機動戦士ガンダムSEEDFREEDOM
きどうせんしがんだむしーどふりーだむ
決められた運命か、あらがう自由か―――
私の中にあなたはいます。あなたの中に私はいますか?
憎しみの連鎖が絶えない世界
交錯する―――それぞれの正義
人は争う―――
「自由」と「正義」という名の剣が今、舞い降りる
未来をつかむ自由の翼。
概要
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの劇場アニメ作品。
2024年1月26日公開。バンダイナムコフィルムワークスと松竹の共同配給。
『SEED DESTINY』の最終話から1年後のC.E.75年が舞台。
日付についての言及はほぼないが、既出キャラクターの生年月日と作品内での年齢からの逆算、および劇中でデータが映った際の日付を見るに、映画本編は5月上旬~中旬にスタート、最終決戦は25日に起こった出来事と考えられている。それを立証するかのように、「桜が開花している=春頃」とする描写がある。この他、5月18日生まれのキャラクターの年齢が設定では『DESTINY』(C.E.73年10月)と比べて1歳しか上がっていないものの、作中後半では5月24日の出来事が描写されていることも理由として挙げられる。なお、特別上映版にて追加されたエピローグカットでは日付がC.E.75年5月30日と明記されており、少なくとも6月に跨ることはない模様。
タイトルロゴは前作の『SEED DESTINY』に倣う形で『機動戦士ガンダム S FREEDOM』となっている。
劇場版の制作発表は『DESTINY』の放送終了から約半年後の2006年の5月であり、映画公開に至るまでに(歴代のガンダムシリーズ映画作品の中では最長の)17年8ヶ月を要している。
本来は『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』や「SEED SUPERNOVA」内の「たねきゃら劇場」等と同じく、『"X" plosion GUNDAM SEED』プロジェクトの一環として企画されたが、メイン脚本家だった両澤千晶氏の闘病や死去(2016年に他界)等の影響で製作が滞っており、2009年を最後に製作に関して大きな言及も無く事実上の凍結状態になってしまっていた。しかし、シリーズ20周年を記念して立案された「GUNDAM SEED PROJECT ignited」の中で(劇場版の)制作再開が決定したため、情報が公開される運びとなった経緯を持つ。
脚本は両澤氏が生前書き上げた構想を元に、夫でシリーズの監督でもあった福田己津央氏と、SEED・DESTINYの両作で小説版を手掛けた後藤リウ氏の共同で制作された。
機動兵器の戦闘シーンは基本的にCGで描かれているが、一部モビルスーツの戦闘シーンに限り、従来通りの2D作画も使用されている。
劇場版の公開に合わせて、『SEED』と『DESTINY』のストーリーを再構成した総集編「スペシャルエディション」のHDリマスター版も、2023年8月~11月に2週間限定で劇場公開された。
1月26日の公開から5月22日までに観客動員数288万人、興行収入48.2億円を突破。動員数の伸びは2024年最速記録で、興行収入は1982年公開の「めぐりあい宇宙」の23億円を2倍以上も抜いてシリーズ過去最高額を記録、シリーズ最高の大ヒットと相成った。
2月26日に監督は両澤氏作の初期プロットの冒頭の見出し部分が公開された。
『愛されなければ価値がないのか』
福田己津央・両澤千晶
価値がなければ愛されないのか。 だとしたら、この生命の意味は何処にある。
「君には世界を平和にする事なんか出来ない。彼女を幸せにする事も出来ない」 オルフェ・ラム・タオ
「人は必要から生れるものではありません! 愛から生れるものです!」 ラクス・クライン
「僕は彼女の価値を愛しているわけじゃない。彼女を愛してるんだ。その全てを」 キラ・ヤマト
