概要
電車でDとは同人サークル○急電鉄の頒布する同人誌および、それらを原作として同人サークル地主一派が制作する同人ゲームである。タイトルから見ても分かるとおり「頭文字D」を鉄道に置き換えたパロディ作品となっており、主人公たちは鉄道車両を操ってライバルと競走する。
本作での運転を現実の鉄道でマネすることは(明らかに)不可能だが、鉄道模型で再現しようと試みる者もおり、某模型店の貸しレイアウトではその手の運転を禁止する注意書きまで掲示されたほど。
2014年の新劇場版公開に際して開催されたイベント「新劇場版『頭文字D』Legend1-覚醒-公開記念86“超”夏祭りin Daiba at MEGA WEB」では、コミックマーケット86でポスターが展示され、「頭文字D」と「電車でD」の競演が実現した(講談社了承済)。
登場車両、路線等
登場する列車などはほぼ全てが実在するものかあるいは実在するものをモデルとしたものであるが、○急電鉄および地主一派等と実在する鉄道会社との間には一切関係はない。
当初は阪急、近鉄、京阪などの関西圏の私鉄路線が多く登場していたが、ストーリーが進むにつれて京急、名鉄、東武など関西圏以外の車両が多く登場するようになった。
原則としてバトルは私鉄同士に絞っており、JR車両が登場した例はオリジナルストーリーの223系(覆面仕様)、小柏カイが乗るJR四国2000系、東京から来た二人が乗るE233系のみである。
詳細は当該項目を参照。
現実的でない点
実際の鉄道では軌間だけでなく車両の規格も会社によりバラバラであり、本来なら走行すら困難な組み合わせであってもまず無視される。
初期のころは近鉄から阪急宝塚線(当時は阪神なんば線が未開業で近鉄と阪急は線路が繋がっていない)にやってきた中里毅が「どうやって来たかも分からねぇ」とツッコむなど軌間・車両規格の事情にツッコミを入れる一コマがあった。
複線ドリフトや土讃線スペシャルラインなどそもそも物理法則に逆らうような動きも存在し、最早現実的な箇所を探す方が難しいと言える。
原作と違い不条理ギャグ漫画的な一面もあり、特に初期の回は不条理オチや夢オチも多かった。
ゲーム版ではカットされているため目立たないが前後編の前編のオチも不条理なものが多い。
とにかく細かい事は気にしたら負けである。
ゲーム化
同人サークル地主一派が同人誌を原作とした同人ゲームを発売している。
同人誌では紙面の都合で省略されてしまったシーンの補完や時代の変化に伴い好ましくなくなったシーンの差し替えなどが行われている。
- 電車でD LightningStage(1話〜4話までとプラスなどを収録)
- 電車でD BurningStage(5話〜10話まで収録)
- 電車でD ClimaxStage(11話〜19話まで収録)
- 電車でD RisingStage(20話〜31話まで収録)
- 電車でD ShiningStage(32話~43話まで収録)
どの作品も本家(テレビアニメ版)同様ユーロビートをゲーム中のBGMとして使用しており、Sugano Music、EUROBEAT UNION、BrightsideTwinsなどが手掛けている。
オープニングテーマは全作品¥Cuスタ平が歌唱している。
ゲーム版はストーリーが同人誌の発行に追いついたことからRisingStageからShiningStageまでは発売に7年の開きがあった。
登場人物
概ね原作(?)の頭文字Dの登場人物を受け継いでいるが、所属する鉄道会社の関係で元ネタとは関係性が異なっている人物もいる。
一例としては小柏カイがJR四国の運転士になっている関係で特にエンペラーとの関係が明言されていない。
そのほかにも一部原作に登場しないキャラクターがいる。
スルッとKANSAIの公式マスコットキャラクター。
初登場は第6話高橋啓介VS中里毅。中村賢太が藤原拓海を相手にレインバトルを申し込もうとした時に間違って指名されかけた。その後もちょいちょい登場している。
- パスットさん
パスネットのマスコットキャラという扱いになっている電車でDオリジナルキャラ。拓海とのバトルに敗北した須藤京一にお仕置きを仕掛けた。
キャラデザは「CosmicBatonGirlコメットさん☆」のメテオさんのものを(口癖などを含めて)ほぼそのまま流用している。
20話~23話にてスルットちゃんと戦った名古屋の怪物もといマスコットキャラたち。
東武鉄道お客様センターのオペレーター。元ネタはそのまんま東武鉄道お客様センターの公式イメージキャラ。
- 特務スマイルスタッフ「ラ・ガール」
上牧水無瀬、清荒神雲雀、凪川御影の3名で構成。メンバーの名前の元ネタは阪急の駅名。キャラデザは「絶対可憐チルドレン」の主人公3名そのまま。
