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クロックアップの編集履歴

2020-08-06 21:35:34 バージョン

クロックアップ

くろっくあっぷ

『仮面ライダーカブト』に登場する、高速行動能力。移動に限らず行動全般や、思考・感覚までもが加速される。またはPCやゲーム機などのCPU等の動作クロック周波数を定格以上に設定する事。(オーバークロック)

「クロックアップしたライダーフォームは、人間を遥かに超えるスピードで

活動することができるのだ!」(第2話、ナレーション)


概要

仮面ライダーカブト』に登場する地球外生命体の「ワーム」と、その力を利用した仮面ライダーが使用できる能力の名称である。



> タキオン粒子が体を駆け巡って、時間流を自在に行動できるようになり、ワームに対抗してクロックアップする能力を有する。

『テレビ朝日|仮面ライダーカブト』、「マスクドライダーデータブック」、「カブト」


> 全身を駆け巡るタキオン粒子により、クロックアップすることで、時間流を自在に活動できる。

(『仮面ライダー年代記(ハイパームック) 増補改訂版』、104頁)



タキオン粒子(tachyon)とは、「特殊相対性理論に矛盾することなく光速度より速く動く仮想的な粒子」である(『コトバンク』、「タキオン」)。なお、常に光速である粒子(光子)はルクソン(luxon)であり、常に光速より遅い粒子(=タキオンとルクソン以外のすべての粒子)はブラディオン(bradyon)であると物理学的に定義されている。


クロックアップの特徴


クロックアップは厳密には高速移動ではなく、行動や思考、発した音声なども加速した時間に応じて全て引き伸ばされる。周囲の人間から時間を稼ぎつつ情報を隠すため、クロックアップして会話する場面もある(第3話、第47話等)。もし本当に「ただ単に高速移動するだけ」であれば、音は決して加速者に着いてこないはずである。


アクセルフォームが「100mを0.0058秒で走ることができる」とあるのに対し、クロックアップは「あまりに速くて、現在の科学では計測不能」となっている(「ファイズVSカブト スピードたいけつ!!」)。

本編での描写は視聴者が認識できる速度になっているが、場面毎に速度が一定していない。

例えばクロックアップ中、第1話では爆発に巻き込まれた人がゆ~~っくりと落下していき、第8話では電車が、第23話ではボウリングのボールやガタックに斬り倒された竹がノロノロと動いているが、第2話では高速道路を走る自動車が完全に止まり、第4話では雨粒が、第47話ではZECT製の武器が発射した弾丸が、空中に留まっている。また第39話では、ワーム・ライダー共にクロックアップしていない中、サブストワームが光子を集め放つ「光の矢」間宮麗奈を狙った際、矢が放たれた後に仮面ライダードレイクが反応して麗奈を庇っていた。

劇場版GOD_SPEED_LOVEでは軌道エレベーターを10カウント(地上からを考えるなら大量のワームを倒して20秒程度)で登ってしまった。


クロックアップした相手を視認できても、自らがクロックアップしなければ対処は困難である(例:第10話のコレオプテラワームに追い詰められたザビー(ライダーフォーム))。

ただし、カブト(マスクドフォーム)は第1話で粉塵や鏡を利用し、カブトクナイガンのポインターを網のように照射することで、クロックアップ中のアラクネアワームの姿を赤いシルエットのような形として感知した。ワームのクロックアップが解除された次の瞬間、カブトは反撃しワームを倒した(第2話のカブトはキャストオフをする寸前に「この姿で、どこまでやれるか試していたんだ」と語っている)。


以下はクロックアップの上位互換。

ハイパークロックアップ

クロックアップの上位版。その速さはクロックアップの動きですらスローに見えるほどで、さらに時間を超えて過去や未来に移動する事が出来る。しかし、速さは下記のフリーズには及ばない。カブトハイパーフォーム、ガタックハイパーフォーム、仮面ライダーコーカサスが使用。


フリーズ

ハイパークロックアップよりさらに速いモード。もはや、あまりの速さに時間が止まっているのに等しい状態となる。ただ単にスカラベアンデッドの様に時間を止めているのか、途轍もない加速なのかどうかは不明。使用者にとってはクロックアップはもちろん、ハイパークロックアップすら静止と変わらない状態になる。ただし、ハイパークロックアップのような時間移動はできない。カッシスワーム・ディミディウス(カッシスワーム第1形態)が使用。


高速移動か否か

これまでに記述したように、設定上において、クロックアップは単なる高速移動ではない。

だが劇中においては、高速移動として扱われる場合も非常に多く、設定と描写の乖離が見られる。


まず、前述したカブト第一話のカブトクナイガンによる対処も、設定通りのクロックアップ相手なら不可能な筈である(カブトは直接的な行動はしていないのでワームがカウンターを気にせず突っ込んできたなら一応の説明はつくのだが、体感的な時間差があると考えると『攻撃が見えているのに、そこに自ら突っ込んできた』となり、それはそれで不自然)。