“命は必要から生まれるものじゃなく、愛から生まれるんだ”ってことがテーマです。両澤のプロットにも、一行目にそれが書かれていて。コーディネイターとか、ナチュラルとか、デスティニープランとか関係ない。命は作るものじゃなく、生まれるものだと。それが最終的な『SEED』世界の結論です。(アニメージュ2024年4月号)
2024年3月には、東京ビッグサイトで開催された『AnimeJapan2024』に出展している。
全国規模での上映は2024年5月23日に終了したが、現在も一部劇場(主に松竹グループが所有している劇場)では発声が可能な応援上映を中心に続けられている。
2024年6月8日からNetflixとAmazonプライムビデオで配信開始。
2024年12月25日にBlu-ray、DVDが発売予定。
通常版のほか、Blu-rayは「4K ULTRA HD」、二人の逃避行と月光のワルキューレに新規書き下ろし小説とそれらのドラマCDや特典映像などが多数付属した「特装限定版」、それに加えてリミテッドクリア版HGマイティーストライクフリーダムガンダムやコンテ集などといった更なる特典が付属した「Mighty Edition」がA-on STOREおよびプレミアムバンダイで数量限定生産で発売される。
2024年8月26日、特別版の上映が発表された。この特別版は、Blu-rayにも収録される約500カット以上をアップデートした映像に、劇場限定公開のエピローグカット(第1弾と第2弾で異なる)も付いたものとなっている。上映期間は第1弾が9月20日~10月3日、第2弾が11月1日~11月14日である。このうち、公開済の第1弾は好評につき、一部劇場で公開の延長が発表されている。
上記の特別上映により、第1弾公開中の9月26日には通算で観客動員数300万人、興行収入50億円を突破した。
特別版第2弾の公開初日には、本作の前日譚となる『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM ZERO』の制作が発表された。
あらすじ
C.E.75、戦いはまだ続いていた。
独立運動、ブルーコスモスによる侵攻……
事態を沈静化するべく、ラクスを初代総裁とする世界平和監視機構「コンパス」が設立され、
キラたちはその一員として各地の戦闘に介入する。
そんな折、新興国「ファウンデーション」から、ブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案される。
(公式サイトより)
登場キャラクター
※太字は新規キャラ。尚、公式サイトに掲載されていないキャラクターも多数登場しており、声なしでのカメオ出演の場合も多い。
- キラ・ヤマト(CV:保志総一朗)
- ラクス・クライン(CV:田中理恵)
- シン・アスカ(CV:鈴村健一)
- ルナマリア・ホーク(CV:坂本真綾)
- マリュー・ラミアス(CV:三石琴乃)
- ムウ・ラ・フラガ(CV:子安武人)
- アーノルド・ノイマン(CV:千葉一伸)
- ダリダ・ローラハ・チャンドラII世(CV:鳥海勝美)
- ヒルダ・ハーケン(CV:根谷美智子)
- ヘルベルト・フォン・ラインハルト(CV:楠大典)
- マーズ・シメオン(CV:諏訪部順一)
- アグネス・ギーベンラート(CV:桑島法子)
- アレクセイ・コノエ(CV:大塚芳忠)
- アルバート・ハインライン(CV:福山潤)
- アーサー・トライン(CV:高橋広樹)
- アビー・ウィンザー(CV:戸松遥)
- コジロー・マードック(CV:田中美央)
- ヴィーノ・デュプレ
- マッド・エイブス
- リオ・マオ(CV:鎌倉有那)
- ヒメコ・ユリー(CV:白石晴香)
- オリビア・ラスカル(CV:高橋ミナミ)
- ジェミー・トンプソン(CV:漆山ゆうき)
- ヒカル・ハヤテ
- ユウ・キリシマ(CV:大野智敬)
- ジム・ライアー
- ドロシー・ブリストル
- マーカス・マグダネル
- ピンク(CV:三石琴乃)
- ネイビー(CV:子安武人)
- トリィ(CV:???)
- ブルー(CV:???)
