ヒスイ地方
ひすいちほう
『Pokémon LEGENDS アルセウス』の舞台。現在は「シンオウ地方」と呼ばれている地方。
昔ゆえ『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』で描かれた「シンオウ地方」の時代と比べると殆ど人の手が入っておらず、都市の発展具合にもだいぶ差があるものの、テンガン山や三つの湖など面影を感じる地形も存在する。
住民たちの出身地も様々で、会話の中でカントー地方やホウエン地方、果てはアローラ地方やガラル地方等、比較的直近の作品で登場した地方の名前も出てくる。
しかし、人の手が入った事を抜きにしてもあまりにも現代とは地形が違いすぎる(本来高地にあると思しきキッサキ神殿やエイチ湖が低地にあるなど)。これに関しては、メディアが異なるが故に地形の見え方も異なると解釈すべきか。
また、ヒスイ地方は東側の地形が三日月状になっているのに対し、シンオウ地方は北海道の地形に近くなっている事を考えると隕石が衝突して変形したのではないかと考察するユーザーも一定数いる(現代のトバリシティに隕石が確認できる事から生まれた説である)。
ヒスイ地方において、地下大洞窟がどうなっているかは不明である。
地下通路に関しては近世に掘られたものであろうが、空洞に関しては自然に形成された可能性も否定できない。
名前の由来は、ダイヤモンドとパールに対してアルセウスの体で輝く翡翠らしき宝石を意識したという説のほか、「深奥(しんおう)」にかけた「秘邃(ひすい)」という意味なのではという説もある。
ちなみに偶然だろうが、『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』にはヒスイと言う名前の人物が登場する。
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、『Pokémon LEGENDS アルセウス』のセーブデータがある状態でテーブルシティの広場前にある正面階段の踊り場にいる女性に話しかけると、アルセウスフォンをモチーフにしたスマホカバーがもらえるのだが、この際、女性が「ヒスイ地方ってどこよ!」と発言していることから、“ヒスイ地方”という呼び名は現在では殆ど用いられなくなり、一般的にもあまり知られていない名称になってしまったことが推測される。
ただ、ヒスイに縁のあるとある人物は自分の地元について「ヒスイ地方って呼ばれてた」と発言しており、完全に伝承が途絶えたわけではなく、単に「マイナーな歴史」ぐらいの立ち位置なのだろう(少なくとも、シンオウ地方ではご当地ということもあり、他の地方と比べると認知度は高いと思われる)。
現代のシンオウ地方とは生態系にも差異が多く(後述)、現代では別地方にしかいない種族のポケモン、現代では見られない姿や進化形態を有する種族などが、多数確認されている。
これらの現代の差異の理由の一つに現代シンオウの環境の変化(開発や利用鉱石)に加え、ヒスイのすがたのバクフーン(ヒスイバクフーン)の図鑑解説によると霊山(おそらくテンガン山)など霊的エネルギーの影響もあった模様。
ただ、ヒスイの固有種が完全に絶滅してしまったというと、どうやらそうでもないようで、中には別の場所に移住したり、人為的に生息域の環境を整えることで生きながらえた種も存在しており、バスラオ(しろすじのすがた)、イダイトウ、ガチグマ、ハリーセン、ハリーマン、バサギリが該当する(具体的な生息地は不明だが、ガーディやウインディもどこかで細々と生き残っている模様)。ある土地でもヒスイのすがたの御三家の出現やビリリダマ、ヌメイルの大量発生も確認されている事から、今後も調査や研究が進めば、ヒスイの固有種の再発見があるかもしれない。
逆に、科学文明ありきの工業系ポケモンや人工ポケモン、化石ポケモンなどは時代背景からしてまだ存在していない模様(作品中にはアルセウスフォンが登場するが、これは機械というより神器であり、通信に使われる通信塔(鉄塔)的な建造物も当然存在しない)。
一方、各地では現在のアローラ地方を思わせる"時空の歪みや裂け目"なる現象が発生しており、ごく稀に異なる時代の人間やポケモンが迷い込む事例も確認され、その逆も起こっているらしい。
