概要
ウルトラシリーズにおいてウルトラ戦士が変身に使うアイテムの一覧。
仮面ライダーに多いベルトやスーパー戦隊に多い通信機などと差別化しつつ、携行しやすいようなスティックタイプやカプセルタイプ、眼鏡やブレスレットなどの装飾品タイプが主流。
また例外はあるものの、ぐんぐんカットにつなげる関係で右手を空高く掲げる変身ポーズをとることを前提に設計されたものが多い。
ウルトラマンジャックのように変身アイテムが存在しない戦士もいる。
ただ近年は一部の例外を除いて大型化が著しく、『R/B』ではとうとう両手持ちになってしまった。さすがにこれまでのように隠し持つのは無理があると判断されたのか、『デッカー』では変身を決意した時のみ手元に出現するという設定になった。
大型化の背景としては主に商業的理由で、他特撮でも主流となったカードやメダルなどのサブアイテムとの連動を前提に設計された影響が大きいと言われている。というよりも、昔は商業を軽視し過ぎたために一気にスタイルが変わったことのギャップも大きい。
これに伴い、メビウス以降は変身以外にも技の発動やタイプチェンジのために変身アイテムの操作をすることも多くなった(玩具の遊びの幅を広げる目的でもある)。
なお、「スパーク」の名が付く変身アイテムはなぜか「最初」と関連する戦士のものとという共通点がある(平成最初のウルトラマン、21世紀最初のM78ウルトラマン、新世代シリーズ最初のウルトラマン、令和最初のウルトラマン)。
エクスデバイザーやGUTSスパークレンスなどの人工のアイテムに対してオーブリングやウルトラDフラッシャーの音声は「天の声」と説明される(玩具説明書にて記載)。
防衛組織の共通アイテムと共用のタイプは、携行していても不審がられないというメリットがある。
形状ごとの分類
(公式名称では無いので注意。)
- スティックタイプ(グリップタイプ)
手で握りやすいようグリップを備えていて、その先に変身エネルギーを宿した発光部のあるタイプ。初代ウルトラマンから使われている最もメジャーなタイプで、グリップが縦向きのスティック状のものが多い。しかし、平成以降は大型化により横幅を取ったことで、安定性と見栄えのためにグリップが横向きについていたり、両手用に2つついていたりするものも見られるようになった。護身用あるいは変身後の武器を兼ねるものもちょくちょく見られる。
一般人からみれば不自然な形状なものが多いため、普段は懐にしまって必要な時に取り出すことが多いが、小型のものは誤って紛失したり敵に奪われてしまうケースも度々見られる。一方大型のものは懐に入らないゆえ、変身直前にいつのまにか手に持っていて「どこから出した?」と視聴者から不自然に思われるケースも。
- カプセルタイプ
グリップがなく、アイテム全体を握りしめて使用するタイプ。発光部が中央にあるものが多い。
スティックタイプよりも形状が小さいので、携帯のしやすさと同時に紛失のリスクも上がる。ジョーニアスのビームフラッシャーに至っては指でつまめるレベルの超小型であるが、意外にも紛失したことはなかったりする。
- 装飾品タイプ
指輪やブレスレットなど一般人も身に付ける装飾品を模したタイプ。セブン系統に見られる眼鏡タイプを除けば、常に身に付けた状態で持ち運ぶのでほぼ紛失の心配はない。
- 装着タイプ
取り外すことなく常に腕に装着されるタイプで、普段は見えないが変身直前に視覚化されるパターンが多い。
また、このタイプは技発動などの役割も兼ね、変身後の姿でも装着されていることがほとんど。
- その他
エックスのエクスデバイザーは防衛チームの通信機を兼ねており、このタイプはウルトラシリーズではかなり珍しい(むしろスーパー戦隊に多い)。また、ゼアスは歯ブラシ、ナイスはチョコボールと、エンタメ性の強い作品では意外性とネタ色の強い変身アイテムが登場することも。
ウルトラマンと人間の変身事情
作品によって、ウルトラマンが変身する際の事情は異なる。
世間一般的に「ウルトラマンが地球人の体を借りている」事がイメージされるが、実は全てのウルトラマンがこれに当てはまるわけではない。