- カガリ・ユラ・アスハ(CV:森なな子)
- トーヤ・マシマ(CV:佐倉綾音)
- エリカ・シモンズ(CV:柳沢三千代)
- サイ・アーガイル
- ミリアリア・ハウ(CV:豊口めぐみ)
- レドニル・キサカ(CV:千葉一伸)
- アマギ(CV:千葉進歩)
- イケヤ
- ゴウ
- ニシザワ
- イザーク・ジュール(CV:関智一)
- ディアッカ・エルスマン(CV:笹沼晃)
- ワルター・ド・ラメント(CV:藤真秀)
- ハリ・ジャガンナート(CV:江頭宏哉)
- シホ・ハーネンフース(CV:大本眞基子)
- エザリア・ジュール(CV:三石琴乃)
- アイリーン・カナーバ
- アンドリュー・バルトフェルド
- マーチン・ダコスタ
新興国 ファウンデーション
- アウラ・マハ・ハイバル(CV:田村ゆかり)
- オルフェ・ラム・タオ(CV:下野紘)
- シュラ・サーペンタイン(CV:中村悠一)
- イングリット・トラドール(CV:上坂すみれ)
- リデラード・トラドール(CV:福圓美里)
- ダニエル・ハルパー(CV:松岡禎丞)
- リュー・シェンチアン(CV:利根健太朗)
- グリフィン・アルバレスト(CV:森崎ウィン)
その他
以下は過去作のものを流用した回想シーンのみの登場。
登場メカ
既存MS・MA
既存機体の改修・改良型も含まれる。
用語・組織
アウラ・マハ・ハイバルが代表を務める新興国家。
アウラ・マハ・ハイバルが作り出したコーディネイターを越えたデザイナーベビー。
ファウンデーション王国が開発した新型装甲。
- 新型融合炉
モルゲンレーテ社が実験用のMSで試験的に導入している新型動力。名前は核融合炉に似ているが、詳細は不明。なお、MS開発黎明期のC.E.69年にMS用の小型核融合炉の開発も行われているが失敗に終わり、本編から2年前のC.E.73年まで実現出来ていなかった。
小説版
本作のノベライズ版。全2巻(上下巻)。キャラの心理描写がより深く掘り下げられ、一部説明不足な部分に補完がされている(まあ知らない単語が映画以上に出るので、逆に謎が増える場面もあるのだが)。基本的に劇場版と内容は同じだが描写が異なる部分もあり、著者の後藤リウ氏は2024年5月号のガンダムエースにて「こういうオリジナルシーン入れます」と監督に話すことはあったが「いいんじゃない?とだいたい自由にやらせて頂きました」と答えている。表紙及び挿絵は小笠原智史氏が担当。
余談
- 従来のシリーズに出演していたキャストは基本的に続投。『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュで知られる関智一氏は本作が劇場版のガンダムシリーズでは初出演となり、『ΔASTRAY』のアグニスや『STARGAZER』でソルを演じた福山潤氏や、キラとカガリの実母を始め、演じたヒロインがとんでもない運命を背負うことで有名な桑島法子氏も新キャラで参戦している。
- 一方、従来のTVシリーズでカガリを演じていた進藤尚美氏が降板している。制作サイドも「関係各位で話し合いを重ねた結果」と言葉を濁しており、明確な理由は明らかになっていない。そのためか、同キャストが担当していたこのキャラクターも声無しでの出演だった。ちなみに、同キャストが演じたトリィの代役を担当している声優は未だ不明のまま。
- アビー役も(カガリと同じような都合で)根谷美智子氏から戸松遥氏(『00』ミレイナ・ヴァスティ、『UC』ミコット・バーチ役)に変更されているが、根谷氏はヒルダ役としても出演しており、今回は(前作と比べて出番が増えた)ヒルダ役に専念したものと思われる。
- マードック役は中嶋聡彦氏が2017年に逝去している為、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でリュウ・ホセイを演じた田中美央氏が引き継いだ。
- 過去作では重要な役割を果たしたアンドリュー・バルトフェルドも声なしだったり(登場シーンはある)、アル・ダ・フラガのクローン系は登場しなかったため、置鮎龍太郎氏と関俊彦氏の出演はなかった。
