※この記事には独自研究が多く含まれています。
不遇ポケモンの定義
本編の対戦において、能力値・技・特性といった面が他のポケモンに劣っている、もしくはあまりにも低すぎて活躍し辛い不遇なポケモン達の事。
注意して頂きたいのは、これら不遇ポケモンが単純に弱いという訳で選ばれているのではなく、個性が無い訳でもない。以下の事を念頭に置いてほしい。
- あくまで対戦において不遇だというだけで、ポケモンとしての扱いが不遇なわけではない
- 「活躍し辛い」のであり「活躍が不可能」なわけではない*
- 対戦面だけであって、決してストーリー等でも不遇・弱いと言うわけではない
- 使用率のランキング(PGL等でデータも表示されない状態など)は絶対の参考とはいえない。
なお進化前のポケモンは進化後の下位互換なのが普通であり、基本的に不遇ポケモンとは呼ばれない。
またこの不遇ポケモンは最新作が出る度に変動し、最新作の仕様で一気に需要が増すポケモンもいれば、逆に不遇に転落するポケモン達もおり、必ずしも恒久的な評価でない点も覚えておいてほしい。
かつて不遇扱いされていたが、後の世代で不遇から卒業したポケモン達は、不遇卒業ポケモンの記事を参照の事。
不遇要素と不遇入りの基準
1.見劣り
現時点での不遇ポケモンに最も多く見られる要素。
同タイプに、覚える技が被りがちで似たような種族値のポケモンがいると該当する。
未だ希少とされるドラゴンタイプや追加されたばかりのフェアリータイプ等よりも、元ネタとしてのモチーフも豊富である序盤ノーマル(ノーマルタイプ)・序盤鳥(ひこうタイプ)・序盤虫(むしタイプ)・海や川等の水棲生物(みずタイプ)・自然の植物(くさタイプ)の5タイプは特に、ポケモンの新しい世代が来る度にほぼ確実に増える一方であり上下関係が生まれやすくなるため該当しやすい。
比較すると下位互換(所謂「劣化」と言われる)の烙印を押され、「○○でやった方がいい」と言われる事が多い。差別化は出来ない事も無いが、種族値や技が揃っていないとそれ故に戦略が見破られやすくなってしまう。
ただし役割的に劣化であっても、タイプ・特性・習得技等で差別化出来たり、有用な差別点が見出し難いがある程度満足に戦える場合は見劣りから除外されやすい。
2.鈍足低耐久
対戦の中で勝負を決定付ける要素として大きい割合を占めている素早さが低く(素早さのボーダーラインは「こだわりスカーフ」及び「ダイジェット」1回でも素早さ130族を抜けない70未満)、更にHP+防御or特防が低く耐久面に難があると該当する。
但しあくまで素早さと耐久面の両方に当てはまる場合のみ該当するのでこの点は注意。
結果的に相手から攻撃を受ける前に追い抜いて技を出しやすくする「こだわりスカーフ」か、相手の一撃級の攻撃を受けて耐える前提の「きあいのタスキ」以外を持たせ難く、枠争いの激しいそれら2つの道具を保険という意味で持たせるのならば尚更、他の強力なポケモンに持たせた方がいいという結論に至り易い。
それを補うかのように素敵な攻撃や特攻があったり、 優秀な高火力技・変化技・タイプ一致技・先制技等が揃っていたり、素早さが極端に低く「トリックルーム」を使ってサポートができるのなら救える可能性があるが、それらさえも満足に与えられていないポケモンは中々活かし難い。
なお第8世代では素早さ130族より速く更に環境を席巻しているドラパルト(素早さ142)の登場により、素早さのボーダーラインが78未満まで繰り上げられる可能性がある事を留意すべし。
第九世代でもやはりドラパルトは健在な上、パラドックスポケモン解禁後は135族のハバタクカミ(使用率トップ)とテツノツツミが該当ポケモン運用上ではどうしてもチラつく。
3.特性不利
第3世代からの要素である特性は、各ポケモンごとに隠れ特性を含めて1~3種類(バスラオ(筋による特性の差異)、ニャオニクス(性別による隠れ特性の差異)、ルガルガン(進化した姿による特性の差異)、イエッサン(性別による特性の差異)、パフュートン(進化先の性別による特性の差異)のみ例外)だがその特性全てが下記の理由から不遇特性である(3特Aと表記)、もしくは所有特性自体は悪くないがそれを十分に活かすスペックが無く(3特Bと表記)、宝の持ち腐れとなっているポケモン等が該当する。
不遇特性に該当する要素
特性不利に該当しがちな特性はこのページも参照の事。
・特性の効果がほぼマイナス、あるいはマイナス要素が強いもの
「スロースタート」「よわき」等のように殆ど足枷でしかない物、あるいは「とうそうしん」「ノーマルスキン」のようにマイナス要素が強い物が該当する。例外として「なまけ」アイアントのように逆に利用できる場合は除く。
・非対戦用の特性
「はっこう」「みつあつめ」等のようなストーリー用の特性もこれに当たるが、流石にこれに該当する特性しか持っていないポケモンは今のところ存在していない。ただ2~3枠貰えるであろう特性の枠を潰している事は事実。
・発動タイミング及び活かせる場面がほぼ皆無に等しいもの
「あくしゅう」「マグマのよろい」のように発動タイミングが皆無な物、「ちどりあし」「リーフガード」のように活かせる場面が難しいものが該当する。扱いは非対戦用の特性とほぼ同じ。
