※注意
本記事は各作品の本編におけるネタバレを多大に含みます。
閲覧の際はその点を重々留意し、自己責任を覚悟の上で閲覧して下さい。
概要
「最強怪獣」の内、ウルトラシリーズ以外の作品に登場した怪獣。
「最強怪獣」の定義、及びウルトラシリーズに登場した怪獣については親記事を参照。
円谷作品
サタンゴーネの後に続く、グロース星人の4代目戦闘隊長にして最高司令官。
男と女の二つの顔を持ち、女の顔が冷徹な策謀を、男の顔が激しい怒りの暴力を司る。
強力な超能力「デモン念力」を使い、無人のハンターQやパット・バモスⅠ世を操作したり、怪しい呪文を唱えてジャンボーグ9を操り、ジャンボーグAと味方同士で戦わせる等、恐るべき力を見せる。
腹部には巨大な一つ目があり、そこから破壊光線やロケット弾を発射する。
手にはステッキ状の武器「デモンヴァジュラー」を持ち、打撃武器として使用する他、光弾やロケットアンカー、ジャンボーグ9をも行動不能にする冷凍光線を発射できる他、内部には刃物が仕込まれた仕込み杖にもなっている。
身に付けたマントは強力な防具で、外側はミサイルを寄せ付けず、内側は鏡のように光線を跳ね返す。
さらに瞬間移動、テレパシー、(自分と全く同じ能力の)分身を作り出して戦わせる等、多くの特殊能力を使いこなす。
数多の作戦でナオキやPAT、地球を窮地に陥らせ、最終決戦ではジャンボーグAを使用不能にしてしまう等、ラスボスに相応しい実力を見せ付けた。
藤堂武史が、桜ヶ丘郊外にある工業地帯から齎される排煙と、ちょっとしたトラブルで吹きかけられたトラックの排気ガスへの不快感から、「他の人間もそれに苦しめばいい」と考えて生み出した毒煙怪獣。
武器は口から高速で乱射する火球弾と、両肩の突起にある気門から放出する高濃度の毒ガスで、このガスにはカーンデジファーの発案によりグリッドマンの中枢神経を麻痺させる特殊な物質が仕込まれており、これを吸い込むと過去の体験と記憶に基づく強い幻覚作用を引き起こすようになる。
戦闘では二度に渡ってグリッドマンを心身共に激しく痛め付けており、初戦では撤退に追い込んで事実上の勝利を収める。
グリッドマンを退けた後も、ベノラはプログラムを破壊し続けてシステムの暴走を加速させ、街は毒ガスによって苦しむ人々で溢れ返ってしまう。さらにガスは桜ヶ丘どころか関東一円に広がっていき、しかもその日の内にそれが日本全土に拡散することが予想されたため、遂には日本政府が非常事態宣言を出す事態にまで発展した。
最期は強化改造されたダイナドラゴン(キングジェット)とグリッドマンが合体した新形態・キンググリッドマンの前に敗北したものの、グリッドマンを一度は瀕死状態に追いやった実力から、今なお『グリッドマン』の登場怪獣の中では最強格として数えられる。
本作の舞台であるツツジ台を創り上げた新条アカネを唆し、彼女が作った怪獣を暴れさせることで発せられる情動を貪っていた、物語の黒幕。
暗躍の末に、アカネを自らの体内に取り込むことで巨大な戦闘形態に変貌した際は、デジファーソードに似た二振りのサーベル及び槍等の武器、強力な破壊閃光や無数のホーミングレーザーに、体を青白い炎に変えての高速突進、そしてグリッドマンのグリッドビームを上回る威力の光球弾といった多彩な攻撃を繰り出す。
しかし、それ以上に脅威と言えるのが、必殺技クラスの攻撃で体を真っ二つにされても一瞬で元通りに再生してしまう不死身の肉体。実質防御をする必要がないため、どれだけ敵から攻撃を浴びようとも構わず猛攻を続けて長期戦に持ち込み、やがて疲弊した相手の隙を突いてトドメを刺す戦法が使えると思われる。
本編では、物語開始前に自分を追ってきたグリッドマンを返り討ちにしてバラバラにしたことが示唆されており、その後完全復活したグリッドマンの攻撃をも不死身の体で耐え切り、以前よりも激しい波状攻撃で畳み掛けた。
怪獣優生思想のメンバーであるシズムの体内で育てられていた、本作のラスボスを担う怪獣。
口から強力なビームを放つ他、光の粒子を撒き散らして爆発や衝撃波を発生させ、周囲の物体を吹き飛ばす能力を持つ。これらの能力やビームを駆使して、(ガウマ隊抜きとは言え)カイゼルグリッドナイトを圧倒。
さらに残りの怪獣優生思想のメンバーを取り込むことで、第2形態に姿を変えてパワーアップ。合計4人分の力を振るい、カイゼルグリッドナイトを分離状態に追い込んだ。
本作の黒幕にして、人間の情動を取り込むことで怪獣を生み出すカオスブリンガーの集合体。『GRIDMAN UNIVERSE』シリーズ最大級の敵とも言える存在である。
グリッドマンの戦いの記憶から、グリッドマンやアレクシス・ケリヴの攻撃を喰らってもノーダメージという特性を持っており、ローグカイゼルグリッドマン、フルパワーグリッドナイトという全く新しい力を得た彼らの攻撃で一度は追い詰められたが、一瞬の隙を突いてアレクシスを吸収、彼の不死身の力と無限に供給されるエネルギーで第2形態へと変化した。
この時点では既に連戦で満身創痍だったとは言え純粋な戦闘力では最強と言えるローグカイゼルグリッドマンすらも圧倒し、最終的に肉体の破壊と再生を強引に繰り返すことで風化させて倒すという手段に踏み切らせた。
結局は滅び去ったものの、グリッドマンたちを敗北寸前まで追いやった驚異的な強さは紛れもなく本物であり、永遠の命に対する攻略法を思い付かなければ倒すことはほぼ不可能だったと思われる。
東宝作品
ゴジラシリーズ
ゴジラ一族
ご存知、日本もとい世界で最も有名な「怪獣王」の一族。
シリーズの主役という立場上、後述する個体のみならず、各シリーズに登場する個体はどれも全怪獣の中で最強クラスばかりである。
厳密には1984年に出現したゴジラが、自分が住んでいた島で発生した自然災害の影響で体内の生体炉心が暴走を起こして変化した形態。