以下はそれぞれの変身パターンを分類した物である。(公式名称では無いので注意。)
- 憑依型
前述の通り「ウルトラマンが人間の体を借りている」パターン。
初代ウルトラマンから始まったもので、おそらく世間一般的にも最も知られているであろうパターン。
憑依された人間は基本的に変身アイテムがなければ変身出来ず(アイテム無しで変身するウルトラマンもいる)、またウルトラマンと意見が一致していないと変身不能の事態に陥る事が稀にある(逆に人間側が変身を拒否する場合もある)。
また、変身後でも意見が一致しないと制御不能に陥る事があり、実際に『ウルトラマンブレーザー』10話ではウルトラマンと変身者で意見の対立が起きて「ウルトラマンが自分の肉体と喧嘩している」という、第三者から見ると奇行とも言える事態が起きた。
結末は昭和では2パターンあり、1つは「ウルトラマンと分離して別れる」ものと、もう1つは「ウルトラマンと人間の意識が完全に一体化する」というもの。後者の場合、ウルトラマンは人間と一体化したまま宇宙へ去ることが多いが、最終回や完結篇では分離したものの、客演時に再び一体化し、本編でも客演でも一体化と分離を繰り返しながらも共に戦い続けている者もいる。
なお、実は昭和ウルトラマンで分離したのは、意外にもハヤタ(初代)とヒカリ超一郎(ジョーニアス)の2人のみである(タロウは描写も説明もないため不明であり、加えて役者の意向で再出演の可能性が極めて低いために明かされる可能性も限りなく低い)。
昭和ウルトラマンの多くはこれに当てはまり、平成以降でも数は減ったが何人かがこのパターンを採用している。
初代やジャック、エースのように、死亡した人間と一体化したことで人間側が復活する、もしくは死に至っていない状態で一体化し危機から救われるというパターンが多いが、ティガのように人間側の命でウルトラマン側が復活するというパターンも存在し、この場合ウルトラマン側の意思は存在しない。
- 授与型
「ウルトラマンはあくまで力の概念であり、変身者はそれを託される」パターン。
平成以降のウルトラマンはこれが主流となりつつあるが、大抵は他の型の要素を取り入れた特殊型の傾向が強く、純粋な授与型はガイアとアグルくらいである。
従来の変身パターンと比べて、変身者自身がウルトラマンの力を手にしたことによる苦悩が描かれる事が多い。
力のあり所はそれぞれ作品によって異なる(例:ウルトラマンが残した光の一部、地球の光、先代変身者からの継承、別次元の自らの記憶が宿るなど)が、力自体に意思はない、若しくはあってもほぼ意思表示をしない点は共通されている。
- 普段は独立型
憑依型と授与型の派生として、「ウルトラマンと変身者の存在は普段は別個の存在として独立しており、変身の時だけ一体化する」パターンも存在する。
新世代ヒーローズでよく見られ、ウルトラマンが変身者自身ではなく変身アイテムに憑依している場合がこれに当たる。基本的には変身後もそれぞれの意識は共有され、戦闘中にウルトラマンと変身者が(傍から見たら独り言の様に)会話する事も。
中にはギンガのようにウルトラマンが肉体の操作権をほぼ変身者に明け渡すパターンも存在する。当然ギンガにも固有の意識がある為、ヒカルと分離した状態で戦う場合もある。
この為かクレナイ・ガイはスパークドールズで変身するウルトラマンは変身前には砕けた口調で、変身後の姿には敬語で接するという体を取っている。
- 擬態型
「ウルトラマンが人間に化けている」パターン。
セブンから始まったものであり、人間からウルトラマンへ変身する際は厳密に言えば変身ではなく「元の姿へ戻る」という表現が適切。なのだが、意外と本人たちも「変身」という言葉を使用している。
憑依型にあった意見の不一致で変身不能という事態は起きないものの、変身アイテム(というよりかは変身解除アイテムと言うべきか)が無ければ変身が出来ない事情は共通する(一部例外あり。なお、セブンは一度アイテムなしでの変身解除もしている)。
この件については『ウルトラマントリガー』15話で青年リブットがシズマ・ユナにGUTSスパークレンスの借用を依頼した際に説明をしている。
- 特殊型