・環境の変化や特性自体の弱体化等で価値が大幅に暴落したもの
「しめりけ」(「だいばくはつ」が弱体化した第5世代以降)、「アイスボディ」「あめうけざら」(天候が弱体化した第6世代以降)等が該当する。環境での汎用性の低下や弱体化を受けると差別要素としての役目を失ってしまう。
ちなみに後の世代で強化された「がんじょう」や、Zワザやダイマックスとのシナジーで強化された「はりきり」等、特性面の改善で不遇から卒業したポケモンもいる。
4.低種族値
下手な進化前にも劣りがちな、合計種族値480以下のポケモンが該当する(現在、未進化ポケモンの中でポニータが410で一番合計種族値が高い)。
そういったポケモンの中でもドーブルやヌケニンのように低種族値を補うようなアイデンティティを持つポケモンや、ウソッキーやキノガッサのように種族値配分に無駄が無いポケモンもいるが、そうでない場合は火力・耐久・素早さ等に難が生じやすく戦い辛くなる。
攻撃や特攻に多くステータスを割いた結果、鈍足低耐久に直結する事も多い。
5.主力技不足
高い攻撃・特攻を持ちながら、習得出来るタイプ一致技やサブのタイプ不一致技が軒並み低威力だったり、習得技が使い勝手の悪いものばかりだと該当する。また技の使い勝手自体は悪くないものの、競合相手等と被って技においての差別点に乏しい場合も該当する。
せっかく高い種族値を持つという土台が備わっているのに、それに見合う主力技がないため決定力不足とされ、タイプ的に有利な相手や対抗する事が出来る相性の良いポケモンの範囲が狭まっている。
有用なサブウェポンが少ないでんきタイプや使い勝手がいい技の火力が100未満のむしタイプ等が該当し易く、これらのタイプが単タイプだとなお該当し易い。
第7世代ではZワザが登場した事で使い辛かった技が使いやすくなり、サブウェポンなどが改善されたポケモンや不遇から卒業したポケモンもいる(リーフィア等)もいる。そのため、技の性能のせいで不遇扱いされる事は今までの世代と比べると少ない。
第8世代では「めざめるパワー」が廃止されたものの、わざマシンとわざレコードの増大化によりタイプごとによる習得技の格差はある程度改善(初登場ポケモンもパルスワンのようにあらかじめ技範囲が充実しているよう設定されていたり、既存ポケモンにも「ウェザーボール」「マジカルフレイム」等「めざめるパワー」に代わる技がある程度わざマシン等で補われている)されている。だが「めざめるパワー」の廃止以外にも「おいうち」「おんがえし」等対戦でも有力な技の廃止に加えランクバトルで過去作限定の技が事実上の没収となった。
その影響でビークイン等の様に過去作限定の技が多くなり、動き辛くなったポケモンも存在する。
6.弱点多数
主な該当不遇ポケモン:ミノマダム(くさきのミノ)、ガーメイル等
弱点となるタイプが多い(ボーダーラインは、2017年7月28日から31日に行われたポケモンSMのインターネット大会「ポケモン危機一髪!」の出場条件である5タイプ以上の弱点数)と当然不利になるがバンギラスやキノガッサのように弱点が多くても強いポケモンは普通におり、複合タイプの場合は必然と弱点が多いパターンが大半を占めている。弱点の多いタイプは攻撃面で優秀だったり、弱点の多さで強さを調整している、弱点と同じかそれ以上に種類のタイプが半減・無効にされる耐性のポケモンもいるからである。そのため、他の不遇要素と比べると要素としての力は小さい。単純に弱点が多いだけでは不遇とはならず、他の要素との複合となる点に注意したい。
くさ・いわ・こおりタイプ等は元々弱点が多く防御面に優れた種族値でも数値通りに丈夫でない傾向がある。これらのタイプを持つポケモンは単タイプ及び複合タイプ問わず該当しやすい。
ただし弱点の数が平均以下でも環境にて最盛期とされるタイプが弱点である場合も致命的な問題になりやすく環境によっては弱点の数より弱点にメジャーなタイプが含まれている方が不遇になる場合もある。
第9世代ではテラスタルの導入で4倍弱点をかき消したり耐性を変える事が可能になり、弱点多数を気にせず戦えるようになった。
基本的に1の見劣りの他に上記のその他の要素が積み重なり、最終的にそれらを見逃せる程の差別要素が無ければ不遇ポケモンとして扱われる。
対戦における「不遇ポケモン」とそれを取り巻く環境の変化
第4世代
- 現在と大きく異なる「バトレボ」環境
不遇ポケモンの誕生には、まず当時の対戦環境を解説する必要がある。
当時はインターネットでの通信対戦にはDS本体とソフトに加え、Wii本体とWii専用ソフト「ポケモンバトルレボリューション」が必須でありハードルが高かった。またレートという概念も存在せず、楽しむことが勝利より優先されていた。ゆえに当時の対戦環境では「バトレボ」を持つヘビーユーザーが好きなポケモンや自慢のロマンギミックでバトルに明け暮れていたのである。
そんな中で「性能の低いポケモンや別のポケモンに見劣りするポケモン」をどうにかして使うことも彼らの楽しみの一つとなった。