体表面の大部分が赤熱化し、全身からは常に凄まじい熱気と蒸気を噴き出しているという、恐ろしくも痛々しい異様な姿へと変貌してしまっている。
炉心の暴走によるそのエネルギー量は極めて膨大であり、放っておけばやがて地球全土を吹き飛ばす核爆発、そこまで行かなかったとしても結局は強烈なメルトダウン現象を引き起こして世界を滅ぼしてしまいかねないという、非常に危険な状態である。
それ以上に身体機構も異常な変化を見せており、放つ放射熱線は常に超高出力の赤色熱線になっているだけでなく、再生能力も暴走しているようで、かつて自身の同族を滅ぼした「オキシジェンデストロイヤー」によって誕生したデストロイアによるほぼ同じ効果の攻撃も通用しないどころか、向こうの攻撃で体を貫通する程切り裂かれても全く致命傷にならず、実際のデストロイアとの戦闘では相手がシリーズ最強クラスのラスボスであるにもかかわらず、もはや戦いにすらならないくらい圧倒し続けていた。
映画全編に渡って見せ付けられる想像以上のインパクト、そして迎えた壮絶な最期から、ファンの間では未だに「ゴジラという存在の最終到達地点」と見る向きも強い。
約半世紀ぶりに日本に襲来した大怪獣で、他者に感情移入を一切許さない、全てを憎んで破壊し尽くす破壊神。
その正体は、かつての太平洋戦争で犠牲となった人間たちの怨念の集合体。その肉体には戦争で命を落とした人々の怨念が宿っており、人種に関係なく戦争の惨劇を忘れた現代人に牙を剥き、人間に対して意図的に明確な殺意を孕んだ破壊行為が最大の特徴。
必殺の放射熱線は歴代でも随一の貫通力と射程、正確さを誇る上、千年竜王キングギドラの光線エネルギーを吸収して放射熱線のエネルギーに加算できるという凶悪な性能を持つ。戦闘におけるスペック面では他作品の個体と比べて極端に突出したものがあるわけではないが、シンプルに圧倒的な力で人類の防衛軍と護国三聖獣を迎え撃ち、悉く返り討ちにする恐ろしいまでの強さを見せ付けている。
加えて、歴代シリーズを経て培われてきた「凶暴ながらもヒーロー性を秘めた怪獣」という過去作ゴジラのイメージから一転、「人々に災禍を振り撒く戦争の権化」という初代ゴジラのイメージに立ち返り、さらにそれを推し進めた存在となった。そのため三聖獣相手の残虐ファイトは勿論、足下で逃げ惑う人間たちを狙って放射熱線を放ち、皆殺しにする等、全シリーズの中でも類を見ない凶悪さを披露し、そのあまりにもダーティな戦い方から「歴代“最凶”にして“最恐”のゴジラ」とファンに言わしめた。
そして恐ろしいことに、映画のラストシーンではまだ完全には滅んでいない可能性が示唆される描写が存在し、怨念が正体だけに最後の最後に至るまで途轍もないしぶとさを見せている。
1954年に出現して以来、幾度となく人類を滅亡の危機に陥れたとされる個体。
身長100メートル級の体躯を持ちながら動きは非常に機敏で、体格もやや細身ではあるがその腕力は至って強く、それでいて当然の如く生半可な攻撃は通用しない強靭な皮膚も備えている等、攻防共に隙らしい隙はほとんどない。加えて吐く熱線も直撃すればほぼ一撃で大抵の怪獣を吹き飛ばし、少しエネルギーを溜めれば大気圏外まで届くレベルまで射程が伸びたりと、過去作と比較してもかなり強力なものになっている。
一作品の中で10体近い数の怪獣と連戦したというケースは史上初の事例であり、それでありながら最後の最後までほとんど消耗もせず戦い続けている等、純粋な他の怪獣に対しての戦闘力という点では、これまでのシリーズの個体とも一線を画していると言えよう。
太古の時代から生きる、大自然の調和の化身たる怪獣の王。
地球における怪獣を含めた全ての生物の頂点に立っており、理論上このゴジラに敵う者は特定のイレギュラーを除いて存在しないとされる。
度重なる核攻撃を軽々と耐え抜く高い耐久力と他の怪獣を圧倒する戦闘能力を備えているだけでなく、地球全体を駆け巡っている膨大なエネルギーとリンクすることにより、最大出力ならば地殻を貫き地下空洞世界まで到達する大穴を穿つ程の熱線を撃ち放てる等、歴代ゴジラ族の中でもかなり強力な個体である模様。
アメコミ『ゴジラ:ドミニオン』ではゴジラ視点から物語が描かれ、それでは人間以上の高度な知性を備えていることも示唆されており、ただ単に強い怪獣というわけではなく、本当に地球そのものの環境バランスを守護する「正真正銘の神獣」として表現されている。
作中の地球に出現する、怪獣の頂点に君臨する超進化生命体。
全身の体細胞が電磁石のコイルとしての機能を持ち、これにより強い電磁気を発生させる特性、逆に電波を吸収する性質に加え、それを応用して攻撃や防御を行う。特に電磁パルスを利用して発生させた電磁メタマテリアルによる非対称性透過シールドを表皮直下に展開する能力を有し、これによりあらゆる物理干渉を遮断することができる。このシールドの存在に加えてその多層泡状表皮は非常に頑強な上に優れた再生能力を有しており、特に再生速度は数百発以上の核爆弾のエネルギーを浴びて表層がプラズマ化しても瞬時に下層が再生する程。そのため、通常兵器による攻撃はほとんどダメージにならない。
全身を青白い電光で包んだ後に口先から放つ「高加速荷電粒子ビーム」(通称「熱線」)は、一撃でヒマラヤ山脈を穿ち、大陸プレートすら溶かしてしまう程の威力を誇り、推定射程は30キロメートルにも及ぶ。また荷電粒子ビームは発射の際に強力な放射線と電磁パルスを発生させるため、民生の電子機器は即座に故障してしまい、軍用のEMP防御が施されたものでも近距離では防ぎ切れずに機能停止に陥る。さらに、発射時に至近距離に居た場合には放射能被曝にも見舞われる。