「変身の起源が明かされているが、上述の4つの型の内2つ以上の要素を持つ」パターン
当初と現在では解釈や設定が若干曖昧、当初は授与型や擬態型と言われていたが後の映像作品で違うように描かれている、あるいは複数の解釈が可能なもの、非常に複雑でどのパターンにも当てはめにくいもの、当時は不明でのちに明かされたものがある。
ある意味では『普段は独立型』もここから派生して、独立したパターンと言える。
中にはウルトラマンの出自そのものが物語の重要な秘密だったりする場合もあり、詳細を調べる際は少し注意が必要。
- 融合
所謂スーパーウルトラマンと呼ばれるものも変身アイテムがある。
- 不明、曖昧
ウルトラマンへの覚醒までの経緯が全く明かされていないものも存在する。
そもそもウルトラマンの変身パターンは1人につき必ずしも1パターンとは限らず、初代ウルトラマンとウルトラマンマックスは最終回で一体化していた人間と分離したため、客演時に本編時に一体化していた人間に擬態しているほか、セブンも本編中は擬態であったが、平成で作られた主演作品では人間へ憑依もしているほか、8兄弟に至ってはメビウス以外は全員本編とは別人であるため、授与型のような変身となっている。
これらの変身パターンの違いはウルトラマン同士でもギャップになるらしく、実際にケンゴ(トリガー)とハルキ、ゼットの3人で話が食い違う事があった。
一覧
ウルトラ戦士
アイテム欄のカッコ内は変身アイテムと共に使用するサブアイテム。
ここでは、変身アイテムを使わないウルトラ戦士も一応記載する。変身事情が不明瞭なウルトラ戦士は分かる範囲内での有力候補も記載する。
備考には変身事情についての詳細を記載し、それ以外のものや複数存在する場合は※とリストを付けての記載とする。
アイテムの内、複数の存在がある場合はメインとなる変身アイテムは太字で記述し、()内のアイテムはサブとして使うもの或いは別名、太字では無いものは諸事情で一時的に使用したものとする。
人物 | アイテム | 形状 | 変身事情 | 備考 |
---|---|---|---|---|
スティック | 憑依型 |
| ||
| 憑依型 | |||
装飾(眼鏡) | 擬態型 |
| ||
| 憑依型 |
| ||
装飾(指輪) | 憑依型 | |||
| 擬態型 | |||
装飾(バッジ) | 憑依型 | |||
| 擬態型 | |||
装飾(指輪) | 擬態型 | |||
カプセル | 憑依型 | |||
スティック | 擬態型 | |||
装飾(ブレスレット) | 擬態型 | |||
装飾(ペンダント) | 憑依型 | |||
カプセル | 憑依型 | |||
| 憑依型 | |||
カプセル | 憑依型 | |||
装飾(眼鏡) | 擬態型 |
| ||
歯ブラシ | 曖昧 | 擬態型が有力。 | ||
腕時計型通信機 | 不明 |
| ||
スティック | 特殊型 | 憑依型と授与型の要素を併せ持つが、便宜的に授与型として紹介される事が多い。 | ||
スティック | 特殊型 | |||
カプセル | 特殊型 | こちらを参照。 | ||
グリップ | 授与型 | |||
装飾(ブレスレット) | 授与型 | |||
| 憑依型 | |||
装飾(バッジ) | 擬態型 | |||
スティック | 特殊型 | 憑依型と授与型の要素を併せ持つ。 | ||
スティック+装着 | 憑依型 | 客演時に擬態型となる。 | ||
装着 | 擬態型 | |||
装着(短剣) | 憑依型 | ただし若干特殊。 | ||
装飾(眼鏡/ブレスレット) | 憑依型 | |||
| 装飾(ブレスレット) | 融合 | ||
スティック+人形 | 普段は独立型 | |||
| スティック(銃)+人形 | 普段は独立型 | 授与型にも近い。 | |
| 装着 | 融合 | ||
| 装着 | 擬態型 | ||
通信機(カードリーダ)+人形+カード | 普段は独立型 | |||
| 特殊型 |
| ||
グリップ+カプセル | 擬態型 | ただし若干特殊。 | ||
グリップ(両手)+メダル | 授与型 | ただし若干特殊。 | ||