- SEEDシリーズ以外のガンダムシリーズからは、『機動戦士Zガンダム』のヤザン・ゲーブル、『機動武闘伝Gガンダム』のチボデー・クロケットなどを演じた大塚芳忠氏、『機動戦士ガンダム00』のグラハム・エーカー(ミスター・ブシドー)、『機動戦士ガンダムサンダーボルト』のイオ・フレミングなどを演じた中村悠一氏、『機動戦士ガンダムUC』のタクヤ・イレイを演じた下野紘氏、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』におけるフラウ・ボゥを演じた福圓美里氏が出演する。
- このうち、新キャラのコノエ役で出演している大塚氏は、かつて福田監督と大河原邦男氏が制作に参加してSEEDシリーズの登場MSに影響を与えた『機甲戦記ドラグナー』にてドラグナー2型のパイロットを務めるタップ・オセアノを演じており、ドラグナー系のパイロットの声優が初めてSEEDシリーズに出演することとなった。
- アウラ役の田村ゆかり氏は『機動戦士ガンダム第08MS小隊』でフラナガン機関から脱走した少女(役名は女の子C)を担当して以来、久々のガンダム作品への参加となる。
- イングリット役の上坂すみれ氏は過去にガンダムのゲームに出演しているが、ガンダムの映像作品には本作が初参加となる。
- グリフィン役の森崎ウィン氏はガンダム作品に参加するのは本作が初となるが、映画『レディ・プレイヤー1』でガンダムに変身する役を担当していた。逆にSEEDシリーズでは恒例となっていた西川貴教氏の新キャラ投入による声優としての参加は無く、今回は主題歌担当に専念している。
- 役名未表記だが本作に参加した楠見尚己氏は公開当時で69歳のベテラン俳優/声優で、ガンダムシリーズではゴップ(ORIGIN版/ククルス・ドアンの島)、バンクロフト(機動戦士ガンダムUC)、ベンジャミンV2ガンダム(SDガンダムワールドヒーローズ)等を演じていた。
- その他の役名未表記のキャストの中には、洲崎綾氏など他のアニメなら主役級のキャラを演じる声優が登場していたりする。
- キャラクターや演出はTV放送時のものが意識されている。
- メインスタッフも同様に当時の面子が揃っているが、経年のためかデザインの変化(例として、女性キャラクターの口元の造形を強調している点)が見られる。
- モビルスーツの描写は『閃光のハサウェイ』と同様にCG処理が行われているが、随所でアニメーション作画となっている。
- SEはビームライフルを除き20年前とほぼ変わらないものとなっている。
- 「盾の所持に説得力を持たせるため」として採用されていたビームサーベル同士は干渉できない(=鍔迫り合いはできない)という設定のために、過去にHDリマスターにあたり新規作画された事があったが、今回の映画では絵面の良さを重視したのか無視されており、多数の鍔迫り合いを披露している。
- 第1弾PVではファーストコーディネイターのジョージ・グレンが発見した地球外生命体として知らされる宇宙クジラの化石『エヴィデンス01』やキラ達が所属する新たな軍事組織と謎の新たな勢力の名前が確認されており、本作では宇宙クジラの謎に関する伏線が回収されるのではないかという推察が出ていた。
- しかし、本編では「宇宙クジラの化石のレプリカ」が出てきただけで物語には一切関わらなかった。
- 第2弾PVでは本編のあらすじが紹介されて続編を含む『新機動戦記ガンダムW』シリーズをモチーフにするような要素が見られ、キラの行く末が非常に心配になる描写が多く、キラの闇堕ちやアークエンジェル轟沈の危機という不吉な予想がされる一方、キラのパワーアップイベントと誰かからの救助の可能性も指摘されている。
- 第3弾PVでは登場MSの活躍が描かれ、無印のオノゴロ島におけるストライクダガーとの交戦を彷彿させ、本作の新キャラであるオルフェ・ラム・タオが重要人物であることに注目を浴びる。
- 第4弾PVではラクスの告白から始まり、SEEDシリーズではお馴染みの西川貴教氏とTM_NETWORKのメンバーとして活躍したあの小室哲哉氏のタッグによる主題歌「FREEDOM」が初披露。ライジングフリーダムのハイマットフルバーストをはじめとする各機体の活躍とコンパスのメンバーを中心とする登場人物の魅力が更に描かれた。同時に勢力図やあらすじも公開されたため、様々な憶測が生まれている。