その圧倒的な戦闘能力と生命力で人類の文明に壊滅的な打撃を与え、人類そのものを地球上から完全に駆逐、さらに人類がほとんど居なくなって2万年近い年月を経た地球においても生態系の頂点に君臨する存在として生き続け、身長300メートル、体重10万トンを上回る歴代最大級の超巨大な生命体へと進化を遂げ、細胞分裂する形で増殖した「ゴジラ・フィリウス」と呼ばれる別個体まで生み出し、地球への帰還を図る人類の前に最大最凶の壁となって立ちはだかる。
アクアティリス、アンフィビア、テレストリスの3形態を経て、「特異点」としてさらなる進化を遂げたゴジラの最終形態。書籍『ゴジラ全怪獣大図鑑』にて、本作のゴジラの別名が公式に「最強怪獣」であることが判明した。
小説版ではゴジラの能力について掘り下げられており、口から放つ「原子ビーム」は物質だけでなく時空ごと切り裂く程の力を持ち、その目は未来等のあらゆるものを見通した上で、事象の無数の結果を一息に掴み、その中で最良のものを選択できる力、紅塵(アーキタイプ)を無尽蔵に生み出して、周囲の生態系及び自然法則を書き換える、アンギラスやラドン等の怪獣を生み出し、知覚や記憶を共有できる、様々な宇宙を移動する時空移動能力、宇宙そのものをなかったことにする破局の力等、チート能力のてんこ盛りとなっている。まさに、「破局」「抗えない未来」とも称される「最強怪獣」の名に相応しい存在と言える。しかも、恐ろしいことに小説のプロローグの説明を見るにこのウルティマでさえ末端にしか過ぎず、それらの本体(?)とも言える存在がいる可能性が示唆されている。
キングギドラ一族
ゴジラの最大にして最強のライバル怪獣の種族。
未だ高い人気を誇ることから登場回数も多く、どの個体もゴジラでさえ単独では勝てない程の驚異的な強さを持つ。
以下は、その中でも突出して強大な力を持っているとされる個体。
- カイザーギドラ(ゴジラ FINAL WARS)
モンスターXの本来の姿であり、キングギドラ一族の頂点に立つギドラの皇帝にして、ギドラの最強最上位種。X星人が全滅すると同時に統制官の死がリミッター解除の合図となり、モンスターXの状態から変身、その正体を現した。
変身前のモンスターXの状態でもゴジラと互角以上に渡り合っていたが、コイツの戦闘力は変身前と比べて圧倒的に上昇しており、ほぼ全ての面でゴジラを遥かに上回っている。
変身前の必殺技である反重力光線「デストロイド・サンダー」は、ゴジラの放射熱線と完全に互角の威力だったが、カイザーギドラの反重力光線「デストロイド・カイザー」は放射熱線を押し返し、ゴジラを吹き飛ばす程に威力が上昇している(今作のゴジラの熱線は、怪獣や100メートル以上はあろうビルという推定15万トン以上はあるものを纏めて何百メートルも吹き飛ばし、跡形もなく消し飛ばす威力がある)。デストロイド・カイザーは、単純な光線攻撃としても使えるが、照射し続けることで相手にダメージを与えながら空中に持ち上げ投げ飛ばす、落として叩き付ける、地面を引き摺り回してビル等の地形物にぶつける等多彩な攻撃も可能であり、カイザーギドラはこちらを特に好んで使用している。初撃の熱線を相殺しゴジラを吹き飛ばした後は、この光線だけで一方的にゴジラを嬲り殺すように弄んでおり、空中に持ち上げたゴジラを(特に頭を)重点的に叩き付ける等の残虐な攻撃を加えて、反撃も抵抗も許さず打ちのめしている。
また、格闘能力の高さも健在で、身軽さはなくなったが増大した質量とパワーは尋常ではなく、前脚の蹴り一撃でゴジラを空中に放り投げる等、他の怪獣とは比べ物にならない程のパワーを持つ。
3つの頭を使った噛み付き攻撃も強力で、こちらも首の力だけでゴジラを持ち上げることができ、さらにエネルギー吸収能力でゴジラのエネルギーを吸収し、そのまま戦闘不能に追い込んだ。
最期は人類側の作戦によって復活したゴジラによって完膚なきまでに敗北したが、コイツ以外の怪獣は難なく打ち破ってきた本作のゴジラでさえ人類の協力なくして倒せなかったという意味では、まさに「最強のギドラ」という称号は伊達ではないことが窺える。
- ギドラ(GODZILLA 星を喰う者)
次元の狭間に潜む高次元エネルギー生命体。次元を超えてマルチバースを跨ぐことすら可能な超越存在にして、絶対的優位を以てして上述のゴジラ・アースをも追い詰める、真の意味での「宇宙超怪獣」である。
かつてエクシフの母星「エクシフィルカス」を滅ぼしたという怪獣だが、その実態はエクシフがゲマトリア演算を用いて接触した「神」の正体にして彼らの信仰の対象であり、「黄金の終焉」「終焉の翼」「この世ならざる虚空の王」「王たるギドラ(King Ghidorah)」等、数多くの異名を持つ。
凄まじい重力制御能力を備えており、降臨するだけで時空間曲率が破綻しブラックホールが自然発生する。そればかりか、そのブラックホールから伸びるギドラの首はブラックホールをも凌ぐ超重力の塊であり、この超重力によって幾千もの星々を飲み込み滅ぼしてきたという。その重力で広範囲に渡って時空が歪むため、ギドラの周囲では時間的な整合性が失われ、自分が死んだ未来を生きた人間が観測するといったコズミックホラーのような現象が起きる。
しかし、ギドラの真の力は次元超越にあり、ギドラはこの宇宙とは物理法則の系そのものが異なる高次元の存在であり、互いに干渉できないはずの別次元に対して、次元を超える力によって一方的な干渉を可能にしている。その結果、”こちら側”からは”向こう側”にいるギドラに一切干渉できず、逆に”向こう側”のギドラだけは異次元の法則で自在に”こちら側”へ干渉できるという理不尽極まりない攻撃が成立する。相手のあらゆる攻撃は一切を受け付けず、相手のあらゆる防御は合切を無視するという、まさに絵に描いたようなチート能力である。
異次元法則で干渉することで、超重力と併せてこの宇宙の時空と物理法則を因果関係ごと完全に破綻させてしまうばかりか、この宇宙側の実在そのものを異次元法則で侵食して消滅させることも可能であり、劇中ではギドラに噛み付かれたゴジラ・アースの実在が侵食され、ギドラのように計測値が曖昧になり消滅していく様子が描かれた。
