブロック大会編の後、3回転ルッツ・フリップの習得に苦しむいのりを指導するため名古屋を訪れた。
- 高峰匠(たかみね しゅう)
肩書:フリーランス?
高峰瞳の実父にして、司や鴨川浩平、白鳥珠那、そして元金メダリスト・夜鷹純の元師匠。三毛と雀をして『大河ドラマの悪者』と言わしめるほどのいぶし銀顔。
元々は横浜で活動していたが、当時のルクス東山の後継者に指名される。その際に名古屋を訪れた際に師に恵まれなかった当時の明浦路司を拾い育て上げる。
その後は紆余曲折の末にルクス東山を娘である瞳に引継ぎ自身は引退するが、アイスダンスのコーチ故の圧倒的なスケーティング伝授力に目を付けたかつての教え子である夜鷹の嘆願で光の指導をのために名港ウィンドへ招聘される。が、その夜鷹純に対して行った指導での結果、彼がともすればひとりよがりな結末を迎えたことに後悔を抱いているらしく、その件に関して司と瞳には「俺は人を導く器が無え事に気づくのが遅すぎた」「やり残しを始末するだけだよ」と独白している。
親バカの気が強く、娘の瞳には出会う度に情熱的な愛を呟く。当の娘はそのことに辟易としている。
外国人選手・団体
タイ王国
階級:ジュニア
ジュニアGPの第1予戦において母国タイから出場した13歳の少女。
前年までのノービスとは違い年上の選手が乱立する雰囲気に圧倒的され、ショートプログラム前の練習では怯えてしまっていたが、同年代のいのりの堂々としたスケーティングとジャンプを目の当たりにして顔を引き締めながら「負けない!」と勇気を奮い立たせる。試合後、いのりとコンタクトをとり彼女と友人になった。
愛称は、クン。
トムヤンクンのクンで、意味はすなわちエビ。奇しくもいのりが理凰から呼ばれている渾名エビフライとダブっていたのでそれを知ったクン自身は縁を感じて歓喜するが、いのりのそれは理凰からのいのりの髪型に間する嫌味なのでいのり本人の心境は複雑な模様。
ロシア連邦
肩書:フリーランス?
天才振付師の評価をうけるロシア人男性。
かつて夜鷹純の振付を担当していたことがあり、彼を友人と称している、夜鷹によってその弟子である狼嵜光に引き合わされ、以降は彼女に個人的な指導を行っている模様。(このために光の中部ブロック大会出場が流れたのは前項の通り。)
光の、夜鷹やフィギュアに対する狂気と紙一重な熱意に興味を持ち、彼女に全面協力することを誓う。
どうもバレエ関連に造形があるようだが、現段階では詳細は不明。業界では有名人らしく、本人もそのことを自負している様子。全日本ノービス大会に出場する光を応援するために会場入りした際には司から驚愕されていた。だが、『夜鷹が引退してから振付を請け負っていない』など近年では露出が減少していたためか司以外の観客からは見栄えの良い外国人とだけ見なされスルーされたことを憤り、司に対して「私が誰だか気がつかないこの会場の奴らは無教養のアホ(要約)」であると悪態をついている。
たぶんこの人とは関係ない。
テレビアニメ
2023年5月18日に制作発表された。
2025年冬アニメとしてテレビ朝日系列局(NUMAnimation枠、一部系列局除く)とBS朝日にて放送される予定。
逸話・備考
ハガレンをリスペクト
小学館漫画賞を受賞した際に、作者は同じくかつての受賞作である『鋼の錬金術師』(以下ハガレン)をリスペクトしていることを明かし「こういう漫画を描きたい」と子供の頃に強く憧れた原点であるとした。(アフタヌーン2023年4月号)
ハガレンは、手に汗握る熱さと読者の胸をえぐる鬱展開が評判になった作品だが、メダリストも現段階でさえ「描かれる個人のエゴがえぐい」といったコメントが多数寄せられている。
作者は運動音痴?
新人賞「in COMITIA123」優秀賞を受賞した『鳴きヤミ』では剣道を、そして同作ではフィギュアスケートをテーマにしている作者のつるまだが、なんと本人はスクワットができないという。
メダリスト制作のためにフィギュアスケートを習いだしたものの、練習中に足を折って入院。しかもその状態で連載決定の連絡を受けたことを『もう、しませんから。 〜青雲立志編〜』内でのインタビューで話している。
ネーミングセンス
既述の通り、作中の登場人物はその字面から何らかのモチーフが設定されている節がうかがえる。
しかも個性的なものが多いのは、なるべく実在選手と同姓同名にならないようにという作者なりの配慮とのこと。また、カッコイイ名前を目指して派手でゴテゴテした漢字をチョイスしたらしいが、担当のやじま氏から「もう少し画数の少ない簡単なものになりませんか…?」といわれたという。(単行本7巻より)
つるま「評判がよくないということを最近受けとめ始めました。」
なお、本作の当初の仮タイトルは『氷焔の獣(ひょうえんのけもの)』だったという(単行本5巻巻末)。これは連載決定の際にアフタヌーン編集長に「クソダサい」という理由で却下された。編集長グッジョブである。
(登場人物がアニマルモチーフなのはこの頃の名残り……?)
誤植?
亜昼美玖の表彰は単行本では北海道・東北ブロック優勝だが、アフタヌーン2022年2月号版では関東ブロック優勝となっている。後の単行本8巻では北海道・東北ブロック優勝に差し替えられた。まあ、新潟は扱いが微妙な場所ですから多少はね。
アニメに関する余談
アニメーション制作を手がける事になったENGIは、講談社と競合する企業であるKADOKAWAの子会社である。そのため、ENGIとしては初めて親会社が原作やコミカライズで関与しない純粋なグループ外作品のアニメ化となる。
また、監督を務める事になった山本靖貴は、作品の主舞台にして作者の出身地である愛知県の出身なのだが、こちらは安城市の出身だったりする。
推しが好きすぎて夢を実現させる
作者のつるまは声優の春瀬なつみの大ファンとして知られる。
元々は『アイドルマスターシンデレラガールズ』の龍崎薫を好きになり、それを春瀬が演じたことで大ファンとなった。好きすぎるあまり100ページの非公式ファン同人誌を出すほどだった。
そしてかつてデビュー前にTwitterでこんなことを記したことがある(アカウント削除済みなので現存せず)。
「言えば叶うなら私もいつかアニメ化するようなフィギュアスケート漫画を描いて春瀬なつみさんに主役をやってもらいたい!!!!!!!!ーーー!」
その後、つるまは本作品の連載を開始しデビュー。さらに第1巻刊行時にはスペシャルCMのナレーションを春瀬が務めた。そしてアニメ化が決定し、いのり役に春瀬がそのまま起用される運びとなった。
まさしく夢を現実にさせたサクセスストーリーと言っていいだろう。
参照リンク:
- 推しが好きすぎて100ページの非公式ファン同人誌を出版した人が、後に商業誌で連載を獲得→初の単行本のCMに推しの声優が出演というサクセスストーリー(前述の通りつるまがアカウント削除しているので基本残骸のみ)
- TVアニメ『メダリスト』結束いのりに春瀬なつみさん決定に安堵するファン達、推しに主演をプレゼントする夢を叶えたつるまいかだ先生に敬礼
なお、春瀬もフィギュアスケートの大ファンで、それもロシアのジュニアどころかノービスまで追うレベルのガチ勢である事も補記したい。もちろん本作品の大ファンでもあり、スペシャルCM公開時のInstagramやキャスト発表時のコメントにもその旨が記されている。
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