- 本予告では、どこかの街へと放たれたGLCM Mk72巡航戦術核ミサイルによる混乱やコンパスとファウンデーションの敵対が描写され、窮地に陥るイモータルジャスティスやライジングフリーダムの様子が描かれている。
- これまでのガンダムシリーズとは異なり、インパルスSpecⅡを除く作中後半に登場の一部モビルスーツ群は実際に劇場公開されるまで情報が一切伏せられたブラックボックス状態にされるという措置が取られた。その流れなのか、「FREEDOM」のCD完全生産限定盤特典の「HGフリーダムガンダム[ポラライズドクリア]」も見本画像すら公開されず発売まで詳細が一切明かされなかった。
- 劇場公開後の新予告では、See-Sawが歌うエンディングテーマ「去り際のロマンティクス」が流され、ストライクフリーダム弐式・インフィニットジャスティス弐式・デスティニーSpecⅡといったDESTINYの終盤に登場するガンダムタイプの改修機の登場が描かれている。
- 上記機体以外にも、本作では「SEED」「SEED DESTINY」で生存したキャラクターの完全破壊までには至っていないメカニックの大半の『その後』が明らかになっているのも特徴。爆散して失われたというレベルでもない限りは酷い損傷を受けたものでも本作では修復されて登場しており、例外なのはガイアとドムトルーパー、ムラサメ(バルトフェルド機)ぐらいである。
- 2023年末のももいろクローバーZ主催の年越しイベント『ももいろ歌合戦』では「ナチュラルにコーディネートされた歌合戦メドレー(種明かしは当日に)」というどう見てもSEEDシリーズを意識した特別企画が開催。企画前に同映画の宣伝が流れた後、SEEDシリーズの主題歌を担当してきた玉置成実氏とT.M.Revolutionがステージに立った他、森口博子氏がカバーという形で「あんなに一緒だったのに」、さらにHDリマスター版のエンディングではカットされてしまった石井竜也氏の「RIVER」までもが披露された。
- ももクロは活動のごく初期にSEEDのOP3「Believe」(原曲は玉置氏)をカバーしているという点で繋がりがあり、同カバー版はライブでも長らく定番曲となっているので、ももクロのファンからの知名度は高い。
- T.M.Rが披露したのは初代OPの「INVOKE-インヴォーク-」ではなく、劇中歌の「Meteor-ミーティア-」だったが、同映画では20年以上の歳月を越えてクライマックスシーンで使用されており伏線となっていた。
- T.M.Revolutionから2010年に発売されたアルバム『X42S-REVOLUTION』に収録された楽曲『Imaginary Ark』はガンプラ30周年記念楽曲として発表されているが、元々は凍結前の劇場版の主題歌として用意していたと噂があるが真偽は不明(一応、2010年のアニメージュのインタビューで西川氏本人が当曲が収録されたアルバム自体を指して「劇場版公開のタイミングに合わせてリリースしたかった」という発言をしている)。なお、このアルバムの限定版に付属したガンプラが、後に各種ゲームにも登場し限定ガンプラとしても定着するハイネ専用デスティニーガンダムである。
- 同劇場版の公開に合わせて、長年絶版だったSEEDシリーズのガンプラが一斉再販されている(一例としてHGアビスガンダムは7年ぶりの再生産がされた)。ガンプラだけにとどまらずこちらも長年入手困難だったドラマCD「機動戦士ガンダムSEED SUIT CD」シリーズやサウンドトラックも品番を変更しての一斉再販となった。
- ガンダムベース東京にて、SNS投稿・ガンプラコンペティション参加・ビルダーズノート投稿の3つのミッションに参加して宇宙要塞メサイアの同劇場版公開までのネオ・ジェネシスと公開後~3月中旬までのレクイエムの発射阻止と破壊を達する劇場公開記念・ガンプラ3大キャンペーン・ミッション企画「SEEDガンプラミッション」が2023年11月20日から行われ、(結果的に)ネオ・ジェネシスとレクイエムの破壊は成功した。