攻防の駆け引きという戦闘の根幹すら成立させないその優位性はまさに「絶対的」としか表現できず、数多の怪獣と人類を駆逐し、2万年に渡って最強無敵の存在であったゴジラ・アースすら全く手も足も出ないまま消滅寸前まで追い込まれる事態となった。
なお、これらはあくまで首3本のみの「不完全体」での話であり、完全な降臨を遂げた場合は一瞬で惑星ごと全てを飲み込んでしまうという。
「モンスター・ゼロ」のコードネームで呼称される、古代に宇宙から飛来した、地球の生態系から外れた宇宙怪獣。伝承によると当時栄えていた人類の文明を滅ぼし、そのあまりの破壊力から「生きた絶滅現象」「恐怖の象徴」として恐れられていた。
3つの口から雷撃状の光線を放つだけでなく、外部から吸収した電気エネルギーを尻尾や両翼の棘から広範囲に拡散発射することができる。その威力は一撃でビルを瞬時に両断し、ゴジラを昏倒させ、モスラの肉体を欠片も残さず消滅させる程強力。
また、体の一部が欠損しようと容易に再生できる特殊能力を持ち合わせており、首が千切れても短時間で再生・復活できる。その上本体の耐久性も凄まじく、核で強化されたゴジラの熱線をゼロ距離で長時間放射されても有効打にならず、ゴジラですら死の一歩手前まで衰弱する程の超兵器「オキシジェン・デストロイヤー」を受けてもなお平然としていた。
さらに活動するだけで地球の気象にも大きな影響を与えるとされ、ギドラの周辺では大規模な嵐が巻き起こり、「生きた台風」の如く暴風雨や雷を常に引き連れている。その威力は現実に存在しないカテゴリー6に相応するとされ、その上この嵐は規模を拡大し続けるだけではなく、増殖及び分裂を繰り返し、最終的に地球全体を覆い尽くすことになる。しかもこの発生させた嵐はギドラが死してなお残り続けるという厄介な性質があり、ギドラ本体が倒された後も太平洋上に残り、これによってコングの生まれ故郷である髑髏島にも壊滅的な被害を与えた。
MONARCHに「最強の怪獣」と呼ばれ、「対抗できるのはゴジラしかいない」とされる程強力なタイタンであり、“地球の王”として君臨するゴジラとはライバル関係にして対極に位置する、地球の支配権を簒奪しようとする“偽りの王”である。
その他の怪獣
ギドラ族以外にも、ゴジラのライバル・宿敵に相応しい実力を持つ強豪怪獣は数多く存在する。
宇宙より隕石に付着してやって来たと推測される鉱物生命体「ヘドリューム」が、都市近海に堆積していたヘドロや、環境汚染による汚染物質、カドミウム、水銀等の有害物質を吸収し、分裂・合体を繰り返して誕生した公害怪獣。
肉体は不定形なヘドロで構成されており、打撃や砲弾等の質量攻撃はそのまま突き抜けてしまうため、効果がない。また、あらゆる有毒物質を含んだヘドロの持つ毒性は凄まじく、人間等の生物はおろか、金属やコンクリート等もあっという間に溶解し、ミサイルをものともしないゴジラの肉体すらも白骨化させてしまう程。このため接近戦は禁物であり、遠距離攻撃を持たない怪獣では近付くことすら危険と言える。
極度に高熱に弱いため、体が乾燥するとボロボロに崩れてしまうが、完全死を迎える前に水分を浴びればすぐさま復活し、さらに元々が多数の微生物が集合して生まれた群体生物であるため、破片同士が合体することで簡単に再生できる。明確な弱点を持つとは言え再生・復活は容易であり、しかもその度に成長・進化を繰り返すため、完全に倒すことは非常に難しい。
成長するに従って生える陸上用の足による二足歩行化・四足歩行化を経て、最終的には飛行能力や、飛行時に撒き散らす猛毒の硫酸ミスト、巨大な目の上から噴射する猛毒の黒煙に変化する「ヘドリューム光線」まで習得。飛行形態でゴジラを楽々と持ち運ぶ程の怪力や、自らの体液でもある強い毒性を持つ弾丸状の「ヘドロ弾」等、様々な能力を駆使してゴジラを苦しめた、昭和ゴジラシリーズ最強格とも言える程の強敵と化した。
なお、後に『FINAL WARS』にも客演しているが、あちらは初代程の力を持っていなかったのか、ゴジラにあっさり瞬殺されているため、本記事の候補に挙げられるのは初代ヘドラの方である。
宇宙空間に飛び散ったG細胞がブラックホールに飲み込まれ、ホワイトホールから放出される際に結晶生物と恒星の爆発エネルギーを吸収して異常進化・怪獣化した戦闘生物。
口から発射する偏向可能な光線「コロナ・ビーム」(ゴジラの肉をも吹き飛ばす威力)、重力を操りゴジラをも宙に浮かす「グラビ・トルネード」、ゴジラの熱線をものともしない強度のバリア「フォトン・リアクティブ・シールド」等、多彩かつ強力な能力を持つ。さらに結晶体を設置することで自身に有利なバトルエリアを作り出し、宇宙からのエネルギーを両肩の結晶体で受け取ることで無限に戦えるというチートじみた能力まで保有。加えて背中の結晶を大型化させることで高速で飛行することも可能という、本来のゴジラにはない能力を多数操る。また、体からは常時電磁波が放たれており、電子兵器を無効化にする人類泣かせの怪獣である。
ゴジラやMOGERAが単独で勝利することは難しく、最終的にMOGERAのサポートがあってようやく撃破することができた。元がゴジラの細胞なだけあってかその強さはかなりのものであり、平成ゴジラシリーズの中だけでも上位に食い込むレベルである。
- デストロイア(ゴジラVSデストロイア)
平成ゴジラシリーズ最後の敵として登場した、オキシジェンデストロイヤーの化身にして「ゴジラ最大の天敵」とも称するべき完全生命体。
ゴジラの敵怪獣の中でも非常に高い戦闘能力を持つ上、肉体は群体によって構成されているため、何度欠損しようがその度に修復して蘇る。増殖と合体を繰り返し、微小体(クロール体)・幼体・集合体・飛翔体・完全体へと形態を変化させることで、地上、海中、空中とあらゆる状況下で活動が可能。
