注意点
個人の主観によって解釈が分かれるケースがあり、編集合戦が予想されるので、「例」や「関連タグ」などで特定のキャラクター・カップリングを挙げるときはよく考えてから加えてください。
また、『バウムクーヘンエンド』というタイトルの楽曲もあるため、うっかり混同しないように気を付けてください。
概要
いかにも結ばれそうな、自他共に認める仲のいい二人組の片割れが、物語の中で他の相手と結ばれることを指す。二文字目を長音にして「バームクーヘンエンド」とも書く。
なぜバウムクーヘンなのかは一応理由がある。非常に仲がよく、周囲からも『あいつら仲いいよな』だとか、『付き合ってんじゃねぇの?』などと噂される2人組の一方が、他の相手と結婚し、もう一方が披露宴でのスピーチを頼まれ、笑いまで取ったりして如才なくこなしたあと、家に帰って1人で引き出物のバウムクーヘンを食べるような結末……という意味合いで命名されている。
この「いかにも結ばれそうな」はあくまで受け取る側の判断である点には注意。
こういった展開には、たとえばナウシカとアスベルのような作者の趣向(いわゆる逆張り)のほかにも、ぽっと出のポパイにオリーブ・オイルだけでなく作品そのものを奪われたハム・グレイヴィ、同じくラムに立場を奪われた三宅しのぶの様に大人の事情を疑わせるケースが存在し、作品の年数や切り捨てられた方との描写が増えるほどその疑いも増す。ただし、ポリーンとピーチ姫のように公式側がヒロイン交代のストーリー上の正解な理由付けを把握できていない場合もある。
ただし場合によっては公式の関係者が後に明かすこともある。
あくまでも「他の相手と結ばれる」展開を指すので「くっつきそうだがくっつかなかった(どちらにも特定の相手なし)」という場合は、厳密には『バウムクーヘンエンド』とは言わないものの、後述例のようにそう呼ばれることもある(付き合ってない…だと…も参照)。
なお、このエピソードには特に元ネタとなる作品があるわけではない。
起源
Twitter上で、とある女性ユーザーが友人と2人で酒か何かを飲んでいた際に「好きなカップリングがこういう展開を迎えたら悲しいよね」と盛り上がったネタが拡散され、周知されるようになった。
この事もあってか、Pixiv内では腐向け作品での使用が多いようである。
要因
- いわゆる三角関係で起こる場合、「フォアグラウンドでメインのカップルがつかず離れずの距離を保っている一方、恋のライバルがバックグラウンドで相手に対して献身的に接して好感度を稼いでいた」ことで起こるとされる。
- また、「恋愛未満のカップル予備軍のうちの片方が、別の“運命の人”と出会い一目惚れして本格的に恋愛する」というケースもある。
- 恋愛未満のカップル予備軍のうちの片方の心の中に『別の忘れられないほど愛している相手』がいる、というケース
余談
銀魂のエピソードでは、脈なしどころか接点のないカップリングが最終回前後に乱立する現象を、「最終回発情期/ファイナルファンタジー」現象と読むことで茶化していた。
- 最終回発情期を恐れた銀魂のキャラクター達は、「フラグが立つから話しかけないで」「お前らとFFるぐらいなら我竜退治/ドラゴンクエストするわ」と会話もままならない状態だった。
- なんとちびまる子ちゃんでも似たような事態が発生したことがある。
余波
当然だが、バウムクーヘンエンドはカップリング論争と密接にかかわっている。カップリングやそれにまつわる論争は普段は創作に非常に厳しいはずのウィキペディアに各言語の詳細な記事が作られ、海外では真面目なエッセイや論文で取り上げられるほどの問題であり、作品が終了しても火種が燻り続けるなど、よろしくないことになりかねない。
論争が肥大化して各方面に飛び火したことも少なくなく、欧米ではすでに社会問題とみなされている(参照)。以下は原作者を巻き込む事態に発展した例。
- ハリー・ポッターシリーズ
- とあるインタビューで質問者がファン層を挑発して大規模な戦争が発生したり、原作者が公式カップリングを後悔したと発表した(ちなみにその後にまた意見が変動したりした)。
- NARUTO
- ライオンガード
- 監督のSNSが炎上して機能停止し、それまで視聴者の質問を積極的に受け付けていた監督が雲隠れしている。雲隠れした後にも自殺予告を示唆するコメントも書かれた。