- 2015年に東京の上野で開かれた「大河原邦男展」で、大河原氏本人から「劇場版SEED用のモビルスーツのデザインはすでに完成している」事は明かされていた。この頃は劇場版製作が再開するかどうかすらも怪しく、また大河原氏も高齢のため、氏の没後に日の目を見るか、最悪の場合、永遠にお蔵入りになる危機さえあったが無事公開に漕ぎ着け、氏のデザインしたモビルスーツ群は無事に日の目を見る事となった。
- 約18年も間が開いてしまった本作だが、原作が約20年前なのでMBSの版権が切れていたためテレビ局のプロデューサーの意見に左右されず自由に製作出来る環境だった点、HDリマスター製作やYoutubeチャンネルやサブスクなどの解禁で容易に視聴できるようになったことでリアルタイムでは批判的だった作風が再評価される機会があった点、ストライクガンダムをベースとするビルドストライクガンダムを主役とする『ガンダムビルドファイターズ』が制作された点、バーザムショックの影響でSEEDシリーズの量産機もガンプラ化されそれらが好調に売れた点、『閃光のハサウェイ』の大ヒットからも2020年代でのガンダムシリーズ劇場版は興行収入で飛ぶ鳥を落とす勢いで好調だった点と1981年における劇場版ガンダムでは一切カットされた『ククルス・ドアンの島』がTHE ORIGINをベースに映画化された点など却って公開が延びたおかげで追い風になった事案も複数あり、これらの要素が本作の大ヒットにも繋がったと言える。
- 同映画公開の一週間後には『仮面ライダー555』の正当な続編『パラダイス・リゲインド』が公開されたが、公開時期のみではなく555原作も無印(2002年10月5日~2003年9月27日)と放送開始時期が近くて(2003年1月26日 555スタッフも『同期』と強調している)DESTINYに影響を与えたため、トークショーでも出演者がSEEDの名前を頻繁に上げて強い対抗心を燃やしている発言をしていた。(SEEDと555では劇場版完成に至る経緯が全く異なるため、公開時期が重なったのはたまたまである)
- 公開後40億突破した際に公式がSNSに記念動画を投稿した。内容はピンクハロの中からズコック、の胴体からジャスティス弐式、最後に40億突破を祝う垂れ幕を掲げ持ち虚無のような顔をしたアスラン(クラッカーの音と共に舞い散る紙吹雪付き)が順番に登場するという三段構えになっている。もはや公式もアスランをおもちゃ扱いにしていることを隠そうとはしていない。
- 劇場版の制作発表が発表された翌年の2007年(事件が起きたのは前年の12月)にガンダムシリーズにも密接に関わっていた声優事務所アーツビジョンの当時の社長であった松田咲實氏がオーディションの受講者だった16歳の少女にオーディションの合格を条件にわいせつ行為を働き、逮捕・書類送検される事件が発生しており(後に不起訴処分になった。松田氏はこの不祥事の責任を取りアーツビジョンやアイムエンタープライズの社長を辞任した)、この騒動を重く見たサンライズからは 「劇場版SEEDには既に登板済みの者を除き、アーツビジョンからは採用しない」 という通達が出ていた。実際、本作でも新規ネームドキャラにはアーツビジョンからの声優は全く起用されておらず、代わりにアイムエンタープライズ勢の起用が目立っている(あくまでも劇場版SEEDに限った話で、以降のガンダムシリーズにもアーツビジョン勢は参加している)。
- 本作では、前作『DESTINY』の最新鋭MSたちが、わずか1年で『旧式』扱いされている。
- しかし、第1次連合・プラント大戦が開戦したC.E.70から『FREEDOM』のC.E.75までにおける、モビルスーツ開発のインターバルの無さを考えればそれほどおかしな事ではない。『SEED』の頃には、登場からほぼ1年で旧式へ型落ちしている機体(ゲイツに対するシグーなど)が存在しており、そのゲイツも2年後にはザクウォーリアの登場でかなり影が薄くなっていた。コズミック・イラにおけるMSの世代はとっくの昔から爆速で進んでいる。
- もっとも、コンパス所属で明確な新型と言える機体は、試験運用中のライジングフリーダムガンダム、イモータルジャスティスガンダム、ゲルググメナース、ギャンシュトロームの4機種と、ファウンデーション王国のアコード専用ハイエンド機であるブラックナイトスコード(MS)各機のみで、残り全てのMSは前大戦以前からそのまま、あるいは改修して使用されている。そのため、実情から言うと劇中で旧式扱いされた機体は言葉ほどには旧式感は感じさせない部類と言える。