特に完全体の強さは凄まじく、口から吐く「オキシジェン・デストロイヤー・レイ」はより強力なものに変わり、長時間照射すればゴジラを一撃でダウンさせられる。また、角からミクロオキシゲンを放出して形成した刃で敵を切り刻む「ヴァリアブル・スライサー」を用いる他、尻尾を獲物の体に絡めて体内のエネルギーを吸収することもできる。これらの強力無比な武器を駆使してゴジラジュニアを徹底的に苦しめ、最終的にトドメを刺すことに成功している。
一方で、バーニングゴジラ相手には自慢の武器や攻撃が悉く通じないどころか、メルトダウン寸前のゴジラから放たれたこれまで以上に強力なハイパー熱線やゴジラ自身から放たれる猛烈な熱量によって全身を焼かれた上、熱線を連続で受けて顔面や胸部を砕かれる程追い詰められた挙げ句、最終的に弱ったところを自衛隊の攻撃を受けて倒されてしまった。尤も、人類の力でトドメを刺せたのはゴジラの攻撃で弱っていたからである上、バーニングゴジラに圧倒されたのもゴジラ側がメルトダウン寸前で異常なパワーアップを遂げていたからであるとも言える。能力自体はアンチ・ゴジラ要素の塊とも言えるスペックであり、通常時のゴジラが相手であれば勝敗も大きく変わっていたことが容易に想像できるため、敗北したのは「相手が悪過ぎただけ」とする意見もある。総合的な強さを鑑みてもラスボスに相応しい実力を持ち、歴代ゴジラの敵怪獣の中でも五指に入る強敵と見て良いだろう。
- コング(モンスターバースシリーズ)
ゴジラと並んで「地球最強の存在」と呼ばれる、髑髏島の生態系の頂点に君臨する怪獣。ゴジラとコングの一族は太古から永きに渡る因縁を持ち、『GODZILLA VS KONG』の劇中では三度に渡ってゴジラと渡り合っていた。
純粋な腕力はマグニチュード4.2相当の破壊力を誇り、スカルクローラーの肉体をいとも容易く引き千切っている。ゴジラの背鰭と骨から作られたコングアックスを手にした時は、ゴジラの熱戦を吸収し、その攻撃で一度はダウンさせていた。
しかし、本気を出したゴジラ相手には純粋な身体能力で上回られて敗北し、一度は死の淵に立たされている(とは言え、ゴジラに大きなダメージを残してはいたため、コングもゴジラと同じく「王」の名に相応しい力は充分持っていたと言える)。その後、仲間たちの尽力で復活すると、下記のメカゴジラ相手にゴジラと共闘、ゴジラや人間との連携でメカゴジラをスクラップにする大活躍を見せた。
エイペックス社が香港の地下にて秘密裏に開発していた決戦兵器。過去最大級の身長と最強クラスの実力を併せ持つメカゴジラにして、歴代の負の側面のほぼ全てが詰め込まれている、人間のエゴと欲望の化身にも等しい存在。
歴代メカゴジラの中でも随一の機動力と格闘能力を誇り、全身に搭載されたロケットエンジンによりスピーディーに走り回り、柔軟かつパワフルな手足で凄まじいパンチやキック、投げ技の連打を披露する。
背鰭は板状になっており、劇中では披露しなかったが個々が自立飛行し、ファンネルのように敵を攻撃することもできる。
尾の先端には展開するクロー(設定上は後述の熱線も発射可能)を備え、閉じた状態で回転させてドリルのように使うことも可能。
全身にはミサイルを完備し、口から吐く熱線「プロトン・スクリーム」は、設定上は地殻をぶち抜くゴジラの放射熱線をも凌ぐ程の破壊力とされる。
…そして、そのコントロール源となっているのは前作にてゴジラが噛み千切ったキングギドラの左側の頭部、その頭蓋骨をベースとしたDNAコンピューターである。故に、時を経てギドラ本来の記憶はほぼ失われていたものの、ゴジラへの復讐心だけは未だ健在であり、同時にギドラの気配を本能的に察知したゴジラがエイペックス社を襲撃する全ての元凶にもなっていた。
地下空洞のエネルギーデータ採取の成功により遂に完成・起動するも、DNAコンピューター内のギドラの自我が覚醒した結果、制御不能の暴走状態と化してしまう。
ギドラの生体データによって開発された最新兵器を多数組み込まれ、その戦闘本能によって操られたメカゴジラは圧倒的なパワーとスピード、多数のミサイルや必殺のプロトン・スクリームによりゴジラを(コングとの戦いで体力を消耗していたとは言え)一方的に打ちのめす。その後復活したコングとゴジラは2体がかりで戦うが、コングもまた直前の戦いのダメージが残っていたこともあり、相変わらずメカゴジラの優勢は変わらず、逆に2体を窮地に追いやる程の強さを見せた。
しかしジョシュの機転により、メカゴジラの搭載兵器のコントロールを補助していた人工衛星のサポートAIとのリンクを切られたことで一瞬の隙が生まれ、その隙にゴジラが自らの熱線をコングアックスに命中させてエネルギーを注入、フルチャージ状態のアックスの攻撃で尻尾や四肢をズタボロに斬り刻まれる大ダメージを受け、一気に形勢逆転へと追い込まれる。それでも悪足掻きでプロトン・スクリームを放とうとするも、背中へ渾身のアックスの一撃を叩き込まれて遂に戦闘不能となり、最期はコングに首を脊髄ごともぎ取られ、完全にトドメを刺された。
地下空洞世界に生息し、スカーキングによって操られる古代怪獣。
冷気を操る能力を持つ冷凍怪獣であり、体からは常に周囲を凍り付かせる程の冷気が溢れ出ている。
最大の武器は、口から発射してあらゆるものを凍り付かせる強烈な冷気のエネルギー波「フロストバイトブラスト」。劇中では、一時的とは言えゴジラの体表をも凍らせた他、コングは(前作でゴジラの熱線を受け止めて完全に無効化した)コングアックスで受け止めたにもかかわらず、右腕の神経系や体組織が損傷する重度の凍傷を負ってしまった。さらにはかつてゴジラと共闘し、キングギドラを南極で氷漬けにした他、作中世界におけるかつての氷河期を引き起こした存在とされ、本気で暴れ出せば地球を破壊しかねない程の力を秘めているという設定も明かされており、そのスケールの強大さが窺い知れる。