- 「不遇ポケモン」の誕生
「不遇ポケモン」という言葉は、そんなポケモンたちを指す言葉として生まれた。
この言葉がいつ、どこで生まれたのかは今となっては知る由もないが、遅くとも「ニコニコ大百科」で記事が作成された2008年末頃には存在していたと言える。
すでに揶揄・侮蔑とする声もなくはなかったが、初版に「ネタキャラとして扱われる事が多く」とされるように主に同情の対象とされてきた。
- 「不遇ポケモン」の多義化
やがて「不遇ポケモン」の記事がバトルの真面目な考察がメインのページになると、かつてのネタページとしての雰囲気を惜しむ編集者が「不憫ポケモン」という名前の新たな記事を作成。それからバトル以外の面でネタキャラとされるポケモンがここに追加され、彼らもまた「不遇ポケモン」と呼ばれるようになった。
現在主な不遇・ネタポケモンの一覧で扱われているポケモンは、ここに該当するポケモンが半数以上である。
- 「厨ポケ」への忌避
「不遇ポケモン」という語の成立の背景には「厨ポケ」への忌避があったとも考えられる。勝利がそこまで重視されていなかった当時の環境において、厨ポケはいわば「ボケ殺し」にあたる存在であり、トレーナーたちから忌み嫌われていた。極端な話、「ニコニコ動画」では厨ポケを使用していると視聴者に見なされたトレーナーが誹謗の限りを浴びせられることさえあった。
そうした環境が厨ポケの対極に位置していた不遇ポケモンが歓迎される土壌を作ったとも言えよう。
第5世代
- レートの導入
第5世代から強弱が数値化される「レーティングバトル」、いわゆるレートが導入され、今までのバトルは「フリーバトル」と呼ばれるようになった。
これによりガチ勢とそうでないトレーナーの棲み分けが行われ、勝利を求めるプレイスタイルがトレーナーの間で認められるようになり、ガチ対戦の考察も盛んに行われた。
またフリーバトルで厨ポケにネタパーティが蹂躙されるといったことも減り「厨ポケ」への批判もやがて下火となった。それに伴い厨ポケへのカウンターとして生まれた「不遇ポケモン」という概念もまた本来の趣旨を失ったと言える。
- 「マイオナ」の顕在化
厨ポケが市民権を獲得したことで、「ニコニコ動画」で行われた厨ポケ忌避・非難を黒歴史として反省する風向きに変わった。ここまでは良かった。
しかし当時のまま厨ポケを批判しマイナーポケモンを使い続けるトレーナーは未だにいた。遅くともこの頃には「マイオナ」という蔑称が彼らに付き、非難の対象となった。
そればかりか、定義のはっきりしないバズワードだったゆえ、マイナーポケモンを使っていただけのトレーナーやマイナーポケモンそのものを「マイオナ」と中傷するトレーナーも現れた。
後に誤用と訂正されるようになるが、こうした騒動はマイナーポケモンそのものへの風評被害に繋がった。
- 追加進化の打ち切り
第5世代は舞台の一新ゆえか既存ポケモンへの追加進化が行われなかった。
新ポケモンに或る不遇とされた旧世代のポケモンに酷似した姿を持つポケモンがいたため追加進化と期待されたが、実際には全く別のポケモンであった。
これ以降第6世代からも既存ポケモンの追加進化の追加は1種類(それも分岐)に留まり、この方針は第9世代まで続くこととなる。
第6世代
- 「メガシンカ」の登場
今までのポケモンになかった新たな進化「メガシンカ」は打ち切られた追加進化に代わる不遇ポケモンたちの救済として期待された。
しかし実際にメガシンカが配られたのは元々強力なポケモンや人気のポケモンが大半であり、むしろ環境のパワーインフレで多くの不遇ポケモンの立場が悪化した。
また運よくメガシンカの対象に選ばれた元不遇ポケモンも、
・低種族値ポケモンも御三家や600族と同じく種族値の上昇幅は一律100
・メガシンカ以前は性能に乏しかったポケモンは元々強力なポケモンのようにメガシンカしない型と迷わせることもできない
・メガシンカが可能なのは1試合中1匹のみという制約があるため、パーティ内でより激しい枠争いに巻き込まれる
という状態のため、一部を除き救済にはまだ遠かった。
- 新タイプ「フェアリー」の登場
新タイプに追加されたフェアリーは新ポケモンのみならず、既存のポケモンのタイプを書き換えたり第二タイプするという形でも追加された。これによって明確な差別化を果たしたポケモンも現れた。
- フリーバトルへの禁止級解禁
禁止級と呼ばれていた伝説のポケモンや幻のポケモンがフリーバトルに限り解禁された。
本来は対戦での使い道のなかった禁止級への計らいではあったのだが、勝利にこだわらず楽しむトレーナーたちの最後の楽園だったフリーバトルに一般のポケモンを上回る暴力が持ち込まれることとなった。そのため不遇ポケモンを使用していたトレーナーもレートへの移住を余儀なくされた。
第7世代でフリーバトルは禁止級のいるルールといないルールに分割されるのだが、時すでに遅し。禁止級なしのフリーバトルはレートで使うポケモンの実験場として使われるようになり、各々が好きなポケモンや自慢のロマンギミックを持ち込む場としてのフリーバトルはとうとう消滅してしまったと言える。
- 「不遇ポケモン」の公認化?