ラ・ガールの名前の由来は阪急電鉄のプリペイドカード「ラガールカード」。
それぞれ阪急電鉄、東京急行電鉄の実質的創業者。実在した人物…のはずだが、なぜか「北斗の拳」っぽく描かれている。
東武鉄道の当時の社長(2023年より会長)。東堂塾の塾長として登場したが、なぜか「魁!男塾」風に描かれている。
50巻に登場。原作の土坂編に登場する元暴走族のゴロツキたちに相当する。キャラデザは「きんいろモザイク」の主人公5名そのまま。
- 西武鉄道沿線のギャラリー
原作のアニメ版におけるパープルシャドウ戦ではm.o.v.eの3名がギャラリーとして登場したが、本作では西武沿線にゆかりのあるアニメ作品のキャラクターがギャラリーとして登場する。
57巻に登場。居眠りをしてしまい彼にとって知らない駅である西武柳沢駅で下車する。キャラデザは「孤独のグルメ」の主人公そのまま。
- ミスター
「電車でD Plus」に登場。クモル145の荷台に乗って現れた。
- タクミさん
「拓ちゃんの電車バトル教室」に登場した、藤原拓海の裏人格。
性格と両肩の「チャームポイント」の元ネタは「すごいよ!!マサルさん」の花中島マサル。
登場車両一覧
ゲーム版のみの登場車両も含む。
阪急電鉄
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
2000系(初代) | 藤原拓海 | 8(4+4) | 須藤京一とのバトルに敗北後電動機を換装して性能を大幅強化している。 |
2300系(初代) | 藤原拓海 | 7 | Plusで運転。各駅停車だったが223系に煽られてバトルになった。 |
2800系 | 秋山渉 | 8 | 本来の2800系は4M4T(4+4)だったが全電動車化されている。 |
7000系7001F(マルーンスター) | 高橋涼介 | 8 | 車体前面および側面に銀帯を巻いた専用車。 |
7000系7011F | 池谷浩一郎 | 8 | 通常塗装だが車体正面にスピードスターズのステッカーが貼り付けられている。 |
8000系8008F | 中村賢太 | 8 | |
8200系 | 高橋啓介 | 2 | 初登場時は実在しない8両編成だった。プロジェクトD編の途中からエアロパーツやウィングが装備された。 |
4050形 | 武内樹 | 3(6000系及び920系に併結) | 動力車は通常時は6000系、拓海がタクミさん化すると920系に変身(?)する。 |
近畿日本鉄道
京阪電気鉄道
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
800系 | 庄司慎吾 | 4 | |
8000系(一般車塗装) | 佐藤真子&沙雪 | 8 | 正面の鳩マークも鷹の絵に差し替えられている。 |
80形 | 庄司慎吾 | 2 | 本編未使用。阪急2000系と同時期の車両だったためとされている。 |
JR西日本
形式 | ドライバー | 編成両数 |
---|---|---|
223系2000番台(覆面新快速) | 覆面運転士 | 8 |
- ゲーム版未実装(ストーリーパートのみ登場)
京浜急行電鉄
JR四国
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
2000系2000GT | 小柏カイ | 8(2+2+2+2) | 中間4両にガスタービンエンジンを搭載。 |
南海電気鉄道
- ゲーム版未実装(ストーリーパートのみ登場)
- 20000系(涼介がバトルのオチで召喚しようとする)
阪神電気鉄道
名古屋鉄道
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
1000系パノラマHyper | 末次トオル | 4 | 走行性能が強化されているがその分冷房の効きが悪いらしい。設定上はバトル後に1200系に改造されている。 |
2000系 | 川井淳郎 | 4 | 実在しない2000編成。 |
東武鉄道
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
50000系51901F | 二宮大輝 | 10 | マスコンをツインレバー式に変更。 |
200系210F | スマイリー酒井 | 6 | 多段バーニア制御式大出力電動機に換装。 |
1720系(東堂塾デモカー) | 舘智幸 | 6 | 内装撤去などの軽量化を施し、走行機器を50000系と同等のものに換装。 |
- ゲーム版未実装(ストーリーパートのみ登場)