ゴジラやコングを軽く凌駕する程の巨体を持つ上、その巨体から繰り出される肉弾戦での格闘能力も高く、ゴジラとの取っ組み合いでも一歩も退かないパワーを見せた。
また、タフネスにおいても桁違いであり、全身に纏う冷気の影響もあってか、これまでよりも大幅にパワーアップしていたゴジラの熱線を直接浴びてもほとんどダメージを受けた様子がなく、幾多の戦闘を経ても最後まで無傷であった等、その耐久力の高さを見せ付けている。
スカーキングにとっては最大の戦力にして切り札と言うべき存在だが、意外にも本来の性格はそこまで凶暴ではなく、自発的に相手に危害を加えるようなことはしない温厚な怪獣である。主であるスカーキングとは、与えられる苦痛によって強いられただけの浅い主従関係しかなく、最終的には支配から解放されるとスカーキングをあっさり見限り、ゴジラやコングの勝利に一役買うこととなった。
番外
名前こそよく挙げられるものの、本編における活動シーン等の関係上、判断が難しいメンバー。
これまでの歴代ゴジラと同様に生物でありながら、子孫を残さずに単体で世代を渡り歩く究極の生命体。
人間の8倍の遺伝子情報を持つことから、環境に適応した進化を短時間で行うことが可能で、空気中の水分等、どこにでもある元素だけで自分が必要とする元素を作ることが可能なことから、生物でありながら「死」の概念を超越できる怪物とされる。
最大の武器は、物体を焼き切り、街一つを短時間で焼き尽くす「放射線流」。従来同様口から吐き出す他、背鰭や尻尾からも放出することで上空の敵や小回りの利く外敵を効率良く殲滅可能。特に背鰭から放出される際の「体内放射」は、隙間なく無数の線を描くように放出されるため、回避はほぼ不可能に近い。どこにも逃げ場がない状態で全ての戦闘機が焼き尽くされ、東京の街が一面火の海と化すその様は、まさに「神の化身」という表現に相応しい、どこか神々しくも絶望感極まりない情景である。
最終的に、人類はゴジラを凍結して無力化することには成功したものの、その尻尾からは第5形態と思われる人型の何かが形成されており、このまま行けば人類はおろか、地球上のあらゆる兵器が通用しない、さらなる進化を遂げていた可能性が残されている。
本作ではゴジラ以外に怪獣が存在しないため、“戦闘能力”という点においては他の怪獣と一概に比較できないが、歴代随一の火力と驚異的な進化速度、そして不死性を持った恐ろしい怪獣であることは確かであり、もしも自分以外の怪獣との戦闘が発生した場合、それに対応してより戦闘に適した能力を有する形態への変化を遂げるであろう可能性も決してゼロではない。
- メカゴジラ(GODZILLA 決戦機動増殖都市)
本作の地球人と協力関係にある種族・ビルサルドが開発した、対ゴジラ用最終兵器。
その全身は、あらゆるものに浸食して取り込む他、過去の施設や機械の再現、または強化・改造を可能とする自立思考金属体「ナノメタル」で構成されており、さらに高度な量子コンピューターとAIを搭載している。
かつて造られたばかりの頃は、その存在を危険視したゴジラによって起動する前に破壊されたが、残骸になっても2万年近く活動しながらリミッターの解除されたナノメタルを増殖、本編ではかつてのメカゴジラ開発施設を模倣した巨大都市「メカゴジラシティ」へと進化を遂げていた。
地球へ帰還した人類に利用され、ゴジラの熱線を反射し、ゴジラですら怯む程の物量戦を展開したが、最終的にはゴジラの発熱攻撃で敗北、人類の希望を全て叩き潰されてしまう。しかし、あと一歩のところまでゴジラを追い詰めていたことから、戦闘力自体はアニゴジシリーズ屈指のものと言える。
映画本編含むどの公式媒体においても怪獣の姿では一切戦っていないためこちらの項目に入ることになるが、ナノメタル浸食によって地球環境や人類に多大な影響を与えるメカゴジラシティの姿は、まさしく「脅威」という意味での怪獣であるとも言えなくもない。
モスラシリーズ
平成モスラシリーズ最終作に登場したモスラの一形態で、戦闘に使用した中では最終形態となる。
キングギドラの引力光線が効かないどころか、最強技のトリプルトルネードすら完全に無効化する程の防御力を誇る。攻撃力も全てレインボーモスラを遙かに超え、キングギドラのバリアが全く意味を成してない程である。
必殺技は超高速での突進「エクセル・ダッシュ・バスター」で、劇中では上記の防御力でキングギドラを完封した上で粉砕してしまった。
その他の配給作品
劇中では、最後から2番目に現れた怪獣。
粘土のような不定形の体を持ち、あらゆる攻撃を完全に無効化してしまう。その特性と無数の触手、目から出す光線等の武器で野原一家を大苦戦させ、出動した自衛隊の戦闘機も返り討ちにする脅威の強さを見せ付けた。
しかし、実は悪臭が苦手という弱点があり、それに気付いた野原一家の作戦で、最終的にアクション仮面とカンタムロボによる連携からの、しんのすけマンの2度目のオナラ攻撃を受けて倒された。
大映(KADOKAWA)作品
ガメラシリーズ
ガメラ一族
「最後の希望」と称される、人類の味方の怪獣。
歴代ガメラの中でも一際マッシブかつ重量級の体格を持ち、能力や特性は歴代を意識・再現・再解釈していると言える描写が目立つ一方で、可視化された電撃や電磁系の能力、エネルギーシールド、重力操作、終盤で見せたとある能力など、かのゴジラ・アースとの類似性も散見される。
ジャイガーを楽々と頭上高く持ち上げたり地面に叩き付ける程の怪力と、重量級の見た目に反して急激に突進したりギロンの斬撃を至近距離で躱す瞬発力や高ジャンプを行う身軽さ、「火焔弾」と呼ばれる火球攻撃、右腕を赤熱化させて敵の体を体内から焼却する「燼滅手」という技、ギロンの斬撃やエスギャオスの超音波メスを腕で防ぐ等の優れた戦闘能力を併せ持つ。