ORASにて或る不遇とされたポケモンを相棒とするNPCが登場した。そのためそのポケモンの新メガシンカに期待されたが、実際にはメガシンカの対象には選ばれず、そればかりかそのポケモンの上位互換的性能を持つポケモンのメガストーンが渡されるというイベントが行われた。これには「公式の悪ノリ」だとする批判が集まった。
第7世代
- 「Zワザ」の登場
ポケモンに持たせると一度だけ「Zワザ」が使えるようになる新アイテム「Zクリスタル」が登場した。
「単純に瞬間火力を伸ばす」「本来使いにくい攻撃技をシンプルな大技に変える」「変化技に使い本来上げられない能力を上げる」などの使い道が考えられる新要素。
使いこなせるかは別にしても、全てのポケモンに平等に配られたというのがメガシンカとの大きな違いであり、不遇ポケモンの中にもこれで新たな使い道が見えたポケモンが少なからず存在する。
- 種族値の上方修正
一部既存ポケモンの種族値が上昇した。これは第6世代でも行われていたのだが、いずれも10のみとほとんど変化がなかったため、第7世代では最大40もの調整がなされた。
もっともここでも漏れたポケモンの方が多いわけだが、不遇ポケモンたちにもようやく展望が見えてきた
…かに見えた。
第8世代
- とうとう起きた「剣盾ショック」
膨大化したポケモンに対応するため、1ソフトへの出現数の削減、有り体に言えばリストラが行われたのである。
ポケモンに強い弱い以前に、そもそも戦えるかという尺度が生まれた。
これにより不遇とされているポケモンでも「登場できるだけマシ」という評価がトレーナー間でされるようになり、不遇ポケモンという概念はほぼ瓦解。発祥であるニコニコ大百科もまるで更新されなくなった。
しかしながら実際にはニコニコ大百科で不遇ポケモンと呼称されていたポケモンたちは二度のDLCを経てなお4分の3近くが未登場のままであった。
- 行われなかった種族値の上方修正
既存ポケモンの種族値調整は強力なポケモンの下方修正1例にとどまり、救済措置となりうる上方修正は行われなかった。
当時のトレーナーは習得技の変化に期待する他なくなった。
第9世代でもこの方針は続いている。
- 「ダイマックス」の登場
「メガシンカ」・「Zワザ」に代わり「ダイマックス」が可能になった。
その効果は3ターンの間HPが最大2倍になり、攻撃技がタイプ別のダイマックス技に、変化技がダイマックス版まもるであるダイウォールに変化するというもの。前2つと異なりポケモンの持ち物に関係なく使用可能であり、持ち物に依存しがちなポケモンでもその恩恵を受けられた。
しかしながらかくとう・どく・ゴースト・あくタイプはダイマックス技の効果が自身の物理特殊に依存するものであり、自身と噛み合わなかった方だった方のタイプだったポケモンはダイマックスを活かし切れなかった。しかもその内かくとう・どくは噛み合わなかった方だろうと威力が下げられているため、この2タイプのポケモンは尚更である。
- レートのなかった「BDSP」
未登場のポケモンのうち第4世代以前のポケモンは、来るべき「ダイパリメイク」に登場が期待されていた。ニコニコ大百科で不遇ポケモンと呼称されていたポケモンたちもほとんどがここに属していた。
しかし登場できたはよかったが、蓋を開けてみるとBDSPは本編ではなく、レートも存在せず、フリーバトルにあたる環境が後からアップデートで追加されるのみだった。
当然ながらレートのない対戦環境であったことから考察もあまり進まず、本作自体が賛否ある出来であったため、「BDSP」への内定は内定と見なさないトレーナーも少なくなかった。
第9世代
- 再びの選抜
「SV」で再び登場ポケモンの選抜が行われ、第8世代で未登場だったポケモンも多く選出された。
しかしニコニコ大百科で不遇ポケモンと呼称されていたポケモンたちは更に二度のDLCを経てなお半数近くが第8世代以降の本編に未登場であり、「BDSP」を勘定に入れても第8世代以降どのソフトにも出られていないポケモンすら存在する始末であった。「FRLG」のように未登場のポケモンを網羅することはできなかったのだろうか…。いよいよ第8世代のような批判の声もあまり聞かれなくなった。
- 追加進化の復活
第5世代以降追加進化は新タイプ追加記念の1例とリージョンフォームへの追加というイレギュラーな形式でしか行われてこなかった。
しかし第8世代である「PLA」にて既存ポケモンの直接の追加進化が登場。「SV」でも数系統がさらに追加された。
- 「テラスタル」の登場
「ダイマックス」に代わり「テラスタル」が可能になった。
その効果は自身のタイプが任意の単タイプに変化し、テラスタイプと一致した技の威力がタイプ不一致だと1.5倍・タイプ一致だと約1.33倍になるというもの。ダイマックスと同様持ち物は自由。
単純な技威力の強化に加え、そのテラスタイプと一致する技がない場合はテラバーストが使えるため、攻撃技に難のあったポケモンの強化が可能。変化技は変わらず使えるため、耐性に難のあった耐久型ポケモンも使いやすくなった。
しかし実際には技範囲や耐性で力を抑えられていた強力なポケモンが暴れたり、元々耐性の優秀なポケモンが役割を切り替えるために使うという状態であった。