作中ではキャストオフされた装甲を正面から突っ込んできてもクロックアップで難なく避けている描写が何度もあるが、16話ではザビーのキャストオフによる装甲に被弾している(防いではいたのであえて避けなかった可能性はあるが、こちらも上記と同様)。

設定だけでもゼクトマイザーから射出されるマイザーボマーは高速移動でクロックアップ中のワームを追い詰めることができるとされている(ただし、ゼクトマイザーが不遇武器で三回しか使われておらずクロックアップ相手に使われていない。また、マイザーボマーはジョウントで補充されるのでそれで移動している可能性もある)。


と理屈がつけられない訳でもないがカブト時点で設定との食い違いや高速移動で対応ができるとされている(項目上部のナレーションからして表現としては高速移動のような扱いをしている)。

もちろん、その一方で『高速移動として考えるとそれはそれでおかしい場面』も多く存在する。


特にディケイド以降の客演において、アクセルフォーム等の加速能力と同等に扱われているため、『ディケイド以降は弱体化した』と言われる事もあるが、厳密には『ディケイド以降の客演で弱体化した』と言うより『カブト本編から変わらず、ドラマの都合によって能力は変動する(高速移動である時もない時もある)』と考えるべきだろう。


また、より厳密に設定を解釈した場合、カブト本編・客演時の双方で頻繁に見られる『相手が先にクロックアップを発動して一方的に攻撃される→後から慌ててクロックアップ等の高速移動を行う』と言う描写も不自然である。

クロックアップの加速倍率を控えめに1000倍と考えても、相手に0.1秒早い加速を許す=相手に100秒間の自由行動を許すと言う事になり、遅れてクロックアップする余裕などあるはずがない。


もちろん、そんな『どっちが先にクロックアップするか勝負』が描写として面白い筈もないので、ドラマに都合の良いように能力を改変するのは当たり前である。

と言うより、クロックアップに限らず、仮面ライダーシリーズにおいては『設定はあくまで設定、実際の能力はドラマに合わせて弱体化(or強化)』と言う事は頻繁に行われている。


ただ、何故かファンの間では、他の部分(例えば、パンチ力がトン単位のライダーと闘える戦闘員を相手に生身で格闘戦を行うとか、10倍近い力の差があるライダー同士が互角に殴り合うとか、設定に比べて明らかに必殺技の火力が違うとか、設定上は存在する特殊能力が使われないとか)については突っ込まれず、クロックアップについてのみ設定との乖離が取り沙汰される事が多い。


その他

異世界としての加速描写

(設定に忠実な時の)クロックアップは行動や思考までもが高速となっているため、ライダー側にとってみれば加速というよりも(龍騎のように)異世界への進入に近い。

明確な情報源は不明だが、プロデューサーの白倉氏は特撮誌のインタビューで「『気付いていないだけで、実は自分のすぐそばで仮面ライダーが(龍騎のミラーワールドよりも身近な場所で)戦っているかもしれない』という感じを出したかった」と語っているらしい。


「君の隣 戦う度 生まれ変わる 目に見えるスピード越えてくモーション」(OP『NEXT LEVEL』歌詞より)


元ネタ

クロックアップとは、おそらくSF小説「虎よ!虎よ!」に登場する加速装置が元ネタと思われる。加速技のみならず、「ジョウント(「虎よ!虎よ!」で使われる瞬間移動技術の総称)」「復讐を誓った宇宙最強男の独走」「自分自身のドッペルゲンガーが未来へ導く」と、「虎よ!虎よ!」のオマージュ的な展開が多い。


有名な例は『仮面ライダー』シリーズの原作者石ノ森章太郎が1964年に手がけた『サイボーグ009』の「加速装置」(奥歯のスイッチで起動するという描写が「虎よ!虎よ!」そのまんまだ、という噂も)。

また、2001年の玉井雪雄の漫画『オメガトライブ』には、意識・行動を高速化する「クロックアップ」という能力が登場している。

2005年の弐瓶勉の漫画『ABARA』には、超高速で活動し人を襲う「白奇居子」という化け物と、白奇居子と戦うために「黒奇居子」に変身する主人公(普段は人間の姿)が登場する。なお、奇居子は「示隔空間」と呼ばれる領域を展開することで、奇居子以外には感知できなくなる。


他の平成ライダーにおける高速移動と使用者

最速の戦士神 速 闘 技




その他、ニチアサの高速移動使用者

キュアブロッサムキュアマリン(『ハートキャッチプリキュア!』):ココロパフュームに赤のこころの種をセットすることにより、高速移動が可能になる。

レッドバスター(『特命戦隊ゴーバスターズ』):超高速移動能力を持つ。『スーパーヒーロー大戦』においてディケイドの変身したディケイドカブトのクロックアップを肉眼で視認して見切った上、自身も高速移動し互角に渡り合った。