プラズマエネルギーを転用したジェットを噴射して飛行することも可能で、「回転ジェット」でギロンを両断、エスギャオスを文字通り細切れに磨り下ろす等、必殺技にも転用できる。
また、本作に登場する全怪獣と共通する能力として、強力な自己再生能力を持つ。ガメラ以外の怪獣は、人間や同種を含む他の怪獣の血肉を摂取することで急成長・急再生を体現する他、ガメラにも共通する特性としてオリリウムのエネルギーを特定の方法で投与することで通常の範疇を超えた回復力を発揮するが、ガメラの場合は自己再生能力やオリリウムの接種のみで急成長・急回復を発揮する生命力を見せている。
そして最大の能力が、最後の力を振り絞って自身の残存エネルギーとオリリウムから得た全エネルギーを口から一条の光線として発射した「荷電重粒子砲」。その威力はバイラスの技よりも遥かに強力で、地球から遠く離れた月の地下に設置されていたユースタス財団上層部の基地を狙撃し、月の表面ごと穿って消滅させた。しかし、全エネルギーを使い切ったガメラは代償として全身が炭化して霧散し、その跡地には青く光る小さな岩状の物体が遺され…。
その他の怪獣
ニューギニアの孤島にあるとされる魔境・虹の谷にて、「千年に一度誕生する」との言い伝えがある伝説の怪獣。記念すべきガメラシリーズの敵怪獣第1号である。
四足歩行のトカゲのようなシンプルな見た目だが、外見に反して非常に多彩な武器や能力を持っている。
伸縮性の長い舌は何でも絡め取り、獲物に巻き付けて捕食する他、建造物を粉砕する破壊力を持つ。
「冷凍怪獣」の名の通り、舌先から霧状の冷凍液を噴射する。その効力はガメラの火炎放射とぶつかり合っても一方的に打ち消し、宇宙空間でも活動可能なガメラの肉体をも凍結させ、一度勝利を果たしている。また、噴射直後にはバルゴンが通過しただけで、その周辺が数秒間の内に凍結していた。
プリズムでできた背中の棘からは、虹色の「殺人光線」を発射できる。この光線はあらゆる物質を破壊・消滅させ、周囲の人間を焼き尽くすことが可能で、しかも異常に長い射程距離を誇る。
自身に危険が迫ると、その殺気を遠くからでも敏感に感じ取れる程、優れた動物的本能や感覚も持つ。
優れたジャンプ力も有しており、ガメラとの戦いでも存分に発揮されていた。
通常、冷凍怪獣は熱に弱い設定であることが多いが、コイツは「赤外線(=熱線)で急成長する」「赤外線を好む」という設定から分かるように、人間がやや熱いと感じる程度の熱ならものともせず、さらに高温のガメラの火炎放射が直撃した際も、流石にダメージこそ受けたが決定打にはならない等、耐久力まで高い。
ただし、水が唯一の弱点であり、水を浴びると冷凍液が使えなくなり、長い間水に触れると皮膚が溶け、血が流れ出て死んでしまう。
自らの苗床となる草体「レギオンプラント」を中心に、母体である「マザーレギオン」と雑兵として働く「ソルジャーレギオン」による、蟻や蜂のような社会を形成して活動する地球外生命体。
非常に攻撃的かつ獰猛な生命体で、人類…というより地球の生態系とそもそも相容れない”侵略する生態系”であり、共存することは不可能。
レギオンという種族はマザーレギオン、ソルジャーレギオンがシリコンを摂取する過程で生み出す大量の高圧酸素によって草体を急成長させ、成熟した草体が爆発することによって打ち上げられる巨大な種子にマザーレギオンの卵を産み付けておくことで繁殖するのだが、高圧酸素も一斉に誘爆するその爆発の威力は核爆発並であり、放っておけばそのまま地球を更地にしてしまいかねない。
加えて、放出する大量の高圧酸素が周辺の大気バランスを改変する(劇中でレギオンが出現した札幌市営地下鉄構内を自衛隊が調査したところ、構内の気圧は4気圧に上昇しており、酸素濃度も通常の4倍に達する78%にまで上昇していた)ために、それに対応できない周辺の生態系は崩壊してしまう。
ガメラと直接戦ったマザーレギオンの戦闘力も高く、外殻は自衛隊の攻撃にほぼ無傷で耐える程高い耐久力を持つ。主な攻撃手段として、頭部の大角=口部分から対象物を一瞬で蒸発させる光線「マイクロ波シェル」や、ガメラの体をやすやすと貫く赤熱鞭「レッドロッド」を繰り出す他、巨大な後脚「サイズレッグ」は飛来したガメラを叩き落とし、ガメラの甲羅の端部を大きく削り取る程のパワーを誇る。頭部の周りにある爪状器官「干渉波クロー」は、ソルジャーレギオンとの交信に使われるだけでなく、ガメラのプラズマ火球を中和して無効化したり、通信や電子機器等に干渉して妨害することも可能。腹部にある卵巣「エッグチャンバー」からは、1時間で100匹単位のソルジャーレギオンを生み出せる。
兵隊であるソルジャーレギオンも、マザーレギオンのように光線状のマイクロ波を撃つことはできないが、近距離にてマイクロ波による加熱攻撃と、鋭い脚による刺突を用いて対象を攻撃する。また、その名前の通り統率の取れた軍隊の如く、集団で対象に襲いかかる。
歴代ガメラシリーズの中でも最強クラスと評される怪獣であり、ガメラを草体の大爆発によって仮死状態に追い込み(同時に仙台駅から半径数キロメートルが壊滅…というよりは消滅し、クレーターと化している)、最終的にはウルティメイト・プラズマの使用まで踏み切らせる等、ガメラと人類を極限まで追い詰めた。
また、この後に起きる「ギャオス大量発生」「イリス覚醒」といった事態は、この時のウルティメイト・プラズマの使用によるマナの大量消費によって起こったとされており、滅び去ってもなお人類とガメラに禍根を残す厄介さを見せた怪獣である。
古代文明アトランティスによって作り出された怪獣の一種。
あらゆる生物の遺伝子を吸収して自らに組み込み、自在に進化していく能力を持つ。