- 新ポケモンの強力な性能
第9世代のポケモンはHP=防御+特防に近いポケモンや攻撃か特攻の使わない方や素早さを極端に削ぎ落した、または素早さが極端に高いなど種族値に無駄がほとんどないポケモンが多く、またそうしたポケモンがパラドックスポケモンや四災といった合計種族値が570もある特別なポケモンたちの中にも含まれていた。ゆえに登場したポケモンのうち禁止級を除く全ポケモンが解放されたシーズン5では使用率TOP30のうちダブルでは16匹・シングルに至っては18匹が新ポケモンという魔境が出来上がってしまった。
これからの「不遇ポケモン」
残念ながら、展望は決して明るくはないと言わざるを得ない。
少なくない一部の不遇ポケモンたちは「ポケモン」が対戦ゲームとして変容していくうち、性能の低いポケモンが内定を逃し、内定がなければテコ入れのしようもない、というループに呑み込まれているのが現状である。
しかしながら第9世代追加進化の復活は進化を残している不遇ポケモンたちにとってはかすかな希望である。今後も注視されたし。
主な不遇ポケモンの一覧
「スカーレット・バイオレット」に登場する対戦における不遇ポケモン
アリアドス
不遇要素:2鈍、4低
不遇時期:第4世代~
最終内定作品:SV
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 90 | 70 | 60 | 70 | 40 | 400 |
第2・第3世代ではどく技が物理だったため「ヘドロばくだん」でどうにか立ち回れたのだが、他の技に乏しく(特にまともなむしタイプの物理技が足りない)、技ごとに物理と特殊が設定された第4世代で火力不足が一気に露呈してしまい不遇入りとなってしまう。
最大の問題である低種族値(特に鈍足低耐久)の更なる改善が施されなければ不遇卒業は叶わないだろう。
該当不遇要素:4低
該当不遇時期:第2世代~
最終内定作品:SV
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
45 | 55 | 45 | 65 | 45 | 75 | 330 |
主な競合相手:物理型のこおりタイプのポケモンほぼ全般
自力で覚える技が「プレゼント」しかないのはまだいい。
遺伝技やわざマシンで覚えられる技には中々便利なものが揃っており、特性も優秀。
問題なのは特攻の65と素早さの75以外の種族値が全て55以下という悲惨すぎる低種族値であり、下手な進化前にも劣る。
「はりきり」を活かした攻撃役とする場合、競合相手はマニューラやマンムーやツンベアーあたりになると思われるが、はっきり言ってデリバードの種族値はこいつらと比較するのが憚られる位低い(ただし下記のような個性があるのと、低種族値が目立ってしまっているだけであり見劣りとは言い難い)。同タイプのフリーザーと比べるとなるとこちらが覚える技以外ではほぼ負けている。
数少ない個性を挙げるならばひこうタイプ唯一の「ねこだまし」持ちである事くらい。「ねこだまし」+「じしん」のコンボがノーリスクで行えるが、これも「テレパシー」持ちのチャーレムで出来てしまう(強いかどうかは別にして)。
ラブカス
不遇要素:1劣、4低、5主
不遇時期:第3世代~
最終内定作品:SV
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
43 | 30 | 55 | 40 | 65 | 97 | 330 |
このページで取り扱っているポケモンの中でもトップクラスの不遇ぶりと思われるポケモン。
素早さは非常に高く、第3世代の「すいすい」持ちでは最速だったが、他の能力があまりにも足りず技による差別化すら許されない悲しさ。ただでさえみずタイプは層が厚いと言うのに…。
現状、下記のオニドリルやアゲハント同様他の不遇ポケモンですら羨ましく見えるレベルの埋葬クラスである。
マイナン
不遇要素:1劣、4低
不遇時期:第5世代~
最終内定作品:SV
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 50 | 40 | 75 | 85 | 95 | 405 |
ピカチュウポジションの中ではトップクラスの不遇。
通常特性は使い勝手が悪く、ピカチュウポジションでもライチュウ(通常の姿)、パチリス、デデンネといった壁が立ち塞がる。更に数少ない差別点となる「すりかえ」に関しても、同タイプのライボルトの存在が重い。
ダブル向けのポケモンとして設定された割には際立って有利な点が無い。寧ろこの設定によるスペックが後の世代になるにつれ、仇となっている感が増している気がするのだが…。
コロトック
不遇要素:1劣、2鈍、4低
不遇時期:第4世代~
最終内定作品:SV
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
77 | 85 | 51 | 55 | 51 | 65 | 384 |
攻撃力はそれなりにあるが、残りの能力が不安で鈍足低耐久。アタッカーにするとストライクの存在が非常に重く圧し掛かる。