忍者戦隊カクレンジャー忍風戦隊ハリケンジャー手裏剣戦隊ニンニンジャー:ま、忍者だからね。


後のニチアサ枠に当たる高速移動使用者

電子戦隊デンジマン…100mを3秒で走るデンジダッシュという能力がある

科学戦隊ダイナマン…ブーツ側面のブースターからジェットエネルギーを噴射し、秒速100mの猛スピードで走行するマッハダッシュという能力がある。

宇宙刑事ギャバン宇宙刑事シャリバン宇宙刑事シャイダー:変身時の際、光球となって高速移動する。

特警ウインスペクター…ファイヤーのみ高速移動が可能、ただし使用するとクラステクターの装着時間のタイムリミットがより少なくなる。

特捜エクシードラフト…かかとにある装備「ターボユニット」で高速移動が可能。ガンドレット型の盾「ガードラー」でより速度を増す。


非公式でのクロックアップ関連情報

非公式の場(ネット上のファンサイトや動画サイト・イラストサイト等)では、クロックアップと他の高速能力との比較や、クロックアップを使わないクロックアップの撃破方法が唱えられている。


対処法

一旦発動されると全く視認できないため、対処するには同じくクロックアップを使用するか、タイムロスなしの直接移動で追いつめて爆裂する」=タイムロスなしで対象に飛来する攻撃や高速移動とは別に時間停止能力を備えている仮面ライダーブレイドもその例(攻撃できないのでどうしようもないが)。


他にも、『仮面ライダーディケイド』でクロックアップをロボライダーイクサディケイドディケイドクウガペガサスフォーム)が見切ったように、加速中でも認識できるほどの高感度センサーや超感覚、行動の先読みで見切る方法が取り上げられる。

こちらの場合は、視認できても動きに付いていけなければならないので、あくまで緊急措置に近いとされている(※ロボライダーはディケイドカブトのクロックアップを捕捉していたが、ボルティックシューターの弾速が追いつかず当てられなかった。一方、ディケイドクウガはペガサスフォームの超感覚と自身の技量により、ペガサスボウガンによる予測偏差射撃でワームを撃ち抜いている)。

また、ディケイドはこの上述の件やディケイドファイズアクセルフォームの超加速でザビーのクロックアップと張り合った経験もあってか、カブトの世界のラスボス・フィロキセラワームとの決戦では、(先の『交戦したザビー』の正体がフィロキセラだったこともあってか)、加速能力や感覚強化を用いない通常形態の、「挙動パターンを先読みしてのカウンター(なお、手数と攻撃範囲拡大のために分身を併用)」でフィロキセラのクロックアップ攻撃を打ち破っている。



最近では平成ライダー第16作にて新たな対処法になり得る能力が出現した。


『仮面ライダージオウ』ではクロックアップについてこれなかったジオウⅡが未来予知の能力を用いてクロックアップで攻撃してきたパンチホッパーに対してカウンターで反撃するという対応をしている。

またクロックアップの使い手は基本近接攻撃を仕掛けてくる=必ず自分に接近してくることが多いため、ウォズはシノビを利用した高速移動の他にもウォズギンガワクセイフォームの能力を用いて相手を捕捉できないなら自分の周り全方位を焼き尽くせばいいじゃないと言わんばかりの大胆な手段も利用している。

またゲイツが使用したドライブアーマーに対してネオディケイドアギトの力を使って高速移動に翻弄される事なく看破するシーン等も存在する。


なお、タキオン粒子の流れる目では視認することができ、第1話のカブトのようにクロックオーバーと同時に迎撃する方法もある。

相手に誘導する攻撃を持っているなら、『カブト』本編でカブトがフリーズを有するカッシスワームに対して行った「相手が高速移動を発動する前に誘導弾を発射しておき、相手が高速移動を解除した直後に誘導弾が相手を襲うようにする」という方法も使えるかもしれない。


そういった方法も加速能力も持たない場合は、防御を固めて制限時間まで耐え、再発動するまでの僅かな瞬間を狙うパターンが最も適切であり、マスクドフォームはこの方法でクロックアップに対抗する為の形態だと言われている。


以下のような主張も見られる。


余談

序盤の戦闘シーンでは、このクロックアップが多様されハイスピードで斬新な演出が施されていたのだが、予算の影響か話が進むに連れ演出がやや地味なものになっていき、後半では使われないケースも出てきてしまっている。「いやソコは使えよ!」というシーンも少なくなく、カブト本編の不満点として挙がることも多い。

やはり一年ものの作品のハードルを感じさせる。


関連タグ

仮面ライダーカブト』 ワーム マスクドライダーシステム


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