最終的に人間との生体融合を遂げる前に失敗し、ガメラ化も果たせずにバニシング・フィストによって死亡したが、未成熟でもガメラの腹部と右腕を負傷させ、瀕死状態に追い込むという凄まじい戦闘力を発揮している。
劇中時の強さこそ前作のレギオンの方が上ではあるものの、この時点でのイリスはまだ成長過程であり、生体融合に失敗していなければ他の生物を取り込む等して、そのままさらに成長していた可能性もある。そのため完全体としての戦闘力は未知数であり、最終的な強さ関係は不明。もしも完全体となっていれば、ガメラとの勝敗結果もどうなっていたか分からない。
- リバースギロン(GAMERA -Rebirth-)
本作の他の怪獣と同様、増え過ぎた人口を削減するため、超古代文明が人為的に創造した怪獣の一体。昭和ガメラシリーズに登場したギロンのリメイク怪獣。
最大の武器は、刃状になった頭部の「超振動ブレード」。あらゆるものを切断・貫通できる凄まじい切れ味と鋭さを誇り、地中を移動することも可能な他、装甲状のガメラの右腕を容易く切り落とし、腹部を甲羅ごと貫いてみせた。
中〜遠距離では、鱗装甲の一部を尾部にある電磁射出器官によって高速発射する「鱗弾」での攻撃を行い、これによってガメラの左目を潰した。
見た目に反して非常に身軽でもあり、跳躍と回転を織り交ぜ、忍者のように柔軟かつアクロバティックな動きを見せる。しかもただ無駄に動き回るだけではなく、的確に相手の攻撃を俊敏に回避しつつ、一足飛びで斬りかかるという驚異的な身体能力を発揮している。
また、本作に登場する全怪獣に共通する生態として、体表に不可視のシールドを発生させて通常兵器の攻撃によるダメージを軽減できるのだが、このギロンはガメラの火焔弾(本来ならば敵怪獣のシールドを中和・貫通する威力)を喰らってもあまりダメージを受けた様子がなく、シールド抜きにしても本体の耐久力は高い模様。
圧倒的なフィジカルでガメラを文字通りボロボロにする程の強さを見せ、本作で最もガメラに身体的ダメージを与えた敵怪獣である。ガメラが回転ジェットという起死回生の技に踏み切っていなければ、本気で危ないところだったかもしれない。
映像作品外
ゲームや小説、マンガに雑誌展開、様々な映像外媒体で強豪怪獣が登場するのは、何もウルトラシリーズに限った話ではない。
守護神蟲
ゲーム『フラワーナイトガール』における3種類の害虫たち。
いずれも桁違いの実力を誇る「大怪獣」と呼んでも差し支えない強大な存在であり、最強怪獣の候補として名を挙げることができる。
ナイドホグルとミズウォルムの個別記事は、近年のプレイアブル化論争の中で荒らされてしまっているため、複数媒体による総合的な判断が求められる(世界観的に賛否が分かれているため)。
初代は全長20000メートルに及ぶムカデのような巨大害虫、2代目はムカデの鎧を纏った異形の怪人である。
これまで様々なゲームのラスボスとして様々なモンスターが登場したが、ナイドホグルはそれらの中でもトップクラスに強く、三大特撮の歴代の最強怪獣たちとも互角以上に渡り合えるだけの力を持つ。あまりにも強過ぎたが故に封印することで時間を稼いでいたような存在で、たとえ討伐に成功してもその呪毒で世界が滅ぶという反則レベルのおまけを付けてくる。
全花騎士を総動員した二度に渡る死闘の末、その初代がいい加減くたばったかと思われたのも束の間、今度は「外園騎士」という2代目が現れた。この二代目は初代と比べて戦闘スキルが大幅に向上しており、数千℃の灼熱の熱波と黒煙による全方位攻撃、鞭状の剣による広範囲の薙ぎ払い、凄まじい怪力と鋭い鉤爪を持つ両手による格闘能力、さらに詳細不明の火球と火炎光線まで持っている。結果、感情の起伏一つで大災害を起こすことができるという手の付けられないような能力を持ち、世界観的に最強クラスの存在である世界花すら圧倒している。
二代目ともスプリングガーデンの最大戦力を総動員してやっと引き分けたものの、さらに驚くべきことにこの後まさかのプレイアブル化(=もうこれ以上花騎士たちと戦うことはない状態)までこぎ付け、花騎士たちに対して完全な勝ち逃げを果たしている。
自らを「この世界を守る正義の味方」と豪語し、あのナイドホグルさえも「腑抜け」呼ばわりする、人間の子どものような見た目の怪人。まるでメデューサのように髪がミズウォルムになった双子の怪人で、白い方が「外園騎士ミズウォルム・シロ」、青い方が「外園騎士ミズウォルム・アオ」。
元々ミズウォルムは、切られても木っ端微塵にされても瞬時に再生してくるという桁違いの再生能力と、他の生物を洗脳したり、寄生したりすることにより操る能力を有し、さらに花騎士側最大の切り札である超強力な光線「ソーラードライブ」(の余波?)を吸収した破片が再生し、光線に適応し使用までできるミズウォルム・シロに自己進化を遂げる等の異様な能力まで持ち合わせ、寄生型の怪獣としてかなり強力な部類だったのだが、外園騎士ミズウォルムはそこに人間のような容姿に加え、高い知能と戦闘能力まで手に入れてしまった。
時空を好き放題に捻じ曲げる能力と、他の害虫を操る物量攻撃、さらに自身からミズウォルムを分離させる等、攻撃も多彩。外園騎士ナイドホグルのような全花騎士を玉砕寸前まで追い詰めるようなことはなかったものの、これもプレイアブル化してしまい、先の読めない事態になっている。
最も謎が多いが、その実力は間違いなく最強クラスの守護神蟲。
劇中では「最後にして最大の脅威」とまで称されており、鱗粉を害虫型の光弾として無限に放ってくる、超遠距離から雷のような光線を放つ等、ただでさえ上空に居座っていることもあり、近付くことすら難しい。結果、倒したはずのナイドホグルにミズウォルム・シロを寄生させて復活させ、そのままフラスベルグに激突させるという狂気にも等しい戦略を採らなければならなくなっており、その実力の高さが窺い知れる。