だがコロトックは「ねばねばネット」や「ほろびのうた」等個性的な技を多く覚えるので、今後進化等が叶えられれば救済も十分に有り得る話ではある。
特にむしタイプで「ほろびのうた」と「ちょうはつ」を両立出来るのはこのポケモンだけであり、相手に攻撃や交代を強要できるといった独自の動きが出来るのは十分な差別点。ただ相手を縛れないのが如何ともしがたい。
ウミトリオ
不遇要素:1劣、3特B、4低
不遇時期:第9世代~
最終内定作品:SV
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
35 | 100 | 50 | 50 | 70 | 120 | 425 |
ダグトリオの収斂進化と思われるパルデア地方の新参。そのため種族値はあちらと全く同じ。なのだが元々ダグトリオ自体が今では色々と足りていない数値であり、特性の優位性や地面タイプ自体に極端に素早いポケモンが少ない点で差別化できていたあちらと異なり、層の厚い水タイプではこの種族値で差別化を図るのは厳しい。とりわけ火力耐久素早さ全てで上回られているカマスジョーは目の上のたんこぶと言える存在。おまけに見た目の影響でサブウェポンが軒並み低火力という悩みも抱えてしまっている。変化技でも有用なものでは「おきみやげ」程度。専用技の「トリプルダイブ」は「がんじょう」や「きあいのタスキ」に強いものの最大火力を出せる確率が約85%と「アクアテール」並みに不安定。威力、命中ともに連撃ウーラオスの「すいりゅうれんだ」の見劣りになってしまうのも悲しい所である。
特性もダグトリオ(通常の姿)と比較すると使いにくいものが多いのがネック。
2023年5月時点でシングル、ダブル共に全6シーズン全てで使用率圏外を記録しており、これは複数のフォルムがランキングに適用されるポケモン(パフュートン・イキリンコ・パルデアケンタロス)を除くと、パルデア新ポケモン唯一の偉業(?)である。
その他の対戦における不遇ポケモン
オニドリル
不遇要素:1劣、3特B、4低、5主
不遇時期:第1世代~
最終内定作品:ピカブイ、BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
65 | 90 | 65 | 61 | 61 | 100 | 442 |
第1世代から上位互換にドードリオが存在していただけならまだしも、さらにほぼ上位互換であるムクホークが登場したせいで多重劣化と言う悲しいにも程があるポケモン。しかも使い勝手のいいひこう技の威力が第1世代からずっと威力80の「ドリルくちばし」止まりで主力技不足気味。
実質的にドードリオの完全劣化と言わざるを得ない立ち位置となっている。以前にも増して不遇な状況に置かれてしまっており、フィオネのように競合相手の完全劣化になってしまう可能性も否定できなくなった。
カモネギ(通常の姿)
不遇要素:1劣、2鈍、4低
不遇時期:第1世代~
最終内定作品:剣盾
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
52 | 90 | 55 | 58 | 62 | 60 | 377 |
決定力無し・鈍足・低耐久の三重苦で、合計種族値も377と非常に低い。
技に関しては独特の「フェイント」や「リーフブレード」があるがまともに撃たせてもらえるかと言うと…。
第8世代ではネギガナイトの発表で遂に念願の不遇卒業を果たすかと思いきや、進化前がガラルの姿であり、結局不遇卒業とはならなかった。新要素のダイマックスの追加により、アタッカーで見た場合の耐久の改善と「まけんき」の発動機会の増加、新たに「インファイト」を習得する等の強化はされたものの、それらがもろ被りしているウォーグルに余計見劣りしているという点が増してしまい、見劣り出戻りの憂き目に。そして追い討ちをかけるかのように冠の雪原ではひこうタイプで「まけんき」が被るガラルサンダーが登場。多少タイプは違うが見劣り感が更に増してしまう事に…。
エネコロロ
不遇要素:3特A、4低
不遇時期:第3世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 65 | 65 | 55 | 55 | 90 | 400 |
特性:メロメロボディ/ノーマルスキン/(隠れ)ミラクルスキン
全体的に種族値が不足しており、その低さは1進化ポケモンの中でもぶっちぎりの低さ。
素早さ100以上がデフォルトの他の猫ポケモンと比べても低めの素早さ種族値は何か悲しい…。
専用特性「ノーマルスキン」も全技が一致技になる一見強力な特性だが、実際は「めざめるパワー」か「しぜんのめぐみ」が無ければゴーストタイプに完封、耐久の高いいわタイプとはがねタイプにほぼ完封されると言う困ったもので、はっきり言ってデメリット特性であり死に特性同然(第8世代ではいずれも消滅したため、ゴーストタイプ相手に実質なす術も無くなった)。
不遇の原因の一つである火力面を中心とした低種族値の問題は未だ解決していない。いっそ火力面を諦めて「なかまづくり」や「スキルスワップ」を習得できれば後続のゴーストタイプやいわ、はがねタイプへの起点作りができるので今後に期待。
ミルホッグ
不遇要素:1劣、4低
不遇時期:第5世代~
最終内定作品:USUM