| グリップ+メダル | 融合 | ||
装着+装飾(キーホルダー等) | 普段は独立型 | |||
装飾(眼鏡) | 融合 | |||
| グリップ(カードリーダ・武器)+カード+メダル | 普段は独立型 | 憑依型にも近い。 | |
スティック(銃)+USBメモリ | 特殊型 | こちらを参照。 | ||
| スティック(銃)+USBメモリ | 授与型 | 憑依型にも近い。 | |
スティック | 憑依型 | |||
グリップ(カードリーダ)+カード | 特殊型 | こちらを参照。 | ||
| グリップ(カードリーダ)+カード | 授与型 | ただし若干特殊。 | |
装着+メダル | 憑依型 | |||
グリップ+キューブ | 憑依型 |
その他(悪の戦士・怪獣など)
人物 | アイテム | 形状 | 変身事情 | 備考 |
---|---|---|---|---|
| スティック | 授与型 | ||
| スティック | 擬態型 | ||
| 曖昧 | 憑依型が有力。 | ||
スティック(両手) | 授与型 | 憑依型にも近い。 | ||
| 特殊型 | こちらを参照。 | ||
| 特殊型 | こちらを参照。 | ||
スティック | 不明 | |||
|
| 授与型 | ||
|
| 授与型 | ||
| 授与型※2 | |||
通信機 | 不明 | 授与型が有力。 | ||
スティック(眼鏡) | 擬態型 | |||
| 擬態型 | |||
スティック | 授与型 | |||
大型装置 | 擬態型 | 変身アイテム自体は巨大化のみの機能であり、変身自体は自力で可能。 |
不特定多数の戦士・怪獣に変身するアイテム
※変身事情はいずれも授与(というより模倣)型
アイテム | 形状 |
---|---|
| スティック+人形 |
| スティック+人形 |
| スティック+人形 |
| グリップ+メダル |
ウルトラマンSTORY0
※オリジナル戦士のみ記載。尚、全員変身アイテムの正式名称は不明。
変身アイテムに準ずるもの
用途は厳密には異なるが、怪獣の召喚やメカの操縦など変身アイテムと似たようなギミックを持つアイテムを掲載。
召喚アイテム
下記の他、変身アイテムで紹介したジードライザーやルーブジャイロ、ウルトラDフラッシャーも同様の機能を持つ。
対象 | アイテム | 形状 |
---|---|---|
| カプセル | |
| 通信機+カプセル | |
| カードリーダ | |
| 通信機(カードリーダ)+人形 | |
銃 |
融合・操縦アイテム
対象 | アイテム | 形状 |
---|---|---|
タッチパッド(銃) | ||
| 銃 | |
| スティック(カードリーダ・銃)+カード |
玩具
現在は「変身」を登録商標としているバンダイより発売されている。
DX版
放送時に発売されているオーソドックスなもので、「光る」「鳴る」などの発光、サウンドギミックが搭載されている。しかし、子供向けにサイズが小さくされていたり、劇中の仕様と違っていたりする事もある。
新世代ヒーローズ以降は、ソフビ人形やカードなどのサブアイテムと連動し、そのアイテムを交換して違うタイプへと変身遊びができる造りになっている。
劇中未登場アイテムも存在するほか、初回限定特典としてでしか入手できないものもある。
ウルトラレプリカ
プレミアムバンダイ限定で販売される、高価な大人向けの変身アイテム。
劇中のプロップデザインに忠実に造形され、BGMや名台詞を流せる機能が追加されているのは仮面ライダーシリーズのCSMと同じだが、劇中にはないタイプチェンジ・必殺技発動ギミックや、放送当時のDX版では再現できなかった機能が追加されているものもある。
レジェンドウルトラ版
歴代ウルトラマン達の変身アイテムの廉価版といえるバリエーション。
DX版の再販ではなく、機能や機構が一部省略・削除されているが、音声に関してはDX版にはなかったものが収録されている他、むしろ音声面では放送当時のDX版では何故か本編と異なっていたものがきちんと本編同様の音に変更され、DX版以上に本編に近くなっていたりもする。