- 旧式どころでは済まなそうな(C.E.最初期の)量産型MSであるジンも、『旧式』発言をしたアコード達側の戦術の根幹を成す戦力として用いられていた。彼らの性格を鑑みると、旧式という発言は威勢を張る一環としての側面もあったのだろう。
スタッフ
主題歌
オープニングテーマ
『FREEDOM』
作詞・作曲:小室哲哉
従来のSEEDシリーズで多くの曲を歌ってきた西川貴教氏は本作の主題歌の担当も大本命であろうと予想はされてきたが、従来のT.M.Revolution名義ではなく、まさかの小室哲哉氏と初タッグという形態になった。
小室氏がガンダムシリーズ主題歌を担当するのは『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』の『BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を超えて)』(TM NETWORK)以来実に約36年ぶり。サンライズ作品としては『劇場版シティーハンター 天使の涙』の『Whatever Comes』(同じくTM NETWORK)から約半年ぶりとなる。
挿入歌
『望郷』
歌:中島美嘉
作詞・作曲:小室哲哉
『SEED』の第4クールエンディングテーマ「FIND THE WAY」を担当した中島美嘉氏が担当。
歌:T.M.Revolution
作詞:井上秋緒
作曲:浅倉大介
『SEED』中盤における、アラスカ基地でのフリーダム登場シーンなどで使用された楽曲で、本作では終盤のとある場面で原曲のまま使用された。
エンディングテーマ
歌:See-Saw
作詞:石川智晶
作曲:梶浦由記
本作のエンディングは、『SEED』の前期エンディングテーマ「あんなに一緒だったのに」や『DESTINY』の第4クールエンディングテーマ「君は僕に似ている」を担当したSee-Sawが担当。See-Saw名義としては実に約19年ぶりの新曲となる。
入場者特典
第1弾(1月26日~2月1日)
- 後藤リウ氏書き下ろしの短編小説(ランダム全2種)
- 機動戦士ガンダム アーセナルベースプロモーションカード(ランダム全2種)
第2弾(2月2日~2月8日)
- ミニ設定冊子
第3弾(2月9日~2月15日)
- コマフィルムvol.1(絵柄ランダム(※1))
- コマフィルムvol.2(絵柄ランダム(※2))
第4弾(2月16日~2月22日)
- キャラ&メカスタンド(ランダム全3種)
第5弾(2月23日~2月29日)
- 原画イラストカード
第6弾(3月1日~3月7日)
- たねきゃらステッカー
第7弾(3月8日~3月14日)
- 特製ボールペン
第8弾(3月15日~3月21日)
- 原画缶バッジ(ランダム全4種)
第9弾(3月22日~3月28日)
- キャラクターIDカード(ランダム全5種)
第10弾(3月29日~4月4日)
- 書き下ろしスペシャルイラストカード+短編小説「二人の逃避行」(※3)
第11弾(4月5日~4月11日)
- 原画イラストカード vol.2+短編小説「月光のワルキューレ」(※3)
第12弾(4月12日~4月18日)
- コマフィルムvol.3(絵柄ランダム)
第13弾(4月19日~4月25日)
- コマフィルムvol.1~3 復刻vol.(絵柄ランダム)
第14弾(4月26日~5月2日)
- セカンドキービジュアルイラストカード
第15弾(5月3日~5月9日)
- 47都道府県ご当地ビジュアルポストカード(ランダム全47種)
第16弾(5月10日~5月16日)
- 特製フォトカードセット
第17弾(5月17日~5月23日)
- アフターカットフォトカード(ランダム全3種)
イラストは福田己津央監督が手掛けたコンテを元に平井久司氏が描きおろされた。
特別版上映第1弾(9月20日~10月3日)
- オリジナルミニクリアファイル
特別版上映第2弾(11月1日~11月14日)
- イラストシート
(※1)通常上映のみ。
(※2)4DX・MX4D・Dolby Cinemaのみ。
(※3)再配布。