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 85 | 69 | 60 | 69 | 77 | 420 |
第5世代の序盤ノーマルポケモンであり、この世代の最終進化ポケモン中合計種族値ワースト。
攻撃面では先輩達や同期の様な芸当が出来る訳でもなく、かと言って「さいみんじゅつ」等の変化技で上手く立ち回ろうとしても低すぎる種族値が足を引っ張り正直厳しい上、「さいみんじゅつ」軸のノーマル単なら、技範囲が広くサポート役としての適性が高いオドシシやより素早く所持特性も全て優秀なブニャットを使った方が良いという始末。
また「でんこうせっか」等の先制技を覚えそうで覚えない。
BW2で鈍足と相性の良い隠れ特性「アナライズ」の獲得や3色パンチの習得等で、オドシシやブニャットと差別化に成功した。攻撃の種族値が上がるか追加進化を獲得できれば不遇卒業出来るかもしれない。
ポワルン
不遇要素:4低、5主
不遇時期:第7世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 70 | 70 | 70 | 70 | 70 | 420 |
特性:てんきや
専用特性「てんきや」により天候ごとに自身のタイプが変わる唯一無二の個性を持っているが、オール70の低種族値故に火力不足及び耐久不足がち。デビュー当初は専用技だった「ウェザーボール」も、第4世代以降ロズレイドを筆頭に一部のポケモンが習得してしまった。
しかし、3つの天候に適応するため見せ合いのパーティ次第ではどの天候に特化した型なのか読みにくい・複数の天候に特化させられるという利点もある。「めざめるパワー」の消滅によりゲッコウガも炎技を使えなくなったので、今後の評価・強化次第では不遇卒業の可能性も高い。
・サニーゴ
不遇要素:1劣、4低
不遇時期:第2世代~
最終内定作品:剣盾
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
65 | 55 | 95 | 65 | 95 | 35 | 410 |
攻撃技・変化技が共に豊富で、3つある特性も全て優秀であり、技や特性だけならカブトプスやアバゴーラ等の同タイプに引けをとらないどころか変化技のレパートリーでは同タイプ随一なのだが、種族値がついてこない。
HPに努力値を振ればそれなりに硬くはなるがメジャーどころに弱点が多く、鈍足が祟って何も出来ずに落ちる事が多々ある。鈍足すぎる故「トリックルーム」の依存度が非常に高い。
戦闘では不遇であるものの、習得出来る技は水中グループのポケモンが欲しい技が多い為、遺伝要員としては非常に有用で遺伝用に育てる人は多い。しかし最近は遺伝技に頼らずとも強力な技を覚えたり、ミラクル交換等で孵化余りを簡単に入手できる影響かその役割も終わりを迎えつつあるが。
レディアン
不遇要素:1劣、3特B、4低、5主、6弱
不遇時期:第2世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
55 | 35 | 50 | 55 | 110 | 85 | 390 |
攻撃・特攻は共に低くアタッカーとして使うには厳しい。それに加え、特防は高いのだがHPが足りない上に弱点が多いためサポーターとして使うにも難がある。
隠れ特性は攻撃種族値が35しかないのに「てつのこぶし」。馬鹿にしているのかと。更に通常特性の「むしのしらせ」は超低火力なレディアンにとっては死に特性同然、「はやおき」も低HPのため「ねむる」との相性が悪い上レディアンに催眠技を当ててくる相手が少なく同じく死に特性。そのためエネコロロ同様所持特性が全て使い辛く、実質特性無しで戦わざるを得ないという。
他のむしタイプのポケモンと差別化できる要素が事実上皆無であり、使いどころが非常に悩ましいポケモンの1つ。
そして内定していない第8世代では、豊富な変化技と唯一無二のタイプを持ちサポート役として優秀なてんとう虫ポケモンの後輩が登場してしまった…。
アゲハント
不遇要素:1劣、2鈍、3特B、4低、5主、6弱
不遇時期:第3世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 70 | 50 | 100 | 50 | 65 | 395 |
数多くいるむし・ひこう複合では恐らく最下層に値するポケモン。同タイプのメジャー級ポケモンに劣るだけならばまだしも、同様に厳しい立場にいるガーメイルの更なる下位互換という地位に甘んじている。
一致ひこう技が「エアカッター」止まりと主力技不足気味。そのせいで火力指数では、ウルガモス(特攻135、しかも飛行タイプを持ってない)の「ぼうふう」>おくびょうバタフリー(特攻90)の「エアスラッシュ」>ひかえめアゲハント(特攻100)の「エアカッター」であり、種族値よりも技の威力の方が重要だということをはっきりと伝えられてしまっている。
一応、後述する「とうそうしん」がうまく乗ればバタフリーの「エアスラッシュ」くらいは上回れるが、やはりウルガモスの壁は高い。