- ヴォルトロン
- 声優に殺害予告が届き活動を休止せざるをえなくなり、スタジオにも脅迫メールが届いた。
解決法
そんなバウムクーヘンエンドや不完全燃焼に終わったカップリングの解決法としてあげられるのが《マルチバース》、《パラレルワールド》、《過去改変》などで「異なる時間軸」を発生させて「もしも、こうだったら」の世界を作ることである。
別の世界で異なる結末を迎えることで必然的に前述の結末を回避するという手法であり、媒体によって異なるカップリングができている場合もこれに当たるだろう。
もっとも他の世界が存在したり過去を改変するというだけでは根本的な解決とは言い難いが…
- 野比のび太のように、自分またはカップリングの相手が別の人と結婚し子供を為した歴史を改変して自分と結ばれ、それが公式のルートになるという場合もある(のび太とジャイ子の子孫に関しては、セワシ以外はどうなったのが現在でも不明である)。
- MCUのキャプテンアメリカにおいてはそれがオチとしても機能している(歴史改変なのか別の時間軸なのかは監督や脚本の間でも意見が分かれている様子)。
- ただ、転生したらヤムチャだった件のようにどう足掻いても無理なケースも存在する。ヤムチャに転生した少年はドラゴンボールの知識を駆使して歴史を改変し、我が身に降りかかる悲劇(栽培マンとか色々)を回避してきたが、ベジータを悪人のうちに殺すことは出来ずにいた。未来トランクスがやってきた時点で孫悟空が心臓病で死ぬ未来を回避した後「やっぱりブルマの事をあきらめられない」「ヤムチャ(オレ)とブルマがくっつく世界があったっていい」とブルマに告白しようとするが、そのころにはブルマとベジータはお互い反発し合いながらも良い雰囲気になっていた。ヤムチャに転生された少年はベジータに「オレと勝負してくれないか!!」と対決を挑むも、いかに転生ヤムチャとして磨き上げた戦闘力であってもベジータには手も足も出ず、「きさまじゃトレーニングにもならん!」とまで言い切られてしまう。ヤムチャに転生した少年は運命を受け入れ、原作通りベジータにブルマを託すのであった。
スパイダーマンにおいて死亡したピーターの恋人グウェン・ステイシーが「ハウスオブ・M」と呼ばれる世界改変イベントで生存、結婚している件やもしもを描く「what if」シリーズでそもそもの死亡を回避するなどそれ自体が世界観の拡大、一つの題材となることもある。
同名の漫画作品を原作とする大ヒットドラマJIN-仁-では、タイムスリップやタイムパラドックスを題材にしているが、原作とドラマではまったく異なる顛末を迎えた。メインキャラクターの生き死に、メインキャラクターの存在の有無、メインキャラクターの運命、メインキャラクターの子供の性別まで異なる。
最強のワードとしては公式が勝手に言ってるだけである。どんな作品に対してもこの言葉を使えば解決できる。
該当しないパターン
- 「ミスティッククエスト」のように同じ性別で仲良くしている場合。この場合は《相棒》か《親友》の範疇であるため。ただし明確に同性愛がテーマであったり、レギュラー全員が同じ性別であったりすると、薔薇NTR、百合NTRなどと言われて荒れるケースがある。
- 短編、オムニバスでありがちな、あからさまにゲストと分かるキャラが既婚者だったオチ(レギュラー同士の友情や恋愛が主題)
- キャラクター同士が親しい関係であっても、明らかに他に本命となるであろう相手がいる事が描写されていて、結ばれないことが容易に推測できる場合(例:ママレードボーイの須王銀太やハピネスチャージプリキュアの愛乃めぐみなど)。ただし恋人が唐突に現れた新キャラだと「後付け」「大人の事情」「初期設定では主人公とくっつく予定だったのかも」と邪推されて荒れるケースがある。
- ストーリー上のヒーロー・ヒロインと位置付けられているが、カップルとは扱われていない場合(例:ハリー・ポッターシリーズのハリーとハーマイオニーやドラゴンボールの孫悟空とブルマなど)。主人公とヒロインがきょうだいの場合は必然的にこの形になる。「天国に一番近い男2」のように理に叶ってるのに腑に落ちないパターンもあり、「振られた」のではなく「友情、家族愛、師弟愛が恋愛に負け、結果的に孤独になってしまった」というのが正しいのかもしれない。