また人々の間では、現在を尊び時の神を信仰するコンゴウ団と、土地を尊び空間の神を信仰するシンジュ団という二つの派閥が設立されており、思想の違いから時には対立する事も。
その中で、不思議な加護による特別なポケモンたちのお世話をするキャプテンという役職も設立されている。
基本的に登場人物の出自に関しては「○○地方出身」という表現に留まり、国名や民族名や人種名が明示されていなかったシリーズにおいて、デンボクの口から自身やコンゴウ団・シンジュ団などヒスイ地方に生きる人々の総称として、(旧名ながら)初めて「日本人(アイヌ)」に相当すると思われる「カミナギのたみ」という呼称が語られている。
コンゴウ団やシンジュ団が便宜上の先住民族となっているが、実は彼らもまた古代にシンオウ地方に渡ってきた民族であり、それぞれが自らの正当性を強める為に「カミナギのたみ」を名乗ったに過ぎない(『ふるいポエム』より)。
彼ら以前には古代シンオウ人が『カミナギの町』と呼ばれる場所を中心に暮らしていたが、いつしか衰退してしまったという。また、上述のポエムの作者によれば『シント』に似た地域らしい。
なお、「コトブキ」「ミオ」「帳(とばり)」など、現代のシンオウにも存在する地名が多く登場するが、その位置が現代のシンオウと一致しているとは限らない点には注意が必要。
わかりやすいのが群青の海岸内の帳岬(とばりみさき)であり、「トバリ」と名はついているが当時から今まで位置が変わっていないであろう戻りの洞窟から見て東南東の方角に位置しており、明らかにトバリシティとは位置が異なる。
BGMの扱いも同様であり、黒曜の原野の奥の森ではハクタイの森のアレンジBGMが流れるが、シンジ湖や周辺の海との位置関係から見てこの場所がハクタイの森であることは有り得ない。
考察を行う際には、当時からほとんど位置が変わっていないと思われる三つの湖や戻りの洞窟、槍の柱(シンオウ神殿)を起点に考えるのが恐らく最も妥当であろう。
現代のバトルゾーンを除いたシンオウ地方本土で野生出現する種の中で、ヒスイ時代に確認されていない種は以下の通り(『プラチナ』のシンオウ図鑑/全国図鑑基準。『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』の地下大洞窟はカウントしない)。
以下のポケモンはホウエンやカントーといったヒスイよりも暖かい地方に生息するポケモンが多く、その総数もヒスイ時代と比べて遥かに膨大であり、ヒスイ時代と比べて気温が暖かく、他地方のポケモンにとっても住みよい環境に激変した事をうかがわせている。
彼らがどのようにして定着したかは不明だが、海を移動できるみずポケモンや翼を持つ鳥ポケモンが定着した理由は容易に想像が付く。ミルタンクのように人の生活に密接に関わっている種や元ネタからして外来種の匂いしかしないヘイガニなど人為的に定着したと思しき種もいくつか確認できる(過去にも人間の生活を手伝う為に連れてこられた種が定着した例があり、そうでなくてもおそらく勝手に船で乗り込んできてしまった例もある)。
意外にもフクロウモチーフのホーホー族はヒスイ時代からの在来種というわけではないのである。
もしくは現代ほど開拓されていなかった為にヒスイ時代には確認されていなかったという事もあるのかもしれない。
それにしては『赤・緑』から『ダイヤモンド・パール』のポケモンで統一されているが、これは大人の事情という他ないだろう。
この他、通常プレイではロコンやリングマに出会えないが、ダブルスロットを使えば出現する辺り、細々と生き残っている模様。
また、『赤・緑』から『ルビー・サファイア』までの化石は技術の進歩に伴い後世になってから初めて発掘されている他、サンダー・ファイヤー・フリーザー(通称「三鳥」)も現在の環境になってからシンオウに来訪している。
なお、レジ系の眠る洞窟はヒスイ時代には確認できず、いつ建造されたのかは不明(単に見つかっていないという可能性もありうるが)。
水上/釣り
ダブルスロット/ポケトレ
大量発生
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