該当不遇要素が全て出揃ってしまっているという珍しくも不名誉なポケモン。該当するか微妙だった特性不利はどちらも「使えなくはない」程度だが、やはり特性不利感が残る。
それこそ、差別化を図るなら「とうそうしん」を採用するしかないレベル。
そして参戦してない第8世代では、習得技の追加やキョダイマックス獲得によるバタフリーの不遇卒業という更なる悲劇が起きてしまい、ますます多重劣化に陥る悲劇に見舞われる。
ただ外伝作品のLEGENDSアルセウスでは「エアスラッシュ」を習得したため、本編に登場して覚えられれば火力不足が多少改善される可能性もある。
後の世代で独自の強化が施されないと、オニドリル同様フィオネのように競合相手の完全劣化になってしまう可能性も否定出来なくなった。
ミノマダム(くさきのミノ)
不遇要素:1劣、2鈍、3特A、4低、6弱
不遇時期:第4世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
60 | 59 | 85 | 79 | 105 | 36 | 424 |
種族値が全体的に中途半端で、素早さは絶望的であるミノマダムの姿の中で最も弱点も多く耐久も微妙、サブウェポンにも恵まれず同じタイプのパラセクトやハハコモリと違いはがねタイプで止まりやすい。同タイプの中では一番特攻が高いがくさ及びむしタイプ全体で見るとやはり低いとしか言いようがない。加えてくさ・むしの技だけならアメモースやウルガモス等で役割が足りてしまうため他のむしタイプに見劣りばかりしてしまう。
一応所持している特性は割と優秀ではあるものの「きけんよち」は弱点が多すぎるせいで本来の相手がどのタイプの技を撃ってくるか予測してうまく交代読みを決めるという仕事がやり辛く、隠れ特性の「ぼうじん」はくさタイプであるため粉系の技は元々無効、せいぜい天候ダメージで「きあいのタスキ」が潰れないようになるくらいしか利点がなく事実上特性不利に該当してしまう。
ガーメイル
不遇要素:1劣、2鈍、4低、6弱
不遇時期:第4世代、第6世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
70 | 94 | 50 | 94 | 50 | 66 | 424 |
むし・ひこうタイプとしては唯一、攻撃と特攻が共に高めのポケモン。
第4世代当初は実質的にストライクの下位互換に近い存在で不遇気味だったが、第5世代では強力な積み技である「ちょうのまい」や「ひこうのジュエル」とのシナジーが注目され「アクロバット」の習得によりこれと特殊技を交えた二刀流スタイルで戦う事で差別化が可能になり一旦は不遇卒業を果たした。
しかし第6世代ではノーマル以外のジュエルが消滅した事で「アクロバット」の使い勝手が悪化し、攻撃の高さが種族値の無駄遣いによる鈍足低耐久の露呈、「イカサマ」の被ダメージ増加という形で仇となってしまい再度不遇入りとなってしまう。
剣盾及びSV共に内定しておらず、同じ虫タイプで特性いろめがね持ちのエクスレッグが登場。
エクスレッグは有用な先制技のタイプ一致で撃てるであいがしらやふいうちを持っており、且つ特攻以外全ての種族値でガーメイルを上回っている。DLCで内定を勝ち取れたとしても、かなり立場は苦しそうである。
マスキッパ
不遇要素:1劣、2鈍、3特A、4低、6弱
不遇時期:第4世代~
最終内定作品:BDSP
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
74 | 100 | 72 | 90 | 72 | 46 | 454 |
特性:ふゆう
不遇と言われるくさタイプの中でも相当立場が厳しいポケモン。
技自体はそこそこ揃っており、攻撃100に加えてタイプ一致の「パワーウィップ」を持っており、インフレの波についていけずとも火力はそこそこだが、かなりの鈍足で先制攻撃には期待できず、耐久も耐性も低いせいでそれらの要素が霞む。
そして特防以外は全てモジャンボに負けているという有様。技の方もモジャンボの方が圧倒的に豊富である。
差別点である特性「ふゆう」はじめんに耐性のあるくさタイプには殆ど恩恵がない様に思えるが、耐久力に不安のあるマスキッパにとっては半減と無効の差は大きく、無償降臨のチャンスに繋がるため流石に飼い殺しとまではいかない。
USUMでは「じごくづき」「アシッドボム」を習得し、モジャンボとの差別点を一応得る事は出来た。しかし特性や種族値の面において更なる強化が施されない限り、不遇からは抜け出せないのが現状である…。
まとめ
このように対戦において活躍しているポケモンの裏に隠れて活躍し難いポケモンが少なからずいる。
だが次回作での強化を期待されたり、不遇とはいえ、舐めてかかるとこちらが痛い目に遭う事もある。
不遇ポケモンに活躍できる要素を探してみる事で新たな発見があるかもしれない。
関連リンク
バトルにおいて大活躍しているポケモン達。ある意味ここの記事とは正反対。なお、かつて不遇だったポケモンが厨ポケに大化けする事もごく稀にある。
この記事で不遇と扱われているポケモン達は外伝作品で意外と活躍してたりする。特にポケダンやポケモンカードやポケモンGO等ではそれが顕著に現れている(逆も然り)。本編で活躍できない分の一種の救済措置とも取れる。