- ED5060形・ED5080形(スマイリー酒井敗北後に、大輝と酒井の前に現れた舘智幸が運転)
JR東日本
形式 | ドライバー | 編成両数 |
---|---|---|
E233系1000番台 | 東京から来た二人 | 10 |
- ゲーム版未実装(ストーリーパートのみ登場)
東京急行電鉄
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
5000系(2代)515R | 岩瀬恭子 | 8 | 黒を基調とした専用塗装。 |
5000系(初代) | 何者かに乗っ取られた秋山延彦 | 8 | 実際の5000系は8両編成での運用実績はない。 |
9000系 | 秋山延彦 | 8 | |
300系 | 坂本 | 2 | |
8500系 | 秋山渉 | 10 | 廃車になった編成から電動車を寄せ集めて全電動車化したという設定。 |
京成電鉄
形式 | ドライバー | 編成両数 |
---|---|---|
AE形(2代) | 会川=京成ランドの男 黒髪 | 8 |
3000形(2代)3090F | 一条=京成ランドの男 金髪 | (不明) |
西武鉄道
形式 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|
30000系3880S(レモンイエロー塗装) | 城島俊也 | 8 | 同人誌版のイラストはレモンイエローより金色に近い。 |
001系(赤塗装) | 星野好造 | 8 | Laviewではなくレッドアローのロゴが入る。 |
その他
形式 | 所属社 | ドライバー | 編成両数 | 補足 |
---|---|---|---|---|
デキ3号 | 銚子電鉄 | 藤原文太 | 1 | 何処からともなく現れた文太が使用する車両。シングルアームパンタ、双頭連結器、JR貨物の電気機関車のようなツインレバーの運転台などを搭載し大改造されている。ShiningStageで再登場した際はターボ(上り調子モード)の他に、「上り調子」発動中にもう一度スペースキーを押すと前部の排熱口が展開し「本銚子」モードが発動。 |
AE86 | 藤原模型店 | タクミさん | 1 | 車体側面には「藤原とうふ店(自家用)」ならぬ「藤原模型店(標準軌)」という文字が施されている。ShiningStageで再登場した際は阪急電鉄などの標準軌路線では「藤原模型店(標準軌)」、東急電鉄などの狭軌路線では「藤原模型店(狭軌)」に変化するようになっている。 |
X200(覆面阪急) | ???? | ???? | 8 | 回送中の拓海に突如バトルを仕掛けてきた謎の覆面列車。 |
1000形 | 水間鉄道 | 藤原拓海 | 2 | 電車でD20周年企画から派生して参戦。実はナイトキッズのモブとして水間鉄道の運転士が登場しているが本車の運転士としては採用されなかった。 |
ゆりかもめ7000形 | 東京臨海新交通 | ???? | 6 | 2014年のエイプリルフール企画「劇場版電車でD 東京MIDNIGHT」公開から6年越しに参戦。 |
1370形 | 神戸電鉄 | ???? | 4 | 2021年のエイプリルフール企画「新世代オープンワールド旅行 神鉄」から参戦。 |
- ゲーム版未実装(ストーリーパートのみ登場)
- EF58(5巻で真子が持っていたお手製のブロイマイドに登場。過去に覆面運転士が運転していた)
- M250系(14巻と38巻に登場。14巻の京急遠征では台車及び阪急2000系を輸送した。34巻では阪急2000系・阪急8200系の車両及び走行機器類を輸送した。阪急8200系を輸送した編成は電気連結器を搭載し改造されている。38巻では史浩が運転)
- 300系(PLUSと34巻に登場。PLUSでは上牧駅~水無瀬駅間で阪急2300系と併走する形で登場した。34巻では関西旅行から帰る恭子が乗車した)
- DF200(プロジェクトD京成遠征時に相手の罠で故障した啓介の阪急8200系の代車となった恭子の515Rを標準軌化改装のために総合車両製作所へ三重連で甲種回送した)
登場路線一覧
- 宝塚線(1,2,4,8,18-19,32,33話)
- 初期のころは三国駅が高架化されていないため「三国R100」という急カーブのある名所とされていた。ゲーム版では18-19話編では高架化されているがなぜか32話編では地上時代のグラフィックに戻っている。
- 神戸線(9,10,13話)
- 京都線(plus,18-19話)
- 千里線(18-19話)
- みなとみらい線(34-35,36-37話)
ゲーム版未実装区間
- 北総線(49巻-50巻)