- 鋼の錬金術師のように、演出を捻る為に物語のヒロイン(少女漫画ならヒーロー)の登場を遅らせている場合(主人公とくっつくキャラを主人公の次に登場するキャラに限定すると主人公とくっつけられる異性のタイプ、人間関係、作れる物語に制限ができてしまう為であり、断じて最初に登場した異性を振った訳ではないし、作者が最初に登場する異性を嫌っている訳でもない)。
- ダブルヒロイン・ダブルヒーローもので、片方が主要人物の恋人、片方がカメラマンの恋人という描き方にされている場合(後者には固有の演出があり、後者がぼっちに描かれている訳ではなく、どっちも読者の恋人という描き方にされている)。
- 戦え原始人のように、コンビの片方が不特定多数のモブにモテモテ、片方が誰にもモテないという演出(主人公と悪友の友情表現で、たびたび二人の立場が逆転する。人気勝負と恋愛勝負は異なるし、魅力がないキャラはコンビの片割れやかませ犬に設定されないのを忘れてはいけない)。
- 元のカップリングが後に成立する公式カップリングの当て馬として描写されている場合。例えばヒロインの縁の切れた恋人、婚約者、苛めっ子としてチンピラのような悪人やイヤミな御曹司、余命わずかな病人などが設定されており、後に破局・死別してヒーローとヒロインのカップルが成立すると容易に予測できるようなケース。
- 路線変更していない最初期にバウムクーヘンエンドに似た展開になり、バウムクーヘンエンドだと思わせるのがミスリードのパターン(例1:男主人公の相手役が最初にいた女性から新しく来た女性に交代してしまうが、後者は男主人公とバトルで対等に渡り合うもう一人の主人公で恋人役は最初の女性で固定されている。例2:最初に出て女主人公と恋愛関係に至らなかった男性が後から読み直すと不思議の国のアリスでいう時計ウサギ役で、後から出た恋人役の男性よりも容姿が地味だったのは恋人役と勘違いされない為の配慮で、男女逆と同様に露骨に余る、露骨に問題児に描かれて嫌われる、主人公以外の知り合いがいないなどの不憫な描写が一切されておらず、読者に恋人役を分かりづらくするのに意図があるなど)。
バウムクーヘンエンドの例
※いずれも作品別五十音順。
※ネタバレ注意
代表例
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備考 |
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備考 |
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備考 |
- シンブル・シアター→ポパイ
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- プロポーズ大作戦(1~10話)
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備考 |
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漫画・アニメ
※:パフェについては漫画版で救済がなされた。カカオの「イタコダウジング」に相当する巫女の能力といった、恋愛面以外のテコ入れでもある様子。また、ラムネードは正確にはマリオネットのドラムではなく、現代に転生した人間のドラム(夢)と結ばれ、ドラムの器が続編で悪用され、パフェとカカオとラムネードと夢の子孫が救う事態となった。
小説・ライトノベル
ゲーム
※ゲームでは自分で相手を選べる形もありそこから発生するパターンもある。
作品名 | 男性 | 女性 |
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イナズマイレブンGO | 円堂守 | |
ソウルキャリバーⅣ | キリク | チャイ・シャンファ |
伝説のスタフィー4 | ||
ドラゴンクエストⅤ | 伝説のまもの使い | |
ドラゴンクエストⅧ | 主人公 | |
バハムートラグーン※1 | ビュウ | ヨヨ |
ロマンシングサガ3※2 | ユリアン・ノール | エレン・カーソン |
※1:小説版ではビュウはヨヨを妹だと認識しており恋心を持っておらずパルパレオスを好きになる事を彼は認めているため該当しないとも考えられる。
※2:序盤にエレンが振っているようにも見えるが「子どもの頃の関係のままなら好きなのに」「私に向けるのは下心なのに、モニカに向けるのは『か弱いお姫様を守ってあげたい』という本心から来る愛情なのは酷い」と訴えているようにも見える(大人しい妹のサラも恋愛面においてはエレンよりも得している)。フリーシナリオなのでユリアンとエレンがいい感じになるルートもあり、エレンとモニカの両方に振られるルートのユリアンが一番不憫。
ドラマ
作品名 | 男性 | 女性 |
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あした天気になあれ。 | 徳村修治 | 坂井花 |
あなたのことはそれほど | 有島光軌 | 渡辺美都 |
男はつらいよ | 諏訪満男 | 及川泉 |
新キッズ・ウォー | 岸本良平 | 河合花 |
半分、青い。 | 萩尾律 | 伊藤清 |
〃 |
| 楡野鈴愛 |
ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜 | 川崎智哉 | 白川莉子 |
レガッタ〜君といた永遠〜 | 大沢誠 | 田嶋千香子 |
〃 | 八木聖也 | 小田切操 |
メディアミックス
作品名 | 男性 | 女性 |
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マーメイドメロディーぴちぴちピッチ | 海月太郎 | 宝生波音 |
特殊な例
それぞれが別の相手と結ばれた
作品名 | 男性 | 女性 |
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イナズマイレブンGO※1 | 円堂守 | 木野秋 |
おっさんずラブ | 春田創一 | 荒井ちず |
〃 | 黒澤武蔵 | 黒澤蝶子 |
ズッコケ三人組 | 八谷良平 | 荒井陽子 |
生徒諸君 | 飛島瞬 | 北城尚子 |
デジモンアドベンチャー※1 | 八神太一 | 武之内空 |
ニセコイ | 一条楽 | 小野寺小咲 |
半分、青い。 | 萩尾律 | 楡野鈴愛 |
ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜 |
| 七海菜月 |
ミルモでポン!※2 | 結木摂 | 森下はるか |
ラブシャッフル | 宇佐美啓 | 香川芽衣 |
〃 | 大石諭吉 | 逢沢愛瑠 |
※1:代表例を参照。
※2:アニメ版。
相手と死別した
※太字は死亡したキャラ。
作品名 | 男性 | 女性 |
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セカンドバージン | 鈴木行 | 鈴木万理江 |
生徒諸君 | 沖田成利 | 北城尚子 |
金田一少年の事件簿 墓場島殺人事件 | 檜山達之 |
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機動戦士ガンダムSEED | キラ・ヤマト | フレイ・アルスター |
機動戦士ガンダムSEEDDESTINY | シン・アスカ | ステラ・ルーシェ |
クレヨンしんちゃん | 行田徳郎 | まつざか梅 |
TITANIC | ジャック・ドーソン | ローズ・デウィット・ブケイター |
天元突破グレンラガン | カミナ | ヨーコ・リットナー |
※1:偽彼として利用した陣馬剛史、真壁誠(ドラマ版)も振った。
関連イラスト
関連タグ
意外 意外な結末 衝撃の展開 どんでん返し どうしてこうなった 付き合ってない…だと…
- みんなのトラウマ:自己投影していた、感情移入が強かった場合やそのカップリングにこだわっていた人が多数いれば該当することもある。
- 鳶に油揚げを攫われる:自分の大事なものや手に入れられると当て込んでいたものを、不意に横からさらわれることのたとえ。
- 二人は伴侶三人は仲間割れ:デジタル大辞泉に曰く「二人なら仲良くやれるが、三人になると意見が割れて不和が生ずるというたとえ」。具体的には「三人いると二人が仲間になって一人だけハブられる」という展開。同じ意味の言葉で「3人集まれば派閥が生まれる」もある。